JP2013133789A - 燃料濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料濾過装置の長寿命化を図る。
【解決手段】仕切壁53〜55によって長い燃料通路50が形成されたダスト沈降収集体5をケース1の底部に配置し、燃料通路50を燃料が流通する間に燃料中のダストを沈降させ、ダスト沈降収集体5内を通過した後に燃料を濾過エレメント2に流入させる。ダストはダスト沈降収集体5内に貯留され、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント2単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料中のダストを濾過エレメントにて捕捉する燃料濾過装置に関するものである。
内燃機関に燃料を供給する装置に用いられる従来の燃料濾過装置は、濾過エレメントの各部位における燃料流速を均一にすることにより、濾過エレメントの全域に均一にダストが捕捉されるようにして、燃料濾過装置の長寿命化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−197686号公報
しかしながら、従来の燃料濾過装置は、最終的にはすべてのダストが濾過エレメントに捕捉されるため、燃料濾過装置の寿命は濾過エレメントのダスト捕集最大容量で決定される。
本発明は上記点に鑑みて、燃料濾過装置のさらなる長寿命化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料中のダストを捕捉する濾過エレメント(2)がケース(1)内に収容された燃料濾過装置において、内部空間が仕切壁(53〜58)によって仕切られて燃料通路(50)が形成され、燃料通路(50)を燃料が流通する間に燃料中のダストを沈降させるダスト沈降収集体(5)を備え、ダスト沈降収集体(5)はケース(1)の底部に配置され、燃料がダスト沈降収集体(5)内を通過した後に濾過エレメント(2)に流入するように構成されていることを特徴とする。
これによると、仕切壁(53〜58)によって仕切ることにより燃料通路(50)を長くすることができるため、長い燃料通路(50)を燃料が流通する間に燃料中のダストを多く沈降させることができる。そして、そのダストはダスト沈降収集体(5)内に貯留されるため、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント(2)単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の燃料濾過装置において、仕切壁(53〜55)は、円筒状で且つ同心円状に複数配置されるとともに、上流側の燃料通路と下流側の燃料通路とを連通させる仕切壁連通孔(531、541、551)を備えることができる。
請求項3に記載の発明のように、請求項1に記載の燃料濾過装置において、仕切壁(56、57)は、板状で且つ上下方向に複数積層配置されるとともに、上流側の燃料通路と下流側の燃料通路とを連通させる仕切壁連通孔(561、571)を備えることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の燃料濾過装置において、隣接する2つの仕切壁(53〜58)のうち一方の仕切壁に形成された仕切壁連通孔と他方の仕切壁に形成された仕切壁連通孔(531、541、551、561、571)は、仕切壁(53〜58)の周方向にずれて配置されていることを特徴とする。
これによると、ダスト沈降収集体(5)内の燃料通路(50)を迷路構造にして燃料通路(50)を長くすることができるため、ダスト沈降収集体(5)内で燃料中のダストをより確実に沈降させることができる。
請求項5に記載の発明のように、請求項1に記載の燃料濾過装置において、仕切壁(58)は、渦巻状にすることができる。
請求項6に記載の発明では、燃料中のダストを捕捉する濾過エレメント(2)がケース(1)内に収容された燃料濾過装置において、ケース(1)の底部壁面から上方に向かって延びる複数の仕切板(71)によって仕切られるとともに上部に開口部(73)が形成された複数の貯留室(72)を有するダスト貯留体(7)を備え、燃料がダスト貯留体(7)の上方を通過した後に濾過エレメント(2)に流入するように構成されていることを特徴とする。
ところで、燃料濾過装置が、内燃機関に燃料を供給する装置に用いられる場合、例えばエンジン回転数が高い運転状態下では燃料流速が高くなるため、燃料濾過装置の底部に沈殿していたダストが高い流速の燃料により舞い上げられ、そのダストが濾過エレメント(2)に捕捉される。すなわち、最終的にはすべてのダストが濾過エレメント(2)に捕捉される。
