JP2013138004A - 切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、切断時にハーネスの移動を防止する。
【解決手段】切断装置(10)は、互いの軸方向端面(25c,26c)が所定間隔を存して対向し、互いに軸方向にハーネス(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材と、第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側のプッシャー(32)を有するブレード(30)とを備えている。第1筒状部材(25)は、プッシャー(32)が摺動する内面において、内周が後方から前方へ向かって漸次細くなる後方側テーパ部(25d)および前方側テーパ部(25e)が形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、電気を流す通電用部材を切断するための切断装置に関するものである。
従来より、電気を流すための通電用部材を切断するための切断装置が知られている。この種の切断装置は、例えば災害時に電源からの電力を遮断するためのものである。特許文献1に示す切断装置は、筒状ケース内にブレードが摺動自在に収納され、筒状ケースの一対の固定部材によって通電用部材が挟持されている。この切断装置では、ガス発生剤による高圧ガスによってブレードが筒状ケース内を移動(摺動)して通電用部材を切断する。
特開2010−86653号公報
しかしながら、上述した特許文献1の切断装置では、通電用部材が固定部材によって十分に固定されていないため、ブレードによる切断時において通電用部材がブレードに引っ張られて移動したり伸びて(変形して)しまい、通電用部材をスムーズに切断できないという問題があった。そのため、必要な切断力(ブレードの移動力)が無駄に大きくなっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電用部材の切断性能を向上させることにある。
第1の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備えている。
上記第1の発明では、ガス発生部(35)によって受圧部(32)の後方に高圧ガスが発生する。この高圧ガスの圧力が受圧部(32)に作用することで、受圧部(32)引いてはブレード(30)が前方へ進出(摺動)して、切断部(31)が通電用部材(12)を切断する。その切断の際、移動阻止部によって通電用部材(12)の移動が阻止される。
第2の発明は、第1の発明において、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部を備えている。
上記第2の発明では、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるので、通電用部材(12)の移動が阻止される。
第3の発明は、第1の発明において、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備えている。
上記第3の発明では、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、係合部が第1筒状部材(25)等に引っ掛かるので、通電用部材(12)の移動が阻止される。
第4の発明は、第1の発明において、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部と、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部とを備えている。
上記第4の発明では、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるとともに、係合部が第1筒状部材(25)等に引っ掛かるので、通電用部材(12)の移動が阻止される。
第5の発明は、上記第2または第4の発明において、上記強圧部が、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有する。
上記第5の発明では、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、第1筒状部材(25)の内面にはテーパ部(25d,25e,25g)が形成されているため、受圧部(32)の第1筒状部材(25)に対する摺動抵抗(摩擦力)が増大する。この摺動抵抗(摩擦力)の増大によって、第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ移動(進出)しようとする。このため、第1筒状部材(25)によって通電用部材(12)が第2筒状部材(26)に対して強く押し付けられる。
第6の発明は、上記第2または第4の発明において、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成されている。そして、上記挿通溝(25a,26a)が一方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記挿通溝(25a,26a)の深さは上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっており、上記挿通溝(25a,26a)が両方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記両方の挿通溝(25a,26a)の深さの合計は上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっている。
上記第6の発明では、挿通溝(25a,26a)の深さ(挿通溝(25a,26a)の深さの合計)が通電用部材(12)の厚さよりも小さいため、第1筒状部材(25)の前方への進出動作により、通電用部材(12)が第2筒状部材(26)に対して確実に押し付けられる。
第7の発明は、上記第5または第6の発明において、上記第1筒状部材(25)は、後方端から前方端に亘って上記テーパ部(25d,25e)が形成され、上記テーパ部(25d,25e)は、後方側に形成された後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)の前方側に連続して形成され、上記後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とで構成され、上記受圧部(32)は、外径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(32e)が形成されていることを特徴とする。
上記第7の発明では、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)が形成され、受圧部(32)においてテーパ部(32e)が形成されているため、高圧ガスの圧力によって確実に受圧部(32)が第1筒状部材(25)に圧入される。そして、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)が形成されているため、受圧部(32)の第1筒状部材(25)に対する摺動抵抗(摩擦力)が増大する。この摺動抵抗(摩擦力)の増大により、通電用部材(12)が第1筒状部材(25)によって第2筒状部材(26)へ強く押し付けられる。
第8の発明は、上記第5または第6の発明において、上記第1筒状部材(25)は、上記受圧部(32)が摺動する内面において、後方側に内径が一定のストレート部(25f)が形成され、該ストレート部(25f)の前方側に連続して上記テーパ部(25g)が形成され、上記受圧部(32)は、後方端に形成され、外径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(32g)と、該テーパ部(32g)の前方側に連続して形成され、上記第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と摺接する外径が一定のストレート部(32h)が設けられていることを特徴とする。
上記第8の発明では、受圧部(32)において後方端にテーパ部(32g)が形成されているため、受圧部(32)が第1筒状部材(25)に圧入された際、受圧部(32)のテーパ部(32g)と第1筒状部材(25)のストレート部(25f)との摺動抵抗(摩擦力)が増大する。この摺動抵抗(摩擦力)の増大により、通電用部材(12)が第1筒状部材(25)によって第2筒状部材(26)へ強く押し付けられる。また、第1筒状部材(25)においてストレート部(25f)の前方側にテーパ部(25g)が形成されているため、通電用部材(12)が切断部(31)によって切断された後で、受圧部(32)の前方への移動力が制限される。これにより、切断部(31)の前方への移動力が抑制される。
第9の発明は、上記第2または第4の発明において、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)が、略V字状に形成されている。
上記第9の発明では、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)が略V字状に形成されているため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。
第10の発明は、上記第9の発明において、上記通電用部材(12)が、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)に対応して略V字状に形成されている。
上記第10の発明では、通電用部材(12)が略V字状に形成されているため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。
第11の発明は、上記第3または第4の発明において、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成されている。そして、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
上記第11の発明では、通電用部材(12)が挿通溝(25a,26a)に挿通された状態で筒状部材(25,26)によって挟み込まれている。そして、通電用部材(12)には拡幅部(121a)が形成されているため、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、通電用部材(12)が挿通溝(25a,26a)を径方向内方へ移動する状態が回避される。つまり、拡幅部(121a)は挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広であるため、通電用部材(12)は挿通溝(25a,26a)を径方向内方(筒状部材(25,26)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a,26a)に引っ掛かるので移動しない。
第12の発明は、上記第3または第4の発明において、上記切断部(31)が、互いに対向するように前方側へ突出し、互いの間に上記通電用部材(12)が挿通され且つ外径が上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の内径と略一致する一対のガイド部(31c)と、該一対のガイド部(31c)の間に形成され、上記通電用部材(12)を切断する刃部(31a,31b)とを有している。そして、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記ガイド部(31c)の挿通方向端部から該ガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
上記第12の発明では、通電用部材(12)が一対のガイド部(31c)の間に挿通された状態で筒状部材(25,26)によって挟み込まれている。そして、通電用部材(12)には拡幅部(121a)が形成されているため、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、通電用部材(12)が一対のガイド部(31c)の間へ移動する状態が回避される。つまり、拡幅部(121a)はガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広であるため、通電用部材(12)は一対のガイド部(31c)の間(筒状部材(25,26)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)がガイド部(31c)に引っ掛かるので移動しない。
第13の発明は、上記第3または第4の発明において、上記係合部は、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)と通電用部材(12)との一方に形成された凹部(12c)と、他方に形成されて上記凹部(12c)に嵌り込む凸部(25h)とを有している。
上記第13の発明では、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)と上記通電用部材(12)との一方に凹部(12c)が、他方に凸部(25h)が形成されているので、通電用部材(12)が移動しようとしても凸部(25h)が凹部(12c)に引っ掛かるので移動しない。
第14の発明は、上記第3または第4の発明において、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かる折曲部(12d)を有している。
上記第14の発明では、上記通電用部材(12)に折曲部(12d)が形成されているので、通電用部材(12)が移動しようとしても折曲部(12d)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。
第15の発明は、上記第3または第4の発明において、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の径方向外方端から上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔よりも厚くなる厚肉部(12e)を有している。
上記第15の発明では、上記通電用部材(12)に厚肉部(12e)が形成されているので、通電用部材(12)が移動しようとしても厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。
本発明によれば、通電用部材(12)の移動阻止部を備えているため、切断時において通電用部材(12)が移動する状態を回避することができる。これによって、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。つまり、切断性能が向上する。
また、上記第2の発明によれば、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるので、通電用部材(12)の移動を阻止することができる。
また、上記第3の発明によれば、係合部が第1筒状部材(25)等に引っ掛かるので、通電用部材(12)の移動を阻止することができる。
また、上記第4の発明によれば、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるとともに、係合部が第1筒状部材(25)等に引っ掛かるので、通電用部材(12)の移動を確実に阻止することができる。
また、上記第5の発明によれば、第1筒状部材(25)において内径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(25d,25e,25g)を設けたため、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとする。その結果、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができる。よって、通電用部材(12)をより強く固定(保持)することが可能である。これにより、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
また、上記第6の発明によれば、挿通溝(25a,26a)の深さ(挿通溝(25a,26a)の深さの合計)を通電用部材(12)の厚さよりも小さく設定するようにしたため、受圧部(32)の摺動抵抗(摩擦力)によって第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとした際に、確実に第1筒状部材(25)で通電用部材(12)を第2筒状部材(26)側へ押し付けることができる。これにより、確実に、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができ、通電用部材(12)を強く保持することができる。
また、上記第7の発明によれば、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とを形成し、受圧部(32)においてテーパ部(32e)を形成するようにしたため、受圧部(32)を第1筒状部材(25)に容易に圧入させることができると共に、確実に受圧部(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができると共に、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。その結果、切断性能が向上する。
また、上記第8の発明によれば、受圧部(32)の後方端にテーパ部(32g)を形成するようにしたため、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができると共に、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。また、第1筒状部材(25)においてテーパ部(25g)を形成したので、通電用部材(12)を切断した後に、切断部(31)の前方への移動力を抑制することができる。これにより、第2筒状部材(26)の後方側に位置する部位へ切断部(31)が衝突するのを抑制することができる。
また、上記第9の発明によれば、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)を略V字状に形成するようにしたため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時において通電用部材(12)が前方へ伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、上記第10の発明によれば、通電用部材(12)を略V字状に形成するようにしたため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時において通電用部材(12)が前方へ伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、上記第11の発明によれば、通電用部材(12)を挿通溝(25a,26a)に挿通し、通電用部材(12)に挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を形成するようにした。そのため、通電用部材(12)は挿通溝(25a,26a)を径方向内方へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a,26a)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
また、上記第12の発明によれば、切断部(31)における一対のガイド部(31c)の間に通電用部材(12)を挿通し、通電用部材(12)にガイド部(31c)の挿通方向端部から該ガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広となる拡幅部(121a)を形成するようにした。そのため、通電用部材(12)は一対のガイド部(31c)の間へ移動しようとしても拡幅部(121a)がガイド部(31c)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
また、上記第13の発明によれば、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)と通電用部材(12)との一方に凹部(12c)を形成し、他方に凸部(25h)を形成したために、通電用部材(12)が移動しようとしても凸部(25h)が凹部(12c)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
