JP2013134397A - ロッドレンズおよびロッドレンズの製造方法 - Google Patents

ロッドレンズおよびロッドレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】直径が小さいロッドレンズであっても、直径に斑がなく、鮮明な画像を得ることができるロッドレンズを提供する。
【解決手段】中心から外部に向かって屈折率が連続的に変化している半径rの円柱状のロッドレンズであって、
中心から外側に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率が下記式(1)を満足し、
n(L)=n{1−(g/2)L} (1)
(但し、式(1)中、nはロッドレンズの中心軸の屈折率、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、rはロッドレンズの半径、gはロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率をそれぞれ表す。)
フッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満であり、
半径rが100〜250μmであるロッドレンズ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ファクシミリ、スキャナ、複写機等に搭載されるイメージセンサに用いられるプラスチック製ロッドレンズおよびロッドレンズアレイに関する。
ロッドレンズは、中心から外側に向かうにつれて下記式(1)に従って屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。
n(L)=n{1−(g/2)L} (1)
(但し、式(1)中、nはロッドレンズの中心軸の屈折率、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、rはロッドレンズの半径、gはロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率をそれぞれ表す。)
ロッドレンズは、2本以上を、それらの端面が1次元状または2次元状の形状を形成するように平行に配置し、接着により一体化して、ロッドレンズアレイの形態にされる。ロッドレンズアレイは、ハンドスキャナ等の各種スキャナや、複写機、ファクシミリ等におけるイメージセンサ用の部品として、また発光ダイオード(LED)プリンタの書き込みデバイス等として広く用いられている。
近年、これらの読み込み、および書き込みデバイスへの高解像度化および小型化の要求がますます強くなっており、ロッドレンズに対しても、均質で解像度が高く、且つ共役長が短いロッドレンズアレイの開発が求められている。
高解像度を達成するためには、ロッドレンズの直径を小さくすることが有効であることが知られているが、直径を小さくするとレンズの機械特性が低下することが問題であった。このため、特許文献1には、ロッドレンズを加熱延伸することにより機械的強度を向上させる方法が開示されており、直径が小さく、且つ機械的強度に優れた高解像度のレンズが得られている。
特開平8−211242号公報
一般に、ロッドレンズを製造する工程において、紡糸工程や延伸工程で糸の直径にゆらぎが発生するが、ロッドレンズの直径が大きい場合は、このゆらぎの量は直径に対して相対的に小さいため、問題となることはあまりない。しかしながら、ロッドレンズの直径が小さくなると、このゆらぎの量がロッドレンズの直径に対して相対的に大きくなるため、糸の直径斑が問題として顕在化し、画像が不鮮明になるという問題を生じる。本発明の目的は、直径が小さいロッドレンズであっても、直径に斑がなく、鮮明な画像を得ることができるロッドレンズおよびロッドレンズアレイを提供することにある。
本発明は、中心から外部に向かって屈折率が連続的に変化している半径rの円柱状のロッドレンズであって、
中心から外側に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率が下記式(1)を満足し、
n(L)=n{1−(g/2)L} (1)
(式(1)中、nはロッドレンズの中心軸の屈折率、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、rはロッドレンズの半径、gはロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率をそれぞれ表す。)
フッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満であり、
半径rが100〜250μmであるロッドレンズに関するものである。
また、本発明はN(N≧2)個の未硬化状物(ただし、未硬化状物を硬化したときの硬化物の屈折率がn>n>・・・>nである)を、中心から外周に向かって屈折率が順次低くなるように同心円状に配置して、複合紡糸ノズルから押出して多層構造の糸状体に賦形し、該糸状体の各層間の物質の相互拡散処理を施しながらまたは相互拡散処理を施した後に糸状体を硬化処理してロッドレンズ原糸を得る紡糸工程と、ロッドレンズ原糸を延伸・緩和する工程とを有する製造方法であって、
紡糸工程において、
中心部と外周部の屈折率差(n−n)が0.006〜0.03となるような未硬化状物で、
且つ、多層構造の糸状体のフッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満となるようなN個の未硬化状物を使用し、
延伸・緩和工程において、
半径が275〜500μmのロッドレンズ原糸を、半径が100〜250μmとなるよう延伸・緩和処理を施すこと
を特徴とするロッドレンズの製造方法に関するものである。
本発明によれば、径斑が少なく、共役長の短い、解像度および機械的強度に優れたロッドレンズおよびロッドレンズアレイを提供することができる。
ロッドレンズの紡糸装置の概略図である。 ロッドレンズの延伸緩和装置の概略図である。 ロッドレンズアレイの概略図である。 LEDプリンタヘッドの構造を示す概略図である。 カラーイメージセンサヘッドの構造を示す概略図である。 ロッドレンズのフッ素含有量と径斑の関係を示すグラフである。
