JP2013139375A - 強化ガラス基板のスクライブ方法およびスクライブ装置 - Google Patents

強化ガラス基板のスクライブ方法およびスクライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 加工困難な強化ガラス基板であっても、内切りで確実にスクライブラインを形成することのできるスクライブ方法を提供する。
【解決手段】 強化ガラス基板Mに対し、刃先稜線に連続した凹凸を有する溝付きカッターホイール11を用いて、(a)基板Mの一端縁より内側に入り込んだスタート地点P1にカッターホイール11を下降当接させ、スクライブ予定ラインの方向でスタート地点近傍の折返し地点P2との間で、少なくとも一往復の前進転動と後退転動を押圧状態で行ってカッターホイールの食い込み起点となる溝Tを形成し、(b)続いて、カッターホイール11をスタート地点から溝T上を通過するようにして、スクライブ予定ラインの終点地点P3まで押圧転動させてスクライブラインSを形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、強化ガラス製のガラス基板のスクライブ方法、および、これに用いることができるスクライブ装置に関する。
ここで、「強化ガラス」とは、製造工程中におけるイオン交換による化学的処理により、ガラス基板の基板表面層に圧縮応力が残留する圧縮応力層が形成され、基板内部に引張応力が残留するように製造されたガラスをいう。
強化ガラスの特徴は、圧縮応力層の影響で外力に対し割れにくい性質を有する反面、一旦、基板表面に亀裂が生じて残留引張応力が存在する基板内部まで進むと、今度は逆に亀裂が深く浸透しやすくなる性質を有している。
一般にガラス基板を分断する加工では、まず基板表面に有限深さのスクライブラインを形成し、その後、基板の裏側からスクライブラインに沿ってブレイクバーやブレイクローラで押圧することによりブレイクする方法が採用されている。
前者のスクライブラインを形成する工程では、基板表面に対して円盤状のカッターホイール(スクライビングホイールともいう)を押しつけながら転動させることによりスクライブする方法が知られており、例えば特許文献1などで開示されている。カッターホイールとして、円周稜線部に連続した小さな凹凸を有する溝付きカッターホイールと、稜線部に凹凸を有しないノーマルカッターホイールとがあり、基板の種類や厚みに応じて使い分けされている。
図4は、ガラス製の基板M(マザー基板)を、それぞれが製品となる単位基板に分断するときに行われる一般的なクロススクライブ加工を示している。まず基板Mの表面に対してカッターホイールでX方向のスクライブラインS1を形成し、次いで、X方向と交差するY方向のスクライブラインS2を形成する。このようにXY方向に交差した複数のスクライブラインを形成した後、基板Mはブレイク装置に送られ、各スクライブラインに沿って裏面側から撓ませることにより、単位基板に分断される。
ガラス基板をカッターホイールでスクライブする方法には、「外切り」と「内切り」とがある。基板の種類や用途によって、外切りと内切りのスクライブ方法が選択的に使い分けられている(特許文献2参照)。
前者の外切りは、図5(a)に示すように、カッターホイールKの最下端を基板Mの表面(上面)よりわずかに下方まで降下した状態で、基板Mの片側端部の外側位置(スクライブ開始位置)にセットする。そしてセットした位置から水平移動させ、基板端部に衝突させて乗り上げ、さらに所定のスクライブ圧で押圧しながら、カッターホイールKを水平移動させるようにしてスクライブを行う。
外切りでは、基板端でカッターホイールがスリップする問題は発生せず、形成されるスクライブラインは基板の端部まで達しているため、次工程でブレイクが容易かつ正確に行える。その一方で、刃先が基板端部に衝突するので、基板端部にカケが生じ、基板内部の引張応力の影響で端部から不規則に破断したり、フルカットされたりしてしまうおそれがある。また、カッターホイールもエッジ部分との衝突で消耗しやすい。
後者の内切りは、図5(b)に示すように、基板の端縁から2mm〜10mm程度内側(スクライブ開始位置)にてカッターホイールを上方から下降させて基板に所定のスクライブ圧で当接させ、押圧しながらカッターホイールを水平移動させるようにしてスクライブを行う。
内切りでは、カッターホイールが基板端部のエッジ部分と衝突するようなことがないため、基板端部にカケが生じるおそれはなく、刃先の消耗についても外切りに比べて抑えることができる。しかし、カッターホイールが基板に当接した状態から水平方向に移動させるときに刃先の食い込みが悪くスリップしてしまい、スクライブできない場合がある。
