JP2013138186A - 電波吸収体用シート材およびこれを用いた電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体用シート材およびこれを用いた電波吸収体 Download PDF

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Abstract

【課題】
高周波電波を用いた無線通信システムにおいて、不要電波を吸収し、電波障害を抑制・軽減するために用いられる電波吸収体に関し、多くの材料種類を使用することなく、少ない品種のシート材料で広範な周波数範囲に対応する電波吸収体を作ることができ、様々な無線通信システムに広く適用可能であり、かつ薄型、軽量で取扱い容易な電波吸収体用シート材および電波吸収体を提供すること。
【解決手段】
導電性繊維を含有する電波吸収体用シート材であって、周波数n[GHz]における複素比誘電率の虚数部をB(n)としたとき、周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)が0.6以上であることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、携帯電話、RFID、無線LAN、ETCなどの高周波電波を用いた無線通信システム等に使用されるものであって、不要な電波を吸収し、電波障害を軽減するために用いられる電波吸収体用シート材およびそれを用いた電波吸収体に関する。
マイクロ波や極超短波領域の電波を利用した無線通信機器および無線通信システムの普及に伴い、無線通信機器などから発生する不要電波が他の電子機器の誤作動などを引き起こす問題や不要電波や多重反射波との電波干渉による通信不良問題が発生している。最近では、RFIDシステムなどの普及も進み、物流倉庫や工場のみならず、オフィスや店舗、公共商業施設でも汎用的に用いられるようになっている。これらの無線通信の具体的な利用周波数としては、携帯電話(800MHz/900MHz帯、1.5GHz帯など)、RFID(860〜960MHz帯)、無線LAN(2.5GHz帯、5.6GHz帯)、ETCやDSRC(700MHz帯、5.8GHz帯)があり、高周波領域の電波が広く用いられている。今後、これら無線通信システムが様々な分野において利用されることが見込まれており、安定した通信環境を実現するための電波吸収体の必要性が高まっている。このような電波吸収体は、壁材や天井材あるいはパーティションなど、一般的な建築材と同様に、薄いこと、軽量であることなどの取扱い性や施工性に優れることが重要である。さらに、利用周波数の異なる無線通信システムのいずれにも広範に適用可能であり、かつ廉価な電波吸収部材および電波吸収体の要求が高まっている。
通信環境改善を目的とした電波吸収体として、例えば、特許文献1には、所定のアスペクト比を有する偏平状軟磁性体粉末とフェライト粉末を樹脂結合材に配合した電波吸収体が提案されている。このような電波吸収体では、比重の大きな磁性体粉末を高い配合率で充填するため、電波吸収体が高比重となり、取扱性、施工性が悪くなるといった問題がある。
特許文献2には、導体素子を有するパターン層および磁性損失材もしくは誘電損失材の少なくともいずれか一方の材料を有する損失層、さらに誘電体層および導電性反射層で構成される電波吸収体が提案されている。この場合、導体素子のパターンによって、電波吸収を生じる周波数が特定の周波数に限定されるため、各々の無線通信システムによって、導体パターンを設計しなければならず、様々な無線通信システムに展開する場合には多品種の導体素子を有するパターンが必要となるなど、生産性の低下あるいは電波吸収体のコストアップという問題がある。
さらに、本願発明に関連する先行技術として特許文献3および4に記載された発明が挙げられる。これらの先行技術では、導電性繊維を含有する抵抗膜層とスペーサー層、反射材層の組み合わせの電波吸収体が提案されている。これら先行技術の目的は、特許文献3の発明は斜め入射電波吸収性能の向上、特許文献4の発明は電波吸収性能の異方性の改善を目的としている。しかしながら、それぞれ、広い周波数範囲で高度な電波吸収性能を有し、様々な無線通信システムに広く適用可能であってかつ電波吸収体を大幅に薄型化できるものではない。
特開2002−15905号公報 特開2009−59972号公報 特開2010−157696号公報 特開2008−205447号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、多くの種類の材料を使用することなく、少ない品種の電波吸収体用シート材で広範な周波数範囲に対応する電波吸収体を作ることができる電波吸収体用シート材ならびにそれからなる電波吸収体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電波吸収体用シート材は、導電性繊維を含有する電波吸収体用シート材であって、材料の複素比誘電率が自由空間法で測定され、周波数n[GHz]における複素比誘電率の虚数部をB(n)としたとき、周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)が0.6以上であることを特徴とする。
また、本発明の電波吸収体は、上述の電波吸収体用シート材、および誘電体層、および電波反射体層を有する電波吸収体であって、電波反射体層の少なくとも片面に、少なくとも1層以上の誘電体層と電波吸収体用シート材が順次積層されてなることを特徴とする。
本発明によれば、電波吸収体用シート材の複素比誘電率の虚数部B(n)を広範な周波数範囲において一定の範囲に調整することにより、多くの種類の材料を使用することなく、少ない品種の電波吸収体用シート材で広範な周波数範囲、特に0.5〜6.5GHzの周波数範囲に対応する電波吸収体を作ることができる。その結果、様々な無線通信システムに広く適用可能であり、加えて電波吸収体を大幅に薄型・軽量化できるため、取扱い容易な電波吸収体用シート材および電波吸収体を得ることができる。
以下発明を実施するための形態について説明する。
(電波吸収体用シート材)
本発明の電波吸収体用シート材は、導電性繊維を含有する。導電性繊維が電気的損失材として機能することにより、電波エネルギーを微小な電流に変換し、熱エネルギーに変換することで、電波の減衰を行う。