上記第14の発明によれば、上記通電用部材(12)に折曲部(12d)を形成したために、通電用部材(12)が移動しようとしても折曲部(12d)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
上記第15の発明によれば、上記通電用部材(12)に厚肉部(12e)を形成したために、通電用部材(12)が移動しようとしても厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
図1は、実施形態1に係る切断装置の平面断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。 図3は、ハーネスの一部を省略した図2のIII−III線に沿う断面図である。 図4は、実施形態1に係る切断装置の外観構造を示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係る切断装置の内部構造を示す斜視図である。 図6は、実施形態1に係る第1筒状部材を示す斜視図である。 図7は、実施形態1に係るブレードの切断部を示す斜視図である。 図8は、実施形態1に係る第1筒状部材とプッシャーの構成および関係について示す断面図であり、(A)は高圧ガスの発生時の状態を示し、(B)は(A)の状態からプッシャーがさらに移動した状態を示す。 図9は、実施形態1に係るブレードの動作を示す模式図であり、(A)はブレードがハーネスを切断する前の状態を示し、(B)はブレードがハーネスを切断した直後の状態を示し、(C)はブレードが停止する際の状態を示している。 図10は、実施形態1の変形例1に係る第1筒状部材とプッシャーの構成および関係について示す断面図であり、(A)は高圧ガスの発生時の状態を示し、(B)は(A)の状態からプッシャーがさらに移動した状態を示す。 図11は、実施形態1の変形例2に係る挿通溝とハーネスの関係について示す模式図である。 図12は、実施形態1の変形例2に係る挿通溝とハーネスの関係について示す模式図である。 図13(A)〜(C)は、それぞれ、実施形態1の変形例3に係る挿通溝の底部および第2筒状部材の後方側端面の形状を示す模式図である。 図14(A)〜(C)は、それぞれ、実施形態1の変形例4に係るハーネスの形状を示す模式図である。 図15は、実施形態1の変形例5に係る切断装置の平面断面図である。 図16は、実施形態2に係る切断装置の図3相当図である。 図17は、実施形態2に係る第1筒状部材とハーネスの関係を示す斜視図である。 図18は、実施形態2の変形例1に係る切断装置の図3相当図である。 図19は、実施形態2の変形例1に係るブレードの切断部とハーネスの関係を示す斜視図である。 図20は、実施形態2の変形例2に係る切断装置の図3相当図である。 図21は、実施形態2の変形例3に係る切断装置の図3相当図である。 図22は、実施形態2の変形例4に係る切断装置の平面断面図である。 図23は、実施形態2の変形例5に係る第1筒状部材および第2筒状部材とハーネスとの関係を示す断面図である。 図24は、実施形態3に係るブレーカを示す概略構成図である。 図25は、実施形態4に係る接触器を示す概略構成図である。 図26は、実施形態5に係る電気回路遮断器を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
〈発明の実施形態1〉
図1〜図8に示すように、本実施形態1に係る切断装置(10)は、ガス発生剤の反応により発生した高圧ガスを用いてブレード(30)を進出させることによって、通電用部材であるハーネス(12)を切断するように構成されている。この切断装置(10)は、高圧ガスを発生させるためのガス発生剤として火薬を用いている。
上記切断装置(10)は、図1〜図5に示すように、樹脂ケース(20)を備えている。樹脂ケース(20)の内部には、ストッパ(23)と内筒(24)とブレード(30)とガス発生部(35)とが収容されている。
以下では説明の便宜上、図2における左右方向の左側を「前側」、右側を「後側」とし、図2における上下方向の上側を「上側」、下側を「下側」として説明する。また、図2における紙面に直交する方向の手前側を「左側」、奥側を「右側」として説明する。
上記樹脂ケース(20)は、例えばPC(ポリカーボネート)等の樹脂によって形成されている。樹脂ケース(20)を構成する樹脂材料は、これに限られず、プラスチック等を含む樹脂材料であればよい。また、樹脂ケース(20)は、略直方体形状に形成されて樹脂ケース(20)の略下半部を構成する土台部(13)と、該土台部(13)の下面および後面以外の面を一体的に覆い樹脂ケース(20)の略上半部を構成するカバー部(14)とを有している。つまり、カバー部(14)は、土台部(13)の上面、前面、左面および右面を覆うように構成されている。
そして、上記樹脂ケース(20)には、略円柱状の収納孔(21)が土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。収納孔(21)には、前方から後方へ向かって順に、ストッパ(23)、内筒(24)およびガス発生部(35)が収容されている。
また、上記樹脂ケース(20)には、ハーネス(12)を設置するための設置孔(22)が土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。該設置孔(22)は、収納孔(21)の軸心を含む鉛直面に関して対称な形状に形成されている。具体的には、設置孔(22)は、収納孔(21)の前後方向の中央部から左右方向にそれぞれ延びた後、前方へ折れ曲がり、その後さらに下方向きに折れ曲がって土台部(13)の下面まで延びている。
上記設置孔(22)に設置されるハーネス(12)は長板状に形成されている。該ハーネス(12)は、中央のU字状部(12a)と、該U字状部(12a)の両端にそれぞれ連続する2つのL字状部(12b)とを有している。
また、図1に示すように、樹脂ケース(20)には、収納孔(21)から外部へ延びる排ガス路(28)が、土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。該排ガス路(28)は、ガス発生部(35)によってブレード(30)を進出させるために生成された高圧ガスが排出される。
さらに、上記樹脂ケース(20)には、収納孔(21)の前方側から空気を排出するための排気孔(29)が形成されている。該排気孔(29)は、収納孔(21)の前方端の中央から前方へ向かって延びた後、下方向きに折れ曲がって土台部(13)の下面まで延びている。
上記ストッパ(23)は、進出したブレード(30)を受け止めて停止させるためのものである。上記ストッパ(23)は、樹脂材料によって有底円筒形状に形成されている。具体的に、ストッパ(23)は、円板状の底部(23a)と円筒状の筒部(23b)とを有し、底部(23a)が筒部(23b)よりも前方側に位置するように配置されている。底部(23a)の中央部には、樹脂ケース(20)の排気孔(29)と連通する孔(23c)が形成されている。
上記内筒(24)は、収納孔(21)においてストッパ(23)の後方に配置され、ハーネス(12)を支持している。内筒(24)は、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とで構成され、両部材(25,26)でハーネス(12)を挟持している。内筒(24)には、ブレード(30)が摺動自在に収納される。
上記第2筒状部材(26)は、樹脂材料によって略円筒状に形成され、ストッパ(23)の後方において、ストッパ(23)と同軸となるように配置されている。第2筒状部材(26)は、ブレード(30)が挿通可能な内径に構成されている。なお、第2筒状部材(26)はセラミックスによって形成されていてもよい。
上記第1筒状部材(25)は、樹脂材料によって略円筒状に形成され、第2筒状部材(26)の後方において、第2筒状部材(26)と同軸となるように配置されている。第1筒状部材(25)は、内径が第2筒状部材(26)の内径と概ね等しくなるように構成されている。図6に示すように、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)には、ハーネス(12)のU字状部(12a)が挿通する2つの挿通溝(25a)が形成されている。2つの挿通溝(25a)は、前方側端面(25c)の径方向に延びており、樹脂ケース(20)の設置孔(22)に対応する位置に形成されている。また、第1筒状部材(25)の側部には、樹脂ケース(20)の排ガス路(28)と連通する貫通孔(25b)が形成されている。つまり、ガス発生部(35)によって生成された高圧ガスは、貫通孔(25b)および排ガス路(28)を順に通って排出される。
このように、上記内筒(24)は、絶縁部材である第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)がハーネス(12)のU字状部(12a)を両側から挟み込むことでハーネス(12)を支持している。
上記ガス発生部(35)は、内筒(24)内のブレード(30)を進出させてハーネス(12)を切断させるための高圧ガスを発生させるものである。ガス発生部(35)は、火薬と、該火薬を起爆するための発火部(37)と、該発火部(37)を保持する保持具(38)と、第1筒状部材(25)の後方端を閉塞する蓋部材(39)とを備えている。
上記蓋部材(39)は、略円筒状に形成されて第1筒状部材(25)の後方端に内嵌されている。このように、蓋部材(39)が内嵌されることによって、ブレード(30)の後方に閉空間であるガス発生室(36)が形成される。なお、蓋部材(39)と第1筒状部材(25)との間は、Oリング(39a)によってシールされている。そして、蓋部材(39)に保持具(38)が挿通されている。
上記発火部(37)は、雷管によって構成され、起爆薬を有する前端部がガス発生室(36)内に露出するように保持具(38)に保持されている。そして、発火部(37)は、コネクタ(図示省略)に接続される接続ピン(37a)が設けられている。発火部(37)は、火薬の爆発によってガス発生室(36)内で高圧ガスを発生させ、ガス発生室(36)内の圧力を上昇させてブレード(30)を前方へ進出(摺動)させる。
上記ブレード(30)は、高圧ガスを受けて内筒(24)内を前方へ進出してハーネス(12)を切断するためのものである。ブレード(30)は、樹脂材料によって形成された切断部(31)と、該切断部(31)を取り付けるプッシャー(32)とを備えている。なお、プッシャー(32)は、本発明に係る受圧部を構成している。また、切断部(31)は樹脂材料に限らず金属材料(例えば、鋼材)によって形成されてもよい。
上記切断部(31)は、段差で形成される前後2つの切断部分でもってハーネス(12)を切断する。具体的に、切断部(31)は、前方側に形成された第1刃部(31a)と、該第1刃部(31a)と段差を有して後方側に形成された第2刃部(31b)とを備えている。また、切断部(31)は、第1刃部(31a)よりも前方側へ突出するガイド部(31c)が設けられており、該ガイド部(31c)の外径が内筒(24)の内径と略一致する。具体的に、ガイド部(31c)の外周面は内筒(24)の内面に接して摺動する。第1刃部(31a)および第2刃部(31b)は、先端が平坦に形成される刃部である。
上記切断部(31)では、第1刃部(31a)と第2刃部(31b)との段差が、ハーネス(12)のU字状部(12a)の厚みよりも大きくなるように形成されている。こうすることで、図9に示すように、第1刃部(31a)がハーネス(12)の1箇所を切断した後に、第2刃部(31b)がハーネス(12)の他の1箇所を切断することができる。つまり、ブレード(30)は、高圧ガスによって前方へ進出することによって、第1刃部(31a)および第2刃部(31b)がハーネス(12)を順番に切断するように構成されている。
上記プッシャー(32)は、切断部(31)の後方に配置され、高圧ガスの圧力を受けて切断部(31)を前方へ進出(摺動)させるものである。プッシャー(32)は、樹脂製で外形が略円柱状の本体(32a)を有する。本体(32a)は、第1筒状部材(25)と同軸に配置される。プッシャー(32)は、切断部(31)よりも僅かに大径に形成され、絶縁部を構成している。また、本体(32a)の前方端には、前方へ突出する突部(32b)が形成されている。この突部(32b)が切断部(31)の後方端に内嵌することで、切断部(31)がプッシャー(32)に保持される。
−第1筒状部材とプッシャーの関係−
上記第1筒状部材(25)とプッシャー(32)の関係について、図8を参照しながら説明する。なお、図8では、プッシャー(32)に関して突部(32b)を省略しており、切断部(31)を省略している。
上記第1筒状部材(25)は、後方端から前方端に亘ってテーパ部(25d,25e)が形成されている。このテーパ部(25d,25e)は、内径が後方から前方へ向かって細くなるものである。このテーパ部(25d,25e)は、後方側に形成された後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)の前方側に連続する前方側テーパ部(25e)とで構成されている。前方側テーパ部(25e)の傾斜角は、後方側テーパ部(25d)の傾斜角よりも小さい。
また、前方側テーパ部(25e)の傾斜角は、樹脂成型時に必要な抜き勾配が考慮されている。さらに、前方側テーパ部(25e)の傾斜角は、第1筒状部材(25)の前方端の内径(即ち、図8において下端の内径)が切断部(31)の外径と略同じとなるように設定される。これにより、第1筒状部材(25)によってハーネス(12)が挟持されている位置近くを切断することができる。
本実施形態において、上記後方側テーパ部(25d)および前方側テーパ部(25e)は、ハーネス(12)の移動阻止部であって強圧部として設けられている。移動阻止部は、ブレード(30)の切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が切断部(31)によって引っ張られて移動したり伸びるのを阻止するものである。さらに、上記強圧部は、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とがハーネス(12)を挟み込む挟持力を増大させるように構成されている。
上記プッシャー(32)の本体(32a)には、後方端外縁部が後方へ出っ張る突起(32c)が形成されている。また、プッシャー(32)の本体(32a)は、外径が後方から前方へ向かって細くなる3種類のテーパ部(32d,32e,32f)が形成されている。具体的に、このテーパ部(32d,32e,32f)は、後方から順に形成された、後方側テーパ部(32d)、中間テーパ部(32e)および前方側テーパ部(32f)である。中間テーパ部(32e)の傾斜角は、第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)の傾斜角と同じである。後方側テーパ部(32d)および前方側テーパ部(32f)のそれぞれの傾斜角は、中間テーパ部(32e)の傾斜角よりも大きい。なお、ここで言う傾斜角は、図8において上下方向を基準とした傾き角度である。
−運転動作−
本実施形態1の切断装置(10)は、例えば、工場などの電気機器のハーネス(12)が第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間を通るように、設置孔(22)に挿通されて設置される。ハーネス(12)は、第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)に挟まれて支持される。
上記切断装置(10)は、発火部(37)が火災報知器や地震警報機などに接続された状態で設置される。発火部(37)には、火災報知器が火災を感知したときや、地震警報機が地震を感知したときに、警告信号が入力される。警告信号が入力されると、発火部(37)は火薬を爆発させる。
図9(A)〜(C)に示すように、火薬が爆発すると、爆発に伴って高圧ガスが発生することでガス発生室(36)の圧力が上昇し、プッシャー(32)に対し前方への推力が与えられる。これにより、ブレード(30)(プッシャー(32)および切断部(31))が前方へ進出(摺動)して、先ず切断部(31)の第1刃部(31a)がハーネス(12)の一箇所を瞬時に切断し(図9(A)および(B)参照)、次いで切断部(31)の第2刃部(31b)がハーネス(12)の他の一箇所を瞬時に切断する(図9(C)参照)。ブレード(30)は、ハーネス(12)を切断した後、さらに前方に進出してストッパ(23)の底部(23a)に当接して停止する(図9(C)参照)。このように、切断装置(10)は、必要時に作動し、一回限り作動して使用されるものである。
ここで、ブレード(30)が前方へ進出する際、内筒(24)およびストッパ(23)におけるブレード(30)の前方の空気は、ストッパ(23)の底部(23a)の孔(23c)および樹脂ケース(20)の排気孔(29)によって構成される排気路を通って切断装置(10)の外部へ排出される。これにより、ブレード(30)の進出によってブレード(30)前方の空気が圧縮されてブレード(30)の進出を阻害することはない。そのため、ブレード(30)が円滑に進出することができる。
また、プッシャー(32)が前方へ進出すると、第1筒状部材(25)の内部におけるプッシャー(32)の後方空間と貫通孔(25b)および排ガス路(28)とが連通する。これにより、第1筒状部材(25)内の高圧ガスは、貫通孔(25b)および排ガス路(28)を介して外部に排出される。
また、図8(A)に示すように、高圧ガスの発生時においては、プッシャー(32)の突起(32c)が第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)と接触するため、シールされる。そして、ガス発生室(36)の圧力がさらに上昇すると、突起(32c)が変形して、プッシャー(32)の中間テーパ部(32e)と第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)とが接触しシールされる。ここで、中間テーパ部(32e)と後方側テーパ部(25d)とは傾斜角が同じであるため、中間テーパ部(32e)の面でシールすることができる。したがって、線でシールする場合に比べて、シール性が向上する。また、面でシールするため、線でシールするよりも、接触応力が低い。そのため、第1筒状部材(25)やプッシャー(32)が損傷しにくくなる。
また、第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)においては、プッシャー(32)が進出するに従って内径が小さくなるため、プッシャー(32)との摺動抵抗(摩擦力)が大きくなる。これにより、第1筒状部材(25)は、プッシャー(32)の進出動作に伴って前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ移動しようとする。これによって、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力が増大し、ハーネス(12)がより強く固定(保持)される。
そして、図8(B)に示すように、第1筒状部材(25)においてプッシャー(32)がさらに進出して前方側テーパ部(25e)にさしかかると、第1筒状部材(25)の内径が小さくなるため、プッシャー(32)の中間テーパ部(32e)と第1筒状部材(25)の前方側テーパ部(25e)との接触力が増大する。これにより、シール性が高まる。また、中間テーパ部(32e)と前方側テーパ部(25e)との接触力が増大すると、プッシャー(32)の摺動抵抗(摩擦力)も増大するため、これによって、プッシャー(32)の進出動作が抑制される。その結果、ハーネス(12)を切断した後において、切断部(31)がストッパ(23)に衝突する際の衝撃を緩和できる。