次に、本発明の好適な実施の形態について説明する。
<ロッドレンズ>
本発明のロッドレンズは、中心から外側に向かうにつれて屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。ロッドレンズの屈折率分布としては、ロッドレンズの中心軸に垂直な断面において、ロッドレンズの半径rとしたとき、中心から外側に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率分布が、下記式(1)で規定される2次曲線分布に近似されるものである。
n(L)=n{1−(g/2)L} (1)
ここで、式(1)中、nはロッドレンズの中心軸の屈折率、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、rはロッドレンズの半径、gはロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率をそれぞれ表す。
ロッドレンズの中心屈折率nは、特に制限されないが、1.4〜1.6であることが好ましい。ロッドレンズの中心屈折率nが1.4〜1.6である場合に、、ロッドレンズを構成する材料の選択肢が広くなり、良好な屈折率分布を形成しやすくなる傾向にある。ロッドレンズの屈折率分布定数gは、光学系のコンパクト化の観点からは大きいことが好ましく、光学系の作動距離の確保や取り扱い性の観点からは小さいことが好ましい。このようなことから、gは0.3〜1mm−1の範囲であることが好ましく、0.4〜0.6mm−1の範囲であることがより好ましい。
本発明のロッドレンズは、フッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満である。フッ素原子の含有量が0.1質量%以上の場合に、ロッドレンズの中心部と外周部の屈折率差を十分にとることができる。フッ素原子の含有量の下限値は、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が特に好ましい。
また、フッ素原子の含有量が3質量%未満の場合に、ロッドレンズの径斑が小さくなる。フッ素原子の含有量の上限値は、2.99質量%以下が好ましく、2.95質量%以下がより好ましく、2.9質量%以下が特に好ましい。
なお、フッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満であるロッドレンズを製造するためには、後述するように、ロッドレンズの原料として、未硬化状物全体でのフッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満となるような未硬化状物を用いて、硬化後の屈折率nが、n >n>・・・・>n(N≧2)となるようにN個の未硬化状物を同心円状複合紡糸ノズルによりN層を有する糸状体に賦形した後、隣接する層間で物質を相互拡散させる相互拡散処理を施し、その後または同時に、硬化させる。
一般に、ロッドレンズを製造する工程において、紡糸工程で糸の直径にゆらぎが発生するが、このゆらぎによる径斑が延伸されてさらに拡大する傾向にある。これは、径の太い部分と細い部分では、細い部分の方が延伸されやすいからである。従って、ロッドレンズの糸径にゆらぎが生じ、糸径に太い部分と細い部分が一旦生じると、細い部分はさらに細くなり、径斑という問題が生じる。
そして、フッ素原子は分子間相互作用が小さいため、フッ素原子を有する高分子鎖は分子間同士の絡まり具合が小さく、応力がかかった場合に滑りやすく、延伸されやすい。従って、フッ素原子の含有量が3質量%以上の場合には、ロッドレンズに生じた糸径のゆらぎが拡大されやすく、径斑が発生する。
本発明のロッドレンズの半径rは、100〜250μmである。半径rが100μm以上の場合に、ロッドレンズの機械的強度が良好となり、半径rが250μm以下の場合に、解像度が良好となる。半径rの下限値は150μm以上が好ましく、半径rの上限値は240μm以下が好ましい。
また、本発明のロッドレンズは、中心軸から0.8r以上の外周部に、ロッドレンズを伝送する光のうち少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤を含有する光吸収層を設けることが好ましい。一般に、ロッドレンズでは、中心軸から離れるにつれて、屈折率分布が理想分布から外れた不整な部分が形成されやすいが、ロッドレンズの外周部に光吸収層を設けることにより、屈折率分布の不整な部分に起因する光学特性の低下を抑制できる。光吸収層の厚みは3〜50μmが好ましい。光吸収層の厚みをこの範囲にすれば、フレア光やクロストーク光を十分に除去できると共に、十分な透過光量を確保できる。
光吸収剤としては、イメージセンサやLEDプリンタ等では光源として400〜900nmの波長の光を出射する光源が用いられているので、400〜900nmのうち少なくとも一部の波長域の光を吸収するものを用いることが好ましい。このような光吸収剤としては、例えば、600nm〜近赤外線領域に吸収のある日本化薬製Kayasorb CY−10等、600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin Blue 4G等、550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset Blue ACR等、500〜600nmに吸収のある三井東圧染料MS Magenta HM−1450等、400〜500nmに吸収のある三井東圧染料MS Yellow HD−180等を例示することができる。また、400〜900nmのうち全波長域の光を吸収する光吸収剤としては、黒色染料等を挙げることができる。これら光吸収剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。光吸収剤の光吸収層における含有量は、0.001〜10質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
