JP2013139563A - コポリマー、製造法、ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

コポリマー、製造法、ゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを側鎖に持つグラフトコポリマー、その製造方法、ゴム組成物及びタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマー主鎖と、主鎖に結合されたポリマー側鎖とを含み、前記側鎖は下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを含むコポリマー、と該コポリマーの製造法を含む。さらにゴム組成物並びに該コポリマーを含むトレッドを有する空気入りタイヤを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、下限臨界溶液温度を示すことができるポリマーを側鎖に持つグラフトコポリマー、その製造法、ゴム組成物及びタイヤに関する。
様々な極性非プロトン性ポリマーの水溶液は、下限臨界溶液温度(lower critical solution temperature, LCST)を示す。これらの溶液がLCSTより高く加熱されると、分子内水素結合のほうが水分子との水素結合と比べて選好される。これは、ポリマーコイルの崩壊及び溶液からのポリマーの沈殿を招く。この相転移は可逆的なので、温度が再度LCST未満に下がるとポリマーは再溶解する。よく知られているLCSTポリマーの例は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)である。このポリマーの水溶液は約33℃でLCST転移を示す。
LCSTポリマーとエラストマーとの組合せは、エラストマーが水に暴露される様々な用途において、エラストマー性能のより良い制御可能性を提供する。LCSTポリマーとエラストマーを単純混合すると、LCSTポリマーとエラストマー間に共有結合がないためにマクロ相分離を経験するコンパウンドがもたらされる。そのようなマクロ相分離は、おそらくコンパウンドの性能に悪影響を及ぼすであろう。
従って、エラストマー性及びLCST性の両方を有するポリマーが求められている。
本発明は、グラフトコポリマーの製造法に向けられ、該方法は、
少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含む第一のポリマーを得るステップ(前記第一のポリマーは少なくとも一つのモノマーから誘導され、前記少なくとも一つのモノマーは共役ジエンモノマーを含む)と;
第二のポリマーを得るステップ(前記第二のポリマーは下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができ、そして炭素炭素二重結合と反応できる末端官能基を含む)と;
第二のポリマーを第一のポリマーと反応させてグラフトコポリマーを形成させるステップ(前記グラフトコポリマーは、第一のポリマーから誘導された主鎖と第二のポリマーから誘導された側鎖とを含む)と
を含む。
本発明はさらに、少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマー主鎖と;前記主鎖に結合されたポリマー側鎖とを含み、前記側鎖は下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを含むコポリマーにも向けられる。
本発明はさらに、トレッドを有する空気入りタイヤにも向けられ、前記トレッドは、
少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマー主鎖と;前記主鎖に結合されたポリマー側鎖(前記側鎖は下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを含む)とを含むコポリマーと;
所望により、少なくとも一つの追加的ジエン系エラストマーと;そして
カーボンブラック及びシリカからなる群から選ばれる充填剤と
を含むゴム組成物を含む。
図1は、スチレン−ブタジエンエラストマーのH−NMRスペクトルを示す。 図2は、2−メルカプトナフタリンとの反応前及び後のスチレン−ブタジエンエラストマーのUV可視スペクトル及び純チオールのスペクトルを示す。 図3は、2−メルカプトナフタリンとの反応前及び後のスチレン−ブタジエンエラストマーのUV可視スペクトル及び純チオールのスペクトルを示す。 図4は、異なる開始剤の存在下でのチオールとの反応前及び後のスチレン−ブタジエンエラストマーのH−NMRスペクトルを示す。 図5は、スチレン−ブタジエンエラストマー、及び異なる開始剤の存在下においてチオールで官能化されたエラストマーのGPC測定を示す。 図6は、トリチオカーボネートRAFT連鎖移動剤、トリチオカーボネート末端基を有するPNIPAM及びチオール基を有するPNIPAMのUV可視スペクトルを示す。 図7は、CTA末端基を有するいくつかのPNIPAMポリマーの温度に対する濁度の透過率測定を示す。 図8は、スチレン−ブタジエンエラストマー及びPNIPAMで官能化されたスチレン−ブタジエンエラストマーのH−NMRスペクトルを示す。 図9は、スチレン−ブタジエンエラストマー及び三つのPNIPAM官能化スチレン−ブタジエンエラストマーのGPC曲線を示す。 図10は、PNIPAM官能化スチレン−ブタジエンエラストマーのPNIPAM含有量の関数としての接触角を示す。 図11は、PNIPAM官能化スチレン−ブタジエンエラストマーのLCSTより上及び下の接触角の相対差を示す。 図12は、スチレン−ブタジエンエラストマーの温度の関数としての流動学的性質を示す。 図13は、スチレン−ブタジエンとPNIPAMのグラフトコポリマーの温度の関数としての流動学的性質を示す(6パーセントのPNIPAMの場合)。 図14は、スチレン−ブタジエンとPNIPAMのグラフトコポリマーの温度の関数としての流動学的性質を示す(4パーセントのPNIPAMの場合)。
グラフトコポリマーの製造法を開示する。該方法は、
少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含む第一のポリマーを得るステップ(前記第一のポリマーは少なくとも一つの第一のモノマーから誘導され、前記少なくとも一つの第一のモノマーは共役ジエンモノマーを含む)と;
第二のポリマーを得るステップ(前記第二のポリマーは下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができ、そして炭素炭素二重結合と反応できる末端官能基を含む)と;
第二のポリマーを第一のポリマーと反応させてグラフトコポリマーを形成させるステップ(前記グラフトコポリマーは、第一のポリマーから誘導された主鎖と第二のポリマーから誘導された側鎖とを含む)と
を含む。
さらにコポリマーも開示し、該コポリマーは、少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマー主鎖と;前記主鎖に結合されたポリマー側鎖(前記側鎖は下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを含む)とを含む。
さらに、トレッドを有する空気入りタイヤも開示する。該トレッドは、
少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマー主鎖と;前記主鎖に結合されたポリマー側鎖(前記側鎖は下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを含む)とを含むコポリマーと;
所望により、少なくとも一つの追加的ジエン系エラストマーと;そして
カーボンブラック及びシリカからなる群から選ばれる充填剤と
