JP2013134842A - コイン形リチウム電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】125℃以上などの高温環境下での連続使用や激しい熱衝撃が加えられた場合においても優れた耐漏液特性が得られるコイン形電池を提供する。
【解決手段】正極端子を兼ねる正極ケース2、負極端子を兼ねる負極封口板1、および正極ケース2と負極封口板1の間に介在するガスケット3により、カシメ封口で発電要素を収容するコイン形リチウム電池であって、前記負極封口板1は、有底円筒状であって、その開口部にフランジ部1aを有し、フランジ部1aの先端部分には円筒方向への延出部1eと、その折り返し部1cが形成されており、前記正極ケース2は、有底円筒状であって、円筒方向への延出部を前記ガスケット3を介して折り曲げ加工し、断面コの字状に変形されたカシメ部を有しており、かつ負極封口板1の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)を0.55〜0.80の範囲とする。
【選択図】図1

Description

本発明は正極ケース、負極封口板、およびガスケットにより発電要素を密閉したコイン形リチウム電池の耐漏液特性向上に関する。
近年、エレクトロニクス機器の発達により非水電解液系のコイン形リチウム電池、水溶液系のボタン形アルカリ電池などの一次電池、また充放電可能なコイン形二次電池の需要が伸びてきている。これらの電池は使用分野の拡大に伴い、電池の使用環境も常温域から高温域に広がってきている。それに伴って高温環境下での特性安定が求められるようになっており、その一つとして耐漏液特性を確保することが要望されている。
正極活物質にフッ化黒鉛を用いたコイン形リチウム電池を例に、従来の電池構造を図2に示す。図2において11は負極端子を兼ねる負極封口板、12は正極端子を兼ねる有底円筒状の正極ケース、13はポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィドなどの樹脂からなるガスケット、14はポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィドなどの不織布からなるセパレータ、15はフッ化黒鉛にカーボンブラックなどの導電剤および結着剤を混合した後加圧成型された正極ペレット、16はリチウムを活物質としており、薄板状の金属リチウムを円盤状に打抜き形成したものである。
電池組立は負極16、セパレータ14、正極15および非水電解液を電池内部に充填し、有底円筒状に形成された正極ケース12の開口部を、正極ケース12と負極封口板11の両者間絶縁物として介在するガスケット13を介して内側にカシメ封口することにより行なわれる。結果として負極封口板の周縁部の先端面11bと正極ケース延出部先端12a間、負極封口板の折り返し部11cと正極ケース底部12b間のガスケットが集中的に圧縮される構造となる。
しかしながら、このようなカシメ形状では、従来のコイン形リチウム電池の使用温度範囲内(〜80℃)であれば全く問題無いが、例えば125℃以上などの高温環境下での連続使用や激しい熱衝撃が加えられた場合、漏液が発生するという課題を抱えていた。この漏液発生のメカニズムは、従来の電池構造である図2を参考にしながら、以下のように推定できる。
電池使用環境の温度上昇により電池内部において構成部品の膨脹、電解液の蒸気圧上昇などにより電池内圧が上昇する。この内圧上昇により負極封口板内面に圧力が作用し、上方に押し上げられる結果、正極ケース延出部先端12aと負極封口板11に介在するガスケットはカシメ時以上に圧縮される。この時、負極封口板の周縁部の先端面11bと正極ケースの12aの間に介在するガスケットが選択集中的にカシメ圧縮されている部位が存在する為、電池内圧上昇に伴い負極封口板が上方に押し上げられた場合、負極封口板の折り返し部11cとガスケット13もしくはガスケット13と正極ケース底部12b部との間の圧縮力が減衰するため、電池の密閉性が衰退し漏液につながる。
そのため、耐漏液特性を向上させる手段として温度上昇により電池内部において構成部品の膨脹、電解液の蒸気圧上昇などで電池内圧が上昇した場合においても開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分に円筒方向への延出部と、折り返し部を有した負極封口板と底面から上方に向けて形成された立ち上がり部と前記立ち上がり部から更に延出するカシメ部を有する正極ケースを用い、カシメ封口により断面コの字状に変形させることで変形圧力を分散させ、耐漏液特性の向上させることが提案されている(例えば特許文献
1参照)。
再公表特許国際公開第2002/013290号
上記特許文献1においては高温環境下での連続使用や激しい熱衝撃が加えられた場合でも開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分に円筒方向への延出部と、折り返し部を有した負極封口板と底面から上方に向けて形成された立ち上がり部と前記立ち上がり部から更に延出するカシメ部を有する正極ケースを用い、カシメ封口により断面コの字状に変形させることで内圧上昇時の変形圧力を分散させ、隙間のできにくい形状となっているが、正極ケースに立ち上がり部を設けることによって内容積が低下するため、従来のコイン形リチウム電池と比較して電池の設計容量を減らさなければならないという課題があった。
本発明は上記従来における課題を解決し、125℃以上などの高温環境下での連続使用や激しい熱衝撃が加えられた場合においても優れた耐漏液特性が得られるコイン形リチウム電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、正極端子を兼ねる正極ケース、負極端子を兼ねる負極封口板、および正極ケースと負極封口板の間に介在するガスケットにより、カシメ封口で発電要素を収容するコイン形リチウム電池であって、前記負極封口板は、有底円筒状であって、その開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分には円筒方向への延出部と、その折り返し部が形成されており、前記正極ケースは、有底円筒状であって、円筒方向への延出部を前記ガスケットを介して折り曲げ加工し、断面コの字状に変形されたカシメ部を有しており、かつ負極封口板の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.55〜0.80の範囲であることを特徴とするコイン形リチウム電池である。
