JP2013138118A - 積層型パワーモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の冷却プレートと素子パッケージが交互に積層されたパワーモジュールであって、冷却プレートを個別に容易に外すことのできるパワーモジュールを提供する。
【解決手段】本明細書が開示する積層型パワーモジュール10は、複数の平板型の素子パッケージ5と冷却プレート2が交互に積層された積層体9を構成している。素子パッケージ5には、電子部品が収められている。冷却プレート2は、一端から供給接続管3が伸びているとともに他端から排出接続管4が伸びており、内部を冷媒が通過する。そして、各冷却プレート2の供給接続管3と冷媒供給管13がOリング6を挟んで着脱可能に連結している。また、各冷却プレート2の排出接続管4と冷媒排出管14がOリング6を挟んで着脱可能に連結している。
【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、電子部品を収めた複数の平板型の素子パッケージと複数の冷却プレートが積層された、冷却器が一体となった積層型のパワーモジュールに関する。
インバータや電圧コンバータなどの回路には、パワー素子と呼ばれる発熱量の大きい素子が多数使われる。パワー素子の代表的なものは、IGBTなどのトランジスタと、スイッチング回路にてそのようなトランジスタとセットで使われるダイオードである。大電流を流す素子は発熱量が大きく、他にも、スイッチング素子を流れる電流を平滑化するコンデンサなども発熱量が大きい。インバータや電圧コンバータにおいて、発熱量の大きい素子を他の素子とは別に実装し、発熱量の大きい素子を集中的に冷却するように構成したユニットが開発されている。そのようなユニットはパワーモジュールと呼ばれることがある。例えば、特許文献1には、発熱量の大きい素子を平板型のパッケージ(素子パッケージ)に収め、複数の素子パッケージと平板型の冷却プレートを交互に積層した積層型パワーモジュールが開示されている。
冷却プレートの内部には冷媒が通される。そのため、特許文献1の積層型パワーモジュールでは、隣接する冷却プレートの両端がそれぞれに相互に接続さているとともに、積層体の端の冷却プレートには冷媒を供給する管と冷媒を排出する管が接続されている。冷媒供給管から供給された冷媒は、冷却プレート内を長手方向に横断する流れと下流側の冷却プレートへ向かう流れに分かれる。冷媒は順次に下流の冷却プレートへと流れ、冷媒は全ての冷却プレートに行きわたる。冷却プレート内を横断した冷媒は、隣接する冷却プレート同士を接続している管を通じて冷媒排出管が接続されている冷却プレートへと流れ、最終的に冷媒排出管を通じてパワーモジュールから排出される。素子パッケージは、その両側から冷却プレートに挟まれており、冷媒が冷却プレート内を横断する間に冷媒によって冷やされる。
特開2006−005014号公報
特許文献1の積層型パワーモジュールのように、隣接する冷却プレート同士を接続してしまうと、一つの冷却プレートだけを外すことが困難である。例えば、一つの冷却プレートを外すとそれよりも冷媒流の下流に位置する冷却プレート(冷媒供給管から見て遠い側に位置する冷却プレート)の全ても外すことになる。それゆえ、冷却プレートに挟まれた素子パッケージを個別に外すことも困難である。本明細書は、複数の冷却プレートと素子パッケージが交互に積層されたパワーモジュールに関し、個々の冷却プレートを個別に容易に外すことのできる技術を提供する。
本明細書が開示する積層型パワーモジュールは、複数の平板型の素子パッケージと冷却プレートが交互に積層された積層体を構成している。素子パッケージには、電子部品が収められている。電子部品は典型的にはIGBTやダイオードであるが、それらに限られず、コンデンサや抵抗素子であってもよい。冷却プレートは、長手方向の一端から供給接続管が伸びており、他端からは排出接続管が伸びている。また、冷却プレートの内部は空洞であり、供給接続管から供給される冷媒は冷却プレートの内部を通過し、排出接続管から流れ出る。そして、各冷却プレートの供給接続管と冷媒供給管がOリングを挟んで着脱可能に連結している。また、各冷却プレートの排出接続管と冷媒排出管がOリングを挟んで着脱可能に連結している。ここで、「接続管」とは、冷却プレートと冷媒供給管(あるいは冷媒排出管)を接続する管という意味である。
上記のパワーモジュールは、冷却プレートは直接相互には冷媒流路が接続しておらず、夫々が冷媒供給管と冷媒排出管に接続している。しかも冷却プレートはOリングを介して着脱可能に冷媒供給管/冷媒排出管と接続している。それゆえ冷却プレートは個別に積層体から着脱可能である。
