JP2013134627A - ドライブレコーダのデータ解析装置および方法 - Google Patents

ドライブレコーダのデータ解析装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライブレコーダによって記録された車両の速度、加速度等のデータから、危険シーンの発生を、精度良く自動的に判定する。
【解決手段】車両の速度および進行方向の加速度の時系列データを用いて;前記車両が停止したと判定される時刻を停止時刻として決定;前記停止時刻の近傍で、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極小時刻および極小加速度として決定;前記極小時刻以後で、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極大時刻および極大加速度として決定;前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値をそれぞれ、第一および第二の閾値として決定;前記極小加速度を前記第一の閾値と比較する、および/または前記極大加速度を前記第二の閾値と比較することによって、前期停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドライブレコーダによって記録された車両の走行に関するデータの解析装置および解析方法に関する。
車載ドライブレコーダ、特にイベント型のドライブレコーダは、ヒヤリ・ハットイベントや事故などの危険シーンを記録するために、イベント時刻、たとえば加速度センサによって得られる加速度の値が閾値以上となる時刻を検知し、そのイベント時刻を挟んで20秒程度の短い時間にわたり、加速度センサの出力値と場合によっては速度センサの出力値および画像データを記録する。このとき、一般に、加速度センサの誤差を考慮しつつデータ記録漏れを防ぐために、加速度に対する閾値は低めに設定されることが多い。このように、一般には、遭遇したシーンが危険シーンであるか否かの判断基準は甘めに設定される。そのため、通過したカーブが急だったり、道路に凹凸があったり、と本質的には危険とはあまり関係のないシーンでも、加速度の値は閾値を超えてしまい、危険シーンとしてデータが記録される。つまり、記録されたシーンの大部分が危険と関係のないデータであるということが生じる。記録された加速度センサの出力値や速度センサの出力値、および映像から本当の危険なシーンを抽出する作業、たとえば記録されたシーンが危険なシーンであるか否かを判定する作業は主に人によって行われている。そこで、ドライブレコーダによって取得されたデータを用いて、この判定を自動化する試みがなされている。
そのような試みの一つとして、車両の速度、加速度に加え、ジャーク(加加速度)を考慮して、ニアミスによるヒヤリシーンが発生したか否かを判定する方法がある。より詳細には、次のような方法でニアミスの発生を判定する。まず、ニアミスによるヒヤリシーンが、高速からの減速シーンで、ドライブレコーダで検出されたイベント時刻の前後の規定時間内での前後加速度の波形が先鋭山となるシーンであると定義する。次に、イベント近傍における高速からの減速の度合いが予め決められた度合い以上であるような急減速シーンのみを選択する。イベント近傍でのジャークの最大値と最小値の差と、ジャークが最小値を示した後の規定微小時間内のジャークの値の時間積分値を得る。その時間積分値をジャーク積分値とすると、そして、ジャークの最大値と最小値の差とジャーク積分値のそれぞれの判定閾値と比較し、ニアミスによるヒヤリシーンが発生したか否かを判別する。
また、車両に搭載された加速度センサによって得られた加速度の時系列データに基づいて、発進または停止時の運転が適正であったか否か、つまり危険ではなかったか否かを判定する方法が知られている。この方法では、ドライブレコーダで得られた加速度の時系列データが、予め設定された加速度領域に収まるか否かを判定する。もし、ドライブレコーダで得られた加速度の時間変化が、予め設定された加速度領域に収まっていれば、適正な運転であると判断する。逆に、加速度の時間変化が、予め設定された加速度領域に収まっていなければ、危険な運転、すなわち急発進または急停車であると判断する。その加速度領域は、運転の習熟度によって変化させても良い。
また、車両に搭載されたセンサによって得られた衝撃や加速度と、ユーザ毎に設定されている参照値との差が、所定の値より大きい場合に、車両は事故等には遭遇していないが、急ブレーキや急ハンドル等の動作によって異常な動作をしたと判断する方法が知られている。この本方では、発進や停止、曲がり方等の基本的動作に対して車両メーカが作成登録した車両動作情報(基準値)と現在の運転状況(加速度、衝撃)を比較し、閾値を超えたら映像等の運転状況を記録し、事故と見做して通報する。また、現在の運転状況を加えて基準値を平均更新する手段も知られている。
特開2006−341806号公報 特開2007−331520号公報
平成20年度国土交通省委託事業「映像記録型ドライブレコーダのデータ解析事業報告書」平成21年3月、財団法人自動車研究所
しかしながら、ジャークの最大値と最小値の差とジャーク積分値のそれぞれの判定閾値と比較し、ニアミスによるヒヤリシーンが発生したか否かを判別する方法では、ニアミスによるヒヤリシーンを、高速走行状態からの急減速と定義しており、それ以外の危険なシーン、例えば右折しようと徐行している中での対向擦りぬけ車両によるヒヤリシーンなどのヒヤリシーンは検知できないという問題があった。特に、本方法は、高速走行からの急減速をともなう急で鋭い前後揺れ、という車両の挙動に基づいてニアミスによるヒヤリシーンの発生を検知する方法であり、低速走行での停止シーンの判定には対処できないという問題があった。
また、ドライブレコーダで得られた加速度の時系列データが、予め設定された加速度領域に収まるか否かによって記録されたシーンが危険なシーンを判定する方法では、判定条件が画一的であり、イベント時刻における車両の速度による挙動の違いを考慮していない。一般に、車両の停止のシーンであっても、低速からの急停止か、高速からの急停止か、などブレーキを掛けるときの車両の速度によって、揺れ方や加速度変化が異なる。この車両の速度の違いを考慮していないと、ヒヤリシーンを取りこぼさないようにするには、それらの高速および低速でのパターンを全て含むような、より曖昧な閾値条件にしなければならなくなる。その結果、不要なシーンの排除が困難となるという問題があった。
さらに、車両に搭載されたセンサによって得られた衝撃や加速度と、ユーザ毎に設定されている参照値との差に基づいて、車両に異常な動作が発生したかどうかを判定する方法では、各運転動作での異常運転を判定するための情報(閾値)は、車種依存の基準値を運転者自身の運転状況でカスタマイズしたものを用いているが、速度情報を用いないため、高速からの停止、低速からの停止、などの細かい動作の違いに対して全く対処できないという問題があった。
したがって、ドライブレコーダによって記録された車両の速度、加速度等のデータから、高速走行のみならず低速走行を含む任意の速度における走行からの減速、停止シーン(停止過程、停止イベントとも呼ぶ)における車両の大きな揺れを伴うヒヤリ・ハットイベントなどの危険シーンの発生を、精度良く自動的に判定する装置および方法が求められている。
ある走行速度で走行中の車両が停止する過程での前記車両の速度および進行方向の加速度の時系列データを用いて、前記停止する過程が正常な運転によるものであるかを判定する装置であって:前記速度の時系列データに基づいて、前記車両が停止したと判定される時刻を停止時刻として決定する停止状態判定部と;前記加速度の時系列データに基づいて、前記停止時刻の近傍で、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極小時刻および極小加速度として決定する極小加速度算出部と;前記加速度の時系列データに基づいて、前記極小時刻以後で、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極大時刻および極大加速度として決定する極大加速度算出部と;前記速度の時系列データに基づいて、前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値をそれぞれ、第一および第二の閾値として決定する判定閾値算出部と;前記極小加速度を前記第一の閾値と比較する、および/または前記極大加速度を前記第二の閾値と比較することによって、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するシーン判定部を含む装置が提供される。
高速走行のみならず低速走行を含む任意の速度における走行からの車両の減速、停止シーンにおける、大きな揺れを伴うヒヤリ・ハットイベントなどの危険シーンの発生を精度良く自動的に判定することができる。
ドライブレコーダによって記録されたイベント時刻前後の、低速走行状態からの車両の停止に伴う前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 ドライブレコーダによって記録されたイベント時刻前後の、高速走行状態からの車両の停止に伴う前後加速度Gyおよび速度Vのデータの別の例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置のブロック図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法が適用される車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 図4AのボックスB1の部分を拡大した図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、判定条件の導出に用いられる最大速度Vmを算出する方法を示す図である。 図5AのボックスB2の部分を拡大した図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、高速走行からの車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、高速走行からの車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の別の例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの揺れやすい車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの揺れやすい車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの普通の揺れやすさの車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの普通の揺れやすさの車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの揺れにくい車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの揺れにくい車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。 本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置のブロック図である。 本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法が適用される車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、車両の停止が危険シーンであるか否かの判定の例を示す図である。 本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。 本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置のブロック図である。 本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。 本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法が適用される車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。 本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、車両の停止が危険シーンであるか否かの判定の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明をする。
