JP2013133121A - スプレーノズル付き容器 - Google Patents

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【課題】構成部材の曲がりを起こすことがなく、かつ、内容物の全量使い切り、長期にわたる内容物の品質保持の実現を可能とするスプレーノズル付き容器を提案する。
【解決手段】 内容物を充填する容器本体1と、この容器本体1の口頚部に固定保持され、ポンプ8の駆動により吸引口8gを通して前記充填空間内の内容物をシリンダー8c内に吸引するとともに、吸引された内容物を加圧、圧縮、霧状にして外界へ向けて噴出させるスプレーノズルとを備えた容器において、容器本体1を、内容物を直接保持し、該内容物の充填量の減少に伴ってそれそのものの縮減を可能とする内層体1aと、この内層体1aを内側に収める外層体1bとの内外二重の構造体にて構成する。そして、外層体1bの壁部の少なくとも一箇所に、前記内層体1aと外層体1bとの相互間に外気を導入する外気導入部9を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液状の内容物を霧状にして噴出させるのに好適なスプレーノズルを備えた容器に関するものである。
目を洗浄する洗浄剤や点鼻薬等は、直接的な刺激による不快感を軽減する観点から、容器内に充填された液状の内容物を霧状にして噴出させるのが普通になっており、従来は、ノズル本体部分に組み込まれたポンプを駆動して容器内の内容物を吸引、加圧、圧縮することによって噴霧する、特許文献1に開示された如きノズルを装着した容器が使用されている。
特開2011―11124号公報
ところで、従来のこの種のスプレーノズルは、内容物を吸引する吸引パイプが、ポンプの吸い込み口で固定される一点固定構造となっているため、例えば、スプレーノズルのみを単体で箱詰めして搬送する場合に、製品同士のぶつかり合いにより、該吸引パイプが曲がってしまう不具合がある。
吸引パイプに曲がりが生じると、容器への取り付けをスムーズに行うことが困難となり、形状矯正を行う余計な工程を付加せざるを得ず、組み付け(セット)効率の低下が避けられない状況にあった。
また、吸引パイプの曲がりは、吸引パイプの先端部が容器の底部まで届かなくなることを意味しており、容器内に残留する内容物の量も多くなることも懸念される。
本発明の目的は、スプレーノズルを備えた容器において従来生じていた上述した如き不具合を解消するところにある。
本発明は、内容物を充填する容器本体と、この容器本体の口頚部に着脱自在に固定保持され、ポンプの駆動により吸引口を通して前記充填空間内の内容物をシリンダー内に吸引するとともに、吸引された内容物を加圧、圧縮して外界へ向けて噴出させるスプレーノズルとを備えた容器であって、前記容器本体が、内容物を直接保持し、該内容物の充填量の減少に伴ってそれそのものの縮減(減容)を可能とする内層体と、この内層体を内側に収める外層体との内外二重の構造体からなり、前記外層体の壁部の少なくとも一箇所に、前記内層体と外層体との相互間に外気を導入する外気導入部を設けたことを特徴とするスプレーノズル付き容器である。
上記の構成からなるスプレーノズル付き容器においては、前記吸引口に、前記内層体の径方向に向けて放射状に突出する複数枚のリブを有し、該内層体の底部に向けて延伸する棒状部材を連結、配置すること、また、リブを、前記棒状部材の全域にわたって設けること、さらに前記スプレーノズルとしては、先端頂部に噴孔を有する先細り形状をなすテーパ状のノズル本体部分を備えたものを適用することが、本発明の課題解決のための具体的手段としてとくに望ましい。
上記の構成からなる本発明のスプレーノズル付き容器によれば、ポンプの吸引口に、内層体の径方向に向けて放射状に突出する複数枚のリブを設けた剛性の高い棒状部材を配置したため、吸引パイプで生じていたような曲がりが生じることがなく、スプレーノズルを容器の口頚部に効率よくセットできる。