電波吸収体用シート材に用いられる導電性繊維としては、炭素繊維、またステンレス、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム、鉄などの金属繊維、非導電性の繊維に例えば先に説明した金属に代表される金属をメッキ、蒸着、溶射するなどして導電性を付与したものなどを挙げることができる。これら導電性繊維の中でも、炭素繊維は、繊維自体が剛直であり基材内に配向させやすいこと、長期間の使用においてほとんど性能の変化がないことから、さらに好ましい。
電波吸収体用シート材は、導電性繊維の以外にも他の材料を含有することができ、さらに基材となる材料を含有することができる。基材としては、各種合成樹脂からなる樹脂膜やフィルム、あるいは各種繊維を主要成分とする乾式または湿式不織布などが例示される。基材が樹脂膜やフィルムである場合には、天然ゴムやイソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム材料やポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などの各種樹脂が挙げられる。
また、基材が、不織布など、繊維を主要成分とする構造体である場合には、ガラス繊維やセラミック繊維などの無機繊維、合成繊維、綿、麻、ウール、木材パルプといった天然繊維、レーヨンなどの半合成繊維が使用できる。さらに、合成繊維を形成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、およびそれらのポリエステルの酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸などを共重合した共重合ポリエステルなどのポリエステルや、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66とを共重合した共重合ポリアミドなどのポリアミドや、ポリビニルアルコールや、芳香族ポリアミドや、ポリエーテルエーテルケトンや、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールや、ポリフェニレンサルファイドや、ポリエチレンや、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
本発明の電波吸収体用シート材は、材料の複素比誘電率が自由空間法で測定され、周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)が0.6以上であることが重要である。ここで、複素比誘電率について説明する。周波数n[GHz]における複素比誘電率をε(n)=A(n)−j・B(n)で表した場合、その実数部はA(n)、虚数部はB(n)である。実数部A(n)は電波エネルギーの蓄積度を示す指標であり、また虚数部B(n)は電波エネルギーの損失度を示す指標である。B(n)/B(0.5)が0.6よりも小さくなると、電波吸収体用シート材の電波エネルギー損失効果が低下してしまい、一種類の電波吸収体用シート材で、0.5〜6.5GHzという広い周波数範囲の電波を吸収することが難しくなる。B(n)/B(0.5)が0.7〜2.5の範囲にあることが、より好ましい。上記の周波数範囲に対応する電波吸収体をより容易に設計できるためである。
上記のB(n)/B(0.5)の範囲は、基材中における導電性繊維の含有量および分散状態を調整すること、具体的には基材中の導電性繊維同士の接触状態又は導電性繊維の繊維長を適切に調整することで、達成することができる。
上記のような最適な導電性繊維の長さの分散状態を得るべく、本発明の電波吸収体用シート材は、導電性繊維の繊維長分布のピークが1〜7mmの範囲に1つあることが好ましい。さらには繊維長のピーク中心をLとした場合、導電性繊維の全本数に対して、0.9L〜1.1Lの繊維長を有する割合が70%以上であることが好ましい。これにより、導電性繊維の分散状態を均一化することができ、シート材とした場合に導電性繊維の分散ムラを少なくすることができる。導電性繊維の全本数に対して、0.9L〜1.1Lの繊維長を有する割合が80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。さらに、含有量を0.05〜0.75質量%、さらには0.1〜0.6質量%とすることが好ましい。また、導電性繊維の繊維長および含有量をこの範囲にすることにより、電波吸収体用シート材の基材内に導電性繊維を含ませる際、導電性繊維の折れという問題が少なく、上記の複素比誘電率の虚数部の比、B(n)/B(0.5)を実現するのに適切に調整しやすくなる。ここで、平均繊維長は長さ平均繊維長のことを言い、長さ平均繊維長は光学顕微鏡下で測長器を用い、複数の視野において所定本数を測定し算出したものである。
導電性繊維長が短すぎると、十分な電波エネルギー損失効果が得にくくなる傾向にある。長い導電性繊維を使用した場合、導電性繊維同士が接触すると、少量の接触でも長く繋がったのと同じ状態となりやすく、B(n)/B(0.5)が0.6よりも小さくなってしまうおそれがあるためである。
また、導電性繊維の含有量を上記の範囲にすることにより、最適な導電性繊維の分散状態を実現しやすくなる。
導電性繊維の含有量が少ないと、0.5〜6.5GHzの周波数帯域において十分な電波エネルギー損失効果が得にくくなる。含有量が多いと、導電性繊維同士の接触が増え、長く繋がった導電性繊維が多くなってしまい、複素比誘電率の虚数部の比、B(n)/B(0.5)≧0.6を達成しがたくなる。
望ましくは、最適な導電性繊維の分散状態は、電波吸収体用シートを表面から顕微鏡で観察した場合において導電性繊維が、他の導電性繊維と接触せず1本で存在しているもの、および2本ないしは3本が接触しているものが、全ての導電性繊維本数に対する割合として5〜40%の範囲内であることが好ましい。
この範囲とすることで、導電性繊維同士が接触し、長く繋がった状態と導電性繊維が1本で存在、および2本ないしは3本と少ない本数で接触した状態が存在し、導電性繊維が長く繋がった状態では、波長の長い電波、つまり低周波数の電波を抵抗損失(電波エネルギーが導電性繊維の抵抗による熱エネルギーとして損失する)として吸収することができ、また1本が孤立して存在、ならびに2本ないしは3本と少ない本数のみが接触した状態では、波長の短い高周波数の電波を誘電損失(導電性繊維自体の分極振動による熱エネルギーとして損失する)として吸収することができる。これにより、0.5〜6.5GHzの周波数帯域において、複素比誘電率の虚数部B(n)の値が低周波数から高周波数において変化が少なくなり、B(n)/B(0.5)が0.6以上とすることが容易にできると推測される。