<ロッドレンズの製造方法>
本発明のロッドレンズの製造方法は、紡糸工程、延伸工程および緩和工程を有し、所定の未硬化物を用いて、径斑の小さなロッドレンズを製造する方法である。
(未硬化状物)
本発明で使用する未硬化状物としては、ラジカル重合性ビニル単量体、またはラジカル重合性ビニル単量体と該単量体に可溶な重合体(可溶性重合体)とからなる組成物などを用いることができる。中でも、未硬化状物から糸状体を形成する際の未硬化状物の粘度を容易に調整でき、また、糸状体の中心軸から外側に向かうにつれて連続的な屈折率分布を容易に形成できることから、ラジカル重合性ビニル単量体と可溶性重合体とからなる組成物であることが好ましい。
ラジカル重合性ビニル単量体の具体例としては、メチルメタクリレート(屈折率:1.49)、スチレン(屈折率:1.59)、クロルスチレン(屈折率:1.61)、酢酸ビニル(屈折率:1.47)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(屈折率:1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類、例えば、エチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジまたはトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、トリまたはテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他のジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
可溶性重合体は、前記ラジカル重合性ビニル単量体から形成する重合体と相溶性が良いものであり、例えば、ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)、ポリメチルメタクリレート系共重合体(屈折率:1.47〜1.50)、ポリ(4−メチルペンテン−1)(屈折率:1.46)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(屈折率:1.46〜1.50)、ポリカーボネート(屈折率:1.50〜1.57)、ポリフッ化ビニリデン(屈折率:1.42)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(屈折率:1.42〜1.46)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン共重合体(屈折率:1.40〜1.46)、ポリフッ化アルキル(メタ)アクリレート重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れるため、より好ましい。
また、各層に用いるN個の未硬化状物は、同一の屈折率を有する可溶性重合体を含有させることが好ましい。各層に同一の屈折率を有する可溶性重合体を含有させれば、粘度を容易に調整でき、中心軸から外側に向かうにつれて連続的な屈折率分布を有するロッドレンズを容易に得ることができる。
また、レンズ中心部と外周部に用いる未硬化状物の硬化後の屈折率差(n−n)は0.006〜0.03であることが好ましい。この屈折率差が0.006以上の場合に、ロッドレンズの共役長を小さくし、光学系の小型化を達成できる傾向にあり、0.03以下の場合に、光学系の作動距離すなわちデバイスの取り扱い性を確保できる傾向にある。この屈折率差の下限値は0.01以上であることが好ましく、また上限値は0.02以下であることが好ましい。
本発明において、中心と外周部との屈折率差を大きくとり、ロッドレンズの外周部付近の屈折率分布を良くするためには、外周部側に、フッ素化アルキルメタクリレートを使用することが好ましい。フッ素化アルキルメタクリレートが含有される所定範囲は、その含有量やロッドレンズに要求される性能などにより適宜設定されるが、ロッドレンズの屈折率分布を十分良好にするためには、中心からの距離が0.8r〜rの範囲を含むように設定することが好ましい。
ロッドレンズの外周部に屈折率が低いフッ素化アルキルメタクリレートを含有させることにより、外周部の屈折率分布を良くし、フレア光、クロストーク光を減少させることができる傾向にあり、また屈折率差を大きくすることにより共役長が短いロッドレンズとすることができる傾向にある。
フッ素化アルキルメタクリレートの例としては、特に制限されないが、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレート、1-トリフルオロメチル-2,2,2- トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチルメタクリレート等をあげることができる。この中でも、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレートと2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレートのいずれかを用いることが他の重合体との相溶性、透明性、および耐熱性の点から特に好ましい。
以上のような単量体を用いてロッドレンズを作製するには、これら単量体の共重合体、あるいは重合体の混合物の形で用いることができる。
また、N個の未硬化状物全体でのフッ素原子の含有量は、0.1質量%以上3質量%未満である。フッ素原子の含有量が0.1質量%以上の場合に、中心部と外周部の屈折率差を十分にとることができる傾向にあり、フッ素原子の含有量が3質量%未満の場合に、延伸による高分子鎖同士のすべりが小さく、径斑が発生しにくくなる傾向にある。フッ素原子の含有量の下限値は、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が特に好ましい。また、フッ素原子の含有量の上限値は、2.99質量%以下が好ましく、2.95質量%以下がより好ましく、2.9質量%以下が特に好ましい。