を含むゴム組成物を含む。
今回、ゴムエラストマーをLCSTポリマーの側鎖で官能化して、エラストマー主鎖とLCSTポリマー側鎖を有するグラフトコポリマーを製造できることを見出した。各種エラストマーを官能化するための便利な方法はチオール−エン反応で、この反応中エラストマー中に存在するアルケン部分はチオールとの反応によってチオエーテルに変換される。この反応は、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びポリイソプレンゴム中に存在するビニル基で好適に進行する。エラストマーの官能化を可能にするには、LCSTポリマーがチオール末端基を特徴として持つのがよい。これらは、チオカルボニルチオ末端基と求核試薬との反応によって導入することができる。チオカルボニルチオ末端基を呈示するポリマーは、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合によって製造できる。一つの反応スキームは、LCSTポリマーとしてPNIPAMの使用を記載しているが、本発明はそれに限定されず、例えばRAFT重合によって製造できる反応性末端基を有する任意のLCSTポリマーがエラストマーの官能化のために使用できる。
グラフトコポリマーを製造するための方法の一つのステップは、少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含む第一のポリマーを得ることである。一態様において、少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含む第一のポリマーはジエン系エラストマーである。本明細書中で使用されている“オレフィン性不飽和を含有するゴム又はエラストマー”又は“ジエン系エラストマー”という語句は等価であり、天然ゴム及びその各種未加工形及び再生形、並びに各種合成ゴムのどちらも含むものとする。本発明の記載において、“ゴム”及び“エラストマー”という用語は、別段の規定のない限り互換的に使用されうる。“ゴム組成物”、“配合ゴム”及び“ゴムコンパウンド”という用語は、各種成分及び材料とブレンド又は混合されているゴムのことを言うのに互換的に使用され、そのような用語はゴム混合又はゴム配合分野の当業者には周知である。代表的な合成ゴムは、ブタジエン及びその同族体及び誘導体、例えばメチルブタジエン(すなわちイソプレン)、ジメチルブタジエン及びペンタジエンのホモ重合生成物、並びにブタジエン又はその同族体もしくは誘導体とその他の不飽和モノマーとから形成されるようなコポリマーである。後者に含まれるものとしては、アセチレン、例えばビニルアセチレン;オレフィン、例えばイソブチレン(イソプレンと共重合してブチルゴムを形成する);ビニル化合物、例えばアクリル酸、アクリロニトリル(ブタジエンと重合してNBRを形成する)、メタクリル酸及びスチレン(後者の化合物はブタジエンと重合してSBRを形成する)のほか、ビニルエステル及び各種不飽和アルデヒド、ケトン及びエーテル、例えばアクロレイン、メチルイソプロペニルケトン及びビニルエチルエーテルなどが挙げられる。合成ゴムの具体例は、ネオプレン(ポリクロロプレン)、ポリブタジエン(シス−1,4−ポリブタジエンを含む)、ポリイソプレン(シス−1,4−ポリイソプレンを含む)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、例えばクロロブチルゴム又はブロモブチルゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、1,3−ブタジエン又はイソプレンとスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートなどのモノマーとのコポリマー、並びにエチレン/プロピレンターポリマー(エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)としても知られる)、特にエチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンターポリマーなどである。使用できるゴムの追加例は、アルコキシ−シリル末端官能化溶液重合ポリマー(SBR、PBR、IBR及びSIBR)、ケイ素結合及びスズ結合星状枝分れポリマーなどである。好適なゴム又はエラストマーはポリイソプレン(天然又は合成)、ポリブタジエン及びSBRである。
本発明の一側面において、約20〜約28パーセントの結合スチレンという比較的従来的なスチレン含有量を有する乳化重合由来スチレン/ブタジエン(E−SBR)が使用されうる。又は用途によっては、中程度〜比較的高い結合スチレン含有量、すなわち約30〜約45パーセントの結合スチレン含有量を有するE−SBRが使用されうる。
乳化重合調製E−SBRとは、スチレンと1,3−ブタジエンが水性エマルジョンとして共重合されることを意味する。そのようなことは当業者には周知である。結合スチレン含有量は、例えば、約5〜約50パーセントの間で変動しうる。一側面において、E−SBRは、アクリロニトリルも含有してE−SBARとしてターポリマーゴムを形成することもできる。その場合、ターポリマー中に例えば約2〜約30重量パーセントの量の結合アクリロニトリルが含有される。
約2〜約40重量パーセントの結合アクリロニトリルをコポリマー中に含有する乳化重合調製スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーゴムも、本発明で使用するためのジエン系ゴムとして想定されている。
溶液重合調製SBR(S−SBR)は、典型的には、約5〜約50、好ましくは約9〜約36パーセントの範囲の結合スチレン含有量を有する。S−SBRは、例えば、有機炭化水素溶媒の存在下、有機リチウム触媒作用によって都合よく調製できる。
一態様において、シス1,4−ポリブタジエンゴム(BR)が使用されうる。そのようなBRは、例えば、1,3−ブタジエンの有機溶液重合によって調製できる。BRは、例えば、少なくとも90パーセントのシス1,4−含有量を有することによって都合よく特徴付けできる。
本明細書中で使用され、従来の慣例に従う用語“phr”は、“100重量部のゴム、又はエラストマーあたりの各材料の重量部”を意味する。
方法の第二のステップは第二のポリマーを得ることである。第二のポリマーは下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができ、そして第一のエラストマーの炭素炭素二重結合と反応できる末端官能基を含む。
“下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができる”とは、水の存在下で、第二のポリマーは水と会合して水膨潤ポリマー相を形成し、その水膨潤ポリマー相はLCSTより低い温度からLCSTより高い温度に加熱されるとLCST転移を示すことを意味する。従って、第二のポリマーは、第二のポリマーがグラフトコポリマー上の側鎖として存在する場合、LCSTを示すことができる。
適切な第二のポリマーは、下限臨界溶液温度を示すことができるポリマーを含む。一態様において、第二のポリマーは、LCST挙動を有することが知られている様々な第二のモノマーのホモポリマー及びコポリマーを含む。例えば、アクリルアミド及び置換アクリルアミド、メタクリルアミド及び置換メタクリルアミド、アクリル酸及び置換アクリル酸、メタクリル酸及び置換メタクリル酸、ビニルアルキルエーテル及び置換ビニルアルキルエーテル、ビニルカプロラクタム及び置換ビニルカプロラクタム、及びLCST挙動を有するポリマーをもたらすことが知られているその他のモノマー、例えばオリゴ(エチレングリコール)メタクリレート及び2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレートなどのポリマーなどであるが、これらに限定されない。
