JP2013132639A - 粉砕物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で被粉砕原料を非晶化し、かつ小粒径化することが可能な、粉砕物の製造方法を提供する。
【解決手段】円柱形の空間を有し、中心軸が略水平になるように配置され、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器1と、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体2と、円筒状媒体2の内部に振動可能に配置された2本の棒状媒体3とを備える振動粉砕機を用いて、容器1の該円柱形の空間に被粉砕原料を導入し、容器1を振動させて該被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する粉砕物の製造方法であって、容器1の長さに対する円筒状媒体2の中心軸方向の長さの合計値の比が0.8〜0.995で、容器1の長さに対する棒状媒体3の長さの比が0.8〜0.995で、2本の棒状媒体3の体積の合計値が円筒状媒体2の内部容積の合計値の20〜25%である、粉砕物の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】円柱形の空間を有し、中心軸が略水平になるように配置され、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器1と、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体2と、円筒状媒体2の内部に振動可能に配置された2本の棒状媒体3とを備える振動粉砕機を用いて、容器1の該円柱形の空間に被粉砕原料を導入し、容器1を振動させて該被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する粉砕物の製造方法であって、容器1の長さに対する円筒状媒体2の中心軸方向の長さの合計値の比が0.8〜0.995で、容器1の長さに対する棒状媒体3の長さの比が0.8〜0.995で、2本の棒状媒体3の体積の合計値が円筒状媒体2の内部容積の合計値の20〜25%である、粉砕物の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、粉砕物の製造方法に関する。
近年では、環境問題への意識の高まりからバイオマス材料が注目されている。特に、セルロースを含むバイオマス原料を粉砕して得られる非晶化セルロースや微粒化セルロースは、セルロース誘導体の原料や、化粧品、食品、バイオマス材料などの工業原料に用いられる。
セルロースを粉砕する粉砕機も様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、木材質を破砕した後、その破砕物を、粉砕媒体としてロッドを挿入した上段の第1粉砕筒、及び粉砕媒体としてボールを充填した下段の第2粉砕筒を備える振動式粉砕機に供給して粉砕する方法により、全体の90重量%以上を粒径100μm以下の粉末にまで供給できることが開示されている。また、特許文献2及び3には、嵩密度が100〜500kg/m3のセルロース含有原料を、ボール又はロッドを充填した振動ミルなどの粉砕機で処理して、非晶化セルロースを製造する方法が開示されている。
また、特許文献4には、より微粒化を行う粉砕機として、突起の付いた厚板円盤である棒状媒体を円筒容器に複数枚挿入し、円筒容器を上下振動させて木質系バイオマスを粉砕する装置が開示されており、特許文献5には、同じく微粒化を行う粉砕機として、複数の凸部が形成され、中央に軸方向の穴部が形成された回転体である棒状媒体を円筒容器に挿入し、円筒容器を公転させて木質系バイオマスを粉砕する装置が開示されている。
さらに、特許文献6には、ロッドミルにおいて、ロッドの代替として、中央に穴をうがいた円盤を複数枚挿入し、その穴に細長い円柱を1本貫通させて、棒状媒体と粉砕物の接触面積を増加させ粉砕を行うことで、エレクトロニクス素材やファインセラミックスなどの機能性材料の粉砕効率を向上させることができることが開示されている。
セルロースを粉砕する粉砕機も様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、木材質を破砕した後、その破砕物を、粉砕媒体としてロッドを挿入した上段の第1粉砕筒、及び粉砕媒体としてボールを充填した下段の第2粉砕筒を備える振動式粉砕機に供給して粉砕する方法により、全体の90重量%以上を粒径100μm以下の粉末にまで供給できることが開示されている。また、特許文献2及び3には、嵩密度が100〜500kg/m3のセルロース含有原料を、ボール又はロッドを充填した振動ミルなどの粉砕機で処理して、非晶化セルロースを製造する方法が開示されている。
また、特許文献4には、より微粒化を行う粉砕機として、突起の付いた厚板円盤である棒状媒体を円筒容器に複数枚挿入し、円筒容器を上下振動させて木質系バイオマスを粉砕する装置が開示されており、特許文献5には、同じく微粒化を行う粉砕機として、複数の凸部が形成され、中央に軸方向の穴部が形成された回転体である棒状媒体を円筒容器に挿入し、円筒容器を公転させて木質系バイオマスを粉砕する装置が開示されている。