未硬化状物の粘度は、特に制限されないが、10〜10ポイズであることが好ましい。粘度が10ポイズ以上の場合に賦形に際し糸切れが生じなくなる傾向にあり、粘度が10ポイズ以下の場合に賦形時の操作性が良好となり、各層の同心円性が保たれる傾向にある。
未硬化状物から形成された糸状体を硬化するためには、重合開始剤を未硬化物中に0.01〜2質量%添加しておくことが好ましい。重合開始剤としては熱硬化開始剤と光硬化開始剤があるが、いずれも使用可能である。熱硬化開始剤としては、通常、パーオキサイド系またはアゾ系の開始剤が用いられる。光硬化開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
(紡糸工程)
紡糸工程は、未硬化状物を紡糸してロッドレンズ原糸を得る工程である。
紡糸工程においてロッドレンズ原糸を製造する際には、中心から外側に向かうにつれて屈折率が連続的に減少する屈折率分布が生じるよう相互拡散法が採られる。
相互拡散法について説明する。
まず、硬化後の屈折率nが、n >n>・・・・>n(N≧2)となるN個の未硬化状物を、N基の混練装置で別個に混練し、紡糸装置10へと送る。紡糸装置10は、同心円状複合紡糸ノズル11を備えており、未硬化状物は、同心円状複合紡糸ノズル11から吐出され、中心軸から外側に向かうにつれて屈折率およびアッベ数が順次低くなるような配置で同心円状に積層した未硬化状の糸状体に賦形する。次いで、この糸状体の各層間の屈折率分布が好ましくは連続的になるように、隣接する層同士で物質を相互拡散させる相互拡散処理を施し、その後または同時に、糸状体を硬化処理して、ロッドレンズ原糸を得る。ここで、相互拡散処理は、糸状体に不活性ガス雰囲気下、10〜60℃、より好ましくは20〜50℃で数秒〜数分間の熱履歴を与える処理である。
紡糸工程は、例えば、図1に示すような紡糸装置10を用いて行うことができる。この紡糸装置10は、同心円状複合紡糸ノズル11と、同心円状複合紡糸ノズル11から吐出された糸状体Aを収容する収容体12と、収容体12の同心円状複合紡糸ノズル11側に接続された不活性ガス導入管13と、収容体12の出口12a側に接続された不活性ガス排出管14と、収容体12の長手方向の中央の外側に設けられた第1光照射機15と、収容体12の不活性ガス排出管14側の外側に設けられた第2光照射機16と、収容体12の下流側に配置された引取りローラ17とを具備する。収容体12において、同心円状複合紡糸ノズル11から第1光照射機15の光が当る直前までの部分を相互拡散処理部12b、第1光照射機15の光が当る部分を第1硬化処理部12c、第2光照射機16の光が当る部分を第2硬化処理部12dという。
上記製造装置10を用いたロッドレンズ原糸の製造では、不活性ガス導入管13から収容体12内に不活性ガス(例えば窒素ガス)を導入すると共に不活性ガス排出管14から収容体12内の不活性ガスを排出させる。そのように不活性ガスを流動させた状態で、同心円状複合紡糸ノズル11から未硬化の糸状体Aを吐出し、その糸状体Aを、収容体12内を通過させる。このとき、糸状体Aを構成する各層間で相互拡散処理部12bにて相互拡散を起こさせ、第1硬化処理部12cにて第1光照射機15により糸状体Aに光を照射し、第2硬化処理部12dにて第2光照射機16により糸状体Aに光を照射して硬化する。そして、引取りローラ17により引き取ることにより、収容体12からロッドレンズ原糸Bを得る。
紡糸工程によって得られるロッドレンズ原糸の半径は、相互拡散による分布形成の観点から、半径rは小さいことが好ましく、ロッドレンズの生産効率の観点からは、半径rが大きいことが好ましい。このようなことから、ロッドレンズ原糸の半径は、275〜500μmの範囲であることが好ましい。
(延伸工程)
延伸工程は、前記ロッドレンズ原糸を延伸して延伸原糸を得る工程である。
ロッドレンズ原糸の延伸は公知の方法により行うことができ、例えば、図2に示すような延伸・緩和処理装置を用いて行うことができる。この延伸・緩和処理装置20は、第1ニップローラ21、第2ニップローラ22、第3ニップローラ23、第1ニップローラ21と第2ニップローラ22との間に配置された第1加熱炉24、および、第2ニップローラ22と第3ニップローラ23との間に配置された第2加熱炉25を具備する。延伸・緩和処理装置20を用いた延伸工程では、紡糸工程により得たロッドレンズ原糸Bを第1ニップローラ21で第1加熱炉24に供給し、第1加熱炉24を通過したロッドレンズ原糸Bを第2ニップローラ22で第1ニップローラ21よりも速い速度で引き取って延伸する方法等が挙げられる。
延伸工程における雰囲気温度(延伸温度)はロッドレンズの材質等に応じて適宜選択されるが、ロッドレンズ原糸のガラス転移温度(Tg)+20℃以上、Tg+60℃以下が好ましい。なお、ロッドレンズの屈折率配向を形成するために、屈折率の異なる複数の層を積層しているが、各層を形成する材料のうちで、Tgが最大となる値をロッドレンズ原糸のTgとする。一般的には、屈折率が高い材料ほどTgが高いことから、ロッドレンズで最も屈折率が高くなる中心部分を構成する層の未硬化状物を重合させたもののTgをロッドレンズ原糸のTgとして雰囲気温度を設定することが好ましい。
また、延伸工程における延伸倍率は所望のロッドレンズ径により適宜選択されるが、1.1〜5倍が好ましく、2〜4倍がより好ましい。延伸倍率は、例えば、延伸・緩和処理装置20を用いた場合には、第1ニップローラ21と第2ニップローラ22の速度比により調節できる。
(緩和工程)
緩和工程は、延伸原糸を緩和して緩和原糸を得る工程である。緩和は、公知の方法、例えば、延伸原糸を加熱しながら2つのニップローラで移送し、上流側のニップローラの回転数より下流側のニップローラの回転数を小さくすることにより行うことができる。具体的には、図2に示すような延伸・緩和処理装置を用いて行うことができる。延伸・緩和処理装置20を用いた緩和工程では、例えば、延伸原糸Cを第2ニップローラ22で第2加熱炉25に供給し、第2加熱炉25を通過したロッドレンズを第3ニップローラ23で第2ニップローラ22よりも遅い速度で引き取って緩和する方法等が挙げられる。緩和工程における雰囲気温度(緩和温度)は、ロッドレンズの材質等に応じて適宜選択されるが、得られるロッドレンズを使用したロッドレンズアレイの光学特性を考慮すると、Tg以上、Tg+60℃以下が好ましく、Tg以上、延伸温度−5℃以下がより好ましい。また、緩和倍率は所望のロッドレンズ径により適宜選択されるが、0.5倍以上1倍未満が好ましく、0.6〜0.9倍がより好ましい。緩和倍率は、例えば、延伸・緩和処理装置20を用いた場合には、第2ニップローラ22と第3ニップローラ23の速度比により調節できる。
