JP2008120404A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、採血検査の前工程における採血工程での試験管(tube)の事前準備作業を行なうものであって、医師からの採血指示に応じて種類の異なる試験管を一度に多数選択し、患者IDや前記採血指示内容等の患者情報を印字したラベルと共に患者別にトレイへ収納することのできる処理能力に優れたチューブディスペンサーに関するものである。
病院、医院、その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採取し、採取した検体を試験管へ収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の試験管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、試験管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが試験管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。そして、採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記試験管準備装置で準備された各試験管にはオーダ番号等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
また患者には受付番号等のバーコードが印刷された採血受付票が発行されている。採血作業に際しては、これらのラベルや受付票の内容をバーコードリーダ等の光学的機器により読み取って患者及び試験管の取り間違いが起こらないようにしている。
このような採血業務の自動化を図り、採血業務を支援する技術として、特許文献1に示す技術がある。
また患者には受付番号等のバーコードが印刷された採血受付票が発行されている。採血作業に際しては、これらのラベルや受付票の内容をバーコードリーダ等の光学的機器により読み取って患者及び試験管の取り間違いが起こらないようにしている。
このような採血業務の自動化を図り、採血業務を支援する技術として、特許文献1に示す技術がある。
前記特許文献1の技術は、複数の試験管収容部を備え、医師からの採血オーダ情報に基づいて患者の採血に必要な試験管を対応する試験管収容部から取り出し、ラベル印字・貼付手段を用いて、患者の採血に関する情報を印字して取り出した試験管に貼り付けるようにしている。そして、ラベル貼付後の試験管を排出手段で試験管回収部まで移送し、試験管回収部にてラベル貼付後の試験管を患者毎にトレイで収容するようにしている。
更に、特許文献1では、試験管収容部にラベル貼付後の試験管を入れる直前に試験管に貼り付けられたラベルの情報を読み取れるように読取手段を設け、該読取手段で読み取った情報と、医師からの採血オーダ情報とを照合確認するようにしている。
更に、特許文献1では、試験管収容部にラベル貼付後の試験管を入れる直前に試験管に貼り付けられたラベルの情報を読み取れるように読取手段を設け、該読取手段で読み取った情報と、医師からの採血オーダ情報とを照合確認するようにしている。
一方、一連の採血作業の手順は、患者が採血室受付で受付を行うと、当該患者の情報が試験管準備装置へ伝達されると共に患者には採血受付票が手渡される。試験管準備装置では、当該患者の採血情報をHIS(医療情報システム)又はLIS(検査情報システム)の医事コンピュータから取得し、検査に必要な種類別の試験管を準備し、患者ごとにトレイへ投入して採血作業現場へ排出している。採血作業現場では、順次搬送されて来るトレイの患者情報に基づいて患者を呼び出し、到着後に患者が本人であるか否かを確認して採血を行っている。
特開2005−67660号公報
ところが、前記特許文献1に示す技術では、試験管を自動的に準備する装置が、試験管を一本ずつ準備しており、非常に効率の悪い作業となっている。すなわち、採血受け付け後に、HIS(医療情報システム)又はLIS(検査情報システム)の医事コンピュータから取得した検査情報に基づいて必要な試験管を一本選択してストッカーから該当する試験管を切り出して取り出し、これと並行して前記選択した試験管に関する患者情報及び検査情報等をラベルへ印字し、この印字したラベルを前記選択した試験管へ貼り付け、貼り付け後の試験管を当該患者のためのトレイへ投入している。そして、このような一本ずつの試験管の準備を繰り返して行うことで、一人の患者に必要な数の試験管を順次準備している。例えば、当該患者が8項目の採血検査が必要な場合は、8回の試験管準備作業を繰り返して行う必要があった。