これに対し、請求項6に記載の発明によると、貯留室(72)内は燃料流れがないため、沈降して貯留室(72)に流入した燃料中のダストの舞い上がりが起こりにくく、貯留室(72)に一旦流入したダストは貯留室(72)に安定して留まる。したがって、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント(2)単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
請求項7に記載の発明のように、請求項6に記載の燃料濾過装置において、複数の仕切板(71)は、格子状に配置することができる。
請求項8に記載の発明では、請求項6または7に記載の燃料濾過装置において、貯留室(72)の上部は、覆い板(74)によって一部が覆われ、貯留室(72)の上部のうち覆い板(74)によって覆われていない部位が開口部(73)であることを特徴とする。
これによると、振動等により貯留室(72)内の燃料が動いても、貯留室(72)のダストの舞い上がりが覆い板(74)によって防止される。
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の燃料濾過装置において、覆い板(74)は、開口部(73)側よりも反開口部側が高くなっていることを特徴とする。
これによると、振動等により貯留室(72)内の燃料が覆い板(74)に衝突すると、その燃料は覆い板(74)に案内されて反開口部側に導かれるため、貯留室(72)のダストの舞い上がりがより確実に防止される。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図である。 図5のC−C線に沿う断面図である。 本発明の第4実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図である。 図7のD−D線に沿う断面図である。 本発明の第5実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態に係る燃料濾過装置は、ディーゼルエンジン等の内燃機関に燃料を供給するための燃料供給装置の部品であって、燃料供給経路に設けられている。内燃機関は、車両あるいは船舶等の動力源として搭載されたもの、あるいは発電用、空調用の動力源として定置されたものである。
図1は本発明の第1実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。なお、図1中の天地方向の矢印は、燃料濾過装置の使用時の天地方向を示している。また、図1、図2中の矢印は、燃料の流れを示している。
図1、図2に示すように、燃料濾過装置は、ケース1、燃料中に混入したダストを捕捉する濾過エレメント2、燃料中に混入した水分を凝集させる凝集エレメント3、凝集エレメント3を収容し支持する支持部材4、および、燃料中のダストを沈降させるダスト沈降収集体5を備えている。
ケース1は、円筒状のケース外側筒部11、ケース外側筒部11の上部を覆う板状のケース天板部12、ケース外側筒部11の下部を覆う板状のケース底板部13、およびケース天板部12に接合された円筒状のケース内側筒部14を備えている。
ケース天板部12には、燃料が流入する燃料入口121が径方向中心部に形成されている。この燃料入口121は、燃料配管を介して燃料タンク(図示しない)に接続されている。また、ケース内側筒部14は、燃料入口121が形成された部位から下方に向かって延びており、燃料入口121に流入した燃料を支持部材4の内部空間に導くようになっている。
ケース天板部12には、燃料が流出する複数の燃料出口122が径方向中心部から外れた位置に形成されている。この燃料出口122は、燃料配管を介して燃料噴射装置(図示しない)に接続されている。
濾過エレメント2は、ケース1内の上方に配置され、より詳細には、凝集エレメント3やダスト沈降収集体5よりも上方に配置されている。また、濾過エレメント2は、繊維等の濾過材で構成され、ハニカム構造で円筒状に形成されている。そして、濾過エレメント2の径方向中心部に形成された貫通孔にケース内側筒部14が挿入され、濾過エレメント2の外周面がケース外側筒部11に密着している。燃料は濾過エレメント2の下方側から上方側に流れるようになっており、濾過エレメント2を通過した燃料は、燃料出口122から流出し、燃料噴射装置に供給される。
支持部材4は、ケース1内の天地方向中間部に配置され、より詳細には、濾過エレメント2よりも下方に配置されている。
支持部材4は、円筒状の支持部材外側筒部41、支持部材外側筒部41の上部を覆う板状の支持部材天板部42、および支持部材外側筒部41の下部を覆う板状の支持部材底板部43を備えている。
支持部材天板部42には、径方向中心部に入口開口部421が形成されている。そして、支持部材天板部42にケース内側筒部14が接合され、このケース内側筒部14により燃料入口121と入口開口部421が接続されている。