本発明は電池の設計容量を減らすことなく、125℃以上などの高温環境下での連続使用や激しい熱衝撃が加えられた場合でも優れた耐漏液特性が得られるコイン形リチウム電池を提供することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係るコイン形リチウム電池の構成を示す断面図 従来のコイン形リチウム電池の構成を示す断面図
本発明は、正極端子を兼ねる正極ケース、負極端子を兼ねる負極封口板、および正極ケースと負極封口板の間に介在するガスケットにより、カシメ封口で発電要素を収容するコイン形リチウム電池であって、前記負極封口板は、有底円筒状であって、その開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分には円筒方向への延出部と、その折り返し部が形成されており、前記正極ケースは、有底円筒状であって、円筒方向への延出部を前記ガスケットを介して折り曲げ加工し、断面コの字状に変形されたカシメ部を有しており、かつ負極封口板の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.55〜0.80の範囲であることを特徴とするコイン形リチウム電池である。
この構成によれば温度上昇による電池内部の構成部品の膨脹、電解液の蒸気圧上昇などによって電池内圧が上昇した場合においても電池の設計容量を減らすことなく、優れた耐漏液特性が得られるコイン形リチウム電池を提供することが可能となる。
負極封口板の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.55未満の場合においては電池内圧の上昇により、負極封口板内面に圧力が作用し、上方に押し上げられる際に負極封口板の折り返し部および延出部が長くなるために、その折り返し部および延出部の上部を内側に、下部を外側に傾斜した形に変形しやすくなり、変形量がガスケットの弾性力による隙間を埋める作用よりも大きくなるために漏液する可能性がある。
また、負極封口板の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.80より大きい場合においては電池内圧の上昇により、負極封口板内面に圧力が作用し、上方に押し上げられる際に負極封口板の折り返し部および延出部は短くなるために変形しにくくなるが、結果としてフラット部1dとフランジ部1aとの距離が大きくなるため、フランジ部1aが変形しやすく、変形量がガスケットの弾性力による隙間を埋める作用よりも大きくなることと正極ケース先端平坦部2aと正極ケース底部2bおよび負極封口板のフランジ部1aの3者が平行となる形状を維持できなくなることから漏液する可能性がある。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施の形態であるコイン形リチウム電池の構成を模式的に示す断面図である。コイン形リチウム電池は、負極封口板1、正極ケース2、ガスケット3、セパレータ4、正極5、負極6及び図示しない電解液を含むコイン形状のリチウム電池である。
このコイン形リチウム電池は、たとえば、次のようにして作製できる。まず、負極封口板1のフラット部1dの内面に負極6を圧着し、その上にセパレータ4を載置する。次に、非水電解液を注液し、正極5を載置させて電解液を含浸させる。次いで、負極封口板1の周縁部にガスケット3を装着した状態で、負極封口板1と正極ケース2とを組み合わせる。さらに、正極ケース2の開口部を内側に断面コの字状となるまでカシメ封口することにより、コイン形リチウム電池が得られる。
電解液は非水溶媒としてγ−ブチロラクトンを用い、溶質としてホウフッ化リチウムを1mol/Lの比率にて溶解させたものを用いた。
負極6は、リチウムまたはリチウム合金を含有し、セパレータ4を介して正極5に対向するように設けられる。リチウム合金としては、リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、Li−Al、Li−Sn、Li−NiSi、Li−Pbなどが挙げられる。
正極5は、正極活物質、導電剤となるカーボン材料、結着剤及び結着剤に被覆されていないカーボン材料を含み、セパレータ4を介して負極6に対向するように設けられる。
正極活物質であるフッ化黒鉛は、化学式CFx(0.8≦x≦1.1)で表されるものが好ましく、石油コークス、人造黒鉛などをフッ素化することで得られる。正極活物質は1種を単独でまたは異なるフッ化黒鉛2種以上を組み合わせて使用することもできる。
導電剤となるカーボン材料としてもコイン形リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、人造黒鉛などの黒鉛類などを使用できる。導電材は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
結着剤としてもコイン形リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体などのフッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。結着剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ガスケット3としては、リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、負極封口板1と正極ケース2とが短絡することを防止できるのであれば特に制限される訳ではない。代表的な素材としてはポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。ガスケット底部の厚みBは厚みが増すほど弾性力による隙間を埋める作用は大きくなる。しかしながら、ガスケット底部の厚みBの厚みを増やすほど電池内に充填可能な電解液量も低下することからガスケットの厚みは0.50〜0.70mm程度とすることが好ましい。
