JP7474396B2 - 自動採血管判別装置、該自動採血管判別装置を用いた採血管照合装置、該自動採血管判別装置用の教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置、及び該採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置 - Google Patents

自動採血管判別装置、該自動採血管判別装置を用いた採血管照合装置、該自動採血管判別装置用の教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置、及び該採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置 Download PDF

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Description

本発明は、AIプログラムを用いて採血管を自動的に判別することができる自動採血管判別装置、該自動採血管判別装置を用いた採血管照合装置、自動採血管判別装置用の教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置、及び該採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置に関する。
患者の診断を行った医師は、その患者に対して何等かの血液検査が必要と判断した場合、検査内容に応じた採血指示を出す。
医師から採血指示が出されると、
検査内容に応じて、採血に必要な試験管の種類及び採血量が決められ、
ストックされている複数種類の採血管の中から患者の検査に必要な採血管を選択して取り出すと共に、
その患者に対応する検体情報等の識別情報を印字した識別ラベルを作成して取り出した採血管に貼り付け、
検査に必要な数と種類のラベル付き採血管を作成し、
ラベル付き採血管を患者単位でトレイ等に収容する採血前準備が行われ、
準備された採血管が採血者に受け渡される。
これは医師からの採血指示だけに限らず、例えば、健康診断等でも同様の採血前準備が行われる。
採血者は、準備されたトレイの中に入れられた採血管を使って、その採血指示に対応する患者から採血を行う。この採血時に、準備された採血管が、その患者の検査に対応しているものか否かの照合が行われる。
採血は、採血室の他、病棟等でも行われる。
採血後の採血管は、採血室又は病棟から検査室に集められ、
検査室で検査項目毎に仕分けられ、
各検査項目に対応する分析装置に送られる。
採血済み採血管を採血室や病棟から検査室に送る過程でも、正しい数と種類の採血管が運ばれているか照合を行うことが望ましく、また、検査室で検査項目毎に仕分ける際にも正しい数と種類の採血管があるか否か、そして、正しく仕分けがされているかを照合することが望ましい。
次いで、分析装置では、採血管を開栓して、中の血液を、直接、又は分注等を介して取出して、血液の成分の分析を行う。分析装置における採血管の開栓時、分注時及び血液取り出し時にも採血管の種類や数及び対応する患者の照合をすることが望ましい。
さらに、分析装置における分析後、残った採血管は一定期間保管庫に保管されるが、この保管時にも、採血管の種類や数及び対応する患者の照合をすることが望ましい。
上記したように、採血管は、採血を行う前から、採血中、採血後、検査前及び検査後の様々な場面で、その数や種類及び対応する患者を照合することが望まれている。
上記した照合を行うために、採血管に、識別情報をバーコード等で印字した識別ラベルを貼り付けたり、又は、無線タグを備えたラベルに、識別情報を記憶させて採血管に貼り付けたりすることが提案されている(特許文献1及び2)。
特許第3070522号公報 特開2004-347376号公報
上記した従来の方法は、採血管に貼り付けられた識別ラベルにバーコード等の形態で印字された識別情報又は識別ラベルに設けられた無線タグに記憶された識別情報に基づいて、採血管の種類や数及び対応する患者を照合するものであり、厳密に言うと、採血管そのものが照合されているのではなく、採血管に貼り付けられている識別ラベルから読み取れる識別情報が照合されているものである。
このため、識別情報をバーコード等の形態で識別ラベルに印字する装置や無線タグ付きラベルに識別情報を記憶させる装置を持たない施設では、照合を行うことができないという問題がある。
また、識別情報をバーコード等の形態で識別ラベルに印字する装置や無線タグ付きラベルに識別情報を記憶させる装置を有する施設であっても、場合によっては、患者氏名等を手書きした識別ラベルを採血管に貼り付けて採血を行うこともある。このような場合も、その採血管の照合を行うことはできない。
発明者等は、上記した従来の問題点に鑑みて、どのような施設においても、採血前準備、採血、回収、分析及び保管の様々な場面で簡単に採血管の自動判別を行うことができるようにする必要がある点に着目をして、鋭意研究を続け、発明を完成するに至った。
本発明は、従来の問題点を解決し、様々な場面で採血管の自動判別を行うことができる自動採血管判別装置を提供すること、並びに、該自動採血管判別装置を用いた採血管照合装置、自動採血管判別装置用教師データ取得機能を備えた自動採血管準備装置及び該採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明に係る自動採血管判別装置は、
対象となる採血管を撮影する画像入力手段、
撮影した画像から対象となる採血管画像データを抽出する画像処理手段、
採血管画像データを入力値として、採血管の外観に関する外観特徴を出力するように学習した外観判定AIプログラムと、
採血管画像データを入力値として、採血管の状態に関する状態特徴を出力するように学習した状態判定用AIプログラムと、
前記画像処理手段で抽出した採血管画像データを入力値として、前記特徴判定用AIプログラム及び前記状態判定用AIプログラムから出力された外観特徴及び状態特徴に基づいて採血管の外観及び状態を判別する判別手段と
を備えていることを特徴とする。
前記採血管の外観に関する外観特徴は、キャップ形状、管長及び管径、分離剤有無、キャップ色の中の少なくとも一つであり得る。
前記採血管の状態に関する状態特徴は、血液の有無、ラベル貼付けの有無及び採血管の方向の少なくとも一つであり得る。
また、本発明に係る採血管照合装置は、上記した自動採血管判別装置と、前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合する照合手段とを備えていることを特徴とする。
また、採血管照合装置は、自動採血管判別装置の画像処理手段で抽出した採血管画像における識別ラベルから画像認識及び/又は文字認識により、照合元情報に関連付けされた識別情報を抽出する識別情報抽出手段を備えることができ、この場合、前記識別情報抽出手段により抽出した識別情報に基づいて、前記照合手段が、前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合するように構成され得る。
さらに、採血管照合装置は、採血管に貼り付けられた識別ラベルから、採血管に対応する患者の識別情報を読み出す識別情報読み出し手段を有することができ、この場合、前記識別情報読み出し手段により読み出した識別情報に基づいて、前記照合手段が、前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合するように構成され得る。前記読み出し手段は、例えば、バーコードリーダ及び/又はRFIDリーダーであり得る。
また、本発明に係る教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置は、
少なくとも一種類の採血管を収容する採血管収容部を少なくとも二つ備え、
検査オーダー情報に基づいて、前記採血管収容部から患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管を識別ラベル貼付手段に移送する採血管移送手段と、
取り出した採血管に対応する患者に関する検体情報を、バーコードの形態でラベルに印字するか、又は、ラベルに設けられた無線タグに記憶させて識別ラベルを形成し、該識別ラベルを採血管に貼り付ける識別ラベル貼付手段と、
識別ラベル貼付後の採血管を、患者単位で収容部材に収容させる採血管回収手段と
を備えた自動採血管準備装置において、
前記採血管移送手段及び/又は採血管回収手段に設けられた採血管の外観を撮影する撮影手段と、該撮影手段で撮影した採血管画像と当該採血管の種類に関する情報とを関連付けして記憶する記憶手段とを備えた教師データ取得装置を設けた
ことを特徴とする。
また、前記自動採血管準備装置は、さらに、採血管移送手段で移送中の採血管の管径及び管長を機械的に測定する管径及び管長測定装置と、 前記管径及び管長測定装置の測定結果と、検査オーダー情報とを照合して、移送中の採血管が検査オーダー情報に合致しているか否かを照合する照合手段とを有することができ、この場合、前記照合手段による照合の結果、移送中の採血管が検査オーダー情報に合致している場合のみ、前記教師データ取得装置で、教師データを取得するように構成され得る。
前記撮影手段は、好ましくは、移送中の採血管を、その長手方向軸線を中心に回転させながら、複数の角度で採血管の外観を撮影するように構成され得る。
さらにまた、前記採血管自動準備装置は、採血管移送手段で移送中の採血管の方向を検知する方向検知手段を有することができ、この場合、方向検知手段で方向検知が成功した場合のみ、前記教師データ取得装置で、教師データを取得するように構成され得る。
また、本発明に係る採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置は、
少なくとも一種類の採血管を収容する採血管収容部を少なくとも二つ備え、
検査オーダー情報に基づいて、前記採血管収容部から患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管を識別ラベル貼付手段に移送する採血管移送手段と、
取り出した採血管に対応する患者に関する検体情報を、バーコードの形態でラベルに印字するか、又は、ラベルに設けられた無線タグに記憶させて識別ラベルを形成し、該識別ラベルを採血管に貼り付ける識別ラベル貼付手段と、
識別ラベル貼付後の採血管を、患者単位で収容部材に収容させる採血管回収手段と
を備えた自動採血管準備装置において、
前記採血管移送手段に、前記採血管照合装置を設け、
前記採血管照合装置に設けられた自動採血管判別装置で、識別ラベル貼付前の採血管の外観及び状態を判別し、判別結果と、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合し、照合結果が一致した場合のみ当該採血管に識別ラベル貼付処理を行い、照合結果が不一致の場合には当該採血管をエラー採血管として識別ラベルの貼付処理を行わないように構成され得る。
本発明に係る自動採血管判別装置は、
対象となる採血管を撮影する画像入力手段、
撮影した画像から対象となる採血管画像データを抽出する画像処理手段、
採血管画像データを入力値として、採血管の外観に関する外観特徴を出力するように学習した外観判定AIプログラムと、
採血管画像データを入力値として、採血管の状態に関する状態特徴を出力するように学習した状態判定用AIプログラムと、
前記画像処理手段で抽出した採血管画像データを入力値として、前記特徴判定用AIプログラム及び前記状態判定用AIプログラムから出力された外観特徴及び状態特徴に基づいて採血管の外観及び状態を判別する判別手段と
を備えているので、
複数の採血管の外観及び状態を同時に判別することが可能である。このように、採血管の外観に加えて採血管の状態を自動判別することで、例えば、採血管の準備段階、採血前、採血後、検査室への搬入時、病棟への搬入時等、様々な場面で採血管を容易に判別することができるようになり、結果として、判別結果に基づいて採血管の照合をすることができるようになり、採血管間違い、採血忘れ、採血管紛失等の様々な問題を解消することが可能になる。
また、本発明に係る採血管照合装置は、上記した自動採血管判別装置と、前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合する照合手段とを備えているので、様々な場面で採血管の照合をすることができるようになり、採血管間違い、採血忘れ、採血管紛失等の様々な問題を解消することが可能になる。
また、本発明に係る教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置は、
少なくとも一種類の採血管を収容する採血管収容部を少なくとも二つ備え、
検査オーダー情報に基づいて、前記採血管収容部から患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管を識別ラベル貼付手段に移送する採血管移送手段と、
取り出した採血管に対応する患者に関する検体情報を、バーコードの形態でラベルに印字するか、又は、ラベルに設けられた無線タグに記憶させて識別ラベルを形成し、該識別ラベルを採血管に貼り付ける識別ラベル貼付手段と、
識別ラベル貼付後の採血管を、患者単位で収容部材に収容させる採血管回収手段と
を備えた自動採血管準備装置において、
前記採血管移送手段及び/又は採血管回収手段に設けられた採血管の外観を撮影する撮影手段と、該撮影手段で撮影した採血管画像と当該採血管の外観に関する情報とを関連付けして記憶する記憶手段とを備えた教師データ取得装置を設けているので、
採血管判別装置を使用する施設に適した採血管に関する教師データを優先的に取得することが可能になり、結果として、採血管判別装置を使用する施設に合わせて効率よく学習させることが可能になる。
さらにまた、本発明に係る採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置は、
少なくとも一種類の採血管を収容する採血管収容部を少なくとも二つ備え、
検査オーダー情報に基づいて、前記採血管収容部から患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管を識別ラベル貼付手段に移送する採血管移送手段と、
取り出した採血管に対応する患者に関する検体情報を、バーコードの形態でラベルに印字するか、又は、ラベルに設けられた無線タグに記憶させて識別ラベルを形成し、該識別ラベルを採血管に貼り付ける識別ラベル貼付手段と、
識別ラベル貼付後の採血管を、患者単位で収容部材に収容させる採血管回収手段と
を備えた自動採血管準備装置において、
前記採血管移送手段に、前記採血管照合装置を設け、