なお、導電性繊維の接触状態の割合は、電波吸収体用シート材の表面5cm×5cm角内で、光学顕微鏡により測定するものである。
導電性繊維の平均繊維長としては1〜7mmとすることがより好ましい。このときの導電性繊維の含有量は、導電性繊維の繊維長が4mm未満の場合は、含有量を0.2〜0.7質量%とすることが好ましい。また、導電性繊維の繊維長が4mm〜7mmの場合には、含有量を0.1〜0.5質量%とすることが好ましい。
導電性繊維の平均繊維径は、5〜15μmの範囲にあることが好ましい。また導電性繊維の比重は、1.4〜2.3g/cmの範囲にあることが好ましい。
さらに、基材中に導電性繊維を均一に分散させることにより、シートとした場合の最適な分散状態を達成しやすくなる。
導電性繊維を均一に分散させたいという点から、本発明の電波吸収体用シートを、紙、板紙、ボール紙など紙を素材とすることが好ましい。紙素材は、その構成素材を水中にて混合し、シート化するものであるため、繊維状の構成素材を簡易に均一に混合しやすいためである。また、抄紙後、難燃剤や防水材を付与することや、樹脂を含浸させることによる強度アップなどといった機能加工を行うことも容易なためである。
また、上述のとおり導電性繊維が炭素繊維であることが好ましい。金属繊維に比べ、軽比重であるため、特に紙素材中に分散する場合、水中でその他の材料と混合する際に、金属繊維のように水中に沈んで不均一になってしまうことなく、その他の材料中に均一分散しやすくなるためである。
この炭素繊維の水への分散性は、所定の長さにカットした炭素繊維束1gを500rpmの速度で撹拌している200mlの水中へ投入してから繊維束の塊が分散して見えなくなるまでに要した時間を計測し、この操作を10回繰返して測定した時間の平均が20秒以内であることが好ましい。また、この水への良好な分散性を実現するには、炭素繊維表面へのサイジング処理が行われていないものを用いるのが好ましい。
本発明の電波吸収体用シート材の製造方法の一例として、紙素材からなるシート材について説明する。まず、パルプなどの繊維材料など、基材となる材料を水中で混合し、ここに炭素繊維を加えて攪拌し、スラリーとする。このスラリーを抄き上げシート化して、紙素材からなる電波吸収体用シート材を製造する。この方法を採用する場合、炭素繊維投入後の攪拌時間は、10〜120秒間とすることが好ましい。これにより、攪拌の衝撃による炭素繊維の損傷や折れ曲がりなどを防ぎ、シート材とした場合に安定した複素比誘電率を有するシートを作製することができる。
なお、本発明の電波吸収体用シート材の製造方法は、上記の方法のみに限定されるものではなく、これ以外に、導電性繊維をニーダーなどでゴム材料や樹脂材料に混錬させ、圧延や溶融押出によりシート化する方法など、様々の方法を選択することができる。
また、本発明の電波吸収体用シート材は、周波数n[GHz]が0.5〜6.5GHzの範囲内において、複素比誘電率の実数部A(n)が10〜250、かつ虚数部B(n)が5〜150、かつ実数部A(n)の虚数部B(n)に対する比、A(n)/B(n)が1.5〜10の範囲内であることが好ましい。
複素比誘電率の実数部A(n)および虚数部B(n)が、これらの範囲であれば、十分な電気的損失効果が得られ、かつ、電波吸収体用シート材自身による電波の反射を抑制でき、高度な電波吸収性を実現できる。なお、A(n)は10〜200での範囲内であることがより好ましく、10〜150の範囲内であることがさらに好ましい。また、B(n)は5〜100での範囲内であることがより好ましく、5〜70の範囲内であることがさらに好ましい。A(n)/B(n)が1.5〜10の範囲内であれば、電波吸収体用シート材を電波吸収体とした際に、十分な薄型化が可能となる。なお、A(n)/B(n)としては1.5〜6.0の範囲であることがより好ましい。
電波吸収体用シート材の厚みとしては、0.05〜2.0mmであることが好ましい。
(電波吸収体)
本発明の電波吸収体は、前記電波吸収体用シート材、および誘電体層、および電波反射体層からなり、電波反射体層の少なくとも片面に、少なくとも1層以上の誘電体層と電波吸収体用シート材の層とが順次積層されてなる。
本発明の電波吸収体において、電波吸収体用シート材は電波の到来側に配置され、入射する電波の一部を透過し、一部を反射し、一部を熱エネルギーに変換し減衰させる役割を持つ。後述する誘電体層と電波反射体層とを積層することにより、電波吸収体用シート材表面での反射電波と、電波吸収体用シート材を透過し背面の電波反射体層から反射してきた電波とが干渉相殺することにより、電波を吸収する。加えて、電波吸収体用シート材の内部でも一部の電波エネルギーを熱エネルギーに変換し、電波を吸収する。
次に誘電体層について説明する。誘電体層は、材料の複素比誘電率の実数部が1.0から5.0、虚数部が0.01から0.5の値を有する材料が一般的である。形状としてはボード状あるいはシート状のものが一般的である。これは、前記電波吸収体用シート材と前記電波反射体層とを略平行状態で一定の間隔で保持することを目的に設けられ、この誘電体層の厚さを吸収したい電波の波長に応じて設定し、前記電波吸収体用シート材と後述する電波反射体層を積層することによって、電波吸収体として機能させることができる。
誘電体層用の材料としては、天然ゴムや、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム材料や、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などの各種樹脂やこれらの発泡樹脂材料、その他には、ガラス、繊維、紙、木材、石膏などを使用する事ができる。これら材料は単独で使用しても良いし、二種類以上を混合、もしくは積層して使用しても良い。誘電体層の材料は特に限定されるものではないが、軽量性の点から、密度が0.2g/cm以下の発泡スチロールや発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂が好ましい。発泡樹脂の発泡倍率は、強度および軽量性の点から、発泡倍率は15〜70倍であることが好ましい。また、発泡樹脂以外でも、空隙率の高いハニカム構造体、段ボール構造体、樹脂構造体を用いても良い。