支持部材底板部43には、ダスト沈降収集体5に燃料を流出させる複数の出口開口部431が径方向中心部から外れた位置に形成されている。
凝集エレメント3は、親水性の繊維を集合させた不織布からなり、円筒状に形成されている。そして、凝集エレメント3の径方向中心部に形成された貫通孔31が入口開口部421と連通している。燃料は、貫通孔31から凝集エレメント3内に流入し、凝集エレメント3を通過した後に出口開口部431を通ってダスト沈降収集体5に流出するようになっている。なお、凝集エレメント3は、ダストによる目詰まりを防ぐため、濾過エレメント2よりも孔径が大きく設定されている。
ダスト沈降収集体5は、ケース1内の底部に配置され、より詳細には、濾過エレメント2や凝集エレメント3よりも下方に配置されている。
ダスト沈降収集体5は、支持部材外側筒部41の下端に接合された円筒状の収集体筒部51、収集体筒部51の下部を覆う環状の収集体底板部52、および円筒状で且つ同心円状に配置された第1〜第3円筒仕切壁53〜55を備えている。
なお、以下の説明では、必要に応じて、第1〜第3円筒仕切壁53〜55のうち最内の円筒仕切壁を第1円筒仕切壁53といい、最外の円筒仕切壁を第3円筒仕切壁55といい、それらの中間に位置する円筒仕切壁を第2円筒仕切壁54という。
第1〜第3円筒仕切壁53〜55は、上端が収集体底板部52に接合され、下端がケース底板部13に接合されている。そして、この第1〜第3円筒仕切壁53〜55によってダスト沈降収集体5の内部空間(換言すると、収集体筒部51と第3円筒仕切壁55とケース底板部13と支持部材底板部43とで囲まれた空間)が仕切られて燃料通路50が形成されている。
第1円筒仕切壁53には、その上端ないしは上端近傍に、第1円筒仕切壁連通孔531が2つ形成されている。2つの第1円筒仕切壁連通孔531は、第1円筒仕切壁53の周方向に180°ずらして配置されている。そして、この第1円筒仕切壁連通孔531により、第1円筒仕切壁53の燃料流れ上流側(以下、単に上流側という)の燃料通路50(換言すると、収集体筒部51と収集体底板部52と第1円筒仕切壁53と支持部材底板部43とで囲まれた空間)と、第1円筒仕切壁53の燃料流れ下流側(以下、単に下流側という)の燃料通路50(換言すると、第1円筒仕切壁53と第2円筒仕切壁54との間燃料通路50)とが連通している。
第2円筒仕切壁54には、その上端ないしは上端近傍に、第2円筒仕切壁連通孔541が2つ形成されている。2つの第2円筒仕切壁連通孔541は、第2円筒仕切壁54の周方向に180°ずらして配置されている。そして、この第2円筒仕切壁連通孔541により、第2円筒仕切壁54の上流側の燃料通路50(換言すると、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50)と、第2円筒仕切壁54の下流側の燃料通路50(換言すると、第2円筒仕切壁54と第3円筒仕切壁55との間の燃料通路50)とが連通している。
第3円筒仕切壁55には、その上端ないしは上端近傍に、第3円筒仕切壁連通孔551が2つ形成されている。2つの第3円筒仕切壁連通孔551は、第3円筒仕切壁55の周方向に180°ずらして配置されている。そして、この第3円筒仕切壁連通孔551により、第3円筒仕切壁55の上流側の燃料通路50(換言すると、第2円筒仕切壁54の下流側の燃料通路50)と、第3円筒仕切壁55の下流側の空間(換言すると、第3円筒仕切壁55の外周側の空間)とが連通している。
第1円筒仕切壁53の第1円筒仕切壁連通孔531と、第1円筒仕切壁53に隣接する第2円筒仕切壁54の第2円筒仕切壁連通孔541は、第1円筒仕切壁53および第2円筒仕切壁54の周方向に90°ずらして配置されている。
第2円筒仕切壁54の第2円筒仕切壁連通孔541と、第2円筒仕切壁54に隣接する第3円筒仕切壁55の第3円筒仕切壁連通孔551は、第2円筒仕切壁54および第3円筒仕切壁55の周方向に90°ずらして配置されている。
支持部材4の出口開口部431を介してダスト沈降収集体5内に流入した燃料は、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50、第1円筒仕切壁連通孔531、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50、第2円筒仕切壁連通孔541、第2円筒仕切壁54の下流側の燃料通路50、第3円筒仕切壁連通孔551、第3円筒仕切壁55の下流側の空間の順に流れるようになっている。そして、ダスト沈降収集体5内を通過した燃料、すなわち、第3円筒仕切壁55の下流側の空間に流出した燃料は、濾過エレメント2に流入する。
