以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<動力伝達機構の構成>
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る動力伝達機構の構成につき説明する。図1は、実施形態1に係る動力伝達機構に用いるフレームの構成を示す図である。
ここでは、動力伝達機構100の取付対象装置が画像形成装置1(図2及び図6参照)として構成されおり、その画像形成装置1がモノクロ画像(黒色の単色画像)を形成するプリンタ(以下、「モノクロプリンタ1A」と称する)として構成されている場合と、その画像形成装置1がカラー画像を形成するプリンタ(以下、「カラープリンタ1B」と称する)として構成されている場合とを想定して説明する。
なお、モノクロプリンタ1Aは、複数の被駆動部材を単一の駆動源で駆動させるため、駆動源が大出力の駆動源となっている。これに対して、カラープリンタ1Bは、複数の被駆動部材を複数の駆動源で駆動させるため、個々の駆動源が小出力の駆動源となっている。
本実施形態1に係る動力伝達機構100は、搬送負荷や駆動負荷等の負荷の異なる複数種類(例えば、2種類)の装置に対して、同一のフレームを用いることができるようにすることを技術的思想にしている。ここでは、動力伝達機構100は、モノクロプリンタ1A及びカラープリンタ1Bの2種類の画像形成装置1に対して、同一のフレーム99を用いている。
その動力伝達機構100のフレーム99は、図1に示すように、想定される取付対象装置の構成や仕様に合わせて、第1駆動源取付部101、第2駆動源取付部102、第1ギヤ取付部201、第2ギヤ取付部202、及び、共通ギヤ取付部209を備える構成になっている。
なお、本実施形態1では、第1駆動源取付部101及び第2駆動源取付部102は、フレーム99の表面側に設けられており、第1ギヤ取付部201、第2ギヤ取付部202、及び、共通ギヤ取付部209がフレーム99の裏面側に設けられているものとして説明する。ここでは、「フレーム99の裏面」とは、取付対象装置の内部方向に向けて配置される側の面を意味している。また、「フレーム99の表面」とは、取付対象装置の外部方向に向けて配置される側の面を意味している。
第1駆動源取付部101は、第1駆動源(例えば、後記する第2駆動源よりも大きな出力のモータ)が取り付けられる部位である。ここでは、第1駆動源は、DCモータM1(図4(b)参照)であるものとして説明する。
第2駆動源取付部102は、第1駆動源とは異なる出力の第2駆動源(例えば、第1駆動源よりも小さな出力のモータ)が取り付けられる部位である。ここでは、第2駆動源は、給紙モータM2(図8参照)であるものとして説明する。
第1ギヤ取付部201は、第1駆動源の駆動力を後記する共通ギヤに伝達するギヤ(ギヤ列又はギヤ単体)を「第1ギヤ」とし、その「第1ギヤ」が取り付けられる部位である。ここでは、「第1ギヤ」は、伝達ギヤ301,302,303(図4(a)及び図5参照)であるものとして説明する。
図4(a)及び図5に示す例では、伝達ギヤ301,302,303は、モノクロプリンタ1A(図2参照)の内部で、モータギヤG1を介して、DCモータM1からの駆動力を共通ギヤ401に伝達するギヤ列となっている。
第2ギヤ取付部202は、第2駆動源の駆動力を後記する共通ギヤに伝達するギヤ(ギヤ列又はギヤ単体)を「第2ギヤ」とし、その「第2ギヤ」が取り付けられる部位である。ここでは、「第2ギヤ」は、伝達ギヤ341(図8(a)及び図9参照)であるものとして説明する。
図8(a)及び図9に示す例では、伝達ギヤ341は、カラープリンタ1B(図6参照)の内部で、モータギヤG2を介して、給紙モータM2からの駆動力を共通ギヤ401に伝達するギヤ単体となっている。
共通ギヤ取付部209は、複数種類の装置に共通するギヤ(ギヤ列又はギヤ単体)を「共通ギヤ」とし、その「共通ギヤ」が取り付けられる部位である。なお、「共通ギヤ」は、被駆動部材に連結されて、駆動力を被駆動部材に伝達する。ここでは、「共通ギヤ」は、共通ギヤ401,402,403(図4(a)及び図5、並びに、図8(a)及び図9参照)であるものとして説明する。
図4(a)及び図5に示す例では、共通ギヤ401,402,403は、モノクロプリンタ1A(図2参照)の内部で、モータギヤG1及び第1ギヤ(伝達ギヤ301,302,303)を介して、DCモータM1から共通ギヤ401に伝達された駆動力を被駆動部材に伝達するギヤ列となっている。
また、図8(a)及び図9に示す例では、共通ギヤ401,402,403は、カラープリンタ1B(図6参照)の内部で、モータギヤG2及び第2ギヤ(伝達ギヤ341)を介して、給紙モータM2から共通ギヤ401に伝達された駆動力を被駆動部材に伝達するギヤ単体となっている。
なお、本実施形態1では、被駆動部材は、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bであるものとする(図2及び図6参照)。共通ギヤ402は、駆動ローラ32bに駆動力を伝達する。共通ギヤ403は、プレッシャローラ33bに駆動力を伝達する。
係る構成において、動力伝達機構100は、フレーム99及び共通ギヤ401,402,403(図4及び図8参照)を共通部品とし、モノクロプリンタ1A(図2参照)の図示せぬ筐体及びカラープリンタ1B(図6参照)の図示せぬ筐体の双方に取り付けることができる構成になっている。
そして、動力伝達機構100のフレーム99は、第1駆動源取付部101及び第1ギヤ取付部201の組、並びに、第2駆動源取付部102及び第2ギヤ取付部202の組のいずれか一方の組が排他的に選択されて、使用される。なお、「排他的に選択」とは、いずれか一方の組の取付部が選択された場合に、他方の組の取付部が選択されないことを意味している。
例えば、動力伝達機構100のフレーム99は、取付対象装置が駆動負荷の大きな装置(ここでは、モノクロプリンタ1A)である場合に、大きな出力の駆動源であるDCモータM1が取り付けられる第1駆動源取付部101及び第1ギヤ取付部201の組が選択される。そして、動力伝達機構100のフレーム99は、第1駆動源としてのDCモータM1が第1駆動源取付部101に取り付けられ、第1ギヤとしての伝達ギヤ301,302,303が第1ギヤ取付部201に取り付けられ、共通ギヤ401,402,403が共通ギヤ取付部209に取り付けられる。
以下、これらの駆動源及びギヤが取り付けられた動力伝達機構100を、「動力伝達機構100A(図4及び図5参照)」と称する。動力伝達機構100Aは、モノクロプリンタ1Aの図示せぬ筐体に取り付けることが予定される動力伝達機構である。
一方、動力伝達機構100のフレーム99は、取付対象装置が駆動負荷の小さな装置(ここでは、カラープリンタ1B)である場合に、小さな出力の駆動源である給紙モータM2が取り付けられる第2駆動源取付部102が選択される。そして、動力伝達機構100のフレーム99は、第2駆動源としての給紙モータM2が第2駆動源取付部102に取り付けられ、第2ギヤとしての伝達ギヤ341が第2ギヤ取付部202に取り付けられ、共通ギヤ401,402,403が共通ギヤ取付部209に取り付けられる。
以下、これらの駆動源及びギヤが取り付けられた動力伝達機構100を、「動力伝達機構100B(図8及び図9参照)」と称する。動力伝達機構100Bは、カラープリンタ1Bの図示せぬ筐体に取り付けることが予定される動力伝達機構である。
このような動力伝達機構100は、負荷の異なる複数の装置間で、同一対象の被駆動部材(ここでは、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b(図2及び図6参照))を駆動させる機構として容易に流用することができる。
<取付対象装置の一種としてのモノクロプリンタの構成>
(モノクロプリンタの全体の構成)
以下、図2を参照して、動力伝達機構100の取付対象装置であるモノクロプリンタ1Aの構成につき説明する。図2は、実施形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。なお、ここでは、「下流」や「上流」は、用紙Pの搬送方向を基準にしている。
図2に示すように、モノクロプリンタ1Aは、筐体内部の下層側に、用紙トレイ10aを有している。用紙トレイ10aは、用紙Pやフィルム等の媒体を内部に収納する収納部である。ここでは、収納された媒体が用紙Pであるものとして説明する。用紙トレイ10aは、モノクロプリンタ1Aに着脱自在に装着される。
用紙トレイ10aの内部には、支持軸11aaによって用紙トレイ10aの底面に回動可能に軸支された用紙載置板11aが設けられている。用紙Pは、この用紙載置板11a上に積載される。
用紙トレイ10aの繰り出し側には、支持軸12aaによって回動可能に軸支されたリフトアップレバー12が配設されている。なお、リフトアップレバー12の支持軸12aaは、昇降モータMUと接離可能に係合される。昇降モータMUは、用紙トレイ10aがモノクロプリンタ1Aに挿入されると、リフトアップレバー12の支持軸12aaと係合する。すると、モータ制御部82a(図3参照)が、昇降モータMUを回転駆動させて、リフトアップレバー12を回動させる。
リフトアップレバー12は、昇降モータMUが回転することによって、支持軸12aaを中心にして起立方向に回動する。このとき、リフトアップレバー12は、その先端部が用紙載置板11aの底部を持ち上げ、用紙載置板11aに積載された用紙Pの先端を上昇させる。
用紙Pは、先端が所定の高さまで上昇すると、ピックアップローラ16aに当接する。このとき、昇降センサSN1が、用紙Pの先端の上昇を検知して、検知信号をモータ制御部82a(図3参照)に出力する。これに応答して、モータ制御部82aが、昇降モータMUを停止させる。
