JP2013136243A - ポリプロピレン射出成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の手順(1)及び(2)により得られるX線回折プロファイルに基づいて下記式(I)から算出されるK値が0.05以上、0.35以下であるポリプロピレン射出成形体。
(1)前記成形体を製造した時に溶融樹脂が流動した方向の第一の軸と、これに直交する前記成形体の厚み方向の第二の軸との両方を含む平面に平行に前記成形体を切断して、切断面を形成する。
(2)前記切断面における前記成形体の表面にある位置から深さ100μmにある位置までの領域にX線を照射してX線回折プロファイルを測定する。
K値=Hβ/(Hβ+HαI+HαII+HαIII) (I)
(Hβはβ晶(300)面、HαIはα晶(110)面、HαIIはα晶(040)面、HαIIIはα晶(130)面のそれぞれの結晶性回折に対応するピークの強度である。)
【選択図】なし
Description
ポリプロピレン射出成形体であって、
以下に定める手順(1)及び(2)により得られるX線回折プロファイルに基づいて下記式(I)から算出されるK値が0.05以上、0.35以下であるポリプロピレン射出成形体。
(1)射出成形により前記成形体を製造した時に溶融樹脂が流動した方向の第一の軸と、該第一の軸と直交する前記成形体の厚み方向の第二の軸との両方を含む平面に平行に前記成形体を切断して、切断面を形成する。
(2)前記切断面における前記成形体の表面にある位置から、前記切断面における前記成形体の表面から深さ100μmにある位置までの領域にX線を照射してX線回折プロファイルを測定する。
K値=Hβ/(Hβ+HαI+HαII+HαIII) (I)
(式中、HβはX線回折プロファイルにおけるβ晶(300)面の結晶性回折(2θ=16°)に対応するピークの強度、HαIはX線回折プロファイルにおけるα晶(110)面の結晶性回折に対応するピークの強度、HαIIはX線回折プロファイルにおけるα晶(040)面の結晶性回折に対応するピークの強度、HαIIIはX線回折プロファイルにおけるα晶(130)面の結晶性回折に対応するピークの強度である。)
に係るものである。
本発明に係るポリプロピレン射出成形体は、
以下に定める手順(1)及び(2)により得られるX線回折プロファイルに基づいて下記式(I)から算出されるK値が0.05以上、0.35以下であるポリプロピレン射出成形体である。
(1)射出成形により前記成形体を製造した時に溶融樹脂が流動した方向の第一の軸と、該第一の軸と直交する前記成形体の厚み方向の第二の軸との両方を含む平面に平行に前記成形体を切断して、切断面を形成する。
(2)前記切断面における前記成形体の表面にある位置から、前記切断面における前記成形体の表面から深さ100μmにある位置までの領域にX線を照射してX線回折プロファイルを測定する。
K値=Hβ/(Hβ+HαI+HαII+HαIII) (I)
(式中、HβはX線回折プロファイルにおけるβ晶(300)面の結晶性回折(2θ=16°)に対応するピークの強度、HαIはX線回折プロファイルにおけるα晶(110)面の結晶性回折に対応するピークの強度、HαIIはX線回折プロファイルにおけるα晶(040)面の結晶性回折に対応するピークの強度、HαIIIはX線回折プロファイルにおけるα晶(130)面の結晶性回折に対応するピークの強度である。)
射出成形により前記成形体を製造した時に溶融樹脂が流動した方向の第一の軸と、該第一の軸と直交する前記成形体の厚み方向の第二の軸との両方を含む平面に平行に、日本分光社製角度可変スライサーHW−01を用いて、前記成形体を厚み0.5mmに切断して、切断面を形成する。
前記切断面における前記成形体の表面にある位置から、前記切断面における前記成形体の表面から深さ100μmにある位置までの領域にX線を切断面に対して垂直に照射して、X線回折の2次元パターンを、次の条件にて測定する。
X線装置:Rigaku社製NANO−Viewer
線源:Cu−Kα
波長:1.54Å
ビーム径:0.25mmφ
検出器:イメージングプレート、もしくは、DECTRIS社製PILATUS100K/R
カメラ距離:80mm
回折角:5〜25°
露光時間:6分(2分×3)
ただし、回折角5〜25°までのX線回折の2次元パターンを得るために、試料ならびにX線ビーム位置を固定した状態において、検出器を3回移動させ、露光時間2分に対して得られた各位置での2次元X線回折パターンをRigaku社製ソフトウェア(NANO−Viewer)を用いて継ぎ合わせる。
上記の測定方法および測定条件により得られた2次元X線回折パターンの回折強度を、全方位角に対して円周平均し、回折角−強度プロファイルに変換する。
次いで、A.Turner Jones et al, Macromol. Chem.,75,134(1964)に記載されている方法に従う。具体的には、得られた回折角−強度プロファイルから、非晶性散乱を差し引いた後、β晶(300)面の結晶性回折(2θ=16°)に対応するピークの強度(Hβ)、α晶(110)面の結晶性回折に対応するピークの強度(HαI)、α晶(040)面の結晶性回折に対応するピークの強度(HαII)、α晶(130)面の結晶性回折に対応するピークの強度(HαIII)を求め、次の式(I)よりK値を算出する。