さらに、特許文献6には、ロッドミルにおいて、ロッドの代替として、中央に穴をうがいた円盤を複数枚挿入し、その穴に細長い円柱を1本貫通させて、棒状媒体と粉砕物の接触面積を増加させ粉砕を行うことで、エレクトロニクス素材やファインセラミックスなどの機能性材料の粉砕効率を向上させることができることが開示されている。
しかし、特許文献1〜3に記載してある粉砕機を用いた粉砕方法では、例えば5分以内といった短時間で、セルロース含有原料の非晶化や微粒化を行うことは困難であった。
特許文献4及び5では、ともに回転体に凸部を設けているが、加工が困難でありコストがかかるだけでなく、凸部の磨耗により粉砕物中への金属の混入や、粉砕効率が低下することが予想される。特許文献5では微粒化の速度がある程度速くなることが提案されているものの、回転体内部は粉砕に寄与しておらず無駄な空間になっている。
特許文献6では、粉砕効率が増加することが提案されているが、大量の原料を処理するためには粉砕速度の増加が重要であり、さらに円筒状媒体の内部に円柱状媒体を1本のみ貫通させるだけでは、バイオマス原料の粉砕においては、結晶性の低下及び小粒径化が不十分である。
特許文献4及び5では、ともに回転体に凸部を設けているが、加工が困難でありコストがかかるだけでなく、凸部の磨耗により粉砕物中への金属の混入や、粉砕効率が低下することが予想される。特許文献5では微粒化の速度がある程度速くなることが提案されているものの、回転体内部は粉砕に寄与しておらず無駄な空間になっている。
特許文献6では、粉砕効率が増加することが提案されているが、大量の原料を処理するためには粉砕速度の増加が重要であり、さらに円筒状媒体の内部に円柱状媒体を1本のみ貫通させるだけでは、バイオマス原料の粉砕においては、結晶性の低下及び小粒径化が不十分である。
本発明は、短時間で被粉砕原料を非晶化し、かつ小粒径化することが可能な振動粉砕機、及び該振動粉砕機を用いた粉砕物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対して略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器と、該容器の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体と、該円筒状媒体の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体とを備えた振動粉砕機であって、該容器の円柱形の空間の中心軸方向の長さと、円筒状媒体の中心軸方向の長さ及び棒状媒体の長さとが特定の関係にあり、かつ、該2本の棒状媒体の体積の合計値が、該円筒状媒体の内部容積の合計値に対して一定の範囲内である振動粉砕機を用いることによって、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備える振動粉砕機を用いて、該振動粉砕機の容器(A)の該円柱形の空間に被粉砕原料を導入し、容器(A)を振動させて該被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する、粉砕物の製造方法であって、容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%である、粉砕物の製造方法。
〔2〕円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備える振動粉砕機であって、容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%である振動粉砕機。
〔1〕円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備える振動粉砕機を用いて、該振動粉砕機の容器(A)の該円柱形の空間に被粉砕原料を導入し、容器(A)を振動させて該被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する、粉砕物の製造方法であって、容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%である、粉砕物の製造方法。
〔2〕円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備える振動粉砕機であって、容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%である振動粉砕機。
本発明の振動粉砕機、及び該振動粉砕機を用いた粉砕物の製造方法によれば、短時間で結晶性の被粉砕原料を非晶化し、かつ小粒径化することができるため、粉砕物製造の生産性を向上させることができる。
[振動粉砕機]