前記採血管照合装置に設けられた自動採血管判別装置で、識別ラベル貼付前の採血管の外観及び状態を判別し、判別結果と、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合し、照合結果が一致した場合のみ当該採血管に識別ラベル貼付処理を行い、照合結果が不一致の場合には当該採血管をエラー採血管として識別ラベルの貼付処理を行わないように構成されていいるので、従来用いられていた、機械的な管径管長測定手段や方向検知手段を設けることなく、ラベル貼付前に採血管の照合をすることが可能になる。
自動採血管判別装置の概略ブロック図を示している。 採血管収容容器の概略平面図である。 図2aにおけるA-A断面図を示している。 図3aは複数の角度で撮影された採血管画像であり、図3bは切り出された後の画像を採血管毎に紐づけした状態を概念的に示す図である。 AIプログラム部を構成するニューラルネットワークの原理を説明する概念図である。 学習用に用いられる外観特徴C1及び状態特徴C2の一覧を示している。 学習に使用される評価値算出方法の一例を示す図である。 学習用データ(教師データ)の一覧を示す図である。 評価用データの一覧を示す図である。 採血管照合装置の一実施例を示す概略ブロック図である。 採血管照合装置の動作の一例を示すフローチャートである。 外来採血に採血管照合装置を使用した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 病棟採血に採血管照合装置を使用した場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置の構造を概略的に示す正面図である。 図13の概略B-B断面図である。 (a)は管径管長測定手段90の構成を概略的に示す背面図(図14における右側から見た図)であり、(b)は管径管長測定手段90の構成を概略的に示す右側面図である。 上下及び左右が下辺部材66(ラック)及び上辺部材92並びに左辺部材93及び右辺部材94で挟まれた採血管を示す図である。 左右一対の方向検知手段の構造を概略的に示す図であり、(a)は方向検知手段の動作前の状態を示しており、(b)は採血管のキャップが右側にある状態で方向検知手段が動作した状態を示す図であり、(c)は採血管のキャップが左側にある状態で方向検知手段が動作した状態を示す図である。 自動採血管判別装置及び採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置の構造を概略的に示す図14に対応する概略断面図である。 図18に示した自動採血管準備装置に設けられた採血管照合装置の一実施例を示す概略ブロック図である。 ラック型採血管収容容器を示す図である。
以下、添付図面に示した一実施例を参照して、本発明に係る自動採血管判別装置の実施の形態について説明していく。
図1は、本発明に係る自動採血管判別装置の構成を示す概略ブロック図を示している。
図面に示すように、この自動採血管判別装置1は、
判別すべき採血管の画像を入力する画像入力手段3と、
入力した画像を後述するAI制御部に入力する画像データに加工する画像処理部5と、
該画像処理部5からの出力を入力値として、採血管の外観特徴C1及び採血管の状態特徴C2を出力するAI制御部7と、
AI制御部7の出力に基づいて採血管を判別する判別部9と、
判別部9の判別結果を出力する出力手段11と
を備えている。
画像入力手段3は、判別すべき採血管を撮影するカメラ等の撮影手段で構成され得るが、撮影手段に限定されるものではなく、例えば、予め取得した画像データを入力するように構成してもよい。
画像処理部5は、画像入力手段3から入力した画像から、判定すべき採血管の画像を自動的に切り出すように構成されている。
具体的には、例えば、カメラ等で採血管を撮影する際に、AI制御部7へ入力する画像として切り出すべき範囲を特定するマークを備えた容器に採血管を収容し、前記マークを含むように撮影範囲を設定したカメラで採血管を収容した容器を撮影した後、前記マークに基づいて、判別すべき採血管を含む容器の一部の画像を切り出すように構成され得る。また、別の実施例では、例えば、採血管を収容した容器とカメラの位置とを固定して、固定距離で採血管を収容した容器を撮影すると共に、撮影後の画像の切り出し範囲を予め決めておくことで、判別すべき採血管を含む容器の一部の画像を切り出すように構成してもよい。
画像処理部5は、必要に応じて、切り出した画像をさらに、AI制御部の入力に合わせてリサイズするように構成され得る。
図2は、撮影すべき採血管を収容する容器15の一実施例を示す図であり、図2(a)は容器15の平面図、図2(b)は図2(a)におけるA-A断面図を示している。
図面に示すように、この容器は、上方が解放した略矩形の箱型形状であり、その内部に、前側側壁15aと並行な三つのガイドプレート19,21及び23が設けられている。各ガイドプレート19,21,23には、採血管を入れた時に、採血管を保持可能な上向きに開放している半円形凹部19a,21a,23aが複数(この実施例では10個)形成されており、これら半円形凹部19a,21a,23aに採血管を嵌め込むことで採血管を左右側壁15cと並行に保持することができるように構成されている。
図2(b)に示すように、前記ガイドプレート19、21、23は徐々に低くなるように構成されており、これにより、採血管を、その栓側を上にして斜めに傾いた状態で収容することが可能になる。上記したように構成された容器15は、図2(a)に示すように、各採血管が収容されるべき位置の周囲(この実施例では四隅)に、マーク17が設けられている。
上記したように、この容器15は、採血管を、その栓側を上にして傾けた状態で収容することができるように構成されているので、例えば、栓の前方に鏡(図示せず)を配置することにより、採血管の正面に加えて、栓の上面を撮影することが可能になる。図示実施例では示していないが、さらに、容器15に収容された採血管をその長手方向軸線を中心として回転させるように構成されたローラ又はベルト等が設けられ得、これにより、採血管の正面を複数の角度から撮影することが可能になる。
また、上記したように、採血管を、その栓側を上にして傾けた状態で収容するように容器15を構成することにより、例えば、採血管の中に、分離剤が入っている場合には分離剤を採血管の下方に集めることができ、また、採血管の中に血液が入っている場合も血液を採血管の下方に集めることができる。これにより、採血管を正面から撮影した時に、分離剤や血液が、採血管の正面画像に現れ、分離剤や血液の存在及び量を認識し易くなる。
画像入力手段3は、上記したように構成された容器15に収容された一つ又は複数(図2では3本)の採血管の正面画像(及び必要に応じて栓画像)を、好ましくは、採血管を、その長手方向軸線を中心に回転させながら、複数回撮影して、一つの採血管に対して複数の画像を取得する。具体的には、例えば、採血管を90°回転させながら4回撮影して、一つの採血管に対して4つの画像を取得し得る。このように構成することより、容器内での採血管の状態によって、例えば、ラベルが完全に裏側に隠れる等の問題が生じない。
画像処理部5は、取得した画像から前記マーク17に従って、各採血管毎に画像データを切り出し、必要に応じて、具体的には、AI制御部7における入力に合わせて、切り出した画像データをリサイズする。
図3(a)は複数の採血管を収容した容器15を、採血管を、その長手方向軸線を中心に回転させながら、正面から撮影した複数の画像の一例を示しており、図3(b)は、図3(a)の画像から切り出された各採血管画像を採血管毎に紐づけした状態を概念的に示している。図3の実施例では、容器15が3本の採血管を収容できるように構成されており、外観の異なる3本の採血管T1、T2及びT3が収容されている。図3の実施例では、採血管T1、T2及びT3を、それらの長手方向軸線を中心に90°回転させながら、画像入力手段3によって容器15を4回撮影し、四つの画像P1~P4を取得している(図3(a))。
画像処理部5は、画像入力手段3によって取得された画像P1から各採血管T1、T2及びT3の画像T1(P1),T2(P1)、T3(P1)を切り出し、同様に、画像P2から各採血管T1、T2及びT3の画像T1(P2),T2(P2)、T3(P2)を切り出し、画像P3から各採血管T1、T2及びT3の画像T1(P3),T2(P3)、T3(P3)を切り出し、画像P4から各採血管T1、T2及びT3の画像T1(P4),T2(P4)、T3(P4)を切り出す。そして、切り出された画像は、図3(b)に示すように同じ採血管毎に紐づけされてAI制御部7に入力される。
尚、図3(b)では、各採血管T1,T2及びT3について、その全体の画像を切り出してAI制御部7に入力するように構成されているが、画像処理部5における画像切り出し方法は、本実施例に限定されることなく、AI制御部7における判定に適した画像であれば任意の切り出し方法でよい。具体的には、限定するものではないが、例えば、後述する採血管の状態特徴として、「採血管の方向」を用いる場合には、採血管の全体の画像よりも、長手方向半分の画像を切り出した方が有利であり得る。
AI制御部7は、少なくとも一つの採血管の外観に関する外観特徴C1を学習した少なくとも一つの外観判定用AIプログラム部25及び少なくとも一つの採血管の状態に関する状態特徴C2を学習した状態判定用AIプログラム部27を有する(図1)。
具体的には、この実施例では、AI制御部7は、
採血管有無C1a、採血管のキャップ形状C1b、管長及び管径C1c、分離剤有無C1d、キャップの色C1e及び管の種類C1fを、各々採血管の外観に関する外観特徴C1として学習した外観判定用AIプログラム部25a~25fと、
血液の有無C2a、ラベル貼付けの有無C2b及び採血管の方向C2cを、各々採血管の状態に関する状態特徴C2として学習した状態判定用AIプログラム部27a~27cを備えている。
各AIプログラム部25及び27は、入力層、少なくとも一つの中間層及び出力層を備えたニューラルネットワークから成り、画像処理部5で処理される画像に対応する、外観及び状態が既知の採血管画像を教師データとして入力し、外観特徴C1及び状態特徴C2の正解値が出力として得られるように、各層間のエッジの値を最適化することにより、外観特徴C1及び状態特徴C2が予め学習されている。
図4(a)は、AIプログラム部を構成するニューラルネットワークの原理を説明する概念図である。
図面に示すように、入力層、中間層及び出力層毎に複数のノードを有し、上流にある層の各ノードからの出力が、その下流に位置する層の各ノードに入力される。図4(b)は上流にある複数のノードと、下流にある一つのノードとの関係を表す図であり、図面に示すように、ノードVi-1及びノードVi間にはエッジ(重み付け係数)Wが付与されている。既知の複数の教師データの入力値に対して、出力層が所定の割合で正解値を出力するようになるまで、前記重み付け係数Wを調整することで、学習が行われる。
具体的には、本発明の場合、例えば、採血管のキャップ形状判定用AIプログラム部25bは、様々な形状のキャップが装着された、様々な寸法の採血管の画像を教師データとして入力し、出力が、正解値(即ち、教師データとして入力される採血管画像のキャップ形状)に近づくように、前記重み付け係数Wの調整が行われる。
入力層に入力される画像データは、前記したように入力層の入力に対応するように画像処理部5によってリサイズされる。即ち、例えば、入力層の入力が256×256ノード数から成る場合、画像処理部5は、切り出した採血管画像を256×256ピクセルにリサイズして、AI制御部7の入力層にリサイズ後の採血管画像を入力し、AI制御部7における各AIプログラム部は、出力層の出力が、入力された採血管画像に対応する外観特徴又は状態特徴に近づくまで前記重み付け係数の調整を行うことで、外観特徴又は状態特徴を学習する。
以下にAIプログラム部の学習方法の一実施例について説明していく。
図5は、学習用に用いられる外観特徴C1及び状態特徴C2の一覧を示しており、図6は学習に使用される評価値算出方法の一例を示す図である。
図5に示すように、この実施例では、採血管の外観に関する外観特徴C1として、
採血管の有り及び採血管無しの2種類の採血管有無情報C1aと
フィルムキャップ、オーバーキャップ、ゴムキャップ及びその他のキャップの4種類のキャップ形状情報C1bと、
11種類の管径及び管長情報C1cと、
分離剤有り及び分離剤なしの2種類の分離剤有無情報C1dと、
20種類のキャップ色情報C1eと、
尿スピッツ(蓋なし)、尿スピッツ(蓋あり)、特殊容器1(赤血球沈降速度測定装置用容器)、特殊容器2(血沈検査用容器)及びその他の管から成る5種類の採血管種類情報C1fと
を使用し、
採血管の状態に関する状態特徴C2として、
血液有り及び血液無しの2種類の血液有無情報C2aと、
ラベル有り及びラベル無しの2種類のラベル貼付有無情報C2bと、
キャップ右側及びキャップ左側(又はキャップ上側及びキャップ下側)の2種類の採血管方向情報C2cと
を使用する。
上記した外観特徴C1を満たす68種類の採血管を、各々状態を変えて9パターンずつ合計609本用意した(尚、68種類の採血管を9パターンずつ用意すると612本になるが、本実施例における学習では何れかの種類の採血管について6~8パターンしか用意していない採血管があるため合計609本になっている。)。状態の変更は、具体的には、ラベル有+血液有、ラベル有+血液無及びラベル無+血液無の状態の採血管においてラベル貼付け位置をずらしたり、血液量を変更したりしたものを左右(又は上下)に方向を変更することで実施した。
上記609本の採血管を、10本入りの採血管収容容器に、各採血管が10回収容されるように、ランダムに収容して1000枚の採血管入り採血管収容容器画像を、カメラで撮影した。撮影画像の画素数は30万画素である。
上記した1000枚の画像から、採血管収容容器における各採血管収容位置に対応する画像(この実施例の場合は、採血管収容容器が10本入りであるため、各画像から10枚)を切り出し10000枚の画像を取得し、各画像をAI制御部におけるAIプログラムの入力ノード数に合わせて、256×256ピクセルにリサイズして教師データとした。
各外観特徴C1及び各状態特徴C2に対応する画像数(教師データ数)を図7に示す。
上記したように準備した教師データを使用して入力し、各AIプログラム部25a~25f並びに27a~27cの出力が、正解値に近づくように、各外観特徴C1及び各状態特徴C2について学習を行った。
図6は、学習評価値の算出方法の一実施例を示している。
上記した入力画像に対して、
真値Aに対してAを出力した結果をTP(True Positive)とし、
真値Aに対してnotAを出力した結果をFN(False Negative)とし、
真値notAに対してAを出力した結果をFP(False Positive)とし、
真値notAに対してnotAを出力した結果をTN(True Negative)として
全ての入力画像に対するデータを取得して、次式により精度(Precision)及び再現率(Recall)を求める。