ケース底板部13には、コック(図示しない)があり、そのコックを開弁させることにより、ケース1内の底部(より詳細には、第1円筒仕切壁53の内周側の燃料通路50)に溜まった水をケース1の外部に排出可能となっている。
上記構成になる燃料濾過装置は、燃料入口121から流入した燃料が、最初に凝集エレメント3に流入する。そして、燃料が凝集エレメント3内を通過する間に、燃料中に分散している水分は凝集エレメント3の不織布に捕捉され、徐々に凝集して水滴となる。凝集エレメント3を通過後の水滴および燃料は、出口開口部431を通ってダスト沈降収集体5に流入する。そして、水滴は、第1円筒仕切壁53の内周側の燃料通路50内に貯留される。なお、凝集エレメント3は孔径が大きいため、燃料中に混入したダストは凝集エレメント3には捕集されない。
一方、ダスト沈降収集体5に流入した燃料は、燃料がダスト沈降収集体5内を流通する間に粒径の大きなダストが沈降し、そのダスト6はダスト沈降収集体5内の底部に貯留される。
このようにして粒径の大きなダストが除去された燃料が、濾過エレメント2に流入する。そして、ダスト沈降収集体5を通過したダストが濾過エレメント2にて捕捉される。
本実施形態によると、第1〜第3円筒仕切壁53〜55によってダスト沈降収集体5の内部空間を仕切ることにより、ダスト沈降収集体5内に長い燃料通路50を形成することができるため、長い燃料通路50を燃料が流通する間に燃料中のダストを多く沈降させることができる。そして、そのダストはダスト沈降収集体5内に貯留されるため、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント2単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
また、第1円筒仕切壁連通孔531と第2円筒仕切壁連通孔541を、第1円筒仕切壁53および第2円筒仕切壁54の周方向にずらして配置するとともに、第2円筒仕切壁連通孔541と第3円筒仕切壁連通孔551を、第2円筒仕切壁54および第3円筒仕切壁55の周方向にずらして配置することにより、換言すると、ダスト沈降収集体5内の燃料通路50を迷路構造にすることにより、燃料通路50をさらに長くすることができる。したがって、燃料通路50を燃料が流通する間のダスト沈降量が増加し、燃料濾過装置の更なる長寿命化を図ることができる。
さらに、第1円筒仕切壁連通孔531を2つ備えているため、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50から下流側の燃料通路50に流れる燃料は、2方向に分かれて流れる。また、第1円筒仕切壁連通孔531を通過後に、さらに2方向に分かれて流れる。同様に、第2円筒仕切壁連通孔541を2つ備えているため、第2円筒仕切壁54の上流側の燃料通路50から下流側の燃料通路50に流れる燃料は、2方向に分かれて流れる。また、第2円筒仕切壁連通孔541を通過後に、さらに2方向に分かれて流れる。このように、燃料通路50内において燃料が分かれて流れることにより、燃料通路50内での圧損を小さくすることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図、図4は図3のB−B線に沿う断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図3中の天地方向の矢印は、燃料濾過装置の使用時の天地方向を示している。また、図3、図4中の矢印は、燃料の流れを示している。
図3、図4に示すように、第1円筒仕切壁53の第1円筒仕切壁連通孔531は、第1円筒仕切壁53の下端に2つ形成されている。2つの第1円筒仕切壁連通孔531は、第1円筒仕切壁53の周方向に180°ずらして配置されている。
第1実施形態における第2円筒仕切壁54と第3円筒仕切壁55は廃止され、板状で且つ環状の第1環状仕切壁56および板状で且つ環状の第2環状仕切壁57が、第1円筒仕切壁53の径方向外側に積層して配置されている。なお、第1環状仕切壁56が第2環状仕切壁57よりも下方に位置している。
この第1環状仕切壁56および第2環状仕切壁57は、内周面が第1円筒仕切壁53に接合され、外周面がケース外側筒部11に接合されている。より詳細には、第1環状仕切壁56は、第1円筒仕切壁連通孔531よりも上方位置で第1円筒仕切壁53に接合されている。
そして、第1環状仕切壁56および第2環状仕切壁57によってダスト沈降収集体5の内部空間(換言すると、収集体筒部51と収集体底板部52と第1円筒仕切壁53と第2環状仕切壁57とケース外側筒部11とケース底板部13と支持部材底板部43とで囲まれた空間)が仕切られて燃料通路50が形成されている。