ピックアップローラ16a及びフィードローラ17aは、DCモータM1(図3及び図4(b)参照)によって、図2に示す矢印方向に回転駆動される。リタードローラ18aは、図示せぬトルク発生手段によって、図2に示す矢印方向のトルクを発生している。これらのローラ16a,17a,18aは、用紙Pを用紙トレイ10aから搬送路3に繰り出す給紙ローラとして機能する。
ピックアップローラ16aは、当接している用紙Pを用紙トレイ10aの内部から繰り出す。また、フィードローラ17a及びリタードローラ18aは、複数枚の用紙Pが同時に繰り出されないように、用紙Pを1枚ずつに捌いて下流側に向けて搬送する。
用紙繰り出し部15aの下流側には、搬送路3に沿って順に、用紙センサSN2a、搬送ローラ対31a、用紙センサSN2b、搬送ローラ対31b、及び、書き込みセンサSN3が、配設されている。
用紙センサSN2aは、用紙Pの搬送位置を検出するセンサである。
搬送ローラ対31aは、用紙Pの斜行を規制するローラ対である。
搬送ローラ対31bは、用紙Pを画像形成部40Aに搬送するローラ対である。
用紙センサSN2bは、搬送ローラ対31bの駆動タイミングを検出するセンサである。
書き込みセンサSN3は、用紙Pの搬送位置を検出して、画像形成部40Aでの書き込みタイミングを取るためのセンサである。
なお、搬送ローラ対31aは、駆動ローラ32a及びプレッシャローラ33aによって構成されている。駆動ローラ32a及びプレッシャローラ33aは、搬送路3を挟んで、それぞれが接触した状態で配設されている。
また、搬送ローラ対31bは、駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bによって構成されている。駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bは、搬送路3を挟んで、それぞれが接触した状態で配設されている。
なお、本実施形態1では、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bが、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aとカラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bとで共通して被駆動部材になる場合を想定して説明する。
駆動ローラ32bは、回転軸としてのシャフト32ba(図2参照)を備えている。シャフト32baは、その外周にゴム等の摩擦材34が巻装されている。また、シャフト32baは、図示せぬギヤが、取り付けられている。その図示せぬギヤは、後記する共通ギヤ402の小径ギヤ402bと噛み合っている。駆動ローラ32bは、共通ギヤ402の小径ギヤ402b及び駆動ローラ32bの図示せぬギヤを介して、駆動源(モノクロプリンタ1Aの場合のDCモータM1又はカラープリンタ1Bの場合の給紙モータM2)からの駆動力が伝達されることにより、図2に示す矢印方向bに回転する。
プレッシャローラ33bは、図示せぬスプリング等の付勢手段によって駆動ローラ32bの摩擦材34に付勢当接するように、回転自由に配設されている。プレッシャローラ33bは、回転軸としての図示せぬシャフトを備えており、そのシャフトに図示せぬギヤが設けられている。その図示せぬギヤは、後記する共通ギヤ403と噛み合っている。プレッシャローラ33bは、共通ギヤ403及びプレッシャローラ33bの図示せぬギヤを介して、駆動源(モノクロプリンタ1Aの場合のDCモータM1又はカラープリンタ1Bの場合の給紙モータM2)からの駆動力が伝達されることにより、図2に示す矢印方向に回転する。
搬送ローラ対31a,31bは、DCモータM1(図4参照)の駆動力が駆動伝達機構100Aによって伝達されて、回転駆動する。その回転は、モータ制御部82a(図3参照)により制御される。
また、モノクロプリンタ1Aは、MPT(Multi Purpose Tray)10bを有している。図2に示す例では、MPT10bは、モノクロプリンタ1Aの背面に装着される構成になっている。MPT10bは、用紙Pやフィルム等の媒体を内部に収納する収納部である。ここでは、収納された媒体が用紙Pであるものとして説明する。
MPT10bの内部には、図示せぬ支持軸によってMPT10bの底面に回動可能に軸支された用紙載置板11bが設けられている。用紙Pは、この用紙載置板11b上に積載される。
用紙載置板11bは、図示せぬスプリングによって、上方向に付勢されている。したがって、図示せぬスプリングは、用紙載置板11bの底部を持ち上げ、用紙載置板11bに積載された用紙Pの先端を上昇させる。
用紙Pは、先端が所定の高さまで上昇すると、ピックアップローラ16bに当接する。
ピックアップローラ16bは、フィードローラ17b及びリタードローラ18bとともに、用紙Pを搬送路3に繰り出す用紙繰り出し部15bを形成している。フィードローラ17b及びリタードローラ18bは、搬送路3を挟んで、それぞれが接触した状態で配設されている。
ピックアップローラ16b及びフィードローラ17bは、DCモータM1(図3及び図4(b)参照)によって、図2に示す矢印方向に回転駆動される。リタードローラ18bは、図示せぬトルク発生手段によって、図2に示す矢印方向のトルクを発生している。これらのローラ16b,17b,18bは、用紙PをMPT10bから搬送路3に繰り出す給紙ローラとして機能する。
ピックアップローラ16bは、当接している用紙PをMPT10bの内部から繰り出す。また、フィードローラ17b及びリタードローラ18bは、複数枚の用紙Pが同時に繰り出されないように、用紙Pを1枚ずつに捌いて下流側に向けて搬送する。
モノクロプリンタ1Aは、書き込みセンサSN3の下流側に、搬送路3に沿って順に、画像形成部40、転写部50、定着部60、及び、排出部70を有している。
画像形成部40は、像担持体としての感光体ドラム42を備えており、トナー像を感光体ドラム42上に形成する構成要素である。
転写部50は、感光体ドラム42上に形成されたトナー像を、媒体(ここでは、用紙P)に転写する構成要素である。
定着部60は、媒体に転写されたトナー像を媒体に定着させる構成要素である。
排出部70は、トナー像が定着された媒体をスタッカ72上に排出する構成要素である。
モノクロプリンタ1Aの画像形成部40は、1つのプロセスユニット41を備えている。プロセスユニット41は、内蔵する感光体ドラム42上にトナー像を形成するユニットである。プロセスユニット41は、装置に対して着脱自在な構成になっている。プロセスユニット41は、内蔵された感光体ドラム42が搬送路3を介して転写部50の転写ローラ51に対向するように、配置される。
モノクロプリンタ1Aのプロセスユニット41は、現像剤としてブラック(K)色のトナーをトナー収納部47に収納しており、ブラック(K)の色の画像を形成する。以下、プロセスユニット41を、ブラック(K)の色の画像を形成するプロセスユニットに限定する場合に、「プロセスユニット41K」と称する。
なお、カラープリンタ1Bの画像形成部40は、4つのプロセスユニット41を備えている(図6参照)。以下、モノクロプリンタ1Aの画像形成部40とカラープリンタ1Bの画像形成部40と区別する場合に、モノクロプリンタ1Aの画像形成部40を「画像形成部40A」と称し、カラープリンタ1Bの画像形成部40を「画像形成部40B」と称する。
以下、プロセスユニット41の内部構成について説明する。
プロセスユニット41の内部には、感光体ドラム42が図2に示す矢印方向に回転可能に配置されている。感光体ドラム42は、後記する静電潜像及び後記するトナー像を担持する像担持体である。
感光体ドラム42の周囲には、その回転方向に沿って、帯電ローラ43、LEDヘッド44、現像ローラ45、及び、クリーニングブレード46が配設されている。また、現像ローラ45の上方には、トナー収納部47が配設されている。
帯電ローラ43は、感光体ドラム42の表面に電荷を供給して、感光体ドラム42の表面を一様に帯電させる帯電部である。
LEDヘッド44は、一様に帯電された感光体ドラム42の表面に光を選択的に照射して、感光体ドラム42の表面に静電潜像を形成する露光部である。
現像ローラ45は、静電潜像が形成された感光体ドラム42の表面にトナーを付着させて、静電潜像をトナー像として現像する現像部である。
クリーニングブレード46は、転写処理(トナー像を感光体ドラム42から用紙Pに転写する処理)時に、用紙Pに転写されずに、感光体ドラム42上に残留した転写残トナーを除去する部材である。
トナー収納部47は、現像ローラ45に供給するトナーを収納する収納部である。
なお、モノクロプリンタ1Aのプロセスユニット41Kは、DCモータM1(図4参照)からの駆動力が、図5に示すモータギヤG1及び伝達ギヤ301を経由して、感光体ドラム42に伝達されて、感光体ドラム42を回転駆動させる。また、感光体ドラム42の周囲のローラは、感光体ドラム42の回転に連れ回されて回転する。ただし、感光体ドラム42の周囲のローラは、図示せぬギヤを介してDCモータM1(図4参照)からの駆動力を受けることによって、回転駆動される構成にすることも可能である。
次に、転写部50の構成について説明する。
ここでは、モノクロプリンタ1Aの転写部50とカラープリンタ1Bの転写部50(図6参照)と区別する場合に、モノクロプリンタ1Aの転写部50を「転写部50A」と称し、カラープリンタ1Bの転写部50を「転写部50B」と称して説明する。