延伸工程および緩和工程はバッチ式であってもよいし、連続式でもよい。また、延伸工程と緩和工程は連続的に行ってもよいし、非連続的に行ってもよい。生産性の観点からは連続的に行うことが好ましい。
緩和工程により得られた緩和原糸は、連続的に所定の長さに切断してロッドレンズとしてもよく、ボビン等に巻き取った後、切断してロッドレンズとしてもよい。
<ロッドレンズアレイ>
本発明のロッドレンズアレイは、ロッドレンズが、一対の基板間に、各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行になるように配置され、固定されているものである。ロッドレンズアレイの一例として、図3に示すように、2本以上のロッドレンズ31,31・・・が、2枚の基板32,32間に平行に1列に並べられ、固定されたものが挙げられる。隣接するロッドレンズ31,31同士は互いに密着していてもよいし、一定の隙間を空けて配置されていてもよい。
ロッドレンズアレイ30を構成する基板32は平板状でもよいし、ロッドレンズ31を一定の間隔で配置するためにU字状あるいはV字状等の溝が片面に形成されたものであってもよい。基板32の材質は特に限定されないが、ロッドレンズアレイを作製する工程での加工が容易な材料であることが好ましい。具体的には、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマー、エポキシ系樹脂がより好ましい。また、基板32の基材、補強材として、繊維や紙を用いてもよいし、基板32に離型剤、染料、顔料等を添加してもよい。
ロッドレンズ31と基板32との固定には接着剤33が用いられる。接着剤33は、ロッドレンズ31と基板32あるいはロッドレンズ31,31同士を接着できる程度の接着力を有するものであれば特に制限されるものではなく、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式粘着剤、ホットメルト型粘着剤等を用いることができる。ロッドレンズ31や基板32への接着剤の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を適用できる。
本発明のロッドレンズアレイは、図3に示すものに限定されず、例えば、同種のロッドレンズが基板間に2列に並ぶように配置されていてもよい。
本発明のロッドレンズアレイは、上記ロッドレンズが用いられているため、レンズ毎の光学性能のばらつきがなく、解像度に優れている。
<LEDプリンタヘッド>
次に、本発明のLEDプリンタヘッドについて図4を用いて説明する。
本発明のLEDプリンタヘッド40は、上述した本発明のロッドレンズアレイ30と発光素子となる発光ダイオード(LED)を多数配列したLEDアレイ43を組み合わせたものであり、このLEDプリントヘッド40は、支持体としてのハウジング41、発光素子アレイの駆動装置を搭載するプリント基板42、露光光を照射するLEDアレイ43、LEDアレイ43からの光を感光体ドラム100の表面に結像させるロッドレンズアレイ30、ロッドレンズレンズアレイ30を支持するとともにLEDアレイ43を外部から遮蔽するロッドレンズアレイホルダー45、ハウジング41をロッドレンズアレイ30方向に付勢する板バネ46を備えている。
ハウジング41は、アルミニウム、SUS等のブロックまたは板金で形成され、プリント基板42及びLEDアレイ43を支持している。またロッドレンズアレイホルダー45は、ハウジング41およびロッドレンズアレイ30を支持し、LEDアレイ43の発光点とロッドレンズアレイ30の焦点とが一致するように構成している。さらにロッドレンズアレイホルダー45はLEDアレイ43を密閉するように配置されている。そのため、LEDアレイ43に外部からゴミが付着することはない。一方、板バネ46は、LEDアレイ43およびロッドレンズアレイ30の位置関係を保持するように、ハウジング41を介してロッドレンズアレイ30方向に付勢している。
このように構成されたLEDプリントヘッド40は、調整ネジ(図示せず)によってセルフォックレンズアレイ24の光軸方向に移動可能に構成され、ロッドレンズアレイ30の結像位置(焦点)が感光体ドラム100表面上に位置するように調整される。
LEDアレイ43は、複数個のLEDチップが基板42に感光体ドラム100の軸線方向と平行に精度よく列状に配置されている。またロッドレンズアレイ30も同様に、ロッドレンズ31が感光体ドラム100の軸線方向と平行に精度よく列状に配置されている。そしてLEDアレイ43からの光が感光体ドラム100表面に結像され、静電潜像を形成する。
<カラーイメージセンサヘッド>
次に、カラーイメージセンサヘッドについて図5を用いて説明する。
本発明のカラーイメージセンサヘッド50は、上述した本発明のロッドレンズアレイ30とラインイメージセンサ(光電変換素子)51を組み合わせるたものであり、稿台54の原稿載置面54a上に載置された原稿Gに光を照射するライン状光源56と、原稿Gからの反射光を集光するロッドレンズアレイ30と、ロッドレンズアレイ30により集光された光を受けるラインイメージセンサ51と、ライン状光源56、ロッドレンズアレイ30およびラインイメージセンサ51を収容する筐体52とを備える。