本発明は、ドライブレコーダによって記録されたイベント時刻前後の車両の速度V、前後加速度Gyに基づいて、記録された車両の停止シーン(停止過程、停止イベントとも呼ぶ)がヒヤリ・ハットイベントや事故などの危険シーンであるか否かを自動的に判定する装置および方法を提供する。別の言葉では、車両の停止過程が正常な運転によるものか否かを判定する装置および方法を提供する。ここで「正常な運転」とは、急ブレーキなどを伴わずに、運転手によって十分に安全が配慮されつつ車両を停止させることを含む運転である。逆に、「正常な運転ではない」とは、他の車両や物との接触、衝突等を避けるために急ブレーキ操作などを含む、運転手および/または同乗者(仮想的な同乗者を含む)がヒヤリ、またはハットする感覚を覚えるような運転である。
一般に、ドライブレコーダによって記録されるデータには、本質的に危険を伴っていないシーンも含まれているが、このような装置および方法を用いることによって、人手を借りることなく自動的に、ヒヤリ・ハットイベントや事故などの本質的に危険シーンを抽出することができる。特に、危険シーンの抽出に用いられる判定基準を、停止シーンの直前または停止シーンに入る時刻の近傍における車両の走行速度の関数とすることによって、高速走行のみならず低速走行を含む任意の速度における走行からの車両の減速、停止シーンにおける危険シーンを精度良く自動的に抽出することができる。また、車両に搭載されるドライブレコーダによって記録される加速度は、特に減速して車両の速度がゼロになって以降に測定される加速度は、車両の構造、特に揺れに対する感度に依存する。そこで、さらに、危険シーンの抽出に用いられる判定基準を、揺れに対する感度によってカテゴライズされた車両のタイプ(車両タイプ)によって変えることによって、より細かな判定基準を設定することができる。そして、そのことによって、ある車両タイプに分類される車両において、高速走行のみならず低速走行を含む任意の速度における走行からの車両の減速シーンにおける、大きな揺れを伴うヒヤリ・ハットイベントなどの危険の発生を精度良く自動的に判定することができる。
図1Aおよび1Bは、ドライブレコーダによって記録されたイベント時刻前後の、低速走行状態および高速走行状態からの車両の停止に伴う速度Vおよび前後加速度Gyのデータの例を示す図である。前後加速度Gyは、車両の進行方向の加速度である。ドライブレコーダでは、前後加速度Gyのほかに、車両の進行方向と垂直方向、すなわち左右方向の加速度である左右加速度Gxも測定、記録される。しかしながら、以下に説明する実施形態では、左右加速度Gxを、ドライブレコーダによって記録されたデータからの危険シーンの抽出には用いないので、図1Aおよび1Bでは省略してある。もちろん、以下の実施形態において、前後加速度Gyに加えて左右加速度Gxを考慮して、危険シーンの判定に用いても良い。
また、車両として、バスやトラックなどの大型車を例示することができるが、これらには限定されない。また、以下の実施形態の説明で用いる数値は一例に過ぎず、用いられている数値以外の数値を用いることが可能である。特に、大型車でない車両に、本発明のデータ解析装置および方法を適用する際には、説明で用いられている数値とは大きく異なる数値を用いることがあり得る。本発明はそのような状況に適用されるデータ解析装置および方法をカバーする。
以下において、単に車両の加速度と言った場合は、特に断りがない限りは前後加速度Gyを意味するものとする。また、危険シーン、ヒヤリ・ハットイベント、危険の発生(または単に危険)という用語は互いに読み替え可能であると理解する。つまり、「危険の発生の抽出」は、「危険シーンの抽出」と読み替えても良い。また、厳密には、危険シーンには、ヒヤリ・ハットイベント以外のイベント、たとえば衝突事故などを含むが、典型的な危険シーンの一つとしてヒヤリ・ハットイベントがあると理解し、「ヒヤリ・ハットイベント」なる用語を、広い意味での危険シーンと理解しても良い。
図1Aには、イベント時刻の前後の所定の期間にわたる車両の速度Vおよび前後加速度Gyが示されている。ここで、イベント時刻とは、ドライブレコーダが車両の挙動を異常であると判断した時刻である。イベント時刻としては、たとえば、車両の前後加速度Gyが、所定の閾値を超えた時刻である。イベント型ドライブレコーダの場合は、イベント時刻の前後20秒程度の短い時間で速度V、左右加速度Gx,前後加速度Gyなどのデータを記録する。この他に、映像データや音声データ、GPSデータなどの記録データも記録しても良い。図1Aおよび1Bでは、イベント時刻前12秒およびイベント時刻後8秒の計20秒にわたる車両の速度Vおよび前後加速度Gyが示されている。
図1Aでは、車両が時速約20km/hで走行している状態(低速走行状態)から停止をする状況が示されている。図1Bでは、車両が時速約40km/hで走行している状態(高速走行状態)から停止する状況が示されている。前述のように、低速走行状態での車両の速度として約20km/h、高速走行状態での車両の速度として約40km/hを例示したが、これらの具体的な値は、車両の種類や運転環境(天気、路面状態、ドライバの状態など)によっても変化する。
図1Aおよび1Bに示されている状況では、停止後において、車両の前後加速度Gyのカーブは波を打っていることが分かる。以下では、車両がほぼ停止する時刻以後の時間領域での前後加速度Gyの変化を用いて危険シーンの抽出、つまり正常な運転によるものではない停止過程の抽出を行う。車両がほぼ停止する時刻以後の時間領域では、車両はほぼ停止している。「車両がほぼ停止する」時刻とは、車両が完全に停止した時刻である必要はなく、小さいながらも速度Vが有限値をとっても良いという意味である。また、車両の停止過程では、車両は平均速度がゼロになってからも、前後方向への揺れが残ることがある。このように車両の平均速度はゼロであるが、車体自体の揺れが残り、ドライブレコーダによって記録される加速度の値が有限に留まっている状態を「車両がほぼ停止」している状態とみなす。図1Aでは、時刻t=3.5秒以後で車両はほぼ停止している。また、図1Bでは、時刻t=2.6秒以後で車両はほぼ停止している。以下では、このように車両がほぼ停止した時刻以後の加速度Gyのデータを用いて危険シーンの抽出を行う。
(第一の実施形態)
図2〜7を参照して、本発明の第一の実施形態について説明する。本実施形態では、ドライブレコーダによって得られた車両の走行に関する情報を用いて危険シーンであるか否かを自動的に判定する装置および方法であって、判定に用いる閾値を、イベント時刻またはイベント時刻近傍における車両の速度および車両の揺れやすさに関する車両のタイプにしたがって動的に変化させつつ、車両の停止時刻または停止時刻付近の前後加速後Gyの変化と閾値を用いて危険シーンであるか否かを判定する。具体的には、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での極小の加速度(極小加速度)が負の閾値(第一の閾値)より小さく、「かつ」極大の加速度(極大加速度)が正の閾値(第二の閾値)より小さいときに、危険シーン、すなわち正常ではない運転による過程が発生したと決定する。このように、判定に用いる閾値を、加減速を始めるタイミングでの車両の速度や車両のタイプによって変化させることによって、ドライブレコーダによって記録された記録データ(たとえば、速度データ、加速度データ、イベント時刻データ)から、高速走行のみならず低速走行を含む任意の速度における走行状態からの車両の減速、停止過程において、大きな揺れを伴うヒヤリ・ハットイベントなどの危険シーンの発生を精度良く判定することができる。
図2は、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置100のブロック図である。
本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置100は、ドライブレコーダ(DR)記録データ記憶装置110に電気的に接続されている。ドライブレコーダ(DR)記録データ記憶装置110は、(図示されていない)ドライブレコーダから、車両の挙動に関する速度データ1100、加速度データ1102、およびイベント時刻データ1104を受け、記憶する。
速度データ1100は、イベント時刻前後の所定の時間にわたるドライブレコーダが搭載された車両の走行中の速度データVを含む。ドライブレコーダを搭載した移動体の速度のデータであり、車速パルスを用いて取得するのが一般的である。
加速度データ1102は、イベント時刻前後の所定の時間にわたるドライブレコーダが搭載された車両の走行中の加速度データ、前後加速度Gyと場合によっては左右加速度Gxを含む。以後便宜的に、前後方向の加速度については、前方向の加速度を正の値とし、後ろ方向の加速度を負の値として記載する。イベント時刻データ1104は、ドライブレコーダが車両の挙動を異常と判定したイベント時刻のデータを含む。上述のように、イベント時刻とは、左右加速度Gx、前後加速度Gy、および全加速度Gzのいずれかまたは任意の組み合わせの値が所定の閾値を超えた時刻として定義されても良い。または、車両に搭載されるドライブレコーダ独自の基準によって、車両の挙動が異常であると判定された時刻でも良い。
また、ドライブレコーダは、何らかの基準で判定されたイベント時刻の前後のみを記録するイベント型ドライブレコーダである必要はなく、常にデータを記録し続ける常時型ドライブレコーダであっても良い。また、図2では、ドライブレコーダ記録データ記憶装置110は、ドライブレコーダのデータ解析装置100とは異なる装置として示されているが、ドライブレコーダのデータ解析装置100に含まれていても良い。
ドライブレコーダのデータ解析装置100は、停止状態判定部1002、加速度補正部1004、極小加速度算出部1006、極大加速度算出部1008、判定閾値算出部1010、シーン判定部1012、および出力部1014を含む。
停止状態判定部1002は、ドライブレコーダ記録データ記憶装置110に記憶されている速度データ1100を参照して車両が停止したか否かを判定する。たとえば、停止状態判定部1002は、車両の速度は所定の有限値より小さくなることによって車両は停止したと決定しても良い。所定の有限値としては、1km/h、0.1km/hなどを例示することができる。また、停止状態判定部1002は、微少時間にわたる車両の平均速度が0になることによって車両は車両が停止したと決定しても良い。微小時間は、たとえば0.5秒、1秒、2秒などを例示することができるが、これらの値には限定されなし。