Precision = TP / TP+FP 式1

Recall = TP / TP+FN 式2

上記式1及び2から次式3を用いてF値を求める。

F = 2(Precision)(Recall) / Precision + Recall 式3

上記式3で得られるF値の値が1に近づくよう各AIプログラム部のニューラルネットワークのノード間のエッジ(重み付け係数)を調整することにより学習を行った。
学習後のAIプログラム部25a~25f並びに27a~27cについて検証を行った。具体的には、検証のために外観特徴C1を満たす68種類の採血管を、各々状態を変えて10パターンずつ合計558本用意した(尚、68種類の採血管を10パターンずつ用意すると680本になるが、本実施例における検証では、幾つか種類の採血管について1~5パターン用意したため合計558本になっている。)。状態の変更は、具体的には、ラベル有+血液有、ラベル有+血液無及びラベル無+血液無の状態の採血管においてラベル貼付け位置をずらしたり、血液量を変更したりしたものを左右(又は上下)に方向を変更することで実施した。
上記558本の採血管を、10本入りの採血管収容容器に、各採血管が1回収容されるように、ランダムに収容して76枚の採血管入り採血管収容容器画像を、カメラで撮影した。撮影画像の画素数は30万画素である。
上記した76枚の画像から、採血管収容容器における各採血管収容位置に対応する画像(この実施例の場合は、採血管収容容器が10本入りであるため、各画像から10枚)を切り出し760枚の画像を取得し、各画像をAI制御部におけるAIプログラムの入力ノード数に合わせて、256×256ピクセルにリサイズして入力データとして検証を行った。
検証の結果、各外観特徴C1及び状態特徴C2について0.95~1のF値を得ることができた。
上記した学習済AIプログラムを使用することにより、入力された画像に対して、AI制御部7における各AIプログラム部25及び27から採血管に関して、各外観特徴及び各状態特徴の割合が出力される。
判別部9は、AI制御部7から出力される採血管に関する外観特徴C1及び状態特徴C2の割合に基づいて、信頼性判定を行った後、実際の採血管の外観及び状態を判定する。
信頼性判定は、各外観特徴及び各状態特徴について出力の割合、同一採血管に対して入力された複数の画像に対する出力間の関係、及び/又は当該自動採血管判別装置を導入する施設で使用される採血管と各外観特徴との関係に基づいて行われる。
具体的には、各外観特徴及び各状態特徴について出力の割合は、例えば、
外観判定用AIプログラム25における出力の割合についての閾値を90%と設定し、
採血管のキャップ形状判定用AIプログラム部25bからの出力が、
0(フィルムキャプ):0%
1(オーバーキャップ):95%
2(ゴムキャップ):2%
3(その他):3%
である場合に当該入力画像に対するキャップ形状判定用AIプログラム部25bの出力の信頼性を「あり」とする。
他方、同じ条件で採血管のキャップ形状判定用AIプログラム部25bからの出力が、
0(フィルムキャプ):0%
1(オーバーキャップ):89%
2(ゴムキャップ):7%
3(その他):4%
である場合には当該入力画像に対するキャップ形状判定用AIプログラム部25bの出力の信頼性を「なし」とする。
また、同一採血管に対して入力された複数の画像に対する出力間の関係は、例えば、
採血管収容容器に入れた採血管を90°回転させながら撮影した4つの画像を、同じ採血管毎に紐づけして入力することを条件とし、3つ以上の画像における出力の割合が90%を超えていること閾値として設定し、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第一画像の出力が、
0(ラベル無):0%
1(ラベル有):100%であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第二画像の出力が、
0(ラベル無):0%
1(ラベル有):100%であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第三画像の出力が、
0(ラベル無):40%
1(ラベル有):60%であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第四画像の出力が、
0(ラベル無):0%
1(ラベル有):100%である場合、
第一、第二及び第四画像における出力の割合が90%を超えているので、当該入力画像に対するラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bの出力の信頼性を「あり」とする。
他方、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第一画像の出力が、
0(ラベル無):0%
1(ラベル有):100%であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第二画像の出力が、
0(ラベル無):40%
1(ラベル有):60%であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第三画像の出力が、
0(ラベル無):25%
1(ラベル有):75%であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bにおける第四画像の出力が、
0(ラベル無):0%
1(ラベル有):100%である場合、
三つ以上の画像における出力の割合が90%を超えていないので、当該入力画像に対するラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bの出力を信頼性「なし」とする。
さらにまた、当該自動採血管判別装置を導入する施設で使用される採血管と各外観特徴との関係は、例えば、
予め該自動採血管判別装置を導入する施設で使用される採血管の種類を確認しておき、例えば、当該施設では赤色のオーバーキャップの採血管は使用していないことが確認できている場合には、オーバーキャップと赤色との組み合わせは信頼性「なし」と設定することにより、
キャップ形状判定用AIプログラム部25bの出力が1(オーバーキャップ)95%であり、かつ、キャップの色判定用AIプログラム部25eの出力が0(赤)98%の場合でも、これらのAIプログラム部の出力の信頼性は「なし」とされる
上記したように、各外観特徴及び各状態特徴に対する信頼性判定の判定基準の設定は、それぞれ最適なものを個別に設定することが望ましい。また、閾値を含む判定基準は、適当な入力インターフェイスを介して外部から登録可能に構成され得る。
判別部9は、AI制御部7から出力される採血管に関する外観特徴C1及び状態特徴C2に対する信頼性判定が「なし」の特徴があった場合には、他の信頼性「あり」の外観特徴及び/又は状態特徴と共に、信頼性「なし」の外観特徴及び/又は状態特徴をモニター等に表示して、使用者に信頼性「なし」の外観特徴及び/又は状態特徴の正解値を入力させる。好ましくは、この正解値の入力は、使用者が簡単に入力できるように入力すべき外観特徴及び/又は状態特徴に対する選択ボタンが配置され得る。具体的には、例えば、キャップの色判定用AIプログラム部25eの出力のみが信頼性「なし」と判定された場合には、他の信頼性がある外観特徴及び/又は状態特徴に関する情報と共に、キャップの色を確認して入力するよう指示を出す表示をモニターに出力し、同時に、「赤」「ピンク」・・・等のキャップ色に対応するボタンをモニターに表示して使用者がボタンを選択することで正解値を入力することができるように構成され得る。
判別部9は、信頼性の判定が終了し、必要に応じて、使用者による正解値の入力が終了した後、外観判定用AIプログラム25及び状態判定用AIプログラム27の出力に基づいて、採血管の判定を行う。
具体的には、例えば、
採血管有無判定用AIプログラム部25aの出力が「1(有)」であり、
採血管のキャップ形状判定用AIプログラム部25bの出力が「1(オーバーキャップ)」であり、
管長及び管径判定用AIプログラム部25cの出力が「5(15.5×100)」であり、
分離剤有無判定用AIプログラム部25dの出力が「0(無)」であり、
キャップの色判定用AIプログラム部25eの出力が「9(紺)」であり、
管の種類判定用AIプログラム部25fの出力が「4(その他)」であり、
血液の有無判定用AIプログラム部27aの出力が「0(無)」」であり、
ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部27bの出力が「1(有)」であり、かつ、
採血管方向判定用AIプログラム部27cの出力が「0(キャップ左側)」である場合、
判別部9は、これらの出力から判定すべき採血管は、
紺色のオーバーキャップが装着され、管径管長が15.5×100の分離剤が入っていない採血管であり、ラベルは貼り付けられているが、血液は未だ採血されていないキャップが左側になる向きの採血管であると判定する。
上記した判別部9において判定された採血管は、出力手段11を介して出力され、判定結果は画像に表示されたり、又は、後述する照合装置の入力値として用いられ得る。
尚、自動採血管判別装置1におけるAI制御部7は、既存の全ての採血管の外観及び状態に関する外観特徴及び状態特徴を学習することが望ましいが、採血管の種類は多岐に亘るため、全ての採血管の外観特徴及び状態特徴を予め学習することは困難である。また、施設に応じて、使用する採血管の種類も異なるため、その施設で全く使用しない採血管の外観特徴を学習しても意味がない。
よって、AI制御部7に学習させる採血管の外観特徴及び状態特徴は、自動採血管判別装置1を使用する施設に応じて選択されることが望ましい。好ましくは、自動採血管判別装置1を使用する施設毎に、その施設で使用される頻度が高い採血管を優先して学習が行われ得る。
次に、上記したように構成された自動採血管判別装置1を用いて採血管の照合を行う採血管照合装置30の一実施例について説明していく。
図9は、採血管照合装置30の構成を示す概略ブロック図である。
図面に示すように、採血管照合装置30は、自動採血管判別装置31、照合元情報取得手段43、照合部45及び照合結果出力部47を備えている。
自動採血管判別装置31は、画像入力手段33、画像処理部35、AI制御部37、判別部39及び出力手段41を備えている。自動採血管判別装置31は、上記した実施例で示した自動採血管判別装置1と同じ構成であり、画像入力手段33は図1における画像入力手段3に対応し、画像処理部35は図1の実施例における画像処理部5に対応し、AI制御部37は図1の実施例におけるAI制御部7に対応し、判別部39は図1の実施例における判別部9に対応し、そして、出力手段41は図1の実施例における出力手段11に対応する。