一態様において、第二のポリマーは、式I:
の第二のモノマーのポリマーである。式中、R及びRは、水素、C1〜C6直鎖アルキル、C2〜C6分枝アルキル、及びC3〜C6シクロアルキルからなる群から独立に選ばれるが、ただし、R及びRの少なくとも一つは水素でない。
一態様において、第二のポリマーは、式(II):
のポリマーである。式中、R及びRは、水素、C1〜C6直鎖アルキル、C2〜C6分枝アルキル、及びC3〜C6シクロアルキルからなる群から独立に選ばれるが、ただし、R及びRの少なくとも一つは水素でなく、mは炭化水素鎖の重合度である。
一態様において、第二のポリマーはN−置換アクリルアミド誘導体のポリマーである。
一態様において、第二のポリマーは、N−イソプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、又はN,N−ジエチルアクリルアミドのポリマーである。
第二のポリマーは、第一のポリマーの炭素炭素二重結合と反応できる末端官能基を含む。一態様において、末端官能基はチオール基である。そのような末端官能基は、例えば、当該技術分野で公知の適切な連鎖移動剤又は停止剤の使用により、重合中に第二のポリマー中に組み込むことができる。
一態様において、第二のポリマーは、チオカルボニルチオRAFT連鎖移動剤の存在下で、第二のモノマーを重合して末端チオカルボニルチオ基を含むポリマーを形成し;そして末端チオカルボニルチオ基をチオール基に開裂して、末端チオール基を含む第二のポリマーを形成することによって得られる。
一態様において、第二のポリマーの末端官能基は、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)の機構を通じて重合中に第二のポリマーに組み込まれる。RAFT重合機構に関する更なる詳細は、MoadらによるAust.J.Chem.2005,58,379−410を参照すればわかる。当該技術分野で公知の通り、フリーラジカル重合可能モノマーのRAFT重合は、一般式(III):
のチオカルボニルチオRAFT連鎖移動剤の存在下で達成される。式中、Rは、重合を再開始できるフリーラジカル脱離基であり、Zは、ラジカル付加及び開裂の速度に影響を及ぼす官能基である。適切なチオカルボニルチオRAFT連鎖移動剤は、ジチオエステル、トリチオカーボネート、ジチオカルバメート、及びキサンテートなどである。一態様において、チオカルボニルチオ連鎖移動剤はトリチオカーボネートである。一態様において、チオカルボニルチオ連鎖移動剤は、S−1−ドデシル−S−(αα’−ジメチル−α”−酢酸)トリチオカーボネート及び4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸からなる群から選ばれる。
適切なチオカルボニルチオ連鎖移動剤の存在下でRAFT重合すると、連鎖停止ポリマーは、一般式(IV):
を有する。式中、PはLCSTを示すポリマー鎖を表す。
次に、式IIIの連鎖停止ポリマーを適切な求核試薬と反応させてC−S結合を開裂し、末端チオール基を有する式(V):
の第二のポリマーを得る。一態様において、式IVの連鎖停止ポリマーは、アミノリシスによって処理されて式Vのチオール末端ポリマーを得る。
方法の第三のステップは、第二のポリマーを第一のポリマーと反応させてグラフトコポリマーを形成させることである。そのグラフトコポリマーは、第一のポリマーから誘導された主鎖と第二のポリマーから誘導された側鎖を含む。第二のポリマーと第一のポリマーとの反応中、第二のポリマーは、第二のポリマーの末端官能基と第一のポリマーの不飽和炭素炭素結合との反応を通じて第一のポリマーに連結される。
一態様において、チオール末端第二ポリマーは、フリーラジカル開始剤の存在下、当該技術分野で公知のチオール−エン反応によって第一のポリマーと反応させる。例えば、Macromolecules 2008,41,9946−9947参照。一態様において、フリーラジカル開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)からなる群から選ばれる。
第一ポリマーとチオール末端第二ポリマーとの反応は、例えば炭化水素溶媒などの溶液中で実施できる。あるいは、反応は、適切なゴム混合装置中で第一及び第二のポリマーを合わせることにより、ドライブレンド(dry mix)で実施することもできる。
一態様において、グラフトコポリマーは、構造VI:
を有する。式中、Xは第一のポリマーで、少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマーであり(すなわち、少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含有するポリマー);Pは下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーであり;−[−Y−P]は第二のポリマーから誘導され、YはXとPの両方に結合した二価の基であり;nはXに結合された−[−Y−P]基の数である。
適切な共役ジエンモノマーは、ブタジエン及びイソプレンなどである。適切なビニル芳香族モノマーはスチレンなどである。
一態様において、下限臨界溶液温度を示すことができるポリマーPは、約500〜約20000g/molの範囲の重量平均分子量を有する。
一態様において、下限臨界溶液温度を示すことができるポリマーPは、約0℃〜約100℃の範囲の下限臨界溶液温度を有する。
一態様において、コポリマーは約1〜約20重量パーセントのPを含む。
YはXとPの両方に結合した二価の基である。一態様において、Yは硫黄又は酸素である。一態様においてYは硫黄である。
一般的に、Yは、第一のポリマーXの炭素炭素二重結合と反応できるポリマーPの末端官能基に由来している。従って、コポリマー中に存在している状態では、YはXをPに連結している。一態様において、末端官能基はチオール基である。そのような末端官能基は、例えば、当該技術分野で公知の適切な連鎖移動剤又は停止剤の使用により、重合中にポリマーP中に組み込むことができる。
Xに結合されている−[−Y−P]基の数nは、所定のコポリマー分子において約2〜約30の範囲である。
ゴム組成物は、所望により、下限臨界溶液温度(LCST)を有するポリマーを含むコポリマーに加えて、オレフィン性不飽和を含有する一つ又は複数のゴム又はエラストマーを含んでいてもよい。“オレフィン性不飽和を含有するゴム又はエラストマー”又は“ジエン系エラストマー”という語句は、天然ゴム及びその各種未加工形及び再生形、並びに各種合成ゴムのどちらも含むものとする。本発明の記載において、“ゴム”及び“エラストマー”という用語は、別段の規定のない限り互換的に使用されうる。“ゴム組成物”、“配合ゴム”及び“ゴムコンパウンド”という用語は、各種成分及び材料とブレンド又は混合されているゴムのことを言うのに互換的に使用され、そのような用語はゴム混合又はゴム配合分野の当業者には周知である。代表的な合成ポリマーは、ブタジエン及びその同族体及び誘導体、例えばメチルブタジエン、ジメチルブタジエン及びペンタジエンのホモ重合生成物、並びにブタジエン又はその同族体もしくは誘導体とその他の不飽和モノマーとから形成されるようなコポリマーである。後者に含まれるものとしては、アセチレン、例えばビニルアセチレン;オレフィン、例えばイソブチレン(イソプレンと共重合してブチルゴムを形成する);ビニル化合物、例えばアクリル酸、アクリロニトリル(ブタジエンと重合してNBRを形成する)、メタクリル酸及びスチレン(後者の化合物はブタジエンと重合してSBRを形成する)のほか、ビニルエステル及び各種不飽和アルデヒド、ケトン及びエーテル、例えばアクロレイン、メチルイソプロペニルケトン及びビニルエチルエーテルなどが挙げられる。