次に電波反射体層について説明する。電波反射体層は、電波を反射する層である。電波吸収体用シート材を透過してくる電波を反射して表面に戻す役割を担う。電波反射体層の電磁波遮蔽率は20dB以上が好ましい。電磁波遮蔽率とは、電波反射体層に入射した電波と電波反射体層を透過した電波との比率である。電波反射体層の材料としては、アルミニウム、銅、チタン、鉄、ニッケル、金、銀、ステンレスなどの金属板や金属箔、またはメッキや蒸着などの加工により上記の金属を表面に付与したフィルム、織物、紙、不織布などが上げられる。また、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維からなる織物、編物、不織布なども用いることができる。さらに、前記電波吸収体用シート材の導電性繊維の含有量をより高くしたもの、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上としたものを用いることができる。電波反射層の材料としては、軽量性や加工性、コストの点から金属箔や、金属蒸着した紙やフィルムが好ましい。
本発明の電波吸収体における各層の積層順序は、電波が到来する側から順に、電波吸収体用シート材からなる層/誘電体層/電波反射体層の順序となる。なお、電波反射体層のもう一方の面にも同様に誘電体層と電波吸収体用シート材からなる層を積層し、電波吸収体用シート材からなる層/誘電体層/電波反射体層/誘電体層/電波吸収体用シート材からなる層の順序で積層してもよい。この構成とすることで、両方向からの到来電波を吸収することができる。また、電波到来側の表面にある電波吸収体用シート材の上に、さらに誘電体層と電波吸収体用シート材を複数層積層してもよい。
本発明の電波吸収体において、電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みの和T[mm]に対する、電波吸収体用シート材の厚みd[mm]の比、d/Tが0.02〜0.15の範囲内にあることが好ましい。この範囲内であると、十分に薄い電波吸収体とすることができる。
また、吸収したい電波の波長をλ[mm]とした場合、吸収したい電波の波長λに対する電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みの和Tの比、λ/Tが10以上であることが好ましい。電波吸収体の十分な薄型化を達成することができ、電波吸収体の取扱い性を向上するとともに、電波吸収体を配置する空間エリアを広く使用することができるようになる。
さらに、0.5〜6.5GHzの周波数範囲の少なくとも一部で、電波吸収量が10dB以上であることが、無線通信システムの通信性改善に十分な効果が得られるため、好ましい。より好ましくは15dB以上、さらに好ましくは20dB以上である。
また、軽量化の点から、電波吸収体の密度が1.5g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.8g/cm以下であることが好ましい。
電波吸収体用シート材からなる層は、電波吸収体用シート材を複数層積層したものを使用しても良い。積層方法としては、電波吸収体用シート材がロール巻取り可能な場合にはラミネート加工を好適に用いることができる。これ以外に、積層する対象物が紙材の場合には裁断したシートを合紙加工する方法などを採用することができるが、これに限定されない。
本発明の電波吸収体用シート材を複数積層する方法や、電波吸収体の構成材料である電波吸収体用シート材、誘電体層、電波反射体層の各層を接合する方法としては、それぞれの層が接合、貼合ないしは固定されていれば特に制限はなく、例えば、層間に接着剤を塗布し接合する方法や、各層を接合せずとも各層の積層体の周囲に枠材などを装着することにより固定する方法、層間に熱融着性フィルムを配し熱プレスによって固着する方法などを採用する事ができる。接着剤を使用する場合は、デンプン系、酢酸ビニル系、アクリル系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、エポキシ系、ゴム系などの接着剤を用いることができる。
本発明の電波吸収体が適用される用途としては、電波の発信源の対向面に設置し、反射電波の発生を抑制する用途が挙げられる。また、電波の反射源となる物体の前面に設置し、電波の乱反射を抑制するように配することもできる。例えば、電波発信装置を使用する空間において、少なくとも1面以上に電波吸収体を設置し、空間内の電波乱反射を防止する用途などが挙げられる。これ以外に、電波発信装置が放射状に電波を発信する場合には、電波発信源の上下面または左右面あるいは上下左右面の位置に電波吸収体を配し、電波発信エリアを規制する用途にも好適に用いることができる。
電波吸収体の具体的な形態は特に限定されるものではないが、自立式パーティションや建材用内装材の形態に加工して使用することもできる。
以下、本発明の実施例を説明する。実施例に示す性能値は次の方法で測定した。
(電波吸収体用シート材の複素比誘電率)
ベクトルネットワークアナライザ(機種:N5230、アジレントテクノロジー社製)および、電波送信、受信アンテナにホーンアンテナを用い、自由空間法により、電波吸収体用シート材の複素比誘電率および電波吸収体の電波吸収量を測定した。
(垂直入射に対する材料複素誘電率の測定)
縦60cm×横60cm×厚み5mmのアルミニウム板の前面に、発泡倍率70倍の発泡スチロール製スペーサーを介して電波吸収体用シート材サンプルを配置し、このサンプルから3m離れた位置に送信および受信アンテナを電波の入射角度が7度となるようにセットし、0.5〜7GHzの周波数範囲の電波をサンプルに入射し、ベクトルネットワークアナライザ(機種:N5230、アジレントテクノロジー社製)を用いて、入力インピーダンスを測定した。その後、サンプルを取り除き、上記と同様にスペーサー単独の入力インピーダンスを測定し、サンプルがある場合とない場合との入力インピーダンスの差から、逆算によりサンプルの複素比誘電率を算出した。なお、周波数範囲0.5〜7GHzを、0.5〜2.5GHz、2.0〜4.0GHz、3.5〜5.5GHz、5.0〜7.0GHzの4つの範囲に区分し、範囲毎に測定した(いずれの範囲も0.1GHz刻みで測定)。また各範囲の測定で使用した発泡スチロール製スペーサーは、周波数0.5〜2.5GHzで70mm、2.0〜4.0GHzで25mm、3.5〜5.5GHzで15mm、5.5〜7.0GHzで10mmの厚みのものを使用した。
(電波吸収体の電波吸収量)