そのため、一日に処理する採血患者数の多い病院等では、これらに対処するために試験管準備装置を多数設置すると共に、これに対応して採血作業者も多数人を確保して配置する必要があった。また試験管一本ずつの準備では、一人の患者に対する試験管準備作業時間が長くなり、効率的にも悪いものとなっていた。
そのため、一日に処理する採血患者数の多い病院等では、これらに対処するために試験管準備装置を多数設置すると共に、これに対応して採血作業者も多数人を確保して配置する必要があった。また試験管一本ずつの準備では、一人の患者に対する試験管準備作業時間が長くなり、効率的にも悪いものとなっていた。
また特許文献1に示す技術では、患者情報及び検査情報などを印字したラベルの貼付装置を試験管準備装置内に組み込む必要があり、試験管準備装置の全体が大型化し、十分な設置スペースを確保した上で、土台強度が十分な床面へ固定設置する必要があった。しかも、特許文献1の技術では、一人の患者の検査に必要な全ての種類の試験管が準備されたトレイを採血作業現場へ搬送するようにしており、大掛かりな搬送設備も必要であるため、レイアウト変更などのときには、容易に試験管準備装置を移動させたりすることができず、また個人の病院へ適用するにはスペース的に制限を受けるなどの問題があった。
前記簡易小型化及びポータビリティ性の問題と、スペース的な問題とは、災害時等において、簡易に設置する必要のある場合などにも対処することができない原因の一つとなり、緊急対応が出来ないという欠点があった。
前記簡易小型化及びポータビリティ性の問題と、スペース的な問題とは、災害時等において、簡易に設置する必要のある場合などにも対処することができない原因の一つとなり、緊急対応が出来ないという欠点があった。
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、簡易小型化でポータビリティ性に優れ、机上等にも容易に設置でき、災害時等の緊急対応性にも優れ、且つ医師からの採血指示に応じて種類の異なる試験管を一度に多数選択して準備することで処理能力にも優れたチューブディスペンサーを提供せんとするものである。
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、同一種類の試験管を多数収容する試験管収容部が対向して配置されたストッカーと、各試験管収容部において対向する試験管収容部どうしの中央寄りの下部側に配置された試験管を一本ずつ切り出すための切出ローラと、これらの切出ローラの下方側に配置された試験管を搬送するための搬送コンベアと、搬送コンベアの終端側に形成された試験管収納用トレイの載置部とで構成したことを特徴とするチューブディスペンサーである。
本発明が採用した請求項2の手段は、同一種類の試験管を多数収容する試験管収容部が対向して配置されると共に少なくともこれらが複数並列配置されたストッカーと、各試験管収容部において対向する試験管収容部どうしの中央寄りの下部側に配置された試験管を一本ずつ切り出すための切出ローラと、これらの切出ローラの下方側に配置された試験管を搬送するための搬送コンベアと、搬送コンベアの終端側に形成された試験管収納用トレイの載置部と、トレイ載置部の隣位に配置され、前記トレイ載置部のトレイに対して患者情報及び検査情報等が印字されたラベルを投入するためのラベルプリンタとで構成したことを特徴とするチューブディスペンサーある。
本発明が採用した請求項3の手段は、各試験管収容部の切出ローラは個別に駆動制御されるようになっており、トレイ載置部のトレイ検知信号によって駆動が開始されるか又はトレイ検知信号と発行ボタン信号の二つの信号が出力されたときに駆動が開始されるかの選択が可能である前記請求項1又は2に記載のチューブディスペンサーである。
本発明が採用した請求項4の手段は、各試験管収容部の切出ローラは全てのものが同時に駆動できるようになっている前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載のチューブディスペンサーである。
本発明が採用した請求項5の手段は、ラベルプリンタからのトレイへのラベルの投入時期は、試験管が収納される前又は後のいずれかを選択できるようになっている前記請求項2に記載のチューブディスペンサーである。
