JP2013137978A - 多層の膜電極接合体の製造方法及び積層型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極板、電解質層及び負極板を効率よく積層することができ、製造装置をシンプルにし得る多層の膜電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】多層の膜電極接合体の製造方法であって、第1の方向X1に延在させ、その後両板面の向きを反転させて折り返され、第1の方向X1と逆方向X2に延在させた帯状の正極板2と、正極板2に交叉する第2の方向Y1に延在させ、その後両板面を反転させて折り返され、第2の方向Y1と逆方向Y2に延在させた帯状の負極板3とが、軸線L上で交叉し交互に配置された搬送状態Pで、正極板と負極板との間に電解質層を形成する工程と、搬送状態Pにおいて正極板と負極板とが交叉して板面間方向に交互に配置された領域Sを打ち抜き積層体を形成する工程と、帯状の正極板及び帯状の負極板を搬送方向Pに搬送し、領域Sに正極板と負極板とを軸線L上に交互に配置させた状態とする工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等に用いられる多層の膜電極接合体の製造方法及び積層型電池に関する。
一般に、リチウムイオン二次電池は、正極活物質が集電体に塗工された正極板と、負極活物質が集電体に塗工された負極板とを、これらの間にセパレータを介装させて積層し、これら正極板、セパレータ及び負極板を積層させた多層の膜電極接合体を電解液と共にケース内に密封するとともに、多層の膜電極接合体の正極板と負極板のそれぞれに接続された端子用タブをケースから突出させて概略構成されている。前記多層の膜電極接合体の製造方法としては、従来より下記特許文献1に開示された方法が提案されている。
特許文献1に記載された多層の膜電極接合体の製造方法は、ロール状に巻回された不織布等の電気絶縁性のシートからなるセパレータを、積層ステージ上でつづら折りになるようにジグザグに折り畳むとともに、折り畳むたび毎に正極板及び負極板を該セパレータ上に交互に配置して挟み込むというものである。
また、上記方法により製造された多層の膜電極接合体は、電解液と共に可撓性のあるシート状外装体等のケースに封止してリチウムイオン二次電池とされている。
特開2010−102871号公報
ところで、特許文献1の多層の膜電極接合体の製造方法によれば、正極板及び負極板を1枚ずつ保持し積層ステージ上に移動して該ステージ上でセパレータを挟み込みながら積層しなければならず、積層作業が煩雑となるため多層の膜電極接合体の製造効率が悪いという問題があった。
また、正極板及び負極板を保持、移動する機構及びセパレータを折り畳むための機構が大掛かりとなるため、装置が大型化して装置のスペース効率が悪くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて、正極板、電解質層及び負極板を効率よく積層することができるとともに、製造装置をシンプルに構成することができる多層の膜電極接合体の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、正極板と負極板との間に電解質層を介装させつつこれら正極板と負極板とを交互に積層して形成される多層の膜電極接合体の製造方法であって、帯状に形成された集電体に正極活物質層が両板面に形成された状態で、第1の方向に延在させ、その後前記両板面の向きを反転させて折り返され、前記第1の方向と逆方向に延在させた正極板と、帯状に形成された集電体に負極活物質層が両板面に形成された状態で、前記正極板に交叉する第2の方向に延在させ、その後前記両板面を反転させて折り返され、前記第2の方向と逆方向に延在させた負極板とが、軸線上で交叉するとともに交互に配置された搬送状態で、前記正極板と前記負極板との間に電解質層を形成する工程と、前記搬送状態において前記正極板と前記負極板とが交叉してこれらの板面間方向に交互に配置された領域を打ち抜き、切り出された正極板と負極板との間に電解質層を介装させた積層体を形成する工程と、前記帯状の正極板及び前記帯状の負極板をそれぞれ搬送方向に搬送し、前記領域に前記正極板と前記負極板とを前記軸線上に交互に配置させた状態とする工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、正極板及び負極板の切り出しを同時に行うことができるとともに、正極板、電解質層、及び負極板の積層を前記切り出しと同時に行うことができる。また、切り出し後は、帯状の正極板及び帯状の負極板を搬送方向に送り出すことで、容易かつ迅速に次の打ち抜きが可能となる。
請求項2の発明は、前記帯状の正極板及び前記帯状の負極板は、それぞれつづら折り状に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、正極板、電解質層、及び負極板を多数対同時に積層することができる。また、正極板及び負極板がつづら折り状に形成されているため、製造装置の平面上の設置スペースを低減することができる。