セパレータ4としては、リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、正極5と負極6とが短絡することを防止できるのであれば特に制限される訳ではなく、さらに電解液の浸透性に優れ、イオンの移動抵抗とならないことが望ましい。代表的な素材としてはポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンなどが挙げられ、形状としては不織布、微多孔フィルムなどが挙げられる。
電解液は、溶質および非水溶媒を含有する。
溶質としては、コイン形リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウム・ビスペンタフルオロエチルスルホン酸イミド(LiN(SO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CFSO)、リチウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド(LiC(CFSO)、過塩素酸リチウム(LiClO)などが挙げられる。溶質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
非水溶媒としても、コイン形リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、γ−バレロラクトン(γ−VL)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状炭酸エステル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、1,3−ジオキソ
ラン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体などが挙げられる。非水溶媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
電解液における溶質濃度は特に制限されないが、好ましくは、0.5mol/L以上1.5mol/L以下である。溶質濃度が0.5mol/L未満では、室温での放電特性または長期保存後の放電特性が低下するおそれがある。溶質濃度が1.5mol/Lを超えると、−40℃程度の低温環境下では、電解液の粘度上昇およびイオン伝導度の低下が顕著になるおそれがある。
負極封口板1は、負極集電体および負極端子を兼ねる。正極ケース2は、正極集電体および正極端子を兼ねる。負極封口板1、正極ケース2は、リチウム電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ステンレス鋼製のものを使用できる。
高温使用環境下において電池構成部品の膨脹、電解液の蒸気圧上昇等により電池内圧が上昇した場合に、図2において負極封口板11に上側への押し上げ力が作用し、負極封口板11の折り返し部11cとガスケット13もしくはガスケット13と正極ケース底部12bとの間の圧縮力が減衰するため、隙間が生じて漏液する可能性がある。本発明は従来のコイン形リチウム電池に比べて更に高い温度での使用を想定し、封口形状及び折り返し部の高さとガスケット厚さの比率の検討を行った結果、図1において負極封口板1がフラット部1dより一段下がったフランジ部1aとU字形状に折り返した周縁部の先端面1bがほぼ同一直線上に位置する構造であって、正極ケース先端平坦部2aと正極ケース底部2bおよび負極封口板1のフランジ部1aの3者が略平行となり、断面コの字状にカシメ封口されており、かつ折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)を0.55〜0.80の範囲とすることで設計容量を減らすことなく、優れた耐漏液特性が得られることを見出した。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
1)正極の作製
正極活物質であるフッ化炭素100重量部および導電剤となるカーボン材料であるアセチレンブラック(比表面積68m/g)10重量部を乾式混合し、得られた乾式混合物にメタノールを添加して混練した。この混練物を乾燥および粉砕して、粉末状の正極合剤を調製し、合剤粉末0.37gを、直径13.0mmの円柱状金型に充填し、加圧成形することでディスク状の正極を作製した。正極は電池組み立て前に100℃で24時間以上乾燥し、乾燥後の正極厚みは1.75mmであった。
2)負極の作製
厚み0.7mmのリチウム金属のフープを打ち抜いてディスク状の負極とし、アルゴングローブボックス内に導入し、ポリフェニレンスルフィド製ガスケットを装着した負極封口板のフラット部内面に圧着した。
3)セパレータ
厚さ200μmのポリフェニレンスルフィド製不織布を円形に打ち抜き、セパレータを
作製した。
4)電解液の調製
溶媒としてγ−ブチロラクトンを用い、溶質としてホウフッ化リチウムを1mol/Lの比率で溶解させたものを用いた。
5)電池の組立
正極ケース底部2b上に正極を載置し、その上にセパレータを被せた後、電解液0.30gを正極ケース内に注液し、正極とセパレータに電解液を含浸させた。次に、負極が圧着された負極封口板を、負極と正極とが対向するように正極ケースに装着し、正極ケース先端平坦部2aと正極ケース底部2bおよび負極封口板のフランジ部1aの3者が平行となり、断面コの字状にカシメ封口することで本発明のコイン形リチウム電池を作製した。負極封口板の折り返し部高さAは1.00mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.65となるように作製した。電池のサイズは直径20.0mm、高さ3.2mmで設計容量200mAhとした。上記組立工程は、露点−50℃以下のドライエア中で行った。
(実施例2)