第1円筒仕切壁連通孔531により、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50と、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50(換言すると、ケース底板部13と第1環状仕切壁56との間の燃料通路50)とが連通している。
第1環状仕切壁56には、その外周部に、第1環状仕切壁連通孔561が2つ形成されている。2つの第1環状仕切壁連通孔561は、第1環状仕切壁56の周方向に180°ずらして配置されている。また、第1円筒仕切壁連通孔531と第1環状仕切壁連通孔561は、第1円筒仕切壁53および第1環状仕切壁56の周方向に90°ずらして配置されている。そして、この第1環状仕切壁連通孔561により、第1環状仕切壁56の上流側の燃料通路50(換言すると、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50)と第1環状仕切壁56の下流側の燃料通路50(換言すると、第1環状仕切壁56と第2環状仕切壁57との間の燃料通路50)とが連通している。
第2環状仕切壁57には、その内周部に、第2環状仕切壁連通孔571が2つ形成されている。2つの第2環状仕切壁連通孔571は、第2環状仕切壁57の周方向に180°ずらして配置されている。また、第1環状仕切壁連通孔561と第2環状仕切壁連通孔571は、第1環状仕切壁56および第2環状仕切壁57の周方向に90°ずらして配置されている。そして、この第2環状仕切壁連通孔571により、第2環状仕切壁57の上流側の燃料通路50(換言すると、第1環状仕切壁56と第2環状仕切壁57との間の燃料通路50)と第2環状仕切壁57の下流側の空間(換言すると、第2環状仕切壁57の上方側の空間)とが連通している。
上記構成において、ダスト沈降収集体5内に流入した燃料は、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50、第1円筒仕切壁連通孔531、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50、第1環状仕切壁連通孔561、第1環状仕切壁56の下流側の燃料通路50、第2環状仕切壁連通孔571、第2環状仕切壁57の下流側の空間の順に流れる。そして、燃料がダスト沈降収集体5内を通過する間に粒径の大きなダストが沈降し、そのダスト6はダスト沈降収集体5内に貯留される。
本実施形態によると、第1環状仕切壁56および第2環状仕切壁57によってダスト沈降収集体5の内部空間を仕切ることにより、ダスト沈降収集体5内に長い燃料通路50を形成することができるため、長い燃料通路50を燃料が流通する間に燃料中のダストを多く沈降させることができる。そして、そのダストはダスト沈降収集体5内に貯留されるため、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント2単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
また、第1円筒仕切壁連通孔531と第1環状仕切壁連通孔561を、第1円筒仕切壁53および第1環状仕切壁56の周方向にずらして配置するとともに、第1環状仕切壁連通孔561と第2環状仕切壁連通孔571を、第1環状仕切壁56および第2環状仕切壁57の周方向にずらして配置することにより、換言すると、ダスト沈降収集体5内の燃料通路50を迷路構造にすることにより、燃料通路50をさらに長くすることができる。したがって、燃料通路50を燃料が流通する間のダスト沈降量が増加し、燃料濾過装置の更なる長寿命化を図ることができる。
さらに、第1円筒仕切壁連通孔531を2つ備えているため、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50から下流側の燃料通路50に流れる燃料は、2方向に分かれて流れる。また、第1円筒仕切壁連通孔531を通過後に、さらに2方向に分かれて流れる。同様に、第1環状仕切壁連通孔561を2つ備えているため、第1環状仕切壁56の上流側の燃料通路50から下流側の燃料通路50に流れる燃料は、2方向に分かれて流れる。また、第1環状仕切壁連通孔561を通過後に、さらに2方向に分かれて流れる。このように、燃料通路50内において燃料が分かれて流れることにより、燃料通路50内での圧損を小さくすることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図5は本発明の第3実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図、図6は図5のC−C線に沿う断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図5中の天地方向の矢印は、燃料濾過装置の使用時の天地方向を示している。また、図5、図6中の矢印は、燃料の流れを示している。