送信および受信用アンテナを、電波の入射角度が7度、アンテナとサンプル間距離が3mとなるようにセットした。この測定系において、まずブランクとして、縦60cm×横60cm×厚さ5mmのアルミニウム板をサンプル位置に配置し、電波を入射して、アルミニウム板からの電波の反射レベルをベクトルネットワークアナライザ(機種:N5230、アジレントテクノロジー社製)で測定した。次に、アルミニウム板の上に、電波吸収体サンプルを設置し、同じく反射レベルを測定した。これら両者の反射レベルから次式により電波吸収体の電波吸収量を求めた。
電波吸収量(dB)=電波吸収体の反射レベル(dB)−アルミニウム板の反射レベル(dB)
なお、周波数範囲0.5〜7GHzを、0.5〜2.5GHz、2.0〜4.0GHz、3.5〜5.5GHz、5.0〜7.0GHzの4つの範囲に区分し、範囲毎に測定した(いずれの範囲も0.1GHz刻みで測定)。
(導電性繊維の平均繊維長と繊維数の測定)
導電性繊維の平均繊維長は、電波吸収体用シート材表面をキーエンス社製のレーザーマイクロスコープを用い、20倍の対物レンズにて、観察画像を撮影し、画像連結処理を行い、5cm角の表面写真を得た。この観察写真をもとに
導電性繊維200本の長さを測定して、次式から長さ平均繊維長Lnを算出した。
長さ平均繊維長Ln=(Σ(Li2))/ΣLi
ここで、Liは測定した繊維長(i=1,2,・・・200)である。
(各構成材料および電波吸収体の厚み)
電波吸収体用シート材および電波反射体の厚みは、デジタルシックネスゲージ((株)ミツトヨ製)を用い、40点の厚さを測定してその平均値を算出した。
誘電体層の厚みは、デジタルノギス((株)ミツトヨ製)を用い、40点の厚さを測定してその平均値を算出した。
電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みの和Tは、後述の、60cm角に裁断した電波吸収体の各辺を10点ずつ、計40点をデジタルノギスで測定し、その平均値を算出し、この平均値から電波反射体層の厚さを引いたものとした。
(電波吸収体の密度)
60cm角に裁断した電波吸収体の重量と前述の電波吸収体の厚みから算出した。
<電波吸収体用シート材>
[実施例1]
平均繊維長4mmのガラス繊維、木質パルプ、水酸化アルミニウムをそれぞれ19.8質量%、10質量%、70質量%の割合で混合し、水中スラリーを形成した。設定繊維長3mmのサイジング剤未処理のポリアクリロニトリル系炭素繊維をシート基材に対する含有率が0.2質量%となるよう調整し、あらかじめ水中分散させた液を前記スラリーに添加後、60秒間撹拌した後、巻取速度100m/分で湿式抄紙し、米坪量98g/m2、密度0.75g/cmの電波吸収体用シート材を得た。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は1.0〜2.1であり、複素比誘電率の虚数部の値が安定しており、広い周波数範囲に対応した電波吸収体に適用可能な電波吸収体用シート材であった。
[実施例2]
炭素繊維の含有率を0.4質量%、ガラス繊維の含有率を19.6質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量96g/m2、密度0.74g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は0.9〜1.6であり、複素比誘電率の虚数部の値が安定しており、広い周波数範囲に対応した電波吸収体に適用可能な電波吸収体用シート材であった。
[実施例3]
米坪量を150g/m2とした以外、実施例2と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量150g/m2、密度0.75g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は1.0〜1.4であり、複素比誘電率の虚数部の値が実施例1、2よりも安定した範囲を示しており、広い周波数範囲に対応した電波吸収体への適用がより容易な電波吸収体用シート材であった。
[実施例4]
炭素繊維の含有率を0.6質量%、ガラス繊維の含有率を19.4質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量103g/m2、密度0.80g/cm3であった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は0.8〜1.0であり、複素比誘電率の虚数部の値が実施例1、2よりも安定した範囲を示しており、広い周波数範囲に対応した電波吸収体への適用がより容易な電波吸収体用シート材であった。
[実施例5]
炭素繊維の含有率を0.7質量%、ガラス繊維の含有率を19.3質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量99g/m2、密度0.76g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は0.6〜1.0であり、複素比誘電率の虚数部の値が安定しており、広い周波数範囲に対応した電波吸収体に適用可能な電波吸収体用シート材であった。
[実施例6]
炭素繊維の設定繊維長を6mm、炭素繊維の含有率を0.3質量%、ガラス繊維の含有率を19.7質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量98g/m2、密度0.70g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は1.0〜1.6であり、複素比誘電率の虚数部の値が安定しており、広い周波数範囲に対応した電波吸収体に適用可能な電波吸収体用シート材であった。
[比較例1]
炭素繊維の含有率を1.0質量%、ガラス繊維の含有率を19.0質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量99g/m2、密度0.76g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は0.3〜1.0であり、複素比誘電率の虚数部の変化が大きく、広い周波数範囲に対応することが困難な電波吸収体用シート材であった。
[比較例2]
炭素繊維の設定繊維長を6mm、炭素繊維の含有率を0.8質量%、ガラス繊維の含有率を19.2質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量96g/m2、密度0.74g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は0.2〜1.1であり、複素比誘電率の虚数部の変化が大きく、広い周波数範囲に対応することが困難な電波吸収体用シート材であった。