本発明が採用した請求項6の手段は、患者情報及び検査情報等のデータをパソコンから取得するようにした前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載のチューブディスペンサーである。
請求項1の発明にあっては、同一種類の試験管を多数収容する試験管収容部が対向して配置されたストッカーを有している。尚、試験管収容部の総設置数は、必ずしも偶数にならなくても、奇数となる場合であってもよい。そして、各試験管収容部において対向する試験管収容部どうしの中央寄りの下部側には、試験管を一本ずつ切り出すための切出ローラが配置されている。切出ローラは、例えば、円柱状の周面に凹条が形成され、該凹条に試験管を落とし込んで一本の試験管を保持し、切出ローラを回転させて試験管が下方を向くようにすることで保持した試験管を自然落下させるようになっている。
切出ローラの下方側には、試験管を搬送するための搬送コンベアが配置されており、切出ローラから自然落下した試験管を当該搬送コンベアが受け取り、所定位置まで搬送するようになっている。搬送コンベアの終端側には、試験管収納用トレイの載置部が設けられてトレイが準備されており、前記搬送コンベアによって搬送されてきた試験管が落下投入される。
このように試験管収容部を対向配置してこれらを並列配置することにより、ストッカー自体の大きさを小型化できる。また従来のように患者情報及び検査情報等を印字したラベルを試験管へ貼付する貼付装置が組み込まれておらず、また多数の試験管を収納したトレイを採血現場まで搬送するためのトレイ搬送コンベアが不要であるため、チューブディスペンサーの全体を簡易小型化することができ、持ち運び等にも便利である。そのため、通常の事務用デスクの上へ載置して使用することも可能であり、災害時等の緊急時にその効用を最大限に発揮することが可能である。
請求項2の発明にあっては、前記請求項1の発明に加えて、トレイ載置部に隣接してラベルプリンタが設置されており、前記トレイ載置部のトレイに対して患者情報及び検査情報等が印字されたラベルを投入するようになっている。これにより、当該患者情報及び検査情報等を印字したラベルを別途、手貼りラベルプリンタなどで準備する必要がなく、試験管の準備と、当該患者情報及び検査情報等を印字したラベルの準備とを同時に行うことが可能である。
請求項3の発明にあっては、各試験管収容部の切出ローラが、個別に駆動制御されるようになっている。そして、トレイ載置部のトレイ検知信号によって駆動が開始されるか又はトレイ検知信号と発行ボタン信号の二つの信号が出力されたときに駆動が開始されるかの選択が可能である。これは、トレイ検知信号のみで例えば切出ローラの駆動を開始させるように限定すると、作業員の手等がトレイ検知センサーの検知領域に誤って侵入したときに、トレイが準備されていないにもかかわらず、試験管が切り出されて搬送コンベアからトレイ載置部へ落下供給され、誤作動の原因になることがあるので、トレイ検知信号と発行ボタン信号の二つの信号が出力されたときに始めて切出ローラの駆動が開始される使用形態も採用できるようにしている。
一方、専属の作業員が常に待機しているような場合は、作業員がトレイを載置部へ準備するだけで、これをセンサーが自動検知すれば、例えば切出ローラが駆動できるようにした方がタイムラグがなく、効率的である。
一方、専属の作業員が常に待機しているような場合は、作業員がトレイを載置部へ準備するだけで、これをセンサーが自動検知すれば、例えば切出ローラが駆動できるようにした方がタイムラグがなく、効率的である。
請求項4の発明にあっては、各試験管収容部の切出ローラが同時に駆動できるようになっている。採血対象の当該患者が6種類の試験管を必要としている場合には、6つの試験管収容部のそれぞれの切出ローラが一斉に試験管を切り出し、搬送コンベアに同時に6種類の試験管が落下供給され、搬送コンベア終端側に準備されたトレイに殆ど同時に投入することができる。そのため、非常に効率的な試験管の準備が可能である。
請求項5の発明は、ラベルプリンタからのトレイへのラベルの投入時期について、試験管が収納される前又は後のいずれかを選択できるようになっている。これは扇風機を回しているような採血現場ではあれば、試験管をトレイへ投入した後にラベルをトレイへ投入するようにすると、扇風機の風でラベルが吹き飛ばされる虞があるからである。このような場合は、ラベルを投入した後に試験管を投入するようにすれば、試験管の重量によってラベルが押さえられ、扇風機が回っているような環境下でもラベルが吹き飛ばされるようなことはない。