この実施例では、画像入力手段33は、カメラ等の撮影手段で構成されており、前記採血管収容容器15に照合すべき採血管を並べて、該容器15を撮影位置に配置した後に、採血管が収容された該収容容器15を採血管を回転させながら画像入力手段33を用いて複数回撮影し、画像処理部35において撮影した画像データから各採血管画像を切り出して、採血管毎に採血管画像を紐づけして、AI制御部37に入力し、AI制御部37において入力された画像に基づいて採血管の外観特徴C1及び状態特徴C2を得て、判別部39において外観特徴C1及び状態特徴C2から採血管を判別して、出力手段11を介して判別結果を出力する。
照合元情報取得手段43は、バーコードリーダ、RFIDタグリーダ及び/又はキーボード等の入力部49及び照合元情報取得部51を備え、該入力部49により照合すべき採血管に対応する患者の検体情報等の識別情報を入力し、該識別情報に基づいて、照合元情報取得部51が、例えば、ホストコンピュータ等の上位コンピュータ53又はそれ自身の記憶部等の照合元情報を記憶している媒体から当該患者の検査に必要な採血管に関する情報及び現在の採血管の状態に関する情報を読み出す。具体的には、例えば、入力部49がバーコードリーダから成る場合、該バーコードリーダは、採血管収容容器15が撮影位置に置かれた時に、容器15内に収容された採血管に貼り付けられたラベルからバーコードを読み取ることができるように配置される。そして、採血管を回転させながら画像入力手段33が容器15を撮影している時に、同時に、バーコードリーダで各採血管のラベルのバーコードを読み出し、該バーコードに含まれている識別情報を用いて、照合元情報取得部51で照合元情報を取得する。
照合部45は、自動採血管判別装置31から得られた採血管の判別結果と、照合元情報取得部取得手段43により得られた照合元情報とを入力し、前記判別結果が照合元情報と合致しているか否かを照合する。照合部45における照合結果は、照合結果出力部47を介して、データとして、又は、聴覚的又は視覚的に認識可能な形態で出力される。
以下、一例として、図10を参照しながら、患者Aに対する検査のために採血管T1、T2及びT3を用いて採血を行った後に、採血後の採血管を照合する例について説明する。
この例では、照合元情報取得手段43の入力部49がバーコードリーダから成り、照合元情報取得部51が上位コンピュータ53から照合元情報を取得するように構成され、かつ、照合結果出力部47がモニターで構成されているものとする。
また、採血管T1、T2及びT3は、自動採血管準備装置により準備された採血管であり、患者Aの検体情報(識別情報)がバーコードの形態で印字されたラベルが採血前に貼り付けられているものとする。
採血使用者は、採血管T1、T2及びT3を用いて患者Aから採血をする(ステップ1)。
採血使用者は、採血後の採血管を採血管収容容器15に並べて、採血管照合装置30における自動採血管判別装置31の画像入力手段(カメラ)33による撮影位置にセットする(ステップ2)。
カメラ33は、収容容器15に収容されている採血管を、その長手方向軸線を中心に90°回転させながら採血管入り収容容器15の画像を4回撮影する(ステップ3)。
この時、照合元情報手段43のバーコードリーダ49が、採血管T1、T2及びT3に貼り付けられているラベルから患者Aの検体情報(識別情報)の読み取りを行う(ステップ4)。
カメラ33で撮影された画像は、画像処理部35において、採血管毎に切り出されて紐づけされ、適当なサイズにリサイズされてAI制御部37に入力される。AI制御部37は、入力された画像から、その画像に対応する採血管の外観特徴C1及び状態特徴C2を抽出し(ステップ5)、判別部39は、抽出した外観特徴C1及び状態特徴C2の信頼性判定を行う(ステップ6)。信頼性判定の結果は、判定の対象となる採血管のデータに紐づけられる。信頼性判定の後、外観特徴C1及び状態特徴C2に基づいて、各採血管が判別され、判別結果は出力手段41を介して出力される(ステップ7)。
一方、採血管照合装置30の照合元情報取得装置43における照合元情報取得部51は、バーコードリーダ49でラベルから患者Aの検体情報(識別情報)の読み取りができない場合には(ステップ8)、使用者にその旨を表示して使用者に照合元情報を入力させ(ステップ9)、バーコードリーダ49でラベルから患者Aの検体情報(識別情報)の読み取りができる場合には(ステップ8)、読み取った識別情報に基づいて、上位コンピュータ53から、その識別情報に対応する患者の検査に必要な採血管の外観に関する照合元情報を読み出す(ステップ10)。
照合部45は、前記自動採血管判別装置31から出力される各採血管の外観特徴C1及び状態特徴C2を含む採血管の判別結果と、上位コンピュータ53から読み出した採血管の外観に関する情報並びに当該採血管照合装置30が設けられている位置及び/又は照合をするタイミングに依存する採血管の状態特徴(血液の有無及びラベルの有無)とを照合する(ステップ11)。具体的には、この例では、当該採血管照合装置30は、採血後の採血管を照合するため、照合元になる採血管の状態特徴、即ち、血液の有無及びラベルの有無に関する情報は、血液有り及びラベル有りである。また、採血管は、採血管を収容する向きが決められた収容容器15に収容されているため、照合元になる採血管の方向に関する情報は、一方向、例えば、キャップ左側又は右側(キャップ上側又は下側)の何れか一方であり、この実施例ではキャップ左側とする。
自動採血管判別装置31からの出力が、採血管T1、T2及びT3の外観特徴を備えた採血管であり、全ての採血管の状態が、血液有り、ラベル有り、キャップ左側であれば、照合部45における照合結果は「一致(照合OK)」である。照合OKの場合、次いで、自動採血管判別装置31から出力される各採血管の外観特徴C1及び状態特徴C2の中に信頼性の低い特徴データがあるか否かを判断する(ステップ12)。ここで、信頼性が低い特徴データがある場合には、その結果を対応する採血管と共に表示して、使用者に正しい特徴データを入力させる(ステップ13)。具体的には、例えば、採血管T1のキャップの色C1eの信頼性が低い場合、画面に採血管T1と共に、キャップの色C1eの色候補を表示して使用者に正確な色を選択させる。この正しい特徴データを入力させる方法は、この例に限定されることなく、任意の方法で実行され得る。例えば、信頼性が低い特徴データを含む採血管に対して、外観特徴を組み合わせた、様々な種類の採血管画像を表示して、使用者が採血管画像を選択するように構成してもよく、また、使用者がキーボード等で直接入力するように構成してもよい。
ステップ12において信頼性あると判断した場合は、照合結果が照合結果出力部47、例えば、モニターで表示され、必要に応じて、照合結果データが管理装置や教師データ蓄積装置等に出力される(ステップ14)。ここで、前記教師データ蓄積装置に出力される照合結果データは、ステップ7における判別に用いられた画像及び該画像に対応する外観特徴及び状態特徴の正解値を含み、これらがAI制御部37におけるAIプログラム部の学習のための教師データとして使用され得る。
上記したように、照合を実施している際に、AI制御部37から信頼性が低い出力があった場合でも、使用者が正しい特徴データを入力するように構成されているので、ステップ7において、判別に用いられる画像と、それに対応する外観特徴及び状態特徴の正解値を確実に得ることが可能になる。しかも、当該自動採血管判別装置31を用いて自動判別されている採血管は、該判別装置31を使用している施設において、比較的よく使用される採血管であるため、判別結果を教師データとして利用することで、AI制御部37の学習を、それを使用する施設に適合させることが可能になる。
一方、自動採血管判別装置31からの出力が何れか一つでも異なる場合には、照合結果は「不一致(照合NG)」となる。照合NGの場合、次いで、自動採血管判別装置31から出力される各採血管の外観特徴C1及び状態特徴C2の中に信頼性の低い特徴データがあるか否かを判断する(ステップ15)。ここで、信頼性が低い特徴データがある場合には、その結果を対応する採血管と共に表示して、使用者に正しい特徴データを入力させる(ステップ16)。正しい特徴データの入力方法は、ステップ13の説明において既に説明してあるので、ここでは省略する。ステップ15において信頼性があると判断した場合には、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ17)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ2)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を照合結果出力部47、例えば、モニターに表示すると共に、必要に応じて、照合結果データが管理装置や教師データ蓄積装置等に出力される(ステップ18)。ここで、前記教師データ蓄積装置に出力される照合結果データは、ステップ7における判別に用いられた画像及び該画像に対応する外観特徴及び状態特徴の正解値を含み、これらがAI制御部37におけるAIプログラム部の学習のための教師データとして使用され得る。尚、照合がNGであった場合でも、ステップ7における判別に用いられた画像及び該画像に対応する外観特徴及び状態特徴は正しい値であるため、教師データとして利用することが可能である。
照合結果の表示は、「一致」又は「不一致」だけでもよいが、必要に応じて、「不一致」の場合、どの特徴情報及び/又はどの採血管が不一致であるか表示することができる。
次に、上記したように構成された採血管照合装置30を、外来採血及び病棟採血に使用する場合の実施例を、図11及び図12のフローチャートを用いてそれぞれ説明していく。
図11は、外来採血において採血管照合装置を使用する例を示すフローチャートを示している。
この実施例では、採血作業を行う採血場に第一の採血管照合装置が、検査室に第二の採血管照合装置が設けられている。
患者の採血に使用する採血管は、自動採血管準備装置を用いて準備されている。
自動採血管準備装置は、採血オーダーに基づいて、患者の検査に必要な採血管を選択すると共に、該患者の採血情報をバーコードの形態でラベルに印字し、当該印刷済ラベルを前記採血管に貼り付け、ラベル貼付後の採血管を患者単位でトレイに収容するように構成された公知の自動採血管準備装置である。
以下、処理の流れを説明していく。