加速度補正部1004は、停止状態判定部1002で移動体が停止した場合に、停止時の加速度データ群を用いて加速度のオフセット(ゼロ値に対する補正値)を計算して、加速度データ群の補正を行う。一般に、ドライブレコーダに搭載される加速度センサは、3軸方向の各軸での実測値を、車両への設置位置や設置方向で補正計算し、車両の前後方向、左右方向、上下方向(重力方向)の3軸方向の車両を中心とする軸の値に変換して出力する。ドライブレコーダは、加速度センサの値がより正確になるよう、なるべく平らな地面でこれらの変換後のゼロ値を補正する機能を搭載するのが一般的であるが、この補正は走行中には実施できない。また、必ずしも平らな地面とは限らない地面で誤った補正を行ったり、走行中の揺れなどでドライブレコーダの設置位置がずれていながら測定を行った場合等では、以後の記録された加速度データには補正の有無に関わらず誤差分が常に付加してしまう。そこで、加速度補正部1004は、このような誤差を含む記録された加速度データから停止時のデータを選定することで、疑似的な補正を実行する。そして、加速度データ1102の誤差を減らすようなオフセット値ofstGyを算出する。
極小加速度算出部1006は、停止時刻付近の加速度データ1102から、前後方向の加速度Gyで極小の加速度及び記録時刻を求める。これにより、停止時刻または停止時刻付近で最も進行方向(前方向)に揺れた部分を、加速度データ1102から抽出する。
極大加速度算出部1008は、極小加速度算出部1006で算出した極小加速度が記録された時刻以降において、進行方向の極大の加速度及び記録時刻を加速度データ1102から求める。これにより、停止時刻付近で最も進行方向(前方向)に揺れた後の、最も逆進行方向(後ろ方向)に揺れた部分を、加速度データ1102から抽出する。
判定閾値算出部1010は、ドライブレコーダ記録データ記憶装置110のイベント時刻データ1104と速度データ1102を参照して、イベント時刻近辺での車両の速度Vを用いて、今回の速度Vに応じた停止時の揺れの大きな停止シーンを判定するための前後加速度Gyの閾値を算出する。以下で詳細に説明するように、判定に用いる閾値を、加減速を始めるタイミングでの車両の速度や車両のタイプによって変化させても良い。つまり、車両には車両タイプとしてその分類を示すインデックスが付与されていても良い。
本実施形態では、判定閾値算出部1010は、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での極小の前後加速度(極小加速度)に対する負の閾値(第一の閾値)と、極小加速度を取る時刻以降での極大の前後加速度(極大加速度)に対する正の閾値(第二の閾値)を決定する。
シーン判定部1012は、極小加速度算出部1006、極大加速度算出部1008で算出した極小加速度及び極大加速度を、判定閾値算出部1010で算出した判定閾値、第一の閾値および第二の閾値と比較して、車両の大きな揺れを伴うヒヤリ・ハットイベントなどの危険シーンが発生したかどうかを判定する。
出力部1014は、シーン判定部1012での判定結果を出力する。出力の形態としては、危険シーンと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しても良い。または、あるシーンが危険シーンであるか否かに関するシーン判定部1012での判定結果のイエス、ノーだけを出力しても良い。
上記の各部、すなわち停止状態判定部1002、加速度補正部1004、極小加速度算出部1006、極大加速度算出部1008、判定閾値算出部1010、シーン判定部1012、および出力部1014は専用回路によって実装されても良いし、汎用コンピュータと各部の機能をコンピュータに実現させる命令を含むプログラムによって実装されても良い。つまり、各処理部は装置として実現することも可能であり、装置の各ユニットは、CPU及びメモリ、ハードディスクドライブ等の揮発性、不揮発性の記憶媒体のハードウェア資源と、記憶媒体内で保持されているソフトウェア資源が協働することで実現される。
図3は、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。本方法は、ドライブレコーダのデータ解析装置100によって採用される。
まず、S100では、ドライブレコーダ記録データ記憶装置110に記憶されている、イベント時刻1104とそのイベント時刻の近辺の速度データ1100を用いて、停止状態判定部1002により車両が停止したか否かを判定する。イベント記録型DRのデータであれば、イベント毎にデータが記録されているので、記録されたデータ内で、かつイベント時刻後に停止したかを判定する。常時記録型ドライブレコーダに記録されたデータであれば、イベント時刻以後で規定した時間内に停止したか否かを判定する。規定時間としては、イベント記録型ドライブレコーダのイベント後の一般的な記録時間を利用してもよい。
S100での判定がNo、すなわち車両は停止していないと判断されたときは、処理はS112に進む。
また、S100での判定がYes、すなわち車両は停止したと判断されたときは、車両の停止状態が始まった時刻から車両の停止状態が終わる時刻までを探索する。S100は、ドライブレコーダのデータ解析装置100の停止状態判定部1002によって行われる。なお、断続的に車両の停止状態が続く場合には車両の停止状態の時刻だけをピックアップしておく。探索は停止があった各記録データの最後までとする。なお、より正確性を期すためには、測定記録頻度が一般的に加速度データよりも粗い速度データの記録遅延を考慮して、車両が停止状態にある時刻を加減してもよい。例えば、速度データの測定記録間隔が2Hzである場合には、最大で0.5秒の測定記録遅延が生じる。そのため、車両の停止状態の時間範囲を前後どちらかまたは双方から0.5秒だけ短くする。例えば、時間範囲の前部分(開始から0.5秒まで)を短くして車両の停止状態と見做さないようにした場合には、必然的に断続的な車両の停止状態の部分のうち、0.5秒より短いものは車両の停止状態ではないものとして捨てられることとなる。車両が停止状態である時刻を加減する場合、加減前の時刻のうち、速度データでイベント時刻以後に最初に車両の停止状態となった時刻だけTzeroとして保持しておく。そして、処理はS102に進む。
図4Aは、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法が適用される車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図、図4Bは、図4AのボックスB1の部分を拡大した図である。これらの図に示されているデータは、イベント型ドライブレコーダの記録データである。図4Bに示されているデータでは、Tzeroは時刻t=約2.7秒であることが読み取れる。
S102では、S100で判定した車両が停止状態にある時刻に対応する前後加速度データGyを取得し、それらの平均値を求めて前後加速度データGyのオフセット値ofstGyとする。この処理は、ドライブレコーダのデータ解析装置100の加速度補正部1004によって行われる。このオフセット値ofstGyは、以後の計算で前後加速度Gyを補正するために用いる。
次のS104では、時刻Tzero−tp以後の前後加速度Gyを調べ、最も値が小さい極小加速度Gymin及び車両がその極小加速度Gyminを取る時刻Tmin を探す。tpは、イベント時刻以後に最初に車両の停止状態となった時刻Tzeroの以前の時間領域で、危険シーンであるか否かの判定に用いる前後加速度Gyの範囲である。一例として、2秒、4秒などを例示することができる。S104の処理は、ドライブレコーダのデータ解析装置100の極小加速度算出部1006によって行われる。
極小前後加速度Gyminは、負の値となることが多く、加速度の定義から進行方向に対して後ろ方向へ最も揺れた場合の値を示している。この極小前後加速度Gyminの算出のために、常時型ドライブレコーダの記録データを探索する場合は、
を満たす時間tから最も値が小さい前後加速度を探索する。このように探索する時間を限定したのは、対象としているシーンと無関係な前後加速度の極小値を誤って対象としているシーンの極小前後加速度として判定することを防ぐためである。ここで、taは、時刻Tzero以後の時間領域で、危険シーンであるか否かの判定に用いる前後加速度Gyの範囲である。tpおよびtaの値としてtp=2秒、ta=2秒を例示することができるが、これらの値には、限定されない。
図4Aおよび4Bを参照して、極小加速度Gyminの探索状況の一例を説明する。
図4Aには、イベント時刻前12秒とイベント時刻後8秒にわたり、車両の速度V(数値は右縦軸参照)と前後加速度Gy(数値は左縦軸参照)が示されている。図4Bは、図4AのボックスB1を拡大した図である。図4Bには、停止時刻Tzeroの前後約数秒が示されており、極小加速度Gyminの検出に用いられる停止時刻Tzeroの前後2秒間を含む期間はPeriod1として示されている。
S104では、この期間Period1の間の加速度Gyの変化を調べ、極小となる極小加速度の値Gyminおよびその値を取る時刻である極小時刻Tminを求める。図4Bに示されているデータでは、車両の前後加速度の変化は、時刻t=約2.45秒で極小を示し、その後、時刻t=約2.7秒で車両の速度がゼロになる。つまり、Tmin=2.45秒、Tzero=2.7秒である。
次のS106では、時刻Tmin以後で極大となる加速度Gyである極大加速度及びその値を取る時刻を極大加速度Gymaxおよび極大時刻Tmaxとして探索する。S106の処理は、ドライブレコーダのデータ解析装置100の極大加速度算出部1008によって行われる。
極大加速度Gymaxは、正の値となることが多く、加速度の定義から進行方向に対して前の方向へ最も揺れた場合の値を示している。なお、極小加速度算出部と同様に、常時型ドライブレコーダのデータを用いる場合は、
または、
を満たす時間tから最も値が大きい加速度を探索する。tpおよびtaの値としては、S104と同様、tp=2秒、ta=2秒を例示することができるが、これらの値には、限定されない。
図4Aおよび4Bを参照して、極大加速度Gymaxの探索状況の一例を説明する。
期間Period1の間の加速度Gyの変化を調べ、極大のうち最大となる極大加速度の値Gymaxおよびその値を取る時刻Tmaxを求める。図4Bに示されているデータでは、車両の加速度の変化は、時刻t=約2.7秒で車両の速度がゼロを示し、その後、時刻t=約2.8秒で極大を示す。つまり、Tmax=2.8秒である。
次のS108では、まず、現在検討しているシーンが危険シーンである、すなわち減速に失敗して大きな前後揺れが生じているか否かを判断するための、極小前後加速度Gyminおよび極大加速度Gymaxに対する判定閾値thMinGy(第一の閾値)およびthMaxGy(第二の閾値)を次式:
に基づいて算出する。S108の処理は、判定閾値算出部1010によって行われる。ここで、Vmは、減速前の車両の速度であり、速度データからイベント時刻の近辺で減速を行う前の最も値の大きな速度であっても良い。ここで、k1およびm1はそれぞれ、k1≧0およびm1≧0を満たすパラメータである。また、k2およびm2はそれぞれ、k2≦0およびm2≦0を満たすパラメータである。
ここで、図5Aおよび5Bを用いて、上記の判定閾値thMinGyおよびthMaxGyの定義式に現れる車両速度Vmを算出する方法を説明する。図5Aは、図4Aと同じシーンを示しており、図5Bは、図5AのボックスB2を拡大した図である。
本実施形態では、イベント時刻の5秒前からイベント時刻までの期間Period2の間で車両の速度が最も大きい時刻Tvmax、すなわち車両が減速を始める時刻を検出し、時刻Tvmaxの前後tv秒間を含む計2秒間、すなわち、