モノクロプリンタ1Aの転写部50は、転写ローラ51を備えている。転写ローラ51は、感光体ドラム42上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する部材である。転写ローラ51は、搬送路3を挟んで、プロセスユニット41の感光体ドラム42に対向する位置に、感光体ドラム42に圧接された状態で配設されている。転写ローラ51は、導電性のゴム等によって構成されている。転写ローラ51は、転写処理時に、電圧が印加される。これにより、転写ローラ51の表面は、感光体ドラム42の表面に対して、電位差が付与される。そのため、転写ローラ51は、感光体ドラム42上に形成されたトナー像を引き寄せる。その際に、転写部50は、用紙Pを感光体ドラム42と転写ローラ51との間に通すことにより、トナー像を感光体ドラム42から用紙Pに転写させる。
なお、モノクロプリンタ1Aは、1つのプロセスユニット41を備えているため、転写部50Aに、1つの転写ローラ51を備えている。これに対して、カラープリンタ1Bは、4つのプロセスユニット41を備えているため、転写部50Bに、4つの転写ローラ51を備えている。
次に、定着部60の構成について説明する。
定着部60は、アッパローラ61及びロアローラ62を備えている。アッパローラ61及びロアローラ62は、搬送路3を挟んで、それぞれが接触した状態で配設された一対のローラである。アッパローラ61及びロアローラ62は、それぞれ、表面が弾性体で構成されている。また、アッパローラ61及びロアローラ62は、それぞれ、例えば、ハロゲンランプ63a,63b等の熱源を内蔵している。定着部60は、画像形成部40Aから送り出された用紙Pをアッパローラ61とロアローラ62との間に通すことにより、用紙Pを加熱及び加圧して、用紙P上に転写されたトナー像を溶融させる。これにより、定着部60は、トナー像を用紙Pに定着させる。
次に、排出部70の構成について説明する。
排出部70は、排出ローラ対71、及び、スタッカ72を備えている。排出ローラ対71は、用紙Pをスタッカ72に搬送する一対のローラである。図2に示す例では、排出部70は、排出ローラ対71として、3対の排出ローラ対71a,71b,71cを備えた構成になっている。スタッカ72は、用紙Pの集積部である。モノクロプリンタ1Aは、定着処理(トナー像を用紙Pに定着させる処理)が終了すると、排出ローラ対71(ここでは、排出ローラ対71a,71b,71c)によって用紙Pをスタッカ部72に搬送して、スタッカ部72に排出する。
なお、モノクロプリンタ1Aは、ピックアップローラ16a,16b、フィードローラ17a,17b、搬送ローラ対31a,31b、感光体ドラム42、転写ローラ52、定着部60のアッパローラ61、定着部60のロアローラ62、及び、排出ローラ対71によって給紙搬送機構2を構成している。その給紙搬送機構2は、回転駆動される際に、第1駆動源であるDCモータM1からの駆動力が、給紙搬送機構2を構成する各部材のそれぞれの回転軸に組み付けられた後記する電磁クラッチ402cによって伝達される。
(モノクロプリンタの制御系の構成)
以下、図3を参照して、モノクロプリンタ1Aの制御系の構成につき説明する。図3は、実施形態1に係る画像形成装置の制御系の構成を示す図である。
図3に示すように、モノクロプリンタ1Aは、制御部80、記憶部90、オペレーションパネル92、インタフェース部94を有している。
制御部80は、モノクロプリンタ1Aの各部の動作を制御する機能手段であり、CPUによって構成されている。ここでは、モノクロプリンタ1Aの制御部80を「制御部80A」と称する。制御部80Aを構成するCPUは、主制御部81、搬送制御部82、露光制御部83、転写制御部84、及び、定着制御部85として機能する。なお、制御部80は、タイマカウンタ等を内蔵している。
主制御部81は、装置全体の動作を制御する機能手段である。主制御部81は、入力ポートから入力された昇降センサSN1、用紙センサSN2a,SN2b、書き込みセンサSN3、及び、排出センサSN4からの検出信号に基づいて、各部の起動や制御の切り替え等を行う。主制御部81には、搬送制御部82、露光制御部83、転写制御部84、及び、定着制御部85が接続されている。
搬送制御部82は、用紙Pの搬送動作(画像形成動作を含む)を制御する機能手段である。搬送制御部82は、モータ制御部82a及び電磁クラッチ制御部82bとして機能する。
モータ制御部82aは、リフトアップレバー12(図2参照)を回動させる昇降モータMUや複数の被駆動部材を駆動させるDCモータM1等の、用紙Pの搬送動作に関わる駆動源の動作を制御する機能手段である。モータ制御部82aは、例えば、DCモータM1に作動信号を出力して、DCモータM1の回転を制御する。なお、DCモータM1は、駆動回路を有している。
DCモータM1は、第1駆動源として機能するモータである。本実施形態1では、DCモータM1は、複数の被駆動部材(例えば、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b、プロセスユニット41の感光体ドラム42、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62、並びに、排出部70の排出ローラ対71)を駆動させる。そのため、DCモータM1は、複数のモータで各被駆動部材を分散して駆動するカラープリンタ1Bのモータ(例えば、給紙モータM2(図7参照))と比べると、大きな出力のモータとなっている。
また、DCモータM1は、複数の被駆動部材を駆動させるため、駆動させる複数の被駆動部材の中間付近(例えば、装置の中央付近である感光体ドラム42の周囲)に配設される。
DCモータM1の回転方向は、モータ端子に流れる駆動電流の極性によって定まる。また、モータ制御部82aは、駆動電流をDCモータM1に流しながら、図示せぬセンサによってDCモータM1の回転速度を検出して、駆動電流の電流値を変えることにより、DCモータM1の回転速度を制御する。
電磁クラッチ制御部82bは、電磁クラッチ402cを制御する機能手段である。電磁クラッチ402cは、例えば、クラッチギヤとして構成された共通ギヤ402(図4(a)及び図5参照)の回転軸上に配設されている。なお、共通ギヤ402は、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b(図2参照)に駆動力を伝達するギヤである。電磁クラッチ制御部82bは、電磁クラッチ402cに作動信号を出力して、電磁クラッチ402cの動作を制御する。
電磁クラッチ402cは、例えば、乾式単板電磁クラッチ等が用いられる。電磁クラッチ402cは、ロータとコイルを内蔵したフィールドが玉軸受けで支持されて一体としたフィールド・ロータ組立とアーマチュア組立とによって構成される。
フィールド・ロータ組立は、シャフト等の回転部材に取り付けられた構成になっている。一方、アーマチュア組立は、フィールド・ロータ組立のロータに対してわずかな間隙を設けて配置される。アーマチュア組立は、例えば、板ばねを介して、取り付けボルトによってプーリや歯車等の部材に固定された構成になっている。
電磁クラッチ402cは、電流が内部のコイルに流れると、フィールド・ロータ組立とアーマチュア組立との間に、磁束を発生させる。フィールド・ロータ組立のロータは、その磁束(磁力)によって、アーマチュア組立のアーマチュアを吸引する。これにより、電磁クラッチ402cは、電磁クラッチ402cの両端側に設けられた機構同士を連結させる。その結果、電磁クラッチ402cは、連結させた両端側の機構同士に、機械的な運動を同期して行わせる。
電磁クラッチ402cは、電流が投入され続けている間、アーマチュア組立のアーマチュアを、フィールド・ロータ組立のロータに吸引させ続ける。
一方、電磁クラッチ402cは、電流が切断されれば、フィールド・ロータ組立とアーマチュア組立との間の磁束が消滅するため、板ばねにより、アーマチュアがロータから切り離される。その結果、アーマチュアは、元の位置に引き戻される。
電磁クラッチ402cは、このような動作を行うことにより、駆動源からの駆動力を一方の部材から他方の部材に伝達したり、又は、遮断(伝達停止)したりする。
露光制御部83は、露光部44の動作を制御する機能手段である。
転写制御部84は、転写部50の動作を制御する機能手段である。
定着制御部85は、定着部60の動作を制御する機能手段である。
記憶部90は、RAMやROM等によって構成された、各種の制御プログラムや情報を記憶する記憶手段である。
オペレーションパネル92は、ユーザによる操作を受け付ける構成要素である。オペレーションパネル92は、スイッチ等の図示せぬ入力部、LEDやLCD等の図示せぬ表示部を備えている。オペレーションパネル92は、ユーザが図示せぬ入力部を操作することによって、モノクロプリンタ1Aの各種の条件(例えば、フォントの選択や用紙の選択等)を設定することができる。また、オペレーションパネル92は、図示せぬ入力部で設定された条件を図示せぬ表示部に表示する。
インタフェース部94は、外部の機器との通信を行う構成要素である。インタフェース部94は、インタフェースコネクタやインタフェース用IC等によって構成されている。インタフェース部94は、図示せぬホストコンピュータから送信された印刷データを受信すると、主制御部81に転送する。
(モノクロプリンタの動作)
以下、図2を参照して、モノクロプリンタ1Aの動作について説明する。
まず、用紙トレイ10aから用紙Pを給紙する場合のモノクロプリンタ1Aの動作について説明する。
モノクロプリンタ1Aは、用紙トレイ10aから用紙Pを給紙する場合に、用紙繰り出し部15a(ピックアップローラ16a、フィードローラ17a、及びリタードローラ18a)によって、用紙Pを上から1枚ずつ分離しながら搬送路3に繰り出す。これにより、用紙Pは、搬送ローラ対31aに搬送される。
このとき、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pを用紙繰り出し部15aによって予め設定された所定量だけ搬送して、用紙Pの先端Psを搬送ローラ対31aのローラニップ間に突き当てさせる。これにより、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pの斜行を補正する。
