JP2013137279A - 水質評価方法、水処理システムの制御方法、および、水処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被分離物質を原水から分離するRO膜モジュールのRO膜に吸着する被分離物質の吸着量を測定して原水の水質を評価する水質評価方法とする。そして、RO膜より上流に配置される主吸着量測定センサ25aおよび副吸着量測定センサ25bの測定部に備わる、RO膜と同質の薄膜のそれぞれに吸着する被分離物質の質量の差から、RO膜モジュールのRO膜に吸着する被分離物質の吸着量を、生きている微生物と他の有機物とに区分して測定することを特徴とする。また、その水質評価方法を利用して水処理システムを制御する制御方法、および、水処理システムとする。
【選択図】図2
Description
また、特許文献2には、逆浸透膜システム内にバイオフィルム形成基材を配し、バイオフィルム量を測定してシステムの運転を制御する制御方法が開示されている。
したがって、水処理システムには、これら分離膜の目詰まりを防止するための前処理が必要になり、ファウリングの原因物質となりうる被分離物質を可能な限り除去する工程が組み込まれている。
また、分離膜の表面への分子の吸着に関する評価方法もいくつか提案されており、水処理システムではこのような評価方法に基づいて前処理の工程を実行するように構成されるが、例えば、従来の評価方法では、分離膜の表面に吸着した被分離物質を培地として増殖する微生物によるファウリングを評価できないなどの課題もある。
また特許文献2には、分離膜そのものをシステム内に配置して適宜切り出し、生物が持つエネルギ物質であるATP(アデノシン三りん酸)の量で表面に付着したバイオフィルム量を評価する技術が開示されている。この技術では、細胞として存在する被分離物質(生物由来の物質)は検出可能であるが、バイオフィルムの増殖培地となりうる非生物由来の被分離物質(有機物由来の物質)は検出できない。また、システム内からバイオフィルム形成基材を切り出して分析するため、システム内の水質変化を連続的にインラインで監視できない。
前記したように、従来、分離膜に吸着する被分離物質の吸着量は、生きている微生物とそれ以外の有機物とに区分してインラインで評価できない。このため、原水の水質が低下したときには、前処理において、微生物を殺菌する殺菌剤および有機物を取り除くためのpH調整剤や凝集剤の注入量を増やすことになりコストが増大するという課題があった。
例えば、生きている微生物量が増加しているにもかかわらず、pH調整剤や凝集剤の注入量も増やすことになってコストが増大する。
この課題を解決するために、複数の評価方法を組み合わせる構成も考えられるが、この場合は前処理の制御ロジックが複雑になるという問題がある。
本実施形態ではRO膜を用いて海水を淡水化する海水淡水化システムを水処理システムの例とするが、本発明は、RO膜のほかNF膜、イオン交換膜などを用いた海水淡水化システム、排水を浄化して再利用水を生成する再利用水製造システム、純水や超純水を生成する純水・超純水製造システム等にも適用できる。
なお、取水管11内で微生物、藻類、貝類等が増殖して取水管11が閉塞することを防止するため、これらの生物の増殖を防止する薬品(殺菌剤等)が取水管11内に注入される構成としてもよい。
なお、殺菌剤として注入される次亜塩素酸や塩素は、脱塩部30のRO膜モジュール32に備わるRO膜の膜機能を低下させるため、原水がRO膜モジュール32に送水される前に還元される構成が好ましい。そのため、殺菌剤の過剰な注入は回避されることが好ましく、殺菌剤注入部24aには殺菌剤の注入量を調節する調節バルブVL1が備わっている。
また、殺菌剤注入部24aから取水管11に殺菌剤が注入される構成であってもよい。この場合、取水管11に殺菌剤を注入する管路にも注入量を調節する調節バルブVL1が備わる構成が好ましい。
中和還元剤注入部24dからは、pH3〜5の酸性に調整されている原水を中和するための中和剤や、主に殺菌剤を還元するための還元剤が原水に注入される。符号VL4は、中和剤や還元剤の注入量を調節する調節バルブである。
RO膜モジュール32に備わるRO膜の表面(RO膜表面)には半透膜が用いられている。半透膜は、水分子および被分離物質と膜の相互作用の違いによって水分子のみを透過させる膜であり、酢酸セルロース系のものと芳香族ポリアミド系のものがある。このうち、芳香族ポリアミド系のRO膜は水分子の透過性や電解質除去性能が高いため工業用の半透膜として広く用いられている。本実施形態は、芳香族ポリアミド系のRO膜を使用する構成とするが、酢酸セルロース系のRO膜を使用する構成としてもよい。