を満たす時間tでの速度の平均をVmとして用いている。図5Bでは、tv=1秒である。本実施形態では、速度が最も大きい時刻Tvmaxの前後1秒間の速度の平均をVmとしたが、平均を求めるために、もっと長い期間にわたる速度データを用いてもよいし、もっと短い期間にわたる速度データを用いても良い。
また、第一の閾値thMinGyおよび第二の閾値thMaxGyの定義式に現れるパラメータk1、k2、m1、m2は、揺れの速度に対する感受性のようなものを示すパラメータである。パラメータk1、k2、m1、m2は、車両の車種名によって異なっていても良い。また、このパラメータk1、k2、m1、m2は、走行する車両の揺れ特性に依存する値で、その車両の揺れやすさを示すため、車種や車のサイズ等であらかじめ基本となる値を、実際に測定したり、典型的な危険シーンのいくつかから逆算したりして、利用してもよい。
なお、上記の閾値の定義式は、簡単のために、減速前の車両の速度Vmに一次比例するとしたが、そのようには限定されない。たとえば、判定閾値は減速前の車両の速度Vmに対して非線形に依存しても良い。これらの方法で得たパラメータ値は、例えば車種や車のサイズ等で整理して保持し、新しいサンプルの判定に利用することができるため、必ずしも毎回算出せずに使い回すことができる。
下の表は、第一の閾値thMinGyおよび第二の閾値thMaxGyの例である。
図6Aは、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、高速走行からの車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。
図6Aには、図1Bと同じシーンでの車両の速度Vおよび前後加速度Gyのデータが示されており、車両は高速走行状態から減速する。本例における判定閾値thMaxGy1およびthMinGy1はそれぞれ、約0.06Gおよび約−0.04Gである。よって、判定閾値thMaxGy1とthMinGy1の差α1は、約0.1Gである。
図6Bには、図1Aと同じシーンでの車両の速度Vおよび前後加速度Gyのデータが示されており、車両は低速走行状態から減速する。本例における判定閾値thMaxGyおよびthMinGyはそれぞれ、約0.05Gおよび約−0.03Gである。よって、判定閾値thMaxGyとthMinGyの差α2は、約0.08Gである。
このように、減速前の車両の速度Vmの関数である極大前後加速度の閾値thMaxGyと極小加速度の閾値thMinGyとの差αは、車両の揺れを示すパラメータであり、k1、k2、m1、m2の値が一定の場合、速度が大きくなるほどαは大きくなる。また本例では、減速前の車両の速度Vmが大きくなると、正の値をとる第一の閾値thMaxGyは大きくなり、負の値を取る第二の閾値thMinGyは小さくなり、その結果、第一の閾値thMaxGyと第二の閾値thMinGyの差αは大きくなるように構成されている。しかしながら、第一の閾値thMaxGyと第二の閾値thMinGyのいずれかを固定しながら、固定されていない閾値を変化させることによって、第一の閾値thMaxGyと第二の閾値thMinGyの差αは大きくなるように構成しても良い。
さらに、本例では、第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyは予め決められたパラメータk1、k2、m1、m2を用いて算出されるが、車両の型(タイプ)によって、これらのパラメータを変化させても良い。車両の型は、車両の揺れやすさを規定する揺れタイプによって分類されても良い。以下では、車両を、揺れやすい車両、普通の揺れやすさの車両、揺れにくい車両の3つに分類することによって規定される車両のタイプによって、第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyを変化させる例について説明する。
図7A〜7Fは、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、揺れやすさが異なる車両のタイプ毎の、低速走行からの車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図である。
図7Aは、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの揺れやすい車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図であり、図7Bは、低速走行からの揺れやすい車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。図7Cは、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの普通の揺れやすさの車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図であり、図7Dは、低速走行からの普通の揺れやすさの車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。図7Eは、本発明の第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、低速走行からの揺れにくい車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図であり、図7Fは、低速走行からの揺れにくい車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。
揺れやすい車両とは、他の通常車より揺れが大きい車両を指し、トラックのようなキャブが浮いていて揺れやすい車両、構造的・積載物的に車の重心が高めの車両、などを例示することができる。このような車両では、第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの絶対値を小さく取ってしまうと、ドライブレコーダのデータ解析装置100は、頻繁に危険シーンであると判定してしまう可能性がある。そのような事態を避けるために、図7Aおよび7Bに示されているように、この場合の第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの差α3は大きめの値を取るように調整されても良い。このように差α3を設定することによって、揺れやすい車だけ頻繁に危険シーン判定するような事態を避けることができる。
また、揺れにくい車両としては、例えば乗客を乗せる車や、壊れやすいものを搭載する車、などの揺れてはいけない使用目的の車両を例示することができる。このような車両では、第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの絶対値を大きく取ってしまうと、ドライブレコーダのデータ解析装置100は、頻繁に危険シーンであると判定してしまう可能性がある。そのような事態を避けるために、図7Eおよび7Fに示されているように、この場合の第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの差α5は小さめの値を取るように調整されても良い。このように差αを設定することによって、揺れにくい車両が少し揺れているシーンを危険シーンとして識別することができる。
図7Cおよび7Dは、揺れやすい車両と揺れにくい車両以外の普通の揺れやすさの車両における第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの例である。普通の揺れやすさの車両に対する第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの差α4は、
を満たす。
また第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyは、実際の一部データを見ながら閾値自体を直接調整してもよい。また、車両の揺れやすさのタイプによって、第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyの定義式に現れるパラメータk1、k2、m1、m2を変化させても良い。
たとえば、揺れにくい車両に対しては、揺れに対する感度を高くする必要がある。揺れに対する感度とは、たとえば、第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの差αの大きさであっても良いし、第一の閾値thMaxGyおよび/または第二の閾値thMinGyの絶対値の大きさであっても良い。第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyを調整するためには、これらの定義式に現れるパラメータk1、k2、m1、m2を変化させても良い。たとえば、揺れにくい車両に対する第二の閾値thMinGyの定義式において、パラメータk1とm1の絶対値|k1|と|m1|は、他のタイプの車両に対するこれらの値より小さくすることによって、第一の閾値thMinGyの差αを小さくすることができる。また、揺れにくい車両に対する第二の閾値thMaxGyの定義式において、パラメータk2とm2の絶対値|k2|と|m2|は、他のタイプの車両に対するこれらの値より大きくすることによって、第一の閾値thMaxGyを大きくすることができる。このように、第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyの定義式に現れるパラメータk1、k2、m1、m2を、車両の揺れやすさによって変化させることによって、危険シーンの発生を自動的にかつ精密に判定することができる。
その他の調整方法として、例えば、普通の揺れやすさの車両に対する第一の閾値thMaxGyおよび/または第一の閾値thMinGyを基準として、揺れやすい車両および揺れにくい車両に対する閾値を設定しても良い。具体的には、揺れやすい車両に対する第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyは、普通の揺れやすさの車両に対するものの比によって定めても良い。たとえば、揺れやすい車両に対する第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyは、普通の揺れやすさの車両に対するものの10%増であるといったように定めても良い。もちろん、比は10%には限定されない。また、揺れやすさの異なる車両の各タイプに対して、第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの割合をタイプ別にテーブルとして用意しても良い。またこのテーブルは、第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyの定義式に現れるパラメータk1、k2、m1、m2に対するものであっても良い。
S108ではさらに、判定閾値算出部1010で算出した第一の閾値thMinGyおよび第二の閾値thMaxGyを用いて、ドライブレコーダによって記録されたデータが危険シーンのものであるかを判定する。この処理は、シーン判定部1012によって行われる。本ステップでは、S106、S104で算出された極大前後加速度Gymaxと極小前後加速度Gyminを、S108で算出された第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyと比較する。この際、S102で算出された前後加速度データGyのオフセット値ofstGyを考慮する。具体的には、2つの判定式:
が同時に満たされるか否かを判定する。