その際に、用紙Pは、用紙センサSN2a上を通過する。モノクロプリンタ1Aは、用紙Pが用紙センサSN2a上を通過すると、所定のタイミングで搬送ローラ対31aを回転駆動させる。
そして、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pを搬送ローラ対31aに噛み込ませ、搬送ローラ対31aの駆動ローラ32a及びプレッシャローラ33aによって用紙Pを下流側に搬送する。これにより、用紙Pは、搬送ローラ対31bに搬送される。
その際に、用紙Pは、用紙センサSN2b上を通過する。モノクロプリンタ1Aは、用紙Pが用紙センサSN2b上を通過すると、搬送ローラ対31bを回転駆動させる。
そして、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pを搬送ローラ対31bに噛み込ませ、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bによって用紙Pを下流側に搬送する。これにより、用紙Pは、停止することなく、画像形成部40A側に搬送される。
その際に、用紙Pは、書き込みセンサSN3上を通過する。モノクロプリンタ1Aは、用紙Pが書き込みセンサSN3上を通過すると、所定のタイミングで、画像形成部40Aのプロセスユニット41Kの感光体ドラム42を回転駆動させる。
そして、モノクロプリンタ1Aは、帯電ローラ43によって感光体ドラム42の表面を一様に帯電させ、露光部44によって静電潜像を感光体ドラム42の表面に形成し、さらに、現像ローラ45から現像剤としてのトナーを感光体ドラム42に移動させて、静電潜像をトナー像として現像(顕像化)する。これにより、トナー像が、感光体ドラム42上に形成される。
この後、用紙Pは、画像形成部40Aに到達すると、画像形成部40Aの感光体ドラム42と転写部50の転写ローラ51との間を通過する。モノクロプリンタ1Aは、用紙Pが画像形成部40Aの感光体ドラム42と転写部50の転写ローラ51との間を通過する際に、転写ローラ51が感光体ドラム42上に形成されたトナー像を引き寄せる。これにより、トナー像が、感光体ドラム42から用紙Pの記録面上に転写される。
その際に、モノクロプリンタ1Aは、搬送ローラ対31b及び感光体ドラム42を回転駆動させ続ける。これにより、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pを定着部60側に搬送する。
用紙Pは、定着部60に到達すると、定着部60のアッパローラ61とロアローラ62との間を通過する。アッパローラ61及びロアローラ62は、それぞれに内蔵されたハロゲンランプ63a,63bによって予め加熱されている。
モノクロプリンタ1Aは、アッパローラ61とロアローラ62とによって用紙Pを加熱及び加圧しながら、用紙Pを下流側に搬送する。このとき、用紙Pの記録面上に転写されたトナー像が、溶融して、用紙Pの記録面上に定着する。
この後、モノクロプリンタ1Aは、排出ローラ対71(ここでは、排出ローラ対71a,71b,71c)によって用紙Pを、モノクロプリンタ1Aの外部に設けられたスタッカ部72に搬送し、用紙Pをスタッカ部72上に排出する。
以上の過程を経て、モノクロ画像が用紙P上に形成される。
次に、MPT10bから用紙Pを給紙する場合のモノクロプリンタ1Aの動作を説明する。
モノクロプリンタ1Aは、MPT10bから用紙Pを給紙する場合に、用紙繰り出し部15b(ピックアップローラ16b、フィードローラ17b、及びリタードローラ18b)によって、用紙Pを上から1枚ずつ分離しながら搬送路3に繰り出す。これにより、用紙Pは、搬送ローラ対31bへ搬送される。
このとき、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pを用紙繰り出し部15bによって予め設定された所定量だけ搬送して、用紙Pの先端Psを搬送ローラ対31bのローラニップ間に突き当てさせる。これにより、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pの斜行を補正する。
その際に、用紙Pは、用紙センサSN2b上を通過する。モノクロプリンタ1Aは、用紙Pが用紙センサSN2b上を通過すると、所定のタイミングで搬送ローラ対31bを回転駆動させる。
そして、モノクロプリンタ1Aは、用紙Pを搬送ローラ対31bに噛み込ませ、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bによって用紙Pを下流側に搬送する。これにより、用紙Pは、画像形成部40A側に搬送される。
その際に、用紙Pは、書き込みセンサSN3上を通過する。モノクロプリンタ1Aは、用紙Pが書き込みセンサSN3上を通過すると、感光体ドラム42を回転駆動させる。
この後、モノクロプリンタ1Aは、用紙トレイ10aから用紙Pを給紙する場合と同様に動作して、感光体ドラム42上にトナー像を形成し、感光体ドラム42上に形成されたトナー像を用紙Pに転写させ、トナー像を用紙Pに定着させて、用紙Pをスタッカ部72上に排出する。
(モノクロプリンタ用の動力伝達機構の構成)
モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aは、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bと共通する被駆動部材として、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b(図2及び図6参照)を駆動する構成になっている。
以下、図4及び図5を参照して、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aの構成について説明する。図4及び図5は、それぞれ、実施形態1に係る動力伝達機構の構成を示す図である。図4(a)は、斜め方向から見た動力伝達機構100Aの裏面側の構成を示しており、図4(b)は、斜め方向から見た動力伝達機構100Aの表面側の構成を示している。図5は、動力伝達機構100Aを構成する駆動源及びギヤの配置関係を示している。
前記した通り、動力伝達機構100は、第1駆動源取付部101、第2駆動源取付部102、第1ギヤ取付部201、第2ギヤ取付部202、及び共通ギヤ取付部209が設けられたフレーム99を有している(図1参照)。
動力伝達機構100は、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aとして用いられる場合に、第1駆動源としてのDCモータM1(図4参照)が第1駆動源取付部101(図1参照)に取り付けられる。
DCモータM1は、カラープリンタ1Bに用いられる給紙モータM2と比べると、大きな出力のモータである。前記した通り、DCモータM1は、複数の被駆動部材を駆動させるため、駆動させる複数の被駆動部材の中間付近(例えば、装置の中央付近である感光体ドラム42の周囲)に配設される。DCモータM1は、回転軸にモータギヤG1を備えている。
また、動力伝達機構100は、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aとして用いられる場合に、第1ギヤとしての伝達ギヤ301,302,303が、第1ギヤ源取付部201(図1参照)に取り付けられる。なお、図5に示すように、伝達ギヤ301は、回転軸上に、大径ギヤ部301aと小径ギヤ部301bとを備える2段ギヤとして構成されている。同様に、伝達ギヤ302も、回転軸上に、大径ギヤ部302aと小径ギヤ部302bとを備える2段ギヤとして構成されている。
伝達ギヤ301は、モータギヤG1と伝達ギヤ302とを連結するギヤである。伝達ギヤ301の大径ギヤ部301aは、伝達ギヤ302の大径ギヤ部302aに噛み合っている。また、伝達ギヤ301の小径ギヤ部301bは、プロセスユニット41K(図2参照)に駆動力を伝達する図示せぬギヤに噛み合っている。伝達ギヤ301は、モータギヤG1を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、伝達ギヤ302に伝達する。
伝達ギヤ302は、伝達ギヤ301と伝達ギヤ303とを連結するギヤである。伝達ギヤ302の大径ギヤ部302aは、伝達ギヤ301の大径ギヤ部301aに噛み合っている。また、伝達ギヤ302の小径ギヤ部302bは、伝達ギヤ303に噛み合っている。伝達ギヤ302は、伝達ギヤ301を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、伝達ギヤ303に伝達する。
伝達ギヤ303は、伝達ギヤ302の小径ギヤ部302bと共通ギヤ401とを連結するギヤである。伝達ギヤ303は、伝達ギヤ302を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、共通ギヤ401に伝達する。
また、動力伝達機構100は、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aとして用いられる場合に、共通ギヤ401,402,403が、共通ギヤ取付部209(図1参照)に取り付けられる。なお、図5に示すように、共通ギヤ402は、回転軸上に、大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bと電磁クラッチ402cとを備えるクラッチギヤとして構成されている。共通ギヤ402は、搬送ローラ対31bの被駆動部材である駆動ローラ32b(図2参照)の周囲に配設される。