自動採血管準備装置が、患者の検査に必要なラベル貼付後の採血管を患者単位でトレイに収容して準備する(ステップ1)。
採血者は、前記トレイに収容された採血管を、採血管収容容器15に並べて、第一の採血管照合装置30における採血管撮影位置(カメラ33で撮影をする位置)に採血管収容容器15を置く(ステップ2)。
採血管照合装置30は、採血管収容容器15に収容された採血管を撮影して、収容されている各採血管の外観特徴及び状態特徴を学習済AIプログラムを用いて取得して採血管の判別を行うと共に、採血管に貼り付けられたラベルからバーコードリーダで検体情報(識別情報)を読み取り、該検体情報に基づいて照合元情報を取得し、判別した採血管と、照合元情報及び照合タイミングに依存する照合元状態特徴とを照合する(ステップ3)。ここで、照合元になる状態特徴は、ラベル有り、血液無しである。また、この実施例でも、採血管は採血管を収容する向きが決められた収容容器15に収容されているため、照合元になる採血管の方向に関する情報は、一方向、例えば、キャップ上側又は下側(キャップ左側又は右側)の何れか一方であり、この実施例ではキャップ上側とする。採血管照合装置30における処理は、図10の実施例で説明した通りである。図11では、説明及び図面を簡単化するために、信頼性に関する判断のステップ等が省略されているが、信頼性に関する判断も実行されることは言うまでもない。上記したように、採血管照合装置30において、準備された採血管を撮影した画像から採血管の判別を行い、かつ、準備された採血管に貼り付けられたラベルから照合元情報を取得し、判別した採血管を照合元情報に基づいて照合しているので、準備された採血管の種類の間違い、数の間違い、ラベルと採血管との不一致等を確認することが可能になる。
ステップ3における照合結果が不一致(照合NG)の場合には、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ4)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ2)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を、例えば、モニターに表示する(ステップ5)。
ステップ3における照合結果が一致(照合OK)の場合には、その照合結果をモニターに表示すると共に、採血管収容容器15に収容した採血管に対応する患者の採血整理番号をモニターに表示する等して患者の呼び出しを行う(ステップ6)。
呼び出した患者が採血場に来た後、氏名による照合や採血整理番号による照合等の公知の照合方法にて患者照合を行った後、採血を実施する(ステップ7)。
採血者は、採血後の採血管を、採血管収容容器15に入れて、該収容容器15を再び、採血管撮影位置に置く(ステップ8)。
採血管照合装置30は、採血管収容容器15に収容された採血済採血管の照合を行う。照合処理は、ステップ3と同じであるが、ここでは、照合元になる状態特徴は、ラベル有り及び血液有りである(ステップ9)。また、照合元になる状態特徴としての採血管の方向情報は、前記したように一方向である。照合元情報は、ステップ3で既に取得されている情報を使用してもよい。
ステップ9における照合結果が不一致の場合、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ10)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ8)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を、例えば、モニターに表示する(ステップ11)。
ステップ9における照合結果が一致の場合、その照合結果をモニターに表示して採血処理を終了する(ステップ12)。
照合済の採血済採血管を収容した採血管収容容器15は、検査室に運ばれる。
検査室には、上記したように、第二の採血管照合装置30が設けられている。採血管収容容器15が検査室に到着すると(ステップ13)、検査室で採血管収容容器15を受け取った使用者は、採血管収容容器15を採血管撮影位置に置く(ステップ14)。
第二の採血管照合装置30は、採血管収容容器15に収容された採血済採血管の照合を行う。照合処理は、ステップ9と同じであり、照合元になる状態特徴は、ラベル有り及び血液有りであり、また、照合元になる状態特徴としての採血管の方向情報は、前記したように一方向である(ステップ15)。
尚、採血前に採血管収容容器15に収容されている採血管は患者一人分であるが、採血後に検査室に運ばれる時に採血管収容容器15に収容されている採血管は患者一人分である必要はなく、複数の患者の採血済採血管が収容されていてもよい。複数の患者の採血管が収容されている場合、採血管照合装置30において採血管のラベルから取得される照合元情報も複数の患者分になるため、採血管の種類及び数の照合、並びに採血管とラベルのマッチングの照合が可能であり、また、状態特徴の照合も可能である。
また、一つの採血管収容容器15に複数の患者の採血済採血管を収容する場合、同じ患者の採血済採血管が二つの採血管収容容器15に跨って収容される場合もある。従って、採血管収容容器15に複数の患者の採血済採血管を収容する場合、撮影位置において、検査室に到着した全ての採血管収容容器15の撮影を行った後に、各採血管に対する照合を行うことが望ましい。このように処理することで、同じ患者の採血済採血管が二つの採血管収容容器15に跨って収容されていても、その患者の検査に必要な採血済採血管は全て揃っていることを前提に照合を行うことが可能になる。また、一つの採血管収容容器15に複数の患者の採血済採血管を収容する場合、好ましくは、採血管収容容器15に採血管を収容する順番を決めておき、具体的には、例えば、採血管収容容器15に右詰で採血管を収容する等の順番を決めて置き、採血管照合装置30は、前記順番に合わせて採血管画像切り出しを行い、切り出した画像と順番とを関連付けして記憶する。このようにすることで、照合エラーが生じた時に、何番目の採血管に照合エラーが発生したかを確認することが容易になり、従って、該当する患者を特定することも容易になる。また、必要に応じて、採血管収容容器15に識別情報を設け、採血管照合装置30は切り出した採血管画像と採血管収容容器15の識別情報とを関連付けして記憶することもできる。これにより、照合エラーが生じた時に、照合エラーが生じた採血管を収容していた採血管収容容器15を容易に特定することが可能になる。
ステップ15における照合結果が不一致の場合、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ16)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ14)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を、例えば、モニターに表示する(ステップ17)。
ステップ15における照合結果が一致の場合、その照合結果をモニターに表示して照合処理を終了した後、採血管は、検査に供される(ステップ18)。
上記した一連の処理において、採血管照合装置における照合結果は、必要に応じて、上位コンピュータ等に送信され得る(ステップ19)。これにより、照合結果を経時的に後で確認することが可能になる。
次に、病棟採血において採血管照合装置を使用する例について説明していく。
図12は、病棟採血において採血管照合装置を使用する例を示すフローチャートを示している。
この実施例では、採血管を準備する準備室に第一の採血管照合装置が、各病棟の看護師室等に第二の採血管照合装置が、そして、検査室に第三の採血管照合装置が設けられている。
患者の採血に使用する採血管は、自動採血管準備装置を用いて準備されている。
自動採血管準備装置は、採血オーダーに基づいて、患者の検査に必要な採血管を選択すると共に、該患者の採血情報をバーコードの形態でラベルに印字し、当該印刷済ラベルを前記採血管に貼り付け、ラベル貼付後の採血管を患者単位でトレイに収容するように構成された公知の自動採血管準備装置である。
以下、処理の流れを説明していく。
自動採血管準備装置が、患者の検査に必要なラベル貼付後の採血管を患者単位でトレイに収容して準備する(ステップ1)。
使用者は、準備された採血管を、採血管収容容器15に並べて、第一の採血管照合装置30における採血管撮影位置(カメラ33で撮影をする位置)に採血管収容容器15を置く(ステップ2)。
採血管照合装置30は、採血管収容容器15に収容された採血管を撮影して、収容されている各採血管の外観特徴及び状態特徴を学習済AIプログラムを用いて取得して採血管の判別を行うと共に、採血管に貼り付けられたラベルからバーコードリーダで検体情報(識別情報)を読み取り、該検体情報に基づいて照合元情報を取得し、判別した採血管と、照合元情報及び照合タイミングに依存する状態特徴とを照合する(ステップ3)。ここで、照合元になる状態特徴は、ラベル有り、血液無しである。また、照合元になる状態特徴としての採血管の方向情報は、前記したように一方向である。採血管照合装置30における処理は、図10の実施例で説明した通りである。図12では、説明及び図面を簡単化するために、信頼性に関する判断のステップ等が省略されているが、信頼性に関する判断も実行されることは言うまでもない。上記したように、採血管照合装置30において、準備された採血管を撮影した画像から採血管の判別を行い、かつ、準備された採血管に貼り付けられたラベルから照合元情報を取得し、判別した採血管を照合元情報に基づいて照合しているので、準備された採血管の種類の間違い、数の間違い、ラベルと採血管との不一致等を確認することが可能になる。
ステップ3における照合結果が不一致の場合には、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ4)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ2)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を、例えば、モニターに表示する(ステップ5)。
ステップ3における照合結果が一致の場合には、その照合結果をモニターに表示すると共に、照合処理を終了する(ステップ6)。
照合結果が一致した採血管は、患者単位、かつ、病棟単位で病棟に運搬される(ステップ7)。
病棟に到着した後、採血管は、再び、採血管収容容器15に収容され、第二の採血管照合装置30の採血管撮影位置に置かれる(ステップ8)。尚、採血管が採血管収容容器15に収容されたまま、病棟に運搬される場合には、採血管を採血管収容容器15に収容する作業は省略される。