請求項3の発明は、前記第1の方向に延在させた後に前記両板面の向きを反転させて折り返され、前記第1の方向と逆方向に延在させた前記正極板と、前記正極板に交叉する第2の方向に延在させた後に前記板面を反転させて折り返し、前記第2の方向と逆方向に延在させた前記負極板とが、前記軸線上で交互に配列された状態を一単位として、前記正極板と前記負極板とが交互に配置されるよう複数単位配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、正極板、電解質層、及び負極板を多数対同時に積層することができる。また、帯状の正極板及び帯状の負極板が一単位又は複数単位ごとに延在するよう設定することができる。
請求項4の発明は、前記電解質層を形成する工程において、前記帯状の正極板又は前記帯状の負極板のいずれか一方又は双方の板面に電解液を塗工しゲル状又は固体状の電解質層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、正極板及び負極板の搬送中に電解液を正極板又は負極板のいずれか一方又は双方に塗工してゲル状又は固体状に形成することができる。
請求項5の発明は、前記帯状の正極板と前記帯状の負極板とは、互いに直交する方向に交叉するよう配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、正極板と負極板とを正方形又は長方形に重ねて切り出すことができる。
請求項6の発明は、積層型電池であって、請求項1から5のいずれか1項に記載の多層の膜電極接合体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
本発明に係る多層の膜電極接合体の製造方法によれば、多層の膜電極接合体を簡便に製造することができるとともに、製造効率が高いという効果を奏する。また、多層の膜電極接合体の製造装置をコンパクトに設置することができるという効果を奏する。
は、本発明の一実施形態として示した製造方法を用いて製造された多層の膜電極接合体を模式的に示した斜視図である。 は、本発明の一実施形態として示した製造方法を用いて打ち抜かれた正極板又は負極板を示す平面図である。 は、本発明の一実施形態として示した多層の膜電極接合体の製造方法の製造工程の一部を示した模式図である。 は、本発明の一実施形態として示した多層の膜電極接合体の製造方法の製造工程を示した斜視図である。 は、多層の膜電極接合体の製造方法の製造工程の一部を示した平面図である。 は、本発明の一実施形態として示した多層の膜電極接合体の製造方法の変形例を示した図である。
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の製造方法により製造された多層の膜電極接合体1を示した斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態の製造方法の対象となる多層の膜電極接合体1は、電解液が塗工されて固体又はゲル状の電解質膜(本図においては不図示)が形成された正極板2aと、電解液が塗工されて電解質膜(本図においては不図示)が形成された負極板3aとを交互に積層し、正極板2aの端部から端子用タブ4を突出させるとともに、負極板3aの端部から端子用タブ5を突出させて形成されたものである。
図2に示すように、切り出された正極板2aは、略長方形に形成されたアルミニウム箔からなる集電体6に、端部7,7を残して両面に正極活物質層8を形成したものである。端部7は、端子用タブ4の接合代となっている。
正極活物質層8は、例えば正極活物質と、導電助剤、バインダーとなる結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーにより構成されたものであり、集電体6の端部7,7間の両面に塗布されている。
正極活物質としては、例えば一般式LiMxOy(ただし、Mは金属であり、x及びyは金属Mと酸素Oの組成比である)で表される金属酸リチウム化合物が用いられている。具体的には、金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム等が用いられている。
導電助剤としてはアセチレンブラック等が用いられ、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン等が用いられている。
正極板2aの端子用タブ4は、正極板2aの端部7に接合されて外方に突出するように設けられたものであり、例えばアルミニウム等により形成されている。
また、切り出された負極板3aは、図2において示した正極板2aと同様に、例えば略長方形に形成された銅(Cu)からなる集電体10に、端部11を残して両面に負極活物質層12を形成したものである。端部11は、端子用タブ5の接合代となる部分となっている。