合成ゴムの具体例は、ネオプレン(ポリクロロプレン)、ポリブタジエン(シス−1,4−ポリブタジエンを含む)、ポリイソプレン(シス−1,4−ポリイソプレンを含む)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、例えばクロロブチルゴム又はブロモブチルゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、1,3−ブタジエン又はイソプレンとスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートなどのモノマーとのコポリマー、並びにエチレン/プロピレンターポリマー(エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)としても知られる)、特にエチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンターポリマーなどである。使用できるゴムの追加例は、アルコキシ−シリル末端官能化溶液重合ポリマー(SBR、PBR、IBR及びSIBR)、ケイ素結合及びスズ結合星状枝分れポリマーなどである。好適なゴム又はエラストマーはポリイソプレン(天然又は合成)、ポリブタジエン及びSBRである。
一側面において、少なくとも一つの追加ゴムは、好ましくはジエン系ゴムの少なくとも二つである。例えば、シス1,4−ポリイソプレンゴム(天然又は合成、ただし天然が好適)、3,4−ポリイソプレンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、乳化重合及び溶液重合由来スチレン/ブタジエンゴム、シス1,4−ポリブタジエンゴム及び乳化重合調製ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーなどの二つ以上のゴムの組合せが好適である。
本発明の一側面において、約20〜約28パーセントの結合スチレンという比較的従来的なスチレン含有量を有する乳化重合由来スチレン/ブタジエン(E−SBR)が使用されうる。又は用途によっては、中程度〜比較的高い結合スチレン含有量、すなわち約30〜約45パーセントの結合スチレン含有量を有するE−SBRが使用されうる。
乳化重合調製E−SBRとは、スチレンと1,3−ブタジエンが水性エマルジョンとして共重合されることを意味する。そのようなことは当業者には周知である。結合スチレン含有量は、例えば、約5〜約50パーセントの間で変動しうる。一側面において、E−SBRは、アクリロニトリルも含有してE−SBARとしてターポリマーゴムを形成することもできる。その場合、ターポリマー中に例えば約2〜約30重量パーセントの量の結合アクリロニトリルが含有される。
約2〜約40重量パーセントの結合アクリロニトリルをコポリマー中に含有する乳化重合調製スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーゴムも、本発明で使用するためのジエン系ゴムとして想定されている。
溶液重合調製SBR(S−SBR)は、典型的には、約5〜約50、好ましくは約9〜約36パーセントの範囲の結合スチレン含有量を有する。S−SBRは、例えば、有機炭化水素溶媒の存在下、有機リチウム触媒作用によって都合よく調製できる。
一態様において、シス1,4−ポリブタジエンゴム(BR)が使用されうる。そのようなBRは、例えば、1,3−ブタジエンの有機溶液重合によって調製できる。BRは、例えば、少なくとも90パーセントのシス1,4−含有量を有することによって都合よく特徴付けできる。
シス1,4−ポリイソプレン及びシス1,4−ポリイソプレン天然ゴムは、ゴム分野の当業者には周知である。
本明細書中で使用され、従来の慣例に従う用語“phr”は、“100重量部のゴム、又はエラストマーあたりの各材料の重量部”を意味する。
ゴム組成物は70phrまでのプロセス油も含みうる。プロセス油は、典型的にはエラストマーを増量するために使用される増量油(extending oil)としてゴム組成物中に含まれうる。プロセス油は、ゴム配合中に直接オイルを添加することによってゴム組成物中に含めることもできる。使用されるプロセス油は、エラストマー中に存在する増量油及び配合中に添加されるプロセス油の両方を含みうる。適切なプロセス油は、当該技術分野で知られている各種油、例えば芳香族油、パラフィン系油、ナフテン系油、植物油、及び低PCA油、例えばMES、TDAE、SRAE及び重ナフテン系油などである。適切な低PCA油は、IP346法による測定で多環芳香族含有量が3重量パーセント未満のものなどである。IP346法の手順は、英国石油学会(Institute of Petroleum)出版のStandard Methods for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts、2003年、第62版に見出すことができる。
ゴム組成物は約10〜約150phrのシリカを含みうる。別の態様では、20〜80phrのシリカが使用されうる。
ゴムコンパウンドに使用できる一般的に用いられるケイ質顔料は、従来型の焼成(pyrogenic)及び沈降ケイ質顔料(シリカ)を含む。一態様においては沈降シリカが使用される。本発明で使用される従来型ケイ質顔料は、例えば、ケイ酸ナトリウムなどの可溶性ケイ酸塩の酸性化によって得られるような沈降シリカである。
そのような従来型シリカは、例えば、窒素ガスを用いて測定されたBET表面積を有することによって特徴付けできる。一態様において、BET表面積は、1グラムあたり約40〜約600平方メートルの範囲でありうる。別の態様において、BET表面積は、1グラムあたり約80〜約300平方メートルの範囲でありうる。表面積を測定するBET法は、Journal of the American Chemical Society、第60巻、304ページ(1930)に記載されている。
従来型シリカは、約100〜約400、あるいは約150〜約300の範囲のジブチルフタレート(DBP)吸収値を有することによって特徴付けすることもできる。
従来型シリカは、電子顕微鏡による測定で例えば0.01〜0.05ミクロンの範囲の平均極限粒径を有すると予想できるが、シリカ粒子は、さらに小さい、又はおそらくは大きいサイズであってもよい。
様々な市販シリカが使用できる。例えば、本明細書におけるほんの例として及び制限なしに挙げると、PPG Industries社から商標Hi−Sil、規格210、243などとして市販されているシリカ;Rhodia社から例えば規格Z1165MP及びZ165GRとして入手できるシリカ;及びDegussa AG社から例えば規格VN2及びVN3などとして入手できるシリカなどである。
一般的に使用されるカーボンブラックが従来型充填剤として10〜150phrの範囲の量で使用できる。別の態様では20〜80phrのカーボンブラックが使用できる。そのようなカーボンブラックの代表例は、N110、N121、N134、N220、N231、N234、N242、N293、N299、N315、N326、N330、N332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990及びN991などである。これらのカーボンブラックは、9〜145g/kgの範囲のヨウ素吸収及び34〜150cm/100gの範囲のDBP数を有している。
他の充填剤もゴム組成物に使用できる。例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの粒状充填剤、米国特許第6,242,534号;6,207,757号;6,133,364号;6,372,857号;5,395,891号;又は6,127,488号(これらに限定されない)に開示されているような架橋粒状ポリマーゲル、及び米国特許第5,672,639号(これに限定されない)に開示されているような可塑化デンプン複合充填剤などであるが、これらに限定されない。そのようなその他の充填剤は1〜30phrの範囲の量で使用されうる。