また、第1筒状部材(25)の内径が細くなっているため、プッシャー(32)の前方端によって第1筒状部材(25)の内面が削られるおそれが高くなるが、プッシャー(32)には前方側テーパ部(25e)が形成されている分、第1筒状部材(25)の内面が削られる状態を未然に防止できる。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1によれば、第1筒状部材(25)において内径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(25d,25e)をハーネス(12)の移動阻止部で且つ強圧部として設けたため、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとする。その結果、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができ、よって、ハーネス(12)をより強く固定(保持)することが可能である。これにより、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを抑制でき、ハーネス(12)をスムーズに切断することができる。つまり、切断性能が向上する。このように、上記実施形態では、第1筒状部材(25)において内径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(25d,25e)を設けることで、プッシャー(32)の摺動抵抗を増大させて、第1筒状部材(25)を前方へ進出させるようにした。
また、上述したように摺動抵抗(摩擦力)が増大することで、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性が向上する。そのため、プッシャー(32)の前方への推力(進出力)を十分確保することができ、これによっても、切断性能が向上する。
また、第1筒状部材(25)の前方端の内径(即ち、図8において下端の内径)が切断部(31)の外径と略同じであるため、ハーネス(12)が第1筒状部材(25)によって挟持されている位置近くを切断することができる。これにより、切断時にハーネス(12)が前方へ伸びる状態を一層抑制することができる。これによって、切断性能を一層向上させることができる。
また、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角と内径が小さい前方側テーパ部(25e)とを形成し、プッシャー(32)において中間テーパ部(32e)を形成するようにしたため、高圧ガスの圧力によってプッシャー(32)を第1筒状部材(25)に容易に圧入させることができると共に、確実にプッシャー(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができると共に、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。
〈実施形態1の変形例〉
次に、上記実施形態1の各変形例について、図面を参照しながら説明する。
−変形例1−
本変形例は、図10に示すように、上記実施形態1において第1筒状部材(25)およびプッシャー(32)の構成を変更したものである。
具体的に、本変形例の第1筒状部材(25)は、後方側に内径が一定のストレート部(25f)が形成され、該ストレート部(25f)の前方側に連続してテーパ部(25g)が形成されている。このテーパ部(25g)は、内径が後方から前方へ向かって細くなっている。ストレート部(25f)は後方端から略中央まで形成されており、テーパ部(25g)はストレート部(25f)に連続して前方端まで形成されている。つまり、第1筒状部材(25)では、軸方向の途中から内径が小さくなっている。そして、本変形例において、上記テーパ部(25g)はハーネス(12)の移動阻止部として設けられている。
本変形例のプッシャー(32)の本体(32a)は、上記実施形態1と同様、後方端外縁部が後方へ出っ張る突起(32c)が形成されている。また、本体(32a)は、外径が後方から前方へ向かって細くなる2種類のテーパ部(32g,32i)と、外径が一定のストレート部(32h)とが形成されている。具体的に、2種類のテーパ部(32g,32i)は、後方側に形成された後方側テーパ部(32g)および前方側に形成された前方側テーパ部(32i)である。ストレート部(32h)は、2つのテーパ部(32g,32i)の間に連続して形成されている。ストレート部(32h)は、第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と摺接する。
本変形例では、図10(A)に示すように、高圧ガスの発生時においては、プッシャー(32)の突起(32c)やストレート部(32h)が第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と接触するため、シールされる。そして、図10(B)に示すように、第1筒状部材(25)においてプッシャー(32)がさらに進出してテーパ部(25g)にさしかかると、第1筒状部材(25)の内径が小さくなるため、プッシャー(32)の摺動抵抗(摩擦力)が大きくなる。これにより、第1筒状部材(25)は、プッシャー(32)の進出動作に伴って前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ移動しようとする。これによって、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力が増大し、ハーネス(12)がより強く固定(保持)される。また、第1筒状部材(25)の内径が小さくなると、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との接触力が増大する。これにより、シール性が高まる。
また、プッシャー(32)において後方側テーパ部(32g)を形成するようにしたため、確実にプッシャー(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができると共に、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。
また、第1筒状部材(25)においてテーパ部(25g)を形成するようにしたため、ハーネス(12)を切断した後に、プッシャー(32)の前方への移動を制限することができる。これにより、切断部(31)がストッパ(23)に衝突するのを抑制することができる。
また、本変形例においても、プッシャー(32)に前方側テーパ部(32i)が形成されている分、第1筒状部材(25)の内面がプッシャー(32)の前方端によって削られる状態を未然に防止できる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
−変形例2−
本変形例は、図11に示すように、上記実施形態1の第1筒状部材(25)において挿通溝(25a)の深さを規定したものである。具体的に、挿通溝(25a)の深さDはハーネス(12)の厚さtよりも小さく設定される。こうすることで、例えば深さDと厚さtとが同じである場合に比べて、プッシャー(32)の摺動抵抗(摩擦力)によって第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとした際に、確実に第1筒状部材(25)でハーネス(12)を第2筒状部材(26)側へ押し付けることができる。これにより、確実に、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができ、ハーネス(12)を強く保持することができる。
また、図12に示すように、第1筒状部材(25)ではなく第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)にハーネス(12)の挿通溝(26a)を設けるようにした場合でも同様に、挿通溝(26a)の深さDはハーネス(12)の厚さtよりも小さく設定される。
また、図示はしないが、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)と第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の両方に挿通溝を設けるようにした場合、即ち互いに対向する第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面の両方に挿通溝を形成した場合、両方の挿通溝の深さの合計がハーネス(12)の厚さよりも小さく設定される。
このように、本変形例では、上記挿通溝(25a,26a)の深さD(挿通溝(25a,26a)の深さDの合計)をハーネス(12)の厚さtよりも小さく設定することにより、ハーネス(12)を一層強く保持することができる。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止することができる。つまり、本変形例において、上記のように深さDを設定した挿通溝(25a,26a)はハーネス(12)の移動阻止部の一つとして設けられている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
−変形例3−
本変形例は、図13に示すように、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の形状を変更したものである。つまり、挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)は、単なる平面ではなく、凹凸形状にした。
例えば、挿通溝(25a)の底部は略V字状溝に形成される一方、第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)は山型に形成されている(図13(A)参照)。この構成を採ることにより、平面同士でハーネス(12)を挟持する場合に比べて、切断時においてハーネス(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、別の例として、挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)は、1つの傾斜面に形成してもよいし(図13(B)参照)、段差を設けるようにしてもよい(図13(C)参照)。この場合でも、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となる。
本変形例では、上記のように形成された挿通溝(25a,26a)や後方側端面(26c)がハーネス(12)の移動阻止部の一つとして設けられている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
また、本変形例では、第1筒状部材(25)に挿通溝(25a)を形成したが、この挿通溝(25a)は、必ずしも形成しなくともよい。つまり、本変形例は、上記第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)を略V字状などに形成してもよい。
−変形例4−
本変形例は、図14に示すように、ハーネス(12)の形状を変更したものである。つまり、上記ハーネス(12)は、変形例3の挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)の形状に対応して凹凸形状にした。
例えば、上記ハーネス(12)は、挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)に対応して略V字状が形成されている(図14(A)参照)。この構成を採ることにより、平坦なハーネス(12)を挟持する場合に比べて、切断時においてハーネス(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、別の例として、上記ハーネス(12)は、1つの傾斜面に形成してもよいし(図14(B)参照)、段差を設けるようにしてもよい(図14(C)参照)。この場合でも、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となる。
本変形例では、上記挿通溝(25a,26a)や後方側端面(26c)とともに、ハーネス(12)がハーネス(12)の移動阻止部の一つとして構成されている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
また、本変形例では、第1筒状部材(25)に挿通溝(25a)を形成したが、この挿通溝(25a)は、必ずしも形成しなくともよい。つまり、本変形例は、上記第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)を略V字状などに形成してもよい。
−変形例5−
本変形例は、図15に示すように、上記第2筒状部材(26)がストッパ(23)および土台部(13)と一体に形成されたものである。したがって、本変形例においては、別部材のストッパ(23)が省略されている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
〈発明の実施形態2〉
次に、本実施形態2について説明する。本実施形態の切断装置(10)は、図16および図17に示すように、上記実施形態1の切断装置(10)においてハーネス(12)の構成を変更したものである。つまり、実施形態2は、実施形態1の強圧部に代えて係合部を設けたものである。
具体的に、ハーネス(12)のU字状部(12a)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を挿通する基板(120a)を有している。基板(120a)は、第1筒状部材(25)の径方向に延びる真っ直ぐな板部材である。そして、基板(120a)には、挿通溝(25a)の径方向外方側に拡幅部(121a)が形成されている。拡幅部(121a)の幅L2は、挿通溝(25a)の幅L1よりも大きくなっている。拡幅部(121a)は、挿通溝(25a)の径方向外方端から幅広となっている。そして、ハーネス(12)の拡幅部(121a)は、移動阻止部であって係合部の一つとして設けられている。つまり、上記係合部は、上記ハーネス(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かるように構成されている。
本実施形態によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a)に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本実施形態では、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)に挿通溝(25a)を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)に挿通溝を形成した場合、または、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の両方に挿通溝を形成した場合でも同様の構成を採ることができる。
また、本実施形態は、係合部のみを設けたが、実施形態1の強圧部をともに設けてもよい。つまり、実施形態1の強圧部と実施形態2の係合部との双方を設けるようにしてもよい。
〈実施形態2の変形例〉
次に、上記実施形態2の各変形例について、図面を参照しながら説明する。
−変形例1−
本変形例は、図18および図19に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)において拡幅部(121a)の形成位置を変更したものである。
本変形例のハーネス(12)は、切断部(31)におけるガイド部(31c)の挿通方向外方に拡幅部(121a)が形成されている。拡幅部(121a)の幅L2は、2つ(一対)のガイド部(31c)の対向間隔L1よりも大きくなっている。拡幅部(121a)は、ガイド部(31c)の挿通方向端部から幅広となっている。そして、本変形例においても、拡幅部(121a)は移動阻止部の一つとして設けられている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は第1筒状部材(25)の径方向内方へ移動しようとしても拡幅部(121a)が切断部(31)のガイド部(31c)に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
−変形例2−
本変形例は、図20に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)において拡幅部(121a)の形成位置を変更したものである。
本変形例のハーネス(12)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)の途中から拡幅部(121a)が形成されている。つまり、上記第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)は、該挿通溝(25a)の途中から外側に向かって広幅に形成されている。そして、上記ハーネス(12)の拡幅部(121a)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)の広幅に対応して形成されている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a)に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本変形例では、上記第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)に挿通溝(25a)を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)に挿通溝を形成した場合、または、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の両方に挿通溝を形成した場合でも同様の構成を採ることができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
−変形例3−
本変形例は、図21に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)に凹部である小孔が形成され、上記第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)に凸部(25h)が形成されたものである。そして、上記第1筒状部材(25)の凸部(25h)は、上記ハーネス(12)の小孔に嵌り込んでいる。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしても挿通溝(25a)の凸部(25h)がハーネス(12)の小孔に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本変形例では、上記挿通溝(25a)に凸部(25h)を形成し、ハーネス(12)に凹部である小孔を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、挿通溝(25a)に凹部(12c)を形成し、ハーネス(12)に凸部(25h)を形成してもよい。また、上記第1筒状部材(25)に代えて第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)に凸部(25h)または凹部(12c)を形成してもよい。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
また、本変形例において、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を必ずしも形成しなくともよい。
−変形例4−
本変形例は、図22に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)に折曲部(12d)を形成したものである。
上記折曲部(12d)は、第2筒状部材(26)の外周面に対応して形成され、該第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かるように形成されている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしてもハーネス(12)の折曲部(12d)が第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本変形例において、折曲部(12d)は、第1筒状部材(25)の外周面に対応して形成し該第1筒状部材(25)の外周面に引っ掛かるように形成してもよい。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