本明細書が開示するパワーモジュールは、さらには、冷媒供給管と冷媒排出管が、積層体の積層方向に沿って平行に並んで配置されているとよい。冷媒供給管と冷媒排出管が平行に並んで配置されていれば、積層体だけでなく他のユニット(基板や素子パッケージなど)を、冷媒供給管及び/又は冷媒排出管に直接に接触させて冷却することができる。さらには、冷媒供給管と冷媒排出管は平板状であり、一方の平板表面の側に積層体が位置しており、他方の平板表面に別の冷却対象を取り付け可能であるとよい。他方の平板表面に別の冷却対象を取り付けて冷却することができる。
本明細書が開示する技術の詳細およびさらなる改良は、実施例の説明において詳細に述べる。
実施例の積層型パワーモジュールの斜視図である(冷媒供給管と冷媒排出管を積層体から外した状態)。 実施例の積層型パワーモジュールの分解平面図である。 実施例の積層型パワーモジュールの分解側面図である。
図面を参照して実施例の積層型パワーモジュール(以下、単にパワーモジュールと称する)を説明する。図1は、パワーモジュール10の斜視図である。ただし、図1では、複数の素子パッケージ5と複数の冷却プレート2の積層体9と、冷媒供給管13及び冷媒排出管14は分離して描いてある。パワーモジュール10は、例えばインバータの回路のうち、スイッチング回路を構成するIGBTと還流ダイオードを集積したユニットである。
平板型の素子パッケージ5は、内部にIGBTやダイオードを封入した樹脂製のパッケージである。素子パッケージ5の側面には、本来は、IGBTやダイオードの電極に繋がるリードピンが露出しているが、本明細書の図ではリードピンは図示を省略している。冷却プレート2に対向する素子パッケージ5の表面には、内部の素子の熱が冷却プレート2に良く伝わるように、放熱板が貼り付けられている(不図示)。平板型の冷却プレート2は、内部は空洞であり、長手方向の一方の端部からは供給接続管3が伸びており、他方の端部からは排出接続管4が伸びている。冷媒供給管13から供給接続管を通じて流入した冷媒は、冷却プレート2の内部を長手方向に流れ、排出接続管4を通じて冷媒排出管14へと出ていく。図1に示すように積層体9には多数の冷却プレート2が含まれるが、全て同じ形状である。
図1に示すように、積層体9は、複数の素子パッケージ5と複数の冷却プレート2が交互に積層されており、それぞれの素子パッケージ5はその両側の冷却プレート2によって効率よく冷却される。
冷媒供給管13と冷媒排出管14は、共に細長平板状の管である。冷媒供給管13、冷媒排出管14は、共に内部は空洞となっており、冷媒が流れる。冷媒供給管13の一端には流体コネクタ15が取り付けられており、流体コネクタ15の先には冷やされた冷媒を供給する装置が接続される。冷媒排出管14の一端にも流体コネクタ16が取り付けられており、流体コネクタ16の先には、素子パッケージ5から熱を奪って温度が上がった冷媒を冷却する装置が接続される。
図2にパワーモジュール10の正面図を示し、図3にパワーモジュール10の側面図を示す。いずれの図においても、積層体9と冷媒供給管13及び冷媒排出管14は分離して描いてある。図2、図3に示すように、冷媒供給管13の下面には、複数の開口23が設けられており、冷媒排出管14の下面にも複数の開口24が設けられている。複数の開口23(開口24)の夫々は、複数の冷却プレート2の各々に対応して設けられている。冷却プレート2の長手方向の一端から伸びている供給接続管3は、途中で上側に湾曲している短い管であり、その先端は、2個のOリング6を介して冷媒供給管13の開口23に連結している。冷却プレート2の長手方向の他端から伸びている排出接続管4も、途中で上側に湾曲している短い管であり、その先端は、2個のOリング6を介して冷媒排出管14の開口24に連結している。開口23と供給接続管3は、接着などされておらず、2個のOリング6の弾性により封止されている。それゆえ、供給接続管3は開口23に対して着脱が容易である。同様に、開口24と排出接続管4も接着などされておらず、2個のOリング6の弾性により封止されており、排出接続管4は開口24に対して着脱が容易である。複数の冷却プレート2のそれぞれが個別に冷媒供給管13と冷媒排出管14に着脱可能に接続されており、いずれの冷却プレート2も他の冷却プレートに影響を及ぼすことなく、冷媒供給管13/冷媒排出管14から外すことができる。