一態様において、ゴム組成物は従来型の硫黄含有有機ケイ素化合物を含有しうる。適切な硫黄含有有機ケイ素化合物は、式:
Q−Alk−S−Alk−Q (VII)
の化合物で、式中、Qは、
からなる群から選ばれ、式中、Rは1〜4個の炭素原子のアルキル基、シクロヘキシル又はフェニルであり;Rは1〜8個の炭素原子のアルコキシ、又は5〜8個の炭素原子のシクロアルコキシであり;Alkは1〜18個の炭素原子の二価炭化水素であり、qは2〜8の整数である。
一態様において、硫黄含有有機ケイ素化合物は、3,3’−ビス(トリメトキシ又はトリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドである。一態様において、硫黄含有有機ケイ素化合物は、3,3’−ビス(トリトリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド及び/又は3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドである。従って、式VIIに関して、Qは、
でありうる。式中、Rは2〜4個の炭素原子、あるいは2個の炭素原子のアルコキシであり;Alkは2〜4個の炭素原子、あるいは3個の炭素原子の二価炭化水素であり;qは2〜5、あるいは2又は4の整数である。
別の態様において、適切な硫黄含有有機ケイ素化合物は、米国特許第6,608,125号に開示されている化合物を含む。一態様において、硫黄含有有機ケイ素化合物は、Momentive Performance Materials社からNXT(登録商標)として市販されている3−(オクタノイルチオ)−1−プロピルトリエトキシシラン、CH(CHC(=O)−S−CHCHCHSi(OCHCHを含む。
別の態様において、適切な硫黄含有有機ケイ素化合物は、米国特許公開第2003/0130535号に開示されているものを含む。一態様において、硫黄含有有機ケイ素化合物はDegussa社製Si−363である。
ゴム組成物中の硫黄含有有機ケイ素化合物の量は、使用されるその他の添加剤の量によって変動する。一般的に言えば、該化合物の量は0.5〜20phrの範囲であろう。一態様において、その量は1〜10phrの範囲であろう。
当業者であれば、ゴム組成物は、ゴム配合分野で一般的に知られている方法によって配合されるであろうことは容易に分かるはずである。例えば、様々な硫黄加硫可能成分ゴムを、一般的に使用されている様々な添加剤材料、例えば、硫黄供与体、硬化補助剤、例えば活性化剤及び遅延剤及び加工添加剤、例えばオイル、粘着付与樹脂を含む樹脂及び可塑剤、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤及びオゾン劣化防止剤及びしゃく解剤などと混合する。当業者には分かる通り、硫黄加硫可能(sulfur vulcanizable)材料及び硫黄加硫(sulfur-vulcanized)材料(ゴム)の意図する使用に応じて、上記添加剤は選択され、従来量で一般的に使用される。硫黄供与体の代表例は、元素硫黄(遊離硫黄)、アミンジスルフィド、ポリマー性ポリスルフィド及び硫黄オレフィン付加物などである。一態様において、硫黄加硫剤は元素硫黄である。硫黄加硫剤は、0.5〜8phrの範囲、あるいは1.5〜6phrの範囲の量で使用されうる。粘着付与樹脂の典型的な量は、使用される場合、約0.5〜約10phr、通常約1〜約5phrを含む。加工助剤の典型的な量は約1〜約50phrを含む。抗酸化剤の典型的な量は約1〜約5phrを含む。代表的抗酸化剤は、例えばジフェニル−p−フェニレンジアミン及びその他、例えばThe Vanderbilt Rubber Handbook(1978),344〜346ページに開示されているものであろう。オゾン劣化防止剤の典型的な量は約1〜約5phrを含む。脂肪酸の典型的な量は、使用される場合、ステアリン酸などでありうるが、約0.5〜約3phrを含む。酸化亜鉛の典型的な量は約2〜約5phrを含む。ワックスの典型的な量は約1〜約5phrを含む。微晶質ワックスが使用されることが多い。しゃく解剤の典型的な量は約0.1〜約1phrを含む。典型的なしゃく解剤は、例えば、ペンタクロロチオフェノール及びジベンズアミドジフェニルジスルフィドであろう。
促進剤は、加硫に要する時間及び/又は温度を制御するため、及び加硫物の性質を改良するために使用される。一態様において、単一促進剤系、すなわち一次促進剤が使用されうる。一次促進剤(一つ又は複数)は、約0.5〜約4、あるいは約0.8〜約1.5phrの範囲の総量で使用されうる。別の態様では、活性化及び加硫物の性質を改良するために、一次及び二次促進剤の組合せが使用されうる。その場合、二次促進剤は少量、例えば約0.05〜約3phrの量で使用される。これらの促進剤の組合せは、最終性質に対して相乗効果をもたらすことが期待され、いずれかの促進剤を単独で使用して製造されたものよりも多少良好である。さらに、標準的な加工温度には影響されないが、通常の加硫温度で満足のいく硬化をもたらす遅延作用促進剤を使用することもできる。加硫遅延剤も使用できる。本発明に使用されうる適切なタイプの促進剤は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメート及びキサンテートである。一態様において、一次促進剤はスルフェンアミドである。二次促進剤を使用する場合、二次促進剤は、グアニジン、ジチオカルバメート又はチウラム化合物であろう。
ゴム組成物の混合は、ゴム混合分野の当業者に公知の方法によって達成できる。例えば、成分は典型的には少なくとも二つの段階、すなわち、少なくとも一つのノンプロダクティブ段階とそれに続くプロダクティブ混合段階で混合される。硫黄加硫剤を含む最終硬化剤は典型的には最終段階で混合される。この段階は従来、“プロダクティブ”混合段階と呼ばれ、そこでは混合が典型的にはその前のノンプロダクティブ混合段階(一つ又は複数)の混合温度より低い温度、又は極限温度で行われる。“ノンプロダクティブ”及び“プロダクティブ”混合段階という用語は、ゴム混合分野の当業者には周知である。ゴム組成物は、熱機械的混合ステップに付されてもよい。熱機械的混合ステップは、一般的に、ミキサー又は押出機内で、140℃〜190℃のゴム温度を生ずるために適切な時間の機械的作業を含む。熱機械的作業の適切な時間は、運転条件、並びに成分の容量及び性質に応じて変動する。例えば、熱機械的作業は1〜20分であろう。
当該ゴム組成物は、タイヤの様々なゴム部品に組み込むことができる。例えば、ゴム部品は、トレッド(トレッドキャップ及びトレッドベースを含む)、サイドウォール、アペックス、チェーファー、サイドウォールインサート、ワイヤコート又はインナーライナーでありうる。一態様において、該部品はトレッドである。
本発明の空気入りタイヤは、レース用タイヤ、乗用車用タイヤ、航空機用タイヤ、農業用、土工機械用、オフロード用、トラック用タイヤなどでありうる。一態様において、タイヤは乗用車又はトラック用タイヤである。タイヤはラジアルでもバイアスでもよい。
本発明の空気入りタイヤの加硫は、一般的に約100℃〜200℃の範囲の従来温度で実施される。一態様において、加硫は約110℃〜180℃の範囲の温度で実施される。成形機又は金型内での加熱、過熱蒸気又は熱風での加熱といった通常の加硫プロセスのいずれも使用できる。そのようなタイヤは、当業者に公知の、そして容易に明らかな様々な方法によって構築、成形(shaped)、成型(molded)及び硬化できる。
本発明を以下の非制限的実施例によってさらに説明する。
実施例1.