一方、このような心配のいらない環境下では、試験管をトレイへ投入した後、ラベルをトレイへ投入するようにした方が作業員による試験管へのラベルの貼付作業が容易となる。
一方、このような心配のいらない環境下では、試験管をトレイへ投入した後、ラベルをトレイへ投入するようにした方が作業員による試験管へのラベルの貼付作業が容易となる。
請求項6の発明は、患者情報及び検査情報等のデータをデスクトップ型又はノート型パソコンから取得するようにしている。このようにチューブディスペンサーの本体をデスクトップ型又はノート型パソコンと接続することにより、特にノート型パソコンに接続した場合は、災害時等の持ち運び、簡易設置性を高めることができる。例えば、災害時等において、救護テントに設置された診察室にテーブルを準備し、その上に本発明にかかるチューブディスペンサーを置き、これに医者が使用するノート型パソコンを接続し、医者が患者を診察した後に、ノート型パソコンに入力した患者情報及び検査情報等をチューブディスペンサーへ送信し、試験管を準備するように構成することができる。
これであれば短時間に大勢の被災患者を診察及び採血検査しなければならない場合等に容易に対応することが可能である。
なお、簡易小型化及びポータビリティ性に優れ、且つ試験管の準備効率においても優れているので、災害時に限らず、通常の病院や個人経営の小さな病院、更には移動健診車等においても簡易に設置でき、いろんな環境下で使用することが可能である。
これであれば短時間に大勢の被災患者を診察及び採血検査しなければならない場合等に容易に対応することが可能である。
なお、簡易小型化及びポータビリティ性に優れ、且つ試験管の準備効率においても優れているので、災害時に限らず、通常の病院や個人経営の小さな病院、更には移動健診車等においても簡易に設置でき、いろんな環境下で使用することが可能である。
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1は本発明の一実施の形態に係るチューブディスペンサー1の全体を示す平面図、図2は同正面図、図3は同縦断面右側面図である。また図4はチューブディスペンサー1のフローチャートを示す図面、図5はシーケンシャルフローチャートを示す図面、図6は電気的な構成を示すブロック図、図7は機械的な構成を示すブロック図である。
図1乃至図3に示すごとく、この実施の形態のチューブディスペンサー1は、箱状に形成された本体2と、本体2に内蔵された電子部品搭載の基板(図示せず)とRS232C通信方式等のインターフェースを介して接続される医師等が使用するノート型の発行パソコン3と、本体2の右側面中央寄りの位置に設置された試験管収納用トレイ4の載置台5と、前記本体2の基板に対してRS232C通信方式等のインターフェースを介して接続され、前記トレイ載置台5に隣接して本体2の右側面奥側に配設されたラベルプリンタ6とで構成されている。前記ノート型の発行パソコン3は、デスクトップ型であってもいいが、この実施の形態ではポータビリティ性に最も優れているノート型を採用している。
本体2は、その上部側に上面が開口して区画された試験管7のストッカー8が設けられている。ストッカー8は、同一種類の試験管7を多数収容する試験管収容部9A,9Bが対向して配置されている。図面の実施例では、これらのものが片側にそれぞれ三個ずつ並列配置されている場合を示しており、合計六個の試験管収容部9A,9Bが形成されている。従って、この実施例のチューブディスペンサー1で取り扱う試験管7の種類は六管種ということになる。尚、試験管収容部の総設置数は、必ずしも偶数にならなくても、奇数となる場合であってもよい。また各試験管収容部9A,9Bの底板10は、それぞれが向き合う中央の位置へ向けて下り勾配となるように傾斜して取り付けられており、投入された試験管7が自然に転がって中央寄りの位置へ集合できるようになっている。