共通ギヤ401は、伝達ギヤ303と共通ギヤ402の大径ギヤ402aとを連結するギヤである。共通ギヤ401は、伝達ギヤ303を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、共通ギヤ402に伝達する。
共通ギヤ402は、共通ギヤ401と後記する駆動ローラ32bのギヤと共通ギヤ403とを連結するギヤである。共通ギヤ402は、大径ギヤ402aが共通ギヤ401と噛み合うとともに、小径ギヤ402bが共通ギヤ403及び搬送ローラ対31bの被駆動部材である駆動ローラ32bのシャフト32ba(図2参照)に設けられた図示せぬギヤ(以下、「駆動ローラ32bのギヤ」と称する)に噛み合っている。共通ギヤ402は、共通ギヤ401を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、電磁クラッチ402cの作動状況に応じて、選択的に、共通ギヤ403と駆動ローラ32bのギヤとに伝達したり、又は、遮断したりする。
共通ギヤ403は、共通ギヤ402と後記する駆動ローラ33bのギヤとを連結するギヤである。共通ギヤ403は、共通ギヤ402の小径ギヤ402b及び搬送ローラ対31bの被駆動部材であるプレッシャローラ33bのシャフトに設けられた図示せぬギヤ(以下、「プレッシャローラ33bのギヤ」と称する)に噛み合っている。共通ギヤ403は、共通ギヤ402の小径ギヤ402bを介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、プレッシャローラ33bのギヤに伝達する。
なお、モノクロプリンタ1Aは、図5に示すように、動力伝達機構100Aの外部に、伝達ギヤ311,312,313,314を有している。伝達ギヤ311,312,313,314は、モノクロプリンタ1Aの図示せぬ筐体に取り付けられている。なお、伝達ギヤ311は、回転軸上に、大径ギヤ部と小径ギヤ部とを備える2段ギヤとして構成されている。同様に、伝達ギヤ313も、回転軸上に、大径ギヤ部と小径ギヤ部とを備える2段ギヤとして構成されている。
伝達ギヤ311は、伝達ギヤ301と伝達ギヤ312とを連結するギヤである。伝達ギヤ311は、大径ギヤ部が伝達ギヤ301に噛み合っており、小径ギヤ部が伝達ギヤ312と噛み合っている。伝達ギヤ311は、伝達ギヤ301を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、伝達ギヤ312に伝達する。
伝達ギヤ312は、伝達ギヤ311と排出部70(図2参照)の排出ローラ対71を回転駆動させる図示せぬギヤ列のギヤとを連結するギヤである。伝達ギヤ312は、伝達ギヤ311を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、排出部70に伝達して、伝達ギヤ311を回転駆動させる。
伝達ギヤ313は、伝達ギヤ311と伝達ギヤ314とを連結するギヤである。伝達ギヤ313は、大径ギヤ部が伝達ギヤ311の小径ギヤに噛み合っており、小径ギヤ部が伝達ギヤ314と噛み合っている。伝達ギヤ313は、伝達ギヤ311を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、伝達ギヤ314に伝達する。
伝達ギヤ314は、伝達ギヤ313と定着部60(図2参照)のアッパローラ61及びロアローラ62を回転駆動させる図示せぬギヤ列のギヤとを連結するギヤである。伝達ギヤ314は、伝達ギヤ313を介して入力されるDCモータM1からの駆動力を、定着部60に伝達して、アッパローラ61及びロアローラ62を回転駆動させる。
係る構成において、動力伝達機構100Aは、共通ギヤ402が、その回転軸上に設けられた小径ギヤ部402bを介して、第1駆動源であるDCモータM1からの駆動力を、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bと共通する被駆動部材である駆動ローラ32bに伝達する。
また、動力伝達機構100Aは、共通ギヤ403が、DCモータM1からの駆動力を、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bと共通する被駆動部材であるプレッシャローラ33bに伝達する。
(モノクロプリンタ用の動力伝達機構の動作)
以下、図5を参照して、動力伝達機構100Aの動作について説明する。ここでは、図5に示すモータギヤG1に付した矢印の方向を「右回り」方向として説明する。
モノクロプリンタ1Aは、画像形成時に、モータ制御部82a(図3参照)が作動信号をDCモータM1(図3及び図4(b)参照)に出力する。これに応答して、DCモータM1(図4(b)参照)は、右回りに回転駆動する。その結果、モータギヤG1が、右回りに回転する(図5参照)。これにより、DCモータM1からの駆動力が、モータギヤG1に連結された伝達ギヤ301,302,303、及び、共通ギヤ401,402に順次伝達される。
モノクロプリンタ1Aは、所定のタイミングで、電磁クラッチ制御部82b(図3参照)が作動信号を共通ギヤ402の電磁クラッチ402c(図3参照)に出力する。これに応答して、電磁クラッチ402cは、電流が、その内部の図示せぬコイルに流れる。その結果、電磁クラッチ402cが、共通ギヤ402の大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bとを接続する。
共通ギヤ402の大径ギヤ部402aは、共通ギヤ401と噛み合っている。また、共通ギヤ402の小径ギヤ部402bは、駆動ローラ32b(図2参照)の図示せぬギヤ、及び、共通ギヤ403と噛み合っている。
そのため、動力伝達機構100Aは、電磁クラッチ402cが共通ギヤ402の大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bとを接続すると、共通ギヤ401と共通ギヤ402と駆動ローラ32bの図示せぬギヤとが連結されて、DCモータM1からの駆動力を駆動ローラ32bに伝達する。これにより、駆動ローラ32bが回転駆動する。
また、動力伝達機構100Aは、電磁クラッチ402cが共通ギヤ402の大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bとを接続すると、共通ギヤ401と共通ギヤ402と共通ギヤ403とが連結されて、DCモータM1からの駆動力を共通ギヤ403に伝達する。これにより、共通ギヤ403が、駆動ローラ32bの回転駆動に同期して、回転駆動する。
共通ギヤ403は、プレッシャローラ33b(図2参照)の図示せぬギヤと噛み合っている。そのため、動力伝達機構100Aは、共通ギヤ403が回転駆動すると、プレッシャローラ33bが回転駆動する。
なお、共通ギヤ401は、図示せぬギヤ列によって、用紙トレイ10aの周囲に設けられた用紙繰出部15a(図2参照)や、MPT10bの周囲に設けられた用紙繰出部15b(図2参照)、搬送ローラ対31a(図2参照)に連結された構成にすることができる。この場合に、モノクロプリンタ1Aは、共通ギヤ401及び図示せぬギヤ列を経由して、DCモータM1の駆動力をこれらの部材に伝達して、それぞれを回転駆動させることができる。
また、大径ギヤ301aがモータギヤG1と噛み合っている伝達ギヤ301は、小径ギヤ部301bが、図示せぬギヤ列を介して、DCモータM1からの駆動力をプロセスユニット41Kに伝達する。これにより、モノクロプリンタ1Aは、プロセスユニット41Kの感光体ドラム42、及び、いくつかのローラを回転駆動することができる。
伝達ギヤ301は、その大径ギヤ部301aが伝達ギヤ311の大径ギヤと噛み合っているため、DCモータM1からの駆動力を伝達ギヤ311に伝達する。伝達ギヤ311は、DCモータM1からの駆動力を、伝達ギヤ312,313に伝達する。
伝達ギヤ312は、DCモータM1からの駆動力を排出部70の図示せぬギヤ列に伝達して、排出ローラ対71(ここでは、排出ローラ対71a,71b,71c)を回転駆動させる。
伝達ギヤ313は、DCモータM1からの駆動力を伝達ギヤ314に伝達する。伝達ギヤ314は、DCモータM1からの駆動力を定着部60の図示せぬギヤ列に伝達して、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62を回転駆動させる。
このように、モノクロプリンタ1Aは、単一のDCモータM1で、複数の被駆動部材(例えば、図2に示すフィードローラ17a,17b、ピックアップローラ16a,16b、搬送ローラ対31aの駆動ローラ32a及びプレッシャローラ33a、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b、プロセスユニット41Kの感光体ドラム42及びいくつかのローラ、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62、並びに、排出部70の排出ローラ対71)を駆動する。
したがって、動力伝達機構100AのDCモータM1は、用紙トレイ10aからの給紙、MPT10bからの給紙、及び、用紙Pの搬送を行うために要する駆動力だけでなく、プロセスユニット41Kの感光体ドラム42及びいくつかのローラ、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62、並びに、排出部70の排出ローラ対71を駆動するのに要する駆動力及び所定の回転速度が必要とされる。そのため、DCモータM1は、比較的大きな出力のモータにする必要がある。
(カラープリンタの全体の構成)
以下、図6を参照して、動力伝達機構100の取付対象装置であるカラープリンタ1Bの構成につき説明する。図6は、実施形態1に係る別の画像形成装置の全体構成を示す図である。