本実施例では、チオール−エン反応を実証するために、2−メルカプトナフタリンによるスチレン−ブタジエンゴムの官能化を示す。
チオール−エン反応におけるスチレン−ブタジエンゴムの反応性及び反応条件を試験するために、モデルチオールといくつかの反応を行った。選ばれたチオールは、Aldrich社製の2−メルカプトナフタリンであった。
使用されたスチレン−ブタジエンゴムの性質を表1にまとめた。図1にエラストマーのH−NMRスペクトルを示す。
2−メルカプトナフタリン官能化ゴムの合成
この化合物を、1回は反応開始剤としてAIBNを用い、1回はアシルホスフィンオキシド光開始剤(ルシリンTPO)を用いて2回合成した。
AIBNで開始される反応の場合、1gのSBRを50mlの乾燥THF中に溶解し、1.40gの2−メルカプトナフタリン及び0.14gのAIBNを加えた。溶液をアルゴン流下で2時間脱ガスした後、75℃に予熱された油浴に入れた。反応をその温度で14.5時間撹拌した。
光開始剤で開始される反応の場合、1gのSBR、1.40gの2−メルカプトナフタリン及び0.3gのルシリンTPOの混合物をアルゴン流下で2時間脱ガスし、その後、UVランプ(320〜380nm)下に14.5時間置いた。
生成物中に遊離チオールが存在しないことを確実にするために、両反応混合物ともTHFに対して2日間透析した。その後、溶媒を蒸発させ、生成物を真空下で乾燥させた。
図2に、2−メルカプトナフタリンとの反応前(1)及び反応後(2)のエラストマーのUV可視スペクトル及び純チオールのスペクトル(3)を示す。この場合、光開始剤が使用された。図3に、AIBNで開始された反応に関する同じスペクトルを示す。すなわち、2−メルカプトナフタリンとの反応前(1)及び反応後(2)のエラストマーのUV可視スペクトル及び純チオールのスペクトル(3)である。
図4に、エラストマーの反応前(1)、及び、AIBN(2)及びルシリン(3)の存在下でのチオールとの反応後のH−NMRスペクトルを示す。非官能化ゴムのH−NMRスペクトルと比べると、ポリマーの類似反応後、芳香族プロトンに関するシグナルの増大及びビニル基に関する減少が見られ、SBRは2−メルカプトナフタリンでうまく官能化されたことが確認された。図5に示されているSBR(1)、AIBN(2)の存在下及びルシリン(3)の存在下で官能化されたSBRのGPC測定(THF中)によれば、生成物は大して架橋されていないことが確認された。図5に見られるように、特にAIBN開始生成物(2)の曲線はほとんど架橋されていない(小さい肩)ことを示しているので、ビニルプロトンのシグナルの減少は官能化に帰することができる。
実施例2.
本実施例では、ポリ−(N−イソプロピルアクリルアミド)、又はPNIPAMの製造を示す。
RAFT重合を用いてPNIPAMを製造した。この目的のために、二つの代替連鎖移動剤(CTA)を用意した。S−1−ドデシル−S−(αα’−ジメチル−α”−酢酸)トリチオカーボネート(DMP)及び4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸(CDSMB)である。
RAFT反応スキームは次の通りである。
連鎖移動剤の合成
S−1−ドデシル−S−(αα’−ジメチル−α”−酢酸)トリチオカーボネート(DMP)
S−1−ドデシル−S−(αα’−ジメチル−α”−酢酸)トリチオカーボネートは文献手順を用いて合成した。[J.T.Lai,D.Filla,R.Shea,Macromolecules 2002,35,6754.]収率:41%
H−NMR(CDCl/300MHz): δ[ppm]: 0,85 (t, 3H), 1,16-1,47 (m, 20H), 1,71 (s, 6H), 3,26 (t, 2H), 13,05 (s, 1H)
4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸(CDSMB)
4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸は二段階で合成した。第一段階は文献手順を使用して製造した[W.G.Weber,J.B.McLeary,R.D.Sanderson,Tetrahedron Lett.2006,47,4771.]。
段階1:ビス−(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド
収率:72%
H−NMR(CDCl/300MHz): δ[ppm]: 0.86 (t, 6H); 1.11-1.43 (m, 36H); 1.65 (q, 4H); 2.66 (t, 4H)
段階2:4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸
10gのビス−(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィドと7.7gの4,4’−アゾビス(4−シアノ)ペンタン酸を60mlの蒸留したてのジオキサン中に溶解した。混合物をアルゴン流下で1時間脱ガスし、アルゴン雰囲気下で21時間、80℃に加熱した。溶媒を蒸発させ、得られた暗橙色油をヘキサンから2回再結晶させた。
収率:52%
H−NMR(CDCl/300MHz): δ[ppm]: 0.87 (t, 3H); 1.12-1.45 (m, 18H); 1.68 (q, 2H); 1.87 (s, 3H); 2.30-2.63 (m, 2H), 2.68 (t, 2H); 3.32 (t, 2H)
PNIPAM−CTAの合成
すべてのNIPAM−ポリマーとも、N−イソプロピルアクリルアミド、CTA、AIBN及び溶媒として乾燥ジオキサンを含有するシュレンク管内で製造した。全成分の正確な量は表2から得ることができる。3回の凍結脱気(freeze-pump thaw)サイクル後、混合物を80℃に予熱された油浴中に20時間置いた。混合物をヘキサン(貧溶媒)/THF(良溶媒)中で3回沈殿させ、真空下で乾燥させた。表2にはさらに、使用されたNIPAM(N−イソプロピルアクリルアミド)モノマー、CTA(DMP又はCDSMB)、AIBN及びジオキサンの量も示されている。収率は使用されたモノマーの量を基準にしている。分子量は、GPCにより、DMF中、PMMAを較正として用いて測定した。