[比較例3]
炭素繊維の設定繊維長を12mm、炭素繊維の含有率を0.4質量%、ガラス繊維の含有率を19.6質量%とした以外、実施例1と同じ電波吸収体用シート材を得た。米坪量101g/m2、密度0.78g/cmであった。得られた電波吸収体用シート材の複素比誘電率、ならびに使用した導電性繊維の測定繊維長、含有量、シート基材中の炭素繊維の長さ平均繊維長のピーク中心Lおよび繊維長ピーク中心Lに対する0.9L〜1.1Lの割合を表1に示した。周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)は0.2〜1.0であり、複素比誘電率の虚数部の変化が大きく、広い周波数範囲に対応することが困難な電波吸収体用シート材であった。
<電波吸収体>
[実施例7]
(電波吸収体用シート材)
実施例2で作製した電波吸収体用シート材を、酢酸−ビニルエマルジョン接着剤を使用し、10枚積層した。
(誘電体層)
厚み23mm、密度0.02g/cmの発泡スチロールを用いた。
(電波反射体層)
厚み7μmのアルミ箔を紙(米坪量33g/m2)に貼り合わせたアルミシートを用いた。
(電波吸収体)
誘電体層の両面に2液混合型エポキシ樹脂系接着剤(アイカ(株)製)を93g/m2塗布した後、片面には電波吸収体用シート材を、もう一方の面には電波反射体層を積層し、プレス装置下にて、圧力0.16kgf/cmで1日間押圧し接着した。その積層体を60cm×60cmに裁断し、電波吸収体を得た。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は0.9GHzに18dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みとの和T(以下、厚みTと呼ぶ)が、24.3mmであり、これは吸収電波の波長λに対する電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みの和Tとの比、λ/Tが13.7と極めて薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.08g/cmと軽量なものであった。
[実施例8]
(電波吸収体用シート材)
積層枚数を6枚とした以外、実施例7の電波吸収体用シート材と同じ電波吸収体用シート材を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを8mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は2.5GHzに20dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは8.78mm、λ/Tが13.7と極めて薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.13g/cmと軽量なものであった。
[実施例9]
(電波吸収体用シート材)
積層枚数を2枚とした以外、実施例7の電波吸収体用シート材と同じ電波吸収体用シート材を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを4mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。5.8GHzに16dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは4.26mm、λ/Tが12.2と極めて薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.13g/cmと軽量なものであった。
これらの結果、実施例2で作成した電波吸収体用シート材を用い、電波吸収体用シート材および誘電体層のそれぞれの厚みを調整することで、0.9GHz、2.5GHz、5.8GHzのいずれにおいても10dB以上の電波吸収ピークを有する電波吸収体を得た。このことは1種類の電波吸収体用シート材を用いることにより、広範な周波数に対応する電波吸収体を少ない材料で容易に提供できることを示すものである。
[実施例10]
(電波吸収体用シート材)
実施例4で作製した電波吸収体用シート材を、酢酸−ビニルエマルジョン接着剤を使用し、8枚積層した。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを20mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は0.9GHzに23dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは21.04mm、λ/Tが15.8と極めて薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.08g/cmと軽量なものであった。
[実施例11]
(電波吸収体用シート材)
積層枚数を4枚とした以外、実施例10の電波吸収体用シート材と同じ電波吸収体用シート材を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを8mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は2.5GHzに19dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは8.52mm、λ/Tが14.1と極めて薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.11g/cmと軽量なものであった。
[実施例12]
(電波吸収体用シート材)
実施例4で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを5mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は5.8GHzに17dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは5.13mm、λ/Tが10.1と薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.09g/cmと軽量なものであった。