負極封口板の折り返し部高さAは1.18mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.55となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(実施例3)
負極封口板の折り返し部高さAは1.08mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.60となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(実施例4)
負極封口板の折り返し部高さAは0.92mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.70となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(実施例5)
負極封口板の折り返し部高さAは0.81mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.80となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(実施例6)
負極封口板の折り返し部高さAは0.77mm、ガスケット底部の厚みBは0.50mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.65となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(比較例1)
負極封口板の折り返し部高さAは0.75mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.85とな
るように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(比較例2)
負極封口板の折り返し部高さAは1.30mm、ガスケット底部の厚みBは0.65mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.50となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
(比較例3)
負極封口板の折り返し部高さAは1.00mm、ガスケット底部の厚みBは0.50mmであり、折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.50となるように作製した以外は、実施例1と同様にして、本発明のコイン形リチウム電池を作製した。
始めに、実施例1〜6および比較例1〜3で得られたコイン形リチウム電池の耐漏液特性を調べた。高温保存試験と熱衝撃試験の2種類を実施し、高温保存試験の具体的な条件は、150℃の温度槽に連続1000時間放置し、漏液発生の有無を顕微鏡で確認した。また、熱衝撃試験の具体的な条件は、−40℃と125℃で各温度1時間を1サイクルとし、300サイクル後に漏液発生の有無を顕微鏡で確認した。各条件100個ずつ試験を実施し、漏液発生数を調べた結果を(表1)に示す。
(表1)より、実施例1〜5の電池においては漏液の発生はどちらの試験条件においても確認されなかったが、比較例1〜3の電池においては漏液の発生が確認され、比較例2および比較例3の電池は漏液発生率が非常に高いという結果が得られた。
比較例2については折り返し部高さBの高さが大きくなっていることが原因であり、漏液した電池の断面を確認したところ、折り返し部の変形が見られ、ガスケット3と負極封口板の折り返し部1c間で隙間の発生が確認された。
また、比較例3については折り返し部1cの変形は見られなかったものの、フランジ部1aが大きく変形しており、正極ケース先端平坦部2aと正極ケース底部2bおよび負極封口板のフランジ部1aの3者が平行になる形状が保てておらず、ガスケット3と正極ケース底部2b間で隙間の発生が確認された。
このことからも本発明の負極封口板の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.55〜0.80の範囲であれば、連続高温放置下における構成部品の膨脹、電解液の蒸気圧上昇等により内圧が上昇し、負極封口板が上方に押し上げられた場合においてもガスケットの弾性力によって隙間の発生を抑制し、更には負極封口板折り返し部1cやフランジ部1aの大幅な変形が抑制されていることで耐漏液特性が大幅に向上していることが分かる。
本発明のコイン形リチウム電池は、従来のリチウム電池と同様の用途に使用できるだけでなく、自動車用タイヤの空気圧計や高温度下などの過酷な使用条件下においても耐漏液特性を大幅に向上させることができ、適用可能な用途を大きく拡大することが可能である。
1 負極封口板
1a フランジ部
1b 周縁部の先端面
1c 折り返し部
1d フラット部
1e 延出部
2 正極ケース
2a 正極ケース先端平坦部
2b 正極ケース底部
3 ガスケット
4 セパレータ
5 正極
6 負極

Claims (1)

  1. 正極端子を兼ねる正極ケース、負極端子を兼ねる負極封口板、および正極ケースと負極封口板の間に介在するガスケットにより、カシメ封口で発電要素を収容するコイン形リチウム電池であって、前記負極封口板は、有底円筒状であって、その開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分には円筒方向への延出部と、その折り返し部が形成されており、前記正極ケースは、有底円筒状であって、円筒方向への延出部を前記ガスケットを介して折り曲げ加工し、断面コの字状に変形されたカシメ部を有しており、かつ負極封口板の折り返し部高さAとガスケット底部の厚みBの比率(B/A)が0.55〜0.80の範囲であることを特徴とするコイン形リチウム電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017210326A1 (de) 2017-06-20 2018-12-20 Robert Bosch Gmbh Batteriezelle

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