このように外切りと内切りとは、それぞれ長所と短所を有している。そのため、基板の種類や用途によって、外切りと内切りとを使い分けている。
特許第3074143号公報 特開2009−208237号公報
近年、携帯電話等のカバーガラス等に使用されるガラス製品のなかには、いわゆる強化ガラス(化学強化ガラスともいう)と呼ばれるガラスの使用が望まれている。上述したように、強化ガラスは、基板表面層に圧縮応力が残留するようにして製造されており、これによりガラスの板厚が薄いにもかかわらず、割れにくいガラスが得られる。
したがって、強化ガラスを用いると、薄くて軽く、しかも丈夫なカバーガラスが製造できる点で優れている。その一方で、カバーガラスにするために、大面積のマザー基板から所望の大きさ、所望の形状の単位製品に切り出す加工が必要になる。
強化ガラスに対し、外切りでスクライブラインを形成する場合、基板端部で刃先が衝突する際に表面圧縮応力層より深くスクライブすると、基板内部の残留引張応力の影響を受け、一挙に完全分断されてしまうという不具合が発生するおそれがある。そのため、強化ガラスでは、外切りよりも内切りでのスクライブの方が好ましいと考えられる。
しかしながら、内切りでスクライブしようとしても、刃先を当接させたときに、強化ガラスであるが故に、基板表面層の残留圧縮応力の影響で、刃先が基板表面に食い込みにくくなり、刃先の基板へのかかりが非常に悪く、スリップが生じてしまうことがあった。そのため、かえってスクライブ加工が困難となるという問題が生じることになった。また、刃先を食い込ませるために強い押圧荷重でスクライブすると、基板内部の残留引張応力の影響で一挙に破断したり完全分断されてしまったりするなどの不具合が発生することがある。
このように、強化ガラスに対しては、従来から使用されているソーダガラス基板等に対するスクライブ加工とは異なり、外切りによっても、また内切りによっても、うまくスクライブラインを形成することが困難であった。この傾向は、基板表面の圧縮応力層が厚くて残留応力が大きい基板ほど顕著になる。
そこで、本発明は、加工困難な強化ガラス製のガラス基板であっても、内切りで確実にスクライブラインを形成することができるスクライブ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明のスクライブ方法では、基板表面に圧縮応力層が形成されている強化ガラス基板に対し、スクライブラインを形成する基板スクライブ方法であって、刃先稜線に連続した凹凸を有する溝付きカッターホイールを用いて、(a)前記基板の一端縁より内側に入り込んだスタート地点に前記カッターホイールを下降当接させ、スクライブ予定ラインの方向でスタート地点近傍の折返し地点との間で、少なくとも一往復の前進転動と後退転動を圧接状態で行ってカッターホイールの食い込み起点となる溝を形成し、(b)続いて、カッターホイールを前記スタート地点から前記溝上を通過するようにして、スクライブ予定ラインの終点位置まで押圧転動させてスクライブラインを形成するようにした。
前記カッターホイールを往復させる距離、すなわち、スタート地点から折返し地点までの距離は0.5mm〜3mmが好ましく、特に2mm程度が好適である。
また、別の観点からなされた本発明の基板スクライブ装置は、ガラス基板の表面にスクライブラインを形成する基板スクライブ装置であって、ガラス基板を載置するテーブルと、刃先稜線に連続した凹凸を有する溝付きカッターホイールを保持するスクライブヘッドと、前記ガラス基板の表面に対し前記カッターホイールが接触した状態と離隔した状態とをとるように前記スクライブヘッドを昇降させるスクライブヘッド昇降機構と、前記スクライブヘッドを前記ガラス基板の表面に沿った方向に移動させる走査機構と、前記スクライブヘッド昇降機構による昇降動作、および、前記走査機構によるスクライブヘッドの移動動作の制御を行う制御部とを備え、前記制御部が、前記基板の一端縁より内側に入り込んだスタート地点にスクライブヘッドがくるように前記基板がセットされた状態で制御が開始されると、(a)前記スタート地点に前記カッターホイールを下降当接させ、スクライブ予定ラインの方向でスタート地点近傍の折返し地点との間で、少なくとも一往復の前進転動と後退転動を押圧状態で行ってカッターホイールの食い込み起点となる溝を形成し、(b)続いて、カッターホイールを前記スタート地点から前記溝上を通過するようにして、スクライブ予定ラインの終点地点まで押圧転動させてスクライブラインを形成する動作を行う制御を行うようにした。