なお、濃縮水タンク35に貯水された濃縮水を例えば海に戻す排水系(図示せず)が備わる場合もある。この場合、排水系では、塩分濃度を低下させる処理や、塩分および化学薬品の原料となりうる物質を取り出す処理が実施されるように構成される。
ろ過方式の1つは「全量ろ過方式」であり、原水の全量を分離膜に通す方式である。この方式では分離膜を透過しない被分離物質は分離膜の膜面に堆積する。そして、被分離物質の堆積によって分離膜の微孔が閉塞するため、透過水量が運転時間とともに低下する現象(ファウリング)が発生する。
精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、RO膜を用いたモジュールでは、クロスフローろ過方式が用いられる場合がある。
クロスフローろ過方式の分離膜に吸着する有機物としては、膜面付近で電解質の濃度が高くなって析出するスケール、原水に含まれる微生物が膜面で増殖することによるバイオファウリングのほか、原水に含まれる有機物が吸着する有機物スケールなどがある。
しかしながら、有機物スケールはせん断力で完全に除去することができず、長時間の運転によって次第に蓄積する。例えば、図1に示す海水淡水化システム1の場合、前処理部20の構成や性能、海水(原水)の水質、薬注システム24で注入される薬品の種類等による変動はあるが、TOC(Total Organic Carbon:全有機炭素量)換算で、0.1〜10mg/L程度の有機物が脱塩部30に送水される原水に含まれる。
図1に示す海水淡水化システム1の場合、海水(原水)に含まれる微生物は、殺菌剤注入部24aから注入される殺菌剤によって死滅する。しかしながら、前記したようにRO膜(特に、芳香族ポリアミド系)は殺菌剤である次亜塩素酸や塩素に弱いため、殺菌剤が還元剤によって還元されて殺菌成分が含まれない状態の原水が脱塩部30に送水される。
脱塩部30を構成する配管等の部材は施工後に充分洗浄され、さらに、使用開始後も定期的に薬品によって洗浄されるが、配管等の部材から完全に微生物を排除することは不可能である。
また、殺菌剤注入部24aから注入される殺菌剤で殺菌しきれない微生物が脱塩部30に流れ込むこともあり、脱塩部30(より詳細には、RO膜供給水タンク23の下流)に微生物が存在する場合がある。そしてこの場合、脱塩部30に送水される原水には殺菌成分(殺菌力のある殺菌剤)が含まれていないため、脱塩部30に存在する微生物を除去できず、このように脱塩部30に存在する微生物によってバイオフィルムが形成される。
このようなエレメントの交換時は、海水淡水化システム1を長時間停止するため稼動率が低下する。また、エレメントの部品代や交換の作業費用がランニングコストに加算されるため、海水淡水化システム1のランニングコストが上昇する。
例えば、有機物についてはRO膜との親和性の違い等、微生物については増殖力やバイオフィルムの特性(粘性や代謝物の分子量など)の違い等、によってファウリング発生に対する影響度が異なる。したがって、原水の全有機炭素量および微生物量(ATP(アデノシン三りん酸)量)と、RO膜でのファウリング発生と、の相関が必ずしも高いとはいえない。換言すると、全有機炭素量や微生物量に基づいてRO膜の交換時期を判定すると、本来は交換する必要のないときに交換する場合もある。
図2に示すように、吸着量測定部25は、RO膜供給水タンク23より下流(つまり、RO膜供給水タンク23より脱塩部30(図1参照)の側)に配置され、2つの重量計測センサ(主吸着量測定センサ25a、副吸着量測定センサ25b)を有してなる。
殺菌装置25cの構成は限定されるものではなく、本実施形態においては紫外線を原水に照射して微生物を殺菌する構成とする。
図3に示すように、主吸着量測定センサ25aは、例えば、厚さ約0.3mm、直径約14mmの薄い円板形状を呈する水晶振動子(ATカット水晶板250a)の両面に厚さ約300nmの金電極250bが形成され、さらに、測定面F1には厚さ約100nmのSiO2(250c)がスパッタ成膜されているセンサチップ250(例えば、Q−Sense社製の市販品)の測定面F1に、芳香族ポリアミド膜251が成膜された構成とする。
なお、SiO2(250c)がスパッタ成膜されている測定面F1と反対側の面を裏面F2と称する。
ステップS1(裏面保護):裏面F2にマスキングフィルム等を貼り付けて覆い、裏面F2を被覆保護する。
ステップS2(ドライ洗浄):測定面F1にエキシマUV(波長192nm)を照射し、表面を親水化するとともに油脂分などを除去する。