K値(強度比)=Hβ/(Hβ+HαI+HαII+HαIII) (I)
本発明で用いられるポリプロピレンは、
(I)プロピレンに由来する単量体単位を90重量%以上含有する重合体(該重合体全体の量を100重量%とする)、
(II)プロピレンに由来する単量体単位とエチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単量体単位とからなるランダム共重合体、または、
(III)多段重合によって得られ、プロピレンに由来する単量体単位を90重量%以上含有するプロピレン重合体成分(以下、重合体成分(I)と称し、重合体成分(I)全体の重量を100重量%とする)と、エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれるオレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位との共重合体成分(以下、重合体成分(II)と称する)からなるブロック共重合体、
である。
好ましくは、(I)プロピレンに由来する単量体単位を90重量%以上含有する重合体であって、より好ましくは、プロピレン単独重合体である。
プロピレン単独重合体の135℃のテトラリン中で測定される極限粘度は1.2dl/g以上2.9dl/g以下、好ましくは1.2dl/g以上2.7dl/g以下、より好ましくは1.4dl/g以上2.5dl/g以下、さらにより好ましくは1.7dl/g以上2.4dl/g以下である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1g/dl、0.2g/dl及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
プロピレンランダム共重合体は、上記(II)のプロピレンに由来する単量体単位とエチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単量体単位とからなるランダム共重合体であり、例えば、
プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とからなるランダム共重合体;
プロピレンに由来する単量体単位と炭素数4以上の少なくとも1種のα−オレフィンに由来する単量体単位とからなるランダム共重合体;
プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位と炭素数4以上の少なくとも1種のα−オレフィンに由来する単量体単位とからなるランダム共重合体;
が挙げられる。
プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位と炭素原子数4以上の少なくとも1種のα−オレフィンに由来する単量体単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
プロピレンブロック共重合体は、上記(III)の多段重合によって得られ、プロピレンに由来する単量体単位を90重量%以上含有するプロピレン重合体成分(重合体成分(I)と称し、当該重合体成分(I)全体の重量を100重量%とする)と、エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれるオレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位との共重合体成分(重合体成分(II)と称する)からなるブロック共重合体である。
α−オレフィンとしては、炭素数4〜10であることが好ましく、より好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは1−ブテンである。
重合体成分(II)を構成するエチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単量体単位の含有量は、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは20〜80重量%であり、さらに好ましくは20〜60重量%である(但し、重合体成分(II)全体の重量を100重量%とする)。
−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、より好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1g/dl、0.2g/dl及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
ブロック共重合体を製造する多段重合において、前段の重合槽から一部抜き出した重合体パウダーから重合体成分(I)又は重合体成分(II)の極限粘度を求め、この極限粘度の値と各成分の含有量を用いて残りの成分の極限粘度を算出する。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段重合工程後に得られるブロック共重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体パウダーの極限粘度(dl/g)