本発明によれば、カッターホイールをスタート地点と折返し地点との間で少なくとも一往復転動させる。最初の往路の転動でわずかな傷が形成され、続く復路の転動で傷が深められて小さな溝になる。形成された溝は、スクライブラインを形成するためのトリガ(カッターホイール食い込み用の溝)として作用する。カッターホイールを少なくとも一往復させた後に、再びスタート地点からスクライブ予定ラインの終点地点まで転動させることにより、スタート地点近傍は少なくとも3度同じ位置をスクライブするようになり、少なくとも3度目は起点部分で刃先の食い込みが容易となって、スリップすることなくきれいにスクライブラインを形成することができる。
また、スクライブラインを形成する際の刃先の食い込みが容易になるので、スクライブライン形成時におけるカッターホイールの押圧荷重を、最初の起点の溝形成時の押圧荷重より小さくしても充分にスクライブラインを形成することができ、これにより、スクライブライン形成時における基板に対するカッターホイールの無理な荷重を軽減して基板の破断や完全分断をなくすことができる。
本発明において、カッターホイールの転動速度は、前記往復動時の速度よりもスクライブラインを形成する際の速度を速くするのがよい。
これにより、カッターホイールの食い込み起点となる溝の加工を確実に行うことができるとともに、スクライブラインの形成を迅速に行うことができる。
本発明のスクライブ方法に用いるスクライブ装置の一実施例を示す正面図。 図1のカッターホイールの一例を示す正面図および左側面図。 本発明におけるスクライブ方法の手順を示す平面図。 一般的なガラス基板のクロススクライブ加工を示す図。 カッターホイールによる従来のスクライブ方法を示す図。
以下において本発明に係るスクライブ方法の詳細を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、強化ガラス基板にスクライブラインを形成するために使用されるスクライブ装置の一例を示す概略的な正面図である。
このスクライブ装置Aは、強化ガラス基板Mを載置するテーブル1を備えている。テーブル1は、この上に載置した基板Mを定位置で保持できるように保持機構を備えている。本実施例では、この保持機構として、テーブル1に開口させた多数の小さなエア吸着孔(図示せず)を介して基板Mを吸着保持するようにしている。また、テーブル1は、水平なレール2に沿ってY方向(図1の前後方向)に移動できるようになっており、モータ(図示せず)によって回転するネジ軸3により駆動される。さらにテーブル1は、モータを内蔵する回転駆動部4により水平面内で回動できるようになっている。
テーブル1を挟んで設けてある両側の支持柱5、5と、X方向に水平に延びるガイドバー6とを備えたブリッジ7が、テーブル1上を跨ぐようにして設けられている。
ガイドバー6には、X方向に水平に延びるガイド8が設けられ、このガイド8に沿って移動できるようにスクライブヘッド9が設けられており、モータ12によって駆動されるようになっている。
スクライブヘッド9の下端にはホルダ10が昇降可能に装着され、ホルダ10にはカッターホイール11が取り付けられている。本発明では、このカッターホイール11として、円周稜線部に連続した小さな凹凸を有する溝付きカッターホイールが用いられる。
図2は溝付きカッターホイール11の一例を示すもので、図2(a)は側面図であり、図2(b)は正面図である。この溝付きカッターホイール11は、直径2mm〜6mmで厚み0.6mm〜1.5mm程度の超硬合金製の円盤ディスク11aの外周部に刃先となる稜線11bを形成するための角度α(約100度〜140度)が形成され、その稜線11bに連続した小さな凹凸11cが形成されている。なお、この溝付きカッターホイール11としては、例えば三星ダイヤモンド工業株式会社製スクライビングホイール「APIO(登録商標)」を用いてもよい。
次にスクライブ装置Aの制御系について図1に基づいて説明する。スクライブ装置Aは制御部20を備えている。制御部20は制御に必要な演算処理を行うCPU21、制御プログラムや必要な設定情報を記憶するメモリ22(記憶部)、設定情報や操作のための入出力を行う入力装置23、入力操作画面や装置状況のモニタ画面として用いられる表示装置24によって構成されるコンピュータシステムからなる。
制御部20では、あらかじめ制御に必要な設定情報をメモリ22に記憶させておくことにより、制御プログラムと設定情報とにより所望のスクライブ動作を行うことができる。
記憶される設定情報の内、本発明で関係する情報について具体的に説明すると、スクライブするときのスクライブヘッドの移動速度情報22a、基板を押圧する押圧荷重情報22b、スクライブヘッドの移動距離情報22cが、加工開始前にあらかじめ入力により設定される。