尚、上の2つの判定式は、(Gymax−ofstGy)がthMaxGyより大きい、かつ(Gymin−ofstGy)がthMinGyより小さい、という条件を意味している。しかしながら、上の条件を、(Gymax−ofstGy)がthMaxGy以上である、かつ(Gymin−ofstGy)がthMinGy以下である、としても良い。もちろん、2つの判定式で、不号と不等号が混在しても良い。
S108の判定の結果がYes、すなわち、(Gymax−ofstGy)がthMaxGyより大きい、かつ(Gymin−ofstGy)がthMinGyより小さい場合には、処理はS110に進む。また、S108の判定の結果がNo、すなわち、(Gymax−ofstGy)がthMaxGyより大きくない、または(Gymin−ofstGy)がthMinGyより小さくない場合には、処理はS112に進む。
S110では、現在解析しているシーンは危険シーン、たとえばヒヤリイベントであると判定する。S110では、同時に、この判定結果を出力しても良い。この処理は、出力部1014によって行われ得る。出力の形態としては、危険シーンと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しても良い。または、現在解析中のシーンが危険シーンであるという情報のみを出力しても良い。
S112では、現在解析しているシーンは危険シーン、たとえばヒヤリイベントであると判定する。S112では、同時に、この判定結果を出力しても良い。この処理は、出力部1014によって行われ得る。現在解析中のシーンが危険シーンではないという情報のみを出力しても良い。また、危険シーンではないと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しないことによって、判定結果を示唆しても良い。
S110またはS112の処理が終了すると、本実施形態にしたがう、ドライブレコーダによって記録された車両の挙動がヒヤリ・ハットイベントや事故などの危険シーンであるか否かを自動的に判定する処理を終了する。
なお、本実施形態では、極小加速度算出部1006と極大加速度算出部1008で算出した車両の停止時刻の近傍で連続して現れる極小と極大の2つの前後加速度Gymax、Gyminを、判定に用いたが、さらにその後で何度か極大値や極小値を取得して判定に利用しても良い。この場合さらに、車両の停止時刻以降のn度目(n≧2)の極大値や極小値に対する判定閾値は、初回の閾値のβn倍(但し0≦βn≦1)したものを用いても良い。たとえば、nが大きくなるほどβnは小さくなるように設定を行っても良い。具体的にはβnとして、βn=β2n−1を例示することができる。もちろんβnは、定数の冪乗で表される必要はなく、また具体的な関数形で表現される必要もない。後者の場合は、βnはテーブルとして表現され得る。この定数βは揺れの持続性を示している。βが早く小さくなる車両は揺れにくい車両である可能性がある。βnは他のパラメータk1、m1、k2、m2等と同様に、実測またはサンプルとなるシーンからの逆算で求めて良い。シーン判定部1012は、このような二度目以降の前後加速度の極小、極大に対する判定式を、例えば上述した二式に追加しても良い。または、上述した2式のいずれかの代わりに、新しく算出したn番目の極大、極小値に対する判定を行っても良い。このように、二度目以降の前後加速度の極小、極大に対する判定をすることによって、停止後も長時間揺れ続けるシーンを確実に抽出することが可能となる。
(第二の実施形態)
図8〜11を参照して、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態では、上述の第一の実施形態とは異なり、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での極小の前後加速度(極小加速度)のみを用いて、危険シーンであるか否かを決定する。本実施形態の以下の説明では、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での2つの極小前後加速度Gymin、Gymin2が共に、それぞれに対する閾値より小さい場合に、危険シーンであると決定する。
本実施形態での2つの極小前後加速度GyminとGymin2に対する判定はそれぞれ、停止時刻近傍で最も揺れた時の揺れの大きさに着目したものと揺れの持続性に着目したものである。
図8は、本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置200のブロック図である。
本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置200は、前実施形態と同様、ドライブレコーダ(DR)記録データ記憶装置110に電気的に接続されている。ドライブレコーダ記録データ記憶装置110に関しては、既に記載したので、ここでは繰り返さない。
ドライブレコーダのデータ解析装置200は、停止状態判定部2002、加速度補正部2004、第一の極小加速度算出部2006、極大加速度算出部2008、第二の極小加速度算出部2010、判定閾値算出部2012、シーン判定部1014、および出力部1016を含む。停止状態判定部2002、加速度補正部2004、第一の極小加速度算出部2006、極大加速度算出部2008はそれぞれ、前実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置100の停止状態判定部1002、加速度補正部1004、極小加速度算出部1006、極大加速度算出部1008と同一の機能を有する。
第二の極小加速度算出部2010では、停止時刻付近の加速度データ1102から、第一の極小加速度算出部2006で求められた極大前後加速度Gymaxを取る時刻Tmax以後の時間領域において、最も値が小さな前後加速度Gymin2及びその時刻Tmin2を求める。前後加速度Gymin2及びその時刻Tmin2を探索する時間領域は、常時型ドライブレコーダのデータを用いる場合は、
または、
を満たす時間tから最も値が小さい前後加速度を探索しても良い。tp2の値としては、前実施形態で極小前後加速度を算出する際に用いたtpの値を用いても良いし、それとは異なる値であっても良い。tpおよびtaの値としては、tp=2秒、ta=2秒を例示することができるが、これらの値には、限定されない。
また、第一の極小加速度算出部2006と第二の極小加速度算出部2010を合わせて、極小加速度算出部と呼ぶこともある。
図10Aは、本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法が適用される車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図、図10Bは、図10AのボックスB6の部分を拡大した図である。図10Aおよび図10Bはそれぞれ、前実施形態の説明に用いた図4Aおよび図4Bと同一である。極小前後加速度Gymin2の検出に用いられる停止時刻Tzeroの前後2秒間を含む期間はPeriod3として示されている。
図10Bに示されているデータでは、車両の前後加速度の変化は、時刻t=約2.45秒で極小を示し、その後、時刻t=約2.7秒で車両の速度がゼロになる。その後、時刻t=約2.8秒で極大を示す。つまり、Tmin=2.45秒、Tzero=2.7秒、Tmax=2.8秒である。さらに、図10Bを見ると、TmaxからTmax+tp2またはTmaxからTzero+taの範囲で最も値が小さな前後加速度Gymin2を取る時刻Tmin2は、Tmin2=3.0秒である。
判定閾値算出部2012では、実施形態1で述べた第一の極小前後加速度(実施形態1では、極小加速度と呼んだもの)Gyminに対する判定閾値thMinGyに加えて、第三の極小加速度Gymin2に対する第三の閾値thMinGy2を算出する。
第一の極小加速度Gyminおよび第二の極小加速度Gymin2に対する閾値thMinGyおよびthMinGy2の定義式としては、
を例示することができる。ここで、k1およびm1はそれぞれ、k1≧0およびm1≧0を満たすパラメータである。また、nは0≦n≦1を満たすパラメータである。この場合、thMinGy2はthMinGyより小さくなる。また、上の定義では、第三の閾値thMinGy2は第一の閾値thMinGyに比例するので、減速前の車両の速度Vmの関数である。
図11は、本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、車両の停止が危険シーンであるか否かの判定に用いる条件設定の例を示す図である。
本実施形態では、第一の閾値thMinGy、第二の閾値thMaxGy、第三の閾値thMinGy2は予め決められたパラメータk1、k2、m1、m2、nを用いて算出されるが、車両の型(タイプ)によって、これらのパラメータを変化させても良い。車両の型は、車両の揺れやすさを規定する揺れタイプによって分類されても良い。車両を、揺れやすい車両、普通の揺れやすさの車両、揺れにくい車両の3つに分類することによって規定される車両のタイプによって、第一の閾値thMinGyおよび/または第二の閾値thMaxGyおよび/または第三の閾値thMinGy2を変化させても良い。本実施形態では、第一の閾値thMinGyのみ、車両の型によって変化させても良い。たとえば、揺れにくい車両に対する第一の閾値thMinGyを小さくするように調整を行い、揺れに対する感度を上げても良い。具体的な調整方法は実施形態1と同様、|k1|, |m1|を小さくなるように調整してもよいし、普通の揺れやすさの車両に対する閾値に対する比を指定したり、揺れタイプ別テーブルで規定するなどによって、調整しても良い。
なお、揺れやすい車両に対する調整は、逆に第一の閾値thMinGyを大きくするように調整を行い、揺れに対する感度を下げても良い。具体的な調整方法もまた、第一の実施形態と同様である。
シーン判定部2014では、S202において加速度補正部2004で算出された加速度オフセット値ofstGyで極小加速度値を補正した2つの値、(Gymin−ofstGy)と(Gymin2−ofstGy) を、第二の閾値thMinGyと第三の閾値thMinGy2と比較する。具体的には、下の2つの判定式を満足するか否かを判定する。具体的には、2つの判定式:
が同時に満たされるか否かを判定する。
出力部2016は、シーン判定部2014の結果を出力する。本実施形態にしたがうドライブレコーダのデータ解析装置200の出力部2016は、第一の実施形態にしたがうドライブレコーダのデータ解析装置100の出力部1014と同様な構成を有していても良い。
図9は、本発明の第二の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。
S200からS206までの処理は、第一の実施形態におけるS100からS106までの処理と同一である。
S208では、停止時刻付近の加速度データ1102から、第一の極小加速度算出部2006で求められた極大前後加速度Gymaxを取る時刻Tmax以後の時間領域において、最も値が小さな前後加速度Gymin2及びその時刻Tmin2を求める。この処理は、第二の極小加速度算出部2010によって行われる。
次のS210では、補正された極小加速度値(Gymin−ofstGy)と(Gymin2−ofstGy)がそれぞれ、第一の閾値thMinGyと第三の閾値thMinGy2より小さいかを判定する。
尚、上の2つの判定式は、(Gymin−ofstGy)がthMinGyより小さい、かつ(Gymin2−ofstGy)がthMinGy2より小さい、という条件を意味している。しかしながら、上の条件を、(Gymin−ofstGy)がthMinGy以下である、かつ(Gymin2−ofstGy)がthMinGy2以下である、としても良い。もちろん、2つの判定式で、不号と不等号が混在しても良い。