ステップS3(シランカップリング処理):シランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)の1%水溶液にセンサチップ250を2分間浸した後、取り出したセンサチップ250を流水ですすいで窒素ブローで液切りする。
ステップS4(加熱):センサチップ250を80℃で10分間加熱し、カップリング反応させる。
ステップS5(ジアミン水溶液中に浸漬):センサチップ250を、測定面F1を上方に向けてシャーレ等の容器に入れ、0.04wt%のm−フェニレンジアミン水溶液を、センサチップ250の全体が浸漬するように注ぎ入れる。
ステップS6(ジカルボン酸ヘキサン溶液滴下):m−フェニレンジアミン水溶液の表面に、約1mmの厚みで積層されるように0.04wt%のテレフタル酸クロリドのヘキサン溶液を注入する。
ステップS7(ポリアミド薄膜形成):20〜30秒間静置して界面にポリアミド薄膜を形成させる。
ステップS8(転写):センサチップ250を斜めに引き上げて界面に形成されたポリアミド薄膜をセンサチップ250の測定面F1に転写する。
ステップS9(加熱):センサチップ250を、80℃のホットプレートで5分間加熱してセンサチップ250に残存している水溶液を蒸発させる。
ステップS10(洗浄):センサチップ250を純水で洗浄して、余剰のm−フェニレンジアミン水溶液を除去し、窒素ブローで液切りする。
ステップS11(保護材除去):裏面F2に貼り付けたマスキングフィルムを剥がす。
以上、ステップS1〜S11の工程によって、センサチップ250の測定面(SiO2(250c)が成膜されている面)に均一の膜厚(本実施形態においては70nm)で芳香族ポリアミド膜251が形成される。
良溶媒で水とも相溶性のあるN−メチルピロリドンでポリアミド溶液を調製し、この溶液をセンサチップ250の測定面F1にスピン塗布して液膜を生成後、高湿度の水蒸気内に入れることによって、N−メチルピロリドンの一部と水蒸気中の水とが置換し液膜中で相分離が生じる。この際、水に溶解しないポリアミドは水の部分に存在しない。この状態で150℃以上に加熱すると溶媒(N−メチルピロリドン、水)が除去され、水の存在していた部分が空孔となって多孔質膜が形成される。
このように多孔質のポリアミドとすると、センサチップ250の測定面F1に形成される薄膜の表面積が大きくなって測定の感度が向上する。
有底の外部リング260は底部260aが主配管PMの配管内部側、すなわち、原水側となるように主配管PMに取り付けられ、底部260aの例えば中央には貫通孔260bが開口している構成が好ましい。
また、外部リング260の内側に嵌合したインサート261の、外部リング260の底部260aの下側と対向する上面261aには、例えば弾性部材からなるOリング262aが円環状に形成され、外部リング260の底部260aにおいてインサート261の上面261aと対面する側には、インサート261のOリング262aと対向するように弾性部材からなるOリング262bが円環状に形成される。
また、主吸着量測定センサ25aは測定面F1が外部リング260の底部260a側となるように挟持される構成とする。この構成によると、主吸着量測定センサ25aの測定面F1は底部260aに開口する貫通孔260bを介して、主配管PMを流通する原水と接触する。また、Oリング262a、262bと主吸着量測定センサ25aとが液密の状態を維持できる好適な押圧力で、主吸着量測定センサ25aが挟持される構成が好ましい。この構成によって、主吸着量測定センサ25aの裏面F2が主配管PMを流れる原水と接触することを回避できる。
この構成によって、主吸着量測定センサ25aの周囲温度を一定に維持することができ、センサチップ250(図3参照)の共振周波数の温度変化を抑制できる。
なお、温度センサ264aは、インサート261に埋設される構成に限定されない。例えば、主吸着量測定センサ25aの近傍に配置されて主吸着量測定センサ25aの近傍の温度を計測する構成としてもよい。
なお、主吸着量測定センサ25aおよび副吸着量測定センサ25bの構造、主吸着量測定センサ25aおよび副吸着量測定センサ25bによる質量の計測方法の詳細は、前記した特許文献1に記載されている。
そして、主配管PMには殺菌装置25cが備わらないため、主吸着量測定センサ25aの測定面F1には、生きている微生物とその他の有機物が吸着する。つまり、主吸着量測定センサ25aの測定値は、RO膜モジュール32のRO膜に吸着するファウリングの原因物質のうち、微生物由来の原因物質の吸着量と有機物由来の原因物質の吸着量(質量)を測定した値となる。
したがって、主吸着量測定センサ25aの測定値(質量)は、副吸着量測定センサ25bの測定値(質量)よりも重くなる。