ここでは、カラープリンタ1Bの構成について、モノクロプリンタ1Aと相違する構成を重点的に説明し、モノクロプリンタ1Aと同様の構成(図2参照)については、前記したモノクロプリンタ1Aの構成をカラープリンタ1Bの構成に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、カラープリンタ1Bは、モノクロプリンタ1A(図2参照)と比較すると、(1)カラープリンタ1Bの画像形成部40Bが4つのプロセスユニット41を有している点、及び、(2)カラープリンタ1Bの転写部50Bの構成が異なる点で、相違している。
4つのプロセスユニット41は、トナー収納部47に収容される現像剤(トナー)の色が異なる以外は、同じ構成となっている。ここでは、4つのプロセスユニット41は、それぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色のトナーを収納しているものとして説明する。以下、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色に対応する構成要素を区別する場合に、各構成要素に与えられた符号の末尾に、英文字「K」、「Y」、「M」、「C」を付して説明する。4つのプロセスユニット41K,41Y,41M,41Cは、それぞれ、上流側から下流側に向けて順に、取り外し自在に配設されている。
また、カラープリンタ1Bの転写部50Bは、4つのプロセスユニット41K,41Y,41M,41Cの各感光体ドラム42に対向して、4つの転写ローラ51を有している。
また、カラープリンタ1Bの転写部50Bは、4つのプロセスユニット41K,41Y,41M,41Cの各感光体ドラム42と4つの転写ローラ51との間に、転写ベルト52を有している。
転写ベルト52は、用紙Pを静電吸着して搬送する搬送手段である。転写ベルト52は、駆動ローラ53とテンションローラ54とによって張架されている。駆動ローラ53は、回転駆動することにより、転写ベルト52を走行させる。なお、駆動ローラ53は、駆動力がベルトモータM22(図7参照)から図示せぬ駆動伝達機構を経由して伝達されることによって、回転駆動する。
また、カラープリンタ1Bの転写部50Bは、転写ベルト52の周囲に、クリーニングブレード55及びトナーボックス56を備えている。
クリーニングブレード55は、転写ベルト52の表面に付着したトナーを掻き取る部材である。
トナーボックス56は、クリーニングブレード55によって転写ベルト52から掻き落とされたトナーを収納する収納部である。
カラープリンタ1Bは、4色のトナー像を4つのプロセスユニット41K,41Y,41M,41Cの各感光体ドラム42上に形成し、各色のトナー像を用紙Pに順次重ねて転写することにより、カラー画像を得る。
なお、カラープリンタ1Bは、4つのプロセスユニット41を有する。そのため、カラープリンタ1Bは、単一のモータで、4つのプロセスユニット41の被駆動部材(例えば、感光体ドラム42)と、プロセスユニット41以外の機構の被駆動部材(例えば、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62、排出部70の排出ローラ対71、その他)とを同時に駆動させることが困難である。
また、カラープリンタ1Bは、プロセスユニット41よりも上流側の給紙搬送機構2(例えば、ピックアップローラ16a,16b、フィードローラ17a,17b、リタードローラ18a,18b、及び、搬送ローラ対31a,31b)とプロセスユニット41よりも下流側の給紙搬送機構2(例えば、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62、並びに、排出ローラ対71a,71b,71c)とが、4つのプロセスユニット41によって、離間された構成になっている。したがって、カラープリンタ1Bは、プロセスユニット41よりも上流側の給紙搬送機構2とプロセスユニット41よりも下流側の給紙搬送機構2との間で駆動力を伝達することが困難な構成になっている。
そのため、カラープリンタ1Bは、複数の被駆動部材に対応して複数の駆動源を有しており、複数の駆動源でそれぞれに対応する各被駆動部材を分散して駆動する構成になっている。例えば、カラープリンタ1Bは、図7に示すように、モノクロプリンタ1AのDCモータM1の代わりに、給紙モータM2や、ドラムモータM21、ベルトモータM22、定着モータM23、排出モータM24を有する構成になっている。
給紙モータM2は、給紙搬送機構2の専用の駆動源である。給紙モータM2は、モノクロプリンタ1AのDCモータM1と比べると、小さな出力のモータとなっている。給紙モータM2としては、例えば、ステップモータ(OA用の小型パーマネントモータ(PMモータ))が用いられる。本実施形態1では、給紙モータM2は、第2駆動源として、モノクロプリンタ1Aと共通の被駆動部材である搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bを回転駆動させる。
ドラムモータM21は、プロセスユニット41の専用の駆動源である。ドラムモータM21は、4つのプロセスユニット41のそれぞれに対応して配設される。ドラムモータM21は、プロセスユニット41の感光体ドラム42を回転駆動させる。また、ドラムモータM21は、感光体ドラム42の周囲のいくつかのローラを回転駆動させるようにしてもよい。ドラムモータM21には、例えば、ブラシレスDCモータが用いられる。
ベルトモータM22は、転写部50の専用の駆動源である。ベルトモータM22は、転写ベルト52を張架する駆動ローラ53を回転駆動させることにより、転写ベルト52を走行させる。
定着モータM23は、定着部60の専用の駆動源である。定着モータM23は、定着部60のアッパローラ61及びロアローラ62のいずれか一方又は双方を回転駆動させる。
排出モータM24は、排出部70の専用の駆動源である。排出モータM24は、排出部70の排出ローラ対71a,71b,71cの各駆動ローラを回転駆動させる。
したがって、カラープリンタ1Bは、駆動源が、図示せぬギヤ(ギヤ列又はギヤ単体)を経由して、複数の駆動源M2,M21,M22,M23,M24(図7参照)からそれぞれに対応する被駆動部材に伝達される。
なお、各モータM2,M21,M22,M23,M24は、2相励磁パルスモータ、DCモータ等が用いられる。2相励磁パルスモータは、各モータに一定電流を流してクロック信号の立ち上がりで相電流方向を切り替えたり、クロック周波数を変化させたりすることで、モータ回転の加速及び減速を制御することができる。
なお、カラープリンタ1Bは、ピックアップローラ16a,16b、フィードローラ17a,17b、搬送ローラ対31a,31b、感光体ドラム42、転写ベルト52、定着部60のアッパローラ61、定着部60のロアローラ62、及び、排出ローラ対71によって給紙搬送機構2を構成している。その給紙搬送機構2は、回転駆動される際に、第2駆動源である給紙モータM2や、ドラムモータM21、ベルトモータM22、定着モータM23、及び、排出モータM24からの駆動力が、給紙搬送機構2を構成する各部材のそれぞれの回転軸に組み付けられた電磁クラッチ402cによって伝達される。
(カラープリンタの制御系の構成)
以下、図7を参照して、カラープリンタ1Bの制御系の構成につき説明する。図7は、実施形態1に係る別の画像形成装置の制御系の構成を示す図である。
図7に示すように、カラープリンタ1Bの制御部80Bは、モノクロプリンタ1Aの制御部80A(図3参照)と比較すると、モータ制御部82a(図3参照)の代わりに、モータ制御部82cを備えている点で相違している。モータ制御部82cは、モノクロプリンタ1Aのモータ制御部82aがDCモータM1の動作を制御するのに対して、給紙モータM2、ドラムモータM21、ベルトモータM22、定着モータM23、及び、排出モータM24の動作を制御する。なお、各モータM21,M22,M23は、駆動回路を有している。
モータ制御部82cは、例えば、給紙モータM2に作動信号を出力して、給紙モータM2の回転を制御する。
また、モータ制御部82cは、ドラムモータM21に作動信号を出力して、ドラムモータM21の回転を制御する。
また、モータ制御部82cは、ベルトモータM22に作動信号を出力して、ベルトモータM22の回転を制御する。
また、モータ制御部82cは、定着モータM23に作動信号を出力して、定着モータM23の動作を制御する。
また、モータ制御部82cは、排出モータM24に作動信号を出力して、排出モータM24の動作を制御する。
(カラープリンタの動作)
以下、図6を参照して、カラープリンタ1Bの動作について説明する。
ここでは、カラープリンタ1Bの動作について、モノクロプリンタ1Aと相違する動作を重点的に説明し、モノクロプリンタ1Aと同様の動作については、前記したモノクロプリンタ1Aの動作をカラープリンタ1Bの動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
カラープリンタ1Bの用紙トレイ10aから用紙Pを繰り出して搬送ローラ対31bまで搬送する動作は、モノクロプリンタ1Aの動作と同様であるため、説明を省略する。
また、カラープリンタ1BのMPT10bから用紙Pを繰り出して搬送ローラ対31bまで搬送する動作も、モノクロプリンタ1Aの動作と同様であるため、説明を省略する。
カラープリンタ1Bは、用紙Pが搬送ローラ対31bまで搬送されると、転写ベルト52によって画像形成部40B側に搬送する。
その際に、用紙Pは、書き込みセンサSN3上を通過する。カラープリンタ1Bは、用紙Pが書き込みセンサSN3上を通過すると、所定のタイミングで、画像形成部40Bのプロセスユニット41K,41Y,41M,41Cの各感光体ドラム42を順次回転駆動させる。