S210の判定の結果がYes、すなわち、(Gymin−ofstGy)がthMinGyより小さい、かつ(Gymin2−ofstGy)がthMinGy2より小さい場合には、処理はS212に進む。また、S210の判定の結果がNo、すなわち、(Gymin−ofstGy)がthMinGyより小さい、または(Gymin2−ofstGy)がthMinGy2より小さくない場合には、処理はS214に進む。
S212では、現在解析しているシーンは危険シーン、たとえばヒヤリイベントであると判定する。S212では、同時に、この判定結果を出力しても良い。この処理は、出力部1014によって行われ得る。出力の形態としては、危険シーンと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しても良い。または、現在解析中のシーンが危険シーンであるという情報のみを出力しても良い。
S214では、現在解析しているシーンは危険シーン、たとえばヒヤリイベントであると判定する。S214では、同時に、この判定結果を出力しても良い。この処理は、出力部2016によって行われ得る。現在解析中のシーンが危険シーンではないという情報のみを出力しても良い。また、危険シーンではないと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しないことによって、判定結果を示唆しても良い。
S212またはS214の処理が終了すると、本実施形態にしたがう、ドライブレコーダによって記録された車両の挙動がヒヤリ・ハットイベントや事故などの危険シーンであるか否かを自動的に判定する処理を終了する。
上では、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での極小の前後加速度(極小加速度)のみを用いて、危険シーンであるか否かを決定した。しかしながら、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での極大の前後加速度(極大加速度)のみを用いて、危険シーンであるか否かを決定しても良い。たとえば、停止時刻後または停止時刻付近の時刻以後での2つの極大加速度Gymax、Gymax2が共に、それぞれに対する閾値より大きい場合に、危険シーンであると決定する。この場合、2つの極大加速度Gymax、Gymax2は極大加速度算出部2008によって得られても良いし、極大加速度算出部2008を第一の極大加速度算出部と読み替え、さらにTmax以降の時間において最大の加速度およびその加速度を取る時刻を取得する第二の極大加速度算出部を別途に設けてもよい。
(第三の実施形態)
図12〜15を参照して、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態では、イベント時刻近傍以降に所定の閾値を超える極大および/または極小前後加速度が何回出現するかを用いて、揺れの判定を行う例である。つまり、極大・極小加速度のそれぞれの値の大きさよりも、極大・極小加速度の出現数を用いて判定を行う。つまり本実施形態は、一般には正常な運転ではない操作による停止過程では、車両の停止後も車両の揺れが持続し続けることに着目して、危険シーンの発生を抽出する装置および方法を提供する
図12は、本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置のブロック図であり、図13は、本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。
図12に示されているように、本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置300は、実施形態1の装置100とは、判定閾値算出部3010が判定閾値算出部1010と異なっていること、新たに極大・極小加速度数算出部3012を含む点で違いがある。
本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置300は、第一の実施形態と同様、ドライブレコーダ記録データ記憶装置110に電気的に接続されている。ドライブレコーダ¥記録データ記憶装置110に関しては、既に記載したので、ここでは繰り返さない。
ドライブレコーダのデータ解析装置300は、停止状態判定部3002、加速度補正部3004、極小加速度算出部3006、極大加速度算出部3008、判定閾値算出部3010、極大・極小加速度数算出部3012、シーン判定部3014、および出力部3016を含む。停止状態判定部3002、加速度補正部3004、極小加速度算出部3006、極大加速度算出部3008はそれぞれ、第一の実施形態のドライブレコーダのデータ解析装置100の停止状態判定部1002、加速度補正部1004、極小加速度算出部1006、極大加速度算出部1008と同一の機能を有する。
判定閾値算出部3010では、第四の閾値thMinMaxGyと第五の閾値thMaxGyに加え、極値総数の閾値thTotalNumを算出する。
第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3はそれぞれ、第一の実施形態での第一の閾値thMinGyと第二の閾値thMaxGyと同様に求められても良い。すなわち、
であっても良い。ここで、k3およびm3はそれぞれ、k3≧0およびm3≧0を満たすパラメータである。また、k4およびm4はそれぞれ、k4≦0およびm4≦0を満たすパラメータである。本実施形態での第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3は、第一の実施形態と異なり、前後加速度がどの程度、揺れが続いて減衰したか、を算出するための閾値とみなすことができる。したがって、第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3は、第一の実施形態の第一の閾値thMinGyおよび第二の閾値thMaxGyと比べると、それぞれ絶対値が小さくても良い。これらの閾値thMaxGy2、thMinGy3は、極大、極小前後加速度であると判断した極値の合計総数を決定するのに密接に関わるため、極値の合計総数の閾値thTotalNumと一緒に設定されることが好ましい。
図14〜15を参照して、これら閾値の算出の一例を示す。
図14Aは、本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法が適用される車両の停止に伴うイベント時刻前後の前後加速度Gyおよび速度Vのデータの例を示す図、図14Bは、本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法において、車両の停止が危険シーンであるか否かの判定の例を示す図である。
極値総数の閾値thTotalNumとして、2より大きな数を初期値として設定する。閾値thTotalNumの値が大きいほど、判定で危険シーンとして抽出するシーンの数は小さくなる。このため、前実施形態と同様に、車両の型(タイプ)によって、閾値thTotalNumを変化させても良い。たとえば、揺れやすい車両で揺れに対する感度を低くしたい場合には、普通の揺れやすさの車両に対する閾値に比べて、閾値thTotalNumの値を大きくして、危険シーンであるか否かの判定が揺れに対して鈍感となるようにしても良い。本実施形態では、車両の揺れやすさを規定する揺れタイプによる揺れに対する感度は、閾値thTotalNumの値のみならず、第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3の値を変更することによっても調整することができる。
第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3は、減速前の車両の速度Vmの関数として求められる。パラメータk3、k4、m3、m4は、走行する車両の揺れ特性に依存する値で、その車両の揺れやすさを示すため、車種や車のサイズ等であらかじめ基本となる値を、実際に測定したり、典型的な危険シーンのいくつかから逆算したりして、利用してもよい。たとえば、閾値決定のサンプルとなる実際の危険・ヒヤリシーンや非危険・ヒヤリシーンの一例を参照しながら、危険、ヒヤリシーンではない場合には、和を取ると極値総数閾値thTotalNum未満であり、危険・ヒヤリシーンである場合には、和を取ると極値総数閾値thTotalNum以上となるような第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3を選定し、それらからパラメータk3、k4、m3、m4を求めても良い。このサンプルとするシーンは、なるべく揺れタイプが特殊ではないもの、すなわち、普通の揺れやすさの車両に対するデータであることが望ましい。
算出した第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3の差αは、第一の実施形態と同様に、における車両の揺れタイプによる揺れに対する感度の調整を行っても良い。すなわち、揺れタイプによってαを大きくまたは小さくするために、パラメータk3、k4、m3、m4、nを調整しても良い。
図14Aおよび14Bは、高速走行状態からの停止までのイベントに伴う、車両の速度Vおよび前後加速度Gyの変化を示している。また第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3としての最小下限閾値thMinGy3と最大上限閾値thMaxGy2とが示されている。
極大・極小加速度数算出部3012は、図14Aおよび図14Bに示すように、停止時刻Tzeroを含む、Tzero−tpからTzero+taまでの期間Period4中で、極小前後加速度Gymin2を検出する。図14Bには、tp=2秒、ta=2秒の例が示されている。
次に、極大・極小加速度数算出部3012は、図14Aおよび図14Bに示すように、極大加速度算出部3008で算出した車両が極大加速度Gymaxを取る時刻Tmax以後で、車両が極小加速度を取る時刻Tminから所定の時間twが経過した時刻Tmin+twまで期間Period5中の加速度データを参照して、所定の閾値を越えた極小加速度、極大加速度の数をカウントする。図14Bには、Tmin=3.0秒、tw=3秒の例が示されている。ここで時間t_w は特に常時型ドライブレコーダの記録データ内を探索する場合を考慮したもので、今回のイベントと無関係な時刻内の探索を避けるための時間であり、3秒に限らず任意の値であり得る。
極大・極小加速度数算出部3012ではさらに、このようにして検出された前後加速度の極大値と極小値を、加速度補正部3004で算出したオフセット値ofstGyを用いて値を補正しながら、判定閾値算出部で算出した第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3と比較して極大値・極小値の数をカウントする。すなわち、「(各極大値−ofstGy)>thMaxGy2」を満たす極大値の数を極大数、「(各極小値−ofstGy)<thMinGy3」を満たす極小値の総数を極小数としてカウントする。さらに、極大数と極小数の和を極値総数とする。また、「(各極大値−ofstGy)≧thMaxGy2」を満たす極大値の数を極大数、「(各極小値−ofstGy)≦thMinGy3」を満たす極小値の総数を極小数としても良い。
図14Bに示されている例では、極大加速度は点B、D、Eの3点で検出され、極大数は3である。極小加速度は点A、Cの2点で検出され、極小数は2である。よって、極値総数は3+2=5である。イベント型ドライブレコーダの記録データを用いる場合には、時刻Tminから時刻Tmin+twまでの期間の代わりに、記録されたあるイベントの最後までの時間を極小加速度、極大加速度の数のカウントのために用いても良い。