負極活物質層12は、例えば負極活物質と、バインダーとなる結着剤、必要に応じて加えられた導電助剤を溶媒に分散させてなる負極用スラリーにより構成されたものであり、集電体10の端部11,11間の両面に塗布されている。
負極活物質としては、例えば炭素粉末や黒鉛粉末等からなる炭素材料やチタン酸リチウム等の金属酸化物が用いられている。
結着材には、例えばポリフッ化ビニリデン等が用いられ、導電助剤にはアセチレンブラック等が用いられている。
負極板3の端子用タブ5は、端部11に接合されて外方に突出するように設けられたものであり、例えばニッケル等により形成されている。
図3に示す電解質膜13は、帯状の正極板2及び負極板3の少なくとも一方の板面に電解液を塗工しゲル化又は固体化させたものである。この電解質膜13は、正極板2及び負極板3の両板面に設けられていることがより好ましい。
電解液は、例えば、高分子マトリックス及び非水電解質液(すなわち、非水溶媒及び電解質塩)からなり、ゲル化されて表面に粘着性を生じるものである。又は、電解液は、高分子マトリックス及び非水溶媒からなり、固体電解質となるものである。いずれの電解液であっても、該電解液が正極板2又は負極板3に塗工された際に粘着性を有するものが用いられる。また、電解液は、正極板2又は負極板3の板面から分離しない自立膜を形成するものであることが好ましい。
高分子マトリックスとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のアルキレンエーテルをはじめ、ポリエステル、ポリアミン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン等が用いられる。
非水溶媒は、γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル化合物;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;スルホラン等のスルホン化合物、ジメチルホルムアミド等のアミド化合物等、単独または2種類以上を混合して調製される。
また、電解液を固体電解質膜にする場合には、アセトニトリル等のニトリル化合物;テトラヒドロフラン等のエーテル化合物:ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物を単独または2種類以上を混合して調製される。
電解質塩としては、特に限定されないが六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩等が使用できる。
次に、本実施形態の多層の膜電極接合体1の製造方法について図1〜図5を用いて説明する。この多層の膜電極接合体1の製造方法は、図4に示すように、(I)帯状に形成された集電体6に正極活物質層8が両板面に形成された状態で第1の方向X1に延在し、その後両板面の向きを反転させて折り返し、第1の方向X1と逆方向X2に延在させた正極板2と、帯状に形成された集電体10に負極活物質層12が両板面に形成された状態で正極板2に交叉する第2の方向Y1に延在し、その後両板面を反転させて折り返し、第2の方向Y1と逆方向Y2に延在させた負極板3とが、軸線L上に交互に配置された搬送状態Pで、正極板2と負極板3との間に電解液を塗工し電解質層を形成する工程<電解質層形成工程>と、(II)搬送状態Pにおいて正極板2と負極板3とが交叉してこれらの板面間方向に交互に配置される領域Sを打ち抜き、図1に示す切り出された正極板2aと負極板3aとの間に電解質層6を介装させた多層の膜電極積層体1を形成する工程<多層の膜電極積層体>と、(III)帯状の正極板2及び帯状の負極板3をそれぞれ搬送方向Z1,Z2に移動させ、領域Sに正極板2と負極板3とを軸線L方向に交互に配置された状態とする工程<正極板及び負極板の搬送工程>とを備えている。
(I)電解質層形成工程
正極板2及び負極板3に電解質膜13を形成する工程においては、まず予め正極板2及び負極板3を形成しておく。
正極板2の形成においては、アルミニウム箔等を用いて集電体6とし、該集電体6に図2に示すような端部7,7を設定する。そして、端部7,7間の両面に正極用スラリーを塗布し、乾燥させて集電体6上に正極活物質層8を設けロール状にした帯状の正極板2を作製しておく。なお、正極用スラリーの塗布後は、必要に応じてプレスを行ってもよい。
負極板3の形成においては、銅箔等を用いて、集電体10とし、該集電体10に図2に示すような端部11,11を設定する。そして、端部11,11間の両面に負極用スラリーを塗布し、乾燥させて集電体10上に負極活物質層12を設けロール状にした帯状の負極板3を作製しておく。なお、負極用スラリーの塗布後は、必要に応じてプレスを行ってもよい。
そして、図4に示すように、上記のようにして帯状に形成された正極板2を第1の方向X1に延在させ、その後両板面の向きを反転させて折り返し、第1の方向X1と逆方向X2に延在させ、再び板面を反転させて折り返し第1の方向X1に延在させる。