−変形例5−
本変形例は、図23に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)に厚肉部(12e)を形成したものである。
具体的に、ハーネス(12)のU字状部(12a)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を挿通する基板(120a)を有している。基板(120a)は、第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の径方向に延びる真っ直ぐな板部材である。そして、上記基板(120a)には、第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の径方向外方側に厚肉部(12e)が形成されている。上記厚肉部(12e)は、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔より厚く形成されている。そして、ハーネス(12)の厚肉部(12e)は、移動阻止部の一つとして設けられている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしてもハーネス(12)の厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
また、本変形例において、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を必ずしも形成しなくともよい。つまり、上記厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔よりも厚く形成されておればよい。その際、上記厚肉部(12e)が上記第1筒状部材(25)の外周面と上記第2筒状部材(26)の外周面との何れか一方または双方に引っ掛かればよい。
〈発明の実施形態3〉
次に、本実施形態3について説明する。図24に示すように、本実施形態3は、本発明に係る切断装置(10)を備えたブレーカ(50)である。
上記ブレーカ(50)は、樹脂製のケーシング(図示省略)に設けられた負荷側端子(55)および電源側端子(54)と、負荷側端子(55)と電源側端子(54)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(51)とを備えている。
上記端子間部材(51)は、負荷側端子(55)に接続された固定接触子(52)と、電源側端子(54)に接続された可動接触子(53)とを備えている。可動接触子(53)は、固定接触子(52)に接触する接触位置と、固定接触子(52)から離れた非接触位置との間で移動可能に設けられている。可動接触子(53)が接触位置に移動すると、可動接触子(53)の可動接点(53a)が固定接触子(52)の固定接点(52a)に接触する。
さらに、ブレーカ(50)は、可動接触子(53)を手動で動かすためのリンク機構(58)と、異常電流時に可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離すためのトリップ機構(56)と、可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離すように可動接触子(53)を付勢する付勢バネ(60)とを備えている。リンク機構(58)は、ケーシングに取り付けられ、手動レバー(57)の操作によって可動接触子(53)を接触位置と非接触位置との間で移動させることができるように構成されている。トリップ機構(56)は、バイメタルによって構成され、可動接触子(53)と電源側端子(54)とを接続している。トリップ機構(56)は、過電流時(異常電流時)に熱変形し、その熱変形によってリンク機構(58)を動かして、可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離す。可動接触子(53)が固定接触子(52)から引き離されると、ブレーカ(50)は通電不能になる。
さらに、ブレーカ(50)は、上述の切断装置(10)と、可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着したことを検出する溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、実施形態1および後述するその他の実施形態の何れの切断装置(10)を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、端子間部材(51)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、上記切断装置(10)は、端子間部材(51)の裏側(図24における下側)に設けられている。
上記溶着検出部(65)は、例えば端子間部材(51)に接続され、端子間部材(51)の電流値に基づいて可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着しているか否かを検出するように構成されている。溶着検出部(65)には、切断装置(10)の発火部(37)が接続されている。溶着検出部(65)は、可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着していると判定すると、発火部(37)を作動させるように構成されている。
本実施形態3では、溶着検出部(65)が可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着していると判定すると、発火部(37)が作動して火薬が爆発し、ブレード(30)が進出する。ブレード(30)は、端子間部材(51)を切断(破断)した後に、プッシャー(32)が端子間部材(51)の切断面に接触する状態で停止する。このため、端子間部材(51)の切断面の間が絶縁され、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間が通電不能になる。
−実施形態3の効果−
本実施形態3では、切断装置(10)によって、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。また、実施形態2の係合部をともに備えてもよい。
〈発明の実施形態4〉
次に、本実施形態4について説明する。図25に示すように、本実施形態4は、本発明に係る切断装置(10)を備えた接触器である。この接触器(70)は、図25に示すように、樹脂製のケーシング(86)に設けられた負荷側端子(75)および電源側端子(74)と、負荷側端子(75)と電源側端子(74)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(71)とを備えている。
上記端子間部材(71)は、負荷側端子(75)に接続された第1固定接触子(68)と、電源側端子(74)に接続された第2固定接触子(69)と、後述する可動鉄心(81)に連結された可動接触子(73)とを備えている。上記可動接触子(73)は、一対の固定接触子(68,69)に接触する接触位置と、一対の固定接触子(68,69)から離れた非接触位置との間で移動可能に設けられている。可動接触子(73)が接触位置に移動すると、可動接触子(73)の一端の可動接点(73a)が第1固定接触子(68)の第1固定接点(68a)に接触すると共に、可動接触子(73)の他端の可動接点(73b)が第2固定接触子(69)の第2固定接点(69a)に接触する。
さらに、接触器(70)は、可動接触子(73)を接触位置と非接触位置の間で動かすための移動機構(76)を備えている。この移動機構(76)は、可動鉄心(81)と固定鉄心(82)と励磁コイル(83)と巻枠(84)とを備えている。固定鉄心(82)はケーシング(86)の底面に固定されている。可動鉄心(81)は、固定鉄心(82)の上側に対面するように設けられている。励磁コイル(83)は巻枠(84)に巻かれている。可動鉄心(81)と巻枠(84)との間には、非通電時に可動鉄心(81)と固定鉄心(82)とを離間させるための一対の復帰バネ(79)が設けられている。
上記移動機構(76)は、外部からの信号によって励磁コイル(83)が通電されると、固定鉄心(82)が励磁されて可動鉄心(81)を引き寄せるように構成されている。上記可動鉄心(81)が固定鉄心(82)に引き寄せられると、接触器(70)は非通電状態になる。一方、上記移動機構(76)は、外部からの信号によって励磁コイル(83)の通電が停止されると、復帰バネ(79)によって可動鉄心(81)が固定鉄心(82)から離れるように構成されている。上記固定鉄心(82)が可動鉄心(81)から離れると、接触器(70)は通電状態になる。
さらに、接触器(70)は、上述の切断装置(10)と、上記実施形態3と同様の構成の溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、上記実施形態1、実施形態2および後述するその他の実施形態の何れの切断装置(10)を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、端子間部材(71)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、切断装置(10)は、進出前のブレード(30)の切断部(31)が可動接触子(73)の前面に対面するように設けられている。
本実施形態4では、溶着検出部(65)が可動接点(73a,73b)と固定接点(68a,69a)とが溶着していると判断すると、発火部(37)が作動して火薬が爆発し、ブレード(30)が進出する。ブレード(30)は、可動接触子(73)を切断する。この状態では、プッシャー(32)が可動接触子(73)の切断面に接触している。つまり、ブレード(30)は、プッシャー(32)が可動接触子(73)の切断面に接触するまで進出する。
−実施形態4の効果−
本実施形態4では、切断装置(10)によって、電源側端子(74)と負荷側端子(75)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(74)と負荷側端子(75)との間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。また、実施形態2の係合部をともに備えてもよい。
〈発明の実施形態5〉
次に、本実施形態5について説明する。図26に示すように、本実施形態5は、本発明に係る切断装置(10)を備えた電気回路遮断器(90)である。この電気回路遮断器(90)は、ブレーカ(50)と接触器(70)と樹脂製のケーシング(91)とを備えている。なお、ブレーカ(50)と接触器(70)についての説明は省略する。
上記ケーシング(91)には、ブレーカ(50)が配置されたブレーカ配置室(88)と、接触器(70)が配置された接触器配置室(89)が障壁を挟んで形成されている。また、ケーシング(91)には、負荷側端子(95)および電源側端子(94)と、ブレーカ(50)と接触器(70)と接続する接続用部材(92)とが設けられている。接続用部材(92)は、ハーネス(12)により構成されている。
上記負荷側端子(95)は、接触器(70)の第1固定接触子(68)に接続されている。電源側端子(94)は、ブレーカ(50)の可動接触子(53)に接続されている。また、接続用部材(92)の一端は、接触器(70)の第2固定接触子(69)に接続されている。接続用部材(92)の他端は、ブレーカ(50)の固定接触子(52)に接続されている。
さらに、電気回路遮断器(90)は、上述の切断装置(10)と、上記実施形態3と同様の溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、上記実施形態1、実施形態2および後述するその他の実施形態の何れの切断装置を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、接続用部材(92)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、切断装置(10)は、進出前のブレード(30)の切断部(31)が接続用部材(92)の前面に対面するよう設けられている。
本実施形態5では、上記ブレーカ(50)において可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着していると判定したり、接触器(70)において可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着していると判定した場合に、溶着検出部(65)が発火部(37)を作動させて、ブレード(30)が進出し、ブレード(30)は、接続用部材(92)を切断(破断)する。この状態では、プッシャー(32)が接続用部材(92)の切断面に接触している。つまり、ブレード(30)は、プッシャー(32)が接続用部材(92)の切断面に接触するまで進出する。
−実施形態5の効果−
本実施形態5では、切断装置(10)によって接続用部材(92)を切断して、電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることが可能である。このため、例えばブレーカ(50)や接触器(70)で溶着が生じた場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。また、実施形態2の係合部をともに備えてもよい。
〈その他の実施形態〉
上記実施形態1では、第1筒状部材(25)の内面を後方側テーパ部(25d)と前方側テーパ部(25e)の2つで構成するようにしたが、これに限らず、後方側テーパ部(25d)と前方側テーパ部(25e)の間にストレート部を形成するようにしてもよい。つまり、本発明に係る第1筒状部材(25)の内面は、後方側から順に、後方側テーパ部(25d)と、内径が一定のストレート部と、後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とが形成されてもよい。
また、挿通溝(25a,26a)の底部は、上述した形状に限らず、切断時においてハーネス(12)の滑りを抑制し得る凹凸形状であればよい。
また、切断部(31)は、段差のある2つの刃部(31a,31b)を設けた形態に限らず、刃部を1つだけ有するものであってもよい。
また、本発明の移動阻止部は、各実施形態で説明したように、実施形態1の強圧部と実施形態2の係合部の双方を備えるものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、電気を流す通電用部材を切断する切断装置について有用である。
10 切断装置
12 ハーネス(通電用部材)
12c 小孔
12d 折曲部
12e 肉厚部
25 第1筒状部材
26 第2筒状部材
25a 挿通溝
26a 挿通溝
25c 前方側端面
26c 後方側端面
25d 後方側テーパ部(テーパ部)
25e 前方側テーパ部(テーパ部)
25f ストレート部
25g テーパ部
25h 凸部
30 ブレード
31 切断部
31a 第1刃部(刃部)
31b 第2刃部(刃部)
31c ガイド部
32 プッシャー(受圧部)
32e 中間テーパ部(テーパ部)
32h ストレート部
121a 拡幅部
本発明は、電気を流す通電用部材を切断するための切断装置に関するものである。
従来より、電気を流すための通電用部材を切断するための切断装置が知られている。この種の切断装置は、例えば災害時に電源からの電力を遮断するためのものである。特許文献1に示す切断装置は、筒状ケース内にブレードが摺動自在に収納され、筒状ケースの一対の固定部材によって通電用部材が挟持されている。この切断装置では、ガス発生剤による高圧ガスによってブレードが筒状ケース内を移動(摺動)して通電用部材を切断する。
特開2010−86653号公報
しかしながら、上述した特許文献1の切断装置では、通電用部材が固定部材によって十分に固定されていないため、ブレードによる切断時において通電用部材がブレードに引っ張られて移動したり伸びて(変形して)しまい、通電用部材をスムーズに切断できないという問題があった。そのため、必要な切断力(ブレードの移動力)が無駄に大きくなっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電用部材の切断性能を向上させることにある。
第1の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部を備え、上記強圧部は、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有している。
上記第1の発明では、ガス発生部(35)によって受圧部(32)の後方に高圧ガスが発生する。この高圧ガスの圧力が受圧部(32)に作用することで、受圧部(32)引いてはブレード(30)が前方へ進出(摺動)して、切断部(31)が通電用部材(12)を切断する。その切断の際、移動阻止部によって通電用部材(12)の移動が阻止される。
さらに、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるので、通電用部材(12)の移動が阻止される。
特に、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、第1筒状部材(25)の内面にはテーパ部(25d,25e,25g)が形成されているため、受圧部(32)の第1筒状部材(25)に対する摺動抵抗(摩擦力)が増大する。この摺動抵抗(摩擦力)の増大によって、第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ移動(進出)しようとする。このため、第1筒状部材(25)によって通電用部材(12)が第2筒状部材(26)に対して強く押し付けられる。
第2の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部を備え、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、上記強圧部は、上記挿通溝(25a,26a)が一方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記挿通溝(25a,26a)の深さは上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくして構成され、上記挿通溝(25a,26a)が両方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記両方の挿通溝(25a,26a)の深さの合計は上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくして構成されている。
上記第2の発明では、挿通溝(25a,26a)の深さ(挿通溝(25a,26a)の深さの合計)が通電用部材(12)の厚さよりも小さいため、第1筒状部材(25)の前方への進出動作により、通電用部材(12)が第2筒状部材(26)に対して確実に押し付けられる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記第1筒状部材(25)は、後方端から前方端に亘って上記テーパ部(25d,25e)が形成され、上記テーパ部(25d,25e)は、後方側に形成された後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)の前方側に連続して形成され、上記後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とで構成され、上記受圧部(32)は、外径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(32e)が形成されていることを特徴とする。
上記第3の発明では、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)が形成され、受圧部(32)においてテーパ部(32e)が形成されているため、高圧ガスの圧力によって確実に受圧部(32)が第1筒状部材(25)に圧入される。そして、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)が形成されているため、受圧部(32)の第1筒状部材(25)に対する摺動抵抗(摩擦力)が増大する。この摺動抵抗(摩擦力)の増大により、通電用部材(12)が第1筒状部材(25)によって第2筒状部材(26)へ強く押し付けられる。