これらの結果、実施例4で作成した電波吸収体用シート材を用いた場合において、電波吸収体用シート材および誘電体層のそれぞれの厚みを調整することで、0.9GHz、2.5GHz、5.8GHzのいずれにおいても10dB以上の電波吸収ピークを有する電波吸収体を得た。このことは1種類の電波吸収体用シート材を用いることにより、広範な周波数に対応する電波吸収体を少ない材料で容易に提供できることを示すものである。
[実施例13]
(電波吸収体用シート材)
実施例6で作製した電波吸収体用シート材を、酢酸−ビニルエマルジョン接着剤を使用し、6枚積層した。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを22mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は0.9GHzに23dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは22.84mm、λ/Tが14.6と極めて薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.06g/cmと軽量なものであった。
[実施例14]
(電波吸収体用シート材)
積層枚数を3枚とした以外、実施例13の電波吸収体用シート材と同じ電波吸収体用シート材を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを10mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は2.5GHzに25dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは10.42mm、λ/Tが11.5と薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.08g/cmと軽量なものであった。
[実施例15]
(電波吸収体用シート材)
実施例6で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚みを5mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は5.8GHzに15dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであった。また、厚みTは5.14mm、λ/Tが10.1と薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.09g/cmと軽量なものであった。
これらの結果、実施例6で作成した電波吸収体用シート材を用いた場合において、電波吸収体用シート材および誘電体層のそれぞれの厚みを調整することで、0.9GHz、2.5GHz、5.8GHzのいずれにおいても10dB以上の電波吸収ピークを有する電波吸収体を得た。このことは1種類の電波吸収体用シート材を用いることにより、広範な周波数に対応する電波吸収体を少ない材料で容易に提供できることを示すものである。
[比較例4]
(電波吸収体用シート材)
比較例1で作製した電波吸収材料を、酢酸−ビニルエマルジョン接着剤を使用し、2枚積層した。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み35mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は0.9GHzに22dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであったが、厚みTは35.26mm、λ/Tが9.5と本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を満たすものではなかった。
[比較例5]
(電波吸収体用シート材)
比較例1で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み15mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は2.5GHzに17dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであったが、厚みTは15.13mm、λ/Tが7.9と本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を満たすものではなかった。
[比較例6]
(電波吸収体用シート材)
比較例1で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み7mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は5.8GHzに吸収ピークを有していたが、電波吸収量が8dBと低く、無線通信システムの通信性改善に十分な効果が得られるものではなかった。
これらの結果、比較例1で作成した電波吸収体用シート材を用いた場合には、0.9GHz、2.5GHzで10dB以上の電波吸収ピークを有するものの、本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を達成するものではなかった。また5.8GHzにおいて、十分な電波吸収性能を得ることができず、1種類の電波吸収体用シート材を用いることにより、広範な周波数に対応する電波吸収体を提供するものではなかった。
[比較例7]
(電波吸収体用シート材)
比較例2で作製した電波吸収材料を、酢酸−ビニルエマルジョン接着剤を使用し、2枚積層した。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み20mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は0.9GHzに吸収ピークを有していたが、9dBと低く、無線通信システムの通信性改善に十分な効果が得られるものではなかった。
[比較例8]
(電波吸収体用シート材)
比較例2で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み13mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は2.5GHzに22dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであったが、厚みTは13.13mm、λ/Tが9.1と本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を満たすものではなかった。