一方、帯状に形成された負極板3は、正極板2に直交する第2の方向Y1に延在させ、その後両板面を反転させて折り返し、第2の方向Y1と逆方向Y2に延在させる。この際、正極板2の延在方向X1,X2に位置する部分と、負極板3の延在方向Y1,Y2に位置する部分とが、軸線L上に交互に配置されるように正極板2及び負極板3を設置する。なお、この状態は正極板2及び負極板3の搬送状態Pを構成している。また、正極板2及び負極板3は、電解液を塗工する前に、乾燥炉等で十分に水分を飛ばして乾燥し、電解液の塗工を良好に行えるようにしておく。
正極板2及び負極板3を上記の搬送状態Pにおいて、正極板2及び負極板3の搬送開始位置近傍K1,K2で正極板2及び負極板3の一方又は双方の板面に電解液を塗布し、塗布された電解液を冷却して図3に示すゲル状又は固体の電解質膜13を形成する。
(IV)多層の膜電極積層体1の積層工程
多層の膜電極積層体1の積層工程(打ち抜き工程)においては、搬送状態Pにおいて、図5に示すように正極板2と負極板3とが交叉してこれらの板面間方向に重なる領域Sを打ち抜き、図1に示すように、切り出された正極板2aと負極板3aとの間に電解質層6を介装させた積層体(多層の膜電極積層体)1を形成する。
(III)正極板2及び負極板3の搬送工程
そして、図4に示すように、帯状の正極板2及び帯状の負極板3をそれぞれ搬送方向Z1(すなわち第1の方向X1,逆方向X2,第1の方向X1の順の進行方向),搬送方向Z2(すなわち第2の方向Y1,逆方向Y2,第2の方向Y1,逆方向Y2の順の進行方向)に向けて移動させ、領域Sに正極板2と負極板3とが再び軸線L方向に交互に配置された状態とし、領域Sを打ち抜ける状態にする。
このようにして、図1に示すような4枚の負極板3aの間に3枚の正極板2aが配置されるとともに正極板2aと負極板3aとの間にゲル状の電解質膜(電解質層)6(図3参照)が介装された多層の膜電極接合体1が得られる。また、多層の膜電極積層体1の積層工程(打ち抜き工程)と正極板2及び負極板3の搬送工程とを繰り返すことにより、連続的に多層の膜電極積層体1を作製することができる。
この場合、帯状の負極板3は、帯状の正極板2の折り返し回数よりも1回多く折り返され、負極板3aが軸線L上で最外層に位置するよう設定されているため、多層の膜電極接合体1の最外層に位置する電極板は、負極板3a,3aとなる。
このように多層の膜電極接合体1を形成することにより、最外層に正極板2aを位置させることにより生じ得るリチウムの樹枝状析出物(デンドライト)の発生を防止してショート等の不具合を引き起こすおそれを回避することができる。なお、左記デンドライトの発生は、多層の膜電極接合体1の最外層に正極板2aが位置し、かつ正極板2aの外方を向く(すなわち負極板3aに対向していない)板面に正極活物質層8が形成されている場合であるので、多層の膜電極接合体1の正極板2aと負極板3aの双方の枚数を調整せず正極板2aを最外層に位置させる場合であっても、該最外層に位置する正極板2aの外方を向く板面に正極活物質層8を形成しないことによっても、デンドライトの発生を防止してショート等の不具合を引き起こすおそれを回避することができる。
上記の方法で得られた多層の膜電極接合体1は、端子用タブ4,5を外方に突出させた状態で、例えばラミネートフィルム等の不図示のケースで包装し、外周を封止してリチウムイオン二次電池等の積層型電池となる。
以上のように、本発明の多層の膜電極接合体1の製造方法によれば、帯状に形成された正極板2と帯状に形成された負極板3とをつづら折り状態にして互いに直交するよう配置した搬送状態Pに置き、正極板2と負極板3とが交叉して重なる軸線L上の領域Sを打ち抜くことによって、正極板2aと負極板3aの作成が同時に行われるとともに、正極板2aと負極板3aとが交互に配置されるように積層することができ、これらの作業を一括して効率良く行うことができるという効果が得られる。
また、帯状の正極板2及び負極板3の折り返し回数を調整することで、簡単に所望の積層枚数を有する多層の膜電極接合体1を得ることが可能となるという効果が得られる。
また、帯状の正極板2及び負極板3の領域Sにおける打ち抜き後は、帯状の正極板2及び負極板3を搬送方向Z1,Z2に搬送して、図5に示す貫通孔20が形成された位置をずらすことによって、直ちに再び正極板2及び負極板3を打ち抜き可能状態とすることができ、正極板2及び負極板3の打ち抜き及び搬送を繰り返すことで多層の膜電極接合体1の製造効率を高めることができるという効果を奏する。
また、正極板2の打ち抜き、負極板3の打ち抜き、正極板2と負極板3との積層が一箇所で行われるため、多層の膜電極接合体1の製造装置をコンパクトにすることができ、製造装置の設置スペースを削減することができるという効果が得られる。
また、ゲル状又は固体の電解質を用いた多層の膜電極接合体1をリチウムイオン二次電池等の積層型電池に適用することにより、積層状態が良好で液漏れせず、かつ製造費用を抑えた好適な積層型電池を製造することができるという効果が得られる。