また、本発明によるスプレーノズル付き容器によれば、内容物を充填する容器本体を、内外二重の構造体で構成し、その内側に、内容物の充填量の減少に伴ってそれそのものの縮減(外層体から内層体が剥離して潰れる)を可能とする内層体を適用したため、容器が横向き姿勢(介護等)あるいは倒立姿勢であっても内容物の漏れを起こすことなしにそのほぼ全てを使い切ることができる。
しかも、本発明のスプレーノズル付き容器によれば、内容物の充填空間内には外気が入り込むことがないので、該外気中に含まれる雑菌や細菌、浮遊ゴミ等を確実に遮断することが可能であり、防腐剤の如き薬剤を使用せずとも内容物を長期にわたり衛生的に保つことができる(品質の安定化が可能)。
本発明に従うスプレーノズル付き容器の実施の形態を模式的に示した図である。 従来構造のスプレーノズル付き容器の構成を示した図である。 本発明に従うスプレーノズル付き容器の他の実施の形態を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、スプレーノズルを備えた本発明に従う合成樹脂製容器の側面を模式的に示した図である。
図における符号1は、内容物を充填する容器本体である。この容器本体1は、合成樹脂を素材としてそれをブロー成形によって成形することができるものであり、内容物を直接保持する充填空間Kを有し、該内容物の充填量の減少に従ってそれそのものの縮減(外層体から内層体が剥離して潰れる)を可能とする内層体1aと、この内層体1aを内側に納める剛性の高い外層体1bとによって構成された内外二重の構造体からなっている。
内層体1aの口頚部1a′は、外層体1bの口頚部1b′において一体連結しており、また、内層体1aの胴部と、外層体1bの内側壁とは、その周りの少なくとも1箇所において容器本体胴部の軸心Oに沿って線状に接合する接合部を有しており、これによって内層体1aと外層体1bとの位置決めがなされ、剥離不能になっている。なお、該接合部については設けなくともよい。
また、2は、スプレーノズルを構成するノズル本体部分である。ノズル本体部2は、先端に向けて先細り形状をなすテーパ状の部材から構成されており、その内部には、軸心Оに沿って延伸する貫通経路2aが設けられている。また、該ノズル本体部分2の先端頂部には、該貫通経路2aにつながり、容器本体1内に充填された内容物を外界へ噴出させる噴孔2bが形成されている。
3は、ノズル本体部分2の貫通経路2aに組み込まれたエレメントである。このエレメント3は、筒体3aと、この筒体3aの先端部を閉塞させてその内側に内容物の送給経路mを形成する天壁3bからなる。
また、4は、筒体3aに設けられ、その内外において連通する通路を形成する横向きの開孔、5は、筒体3aの外周壁で開孔4に面して設けられた縦溝(凹所)である。この縦溝5は、ノズル本体部分2の軸心Оに沿うように形成されており、エレメント3がノズル本体部分2の貫通経路2aに嵌合した際に、その相互間で噴孔2bにつながる微小隙間5aを形成するようになっている。
また、6は、ノズル本体部分2の外壁下部に設けたれた押圧操作用の鍔部、7は、ノズル本体部分2を起立姿勢でもって保持し、容器本体1の口部1aに着脱可能にねじ止め(嵌合でもよい)することができるベースキャップである。
このベースキャップ7は、中央部に貫通開口が形成された天面壁7aと、この天面壁7aの縁部に一体連結して容器本体1の口頚部1aを取り囲む環状周壁7bから構成され、天面壁7aには、ノズル本体部分2に設けられた下向きの環状開放溝部に入り込んで該ノズル本体部分2をガイドする内側起立環状周壁7cと、この内側起立環状周壁7cを取り囲み、鍔部6の下部に設けられた環状体6aの外側壁に隣接して該環状体6aをガイドする外側起立環状周壁7dが形成されている。
また、ベースキャップ7の裏面には、容器本体1内の内容物を吸引、加圧、圧縮するためのポンプ8が組み付けられている。ポンプ8の中空ステム8aは、ベースキャップ7の天面壁7aに形成された貫通開口を通り抜けてノズル本体部分2の貫通経路2aに嵌合し、その先端がエレメント3の下端部に対面しており、該ノズル本体部分2は、スプリング8bを介してベースキャップ7の上部に押圧可能に弾性支持されている。