表3に示されているように、CDSMBの方が効果的であることが分かった。三つのポリマーは、一つはDMPを用い、二つは4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸を用いて同じ計算分子量を持つように合成された。ポリマーの計算分子量とDMF中GPCで測定した分子量との相違はCDSMBの方が小さい。4−シアノ−4−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−4−メチル酪酸を用いた反応の場合、再現性も非常に良好であった。この結果、以後CDSMBをNIPAMの重合に使用した。
トリチオカーボネート末端基の開裂はアミノリシスによって実施した。アミノリシスは、PNIPAM−CTA、トリブチルホスフィン及びアミンのTHF中混合物を室温で数時間撹拌することによって実施した。チオール基への変換を2種類のアミン、すなわちエタノールアミン及びヘキシルアミンを用いて試験した。
UV可視分光法による反応速度測定により、1時間後に反応の完了が確認された。スペクトルは、アミンをポリマーの溶液に添加後15分ごとに測定された。
トリチオカーボネート基の開裂は、UV可視分光法により、310nm(C=S)に吸収バンドがないことからどちらのアミンでも確認された。更なる試験では開裂用としてヘキシルアミンを選んだ。反応後ポリマーの沈殿に使用されるヘキサンにそれが良く溶解するからである。図6に、純CTA(1)、トリチオカーボネート末端基(2)及びSH末端基(3)を有するPNIPAMのスペクトルを比較する。トリチオカーボネート基の吸収バンドの減少及び喪失が示されている。
RAFT合成PNIPAMのLCSTを、UV可視分光法を用い、632nmにおける水中ポリ−(N−イソプロピルアクリルアミド)の温度依存性濁度の測定によって決定した。溶液は5mg/mlの濃度を有していた。LCSTは、透過率50%の時の温度と定義された。知られているように、LCSTは、ポリマーの末端基及び分子量に依存する。非常に短いポリマーは、LCSTに対する疎水性末端基の影響のために低いLCSTを有する。LCSTに対する疎水性基の影響は長いポリマー鎖では減退する。これは、表2の疎水性CTA末端基を有するポリマーの一部に見ることができる。図7に示されているように、比較的低い分子量を有するサンプルPNI1(1)は20.6℃のLCSTを示しているが、これは約31℃で検出された高分子量サンプルのPNI6(3)、PNI10(4)、及びPNI4(5)のLCSTより約11℃低い。サンプルPNI2(2)は中間的なLCSTの値を示した。
実施例3.
本実施例では、PNIPAMによるスチレン−ブタジエンゴムの官能化を示す。
官能化ゴムエラストマーの合成
官能化エラストマーを下記の一般的手順を用いて製造した。SBR、AIBN及びチオールの乾燥THF中溶液をアルゴン雰囲気下室温で2時間脱ガスした。各反応のための遊離体(educt)の正確な量を表4に示す。次に反応混合物を70℃に予熱された油浴中に少なくとも20時間置いた。反応生成物中に遊離チオールがないことを確実にするために、生成物をTHFに対して3日間透析した。透析後、溶媒を蒸発させ、生成物を真空下で乾燥させた。三つの官能化エラストマーの元素分析結果を、得られた官能化SBR中のPNIPAMの計算重量パーセントと共に表5に示す。
SBR(1)及び官能化ゴム(2)のH−NMRスペクトルを図8に示す。図8に示されているように、典型的なエラストマーシグナルが観察できるが、PNIPAMのイソプロピル基のCH基のピークも3.97ppmに観察できる。ここでもビニルシグナルの減少が観察でき、官能化の成功が示されている。GPC測定は、図9に示されているように、全サンプルとも架橋があったとしてもほとんどないことを示していた。図9は、SBR(1)及び三つの官能化エラストマーSBR2(2)、SBR5(3)及びSBR6(4)の例示的GPC曲線を示す。図9の約16〜17mlの溶出体積における肩の存在によって示されているように、SBR6は反応中に全く架橋を示さず、SBR2はごくわずかな架橋を示し、SBR5は多少の架橋を示している。三つのサンプルはすべて可溶性であり、大して架橋していないことを示していた。
実施例4.
本実施例では、PNIPAM官能化がスチレン−ブタジエンゴムの湿潤性に及ぼす影響を示す。官能化SBRの湿潤性は、官能化ポリマーで被覆されたガラスプレート上の水滴の接触角を測定することによって決定された。
接触角は手順に従って測定された。官能化SBRサンプルをTHF中に溶解し、スライドガラス上にスピンコーティングした。真空下で乾燥後、スライドをニードル下に置き、水滴をニードルから被覆ガラス上にパージした。接触角は、液滴とガラス表面間の内角の測定によって決定した。接触角は、一連の官能化SBRのそれぞれについて、22℃及び45℃の二つの温度で測定した。これらの温度は、PNIPAMの32℃というLCSTの十分下及び上であるとして選ばれた。使用されたサンプルは、SBR3、SBR4、SBR5及びSBR2に対応していた。
図10に、二つの温度22℃(1)及び45℃(2)のそれぞれにおける測定接触角をPNIPAM含有量の関数として示す。図10に示されているように、LCSTより低い22℃で測定されたサンプルの接触角は、ポリマー中のPNIPAMの量が増加するに従って接触角の著しい減少を示しており、官能化ポリマーはLCSTより下では比較的親水性になることを示している。それに比べ、LCSTより高い45℃で測定されたサンプルの接触角は比較的一定で、官能化ポリマーはLCSTより上では比較的疎水性であることを示している。LCSTより上及び下の接触角の相対差を図11に示すが、官能化SBRのPNIPAM含有量の増大に伴って親水性挙動の強い増大が示されている。
実施例5.