採血管照合装置30は、採血管収容容器15に収容された採血管の照合を行う(ステップ9)。照合処理は、ステップ3の照合処理を同じである。ここでも、照合元になる状態特徴は、ラベル有り、血液無しである。
ステップ9における照合結果が不一致の場合には、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ10)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ8)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を、例えば、モニターに表示する(ステップ11)。
ステップ9における照合結果が一致の場合には、その照合結果をモニターに表示して照合処理を終了し(ステップ12)、その採血管は病棟採血に供される(ステップ13)。
このフローチャートには表示されていないが、必要に応じて、病棟採血後の採血管を採血管照合装置を用いて照合することができる。
採血終了後の採血管は、検査室に搬送される(ステップ14)。
検査室には、上記したように、第三の採血管照合装置30が設けられている。採血管収容容器15が検査室に到着すると(ステップ15)、検査室において採血された採血管を受け取った使用者は、採血済採血管を採血管収容容器15に収容して、採血管撮影位置に置く(ステップ16)。尚、採血済採血管を採血管収容容器15に収容する作業は必ずしも必須ではなく、撮影位置において採血管画像を撮影可能な形態の容器に収容されたまま、採血管が搬送される場合には、採血管収容容器15に入れ替えることなく、そのまま撮影することができることは言うまでもない。
第三の採血管照合装置30は、採血管収容容器15に収容された採血済採血管の照合を行う。照合処理は、ステップ3及びステップ9と同じであるが、ここでは、照合元になる状態特徴は、ラベル有り及び血液有りである(ステップ17)。また、照合元になる状態特徴としての採血管の方向情報は、前記したように一方向である。
ステップ17における照合結果が不一致の場合、再照合をするか否か使用者に判断させる(ステップ18)。使用者が再照合すると判断した場合には、例えば、採血管収容容器の採血管を入れなおす等して、再び、採血管収容容器を撮影位置に設置する(ステップ16)。使用者が再照合しないと判断した場合には、エラー情報を、例えば、モニターに表示する(ステップ19)。
ステップ17における照合結果が一致の場合、その照合結果をモニターに表示して照合処理を終了し(ステップ20)、照合済の採血管は検査に供される。
上記した一連の処理において、採血管照合装置における照合結果は、必要に応じて、上位コンピュータ等に送信され得る(ステップ21)。これにより、照合結果を経時的に後で確認することが可能になる。
上記した図11及び図12における一連の処理において、例えば、採血管準備完了、採血開始、採血終了、照合終了、運搬の開始、検体の到着等のタイミングで、検体管理装置にデータを送信するように構成することで、検体管理装置において検体の流れを一元管理することが可能になる。
上記した実施例では、照合元情報は、採血管に貼り付けられたラベルのバーコードから読み取った検体情報に基づいて取得されているが、これは本実施例に限定されることなく、例えば、採血管に検体情報を収容したRFIDタグ付きラベルが貼り付けられている場合には、該RFIDタグから検体情報を読み取ってもよく、また、採血管収容容器15に検体情報を読み取り可能な形態で記憶又は印字した採血指示書等が収容されている場合には、その採血指示書から読み取ってもよく、さらに、使用者が直接、検体情報を入力するように構成してもよい。さらにまた、画像入力手段3によって撮影した採血管の画像から、画像認識技術を用いて、ラベルのバーコードを読み取るように構成してもよい。
さらに、上記した実施例では照合元情報を上位コンピュータから取得しているが、これは本実施例に限定されることなく、例えば、採血管照合装置が照合元情報を記憶している場合には、その記憶した照合元情報を使用してもよく、さらに、採血管又は採血指示書に設けられたRFID等の記憶媒体に照合元情報が記憶されている場合には、その記憶媒体から読み取ってもよい。このようにすることで、オフラインでの運用も可能になる。
次に、図13~図17を参照して、上記したように構成された自動採血管判別装置に用いられる教師データを取得する教師データ取得装置を備えた自動採血管準備装置の実施例を説明していく。
図13及び図14は、自動採血管準備装置の構造を概略的に示す正面図及びB-B断面図を示している。
図中、符号61は自動採血管準備装置を示している。
この実施例では、自動採血管準備装置61は、外観の異なる4種類の採血管a,b,c,dを使用するものとする。具体的には、採血管a及びbはキャップ式の採血管であり、管の長さは同一だが管径が異なる。また、採血管c及びdはフィルム式の採血管であり、管の長さ及び管径は同一であるが、フィルムの色が異なる。具体的には採血管cのフィルムの色は赤であり、採血管dのフィルムの色は紫である。
自動採血管準備装置61は、各々同一種類の採血管を収容する四つの採血管収容部62a~62dと、
これら採血管収容部62a~62dから選択的に採血管を取り出し、取り出した採血管を後述するラベル印字貼付手段70のラベル貼付位置まで移送する移送手段63を備えている。
移送手段63は、各採血管収容部62a~62dから採血管を押し出して取り出す押出手段64a~64dと、
各押出手段64a~64dによって押し出された採血管を受け取って、受け取った採血管を、後述する移送レーン65に設けられたラック66に渡す第一受渡手段67a~67dと、
全ての採血管収容部62a~62dに沿って、上方に位置するラベル印字貼付手段70まで上下方向に伸びる移送レーン65と、
移送レーン65のラック66から採血管を受け取って、受け取った採血管を、ラベル印字貼付手段70のラベル貼付位置へ渡す第二受渡手段68と
を備えている。
ラック66は、モータ等の不図示の駆動部材によって移送レーン65に沿って上下に移動可能に構成されている。
この実施例では、採血管収容部62aに採血管aが、採血管収容部62bに採血管bが、採血管収容部62cに採血管cが、そして、採血管収容部62dに採血管dが各々収容されているものとする。
ラベル印字貼付手段70は、プリンタ71、プラテンローラ(符号なし)、剥離板(符号なし)、ラベル付き台紙供給ローラ74、台紙回収ローラ75、貼付ローラ(符号なし)、加圧手段(符号なし)及び支持ローラ(符号なし)を備え、前記貼付ローラ、支持ローラ及び加圧手段でラベル貼付位置を画定している。
前記ラベルプリンタ71は、ラベル貼付位置Xに移送されてくる採血管に対応する検査オーダー情報に基づいて検体情報及び/又は患者情報等の識別情報をバーコード及び文字の形態でラベルに印字して識別ラベルを作成する。
ラベルプリンタ71で作成された識別ラベルは、ラベル貼付位置において採血管に貼り付けられる。
採血管へのラベルの貼付けが完了すると、ラベル貼付後の採血管は、排出コンベア80に落とされる。
採血管排出コンベア80は水平方向に伸びており、ラベル貼付後の採血管をトレイ81に排出する。
採血管回収装置82は、一つのトレイ81に患者一人分の採血管が収容されると、トレイ81を次の空のトレイ81に入れ替える。
上記したように構成された自動採血管準備装置61における移送レーン65の上部には、管径管長測定手段90及び採血管方向検知手段97及び98が設けられている。
図15(a)は、管径管長測定手段90の構成を概略的に示す背面図(図14における右側から見た図)であり、図15(b)は管径管長測定手段90の構成を概略的に示す右側面図である。
図面に示すように、この管径管長測定手段90は、採血管の管径を測定するために、採血管の管本体を上下方向から挟むことができる下辺部材66及び上辺部材92と、横に寝かせた状態の採血管を左右から挟むことができる左辺部材93及び右辺部材94と、各部材で挟まれた状態の採血管を撮影するカメラ部材95とを備えている。この実施例では、前記下辺部材は、ラック66で構成され得る。
図15(a)に示すように下辺部材を構成するラック66は、モータ等の不図示の駆動部材によって移送レーン65を上下に移動可能に構成されており、上辺部材92は、移送レーン65上を上下に移動自在に構成され、ストッパ96によって少なくとも、ラック66より上方で保持されている。上辺部材92は、所定の重さを有し、ラック66が採血管を保持したまま移送レーン65を上方に移動する途中で、採血管の上に前記上辺部材92が当たってラック66が上辺部材92と共に採血管を上方へ移動する時に、上辺部材92が採血管に当接するようにしている。これにより、正確な管径の測定が可能になる。
また、前記左辺部材93及び右辺部材94は、上辺部材92のさらに上方に配置され、モータ等の不図示の駆動部材によって、不図示のトルクリミッタを介して横方向に移動可能に構成されている。トルクリミッタを設けることにより、左辺部材93及び右辺部材94で確実に採血管を左右から挟むことを可能にしている。
上記したように構成された下辺部材66(ラック)及び上辺部材92並びに左辺部材93及び右辺部材94は、各々、カメラ部材95側に画像認識を行いやすい任意のターゲットが設けられている。下辺部材66(ラック)及び上辺部材92のターゲットは同一又は対応しており、左辺部材93及び右辺部材94のターゲットも同一又は対応している。
これにより、図16に示すように、上下及び左右が下辺部材66(ラック)及び上辺部材92並びに左辺部材93及び右辺部材94で挟まれた採血管をカメラ部材95で撮影することで、透明な採血管であっても、撮影した画像を画像処理して、ターゲット間の距離から簡単に、かつ、正確に採血管の管径及び管長を測定することが可能になる。
この採血管の管径及び管長の測定結果に基づいて、処理中の採血管が、検査オーダーに基づいた患者の検査に必要な採血管か否かを照合し、照合結果が一致しなければ、その採血管をエラー採血管とする。尚、自動採血管準備装置61は、上記したように、採血管収容部62a~62dに収容されている採血管a,b,c,dに関する情報を持っており、さらに、処理中の採血管がどの採血管収容部から取り出された採血管であるかも分かっている。従って、前記管径及び管長の測定結果を、検査オーダーと直接照合するのではなく、採血管自動準備装置61が予め持っている採血管に関する情報と照合することで、間接的に検査オーダーと照合するように構成してもよい。