ここに、ポンプ8を構成する部材を表示した符号8cは、ベースキャップ7の天面壁7aにおいて吊り下げ保持されるシリンダー、8dは、シリンダー8c内に配置され、その内側壁に沿って摺動可能なピストン、8eはピストン8dの内側開口にスライド可能に配置されその上端部を中空ステム8aの内側壁部に嵌合させたロッド(ロッド8eとピストン8dで弁体が構成されており、所望の圧力に達した時に該弁体が開放する)、8fは、シリンダー8cの下部に配置され、ロッド8eを、ピストン8d、ポンプスプリング8b、中空ステム8aおよびスプレーノズルとともに弾性支持するスプリング、8gは、シリンダー8cの底壁に形成されたパイプ状の吸引口、8hは、吸引口8gの開閉を行う逆止弁である。
また、符号9は、外層体1bの底部に設けられた外気導入部である。この外気導入部9は、ポンプ8の駆動により内容物を吸引する際に、該外気導入部9を通して内層体1aと外層体1bとの間に外気を導入するためのものであり、これにより該内層体1aの縮減を可能としている。
なお、この外気導入部9は、容器の成形加工時に形成することができる。すなわち、容器本体1を内層体1aと外層体1bからなる内外二重の構造体とするに当たっては、内層と外層を積層した筒状部材を押し出し成形して、所定の長さを有する成形体を成形することとなるが、その末端部はピンチオフ加工〈筒状部材を挟み込んで所定の長さに引きちぎる加工であり、その部位は容器の底部に対応する〉が施される。このピンチオフ加工では、内層は、その全域が密着して閉じられるとともに外側に表れ、該内層と外層の重合断面が下方へと突出することとなる。
そして、内層と外層の間には、容器の高さ方向の全範囲にわたって、すなわち、容器の口頚部から胴体部分を経て底部(ピンチオフ加工部)まで幅の狭い接着層が設けられているものの、他の領域は、内層、外層が相互に剥離自在になっており、それ故、ピンチオフ加工が施されて下方に突出した重合断面部分においては、接着層で接着固定された以外の部分は剥離自在となっており、その部9位から外気を導入することにより内層体1aの縮減が可能となる。
外気導入部9は、外層体1bの底部に設ける場合について示したが、口頚部1b′あるは胴部に設けることも可能であり、設置個所や設置個数はとくに限定されることはない。
さらに、符号10は、ポンプ8の吸引口8gに取り付けられ、内層体1aの底部に向けて延伸する棒状部材である。この棒状部材10は、内層体1aの径方向(図の矢印Xで表示)に突出し、かつ、該棒状部材10の本体10aの全長にわたって延びる4枚のリブ10bを有しており、内層体1aが縮減して内容物の残量が少なくなった場合においても、内層体1aの壁部が相互に密着して内容物の吸引が困難になることがないようにリブ10bの相互間において内容物の吸引通路を形成する。
リブ10bは、この例では、棒状部材10の本体10aの周りで、90°間隔で4枚配置した十字状断面をなすものを例として示したが、内容物の吸引通路を確保することができればよく、その枚数、形状は必要に応じて適宜変更することが可能であり、図示のものに限定されない。
上記の構成からなるスプレーノズル付きの容器において、ノズル本体部分2の下部に設けられた押圧操作用の鍔部6に指をあてがい、スプリング8b、8fの付勢力に抗してノズル本体部分2を押し込む(内容物の加圧、圧縮、噴霧工程)とともに、その押し込みに際して付加した力を取り除く動作を繰り返し行うことにより、ポンプ8のシリンダー8c内に配置されたピストン8dがその内部において往復移動(昇降移動)することとなり、これにより、内層体1a内の内容物は、吸引口8gを通してシリンダー8c内に吸引されるとともに加圧、圧縮される。
内容物の加圧、圧縮に際してシリンダー8c内が所定の圧力に到達すると、スプリング8fによって弾性支持されたロッド10eがピストン10dから瞬時に離反するとともに接触する(蓄圧)。
ロッド10eのピストン10dからの離反により、圧縮にかかる内容物は、中空ステム8a、送給経路m、開孔4、微小隙間5aを経てノズル本体部分2の先端頂部に設けられた噴孔2bから外界へ向けて霧状に噴出(スプレー)することになる。
通常、上記の如き構成になるスプレーノズルを備えた容器にあっては、図2に示すように、ポンプの吸引口には、容器本体の底部に向けて延びる合成樹脂製のパイプPが取り付けられており、該パイプPの下端開口から内容物を吸引しているのが普通である。