本実施例では、PNIPAM官能化SBRの流動学的性質を示す。
グラフト化PNIPAM側鎖がSBRの機械的挙動に及ぼす影響を調べるために、平行板レオメーター(8mmプレート)及び加熱速度5℃/分を用いて流動学的測定を実施した。図12に、未改質SBRの典型的な流動学的挙動を示す。約70℃より高い温度でG’(1)及びG”(2)は低下し、タンデルタ(3)は増加している。そのような挙動は高温での未改質ポリマーの流動を示している。図13及び14に、6重量パーセントのPNIPAM(図13)及び4重量パーセントのPNIPAM(図14)を有するポリマーのPNIPAMグラフト化SBRの流動学的挙動を示す。図13及び14に示されているように、PNIPAM側鎖をSBRにグラフトすると、G’(1)、G”(2)及びタンデルタ(3)で、高温(約70℃より上)でのゴム状平坦(rubbery plateau)の安定化がもたらされる。何らかの理論に束縛されるつもりはないが、これは、SBRマトリックスからのPNIPAM側鎖のミクロ相分離のためであろうと考えられる。高TgのPNIPAM相は物理的架橋として作用でき、これが高温でのSBRの流動を防止している。図13及び14をさらに参照すると、6重量パーセント及び4重量パーセントのPNIPAMでそれぞれ官能化されたSBRを比較すると、高温(約70℃より上)での温度に伴うタンデルタの増大は、PNIPAM含有量が高い場合に低いことが分かる。ここでも何らかの理論に束縛されるつもりはないが、この挙動は、PNIPAM含有量が増大した場合、SBRのより効率的な物理的架橋のためとみられる。
実施例6.
図10〜14に示された挙動から、LCST挙動を示すコポリマーを使用することによって、タイヤ性能、転がり抵抗(燃費の指標)及びトレッド摩耗の間で通常なされる妥協は、コンパウンドの様々な指標を切り離すことにより回避できることが示唆される。
LCST挙動を示すコポリマーを含むトレッドコンパウンドは、タイヤに下記のことを示すことが期待できる。該コポリマーを含むトレッドを使用すると、コポリマーのLCSTより低い温度で湿潤表面と接触するタイヤトレッドは、そのコポリマーを含んでいない以外は同一のタイヤと比較して、増強されたウェットグリップを示すことが期待できる。しかしながら、摩耗及び転がり抵抗は重度に損なわれない。何らかの理論に束縛されるつもりはないが、増強されたウェットグリップは、コポリマーのLCST側鎖に対する水の効果によるトレッド表面の軟化のためと考えられる。この軟化は可逆的であり、従ってトレッドは乾燥条件下では硬化するので、トレッド摩耗は損なわれないはずである。トレッド摩耗は、トレッド表面におけるコポリマーのLCST相間の転移とほぼ無関係だからである。硬化は、LCST側鎖の沈殿のほか、実施例5で検討した補強効果のためである。さらに、コポリマーのLCST側鎖による軟化効果は、トレッドコンパウンドの本体(バルク)内に拡大することのない表面現象のようなので、トレッドの転がり抵抗は、トレッド表面におけるコポリマーのLCST相間転移と無関係であると考えられる。

Claims (15)

  1. グラフトコポリマーの製造法であって、
    少なくとも一つの炭素炭素二重結合を含む第一のポリマーを得るステップ(前記第一のポリマーは少なくとも一つの第一のモノマーから誘導され、前記少なくとも一つの第一のモノマーは共役ジエンモノマーを含む)と;
    第二のポリマーを得るステップ(前記第二のポリマーは下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができ、そして炭素炭素二重結合と反応できる末端官能基を含む)と;
    第二のポリマーを第一のポリマーと反応させてグラフトコポリマーを形成させるステップ(前記グラフトコポリマーは、第一のポリマーから誘導された主鎖と第二のポリマーから誘導された側鎖とを含む)と
    を含む方法。
  2. 第二のポリマーと第一のポリマーとの反応中、第二のポリマーが、末端官能基と不飽和炭素炭素結合との反応を通じて第一のポリマーに連結される、請求項1に記載の方法。
  3. 末端官能基がチオール基である、請求項1に記載の方法。
  4. 第二のポリマーを得るステップが、
    チオカルボニルチオRAFT連鎖移動剤の存在下で第二のモノマーを重合して末端チオカルボニルチオ基を含むポリマーを形成させるステップ;及び
    末端チオカルボニルチオ基をチオール基に開裂し、末端チオール基を含む第二のポリマーを形成させるステップ
    を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 第二のモノマーがN−置換アクリルアミド誘導体である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 第一のポリマーが、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエンゴムからなる群から選ばれる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマー主鎖と;主鎖に結合されたポリマー側鎖とを含み、前記側鎖は下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーを含むコポリマー。
  8. コポリマーであって、
    溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、天然ポリイソプレンゴム、合成ポリイソプレンゴム、及びポリブタジエンからなる群から選ばれるジエン系エラストマーを含むポリマー主鎖と;
    主鎖に結合されたポリマー側鎖と
    を含み、前記側鎖は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、及びポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)からなる群から選ばれるポリマーを含むコポリマー。
  9. 構造:
    [式中、Xは、少なくとも一つの共役ジエンモノマー及び所望により少なくとも一つのビニル芳香族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリマーであり;
    は、下限臨界溶液温度(LCST)を示すことができるポリマーであり;
    Yは、XとPの両方に結合した二価の基であり;そして
    nは、Xに結合された−[−Y−P]基の数である]を含むコポリマー。
  10. 少なくとも一つの共役ジエンモノマーが、イソプレン及びブタジエンからなる群から選ばれる、請求項7又は9に記載のコポリマー。
  11. ビニル芳香族モノマーがスチレンである、請求項7又は9に記載のコポリマー。
  12. Xが、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、天然ポリイソプレンゴム、及び合成ポリイソプレンゴムからなる群から選ばれる、請求項9に記載のコポリマー。
  13. がN−置換アクリルアミド誘導体から誘導される、請求項9に記載のコポリマー。
  14. Yが硫黄及び酸素からなる群から選ばれる二価の基である、請求項9に記載のコポリマー。
  15. トレッドを有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッドは、請求項7〜14のいずれかに記載のコポリマーを含むゴム組成物を含む空気入りタイヤ。
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