スクライブヘッドの移動速度情報22aには、1つまたは2つの数値が入力設定でき、数値を2つ入力したときは「第一移動速度」、「第二移動速度」として記憶され、図3で後述するように、往復動時(図3(c)、(d))には「第一移動速度」、スクライブ終了地点までのスクライブ時(図3(e))には「第二移動速度」で走査されることになる。数値を1つだけ入力したときは「第一移動速度」(第一移動速度と第二移動速度とは同じとして扱われる)として記憶され、スクライブ加工中(図3(c)、(d)、(e))は、常にこの「第一移動速度」でスクライブヘッドが走査されることになる。
押圧荷重情報22bについても、1つまたは2つの数値が入力設定でき、数値を2つ入力したときは「第一押圧荷重」、「第二押圧荷重」として記憶され、図3で後述するように、往復動時(図3(c)、(d))には「第一押圧荷重」、スクライブ終了地点までのスクライブ時(図3(e))には「第二押圧荷重」で圧接しながら走査されることになる。数値を1つ入力したときは「第一押圧荷重」(第一押圧荷重と第二押圧荷重とは同じとして扱われる)として記憶され、スクライブ加工中(図3(c)、(d)、(e))は、常にこの「第一押圧荷重」で圧接しながらスクライブヘッドが走査されることになる。
移動距離情報22cは、1つの数値が入力設定でき、図3で後述するように、往復動時(図3(c)、(d))のスタート地点から折返し点までの「移動距離L」として記憶される。
次に、このスクライブ装置Aを用いたスクライブ方法を、図3を用いて説明する。
まず、あらかじめカッターホイール11がスクライブ加工のスタート地点P1の直上にくるようにして、カッターホイール11の移動方向とスクライブ予定ラインとが一致するようにテーブル1上に基板Mをセットする。基板Mのセットはテーブル1に位置決め用のストッパ(不図示)を取り付け、これに当接して位置決めする方法が一般的であるが、搬送ロボットで定位置に基板を載置するようにしてもよい。また、基板載置までの動作は手動でも自動でもよい。
そして、図3(a)、(b)に示すように、基板Mのスクライブ予定ライン上で、基板Mの一端縁(図の左端縁)より内側(例えば3mm内側)に入り込んだスタート地点P1に溝付きカッターホイール11を降下させ、あらかじめ予備実験で求めた押圧荷重(第一押圧荷重情報として記憶された荷重)、例えば0.05MPa程度で押しつけながら、スタート地点近傍の折返し地点P2(移動距離情報として記憶された距離)まで前進転動させる(図3(c)参照)。
さらに、折返し地点P2で先の押圧荷重を維持させたまま折返してスタート地点P1まで後退転動させて溝(傷)Tを形成する(図3(d)参照)。
その後、先の押圧荷重より小さな押圧荷重(第二押圧荷重として記憶された荷重)、例えば0.01MPa程度でスクライブ予定ラインの終点地点P3まで前進転動させてスクライブラインSを形成する(図3(e)参照)。
このようにして、カッターホイール11を、スタート地点P1→折返し地点P2→スタート地点P1に一往復転動させることにより形成された溝Tは、スクライブラインSを形成するためのトリガ(カッターホイール食い込み用の溝)として作用する。よって、カッターホイール11を一往復させた後に、スタート地点P1からスクライブ予定ラインの終点地点P3まで転動させる際の刃先の食い込みが容易となって、スリップすることなくきれいにスクライブラインSを形成することができる。
また、スクライブラインSを形成する際の刃先の食い込みが容易であるので、スクライブライン形成時におけるカッターホイール11の押圧荷重を、溝Tの形成時の押圧荷重より小さくしても充分にスクライブラインSを形成することができる。これにより、スクライブライン形成時における基板に対するカッターホイールの無理な荷重を軽減して、基板の破断や完全分断をなくすことができる。
前記カッターホイール11を往復させる距離、すなわち、スタート地点P1から折返し地点P2までの距離L(移動距離情報として記憶された距離)は、0.5mm〜3mmが好ましく、特に2mm程度とするのが好適である。
また、カッターホイール11の転動速度は、往復動時の速度(第一移動速度として記憶された速度)を例えば3mm/秒程度と遅くし、スクライブラインSを形成する際の速度(第二移動速度として記憶された速度)を、例えば100mm/秒と速くするのがよい。これにより、最初のカッターホイール食い込み起点となる溝Tの加工を確実に行うことができるとともに、スクライブラインSの加工を迅速に行うことができる。
次に示す表1は、本発明の内切りスクライブ法でスクライブした試験結果を示すものであり、表2は従来の内切りスクライブ法でスクライブした試験結果を示すものである。
この試験では、直径2mmの溝付きカッターホイールで、稜線角度(α)の異なったものをそれぞれ8個(番号1〜8)用意し、本発明の内切りスクライブ法と、従来の内切りスクライブ法でスクライブ試験を行った。