ところで、パイプPを適用したものにあっては、該パイプPは、ポンプの吸引口のみで固定された構造になっていることから、例えば、ノズルのみを単味で箱詰めして搬送するような場合に、ノズル同士の接触によりパイプPに曲がりが生じ、これが、セット時(容器本体へのスプレーノズルの取り付け)の効率を低下させるとともに、内容物の効率的な吸引を阻害する原因になっていた。
本発明においては、内容物の吸引経路を形成する部材として、複数枚のリブ10bを備えた合成の高い棒状部材10を配設するようにしたため、該棒状部材10が簡単に曲がるようなことはなく、効率のよいセットが可能となる。
また、棒状部材10の適用に際して容器本体1を、内層体1aと剛性の高い外層体1bとを組み合わせたデラミネーションタイプの二重構造体としたため、容器を横向姿勢あるいは反転姿勢にしたままでも内容物を噴射させることが可能(介護分野での使用、目等への薬剤の噴霧等)であり、また、内層体1aは内容物が少なくなるにつれ縮減するため、内容物のほぼ全てを使い切ることができるとともに、外気中の雑菌や細菌あるいは浮遊ゴミ等が内層体1a内に入り込むのを防止できる(防腐剤の使用が抑えられる)など利点がある。
なお、本発明においては、図3に示すように、ポンプ8を構成するパイプ状の吸引口8gの外壁に容器本体胴部の軸心Оに沿う短尺のリブ11を複数設けるようにしてもよいし、また、図示はしないが、該吸引口8gに連接する短尺の吸引パイプを設けてもよく、これにより、部材の曲がりを回避することができる。
本発明の実施の形態においては、スプレーノズルとして、先端頂部に噴孔2bを有する先細り形状をなすテーパ状のものを例として示したが、その形状については、適用部位に応じて種々変更できるものであり、図示のものに限定されない。
本発明によれば、構成部材の曲がりが回避できるため、効率的なセットが実現できる。また、本発明によれば、容器本体を内層体と外層体からなるデラミネーションタイプの二重構造体で構成したため、内容物を最後まで使い切ることができるとともに、内容物の品質を長期にわたって維持することが可能となる。
1 容器本体
1a 内層体
1b 外層体
2 ノズル本体部分
2a 貫通経路
2b 噴孔
3 エレメント
3a 筒体
3b 天壁
4 開孔
5 縦溝
5a 微小隙間
6 鍔部
7 ベースキャップ
7a 天面壁
7b 環状周壁
7c 内側起立環状周壁
7d 外側起立環状周壁
8 ポンプ
8a 中空ステム
8b スプリング
8c シリンダー
8d ピストン
8e ロッド
8f スプリング
8g 吸引口
8h 逆止弁
9 外気導入部
10 棒状部材
10a 本体
10b リブ
11 リブ

Claims (4)

  1. 内容物を充填する容器本体と、この容器本体の口頚部に固定保持され、ポンプの駆動により吸引口を通して前記充填空間内の内容物をシリンダー内に吸引するとともに、吸引された内容物を加圧、圧縮、霧状にして外界へ向けて噴出させるスプレーノズルとを備えた容器であって、
    前記容器本体が、内容物を直接保持し、該内容物の充填量の減少に伴ってそれそのものの縮減を可能とする内層体と、この内層体を内側に収める外層体との内外二重の構造体からなり、
    前記外層体の壁部の少なくとも一箇所に、前記内層体と外層体との相互間に外気を導入する外気導入部を設けたことを特徴とするスプレーノズル付き容器。
  2. 前記吸引口に、前記内層体の径方向に放射状に突出する複数枚のリブを有し、該内層体の底部に向けて延伸する棒状部材を連結したことを特徴とする請求項1に記載したスプレーノズル付き容器。
  3. 前記リブは、前記棒状部材の全域にわたって設けられたものであることを特徴とする請求項2に記載したスプレーノズル付き容器。
  4. 前記スプレーノズルは、先端頂部に噴孔を有する先細り形状をなすテーパ状のノズル本体部分を備えたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載したスプレーノズル付き容器。
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