第4の発明は、上記第1または第2の発明において、上記第1筒状部材(25)は、上記受圧部(32)が摺動する内面において、後方側に内径が一定のストレート部(25f)が形成され、該ストレート部(25f)の前方側に連続して上記テーパ部(25g)が形成され、上記受圧部(32)は、後方端に形成され、外径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(32g)と、該テーパ部(32g)の前方側に連続して形成され、上記第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と摺接する外径が一定のストレート部(32h)が設けられていることを特徴とする。
上記第4の発明では、受圧部(32)において後方端にテーパ部(32g)が形成されているため、受圧部(32)が第1筒状部材(25)に圧入された際、受圧部(32)のテーパ部(32g)と第1筒状部材(25)のストレート部(25f)との摺動抵抗(摩擦力)が増大する。この摺動抵抗(摩擦力)の増大により、通電用部材(12)が第1筒状部材(25)によって第2筒状部材(26)へ強く押し付けられる。また、第1筒状部材(25)においてストレート部(25f)の前方側にテーパ部(25g)が形成されているため、通電用部材(12)が切断部(31)によって切断された後で、受圧部(32)の前方への移動力が制限される。これにより、切断部(31)の前方への移動力が抑制される。
第5の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部を備え、上記強圧部は、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)略V字状に形成されて構成されている。
上記第5の発明では、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)が略V字状に形成されているため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。
第6の発明は、上記第5の発明において、上記通電用部材(12)が、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)に対応して略V字状に形成されている。
上記第6の発明では、通電用部材(12)が略V字状に形成されているため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。
第7の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備え、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
上記第7の発明では、通電用部材(12)が挿通溝(25a,26a)に挿通された状態で筒状部材(25,26)によって挟み込まれている。そして、通電用部材(12)には拡幅部(121a)が形成されているため、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、通電用部材(12)が挿通溝(25a,26a)を径方向内方へ移動する状態が回避される。つまり、拡幅部(121a)は挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広であるため、通電用部材(12)は挿通溝(25a,26a)を径方向内方(筒状部材(25,26)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a,26a)に引っ掛かるので移動しない。
第8の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備え、上記切断部(31)は、互いに対向するように前方側へ突出し、互いの間に上記通電用部材(12)が挿通され且つ外径が上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の内径と略一致する一対のガイド部(31c)と、該一対のガイド部(31c)の間に形成され、上記通電用部材(12)を切断する刃部(31a,31b)とを有し、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記ガイド部(31c)の挿通方向端部から該ガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
上記第8の発明では、通電用部材(12)が一対のガイド部(31c)の間に挿通された状態で筒状部材(25,26)によって挟み込まれている。そして、通電用部材(12)には拡幅部(121a)が形成されているため、切断部(31)による通電用部材(12)の切断の際、通電用部材(12)が一対のガイド部(31c)の間へ移動する状態が回避される。つまり、拡幅部(121a)はガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広であるため、通電用部材(12)は一対のガイド部(31c)の間(筒状部材(25,26)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)がガイド部(31c)に引っ掛かるので移動しない。
第9の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備え、上記係合部は、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)と通電用部材(12)との一方に形成された凹部(12c)と、他方に形成されて上記凹部(12c)に嵌り込む凸部(25h)とを有している。
上記第9の発明では、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)と上記通電用部材(12)との一方に凹部(12c)が、他方に凸部(25h)が形成されているので、通電用部材(12)が移動しようとしても凸部(25h)が凹部(12c)に引っ掛かるので移動しない。
第10の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備え、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かる折曲部(12d)を有している。
上記第10の発明では、上記通電用部材(12)に折曲部(12d)が形成されているので、通電用部材(12)が移動しようとしても折曲部(12d)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。
第11の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備え、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の径方向外方端から上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔よりも厚くなる厚肉部(12e)を有している。
上記第11の発明では、上記通電用部材(12)に厚肉部(12e)が形成されているので、通電用部材(12)が移動しようとしても厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。
第12の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部を備え、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、上記強圧部は、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有するとともに、上記挿通溝(25a,26a)が一方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記挿通溝(25a,26a)の深さは上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっており、上記挿通溝(25a,26a)が両方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記両方の挿通溝(25a,26a)の深さの合計は上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっている。
第13の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部と、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部とを備え、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、上記強圧部は、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有し、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
第14の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部と、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部とを備え、上記切断部(31)は、互いに対向するように前方側へ突出し、互いの間に上記通電用部材(12)が挿通され且つ外径が上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の内径と略一致する一対のガイド部(31c)と、該一対のガイド部(31c)の間に形成され、上記通電用部材(12)を切断する刃部(31a,31b)とを有し、上記強圧部は、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有し、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記ガイド部(31c)の挿通方向端部から該ガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
第15の発明は、互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備え、上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部と、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部とを備え、互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、上記強圧部は、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有するとともに、上記挿通溝(25a,26a)が一方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記挿通溝(25a,26a)の深さは上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっており、上記挿通溝(25a,26a)が両方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記両方の挿通溝(25a,26a)の深さの合計は上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっており、上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している。
本発明によれば、通電用部材(12)の移動阻止部を備えているため、切断時において通電用部材(12)が移動する状態を回避することができる。これによって、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。つまり、切断性能が向上する。
また、上記第1乃至第6および第12乃至第15の発明によれば、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるので、通電用部材(12)の移動を阻止することができる。
また、上記第7乃至第11の発明によれば、係合部が第1筒状部材(25)等に引っ掛かるので、通電用部材(12)の移動を阻止することができる。
また、上記第13乃至第15の発明によれば、強圧部が通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させるとともに、係合部が第1筒状部材(25)等に引っ掛かるので、通電用部材(12)の移動を確実に阻止することができる。
また、上記第1および第12乃至第15の発明によれば、第1筒状部材(25)において内径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(25d,25e,25g)を設けたため、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとする。その結果、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができる。よって、通電用部材(12)をより強く固定(保持)することが可能である。これにより、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
また、上記第2の発明によれば、挿通溝(25a,26a)の深さ(挿通溝(25a,26a)の深さの合計)を通電用部材(12)の厚さよりも小さく設定するようにしたため、受圧部(32)の摺動抵抗(摩擦力)によって第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとした際に、確実に第1筒状部材(25)で通電用部材(12)を第2筒状部材(26)側へ押し付けることができる。これにより、確実に、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができ、通電用部材(12)を強く保持することができる。
また、上記第3の発明によれば、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とを形成し、受圧部(32)においてテーパ部(32e)を形成するようにしたため、受圧部(32)を第1筒状部材(25)に容易に圧入させることができると共に、確実に受圧部(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができると共に、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。その結果、切断性能が向上する。
また、上記第4の発明によれば、受圧部(32)の後方端にテーパ部(32g)を形成するようにしたため、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)による通電用部材(12)の挟持力を増大させることができると共に、受圧部(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。また、第1筒状部材(25)においてテーパ部(25g)を形成したので、通電用部材(12)を切断した後に、切断部(31)の前方への移動力を抑制することができる。これにより、第2筒状部材(26)の後方側に位置する部位へ切断部(31)が衝突するのを抑制することができる。
また、上記第5の発明によれば、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)を略V字状に形成するようにしたため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時において通電用部材(12)が前方へ伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、上記第6の発明によれば、通電用部材(12)を略V字状に形成するようにしたため、切断時において通電用部材(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時において通電用部材(12)が前方へ伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、上記第7の発明によれば、通電用部材(12)を挿通溝(25a,26a)に挿通し、通電用部材(12)に挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を形成するようにした。そのため、通電用部材(12)は挿通溝(25a,26a)を径方向内方へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a,26a)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
また、上記第8の発明によれば、切断部(31)における一対のガイド部(31c)の間に通電用部材(12)を挿通し、通電用部材(12)にガイド部(31c)の挿通方向端部から該ガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広となる拡幅部(121a)を形成するようにした。そのため、通電用部材(12)は一対のガイド部(31c)の間へ移動しようとしても拡幅部(121a)がガイド部(31c)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
また、上記第9の発明によれば、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)と通電用部材(12)との一方に凹部(12c)を形成し、他方に凸部(25h)を形成したために、通電用部材(12)が移動しようとしても凸部(25h)が凹部(12c)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
上記第10の発明によれば、上記通電用部材(12)に折曲部(12d)を形成したために、通電用部材(12)が移動しようとしても折曲部(12d)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
上記第11の発明によれば、上記通電用部材(12)に厚肉部(12e)を形成したために、通電用部材(12)が移動しようとしても厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)に引っ掛かるので移動しない。これによって、切断時において通電用部材(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止でき、通電用部材(12)をスムーズに切断することができる。
図1は、実施形態1に係る切断装置の平面断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。 図3は、ハーネスの一部を省略した図2のIII−III線に沿う断面図である。 図4は、実施形態1に係る切断装置の外観構造を示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係る切断装置の内部構造を示す斜視図である。 図6は、実施形態1に係る第1筒状部材を示す斜視図である。 図7は、実施形態1に係るブレードの切断部を示す斜視図である。 図8は、実施形態1に係る第1筒状部材とプッシャーの構成および関係について示す断面図であり、(A)は高圧ガスの発生時の状態を示し、(B)は(A)の状態からプッシャーがさらに移動した状態を示す。 図9は、実施形態1に係るブレードの動作を示す模式図であり、(A)はブレードがハーネスを切断する前の状態を示し、(B)はブレードがハーネスを切断した直後の状態を示し、(C)はブレードが停止する際の状態を示している。 図10は、実施形態1の変形例1に係る第1筒状部材とプッシャーの構成および関係について示す断面図であり、(A)は高圧ガスの発生時の状態を示し、(B)は(A)の状態からプッシャーがさらに移動した状態を示す。 図11は、実施形態1の変形例2に係る挿通溝とハーネスの関係について示す模式図である。 図12は、実施形態1の変形例2に係る挿通溝とハーネスの関係について示す模式図である。 図13(A)〜(C)は、それぞれ、実施形態1の変形例3に係る挿通溝の底部および第2筒状部材の後方側端面の形状を示す模式図である。 図14(A)〜(C)は、それぞれ、実施形態1の変形例4に係るハーネスの形状を示す模式図である。 図15は、実施形態1の変形例5に係る切断装置の平面断面図である。 図16は、実施形態2に係る切断装置の図3相当図である。 図17は、実施形態2に係る第1筒状部材とハーネスの関係を示す斜視図である。 図18は、実施形態2の変形例1に係る切断装置の図3相当図である。 図19は、実施形態2の変形例1に係るブレードの切断部とハーネスの関係を示す斜視図である。 図20は、実施形態2の変形例2に係る切断装置の図3相当図である。 図21は、実施形態2の変形例3に係る切断装置の図3相当図である。 図22は、実施形態2の変形例4に係る切断装置の平面断面図である。 図23は、実施形態2の変形例5に係る第1筒状部材および第2筒状部材とハーネスとの関係を示す断面図である。 図24は、実施形態3に係るブレーカを示す概略構成図である。 図25は、実施形態4に係る接触器を示す概略構成図である。 図26は、実施形態5に係る電気回路遮断器を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