図5、図6に示すように、ダスト沈降収集体5は、収集体筒部51の下端から径方向外側に向かって突出する環状の収集体突出板部58を備えている。この収集体突出板部58の外周面は、ケース外側筒部11に当接している。また、収集体突出板部58の外周部には、突出板部連通孔581が1つ形成されている。第1円筒仕切壁53には、第1円筒仕切壁連通孔531が1つ形成されている。
第1実施形態における第2円筒仕切壁54と第3円筒仕切壁55は廃止され、渦巻状の渦巻仕切壁59が設けられている。この渦巻仕切壁59は、上端が収集体底板部52に接合され、下端がケース底板部13に接合されている。また、渦巻仕切壁59は、内周側端部が第1円筒仕切壁53に接合され、外周側端部がケース外側筒部11に接合されている。
そして、渦巻仕切壁59によってダスト沈降収集体5の内部空間(換言すると、収集体筒部51と収集体突出板部58とケース外側筒部11とケース底板部13と支持部材底板部43とで囲まれた空間)が仕切られて燃料通路50が形成されている。
第1円筒仕切壁連通孔531により、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50と、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50(換言すると、渦巻仕切壁59によって仕切られた渦巻き状の燃料通路50)とが連通している。また、突出板部連通孔581により、第1円筒仕切壁53の下流側の燃料通路50と、収集体突出板部58の下流側の空間(換言すると、収集体突出板部58の上方側の空間)とが連通している。
上記構成において、ダスト沈降収集体5内に流入した燃料は、第1円筒仕切壁53の上流側の燃料通路50、第1円筒仕切壁連通孔531、渦巻仕切壁59によって仕切られた渦巻き状の燃料通路50、突出板部連通孔581、収集体突出板部58の下流側の空間の順に流れる。そして、燃料がダスト沈降収集体5内を通過する間に粒径の大きなダストが沈降し、そのダスト6はダスト沈降収集体5内の底部に貯留される。
本実施形態によると、渦巻仕切壁59によってダスト沈降収集体5の内部空間を仕切ることにより、ダスト沈降収集体5内に渦巻き状の長い燃料通路50を形成することができるため、長い燃料通路50を燃料が流通する間に燃料中のダストを多く沈降させることができる。そして、そのダストはダスト沈降収集体5内に貯留されるため、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント2単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
(第4施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図7は本発明の第4実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図、図8は図7のD−D線に沿う断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図7中の天地方向の矢印は、燃料濾過装置の使用時の天地方向を示している。また、図7中の矢印は、燃料の流れを示している。
図7、図8に示すように、ダスト沈降収集体5の代わりに、ダストを貯留するダスト貯留体7を備えている。
このダスト貯留体7は、ケース1内の底部に配置され、より詳細には、濾過エレメント2や凝集エレメント3よりも下方に配置されている。
ダスト貯留体7は、ケース底板部13から上方に向かって延びる板状の複数の仕切板71を備えている。そして、この仕切板71が格子状に配置されて、直方体形状の複数の貯留室72が形成されている。この貯留室72は、仕切板71によって仕切られるとともに上部に矩形の開口部73が形成されている。
上記構成において、凝集エレメント3を通過した燃料は、出口開口部431を通ってダスト貯留体7の上方を通過した後に濾過エレメント2に流入する。そして、燃料がダスト貯留体7の上方を通過する際に粒径の大きなダストが沈降し、そのダスト6は貯留室72に沈殿し貯留される。
このようにして粒径の大きなダストが除去された燃料が濾過エレメント2に流入し、粒径の小さなダストは濾過エレメント2にて捕捉される。
本実施形態によると、貯留室72内は燃料流れがないため、沈降して貯留室72に流入した燃料中のダストの舞い上がりが起こりにくく、貯留室72に一旦流入したダストは貯留室72に安定して留まる。したがって、燃料濾過装置全体としてのダスト捕集最大容量は濾過エレメント2単体のダスト捕集最大容量よりも多くなり、燃料濾過装置の長寿命化を図ることができる。