その結果、従来のスクライブ法(表2)では、かかり不良や亀裂の先走りを示す×印が多く、スクライブラインの加工が非常に不安定であるのに対し、本発明のスクライブ法(表1)では、○印で示すように広い範囲でスクライブラインを安定して形成することができた。
Figure 2013139375
Figure 2013139375
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではない。例えば、上記実施例ではカッターホイール11をスタート位置P1から折返し地点P2までの間で一往復させたが、強化ガラスの種類や厚みによっては二往復させるようにしてもよい。その場合の往復動作時における移動速度、押圧荷重にも、第一移動速度、第一押圧荷重の数値が参照されてスクライブが行われる。
また、上記実施例では、スクライブライン形成時におけるカッターホイール11の押圧荷重を、溝Tを加工するための往復時の押圧荷重よりも小さくしたが、往復時の押圧荷重を変えることなくスクライブ予定ライン全長にわたってスクライブするようにしてもよい。
その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明のスクライブ方法は、強化ガラス基板をスクライブする場合に利用することができる。
M 脆性材料基板
P1 スタート地点
P2 折返し地点
S スクライブライン
T 溝
11 カッターホイール

Claims (6)

  1. 基板表面に圧縮応力層が形成されている強化ガラス基板に対し、スクライブラインを形成する基板スクライブ方法であって、
    刃先稜線に連続した凹凸を有する溝付きカッターホイールを用いて、
    (a)前記基板の一端縁より内側に入り込んだスタート地点に前記カッターホイールを下降当接させ、スクライブ予定ラインの方向でスタート地点近傍の折返し地点との間で、少なくとも一往復の前進転動と後退転動を押圧状態で行ってカッターホイールの食い込み起点となる溝を形成し、
    (b)続いて、カッターホイールを前記スタート地点から前記溝上を通過するようにして、スクライブ予定ラインの終点地点まで押圧転動させてスクライブラインを形成するようにした強化ガラス基板のスクライブ方法。
  2. カッターホイールの前記往復動時の転動速度よりも、スクライブラインを形成する際の転動速度を速くした請求項1に記載の強化ガラス基板のスクライブ方法。
  3. 前記スタート地点から折返し地点までの距離が0.5mm〜3mmである請求項1または請求項2に記載の強化ガラス基板のスクライブ方法。
  4. ガラス基板の表面にスクライブラインを形成する基板スクライブ装置であって、
    ガラス基板を載置するテーブルと、
    刃先稜線に連続した凹凸を有する溝付きカッターホイールを保持するスクライブヘッドと、
    前記ガラス基板の表面に対し前記カッターホイールが接触した状態と離隔した状態とをとるように前記スクライブヘッドを昇降させるスクライブヘッド昇降機構と、
    前記スクライブヘッドを前記ガラス基板の表面に沿った方向に移動させる走査機構と、
    前記スクライブヘッド昇降機構による昇降動作、および、前記走査機構によるスクライブヘッドの移動動作の制御を行う制御部とを備え、
    前記制御部が、前記基板の一端縁より内側に入り込んだスタート地点にスクライブヘッドがくるように前記基板がセットされた状態で制御が開始されると、
    (a)前記スタート地点に前記カッターホイールを下降当接させ、スクライブ予定ラインの方向でスタート地点近傍の折返し地点との間で、少なくとも一往復の前進転動と後退転動を押圧状態で行ってカッターホイールの食い込み起点となる溝を形成し、
    (b)続いて、カッターホイールを前記スタート地点から前記溝上を通過するようにして、スクライブ予定ラインの終点地点まで押圧転動させてスクライブラインを形成する動作を行う制御を行うことを特徴とするスクライブ装置。
  5. 前記制御部は、前記(a)の往復転動時と、前記(b)のスクライブ予定ラインの終点地点までの転動時とのスクライブヘッドの移動速度を別々に記憶可能な記憶部を備え、当該記憶部に記憶された移動速度に基づいて、前記(a)の往復転動と、前記(b)のスクライブ予定ラインの終点地点までの転動での移動速度を決定する請求項4に記載のスクライブ装置。
  6. 前記制御部は、前記(a)の往復転動時と、前記(b)のスクライブ予定ラインの終点地点までの転動時とのスクライブヘッドの押圧荷重を別々に記憶可能な記憶部を備えた請求項4または請求項5のいずれかに記載のスクライブ装置。
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