筐体52は、略直方体形状に形成されており、筐体52の上面には第1凹部52aおよび第2凹部52bが形成され、下面には第3凹部52cが形成されている。筐体52は、樹脂の射出成形により形成される。射出成形により筐体52を形成することにより、筐体52を容易に形成でき、安価とすることができる。第1凹部52a内には、ライン状光源56が斜めに固定されている。ライン状光源56は、照射光の光軸が、ロッドレンズアレイ30の光軸Axと原稿載置面54aとの交点または交点近傍を通るように固定される。第2凹部52bには、ロッドレンズアレイ30が固定されている。第3凹部52cには、ラインイメージセンサ51を備えた基板57が取り付けられている。基板57は、その上面が第3凹部52cに設けられた段差部52dに当接するように固定されている。
ロッドレンズアレイ30は、そのレンズ配列方向が主走査方向に一致するように画像読取装置200に装着される。ロッドレンズアレイ30は、上方に位置する原稿Gから反射されたライン状の光を受けて、下方に位置する像面、すなわちラインイメージセンサ51の受光面51aに正立等倍像を形成する。画像読取装置200は、駆動機構を用いてカラーイメージセンサヘッド50を副走査方向に走査することにより、原稿Gを読み取ることができるようになっている。
以下、実施例および比較例を示す。実施例、比較例で使用した各未硬化状物(N=5)の組成(質量%)を表1に、各層の半径比を表2に示した。表で使用している略字は、それぞれ、以下のとおりである。また、表1にある成分の他に、それぞれの未硬化状物には、未硬化物100質量部に対して、開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.5重量部含んでいる。
PhMA:フェニルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
FA−513:トリシクロ[5・2・1・02,6 ]デカニルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
TBMA:ターシャリーブチルメタクリレート
4FM:2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート
8FM:2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート
PMMA:ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)
なお、以下の実施例および比較例においては、クロストーク光やフレア光を抑制する目的で、加熱混練前の第4層および第5層用の各原液中に、原液全体に対して、染料Blue ACR(日本化薬(株)製)、染料MS Yellow HD−180(三井化学(株)製)、染料MS Mazenta HM−1450H(三井化学(株)製)、染料KAYASORB CY−10(日本化薬(株)製)を以下のように添加した。
第4層
Blue ACR 280ppm
MS Yellow HD−180 60ppm
MS Mazenta HM−1450H 30ppm
KAYASORB CY−10 60ppm
第5層
Blue ACR 6000ppm
MS Yellow HD−180 60ppm
MS Mazenta HM−1450H 1400ppm
KAYASORB CY−10 110ppm
<ロッドレンズの糸径および径斑の測定方法>
糸径(直径)の測定は、レーザー外径測定器(キーエンス製LS−5000)を用いてインラインで1msごとに糸径を測定し、1時間データを取得した。
径斑は1時間のデータのうち、糸径の最大値dmaxと最小値dminの差(dmax−dmin)として算出した。
なお、糸径の測定は、ロッドレンズの製造を開始して約2時間経過した後、各条件が定常状態に達してから行った。
[実施例1]
表1に示した組成比の混合物を70℃に加熱混錬し、第1層〜第5層用の未硬化状物を得た。この5種類の原液を同心円状5層複合ノズルを用い中心から順次未硬化物の屈折率が低くなるように配列し、糸状物の各層の半径比が表2となるよう吐出した。
次いで、得られた未硬化状物から、図1に示すロッドレンズ原糸の製造装置10を用いてロッドレンズ原糸を製造した。具体的には、不活性ガス導入管13から収容体12内に窒素ガスを導入すると共に不活性ガス排出管14から収容体12内の窒素ガスを排出させた。また、同心円状複合紡糸ノズル11から押し出された糸状体Aを、引取りローラ17で引き取り(200cm/分)ながら、長さ30cmの相互拡散処理部12bを通し、各層間同士で相互拡散を生じさせた。続いて、中心軸の周囲に長さ60cm、20Wのケミカルランプ18本が上下2段に連続して等間隔に配設された第1硬化処理部12c(第1光照射部)の中心に、糸状体Aを通過させて硬化させた。更に、中心軸の周囲に2.0KW高圧水銀灯3本が等間隔に配設された第2硬化処理部12d(第2光照射部)の中心に、糸状体Aを通過させて、完全硬化させた。相互拡散処理部12bにおける窒素流量は40L/分とした。これにより得られたロッドレンズ原糸の半径は0.30mmであった。次いで、図2に示す延伸・緩和処理装置20を用い、紡糸工程から連続的に、得られたロッドレンズ原糸Bを、第1加熱炉24にて145℃の雰囲気下で約2倍に延伸(第2ニップローラ22の速度405cm/分)し、第2加熱炉25にて123℃の雰囲気下で緩和率が0.8倍になるように緩和(第3ニップローラ23の速度324cm/分)した。次いで、切断工程にて、166mmの長さに切断して、長さ166mmのロッドレンズを多数得た。
得られたロッドレンズは、中心部と外周部の屈折率差が0.013であり、フッ素含有量は1.4質量%、半径は230μm、中心屈折率は1.502であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.42mm−1であった。またロッドレンズの径斑は1μmと小さかった。
得られたロッドレンズ多数本を2枚のフェノール樹脂製基板の間に2列に密着させて平行配列し(475μm間隔)、その隙間に接着剤(積水フーラー社製「エスダイン9607K」)を充填し、プラスチックロッドレンズ間およびプラスチックロッドレンズと基板間の接着剤を硬化した。その後、プラスチックロッドレンズの中心軸に垂直な面で両端面をダイヤモンド刃で鏡面切削し、プラスチックロッドレンズ長が9.0mmのロッドレンズアレイを製造した。このロッドレンズアレイの525nmにおける共役長Tcは18.0mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑のない鮮明な画像が得られた。