〈発明の実施形態1〉
図1〜図8に示すように、本実施形態1に係る切断装置(10)は、ガス発生剤の反応により発生した高圧ガスを用いてブレード(30)を進出させることによって、通電用部材であるハーネス(12)を切断するように構成されている。この切断装置(10)は、高圧ガスを発生させるためのガス発生剤として火薬を用いている。
上記切断装置(10)は、図1〜図5に示すように、樹脂ケース(20)を備えている。樹脂ケース(20)の内部には、ストッパ(23)と内筒(24)とブレード(30)とガス発生部(35)とが収容されている。
以下では説明の便宜上、図2における左右方向の左側を「前側」、右側を「後側」とし、図2における上下方向の上側を「上側」、下側を「下側」として説明する。また、図2における紙面に直交する方向の手前側を「左側」、奥側を「右側」として説明する。
上記樹脂ケース(20)は、例えばPC(ポリカーボネート)等の樹脂によって形成されている。樹脂ケース(20)を構成する樹脂材料は、これに限られず、プラスチック等を含む樹脂材料であればよい。また、樹脂ケース(20)は、略直方体形状に形成されて樹脂ケース(20)の略下半部を構成する土台部(13)と、該土台部(13)の下面および後面以外の面を一体的に覆い樹脂ケース(20)の略上半部を構成するカバー部(14)とを有している。つまり、カバー部(14)は、土台部(13)の上面、前面、左面および右面を覆うように構成されている。
そして、上記樹脂ケース(20)には、略円柱状の収納孔(21)が土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。収納孔(21)には、前方から後方へ向かって順に、ストッパ(23)、内筒(24)およびガス発生部(35)が収容されている。
また、上記樹脂ケース(20)には、ハーネス(12)を設置するための設置孔(22)が土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。該設置孔(22)は、収納孔(21)の軸心を含む鉛直面に関して対称な形状に形成されている。具体的には、設置孔(22)は、収納孔(21)の前後方向の中央部から左右方向にそれぞれ延びた後、前方へ折れ曲がり、その後さらに下方向きに折れ曲がって土台部(13)の下面まで延びている。
上記設置孔(22)に設置されるハーネス(12)は長板状に形成されている。該ハーネス(12)は、中央のU字状部(12a)と、該U字状部(12a)の両端にそれぞれ連続する2つのL字状部(12b)とを有している。
また、図1に示すように、樹脂ケース(20)には、収納孔(21)から外部へ延びる排ガス路(28)が、土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。該排ガス路(28)は、ガス発生部(35)によってブレード(30)を進出させるために生成された高圧ガスが排出される。
さらに、上記樹脂ケース(20)には、収納孔(21)の前方側から空気を排出するための排気孔(29)が形成されている。該排気孔(29)は、収納孔(21)の前方端の中央から前方へ向かって延びた後、下方向きに折れ曲がって土台部(13)の下面まで延びている。
上記ストッパ(23)は、進出したブレード(30)を受け止めて停止させるためのものである。上記ストッパ(23)は、樹脂材料によって有底円筒形状に形成されている。具体的に、ストッパ(23)は、円板状の底部(23a)と円筒状の筒部(23b)とを有し、底部(23a)が筒部(23b)よりも前方側に位置するように配置されている。底部(23a)の中央部には、樹脂ケース(20)の排気孔(29)と連通する孔(23c)が形成されている。
上記内筒(24)は、収納孔(21)においてストッパ(23)の後方に配置され、ハーネス(12)を支持している。内筒(24)は、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とで構成され、両部材(25,26)でハーネス(12)を挟持している。内筒(24)には、ブレード(30)が摺動自在に収納される。
上記第2筒状部材(26)は、樹脂材料によって略円筒状に形成され、ストッパ(23)の後方において、ストッパ(23)と同軸となるように配置されている。第2筒状部材(26)は、ブレード(30)が挿通可能な内径に構成されている。なお、第2筒状部材(26)はセラミックスによって形成されていてもよい。
上記第1筒状部材(25)は、樹脂材料によって略円筒状に形成され、第2筒状部材(26)の後方において、第2筒状部材(26)と同軸となるように配置されている。第1筒状部材(25)は、内径が第2筒状部材(26)の内径と概ね等しくなるように構成されている。図6に示すように、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)には、ハーネス(12)のU字状部(12a)が挿通する2つの挿通溝(25a)が形成されている。2つの挿通溝(25a)は、前方側端面(25c)の径方向に延びており、樹脂ケース(20)の設置孔(22)に対応する位置に形成されている。また、第1筒状部材(25)の側部には、樹脂ケース(20)の排ガス路(28)と連通する貫通孔(25b)が形成されている。つまり、ガス発生部(35)によって生成された高圧ガスは、貫通孔(25b)および排ガス路(28)を順に通って排出される。
このように、上記内筒(24)は、絶縁部材である第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)がハーネス(12)のU字状部(12a)を両側から挟み込むことでハーネス(12)を支持している。
上記ガス発生部(35)は、内筒(24)内のブレード(30)を進出させてハーネス(12)を切断させるための高圧ガスを発生させるものである。ガス発生部(35)は、火薬と、該火薬を起爆するための発火部(37)と、該発火部(37)を保持する保持具(38)と、第1筒状部材(25)の後方端を閉塞する蓋部材(39)とを備えている。
上記蓋部材(39)は、略円筒状に形成されて第1筒状部材(25)の後方端に内嵌されている。このように、蓋部材(39)が内嵌されることによって、ブレード(30)の後方に閉空間であるガス発生室(36)が形成される。なお、蓋部材(39)と第1筒状部材(25)との間は、Oリング(39a)によってシールされている。そして、蓋部材(39)に保持具(38)が挿通されている。
上記発火部(37)は、雷管によって構成され、起爆薬を有する前端部がガス発生室(36)内に露出するように保持具(38)に保持されている。そして、発火部(37)は、コネクタ(図示省略)に接続される接続ピン(37a)が設けられている。発火部(37)は、火薬の爆発によってガス発生室(36)内で高圧ガスを発生させ、ガス発生室(36)内の圧力を上昇させてブレード(30)を前方へ進出(摺動)させる。
上記ブレード(30)は、高圧ガスを受けて内筒(24)内を前方へ進出してハーネス(12)を切断するためのものである。ブレード(30)は、樹脂材料によって形成された切断部(31)と、該切断部(31)を取り付けるプッシャー(32)とを備えている。なお、プッシャー(32)は、本発明に係る受圧部を構成している。また、切断部(31)は樹脂材料に限らず金属材料(例えば、鋼材)によって形成されてもよい。
上記切断部(31)は、段差で形成される前後2つの切断部分でもってハーネス(12)を切断する。具体的に、切断部(31)は、前方側に形成された第1刃部(31a)と、該第1刃部(31a)と段差を有して後方側に形成された第2刃部(31b)とを備えている。また、切断部(31)は、第1刃部(31a)よりも前方側へ突出するガイド部(31c)が設けられており、該ガイド部(31c)の外径が内筒(24)の内径と略一致する。具体的に、ガイド部(31c)の外周面は内筒(24)の内面に接して摺動する。第1刃部(31a)および第2刃部(31b)は、先端が平坦に形成される刃部である。
上記切断部(31)では、第1刃部(31a)と第2刃部(31b)との段差が、ハーネス(12)のU字状部(12a)の厚みよりも大きくなるように形成されている。こうすることで、図9に示すように、第1刃部(31a)がハーネス(12)の1箇所を切断した後に、第2刃部(31b)がハーネス(12)の他の1箇所を切断することができる。つまり、ブレード(30)は、高圧ガスによって前方へ進出することによって、第1刃部(31a)および第2刃部(31b)がハーネス(12)を順番に切断するように構成されている。
上記プッシャー(32)は、切断部(31)の後方に配置され、高圧ガスの圧力を受けて切断部(31)を前方へ進出(摺動)させるものである。プッシャー(32)は、樹脂製で外形が略円柱状の本体(32a)を有する。本体(32a)は、第1筒状部材(25)と同軸に配置される。プッシャー(32)は、切断部(31)よりも僅かに大径に形成され、絶縁部を構成している。また、本体(32a)の前方端には、前方へ突出する突部(32b)が形成されている。この突部(32b)が切断部(31)の後方端に内嵌することで、切断部(31)がプッシャー(32)に保持される。
−第1筒状部材とプッシャーの関係−
上記第1筒状部材(25)とプッシャー(32)の関係について、図8を参照しながら説明する。なお、図8では、プッシャー(32)に関して突部(32b)を省略しており、切断部(31)を省略している。
上記第1筒状部材(25)は、後方端から前方端に亘ってテーパ部(25d,25e)が形成されている。このテーパ部(25d,25e)は、内径が後方から前方へ向かって細くなるものである。このテーパ部(25d,25e)は、後方側に形成された後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)の前方側に連続する前方側テーパ部(25e)とで構成されている。前方側テーパ部(25e)の傾斜角は、後方側テーパ部(25d)の傾斜角よりも小さい。
また、前方側テーパ部(25e)の傾斜角は、樹脂成型時に必要な抜き勾配が考慮されている。さらに、前方側テーパ部(25e)の傾斜角は、第1筒状部材(25)の前方端の内径(即ち、図8において下端の内径)が切断部(31)の外径と略同じとなるように設定される。これにより、第1筒状部材(25)によってハーネス(12)が挟持されている位置近くを切断することができる。
本実施形態において、上記後方側テーパ部(25d)および前方側テーパ部(25e)は、ハーネス(12)の移動阻止部であって強圧部として設けられている。移動阻止部は、ブレード(30)の切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が切断部(31)によって引っ張られて移動したり伸びるのを阻止するものである。さらに、上記強圧部は、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とがハーネス(12)を挟み込む挟持力を増大させるように構成されている。
上記プッシャー(32)の本体(32a)には、後方端外縁部が後方へ出っ張る突起(32c)が形成されている。また、プッシャー(32)の本体(32a)は、外径が後方から前方へ向かって細くなる3種類のテーパ部(32d,32e,32f)が形成されている。具体的に、このテーパ部(32d,32e,32f)は、後方から順に形成された、後方側テーパ部(32d)、中間テーパ部(32e)および前方側テーパ部(32f)である。中間テーパ部(32e)の傾斜角は、第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)の傾斜角と同じである。後方側テーパ部(32d)および前方側テーパ部(32f)のそれぞれの傾斜角は、中間テーパ部(32e)の傾斜角よりも大きい。なお、ここで言う傾斜角は、図8において上下方向を基準とした傾き角度である。
−運転動作−
本実施形態1の切断装置(10)は、例えば、工場などの電気機器のハーネス(12)が第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間を通るように、設置孔(22)に挿通されて設置される。ハーネス(12)は、第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)に挟まれて支持される。
上記切断装置(10)は、発火部(37)が火災報知器や地震警報機などに接続された状態で設置される。発火部(37)には、火災報知器が火災を感知したときや、地震警報機が地震を感知したときに、警告信号が入力される。警告信号が入力されると、発火部(37)は火薬を爆発させる。
図9(A)〜(C)に示すように、火薬が爆発すると、爆発に伴って高圧ガスが発生することでガス発生室(36)の圧力が上昇し、プッシャー(32)に対し前方への推力が与えられる。これにより、ブレード(30)(プッシャー(32)および切断部(31))が前方へ進出(摺動)して、先ず切断部(31)の第1刃部(31a)がハーネス(12)の一箇所を瞬時に切断し(図9(A)および(B)参照)、次いで切断部(31)の第2刃部(31b)がハーネス(12)の他の一箇所を瞬時に切断する(図9(C)参照)。ブレード(30)は、ハーネス(12)を切断した後、さらに前方に進出してストッパ(23)の底部(23a)に当接して停止する(図9(C)参照)。このように、切断装置(10)は、必要時に作動し、一回限り作動して使用されるものである。
ここで、ブレード(30)が前方へ進出する際、内筒(24)およびストッパ(23)におけるブレード(30)の前方の空気は、ストッパ(23)の底部(23a)の孔(23c)および樹脂ケース(20)の排気孔(29)によって構成される排気路を通って切断装置(10)の外部へ排出される。これにより、ブレード(30)の進出によってブレード(30)前方の空気が圧縮されてブレード(30)の進出を阻害することはない。そのため、ブレード(30)が円滑に進出することができる。
また、プッシャー(32)が前方へ進出すると、第1筒状部材(25)の内部におけるプッシャー(32)の後方空間と貫通孔(25b)および排ガス路(28)とが連通する。これにより、第1筒状部材(25)内の高圧ガスは、貫通孔(25b)および排ガス路(28)を介して外部に排出される。
また、図8(A)に示すように、高圧ガスの発生時においては、プッシャー(32)の突起(32c)が第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)と接触するため、シールされる。そして、ガス発生室(36)の圧力がさらに上昇すると、突起(32c)が変形して、プッシャー(32)の中間テーパ部(32e)と第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)とが接触しシールされる。ここで、中間テーパ部(32e)と後方側テーパ部(25d)とは傾斜角が同じであるため、中間テーパ部(32e)の面でシールすることができる。したがって、線でシールする場合に比べて、シール性が向上する。また、面でシールするため、線でシールするよりも、接触応力が低い。そのため、第1筒状部材(25)やプッシャー(32)が損傷しにくくなる。
また、第1筒状部材(25)の後方側テーパ部(25d)においては、プッシャー(32)が進出するに従って内径が小さくなるため、プッシャー(32)との摺動抵抗(摩擦力)が大きくなる。これにより、第1筒状部材(25)は、プッシャー(32)の進出動作に伴って前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ移動しようとする。これによって、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力が増大し、ハーネス(12)がより強く固定(保持)される。
そして、図8(B)に示すように、第1筒状部材(25)においてプッシャー(32)がさらに進出して前方側テーパ部(25e)にさしかかると、第1筒状部材(25)の内径が小さくなるため、プッシャー(32)の中間テーパ部(32e)と第1筒状部材(25)の前方側テーパ部(25e)との接触力が増大する。これにより、シール性が高まる。また、中間テーパ部(32e)と前方側テーパ部(25e)との接触力が増大すると、プッシャー(32)の摺動抵抗(摩擦力)も増大するため、これによって、プッシャー(32)の進出動作が抑制される。その結果、ハーネス(12)を切断した後において、切断部(31)がストッパ(23)に衝突する際の衝撃を緩和できる。
また、第1筒状部材(25)の内径が細くなっているため、プッシャー(32)の前方端によって第1筒状部材(25)の内面が削られるおそれが高くなるが、プッシャー(32)には前方側テーパ部(25e)が形成されている分、第1筒状部材(25)の内面が削られる状態を未然に防止できる。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1によれば、第1筒状部材(25)において内径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(25d,25e)をハーネス(12)の移動阻止部で且つ強圧部として設けたため、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとする。その結果、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができ、よって、ハーネス(12)をより強く固定(保持)することが可能である。これにより、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを抑制でき、ハーネス(12)をスムーズに切断することができる。つまり、切断性能が向上する。このように、上記実施形態では、第1筒状部材(25)において内径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(25d,25e)を設けることで、プッシャー(32)の摺動抵抗を増大させて、第1筒状部材(25)を前方へ進出させるようにした。
また、上述したように摺動抵抗(摩擦力)が増大することで、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性が向上する。そのため、プッシャー(32)の前方への推力(進出力)を十分確保することができ、これによっても、切断性能が向上する。
また、第1筒状部材(25)の前方端の内径(即ち、図8において下端の内径)が切断部(31)の外径と略同じであるため、ハーネス(12)が第1筒状部材(25)によって挟持されている位置近くを切断することができる。これにより、切断時にハーネス(12)が前方へ伸びる状態を一層抑制することができる。これによって、切断性能を一層向上させることができる。
また、第1筒状部材(25)において後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角と内径が小さい前方側テーパ部(25e)とを形成し、プッシャー(32)において中間テーパ部(32e)を形成するようにしたため、高圧ガスの圧力によってプッシャー(32)を第1筒状部材(25)に容易に圧入させることができると共に、確実にプッシャー(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができると共に、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。