そして、カラープリンタ1Bは、プロセスユニット41K,41Y,41M,41Cのそれぞれで、帯電ローラ43によって感光体ドラム42の表面を一様に帯電させ、露光部44によって静電潜像を感光体ドラム42の表面に形成し、さらに、現像ローラ45から現像剤としてのトナーを感光体ドラム42に移動させて、静電潜像をトナー像として現像(顕像化)する。これにより、プロセスユニット41K,41Y,41M,41Cのそれぞれで、トナー像が、各感光体ドラム42上に形成される。
カラープリンタ1Bは、各プロセスユニット41K,41Y,41M,41Cでのトナー像の形成に合わせて、転写ベルト52によって用紙Pを下流側に搬送する。これにより、用紙Pは、プロセスユニット41K,41Y,41M,41Cの各感光体ドラム42と転写部50Bの各転写ローラ51との間を順次通過する。
その際に、各感光体ドラム42上に形成された各色のトナー像が、感光体ドラム42から用紙Pの記録面上に順次転写される。このとき、各色のトナー像は、重ね合わされる。その結果、カラー画像が用紙Pの記録面上に形成される。
カラープリンタ1Bは、各色のトナー像が用紙Pの記録面上に転写されると、定着部60が各色のトナー像を用紙Pの記録面上に定着させ、その用紙Pをスタッカ部72に排出する。
以上の過程を経て、カラー画像が用紙P上に形成される。
(カラープリンタ用の動力伝達機構の構成)
以下、図8及び図9を参照して、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bの構成について説明する。図8及び図9は、それぞれ、実施形態1に係る別の動力伝達機構の構成を示す図である。図8(a)は、斜め方向から見た動力伝達機構100Bの裏面側の構成を示しており、図8(b)は、斜め方向から見た動力伝達機構100Bの表面側の構成を示している。図9は、動力伝達機構100Bを構成する駆動源及びギヤの配置関係を示している。
ここでは、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bの構成について、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aと相違する構成を重点的に説明し、動力伝達機構100Aと同様の構成(図4及び図5参照)については、前記した動力伝達機構100Aの構成を動力伝達機構100Bの構成に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
前記した通り、動力伝達機構100は、第1駆動源取付部101、第2駆動源取付部102、第1ギヤ取付部201、第2ギヤ取付部202、及び共通ギヤ取付部209が設けられたフレーム99を有している(図1参照)。
動力伝達機構100は、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bとして用いられる場合に、第2駆動源としての給紙モータM2(図7参照)が第2駆動源取付部102(図1参照)に取り付けられる。
給紙モータM2は、モノクロプリンタ1Aに用いられるDCモータM1と比べると、小さな出力のモータである。給紙モータM2は、給紙モータM2に対応する被駆動部材(本実施形態1では、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b)のみを駆動させるため、対応する被駆動部材の周囲に配設される。給紙モータM2は、回転軸にモータギヤG2を備えている。
また、動力伝達機構100は、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bとして用いられる場合に、第2ギヤとしての伝達ギヤ341が、第2ギヤ源取付部202(図1参照)に取り付けられる。なお、図9に示すように、伝達ギヤ341は、共通ギヤ402と同様に、2段ギヤとして構成されている。伝達ギヤ341は、回転軸上に、大径ギヤ部341a及び小径ギヤ部341bを備えている。
伝達ギヤ341は、モータギヤG2と共通ギヤ401とを連結するギヤである。伝達ギヤ341の大径ギヤ部341aは、モータギヤG2に噛み合っている。また、伝達ギヤ341の小径ギヤ部341bは、共通ギヤ401に噛み合っている。伝達ギヤ341は、モータギヤG2を介して入力される給紙モータM2からの駆動力を、共通ギヤ401に伝達する。
なお、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bは、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aで、第1駆動源取付部101に取り付けられていた第1駆動源としてのDCモータM1及び第1ギヤ取付部201に取り付けられていた伝達ギヤ301,302,303が、取り付けられていない。
また、動力伝達機構100は、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bとして用いられる場合に、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aとして用いられる場合と同様に、共通ギヤ401,402,403が、共通ギヤ取付部209(図1参照)に取り付けられる。
係る構成において、動力伝達機構100Bは、共通ギヤ402が、その回転軸上に設けられた小径ギヤ部402bを介して、第2駆動源である給紙モータM2からの駆動力を、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aと共通する被駆動部材である駆動ローラ32bに伝達する。
また、動力伝達機構100Bは、共通ギヤ403が、給紙モータM2からの駆動力を、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aと共通する被駆動部材であるプレッシャローラ33bに伝達する。
(カラープリンタ用の動力伝達機構の動作)
以下、図9を参照して、動力伝達機構100Bの動作について説明する。ここでは、図9に示すモータギヤG2に付した矢印の方向を「右回り」方向として説明する。
ここでは、カラープリンタ1B用の動力伝達機構100Bの動作について、モノクロプリンタ1A用の動力伝達機構100Aと相違する動作を重点的に説明し、動力伝達機構100Aと同様の動作については、前記した動力伝達機構100Aの動作を動力伝達機構100Bの構成に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
カラープリンタ1Bは、画像形成時に、モータ制御部82c(図7参照)が作動信号を給紙モータM2(図7及び図8(b)参照)に出力する。これに応答して、給紙モータM2(図8(b)参照)は、右回りに回転駆動する。その結果、モータギヤG2が、右回りに回転する(図9参照)。これにより、給紙モータM2からの駆動力が、モータギヤG2に連結された伝達ギヤ341、及び、共通ギヤ401,402に順次伝達される。
カラープリンタ1Bは、所定のタイミングで、電磁クラッチ制御部82c(図7参照)が作動信号を共通ギヤ402の電磁クラッチ402c(図7参照)に出力する。これに応答して、電磁クラッチ402cは、電流が、その内部の図示せぬコイルに流れる。その結果、電磁クラッチ402cが、共通ギヤ402の大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bとを接続する。
動力伝達機構100Bは、電磁クラッチ402cが共通ギヤ402の大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bとを接続すると、共通ギヤ401と共通ギヤ402と駆動ローラ32bの図示せぬギヤとが連結されて、給紙モータM2からの駆動力を駆動ローラ32bに伝達する。これにより、駆動ローラ32bが回転駆動する。
また、動力伝達機構100Bは、電磁クラッチ402cが共通ギヤ402の大径ギヤ部402aと小径ギヤ部402bとを接続すると、共通ギヤ401と共通ギヤ402と共通ギヤ403とが連結されて、給紙モータM2からの駆動力を共通ギヤ403に伝達する。これにより、共通ギヤ403が、駆動ローラ32bの回転駆動に同期して、回転駆動する。
共通ギヤ403は、プレッシャローラ33b(図2参照)の図示せぬギヤと噛み合っている。そのため、動力伝達機構100Bは、共通ギヤ403が回転駆動すると、プレッシャローラ33bが回転駆動する。
なお、共通ギヤ401は、図示せぬギヤ列によって、用紙トレイ10aの周囲に設けられた用紙繰出部15a(図2参照)や、MPT10bの周囲に設けられた用紙繰出部15b(図6参照)、搬送ローラ対31a(図6参照)に連結された構成にすることができる。この場合に、カラープリンタ1Bは、共通ギヤ401及び図示せぬギヤ列を経由して、給紙モータM2の駆動力をこれらの部材に伝達して、それぞれを回転駆動させることができる。
(動力伝達機構の製造工程)
なお、図示せぬ製造装置は、動力伝達機構100A及び動力伝達機構100Bのいずれか一方を選択的に製造する場合に、図10に示すフローに沿って動作する。図10は、実施形態1に係る動力伝達機構の製造工程を示すフローチャートである。
製造装置は、動力伝達機構100A及び動力伝達機構100Bのいずれか一方を選択的に製造するために、動力伝達機構100のフレーム99を製造ラインに流す。そして、製造装置は、図10に示すように、まず、製造ラインを流れるフレーム99に対して、フレーム99の取付対象装置の種類(機種)を特定する(S105)。なお、取付対象装置の種類(機種)は、製造者によって予め製造装置に入力されている。