シーン判定部3014は、極大・極小加速度数算出部3012で算出した極値総数と、判定閾値算出部で算出した極値総数の閾値thTotalNumを比較し、極値総数がthTotalNumの値を超えている場合は揺れの大きな危険・ヒヤリイベント有りと判定し、それ以外は危険・ヒヤリイベントなしと判定する。なお、極大数のみ、または極小数のみを用いて判定をしても良い。
出力部3016は、シーン判定部3014の結果を出力する。本実施形態にしたがうドライブレコーダのデータ解析装置300の出力部3016は、前実施形態にしたがうドライブレコーダのデータ解析装置100、200の出力部1014、2016と同様な構成を有していても良い。
図13は、本発明の第三の実施形態のドライブレコーダのデータ解析方法を示すフローチャートである。
S300からS306までの処理は、第二の実施形態におけるS200からS206までの処理と同一であるので、ここでは繰り返さない。
S308では、第四の閾値thMinGy2と第五の閾値thMaxGy3に加え、極値総数の閾値thTotalNumを算出する。この処理は、判定閾値算出部3010によって行われる。
S310からS320では、極大数と極小数をカウントする。これらの処理は、極大・極小加速度数算出部3012によって行われる。
S310では、時刻を表す変数Tprev=Tmaxとする。また探索方向=最大値とする。この検索方向は後のS320で変更される。探索方向は最大値または最小値である。「探索方向=最大値」の場合は、後に定義する探索期間内で前後加速度Gyの最大値を求める。「探索方向=最小値」の場合は、探索期間内で前後加速度Gyの最小値を求める。また、S310では、極大数と極小数をリセットする。本実施形態では、極大数=極小数=1とする。
次のS312では、時刻Tprevから時刻Tmin+twまでの探索期間において「探索方向=最大値」の場合には、前後加速度Gyが最大となる時刻Tおよびその時刻における前後加速度Gyを探索する。また、S312では、時刻Tprevから時刻Tmin+twまでの探索期間において「探索方向=最小値」の場合には、前後加速度Gyが最小となる時刻Tおよびその時刻における前後加速度Gyを求める。
次のS314では、前後加速度Gyが最大となる時刻Tまたは前後加速度Gyが最小となる時刻Tが存在するか否かを判定する。S314での判定の結果がNo、すなわち、前後加速度Gyが最大となる時刻Tまたは前後加速度Gyが最小となる時刻Tが見付からない場合には、S322に進む。また、S314での判定の結果がYes、すなわち、前後加速度Gyが最大となる時刻Tまたは前後加速度Gyが最小となる時刻Tが見付かった場合には、S316に進む。
S316では、前後加速度Gyが最大となる時刻Tが存在する場合、つまり「探索方向=最大値」の場合でS314での判定がYesである場合、その時の前後加速度Gy(T)が、
を満たすか否かを判定する。また、S316では、前後加速度Gyが最小となる時刻Tが存在する場合、つまり「探索方向=最小値」の場合でS314での判定がYesである場合、その時の前後加速度Gy(T)が、
を満たすか否かを判定する。もし、これらの判定の結果がYes、つまり「(各極大値−ofstGy)>thMaxGy2」または「(各極小値−ofstGy)<thMinGy3」を満たす場合には、S318に進む。また、これらの判定の結果がNo、つまり「(各極大値−ofstGy)>thMaxGy2」または「(各極小値−ofstGy)<thMinGy3」を満たさない場合には、S320に進む。
S318では、「探索方向=極大値」の場合は、極大数を1つ増やす。また、「探索方向=極小値」の場合は、極小数を1つ増やす。そして処理はS320に進む。
S320では、Tprevの値を更新する。より詳細には、Tprev=Tとする。また、S320では、探索方向の更新を行う。「探索方向=極大値」の場合であれば、「探索方向=極小値」と変更する。「探索方向=極小値」の場合であれば、「探索方向=極大値」と変更する。この処理は、前後加速度の極大値と極小値は交互に現れることに対応する。そして、S312に戻る。
S312からS320の処理を繰り返すことによって、Tmaxから時刻Tmin+twまでの期間での極大数、極小数を求めることができる。
S314での判定の結果がNo、すなわち、前後加速度Gyが最大となる時刻Tまたは前後加速度Gyが最小となる時刻Tが見付からない場合には、Tmaxから時刻Tmin+twまでの期間での前後加速度の極大および極小は既にカウントし尽くされている。その場合には、S322で、極大・極小加速度数算出部3012で算出した極値総数と、判定閾値算出部で算出した極値総数の閾値thTotalNumを比較する。より詳細には、(極大数+極小数)が閾値thTotalNum以上であるか否かを判定する。この処理はシーン判定部3014によって行われる。
S322での判定の結果がYes、すなわち(極大数+極小数)が閾値thTotalNum以上である場合には、S324に進む。また、S322での判定の結果がNo、すなわち(極大数+極小数)が閾値thTotalNumより小さい場合には、S326に進む。
S324では、現在解析しているシーンは危険シーン、たとえばヒヤリイベントであると判定する。S324では、同時に、この判定結果を出力しても良い。この処理は、出力部1014によって行われ得る。出力の形態としては、危険シーンと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しても良い。または、現在解析中のシーンが危険シーンであるという情報のみを出力しても良い。
S326では、現在解析しているシーンは危険シーン、たとえばヒヤリイベントであると判定する。S326では、同時に、この判定結果を出力しても良い。この処理は、出力部1014によって行われ得る。現在解析中のシーンが危険シーンではないという情報のみを出力しても良い。また、危険シーンではないと判定されたイベントに関する情報、速度データ、加速度データ、イベント時刻データを含むドライブレコーダで記録されたデータを、ファイル形式で出力しないことによって、判定結果を示唆しても良い。
S324またはS326の処理が終了すると、本実施形態にしたがう、ドライブレコーダによって記録された車両の挙動がヒヤリ・ハットイベントや事故などの危険シーンであるか否かを自動的に判定する処理を終了する。
本実施形態では、より前後揺れの持続性(長時間揺れ続けているか否か)を重視した判定を実施することが可能である。特に、最初の揺れがそれほど大きくはないが、長時間揺れ続けるようなシーンを確実に抽出することができる。
本実施形態では、第四の閾値thMinGy2、第五の閾値thMaxGy3は予め決められたパラメータk3、k4、m3、m4を用いて算出されるが、車両の型(タイプ)によって、これらのパラメータを変化させても良い。または閾値thTotalNumを車両の型(タイプ)によって、これらのパラメータを変化させても良い。その際、本実施形態では、揺れにくい車両を基準に、他のタイプの車両、普通の揺れやすさの車両や揺れやすい車両に対するパラメータk3、k4、m3、m4および/または閾値thTotalNumの値を調整することが好ましい。たとえば、揺れやすい車両での揺れに対する感度を低くしたい場合には、閾値thTotalNumの値を増やしても良い。また、揺れにくい車両に対する感度を高くしたい場合には、閾値thTotalNumの値を減らしても良い。具体的な調整方法は、第一および第二の実施形態と同様であっても良い。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ある走行速度で走行中の車両が停止する過程での前記車両の速度および進行方向の加速度の時系列データを用いて、前記停止する過程が正常な運転によるものであるかを判定する装置であって、
前記速度の時系列データに基づいて、前記車両が停止したと判定される時刻を停止時刻として決定する停止状態判定部と、
前記加速度の時系列データに基づいて、前記停止時刻の近傍で、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極小時刻および極小加速度として決定する極小加速度算出部と、
前記加速度の時系列データに基づいて、前記極小時刻以後で、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極大時刻および極大加速度として決定する極大加速度算出部と、
前記速度の時系列データに基づいて、前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値をそれぞれ、第一および第二の閾値として決定する判定閾値算出部と、
前記極小加速度を前記第一の閾値と比較する、および/または前記極大加速度を前記第二の閾値と比較することによって、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するシーン判定部、
を含む装置。
(付記2)
前記シーン判定部は、前記極小加速度が前記第一の閾値より小さく、かつ前記極大加速度が前記第二の閾値より大きいときに、前記停止する過程が正常な運転によるものではないと決定する、付記1の装置。
(付記3)
前記極小加速度算出部は、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極小時刻および複数の極小加速度として決定し、
前記判定閾値算出部は、前記複数の極小加速度のそれぞれに対する閾値を決定し、
前記シーン判定部は、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するために、前記複数の極小加速度のそれぞれを、前記複数の閾値のうちの対応する閾値と比較する、付記1の装置。
(付記4)
前記極大加速度算出部は、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極大時刻および複数の極大加速度として決定し、
前記判定閾値算出部は、前記複数の極大加速度のそれぞれに対する閾値を決定し、
前記シーン判定部は、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するために、前記複数の極大加速度のそれぞれを、前記複数の閾値のうちの対応する閾値と比較する、付記1の装置。
(付記5)
前記極小加速度算出部は、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極小時刻および複数の極小加速度として決定し、
前記判定閾値算出部は、前記極小加速度に対する閾値を決定する付記1の装置であって、さらに、
前記複数の極小加速度のうち、前記極小加速度に対する閾値より小さい極小加速度の数を極小加速度数としてカウントする極大・極小加速度数算出部、
を含む装置。
(付記6)
前記判定閾値算出部は、前記極小加速度および前記極大加速度に対する前記第一および前記第二の閾値を、前記走行速度に基づいて決定する、付記1〜5のいずれか一項に記載の装置。
(付記7)
車両は揺れやすさによって分類され、前記車両には車両タイプとしてその分類を示すインデックスが付与され、
前記判定閾値算出部は、前記極小加速度および前記極大加速度に対する前記第一および前記第二の閾値を、前記車両タイプに基づいて決定する、付記1〜6のいずれか一項に記載の装置。
(付記8)
さらに、
前記速度の時系列データに基づいて停止状態判定部で決定された前記停止時刻近傍の前記進行方向の加速度の前記時系列データからオフセット値を算出する加速度補正部を含み、