このことから、主吸着量測定センサ25aおよび副吸着量測定センサ25bの測定面F1に吸着する被分離物質の吸着量は、RO膜モジュール32のRO膜に吸着する被分離物質の吸着量を模擬しているといえる。
さらに、副吸着量測定センサ25bの測定面F1に吸着する被分離物質の吸着量は、被分離物質のうち、有機物由来の被分離物質のみの吸着量を模擬しているといえる。
したがって、主吸着量測定センサ25aの測定値WAと副吸着量測定センサ25bの測定値WBから、RO膜モジュール32のRO膜へのファウリングの原因物質の吸着量を、少なくとも微生物由来とそのほかの有機物由来とで区分して測定できる。ひいては、海水淡水化システム1(図1参照)で処理する原水の水質を評価できる。
前記したように、分岐配管PBに備わる副吸着量測定センサ25b(図2参照)の測定値WBは有機物由来の被分離物質の質量を示す値であって物理的に分離可能な被分離物質のRO膜への吸着量を示す。そこで、例えば、副吸着量測定センサ25bの測定値WBが所定の増加量を超えないように、pH調整剤の濃度、凝集剤の注入量、限外ろ過膜モジュール22(図1参照)における加圧圧力、が制御される構成とする。
つまり、RO膜モジュール23(図1参照)のRO膜への有機物の吸着が所定値を超えて増える場合は、前処理部20(図1参照)での前処理工程における有機物の除去を強化する構成とする。
例えば、副吸着量測定センサ25bの測定値WBの単位時間当たりの増加量が予め設定される所定値を超えないように凝集剤の注入量を調節する構成とする。この場合、凝集剤の注入量を必要最低限とするため、測定値WBの単位時間当たりの増加量が所定量以下のときは凝集剤の注入量を段階的に減らす構成が好ましい。
前記したように主吸着量測定センサ25aの測定値WAと副吸着量測定センサ25bの測定値WBの差ΔWは、前処理部20(図1参照)で殺菌されない微生物がRO膜モジュール32(図1参照)のRO膜で増殖する増殖量を示す。そこで、微生物の増殖を抑制する(増殖量ΔWの増加を抑える)ように前処理部20における殺菌処理を調節する構成とする。
例えば、微生物の増殖量ΔWが副吸着量測定センサ25bの測定値WBの20%以下を維持するように前処理部20における殺菌剤の濃度や間歇注入の間隔を調節し、さらに、還元剤の濃度や注入量を調節する構成とする。
つまり、RO膜モジュール32のRO膜において、微生物が予め決定される所定の増殖量ΔWを超えて増殖するときには、前処理部20での前処理工程における微生物の殺菌を強化する構成とする。
しかしながら、RO膜モジュール32における微生物の増殖が増加すると、前処理部20での殺菌を強化しても増殖を抑制できない。したがって、例えば、バイオファウリング量(微生物の増殖量ΔW)が予め設定される所定値を超えた場合は、そのときの殺菌剤の濃度や間歇注入の間隔を維持するように構成する。このことによって、前処理部20の原水における殺菌剤の濃度を必要最低限とすることができる。
主配管PMに備わる主吸着量測定センサ25a(図2参照)の測定値WAは、RO膜モジュール32(図1参照)のRO膜のエレメント、特に、RO膜モジュール32で最も上流に配置されるエレメントへの被分離物質の吸着量を示す。そこで、例えば、主吸着量測定センサ25aの測定値WAが所定値を超えたときに、RO膜モジュール32に洗浄剤を流して洗浄する構成とする。
また、主吸着量測定センサ25aの測定値WAと副吸着量測定センサ25b(図2参照)の測定値WBから、RO膜に吸着している微生物由来の被分離物質と、有機物由来の被分離物質の存在比率が明らかになるので洗浄剤の濃度や流量を調節できる。
例えば、微生物由来の被分離物質の存在比率が高いときに、微生物の洗浄に有効な洗浄剤の濃度を高めたり流量を増やしたりできる。
この構成によって、RO膜モジュール32のRO膜と、主吸着量測定センサ25aの測定面F1と、副吸着量測定センサ25bの測定面F1の全てを、洗浄後に同じ状態にすることができる。なお、洗浄後に主配管PMおよび分岐配管PBに原水(海水)を流すと、微生物由来の被分離物質および有機物由来の被分離物質が洗浄された分だけ主吸着量測定センサ25aおよび副吸着量測定センサ25bの測定値が減少するため、それぞれの測定値WA、WBによって洗浄の効果を確認できる。
そして、微生物由来の被分離物質のRO膜への吸着量と、有機物由来の被分離物質のRO膜への吸着量と、に応じて好適に海水淡水化システム1を運転して、効率よく海水を淡水化できる。