[比較例9]
(電波吸収体用シート材)
比較例2で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み5mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は5.8GHzに吸収ピークを有していたが、8dBと低く、無線通信システムの通信性改善に十分な効果が得られるものではなかった。
これらの結果、比較例2で作成した電波吸収体用シート材を用いた場合には、2.5GHzで10dB以上の電波吸収ピークを有するものの、本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を達成するものではなかった。また0.9GHzならびに5.8GHzにおいて、十分な電波吸収性能を得ることができず、1種類の電波吸収体用シート材を用いることにより、広範な周波数に対応する電波吸収体を提供するものではなかった。
[比較例10]
(電波吸収体用シート材)
比較例3で作製した電波吸収材料を、酢酸−ビニルエマルジョン接着剤を使用し、2枚積層した。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み30mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は0.9GHzに12dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであったが、厚みTは30.26mm、λ/Tが11.0と薄型であり、さらに電波吸収体の密度が0.04g/cmと軽量なものであった。
[比較例11]
(電波吸収体用シート材)
比較例3で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み18mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は2.5GHzに25dBの吸収ピークを有しており、電波吸収体として好適なものであったが、厚みTは18.13mm、λ/Tが6.6と本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を満たすものではなかった。
[比較例12]
(電波吸収体用シート材)
比較例1で作製した電波吸収体用シート材1枚を用いた。
(誘電体層)
実施例7と同様のものを用い、厚み5mmとした。
(電波反射体層)
実施例7と同様のものを用いた。
(電波吸収体)
実施例7と同様の方法で電波吸収体を作成した。得られた電波吸収体の性能など測定結果を表2に示した。得られた電波吸収体は5.8GHzに吸収ピークを有していたが、電波吸収量が8dBと低く、無線通信システムの通信性改善に十分な効果が得られるものではなかった。
これらの結果、比較例3で作成した電波吸収体用シート材を用いた場合には、0.9GHz、2.5GHzで10dB以上の電波吸収ピークを有するものの、本発明が目的とする電波吸収体の薄型化を達成するものではなかった。また5.8GHzにおいて、十分な電波吸収性能を得ることができず、1種類の電波吸収体用シート材を用いることにより、広範な周波数に対応する電波吸収体を提供するものではなかった。
Figure 2013138186
Figure 2013138186
本発明の電波吸収体は、多くの材料種類を使用することなく、少ない品種の電波吸収体用シート材で広範な周波数範囲に対応する電波吸収体を作ることが可能で、かつ薄型、軽量で取扱い容易な電波吸収体であり、携帯電話、RFID、無線LAN、ETCなどの高周波電波を用いた様々な無線通信システムにおいて、電波の多重反射による通信不良を抑制し安定した通信性を実現することができる。

Claims (6)

  1. 導電性繊維を含有する電波吸収体用シート材であって、材料の複素比誘電率が自由空間法で測定され、周波数n[GHz]における複素比誘電率の虚数部をB(n)としたとき、
    周波数0.5GHzにおける複素比誘電率の虚数部B(0.5)に対する、0.5GHz≦n≦6.5GHzの周波数範囲の複素比誘電率の虚数部B(n)の比、B(n)/B(0.5)が0.6以上であることを特徴とする電波吸収体用シート材。
  2. 材料の複素比誘電率が自由空間法で測定され、周波数n[GHz]が0.5〜6.5GHzの範囲内において、複素比誘電率の実数部A(n)が10〜250、かつ虚数部B(n)が5〜150、かつ実数部A(n)の虚数部B(n)に対する比、A(n)/B(n)が1.5〜10の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の電波吸収体用シート材。
  3. 導電性繊維の繊維長分布のピークが1〜7mmの範囲に1つあり、長さ平均繊維長が1〜7mm、含有量が0.05〜0.75質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の電波吸収体用シート材。
  4. 導電性繊維の繊維長のピーク中心をLとした場合、導電性繊維の全本数に対して、0.9L〜1.1Lの繊維長を有する割合が70%以上であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の電波吸収体用シート材。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の電波吸収体用シート材、誘電体層、および電波反射体層を有する電波吸収体であって、電波反射体層の少なくとも片面に、少なくとも1層以上の誘電体層、および少なくとも1層以上の電波吸収体用シート材が順次積層されてなることを特徴とする電波吸収体。
  6. 電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みの和T[mm]に対する、電波吸収体用シート材の厚みd[mm]の比、d/Tが0.02〜0.15の範囲内であり、
    かつ、吸収したい電波の波長λ[mm]に対する、電波吸収体用シート材と誘電体層の厚みの和Tの比、λ/Tが10以上であり、
    かつ、0.5〜6.5GHzの周波数範囲の少なくとも一部で、電波吸収量が10dB以上であることを特徴とする請求項5記載の電波吸収体。
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