更に、各試験管収容部9A,9Bにおいて対向する試験管収容部どうしの中央寄りの下部側には、各試験管収容部9A,9Bに収容された試験管7を一本ずつ切り出すための切出ローラ11が配置されている。切出ローラ11は、例えば、円柱状の周面に凹条12が形成され、該凹条12に試験管7を落とし込んで一本の試験管7を保持するようになっている。そして、切出ローラ11は、試験管7を保持したまま回転し、試験管7が下方を向くようになると凹条12に保持した試験管7を自然落下させるようになっている。それぞれの切出ローラ11は、個別の試験管排出モータ(図6参照)によって独立して駆動制御される。また切出ローラ11の近傍には、ローラの回転方向に追随して搖動自在なセンサードグ(図示せず)が取り付けられており、切出ローラ11の凹条12に試験管7が保持されてローラが回転すると、試験管7によってセンサードグが搖動支点を中心にして押し上げられ、フォトセンサーの光を遮断するようになっている。これにより、試験管7の切出が実際に行われたか否かを検知することが可能である。
尚、図1及び図3において、符号13は、各試験管収容部9A,9Bへ投入された試験管7の押さえ兼用の保護板である。図3における保護板13の中央寄りの位置には、起立片13Aが折り曲げ形成されている。保護板13は、試験管7の切出供給に伴い、収容している試験管7の残り数が少なくなってくると次第に下降をし、ある本数以下になると、試験管収容部9A,9Bの中央寄り壁面に配設したリミットスイッチ(図示せず)を押し下げ、試験管7の残り数が少なくなってきたことを知らせるようになっている。
切出ローラ11の下方側には、試験管7を搬送するための搬送コンベア14が、本体2の左側端面から右側端面にかけて配置されており、各試験管収容部9A,9Bの切出ローラ11によって一本ずつ切り出されて自然落下する試験管7を当該搬送コンベア14が受け取り、本体2の右側面に設けた排出口15の位置まで搬送するようになっている。上述した試験管収納用トレイ4の載置台5は、前記排出口15に連続して設けられており、排出口15から排出される試験管7をトレイ4へ収納するようになされている。
更に、本体2の正面側には、電源スイッチ16と、データの発行開始信号を与える押ボタンスイッチ17と、状態を表示する赤色、黄色、緑色の三種類のランプ(LED)18A,18B,18Cが設置されている。これらのランプの状態表示の一例を挙げると次の通りである。すなわち、緑色のランプ18Aは、「消灯」のときは電源がOFFで、「点灯」しているときは電源がONで、「点滅」しているときは本体動作初期作動中か又は発行パソコン3から設定値のデータ受信中の状態を表している。また黄色のランプ18Bは、「消灯」のときは発行データ無を表し、「点灯」のときはデータ有りで、トレイ検知信号と発行押ボタンスイッチの信号待ちの状態を表し、「遅い点滅」で発行動作処理中を、「早い点滅」で発行動作処理完了(トレイ取り出し待ち)の状態を表している。更に、赤色のランプ18Cは、「消灯」でエラー無し(正常)を表し、「点灯」で未排出の試験管有るので試験管を補充して押ボタンスイッチを押し、不足分を追加発行することを催促表示し、「点滅」で何らかのエラーが発生していることを表している。
更にまた、本体2の右側面には、試験管収納用トレイ4の有無を検知するためのセンサー(例えば、赤外線を利用した反射型のフォトセンサー)が取り付けられている。
更にまた、本体2の右側面には、試験管収納用トレイ4の有無を検知するためのセンサー(例えば、赤外線を利用した反射型のフォトセンサー)が取り付けられている。
次に、このように構成されたチューブディスペンサー1の動作態様を図4のフローチャート及び図5のシーケンシャルフローチャート、更には図6の電気的構成を示すブロック図及び図7の機械的構成を示すブロック図を参照して説明する。先ず、電源スイッチ16を押して電源を投入すると、緑色の発光ダイオード18Aが点灯し、ノート型の発行パソコン3から患者情報及び検査情報等の電文(データ)が本体2の基板に送信される。この状態で、発光ダイオード18Aは、点滅表示に切り替わり、電文の受信中であることを表示する。受信が完了すると、黄色の発光ダイオード18Bが点灯し、発行データが有ることを表示する。本体2の基板は、受信した電文の内容が一人の患者分の全部であるか否かを確認する。YESであれば、試験管収納用トレイ4がトレイ載置台5上に準備されているか否かを確認する。そして、作業員が押ボタンスイッチ17を押すと、その信号が基板に検出される。
一方、チューブディスペンサー1の本体2では、各試験管収容部9A,9Bにそれぞれ所定の種類の試験管7が収容されているか否かを保護板13の起立片13Aによって機械的に押し下げられるリミットスイッチからの信号の有無によって判断する。リミットスイッチからの信号がなければ、試験管7は十分に収容されており、作業を続行する。この状態では、黄色の発行ダイオード18Bが遅い点滅を繰り返して発行動作処理中であることを表示する。