[実施例2]
吐出半径比を表2のように変更した以外は、実施例1と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズのフッ素含有量は2.4質量%であり、半径は231μm、中心屈折率は1.498であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.43mm−1 であった。また、ロッドレンズの径斑は2μmと小さかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは17.5mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑のない鮮明な画像が得られた。
[実施例3]
未硬化状物として表1の未硬化状物2を用い、吐出半径比を表2のように変更した以外は実施例1と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズの中心部と外周部の屈折率差は0.011であり、フッ素含有量は2.0質量%、半径は230μm、中心屈折率は1.505であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.42mm−1 であった。また、ロッドレンズの径斑は1.6μmと小さかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは18.3mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑のない鮮明な画像が得られた。
[実施例4]
未硬化状物として表1の未硬化物3を用い、
吐出半径比を表2のように変更した以外は実施例1と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズは、フッ素含有量は2.4質量%、半径は231μm、中心屈折率は1.505であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.43mm−1 であった。また、ロッドレンズの径斑は2μmと小さかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは18.0mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑のない鮮明な画像が得られた。
[実施例5]
未硬化状物として表1の未硬化状物4を用い、吐出半径比を表2のように変更した以外は実施例1と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズの中心部と外周部の屈折率差は0.014であり、フッ素含有率は2.8質量%、半径は230μm、中心屈折率は1.505であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.44mm−1 であった。また、ロッドレンズの径斑は2.5μmと小さかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは16.3mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑のない鮮明な画像が得られた。
[比較例1]
吐出半径比を表2のように変更した以外は実施例5と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズは、フッ素含有量は3.0質量%、半径は230μm、中心屈折率は1.504であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.44mm−1 であった。また得られたロッドレンズの径斑は3.6μmと大きかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは16.3mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑が大きくぼやけた画像が得られた。
[比較例2]
吐出半径比を表2のように変更した以外は実施例5と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズは、フッ素含有量は4.6質量%、半径は230μm、中心屈折率は1.499であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.45mm−1 であった。また、ロッドレンズの径斑は7.0μmと大きかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは16.2mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑が大きくぼやけた画像が得られた。
[比較例3]
未硬化状物として表1の未硬化状物5を用い、吐出半径比を表2のように変更した以外は実施例1と同様になるようにしてロッドレンズを作製した。得られたロッドレンズは、フッ素含有量は3.7質量%、半径は230μm、中心屈折率は1.502であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.44mm−1 であった。またロッドレンズの径斑は6.0μmと大きかった。
実施例1と同様の方法で、ロッドレンズアレイを作製したところ、525nmにおける共役長Tcは17.0mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑が大きくぼやけた画像が得られた。
[比較例4]
表1に示した比較例4の組成比の混合物を70℃に加熱混錬し、各層未硬化状物を得た。この5種類の原液を同心円状5層複合ノズルを用い中心から順次未硬化物の屈折率が低くなるように配列し、糸状物の各層の半径比が表2となるよう吐出した。