上記実施形態においては、正極板2と負極板3とが直交する搬送状態Pとしたが、この位置関係に限定されるものではなく、正極板2と負極板3とが軸線L上で交叉し、一定領域Sを打ち抜くことができるのであれば、どのような角度で交叉させてもよい。
また、上記の実施形態においては、つづら折り状態に設置された正極板2と負極板3とが交叉するように組み合わされた構成とされているが、図6に示すように、側面視コ字状に配置された(すなわち、第1の方向X1に延在させた後に両板面の向きを反転させて折り返し、更に第1の方向X1と逆方向X2に延在させた)正極板2と、側面視逆コ字状に配置された(すなわち、第2の方向Y1に延在させた後に両板面を反転させて折り返し、第2の方向Y1と逆方向Y2に延在させた)負極板3とが、軸線L上で交互に配列させた状態を一単位Dとし、一単位Dずつ配置された正極板2と負極板3とが軸線L上で交互に配置されるよう複数単位D,D・・を配置し、軸線L方向に領域Sを打ち抜けるようにしたものであってもよい。
また、一単位D以上のつづら折り状に設置された正極板2及び負極板3と一単位Dの正極板2及び負極板3とを軸線上に領域Sが形成されるように配置し、軸線L方向に領域Sを打ち抜けるようにしたものであってもよい。
1 多層の膜電極接合体
2 帯状の正極板
2a 切り出された正極板
3 帯状の負極板
3a 切り出された負極板
6 集電体
8 正極活物質層
10 集電体
12 負極活物質層
13 ゲル状電解質膜(電解質層)
D 一単位
L 軸線
S 領域
P 搬送状態
X1 第1の方向
X2 第1の方向と逆方向
Y1 第2の方向
Y2 第2の方向と逆方向
Z1,Z2 搬送方向

Claims (6)

  1. 正極板と負極板との間に電解質層を介装させつつこれら正極板と負極板とを交互に積層して形成される多層の膜電極接合体の製造方法であって、
    帯状に形成された集電体に正極活物質層が両板面に形成された状態で、第1の方向に延在させ、その後前記両板面の向きを反転させて折り返され、前記第1の方向と逆方向に延在させた正極板と、帯状に形成された集電体に負極活物質層が両板面に形成された状態で、前記正極板に交叉する第2の方向に延在させ、その後前記両板面を反転させて折り返され、前記第2の方向と逆方向に延在させた負極板とが、軸線上で交叉するとともに交互に配置された搬送状態で、前記正極板と前記負極板との間に電解質層を形成する工程と、
    前記搬送状態において前記正極板と前記負極板とが交叉してこれらの板面間方向に交互に配置された領域を打ち抜き、切り出された正極板と負極板との間に電解質層を介装させた積層体を形成する工程と、
    前記帯状の正極板及び前記帯状の負極板をそれぞれ搬送方向に搬送し、前記領域に前記正極板と前記負極板とを前記軸線上に交互に配置させた状態とする工程とを有することを特徴とする多層の膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記帯状の正極板及び前記帯状の負極板は、それぞれつづら折り状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の多層の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記第1の方向に延在させた後に前記両板面の向きを反転させて折り返され、前記第1の方向と逆方向に延在させた前記正極板と、前記正極板に交叉する第2の方向に延在させた後に前記板面を反転させて折り返し、前記第2の方向と逆方向に延在させた前記負極板とが、前記軸線上で交互に配列された状態を一単位として、前記正極板と前記負極板とが交互に配置されるよう複数単位配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記電解質層を形成する工程において、前記帯状の正極板又は前記帯状の負極板のいずれか一方又は双方の板面に電解液を塗工しゲル状又は固体状の電解質層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層の膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記帯状の正極板と前記帯状の負極板とは、互いに直交する方向に交叉するよう配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の多層の膜電極接合体の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の多層の膜電極接合体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする積層型電池。
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