続いて、基板は、受信した発行データから当該患者の採血に必要な種類の試験管が収容されている試験管収容部9A,9Bの切出モータを一斉に駆動させて切出ローラ11を回転駆動させる。例えば、当該患者は6管種の採血が必要であれば、全ての試験管収容部9A,9Bの切出ローラ11を同時に回転駆動させる。切出ローラ11は、回転途中の収容部に面した領域において凹条12に試験管7を落とし込んで保持する。そして、切出ローラ11が更に回転すると、凹条12に保持された試験管7が搖動自在なセンサードグを押し上げ、フォトセンサーの照射光を遮断させる。そのため、このフォトセンサーからの出力信号を検知することにより、試験管7が実際に切り出されたか否かを確認することが可能である。
切り出された試験管7は、切出ローラ11の凹条12が斜め下方を向いたときに搬送コンベア14の上に自然落下する。切り出された試験管7の数が6管種であれば、ほぼ同時に6個の試験管7がコンベア14上に落下する。そして、搬送コンベア14によって本体2の右側面に設けられた排出口15から試験管収納用トレイ4に次々と落下投入される。一方、ラベルプリンタ6からは、基板から出力された患者情報及び検査情報等の発行データに基づいて必要事項がラベル19に印字され、印字後のラベル19は自動的に切り取られて試験管7が収納されているトレイ4に投入される。ラベル19は、試験管7の本数に対応した数のものが一枚のシートになってラベルプリンタ6から打ち出される場合と、各試験管7の個々に対応した数のものを一枚ずつプリントアウトする場合とがある。
これで発行データの処理動作が完了し、黄色の発行ダイオード18Bは早い点滅に切り替わる。そして、作業員が採血に必要な種類及び個数の試験管7と、患者情報などを印字したラベル19とが投入されたトレイ4を取り出せば、これを図示しない反射型のフォトセンサーが検知し、一連の準備作業が完了する。
これで発行データの処理動作が完了し、黄色の発行ダイオード18Bは早い点滅に切り替わる。そして、作業員が採血に必要な種類及び個数の試験管7と、患者情報などを印字したラベル19とが投入されたトレイ4を取り出せば、これを図示しない反射型のフォトセンサーが検知し、一連の準備作業が完了する。
なお、ラベルプリンタ6からのトレイ4へのラベル19の投入時期について、試験管7が収納される前か又は後のいずれかを選択できるようになっている。これは扇風機を回しているような採血現場ではあれば、試験管7をトレイ4へ投入した後にラベル19をトレイ4へ投入するようにすると、扇風機の風でラベル19が吹き飛ばされる虞があるからである。このような場合は、ラベル19を投入した後に試験管7を投入するようにすれば、試験管7の重量によってラベル19が押さえられ、扇風機が回っているような環境下でもラベル19が吹き飛ばされるようなことはない。このラベル19の投入時期の選択は、例えば、発光ダイオード18A,18B,18Cのいずれかをプッシュボタンスイッチ兼用とし、このボタン操作で行なうようにしてもよく、また専用のボタンスイッチを設けるようにしてもよい。
このようにして、試験管7とラベル19とが投入されたトレイ4を、取り出した後は、空のトレイ4をトレイ載置台5上に準備し、本体2の正面側の押しボタンスイッチ17を押して次の患者の試験管準備作業に移行すればよい。採血現場においては、ラベル19が一枚のシートになっている場合は、シートから一枚ずつ剥がし、該当する試験管7へ貼付すればよく、また個々の試験管7に対応して一枚ずつがプリントアウトされた場合は対応する試験管7へそれぞれのラベル19を貼付するばよい。そして、採血に際しては、患者が保有する採血受付票のバーコードの情報と、試験管7に貼付されたバーコードの情報とを照合し、患者の取り違いがないかを確認した上で採血作業を実施すればよい。