図17は、左右一対の方向検知手段97及び98の構造を概略的に示す図であり、図17(a)は方向検知手段97及び98の動作前の状態を示している。
図面に示すように、方向検知手段97及び98は、採血管の頭部(キャップ)は侵入できないが、底部は侵入可能な寸法を有するガイド97a及び98aを備えたスイッチ97b及び98bから成り、採血管を挟んで左右に位置し、方向検知時に両方向検知手段97及び98が採血管に向けて動かされる。これにより、左右の方向検知手段97及び98の何れか一方のスイッチ97b(又は98b)が押されてオンになり、他方のスイッチ98b(又は97b)は押されないためオフになり、採血管の方向を検知することが可能になる。図17(b)は、採血管のキャップが図17における右側に向いている状態で方向検知手段97及び98を動作させた状態を示す図であり、図17(c)は、採血管のキャップが図17における左側に向いている状態で方向検知手段97及び98を動作させた状態を示す図である。尚、方向検知手段97及び98によって方向検知ができなかった場合、具体的には、方向検知手段97及び98の動作時に両方のスイッチ97b及び98bがオンになっている場合、又はスイッチ97b及び98bが両方共オフになっている場合には、その採血管をエラー採血管とする。
また、前記管径管長測定手段90による管径管長の測定及び方向検知手段97及び98による採血管の向きの検出に加えて、カメラ部材95で撮影した採血管の画像に基づいて、採血管のキャップの色及び分離剤の有無に関する情報を取得することが可能であり、この場合には、管径管長の測定結果に加えて撮影画像から取得したキャップ色及び分離剤有無に基づいて、処理中の採血管が、検査オーダーに基づいた患者の検査に必要な採血管か否かを照合することが可能になり、より詳細な照合をすることができる。
上記したように構成された自動採血管準備装置において、ラベルを採血管に貼り付ける前、好ましくは、前記管径管長測定手段90で管径管長を測定して採血管の照合を行い、かつ、方向検知手段97及び98で採血管の向きを検知した後で、かつ、ラベルを採血管に貼り付ける前に、採血管の外観を撮影可能なカメラから成る教師データ取得装置100が設けられている。
図示実施例では、教師データ取得装置100を構成するカメラは、第二受渡手段68の上方に設けられ、照合が完了し、かつ、方向検知された採血管は、第二受渡手段68によってラベル印字貼付位置に供給される前に、カメラ100によって外観が撮影され、撮影した採血管画像は、当該採血管の外観特徴及び状態特徴(ラベル無、血液無、採血管の方向)と関連付けられて教師データとして記憶装置101に保存される。尚、ここで状態特徴としての採血管の方向は、前記方向検知手段97及び98によって得られた採血管の方向に関する情報が用いられる。
ここで、カメラ100によって撮影された採血管は、検査オーダーに基づいて採血管収容部から選択して取り出された採血管であるため、その外観特徴は既知であり、かつ、管径管長測定手段90によって照合されているため採血管収容部への採血管の入れ間違え等による採血管と外観特徴との不一致等の問題が生じない。管径管長測定手段90による照合結果が不一致な場合は勿論、方向検知手段97及び98によって方向検知ができなかった採血管もエラー採血管として教師データとしては使用しないように構成することで、正確な教師データを取得することが可能である。
また、自動採血管準備装置におけるラベルを採血管に貼り付けた後の任意の位置、この実施例では、採血管回収装置82に、教師データ取得装置102が設けられている。この教師データ取得装置102は、カメラ及び記憶手段から成り、カメラでラベル貼付け後の採血管の外観を撮影し、撮影後の採血管画像を、その採血管の外観特徴及び状態特徴(ラベル有、血液無)と関連付けて教師データとして記憶手段に保存するように構成されている。
自動採血管準備装置には、通常、導入した施設で最も多く使用される採血管がセットされているため、上記したように自動採血管準備装置に、自動採血管判別装置用の教師データ取得装置を設けることにより、その施設で良く利用される採血管に関する教師データを優先的に取得することが可能になり、その結果、自動採血管判別装置で、使用する施設に適合した効率の良い学習を行うことが可能になる。
尚、この実施例では、教師データ取得手段は、教師データの取得のみを行っているが、教師データ取得手段で取得したデータを自動的に自動採血管判別装置のAIプログラムに学習させるように構成してもよい。
また、上記した実施例では、管径管長測定手段90及び方向検知手段97及び98を設け、管径管長測定手段90による照合結果が不一致な場合は勿論、方向検知手段97及び98によって方向検知ができなかった採血管もエラー採血管として教師データとしては使用しないように構成しているが、この構成は本実施例に限定されることなく、管径管長測定手段90又は方向検知手段97及び98の一方のみが設けられていてもよい。
最後に、図18を参照して、本発明に係る自動採血管判別装置及び採血管照合装置を備えた自動採血管準備装置の実施例を説明する。
図18は、図14に示した自動採血管準備装置に対応する図面であり、同一の符号は、同一の構成要素を示すため、ここでは重複する説明は省略する。
この実施例では、教師データ取得装置100及び記憶手段101の代わりに、第二受渡手段68の上方に、採血管照合装置201が設けられている。図19は、採血管照合装置201の構成を示す概略ブロック図である。
図面に示すように、採血管照合装置201は、自動採血管判別装置202、照合部204、及び照合結果出力部205を備えている。
自動採血管判別装置202は、画像入力手段としてのカメラ210(図18にも示されている)、画像処理部211、AI制御部212、判別部213及び出力手段214を備えている。自動採血管判別装置202は、上記した実施例で示した自動採血管判別装置1と同じ構成であり、画像入力手段210は図1における画像入力手段3に対応し、画像処理部211は図1の実施例における画像処理部5に対応し、AI制御部212は図1の実施例におけるAI制御部7に対応し、判別部213は図1の実施例における判別部9に対応し、そして、出力手段214は図1の実施例における出力手段11に対応する。
この実施例では、第二受渡手段68に位置する採血管をカメラ210で(好ましくは複数回)撮影し、画像処理部211において撮影した画像データから各採血管画像を切り出して、AI制御部212に入力し、AI制御部212において入力された画像に基づいて採血管の外観特徴C1及び状態特徴C2を抽出し、判別部213において外観特徴C1及び状態特徴C2から採血管を判別して、出力手段214を介して判別結果を出力する。
尚、この実施例では、AI制御部212において抽出される状態特徴C2の中の採血管の方向情報は、照合部204における照合には使用されない。
AI制御部212で得られる採血管の方向情報は、その後の自動採血管準備装置における処理に用いられる。即ち、自動採血管準備装置が、採血管の向きに併せてラベルの印字方向を変更するように構成されている場合には、前記採血管自動判別装置において状態特徴として抽出された採血管方向情報に基づいてラベルの印字方向が決められる。自動採血管準備装置が、ラベル貼付けの前に、採血管の向きを機械的に反転させる等して、採血管の向きを一方向に合わせるように構成されている場合には、前記AI制御部212において状態特徴として抽出された採血管方向情報に基づいて、不図示の採血管方向変更機構によって採血管の方向が変更される。
照合部204は、採血管自動判別装置202から得られる採血管の判別結果と、医師からの採血指示情報に基づいて決められた採血管とを照合し、照合結果出力部205を介して自動採血管準備装置の制御部(不図示)へ照合結果を出力する。ここで、照合結果が「合致」の場合には、第二受渡手段68の採血管は、ラベル印字貼付手段70へ送られ、通常の処理に供されるが、照合結果が「不一致」の場合には、自動採血管準備装置においてエラー処理が実行される。このエラー処理は、自動採血管準備装置の構成に応じて様々な処理が考えられ、例えば、不一致の採血管を通常の採血管移送ラインから自動又は手動で取り除く処理であり得る。不一致の採血かを通常の採血管移送ラインから自動又は手動で取り除く構造は、自動採血管準備装置では公知の構造であるので、ここでは詳細な説明は省略する。また、照合結果が「不一致」の場合には、必要に応じて、自動採血管準備装置に設けられた不図示のモニターに照合結果が不一致であることを表示するように構成され得、さらに、照合元の採血管と、判別結果の採血管とを前記モニターに表示して、人による再確認を促すように構成してもよい。
上記したように構成することで、採血管収容部62a~62dの中に、予定していない種類の採血管が混入していたり、採血管収容部62a~62dに予定していない採血管を収容してしまったりしている場合であっても、ラベル貼付け前に、採血管を照合することが可能になり、かつ、採血管自動判別装置202によって抽出される採血管の状態特徴としての「採血管方向情報」に基づいて、採血管の方向又はラベルの印字方向を制御することが可能になるので、別途採血管の方向を検知するためのセンサ等を設ける必要がなくなり、採血管自動準備装置の構造を簡単化することが可能になる。
以上説明した実施例では、画像入力手段3を用いて採血管を収容した採血管収容容器を撮影する時に、採血管を90°回転させながら4回撮影する例を挙げて説明をしているが、採血かを回転させる角度や撮影する回数は本実施例に限定されることなく、任意の角度、任意の回数であってもよいことは勿論である。
また、上記した実施例では、採血管を横にして収容するように構成された採血管収容部を例に挙げて説明しているが、採血管収容部の構成は本実施例に限定されることなく、例えば、図20に示すように、採血管を立てて収容するラック型に構成してもよい。この場合、ラック型採血管収容部は、好ましくは、図20に示すように、収容されている採血管が見えるように、側面にスリットが形成され得る。また、収容されている採血管が見えるように、全体又は一部を透明な材料で形成してもよい。
また、上記した実施例では、予め採血管に関する幾つかの外観特徴と状態特徴とを決め、これら決められた外観特徴及び状態特徴毎にAIプログラム部を設けて、各AIプログラム部に対応する外観特徴及び状態特徴を学習させ、AIプログラム部の出力に基づいて採血管の判別を行っているが、これは本実施例に限定されることなく、採血管を外観特徴及び状態特徴に分けずに、採血管全体画像を教師データとしてAIプログラム部に学習させるように構成してもよい。
T1~T3 採血管