次に、製造装置は、S105で特定された取付対象装置の種類(機種)に合わせて、予めデータベースに登録された取付対象装置の種類(機種)に対応して使用される駆動源取付部及びギヤ取付部の組の情報を参照する。そして、製造装置は、データベースに登録された駆動源取付部及びギヤ取付部の組の情報に基づいて、特定された取付対象装置の種類(機種)に対応して使用される駆動源取付部及びギヤ取付部の組として、第1駆動源取付部101及び第1ギヤ取付部201の組、並びに、第2駆動源取付部102及び第2ギヤ取付部202の組のいずれか一方の組を選択する(S110)。
次に、製造装置は、S110で選択された駆動源取付部及びギヤ取付部の一方の組に合わせて、予めデータベースに登録された一方の組に対応する駆動源及びギヤの種類とその取り付け位置の座標との情報を参照する。そして、製造装置は、データベースに登録された駆動源及びギヤの種類とその取り付け位置の座標との情報に基づいて、選択されていない他方の組に対応する駆動源とギヤ(ギヤ列又はギヤ単体)とをフレーム99に取り付けずに、選択された一方の組に対応する駆動源とギヤ(ギヤ列又はギヤ単体)とのみをフレーム99に取り付ける(S115)。
また、製造装置は、予めデータベースに登録された共通ギヤの種類とその取り付け位置の座標との情報を参照する。そして、製造装置は、データベースに登録された共通ギヤの種類とその取り付け位置の座標との情報に基づいて、共通ギヤ(ギヤ列の場合を含む)をフレーム99に取り付ける(S120)。これにより、図10に示す一連のフローの処理が終了する。
なお、S115及びS120の処理は、S120の処理がS115の処理に先行して行われてもよい。
本実施形態1に係る動力伝達機構100は、フレーム99上に複数設けられた取付部(ここでは、第1駆動源取付部101及び第2駆動源取付部102のいずれか一方、並びに、第1ギヤ取付部201及び第2ギヤ取付部202のいずれか一方)が排他的に選択されて、選択された取付部に対応する駆動源及びギヤがフレーム99に取り付けられる。これにより、動力伝達機構100は、負荷の異なる複数の装置間で、同一対象の被駆動部材(ここでは、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33b(図2及び図6参照))を駆動させる機構(ここでは、動力伝達機構100A,100B)を提供することができる。そのため、動力伝達機構100は、負荷の異なる装置間で容易に流用することができる。
また、本実施形態1に係る動力伝達機構100は、フレーム99や共通ギヤ401,402,403が複数種類の取付対象装置の間で共通して使用される共通部品となる。このような動力伝達機構100は、製造時に、共通部品(フレーム99や共通ギヤ401,402,403)を製造ライン毎に分散して用意する必要がないため、製造時に用意する部品の数を低減させることができる。その結果、動力伝達機構100は、従来の動力伝達機構よりも、製造コストを低減させることができる。
以上の通り、本実施形態1に係る動力伝達機構100によれば、負荷の異なる装置間で容易に流用することができる。
[実施形態2]
実施形態1に係る動力伝達機構100は、第2駆動源(給紙モータM2)とは異なる出力の第1駆動源(DCモータM1)を、第2駆動源取付部102とは位置が異なる第1駆動源取付部101に取り付ける構成になっている。
これに対して、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbは、第2駆動源(給紙モータM2)とは異なる出力の第3駆動源(給紙モータM2b(図11参照))を、第2駆動源取付部102とは位置が一部又は全部で重なる第3駆動源取付部103(図11参照)に取り付けることができる構成にする。
以下、図11を参照して、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbの構成について説明する。図11は、実施形態2に係る動力伝達機構の構成を示す図である。本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbは、実施形態1に係る動力伝達機構100Bと同様に、カラープリンタ1B用の動力伝達機構となっている。
ここでは、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbの構成について、実施形態1に係る動力伝達機構100Bと相違する構成を重点的に説明し、動力伝達機構100Bと同様の構成(図8参照)については、前記した動力伝達機構100Bの構成を動力伝達機構100Bbの構成に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。
本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbは、実施形態1に係る動力伝達機構100Bと比較すると、第1駆動源取付部101及び第1ギヤ取付部201、並びに、第2駆動源取付部102及び第2ギヤ取付部202の他に、第3駆動源取付部103(図11(b)参照)が設けられたフレーム99bを備える点で相違している。
第3駆動源取付部103は、第3の駆動源としての給紙モータM2bが取り付けられる部位である。第3駆動源取付部103は、給紙モータM2bを取り付けることができるように、給紙モータM2bの形状に合わせて、ネジやピン等の取り付け用の部品を通すための孔が設けられている。
第3駆動源取付部103は、その一部又は全部が第2駆動源取付部102と重なる位置に設けられている。そのため、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbは、一部又は全部が実施形態1に係る給紙モータM2が取り付けられる位置と重なるに、給紙モータM2とは出力の異なる給紙モータM2bを取り付けることができる。
動力伝達機構100Bbは、給紙モータM2bが第3駆動源取付部103に取り付けられた場合に、給紙モータM2bの回転軸に取り付けられたモータギヤG2bが共通ギヤ401の大径ギヤ401aに噛み合うようになる。これにより、動力伝達機構100Bbは、モータギヤG2bを介して、給紙モータM2bからの駆動力を共通ギヤ401に伝達する。共通ギヤ401は、小径ギヤ401bによって、その駆動力を共通ギヤ402に伝達する。この後の動作は、実施形態1に係る動力伝達機構100Bの動作と同様である。したがって、動力伝達機構100Bbは、実施形態1に係る動力伝達機構100BのモータギヤG2をモータギヤG2bに置き換えた場合と同様に動作する。
なお、図11に示す例では、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbは、搬送ローラ対31bの駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bが、実施形態1に係る動力伝達機構100Bと共通する被駆動部材となっている。
本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbは、取り付けられる給紙モータM2bの出力が実施形態1に係る動力伝達機構100Bに取り付けられる給紙モータM2よりも大きな出力になる場合がある。この場合に、動力伝達機構100Bbが搭載されるカラープリンタは、給紙モータM2よりも大きな出力が駆動ローラ32b及びプレッシャローラ33bに伝達される。
そのため、この場合に、動力伝達機構100Bbが搭載されるカラープリンタは、プレッシャローラ33bを駆動ローラ32bの摩擦材34に付勢する図示せぬスプリング等の付勢手段の押圧を、実施形態1に係る動力伝達機構10が搭載されるカラープリンタ1Bの押圧の設定値よりも大きな値に設定する必要がある。
なお、動力伝達機構100Bbは、実施形態1に係る第1駆動源(DCモータM1)の代わりに、DCモータM1とは異なる出力の第3駆動源を取り付ける構成にしてもよい。この場合に、第3駆動源取付部103は、第1駆動源取付部101とは位置が一部又は全部で重なる位置となる。
以上の通り、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbによれば、実施形態1に係る動力伝達機構100と同様に、負荷の異なる複数の装置間で容易に流用することができる。
しかも、本実施形態2に係る動力伝達機構100Bbによれば、実施形態1に係る動力伝達機構100が第2駆動源(給紙モータM2)とは異なる出力の第1駆動源(DCモータM1)を、第2駆動源取付部102とは位置が異なる第1駆動源取付部101に取り付けることしかできないのに対して、第2駆動源(給紙モータM2)とは異なる出力の第3駆動源(給紙モータM2b)を、第2駆動源取付部102とは位置が一部又は全部で重なる第3駆動源取付部103に取り付けることができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、本発明は、プリンタに限らず、ファクシミリ装置や、複写機、MFP等の画像形成装置に用いることができる。
また、例えば、本発明は、プリンタの本体だけではなく、外部のユニットにも適用することもできる。具体的には、独自に動力伝達機構を有するオプショントレイ等の収納部にも適用することができる。この場合に、被駆動部材は、収納部に収納された媒体を画像形成装置の搬送路に繰り出す給紙ローラとなる。
また、例えば、本実施形態2では、動力伝達機構に取り付けられる駆動源として、DCモータ、ステッピングモータ等を示したが、これに限定されるものではない。
また、搬送ローラへ駆動力を伝達するための接続手段として、電磁クラッチを使用しているが、接続手段はこれに限定されるものではなく、ソレノイド等による場合等においても同様の効果が得られる。
また、画像処理部のプロセスユニットとして、K、Y、M、Cの4色による画像処理方式について示したが、対応する印字色、プロセスユニットの数、画像処理の方式、配設位置等はこれに限定されるものではなく、また、それらを用いた複写機、自動原稿読み取り装置等にも実施可能である。