〈実施形態1の変形例〉
次に、上記実施形態1の各変形例について、図面を参照しながら説明する。
−変形例1−
本変形例は、図10に示すように、上記実施形態1において第1筒状部材(25)およびプッシャー(32)の構成を変更したものである。
具体的に、本変形例の第1筒状部材(25)は、後方側に内径が一定のストレート部(25f)が形成され、該ストレート部(25f)の前方側に連続してテーパ部(25g)が形成されている。このテーパ部(25g)は、内径が後方から前方へ向かって細くなっている。ストレート部(25f)は後方端から略中央まで形成されており、テーパ部(25g)はストレート部(25f)に連続して前方端まで形成されている。つまり、第1筒状部材(25)では、軸方向の途中から内径が小さくなっている。そして、本変形例において、上記テーパ部(25g)はハーネス(12)の移動阻止部として設けられている。
本変形例のプッシャー(32)の本体(32a)は、上記実施形態1と同様、後方端外縁部が後方へ出っ張る突起(32c)が形成されている。また、本体(32a)は、外径が後方から前方へ向かって細くなる2種類のテーパ部(32g,32i)と、外径が一定のストレート部(32h)とが形成されている。具体的に、2種類のテーパ部(32g,32i)は、後方側に形成された後方側テーパ部(32g)および前方側に形成された前方側テーパ部(32i)である。ストレート部(32h)は、2つのテーパ部(32g,32i)の間に連続して形成されている。ストレート部(32h)は、第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と摺接する。
本変形例では、図10(A)に示すように、高圧ガスの発生時においては、プッシャー(32)の突起(32c)やストレート部(32h)が第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と接触するため、シールされる。そして、図10(B)に示すように、第1筒状部材(25)においてプッシャー(32)がさらに進出してテーパ部(25g)にさしかかると、第1筒状部材(25)の内径が小さくなるため、プッシャー(32)の摺動抵抗(摩擦力)が大きくなる。これにより、第1筒状部材(25)は、プッシャー(32)の進出動作に伴って前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ移動しようとする。これによって、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力が増大し、ハーネス(12)がより強く固定(保持)される。また、第1筒状部材(25)の内径が小さくなると、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との接触力が増大する。これにより、シール性が高まる。
また、プッシャー(32)において後方側テーパ部(32g)を形成するようにしたため、確実にプッシャー(32)と第1筒状部材(25)との摺動抵抗(摩擦力)を増大させることができる。これにより、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができると共に、プッシャー(32)と第1筒状部材(25)との間のシール性を高めることができる。
また、第1筒状部材(25)においてテーパ部(25g)を形成するようにしたため、ハーネス(12)を切断した後に、プッシャー(32)の前方への移動を制限することができる。これにより、切断部(31)がストッパ(23)に衝突するのを抑制することができる。
また、本変形例においても、プッシャー(32)に前方側テーパ部(32i)が形成されている分、第1筒状部材(25)の内面がプッシャー(32)の前方端によって削られる状態を未然に防止できる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
−変形例2−
本変形例は、図11に示すように、上記実施形態1の第1筒状部材(25)において挿通溝(25a)の深さを規定したものである。具体的に、挿通溝(25a)の深さDはハーネス(12)の厚さtよりも小さく設定される。こうすることで、例えば深さDと厚さtとが同じである場合に比べて、プッシャー(32)の摺動抵抗(摩擦力)によって第1筒状部材(25)が前方(即ち、第2筒状部材(26)側)へ進出しようとした際に、確実に第1筒状部材(25)でハーネス(12)を第2筒状部材(26)側へ押し付けることができる。これにより、確実に、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)によるハーネス(12)の挟持力を増大させることができ、ハーネス(12)を強く保持することができる。
また、図12に示すように、第1筒状部材(25)ではなく第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)にハーネス(12)の挿通溝(26a)を設けるようにした場合でも同様に、挿通溝(26a)の深さDはハーネス(12)の厚さtよりも小さく設定される。
また、図示はしないが、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)と第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の両方に挿通溝を設けるようにした場合、即ち互いに対向する第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面の両方に挿通溝を形成した場合、両方の挿通溝の深さの合計がハーネス(12)の厚さよりも小さく設定される。
このように、本変形例では、上記挿通溝(25a,26a)の深さD(挿通溝(25a,26a)の深さDの合計)をハーネス(12)の厚さtよりも小さく設定することにより、ハーネス(12)を一層強く保持することができる。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを防止することができる。つまり、本変形例において、上記のように深さDを設定した挿通溝(25a,26a)はハーネス(12)の移動阻止部の一つとして設けられている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
−変形例3−
本変形例は、図13に示すように、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の形状を変更したものである。つまり、挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)は、単なる平面ではなく、凹凸形状にした。
例えば、挿通溝(25a)の底部は略V字状溝に形成される一方、第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)は山型に形成されている(図13(A)参照)。この構成を採ることにより、平面同士でハーネス(12)を挟持する場合に比べて、切断時においてハーネス(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、別の例として、挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)は、1つの傾斜面に形成してもよいし(図13(B)参照)、段差を設けるようにしてもよい(図13(C)参照)。この場合でも、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となる。
本変形例では、上記のように形成された挿通溝(25a,26a)や後方側端面(26c)がハーネス(12)の移動阻止部の一つとして設けられている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
また、本変形例では、第1筒状部材(25)に挿通溝(25a)を形成したが、この挿通溝(25a)は、必ずしも形成しなくともよい。つまり、本変形例は、上記第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)を略V字状などに形成してもよい。
−変形例4−
本変形例は、図14に示すように、ハーネス(12)の形状を変更したものである。つまり、上記ハーネス(12)は、変形例3の挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)の形状に対応して凹凸形状にした。
例えば、上記ハーネス(12)は、挿通溝(25a)の底部および後方側端面(26c)に対応して略V字状が形成されている(図14(A)参照)。この構成を採ることにより、平坦なハーネス(12)を挟持する場合に比べて、切断時においてハーネス(12)が滑りにくくなる。そのため、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となり、切断性能が一層向上する。
また、別の例として、上記ハーネス(12)は、1つの傾斜面に形成してもよいし(図14(B)参照)、段差を設けるようにしてもよい(図14(C)参照)。この場合でも、切断時においてハーネス(12)が前方へ移動したり伸びる状態を一層抑制することが可能となる。
本変形例では、上記挿通溝(25a,26a)や後方側端面(26c)とともに、ハーネス(12)がハーネス(12)の移動阻止部の一つとして構成されている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
また、本変形例では、第1筒状部材(25)に挿通溝(25a)を形成したが、この挿通溝(25a)は、必ずしも形成しなくともよい。つまり、本変形例は、上記第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)を略V字状などに形成してもよい。
−変形例5−
本変形例は、図15に示すように、上記第2筒状部材(26)がストッパ(23)および土台部(13)と一体に形成されたものである。したがって、本変形例においては、別部材のストッパ(23)が省略されている。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
〈発明の実施形態2〉
次に、本実施形態2について説明する。本実施形態の切断装置(10)は、図16および図17に示すように、上記実施形態1の切断装置(10)においてハーネス(12)の構成を変更したものである。つまり、実施形態2は、実施形態1の強圧部に代えて係合部を設けたものである。
具体的に、ハーネス(12)のU字状部(12a)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を挿通する基板(120a)を有している。基板(120a)は、第1筒状部材(25)の径方向に延びる真っ直ぐな板部材である。そして、基板(120a)には、挿通溝(25a)の径方向外方側に拡幅部(121a)が形成されている。拡幅部(121a)の幅L2は、挿通溝(25a)の幅L1よりも大きくなっている。拡幅部(121a)は、挿通溝(25a)の径方向外方端から幅広となっている。そして、ハーネス(12)の拡幅部(121a)は、移動阻止部であって係合部の一つとして設けられている。つまり、上記係合部は、上記ハーネス(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かるように構成されている。
本実施形態によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a)に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本実施形態では、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)に挿通溝(25a)を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)に挿通溝を形成した場合、または、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の両方に挿通溝を形成した場合でも同様の構成を採ることができる。
また、本実施形態は、係合部のみを設けたが、実施形態1の強圧部をともに設けてもよい。つまり、実施形態1の強圧部と実施形態2の係合部との双方を設けるようにしてもよい。
〈実施形態2の変形例〉
次に、上記実施形態2の各変形例について、図面を参照しながら説明する。
−変形例1−
本変形例は、図18および図19に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)において拡幅部(121a)の形成位置を変更したものである。
本変形例のハーネス(12)は、切断部(31)におけるガイド部(31c)の挿通方向外方に拡幅部(121a)が形成されている。拡幅部(121a)の幅L2は、2つ(一対)のガイド部(31c)の対向間隔L1よりも大きくなっている。拡幅部(121a)は、ガイド部(31c)の挿通方向端部から幅広となっている。そして、本変形例においても、拡幅部(121a)は移動阻止部の一つとして設けられている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は第1筒状部材(25)の径方向内方へ移動しようとしても拡幅部(121a)が切断部(31)のガイド部(31c)に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
−変形例2−
本変形例は、図20に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)において拡幅部(121a)の形成位置を変更したものである。
本変形例のハーネス(12)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)の途中から拡幅部(121a)が形成されている。つまり、上記第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)は、該挿通溝(25a)の途中から外側に向かって広幅に形成されている。そして、上記ハーネス(12)の拡幅部(121a)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)の広幅に対応して形成されている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしても拡幅部(121a)が挿通溝(25a)に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本変形例では、上記第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)に挿通溝(25a)を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)に挿通溝を形成した場合、または、第1筒状部材(25)の前方側端面(25c)および第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)の両方に挿通溝を形成した場合でも同様の構成を採ることができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
−変形例3−
本変形例は、図21に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)に凹部である小孔が形成され、上記第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)に凸部(25h)が形成されたものである。そして、上記第1筒状部材(25)の凸部(25h)は、上記ハーネス(12)の小孔に嵌り込んでいる。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしても挿通溝(25a)の凸部(25h)がハーネス(12)の小孔に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本変形例では、上記挿通溝(25a)に凸部(25h)を形成し、ハーネス(12)に凹部である小孔を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、挿通溝(25a)に凹部(12c)を形成し、ハーネス(12)に凸部(25h)を形成してもよい。また、上記第1筒状部材(25)に代えて第2筒状部材(26)の後方側端面(26c)に凸部(25h)または凹部(12c)を形成してもよい。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
また、本変形例において、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を必ずしも形成しなくともよい。
−変形例4−
本変形例は、図22に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)に折曲部(12d)を形成したものである。
上記折曲部(12d)は、第2筒状部材(26)の外周面に対応して形成され、該第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かるように形成されている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしてもハーネス(12)の折曲部(12d)が第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。
なお、本変形例において、折曲部(12d)は、第1筒状部材(25)の外周面に対応して形成し該第1筒状部材(25)の外周面に引っ掛かるように形成してもよい。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
−変形例5−
本変形例は、図23に示すように、上記実施形態2のハーネス(12)に厚肉部(12e)を形成したものである。
具体的に、ハーネス(12)のU字状部(12a)は、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を挿通する基板(120a)を有している。基板(120a)は、第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の径方向に延びる真っ直ぐな板部材である。そして、上記基板(120a)には、第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の径方向外方側に厚肉部(12e)が形成されている。上記厚肉部(12e)は、第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔より厚く形成されている。そして、ハーネス(12)の厚肉部(12e)は、移動阻止部の一つとして設けられている。
本変形例によれば、切断部(31)によるハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)は挿通溝(25a)を径方向内方(第1筒状部材(25)の径方向内方)へ移動しようとしてもハーネス(12)の厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かるため移動しない。これにより、ハーネス(12)の切断時に、ハーネス(12)が前方へ移動したり伸びるのを一層防止することができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態2と同様である。
また、本変形例において、第1筒状部材(25)の挿通溝(25a)を必ずしも形成しなくともよい。つまり、上記厚肉部(12e)が第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔よりも厚く形成されておればよい。その際、上記厚肉部(12e)が上記第1筒状部材(25)の外周面と上記第2筒状部材(26)の外周面との何れか一方または双方に引っ掛かればよい。