前記シーン判定部では、前記オフセット値分だけ補正された前記極小加速度および/または前記極大加速度を、前記第一の閾値および/または前記第二の閾値と比較する、付記1〜7のいずれか一項に記載の装置。
(付記9)
ある走行速度で走行中の車両が停止する過程での前記車両の速度および進行方向の加速度の時系列データを用いて、前記停止する過程が正常な運転によるものであるかを判定する方法であって、
前記速度の時系列データに基づいて、前記車両が停止したと判定される時刻を停止時刻として決定することと、
前記加速度の時系列データに基づいて、前記停止時刻の近傍で、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極小時刻および極小加速度として決定することと、
前記加速度の時系列データに基づいて、前記極小時刻以後で、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極大時刻および極大加速度として決定することと、
前記速度の時系列データに基づいて、前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値をそれぞれ、第一および第二の閾値として決定することと、
前記極小加速度を前記第一の閾値と比較する、および/または前記極大加速度を前記第二の閾値と比較することによって、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定すること、
を含む方法。
(付記10)
前記前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定することは、前記極小加速度が前記第一の閾値より小さく、かつ前記極大加速度が前記第二の閾値より大きいときに、前記停止する過程が正常な運転によるものではないと決定する、付記9の方法。
(付記11)
前記極小時刻および極小加速度を決定することは、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極小時刻および複数の極小加速度として決定し、
前記極小加速度に対する閾値を決定することは、前記複数の極小加速度のそれぞれに対する閾値を決定し、
前記前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定することは、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するために、前記複数の極小加速度のそれぞれを、前記複数の閾値のうちの対応する閾値と比較する、付記9の方法。
(付記12)
前記極大時刻および極大加速度を決定することは、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極大時刻および複数の極大加速度として決定し、
前記極大加速度に対する閾値を決定することは、前記複数の極大加速度のそれぞれに対する閾値を決定し、
前記前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定することは、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するために、前記複数の極大加速度のそれぞれを、前記複数の閾値のうちの対応する閾値と比較する、付記9の方法。
(付記13)
前記極小時刻および極小加速度を決定することは、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極小時刻および複数の極小加速度として決定し、
前記極小加速度に対する閾値を決定することは、前記極小加速度に対する閾値を決定する付記9の方法であって、さらに、
前記複数の極小加速度のうち、前記極小加速度に対する閾値より小さい極小加速度の数を極小加速度数としてカウントすること、
を含む方法。
(付記14)
前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値を決定することは、前記極小加速度および前記極大加速度に対する前記第一および前記第二の閾値を、前記走行速度に基づいて決定する、付記9〜13のいずれか一項に記載の方法。
(付記15)
車両は揺れやすさによって分類され、前記車両には車両タイプとしてその分類を示すインデックスが付与され、
前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値を決定することは、前記極小加速度および前記極大加速度に対する前記第一および前記第二の閾値を、前記車両タイプに基づいて決定する、付記9〜14のいずれか一項に記載の方法。
(付記16)
さらに、
前記停止時刻近傍の前記進行方向の加速度の前記時系列データからオフセット値を算出することを含み、
前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定することでは、前記オフセット値分だけ補正された前記極小加速度および/または前記極大加速度を、前記第一の閾値および/または前記第二の閾値と比較する、付記9〜15のいずれか一項に記載の方法。
100、200、300 ドライブレコーダのデータ解析装置
110 ドライブレコーダ記録データ記憶装置
1002、2002、3002 停止状態判定部
1004、2004、3004 加速度補正部
1006、2006、3006 極小加速度算出部(第一の極小加速度算出部)
1008、2008、3008 極大加速度算出部
1010、2012、3010 判定閾値算出部
1012、2014、3014 シーン判定部
1014、2016、3016 出力部
2010 第二の極小加速度算出部
3012 極大・極小加速度数算出部

Claims (9)

  1. ある走行速度で走行中の車両が停止する過程での前記車両の速度および進行方向の加速度の時系列データを用いて、前記停止する過程が正常な運転によるものであるかを判定する装置であって、
    前記速度の時系列データに基づいて、前記車両が停止したと判定される時刻を停止時刻として決定する停止状態判定部と、
    前記加速度の時系列データに基づいて、前記停止時刻の近傍で、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極小時刻および極小加速度として決定する極小加速度算出部と、
    前記加速度の時系列データに基づいて、前記極小時刻以後で、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極大時刻および極大加速度として決定する極大加速度算出部と、
    前記速度の時系列データに基づいて、前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値をそれぞれ、第一および第二の閾値として決定する判定閾値算出部と、
    前記極小加速度を前記第一の閾値と比較する、および/または前記極大加速度を前記第二の閾値と比較することによって、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するシーン判定部、
    を含む装置。
  2. 前記シーン判定部は、前記極小加速度が前記第一の閾値より小さく、かつ前記極大加速度が前記第二の閾値より大きいときに、前記停止する過程が正常な運転によるものではないと決定する、請求項1の装置。
  3. 前記極小加速度算出部は、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極小時刻および複数の極小加速度として決定し、
    前記判定閾値算出部は、前記複数の極小加速度のそれぞれに対する閾値を決定し、
    前記シーン判定部は、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するために、前記複数の極小加速度のそれぞれを、前記複数の閾値のうちの対応する閾値と比較する、請求項1の装置。
  4. 前記極大加速度算出部は、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極大時刻および複数の極大加速度として決定し、
    前記判定閾値算出部は、前記複数の極大加速度のそれぞれに対する閾値を決定し、
    前記シーン判定部は、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定するために、前記複数の極大加速度のそれぞれを、前記複数の閾値のうちの対応する閾値と比較する、請求項1の装置。
  5. 前記極小加速度算出部は、前記停止時刻の近傍の時刻以降において、連続する2つ以上の、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度を複数の極小時刻および複数の極小加速度として決定し、
    前記判定閾値算出部は、前記極小加速度に対する閾値を決定する請求項1の装置であって、さらに、
    前記複数の極小加速度のうち、前記極小加速度に対する閾値より小さい極小加速度の数を極小加速度数としてカウントする極大・極小加速度数算出部、
    を含む装置。
  6. 前記判定閾値算出部は、前記極小加速度および前記極大加速度に対する前記第一および前記第二の閾値を、前記走行速度に基づいて決定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 車両は揺れやすさによって分類され、前記車両には車両タイプとしてその分類を示すインデックスが付与され、
    前記判定閾値算出部は、前記極小加速度および前記極大加速度に対する前記第一および前記第二の閾値を、前記車両タイプに基づいて決定する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. さらに、
    前記速度の時系列データに基づいて停止状態判定部で決定された前記停止時刻近傍の前記進行方向の加速度の前記時系列データからオフセット値を算出する加速度補正部を含み、
    前記シーン判定部では、前記オフセット値分だけ補正された前記極小加速度および/または前記極大加速度を、前記第一の閾値および/または前記第二の閾値と比較する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. ある走行速度で走行中の車両が停止する過程での前記車両の速度および進行方向の加速度の時系列データを用いて、前記停止する過程が正常な運転によるものであるかを判定する方法であって、
    前記速度の時系列データに基づいて、前記車両が停止したと判定される時刻を停止時刻として決定することと、
    前記加速度の時系列データに基づいて、前記停止時刻の近傍で、進行方向の加速度が極小となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極小時刻および極小加速度として決定することと、
    前記加速度の時系列データに基づいて、前記極小時刻以後で、進行方向の加速度が極大となる時刻およびその時刻における加速度をそれぞれ、極大時刻および極大加速度として決定することと、
    前記速度の時系列データに基づいて、前記極小加速度および前記極大加速度に対する閾値をそれぞれ、第一および第二の閾値として決定することと、
    前記極小加速度を前記第一の閾値と比較する、および/または前記極大加速度を前記第二の閾値と比較することによって、前記停止する過程が正常な運転によるものか否かを決定すること、
    を含む方法。
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