P1~P4 画像(画像処理前)
T1(P1)~T1(P4) 画像データ(画像処理後)
T2(P1)~T2(P4) 画像データ(画像処理後)
T3(P1)~T3(P4) 画像データ(画像処理後)

C1 外観特徴
C1a 採血管有無
C1b 採血管のキャップ形状
C1c 管長及び管径
C1d 分離剤有無
C1e キャップの色
C1f 管の種類

C2 状態特徴
C2a 血液の有無
C2b ラベル貼付けの有無
C2c 採血管の方向


1 自動採血管判別装置
3 画像入力手段
5 画像処理部
7 AI制御部
9 判別部
11 出力手段

15 採血管収容容器
15a 前側側壁
15b 底面
15c 左右側壁
17 マーク
19 ガイドプレート
19a 凹部
21 ガイドプレート
21a 凹部
23 ガイドプレート
23a 凹部


25 外観判定用AIプログラム
25a 採血管有無判定用AIプログラム部
25b 採血管のキャップ形状判定用AIプログラム部
25c 管長及び管径判定用AIプログラム部
25d 分離剤有無判定用AIプログラム部
25e キャップの色判定用AIプログラム部
25f 管の種類判定用AIプログラム部

27 状態判定用AIプログラム
27a 血液の有無判定用AIプログラム部
27b ラベル貼付けの有無判定用AIプログラム部
27c 採血管の方向判定用AIプログラム部


30 採血管照合装置
31 自動採血管判別装置
33 画像入力手段
35 画像処理部
37 AI制御部
39 判別部
41 出力手段
43 照合元情報取得装置
45 照合部
47 照合結果出力部
49 入力部
51 照合元情報取得部
53 上位コンピュータ

61 自動採血管準備装置
62a 採血管収容部
62b 採血管収容部
62c 採血管収容部
62d 採血管収容部
63 移送手段
64a 押出手段
64b 押出手段
64c 押出手段
64d 押出手段
65 移送コンベア
66 ラック(下辺部材)
67a 第一受渡手段
67b 第一受渡手段
67c 第一受渡手段
67d 第一受渡手段
68 第二受渡手段

70 ラベル印字貼付手段
71 プリンタ
72 プラテンローラ
73 剥離板
74 ラベル付き台紙供給ローラ
75 台紙回収ローラ
76 貼付ローラ
77 加圧手段
78 支持ローラ
80 排出コンベア
81 トレイ
82 採血管回収装置

90 管径管長測定手段
92 上辺部材
93 左辺部材
94 右辺部材
95 カメラ部材
96 ストッパ
97 方向検知手段
97a ガイド部材
97b スイッチ
98 方向検知手段
98a ガイド部材
98b スイッチ

100 教師データ取得装置(カメラ)
101 記憶手段
102 教師データ取得装置

201 採血管照合装置
202 自動採血管判別装置
204 照合部
205 照合結果出力部
210 画像入力手段(カメラ)
211 画像処理部
212 AI制御部
213 判別部
214 出力手段


Claims (12)

  1. 少なくとも一種類の採血管を収容する採血管収容部を少なくとも二つ備え、
    検査オーダー情報に基づいて、前記採血管収容部から患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管を識別ラベル貼付手段に移送する採血管移送手段と、
    取り出した採血管に対応する患者に関する検体情報を、バーコードの形態でラベルに印字するか、又は、ラベルに設けられた無線タグに記憶させて識別ラベルを形成し、該識別ラベルを採血管に貼り付ける識別ラベル貼付手段と、
    識別ラベル貼付後の採血管を、患者単位で収容部材に収容させる採血管回収手段と
    を備えた自動採血管準備装置において、
    対象となる採血管を撮影する画像入力手段、
    撮影した画像から対象となる採血管画像データを抽出する画像処理手段、
    採血管画像データを入力値として、採血管の外観に関する外観特徴を出力するように学習した外観判定用AIプログラム、及び
    採血管画像データを入力値として、採血管の状態に関する状態特徴を出力するように学習した状態判定用AIプログラム、前記画像処理手段で抽出した採血管画像データを入力値として、前記外観判定用AIプログラム及び前記状態判定用AIプログラムから出力された外観特徴及び状態特徴に基づいて採血管の外観及び状態を判別する判別手段
    を備えた自動採血管判別装置と、
    前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合する照合手段と
    を備えた採血管照合装置を、前記採血管移送手段に設け、
    前記採血管照合装置に設けられた自動採血管判別装置で、識別ラベル貼付前の採血管の外観及び状態を判別し、判別結果と、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合し、照合結果が一致した場合のみ当該採血管に識別ラベル貼付処理を行い、照合結果が不一致の場合には当該採血管をエラー採血管として識別ラベルの貼付処理を行わないように構成した
    ことを特徴とする自動採血管準備装置。
  2. 前記画像入力手段で撮影した採血管画像と当該採血管の種類に関する情報とを関連付けして記憶する記憶手段を備えた教師データ取得装置をさらに備え、
    前記教師データ取得装置で取得した教師データに基づいて自動的に前記外観判定用AIプログラム及び/又は状態判定用AIプログラムの学習を行うように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動採血管準備装置。
  3. 前記自動採血管準備装置が、さらに、
    採血管移送手段で移送中の採血管の管径及び管長を機械的に測定する管径及び管長測定装置を備え、
    前記照合手段が、前記管径及び管長測定装置の測定結果と、検査オーダー情報とを照合して、移送中の採血管が検査オーダー情報に合致しているか否かを照合するように構成され、
    前記照合手段による照合の結果、移送中の採血管が検査オーダー情報に合致している場合のみ、前記教師データ取得装置で、教師データを取得するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の自動採血管準備装置。
  4. 前記自動採血管準備装置が、さらに、
    採血管移送手段で移送中の採血管のキャップ色及び/又は分離剤の有無を取得する装置を備え、
    前記照合手段が、取得したキャップ色及び/又は分離剤の有無に関する情報と、検査オーダー情報とを照合して、移送中の採血管が検査オーダー情報に合致しているか否かを照合するように構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動採血管準備装置。
  5. 前記自動採血管準備装置が、さらに、
    採血管移送手段で移送中の採血管の方向を検知する方向検知手段を備え、
    前記方向検知手段において方向検知が成功した場合のみ、前記教師データ取得装置で、教師データを取得するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2~4の何れか一項に記載の自動採血管準備装置。
  6. 前記記憶手段が、採血管の種類に関する情報に加えて、状態に関する情報を、前記採血管画像と関連付けして記憶する
    ことを特徴とする請求項2~5の何れか一項に記載の自動採血管準備装置。
  7. 前記採血管の外観に関する外観特徴が、キャップ形状、管長及び管径、分離剤有無、キャップ色の中の少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動採血管準備装置。
  8. 前記採血管の状態に関する状態特徴が、血液の有無、ラベル貼付けの有無及び採血管の方向の中の少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項1又は7に記載の自動採血管準備装置。
  9. 前記画像入力手段が、採血管をその長手方向軸線を中心に回転させながら、複数の角度で採血管の外観を撮影し、
    前記画像処理手段が、撮影した各画像から対象となる採血管画像データを抽出すると共に、同じ採血管の画像を紐づけし、
    前記判別手段が、紐づけされた採血管画像から取得した外観特徴及び状態特徴に基づいて採血管の外観及び状態を判断する
    ように構成されている
    ことを特徴とする請求項1、7又は8の何れか一項に記載の自動採血管準備装置。
  10. 前記採血管照合装置が、
    前記自動採血管判別装置に設けられた前記画像処理手段で抽出した採血管画像における識別ラベルから画像認識及び/又は文字認識により、照合元情報に関連付けされた識別情報を抽出する識別情報抽出手段を備え、
    前記識別情報抽出手段により抽出した検体情報に基づいて、前記照合手段が、前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動採血管準備装置。
  11. 前記採血管照合装置が、
    採血管に貼り付けられた識別ラベルから、採血管に対応する患者の識別情報を読み出す識別情報読み出し手段を備え、
    前記識別情報読み出し手段により読み出した識別情報に基づいて、前記照合手段が、前記自動採血管判別装置で判別した採血管の外観及び状態を、当該採血管に対応する患者の検査に必要な採血管に関する照合元情報と照合する
    ことを特徴とする請求項1又は10に記載の 自動採血管準備装置
  12. 前記識別情報読み出し手段が、バーコードリーダ及び/又はRFIDリーダーである
    ことを特徴とする請求項11に記載の自動採血管準備装置。
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