XI:重合体成分(I)及び重合体成分(II)からなるブロック共重合体全体に対する重合体成分(I)の重量比
XII:重合体成分(I)及び重合体成分(II)からなるブロック共重合体全体に対する重合体成分(II)の重量比
なお、XI、XIIは重合時の物質収支から求める。
XII=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ブロック共重合体(重合体成分(I)と重合体成分(II))の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P:重合体成分(I)の融解熱量(cal/g)
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。
上記の触媒系としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2004−182981号公報に記載の触媒系が挙げられる。
なお、重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等)は、目的とするポリプロピレンに応じて、適宜決定すればよい。
本発明のポリプロピレン射出成形体としては、以下に記載のプロピレン重合体組成物からなる射出成形体が好ましい。
プロピレン重合体と造核剤とを含有し、前記プロピレン重合体100重量部に対して造核剤の含有量が0.001重量部〜5重量部であり、
JIS−K−7210に準拠に準拠して、230℃、荷重2.16kg重で測定されたメルトフローレート(MFRと称する)が0.5g/10分〜200g/10分であるプロピレン重合体組成物。
上記のプロピレン重合体組成物に用いられる造核剤の含有量は、前記プロピレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.005重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、さらにより好ましくは0.05重量部以上であり、また好ましくは5重量部以下、より好ましくは1重量部以下であり、さらにより好ましくは0.5重量部以下であり、例えば0.01〜1重量部の範囲内に、または0.05〜0.5重量部の範囲内にある。
R2−NHCO−R1−CONH−R3 (1)
[式中、R1は、炭素原子数1〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素原子数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基又は炭素原子数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、炭素原子数3〜18のシクロアルキル基、一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表わし、
上記各式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表す。R5は、炭素原子数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。R6は、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。R7は、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。]
上記脂環族モノアミンとしては、炭素原子数3〜18のシクロアルキルアミン、一般式(2)
[式中、R8は前記のR5と同義である。]
又は一般式(3)
[式中、R9は前記のR7と同義である。]
で表される化合物が例示される。
上記一般式(1)で表されるアミド系化合物のうちでも、融点が200℃ 以上、特に240℃以上であるものを使用するのが有利である。
エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴムが挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。前記α−オレフィンとしては、炭素数4〜10個のα−オレフィンが挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
(A−1)プロピレン単独重合体
MFR(230℃、2.16kg荷重):20g/10分
極限粘度:1.32dl/g
MFR(230℃、2.16kg荷重):8g/10分
極限粘度:1.65dl/g
MFR(230℃、2.16kg荷重):2g/10分
極限粘度:2.12dl/g
MFR(230℃、2.16kg荷重):0.5g/10分
極限粘度:2.96dl/g
MFR(230℃、2.16kg荷重):120g/10分
極限粘度:0.92dl/g
(商品名)エヌジェスターNU−100:新日本理化(株)製
(化学名)N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−7210に規定された方法に従って測定した。測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は前述のように還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼ
ロに外挿する外挿法によって求めた。
東洋機械金属製SI30III型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型温度70℃で射出成形を行い、厚さ2mmの引張試験片を得た。該試験片の中央部に該試験片の長手方向に25mmの間隔を空けて、該試験片の幅方向に沿って全幅にわたり2本の平行な標線を付した後、引張試験機により温度23℃、引張速度10mm/分で該試験片が破断するまでその長手方向に引っ張った。該試験片が破断した時の標線間距離の初期の標線間距離(25mm)に対する割合で定義される引張伸び(単位:%)を算出した。
Surface Machine System製Scratch4傷付試験機を用いて、ASTM7027−05に準拠し、前記引張試験片に金属製の芯(直径1mm)を接触させ、当該芯に2〜30Nまで連続的に荷重をかけ、100mm/sの速度で長さ60mmの傷を付けた。目視にて傷が白化しはじめる荷重を白化荷重(N)とした。白化荷重が高いほど、耐傷付性に優れている。
〔成形体の切断面〕
射出成形により実施例1〜3および比較例1〜3に記載の成形体を製造した時に溶融樹脂が流動した方向の第一の軸と、該第一の軸と直交する前記各々の成形体の厚み方向の第二の軸との両方を含む平面に平行に、日本分光社製角度可変スライサーHW−01を用いて、前記各々の成形体を厚み0.5mmに切断して、切断面を形成した。
前記切断面における前記各々の成形体の表面にある位置から、前記切断面における前記各々の成形体の表面から深さ100μmにある位置までの領域にX線を切断面に対して垂直に照射して、X線回折の2次元パターンを、次の条件にて測定した。
X線装置:Rigaku社製NANO−Viewer
線源:Cu−Kα
波長:1.54Å
ビーム径:0.25mmφ
検出器:イメージングプレート、もしくは、DECTRIS社製PILATUS100K/R
カメラ距離:80mm
回折角:5〜25°
露光時間:6分(2分×3)
ただし、回折角5〜25°までのX線回折の2次元パターンを得るために、試料ならびにX線ビーム位置を固定した状態において、検出器を3回移動させ、露光時間2分に対して得られた各位置での2次元X線回折パターンをRigaku社製ソフトウェア(NANO−Viewer)を用いて継ぎ合わせた。
上記の測定方法および測定条件により得られた2次元X線回折パターンの回折強度を、全方位角に対して円周平均し、回折角−強度プロファイルに変換した。
次いで、A.Turner Jones et al, Macromol. Chem.,75,134(1964)に記載されている方法に従った。具体的には、得られた回折角−強度プロファイルから、非晶性散乱を差し引いた後、β晶(300)面の結晶性回折(2θ=16°)に対応するピークの強度(Hβ)、α晶(110)面の結晶性回折に対応するピークの強度(HαI)、α晶(040)面の結晶性回折に対応するピークの強度(HαII)、α晶(130)面の結晶性回折に対応するピークの強度(HαIII)を求め、次の式(I)よりK値を算出した。
K値(強度比)=Hβ/(Hβ+HαI+HαII+HαIII) (I)
プロピレン重合体(A)及び造核剤(B)の配合割合を、下記の表1に示す。
これらを均一に予備混合した後、40mm単軸押出機(田辺プラスチック機械製)を用いて、シリンダ設定温度:220℃、スクリュー回転数:100rpm、押出量:約15kg/時間の条件で、加熱溶融混練して、プロピレン重合体組成物を製造した。得られた組成物を東洋機械金属製SI30III型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型温度70℃で射出成形を行い、厚さ2mmのポリプロピレン射出成形品片を得た。
得られたポリプロピレン射出成形体の物性を下記の表1および表2に示す。
Claims (2)
- ポリプロピレン射出成形体であって、
以下に定める手順(1)及び(2)により得られるX線回折プロファイルに基づいて下記式(I)から算出されるK値が0.05以上、0.35以下であるポリプロピレン射出成形体。
(1)射出成形により前記成形体を製造した時に溶融樹脂が流動した方向の第一の軸と、該第一の軸と直交する前記成形体の厚み方向の第二の軸との両方を含む平面に平行に前記成形体を切断して、切断面を形成する。
(2)前記切断面における前記成形体の表面にある位置から、前記切断面における前記成形体の表面から深さ100μmにある位置までの領域にX線を照射してX線回折プロファイルを測定する。
K値=Hβ/(Hβ+HαI+HαII+HαIII) (I)
(式中、HβはX線回折プロファイルにおけるβ晶(300)面の結晶性回折(2θ=16°)に対応するピークの強度、HαIはX線回折プロファイルにおけるα晶(110)面の結晶性回折に対応するピークの強度、HαIIはX線回折プロファイルにおけるα晶(040)面の結晶性回折に対応するピークの強度、HαIIIはX線回折プロファイルにおけるα晶(130)面の結晶性回折に対応するピークの強度である。) - K値が0.10以上である請求項1記載のポリプロピレン射出成形体。
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