(第5施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。図9は本発明の第5実施形態に係る燃料濾過装置の構成を示す断面図である。以下、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図9中の天地方向の矢印は、燃料濾過装置の使用時の天地方向を示している。また、図9中の矢印は、燃料の流れを示している。
図9に示すように、貯留室72の上部は、矩形の覆い板74によって一部が覆われている。貯留室72の上部のうち覆い板74によって覆われていない部位が開口部73である。覆い板74は、開口部73側の端部を除いて仕切板71に接合されている。そして、覆い板74は、開口部73側よりも反開口部側が高い位置になるように傾斜している。
本実施形態によると、振動等により貯留室72内の燃料が動いても、貯留室72のダスト6の舞い上がりが覆い板74によって防止される。また、振動等により貯留室72内の燃料が覆い板74に衝突すると、その燃料は傾斜した覆い板74に案内されて反開口部側に導かれるため、貯留室72のダストの舞い上がりがより確実に防止される。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、燃料入口121をケース天板部12の径方向中心部に配置し、燃料出口122をケース天板部12の径方向中心部から外れた位置に配置したが、本発明は、燃料入口121をケース天板部12の径方向中心部から外れた位置に配置し、燃料出口122をケース天板部12の径方向中心部に配置した燃料濾過装置にも適用することができる。
また、上記各実施形態は、実施可能な範囲で任意に組み合わせが可能である。
1 ケース
2 濾過エレメント
5 ダスト沈降収集体
50 燃料通路
53〜58 仕切壁

Claims (9)

  1. 燃料中のダストを捕捉する濾過エレメント(2)がケース(1)内に収容された燃料濾過装置において、
    内部空間が仕切壁(53〜58)によって仕切られて燃料通路(50)が形成され、前記燃料通路(50)を燃料が流通する間に燃料中のダストを沈降させるダスト沈降収集体(5)を備え、
    前記ダスト沈降収集体(5)は前記ケース(1)の底部に配置され、
    燃料が前記ダスト沈降収集体(5)内を通過した後に前記濾過エレメント(2)に流入するように構成されていることを特徴とする燃料濾過装置。
  2. 前記仕切壁(53〜55)は、円筒状で且つ同心円状に複数配置されるとともに、上流側の前記燃料通路と下流側の前記燃料通路とを連通させる仕切壁連通孔(531、541、551)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料濾過装置。
  3. 前記仕切壁(56、57)は、板状で且つ上下方向に複数積層配置されるとともに、上流側の前記燃料通路と下流側の前記燃料通路とを連通させる仕切壁連通孔(561、571)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料濾過装置。
  4. 隣接する2つの前記仕切壁(53〜58)のうち一方の仕切壁に形成された前記仕切壁連通孔と他方の仕切壁に形成された前記仕切壁連通孔(531、541、551、561、571)は、前記仕切壁(53〜58)の周方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料濾過装置。
  5. 前記仕切壁(58)は、渦巻状であることを特徴とする請求項1に記載の燃料濾過装置。
  6. 燃料中のダストを捕捉する濾過エレメント(2)がケース(1)内に収容された燃料濾過装置において、
    前記ケース(1)の底部壁面から上方に向かって延びる複数の仕切板(71)によって仕切られるとともに上部に開口部(73)が形成された複数の貯留室(72)を有するダスト貯留体(7)を備え、
    燃料が前記ダスト貯留体(7)の上方を通過した後に前記濾過エレメント(2)に流入するように構成されていることを特徴とする燃料濾過装置。
  7. 前記複数の仕切板(71)は、格子状に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料濾過装置。
  8. 前記貯留室(72)の上部は、覆い板(74)によって一部が覆われ、
    前記貯留室(72)の上部のうち前記覆い板(74)によって覆われていない部位が前記開口部(73)であることを特徴とする請求項6または7に記載の燃料濾過装置。
  9. 前記覆い板(74)は、前記開口部(73)側よりも反開口部側が高くなっていることを特徴とする請求項8に記載の燃料濾過装置。
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