なお、前記一連の準備作業において、各試験管収容部9A,9Bの試験管7の収容数が残り少なくなったことを検知するリミットスイッチからの信号と、切出ローラ11に保持された試験管7の有無によって信号出力するフォトセンサーからの信号とを組み合わせることにより、試験管7が詰まっているのか、空になっているのかを知ることが可能である。リミットスイッチからの信号がOFF出力で、切出ローラ11が3回転してもフォトセンサーからの信号もOFF出力のときは、試験管7が十分収容されているのに試験管7が切り出せないということであり、この場合は試験管7が詰まっていることになる。またリミットスイッチの信号がON出力で、切出ローラ11が3回転してもフォトセンサーからの信号もOFF出力のときは、試験管7が全く収容されていない空の状態であり、試験管7の補充が必要である。更に、リミットスイッチの信号がON出力でフォトセンサーからの信号もON出力のときは、試験管7の収容数が所定数以下になったときであり、試験管7の補充の準備が必要である。
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、対向する試験管収容部9A,9Bは三つのペアの場合を説明したが、一つのペアでもよく、また上記以外の複数のペアであってもよい。また採血に必要な試験管7の数がチューブディスペンサー1の収容部9A,9Bの設置数を越えるときは、同一の管種が複数本要求されているということであり、この場合は該当する管種の切出動作のみをその数だけ繰り返して行なえばよい。このように一回の切出動作で未排出の試験管があるときは、赤色発行ダイオード18Cを点灯させる等して作業員に知らせるようにすればよい。作業員は、押ボタンスイッチ17を押して未排出の試験管7の排出処理動作を行えばよい。
更に、各試験管収容部9A,9Bにおけるリミットスイッチと、フォトセンサーとの信号による試験管7の詰まりや空であることの検知手段は省略することも可能であり、この場合は試験管7の詰まりや空の現象が発生すると試験管7が排出されなくなるので、エラー表示されることになる。
更にまた、試験管7は、ゴム栓やキャップのない通常の試験管の他に、真空採血管であってもよい。また試験管7は、採血用の採血管として利用できる他に、分注に際しての検体を入れるための試験管としても適用可能である。
更にまた、試験管7は、ゴム栓やキャップのない通常の試験管の他に、真空採血管であってもよい。また試験管7は、採血用の採血管として利用できる他に、分注に際しての検体を入れるための試験管としても適用可能である。
1…チューブディスペンサー、2…本体、3…発行パソコン、4…試験管収納用トレイ、5…トレイ載置部、6…ラベルプリンタ、7…試験管、8…ストッカー、9A,9B…試験管収容部、10…底板、11…切出ローラ、12…凹条、13…保護板、14…搬送コンベア、15…試験管の排出口、19…ラベル
Claims (6)
- 同一種類の試験管を多数収容する試験管収容部が対向して配置されたストッカーと、各試験管収容部において対向する試験管収容部どうしの中央寄りの下部側に配置された試験管を一本ずつ切り出すための切出ローラと、これらの切出ローラの下方側に配置された試験管を搬送するための搬送コンベアと、搬送コンベアの終端側に形成された試験管収納用トレイの載置部とで構成したことを特徴とするチューブディスペンサー。
- 同一種類の試験管を多数収容する試験管収容部が対向して配置されると共に少なくともこれらが複数並列配置されたストッカーと、各試験管収容部において対向する試験管収容部どうしの中央寄りの下部側に配置された試験管を一本ずつ切り出すための切出ローラと、これらの切出ローラの下方側に配置された試験管を搬送するための搬送コンベアと、搬送コンベアの終端側に形成された試験管収納用トレイの載置部と、トレイ載置部の隣位に配置され、前記トレイ載置部のトレイに対して患者情報及び検査情報等が印字されたラベルを投入するためのラベルプリンタとで構成したことを特徴とするチューブディスペンサー。
- 各試験管収容部の切出ローラは個別に駆動制御されるようになっており、トレイ載置部のトレイ検知信号によって駆動が開始されるか又はトレイ検知信号と発行ボタン信号の二つの信号が出力されたときに駆動が開始されるかの選択が可能である前記請求項1又は2に記載のチューブディスペンサー。
- 各試験管収容部の切出ローラは全てのものが同時に駆動できるようになっている前記請求項1乃至3のいずれか一つに記載のチューブディスペンサー。
- ラベルプリンタからのトレイへのラベルの投入時期は、試験管が収納される前又は後のいずれかを選択できるようになっている前記請求項2に記載のチューブディスペンサー。
- 患者情報及び検査情報等のデータをパソコンから取得するようにした前記請求項1乃至5のいずれか一つに記載のチューブディスペンサー。
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