〈発明の実施形態3〉
次に、本実施形態3について説明する。図24に示すように、本実施形態3は、本発明に係る切断装置(10)を備えたブレーカ(50)である。
上記ブレーカ(50)は、樹脂製のケーシング(図示省略)に設けられた負荷側端子(55)および電源側端子(54)と、負荷側端子(55)と電源側端子(54)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(51)とを備えている。
上記端子間部材(51)は、負荷側端子(55)に接続された固定接触子(52)と、電源側端子(54)に接続された可動接触子(53)とを備えている。可動接触子(53)は、固定接触子(52)に接触する接触位置と、固定接触子(52)から離れた非接触位置との間で移動可能に設けられている。可動接触子(53)が接触位置に移動すると、可動接触子(53)の可動接点(53a)が固定接触子(52)の固定接点(52a)に接触する。
さらに、ブレーカ(50)は、可動接触子(53)を手動で動かすためのリンク機構(58)と、異常電流時に可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離すためのトリップ機構(56)と、可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離すように可動接触子(53)を付勢する付勢バネ(60)とを備えている。リンク機構(58)は、ケーシングに取り付けられ、手動レバー(57)の操作によって可動接触子(53)を接触位置と非接触位置との間で移動させることができるように構成されている。トリップ機構(56)は、バイメタルによって構成され、可動接触子(53)と電源側端子(54)とを接続している。トリップ機構(56)は、過電流時(異常電流時)に熱変形し、その熱変形によってリンク機構(58)を動かして、可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離す。可動接触子(53)が固定接触子(52)から引き離されると、ブレーカ(50)は通電不能になる。
さらに、ブレーカ(50)は、上述の切断装置(10)と、可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着したことを検出する溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、実施形態1および後述するその他の実施形態の何れの切断装置(10)を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、端子間部材(51)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、上記切断装置(10)は、端子間部材(51)の裏側(図24における下側)に設けられている。
上記溶着検出部(65)は、例えば端子間部材(51)に接続され、端子間部材(51)の電流値に基づいて可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着しているか否かを検出するように構成されている。溶着検出部(65)には、切断装置(10)の発火部(37)が接続されている。溶着検出部(65)は、可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着していると判定すると、発火部(37)を作動させるように構成されている。
本実施形態3では、溶着検出部(65)が可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着していると判定すると、発火部(37)が作動して火薬が爆発し、ブレード(30)が進出する。ブレード(30)は、端子間部材(51)を切断(破断)した後に、プッシャー(32)が端子間部材(51)の切断面に接触する状態で停止する。このため、端子間部材(51)の切断面の間が絶縁され、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間が通電不能になる。
−実施形態3の効果−
本実施形態3では、切断装置(10)によって、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。また、実施形態2の係合部をともに備えてもよい。
〈発明の実施形態4〉
次に、本実施形態4について説明する。図25に示すように、本実施形態4は、本発明に係る切断装置(10)を備えた接触器である。この接触器(70)は、図25に示すように、樹脂製のケーシング(86)に設けられた負荷側端子(75)および電源側端子(74)と、負荷側端子(75)と電源側端子(74)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(71)とを備えている。
上記端子間部材(71)は、負荷側端子(75)に接続された第1固定接触子(68)と、電源側端子(74)に接続された第2固定接触子(69)と、後述する可動鉄心(81)に連結された可動接触子(73)とを備えている。上記可動接触子(73)は、一対の固定接触子(68,69)に接触する接触位置と、一対の固定接触子(68,69)から離れた非接触位置との間で移動可能に設けられている。可動接触子(73)が接触位置に移動すると、可動接触子(73)の一端の可動接点(73a)が第1固定接触子(68)の第1固定接点(68a)に接触すると共に、可動接触子(73)の他端の可動接点(73b)が第2固定接触子(69)の第2固定接点(69a)に接触する。
さらに、接触器(70)は、可動接触子(73)を接触位置と非接触位置の間で動かすための移動機構(76)を備えている。この移動機構(76)は、可動鉄心(81)と固定鉄心(82)と励磁コイル(83)と巻枠(84)とを備えている。固定鉄心(82)はケーシング(86)の底面に固定されている。可動鉄心(81)は、固定鉄心(82)の上側に対面するように設けられている。励磁コイル(83)は巻枠(84)に巻かれている。可動鉄心(81)と巻枠(84)との間には、非通電時に可動鉄心(81)と固定鉄心(82)とを離間させるための一対の復帰バネ(79)が設けられている。
上記移動機構(76)は、外部からの信号によって励磁コイル(83)が通電されると、固定鉄心(82)が励磁されて可動鉄心(81)を引き寄せるように構成されている。上記可動鉄心(81)が固定鉄心(82)に引き寄せられると、接触器(70)は非通電状態になる。一方、上記移動機構(76)は、外部からの信号によって励磁コイル(83)の通電が停止されると、復帰バネ(79)によって可動鉄心(81)が固定鉄心(82)から離れるように構成されている。上記固定鉄心(82)が可動鉄心(81)から離れると、接触器(70)は通電状態になる。
さらに、接触器(70)は、上述の切断装置(10)と、上記実施形態3と同様の構成の溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、上記実施形態1、実施形態2および後述するその他の実施形態の何れの切断装置(10)を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、端子間部材(71)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、切断装置(10)は、進出前のブレード(30)の切断部(31)が可動接触子(73)の前面に対面するように設けられている。
本実施形態4では、溶着検出部(65)が可動接点(73a,73b)と固定接点(68a,69a)とが溶着していると判断すると、発火部(37)が作動して火薬が爆発し、ブレード(30)が進出する。ブレード(30)は、可動接触子(73)を切断する。この状態では、プッシャー(32)が可動接触子(73)の切断面に接触している。つまり、ブレード(30)は、プッシャー(32)が可動接触子(73)の切断面に接触するまで進出する。
−実施形態4の効果−
本実施形態4では、切断装置(10)によって、電源側端子(74)と負荷側端子(75)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(74)と負荷側端子(75)との間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。また、実施形態2の係合部をともに備えてもよい。
〈発明の実施形態5〉
次に、本実施形態5について説明する。図26に示すように、本実施形態5は、本発明に係る切断装置(10)を備えた電気回路遮断器(90)である。この電気回路遮断器(90)は、ブレーカ(50)と接触器(70)と樹脂製のケーシング(91)とを備えている。なお、ブレーカ(50)と接触器(70)についての説明は省略する。
上記ケーシング(91)には、ブレーカ(50)が配置されたブレーカ配置室(88)と、接触器(70)が配置された接触器配置室(89)が障壁を挟んで形成されている。また、ケーシング(91)には、負荷側端子(95)および電源側端子(94)と、ブレーカ(50)と接触器(70)と接続する接続用部材(92)とが設けられている。接続用部材(92)は、ハーネス(12)により構成されている。
上記負荷側端子(95)は、接触器(70)の第1固定接触子(68)に接続されている。電源側端子(94)は、ブレーカ(50)の可動接触子(53)に接続されている。また、接続用部材(92)の一端は、接触器(70)の第2固定接触子(69)に接続されている。接続用部材(92)の他端は、ブレーカ(50)の固定接触子(52)に接続されている。
さらに、電気回路遮断器(90)は、上述の切断装置(10)と、上記実施形態3と同様の溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、上記実施形態1、実施形態2および後述するその他の実施形態の何れの切断装置を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、接続用部材(92)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、切断装置(10)は、進出前のブレード(30)の切断部(31)が接続用部材(92)の前面に対面するよう設けられている。
本実施形態5では、上記ブレーカ(50)において可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着していると判定したり、接触器(70)において可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着していると判定した場合に、溶着検出部(65)が発火部(37)を作動させて、ブレード(30)が進出し、ブレード(30)は、接続用部材(92)を切断(破断)する。この状態では、プッシャー(32)が接続用部材(92)の切断面に接触している。つまり、ブレード(30)は、プッシャー(32)が接続用部材(92)の切断面に接触するまで進出する。
−実施形態5の効果−
本実施形態5では、切断装置(10)によって接続用部材(92)を切断して、電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることが可能である。このため、例えばブレーカ(50)や接触器(70)で溶着が生じた場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。また、実施形態2の係合部をともに備えてもよい。
〈その他の実施形態〉
上記実施形態1では、第1筒状部材(25)の内面を後方側テーパ部(25d)と前方側テーパ部(25e)の2つで構成するようにしたが、これに限らず、後方側テーパ部(25d)と前方側テーパ部(25e)の間にストレート部を形成するようにしてもよい。つまり、本発明に係る第1筒状部材(25)の内面は、後方側から順に、後方側テーパ部(25d)と、内径が一定のストレート部と、後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とが形成されてもよい。
また、挿通溝(25a,26a)の底部は、上述した形状に限らず、切断時においてハーネス(12)の滑りを抑制し得る凹凸形状であればよい。
また、切断部(31)は、段差のある2つの刃部(31a,31b)を設けた形態に限らず、刃部を1つだけ有するものであってもよい。
また、本発明の移動阻止部は、各実施形態で説明したように、実施形態1の強圧部と実施形態2の係合部の双方を備えるものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、電気を流す通電用部材を切断する切断装置について有用である。
10 切断装置
12 ハーネス(通電用部材)
12c 小孔
12d 折曲部
12e 肉厚部
25 第1筒状部材
26 第2筒状部材
25a 挿通溝
26a 挿通溝
25c 前方側端面
26c 後方側端面
25d 後方側テーパ部(テーパ部)
25e 前方側テーパ部(テーパ部)
25f ストレート部
25g テーパ部
25h 凸部
30 ブレード
31 切断部
31a 第1刃部(刃部)
31b 第2刃部(刃部)
31c ガイド部
32 プッシャー(受圧部)
32e 中間テーパ部(テーパ部)
32h ストレート部
121a 拡幅部

Claims (15)

  1. 互いの軸方向端面(25c,26c)が対向し、互いに軸方向に通電用部材(12)を挟み込む第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)と、
    上記第1筒状部材(25)に軸方向へ摺動自在に収納され、前方側の切断部(31)および後方側の受圧部(32)を有するブレード(30)と、
    上記切断部(31)によって上記通電用部材(12)を切断するように、高圧ガスを発生させ上記受圧部(32)に作用させることによって上記ブレード(30)を前方へ摺動させるガス発生部(35)と、
    上記切断部(31)による上記通電用部材(12)の切断時に、上記通電用部材(12)の移動を阻止する移動阻止部とを備えている
    ことを特徴とする切断装置。
  2. 請求項1において、
    上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部を備えている
    ことを特徴とする切断装置。
  3. 請求項1において、
    上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部を備えている
    ことを特徴とする切断装置。
  4. 請求項1において、
    上記移動阻止部は、上記通電用部材(12)の挟み込む挟持力を増大させる強圧部と、上記通電用部材(12)が上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)とブレード(30)との少なくとも何れかに引っ掛かる係合部とを備えている
    ことを特徴とする切断装置。
  5. 請求項2または4において、
    上記強圧部は、上記受圧部(32)が摺動する上記第1筒状部材(25)の内面において内径が後方から前方へ向かって細くなるように形成されたテーパ部(25d,25e,25g)を有している
    ことを特徴とする切断装置。
  6. 請求項2または4において、
    互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、
    上記挿通溝(25a,26a)が一方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記挿通溝(25a,26a)の深さは上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっており、上記挿通溝(25a,26a)が両方の上記軸方向端面(25c,26c)に形成された場合、上記両方の挿通溝(25a,26a)の深さの合計は上記通電用部材(12)の厚さよりも小さくなっている
    ことを特徴とする切断装置。
  7. 請求項5または6において、
    上記第1筒状部材(25)は、後方端から前方端に亘って上記テーパ部(25d,25e)が形成され、
    上記テーパ部(25d,25e)は、後方側に形成された後方側テーパ部(25d)と、該後方側テーパ部(25d)の前方側に連続して形成され、上記後方側テーパ部(25d)よりも傾斜角が小さい前方側テーパ部(25e)とで構成され、
    上記受圧部(32)は、外径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(32e)が形成されている
    ことを特徴とする切断装置。
  8. 請求項5または6において、
    上記第1筒状部材(25)は、上記受圧部(32)が摺動する内面において、後方側に内径が一定のストレート部(25f)が形成され、該ストレート部(25f)の前方側に連続して上記テーパ部(25g)が形成され、
    上記受圧部(32)は、後方端に形成され、外径が後方から前方へ向かって細くなるテーパ部(32g)と、該テーパ部(32g)の前方側に連続して形成され、上記第1筒状部材(25)のストレート部(25f)と摺接する外径が一定のストレート部(32h)が設けられている
    ことを特徴とする切断装置。
  9. 請求項2または4において、
    上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)は、略V字状に形成されている
    ことを特徴とする切断装置。
  10. 請求項9において、
    上記通電用部材(12)は、上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)に対応して略V字状に形成されている
    ことを特徴とする切断装置。
  11. 請求項3または4において、
    互いに対向する上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の少なくとも一方には、上記筒状部材(25,26)の径方向に延び、上記通電用部材(12)が挿通されて挟み込まれる挿通溝(25a,26a)が形成され、
    上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記挿通溝(25a,26a)の径方向外方端から該挿通溝(25a,26a)の幅よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している
    ことを特徴とする切断装置。
  12. 請求項3または4において、
    上記切断部(31)は、互いに対向するように前方側へ突出し、互いの間に上記通電用部材(12)が挿通され且つ外径が上記第1筒状部材(25)および第2筒状部材(26)の内径と略一致する一対のガイド部(31c)と、該一対のガイド部(31c)の間に形成され、上記通電用部材(12)を切断する刃部(31a,31b)とを有し、
    上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記ガイド部(31c)の挿通方向端部から該ガイド部(31c)の対向間隔よりも幅広となる拡幅部(121a)を有している
    ことを特徴とする切断装置。
  13. 請求項3または4において、
    上記係合部は、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)と通電用部材(12)との一方に形成された凹部(12c)と、他方に形成されて上記凹部(12c)に嵌り込む凸部(25h)とを有している
    ことを特徴とする切断装置。
  14. 請求項3または4において、
    上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の外周面に引っ掛かる折曲部(12d)を有している
    ことを特徴とする切断装置。
  15. 請求項3または4において、
    上記係合部は、上記通電用部材(12)に形成され、上記第1筒状部材(25)または第2筒状部材(26)の軸方向端面(25c,26c)の径方向外方端から上記第1筒状部材(25)と第2筒状部材(26)との間隔よりも厚くなる厚肉部(12e)を有している
    ことを特徴とする切断装置。
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