図1乃至図3から明らかな通り、冷媒供給管13と冷媒排出管14は、長尺な平板状であり、互いに平行に、積層体9の積層方向に沿って伸びている。積層体9は、冷媒供給管13と冷媒排出管14の一方の平板表面側に位置し、他方の平板表面側は空いている。そこで、図2、図3に示すように、冷媒供給管13と冷媒排出管14の積層体9に面する側とは反対側の面に、絶縁シート25を挟んで回路基板26を取り付ける。冷媒供給管13と冷媒排出管14が平板状であることを利用し、冷媒供給管13と冷媒排出管14によって直接に回路基板26を冷却する。なお、回路基板26は、例えば、素子パッケージ内のトランジスタを駆動するための信号(例えばPWM信号)を生成する回路である。冷媒供給管13と冷媒排出管14に接して冷却されるデバイスは、回路基板に限られない。また、絶縁シート25は、絶縁性に優れているとともに、伝熱性にも優れている材料であることが好ましく、例えばシリコンゴムでよい。
実施例のパワーモジュール10の利点を説明する。パワーモジュール10は、素子を内蔵した平板型の素子パッケージ5と平板型の冷却プレート2を交互に積層した積層体9に冷媒供給管13と冷媒排出管14を接続したものであり、冷却プレート2の内部を冷媒が流れ、素子パッケージ5を冷却する。夫々の冷却プレート2は個別に冷媒供給管13と冷媒排出管14と接続されているので、他の冷却プレートに影響を与えることなく個別に着脱することができる。特定の冷却プレート2を外すことによって、これに隣接する素子パッケージ5も外し易くなる。パワーモジュール10は、冷却プレート2に不具合が生じた場合、あるいは、素子パッケージ5に不具合が生じた場合、不具合が生じた冷却プレート2あるいは素子パッケージ5だけを交換することができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例のパワーモジュール10では、冷却プレート2から伸びる供給接続管3(排出接続管4)に2個のOリング6を取り付けた。Oリングの数はいくつでもよい。また、実施例では、冷媒供給管13(冷媒排出管14)に開口23(開口24)を設けており、冷却プレート2の端面から伸びる供給接続管3(排出接続管4)がその開口に嵌合するように構成した。逆に、冷却プレート2には開口を設け、冷媒供給管13(冷媒排出管14)に、それから分岐する複数の接続管を設け、夫々の接続管が個別に冷却プレートに設けられた開口に嵌合するように構成してもよい。いずれにしても、夫々の冷却プレートが、他の冷却プレートに関わりなく、個別にOリングを介して冷媒供給管13(冷媒排出管14)と着脱可能に接続されていればよい。
素子パッケージ5に収められる素子は、IGBTなどのトランジスタやダイオード以外であってもよい。例えば、コンデンサや抵抗であってもよい。積層体9に積層される素子パッケージ5と冷却プレート2は何枚でもよい。冷却プレート2の内部は、単純な空洞であってもよいが、冷媒の流れの方向に伸びるフィンが配置されていてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:冷却プレート
3:供給接続管
4:排出接続管
5:素子パッケージ
6:Oリング
9:積層体
10:積層型パワーモジュール
13:冷媒供給管
14:冷媒排出管
15、16:流体コネクタ
23、24:開口
25:絶縁シート
26:回路基板

Claims (3)

  1. 電子部品を収めた複数の平板型の素子パッケージと、
    一端から供給接続管が伸びているとともに他端から排出接続管が伸びており、内部を冷媒が通過する複数の平板型の冷却プレートと、
    冷媒供給管と冷媒排出管と、
    を備えており
    複数の素子パッケージと冷却プレートは交互に積層された積層体を構成しており、
    各冷却プレートの供給接続管と冷媒供給管がOリングを挟んで着脱可能に連結しており、各冷却プレートの排出接続管と冷媒排出管がOリングを挟んで着脱可能に連結していることを特徴とする積層型パワーモジュール。
  2. 冷媒供給管と冷媒排出管は、積層体の積層方向に沿って平行に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型パワーモジュール。
  3. 冷媒供給管と冷媒排出管は平板状であり、一方の平板表面の側に積層体が位置しており、他方の平板表面に別の冷却対象を取り付け可能であることを特徴とする請求項2に記載の積層型パワーモジュール。
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