例えば図2に示す殺菌装置25cは紫外線を原水に照射する構成のほか、殺菌剤を原水に注入して微生物を殺菌する構成としてもよい。この場合、副吸着量測定センサ25bの測定面F1(図3参照)に成膜される芳香族ポリアミド膜251(図3参照)が次亜塩素酸や塩素などの殺菌剤で劣化することを防止するため、殺菌装置25cは、殺菌剤が注入された原水が副吸着量測定センサ25bに到達する前に、殺菌剤を還元する還元剤を原水に注入する構成であることが好ましい。
また、分岐配管PBを流れた原水を溜める貯水槽(図示せず)が備わる構成であってもよい。
10 海水取水部
20 前処理部
30 脱塩部
25a 主吸着量測定センサ(重量計測センサ)
25b 副吸着量測定センサ(重量計測センサ)
25c 殺菌装置
32 RO膜モジュール(RO膜、分離膜)
250 ATカット水晶板(水晶振動子)
F1 測定面(測定部)
PM 主配管
PB 分岐配管
Claims (10)
- 被分離物質を原水から分離する分離膜に吸着する当該被分離物質の吸着量を測定して前記原水の水質を評価する水質評価方法において、
前記分離膜より上流に配置される2つの重量計測センサの測定部に備わる、前記分離膜と同質の薄膜のそれぞれに吸着する前記被分離物質の質量の差から、前記分離膜に吸着する前記被分離物質の吸着量を、生きている微生物と他の有機物とに区分して測定することを特徴とする水質評価方法。 - 2つの前記重量計測センサのうちの1つの上流で、前記原水に含まれる微生物を殺菌することを特徴とする請求項1に記載の水質評価方法。
- 前記分離膜の上流で前記原水の流れを2つに分岐し、
分岐した1方では、微生物を殺菌した下流で1つの前記重量計測センサの前記測定部に吸着した前記被分離物質の質量を測定し、
分岐した他方では、微生物を殺菌することなく他の1つの前記重量計測センサの前記測定部に吸着した前記被分離物質の質量を測定すること、を特徴とする請求項2に記載の水質評価方法。 - 前記原水に紫外線を照射して微生物を殺菌することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の水質評価方法。
- 前記原水に殺菌剤を注入して微生物を殺菌し、
その後、前記原水に前記殺菌剤を還元する還元剤を注入することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の水質評価方法。 - 前記分離膜が逆浸透膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の水質評価方法。
- 水晶振動子の1つの面に前記薄膜が成膜されてなる前記測定部を備える前記重量計測センサを用いた水晶振動子マイクロバランス法によって、前記分離膜に吸着する前記被分離物質の質量を測定することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の水質評価方法。
- 被分離物質を原水から分離する分離膜を備え、
前記分離膜の上流での前処理工程で、前記原水に含まれる微生物を殺菌する工程と、前記原水に含まれる有機物を除去する工程と、を実行する水処理システムの制御方法であって、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の水質評価方法で前記前処理工程後の前記原水の水質を評価し、前記分離膜への有機物の吸着が所定値を超えて増える場合は前記有機物を除去する工程での有機物除去を強化し、
前記分離膜で生きている微生物が所定値を超えて増殖する場合は、前記微生物を殺菌する工程での殺菌を強化することを特徴とする水処理システムの制御方法。 - 原水に含まれる微生物を殺菌する工程と、前記原水に含まれる有機物を除去する工程と、を有する前処理工程を実行する前処理部の下流に分離膜を備え、前記前処理工程後の前記原水に含まれる被分離物質を前記分離膜で分離する水処理システムであって、
前記前処理工程後の前記原水に含まれる前記被分離物質を、前記分離膜と同質の薄膜が成膜された測定部に吸着させて当該被分離物質の吸着量を測定する、2つの重量計測センサが前記分離膜の上流に備わり、
2つの前記重量計測センサの1方の上流には前記原水に含まれる微生物を殺菌する殺菌装置が備わり、
2つの前記重量計測センサの他方の上流には前記殺菌装置が備わらないことを特徴とする水処理システム。 - 前記前処理部から前記分離膜まで前記原水を流すための主配管に前記重量計測センサの1つが備わり、
前記主配管に備わる前記重量計測センサをバイパスするように前記主配管から分岐して配管される分岐配管に前記殺菌装置と前記重量計測センサの1つが備わること、を特徴とする請求項9に記載の水処理システム。
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