次いで、得られた未硬化状物から、図1に示すロッドレンズ原糸の製造装置10を用いてロッドレンズ原糸を製造した。具体的には、不活性ガス導入管13から収容体12内に窒素ガスを導入すると共に不活性ガス排出管14から収容体12内の窒素ガスを排出させた。また、同心円状複合紡糸ノズル11から押し出された糸状体Aを、引取りローラ17で引き取り(200cm/分)ながら、長さ30cmの相互拡散処理部12bを通し、各層間同士で相互拡散を生じさせた。続いて、中心軸の周囲に長さ60cm、20Wのケミカルランプ18本が上下2段に連続して等間隔に配設された第1硬化処理部12c(第1光照射部)の中心に、糸状体Aを通過させて硬化させた。更に、中心軸の周囲に2.0KW高圧水銀灯3本が等間隔に配設された第2硬化処理部12d(第2光照射部)の中心に、糸状体Aを通過させて、完全硬化させた。相互拡散処理部12bにおける窒素流量は40L/分とした。これにより得られたロッドレンズ原糸の半径は0.291mmであった。次いで、図2に示す延伸・緩和処理装置20を用い、紡糸工程から連続的に、得られたロッドレンズ原糸Bを、第1加熱炉24にて145℃の雰囲気下で4.62倍(第2ニップローラ22の速度914cm/分)に延伸し、119℃の雰囲気下で緩和率が0.65倍となるように緩和(第3ニップローラ23の速度600cm/分)した。次いで、切断工程にて、166mmの長さに切断して、長さ166mmのロッドレンズを多数得た。
得られたロッドレンズは、中心部と外周部の屈折率差が0.028であり、フッ素含有量は5.6質量%、半径は168μm、中心屈折率は1.502であり、中心軸から外側に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長における屈折率分布定数gは0.84mm−1 であった。また得られたロッドレンズの径斑は8μmと非常に大きかった。
得られたロッドレンズを、多数本を2枚のフェノール樹脂製基板の間に2列に密着させて平行配列し(360μm間隔)、その隙間に接着剤(積水フーラー社製「エスダイン9607K」)を充填し、プラスチックロッドレンズ間およびプラスチックロッドレンズと基板間の接着剤を硬化した。その後、プラスチックロッドレンズの中心軸に垂直な面で両端面をダイヤモンド刃で鏡面切削し、プラスチックロッドレンズ長が4.4mmのロッドレンズアレイを製造した。このロッドレンズアレイの525nmにおける共役長Tcは10.0mmであった。このロッドレンズアレイをカラーイメージセンサーヘッドに組み込んで像伝送(画像読み取り)を行ったところ、斑が大きく非常にぼやけた画像が得られた。
10 ロッドレンズ原糸の製造装置
11 同心円状複合紡糸ノズル
12 収容体
13 不活性ガス導入管
14 不活性ガス排出管
15 第1光照射機
16 第2光照射機
17 引取りローラ
20 延伸・緩和処理装置
21 第1ニップローラ
22 第2ニップローラ
23 第3ニップローラ
24 第1加熱炉
25 第2加熱炉
30 ロッドレンズアレイ
31 ロッドレンズ
32 基板
33 接着剤
40 LEDプリンタヘッド
41 ハウジング
42 プリント基板
43 LEDアレイ
45 ロッドレンズアレイホルダー
46 板バネ
50 カラーイメージセンサヘッド
51 ラインイメージセンサ(光電変換素子)
52 筐体
52a 第1凹部
52b 第2凹部
52c 第3凹部
52d 段差部
54 稿台
54a 原稿載置面
56 ライン状光源
100 感光体ドラム
200 画像読取装置
Ax ロッドレンズアレイの光軸
G 原稿

Claims (5)

  1. 中心から外部に向かって屈折率が連続的に変化している半径rの円柱状のロッドレンズであって、
    中心から外側に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率が下記式(1)を満足し、
    n(L)=n{1−(g/2)L} (1)
    (但し、式(1)中、nはロッドレンズの中心軸の屈折率、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)、rはロッドレンズの半径、gはロッドレンズの屈折率分布定数、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率をそれぞれ表す。)
    フッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満であり、
    半径rが100〜250μmであるロッドレンズ。
  2. N(N≧2)個の未硬化状物(ただし、未硬化状物を硬化したときの硬化物の屈折率がn>n>・・・>nである)を、中心から外周に向かって屈折率が順次低くなるように同心円状に配置して、複合紡糸ノズルから押出して多層構造の糸状体に賦形し、該糸状体の各層間の物質の相互拡散処理を施しながらまたは相互拡散処理を施した後に糸状体を硬化処理してロッドレンズ原糸を得る紡糸工程と、
    ロッドレンズ原糸を延伸・緩和する延伸・緩和工程とを有するロッドレンズの製造方法であって、
    紡糸工程において、
    中心部と外周部の硬化後の屈折率差(n−n)が0.006〜0.03となるような未硬化状物であって、
    且つ、多層構造の糸状体のフッ素原子の含有量が0.1質量%以上3質量%未満となるような未硬化状物を使用し、
    延伸・緩和工程において、
    半径が275〜500μmのロッドレンズ原糸を、半径が100〜250μmとなるよう延伸・緩和する
    ことを特徴とする請求項1記載のロッドレンズの製造方法。
  3. 請求項1記載のロッドレンズを用いて作製されたロッドレンズアレイ。
  4. 請求項3記載のロッドレンズアレイを組み込んで作られたLEDプリンタヘッド。
  5. 請求項3記載のロッドレンズアレイを組み込んで作られたカラーイメージセンサヘッド。
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