本発明の振動粉砕機は、円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備え、容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%であることを特徴とする。
本発明の振動粉砕機は、円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備え、容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%であることを特徴とする。
本発明の振動粉砕機について、実施形態の一例を示す図1〜3に基づき説明する。図1及び図2は、それぞれ、本発明の振動粉砕機の実施形態の一例を示す斜視図及び断面図である。図3は、本発明の振動粉砕機に用いられる円筒状媒体(B)の一例を示す模式図であり、図3(a)は円筒状媒体(B)の断面図、図3(b)は円筒状媒体(B)の側面図である。
図1及び図2において、本発明の振動粉砕機100は、円柱形の空間11を有し、円柱形の空間11の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該円柱の中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器1と、容器1の円柱形の空間11に、中心軸が円柱形の空間11の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された円筒状媒体2と、円筒状媒体2の内部である円柱形の空間21に、円柱形の空間11の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体3とを備える。図1においては、容器1の円柱形の空間11に配置される円筒状媒体2、及び棒状媒体3を表示するため、容器1の一部及び容器1の被粉砕原料の導入口、保持部及び底面を省略して図示する。
本発明の振動粉砕機100において、2本の棒状媒体3の体積の合計値は、円筒状媒体2の内部である円柱形の空間21の空間容積の合計値の20〜25%である。
図1及び図2において、本発明の振動粉砕機100は、円柱形の空間11を有し、円柱形の空間11の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該円柱の中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器1と、容器1の円柱形の空間11に、中心軸が円柱形の空間11の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された円筒状媒体2と、円筒状媒体2の内部である円柱形の空間21に、円柱形の空間11の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体3とを備える。図1においては、容器1の円柱形の空間11に配置される円筒状媒体2、及び棒状媒体3を表示するため、容器1の一部及び容器1の被粉砕原料の導入口、保持部及び底面を省略して図示する。
本発明の振動粉砕機100において、2本の棒状媒体3の体積の合計値は、円筒状媒体2の内部である円柱形の空間21の空間容積の合計値の20〜25%である。
<容器(A)>
本発明の振動粉砕機は、容器(A)(図1及び図2における容器1)を備える。
容器1は、円柱形の空間11を有し、該円柱形の空間11の静止時の中心軸が略水平になるように配置され、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能な状態で保持されている。円柱形の空間11は、均一に粉砕を行う観点から、略円形の円柱形である。ここで、「略円形の円柱形」とは、円柱形の空間11において、向かい合う2つの底面が正円や楕円等の略円形である立体形状を指す。また、「円柱形の空間の中心軸」とは、円柱形の空間11が有する2つの略円形の底面の中心を通る仮想の直線を意味し、「略水平方向」とは、水平面となす角度が−10〜10°である方向のことを指す(以下、単に「水平」と記載する場合がある)。
本発明の振動粉砕機は、容器(A)(図1及び図2における容器1)を備える。
容器1は、円柱形の空間11を有し、該円柱形の空間11の静止時の中心軸が略水平になるように配置され、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能な状態で保持されている。円柱形の空間11は、均一に粉砕を行う観点から、略円形の円柱形である。ここで、「略円形の円柱形」とは、円柱形の空間11において、向かい合う2つの底面が正円や楕円等の略円形である立体形状を指す。また、「円柱形の空間の中心軸」とは、円柱形の空間11が有する2つの略円形の底面の中心を通る仮想の直線を意味し、「略水平方向」とは、水平面となす角度が−10〜10°である方向のことを指す(以下、単に「水平」と記載する場合がある)。
容器1の材質は特に限定されないが、例えば鉄、鋼鉄、ステンレススチール等の金属や合金を用いることができ、焼入れ等の処理が行われていてもよい。
容器1の円柱形の空間11の直径は、図2のaで表される。円筒状媒体2が振動しやすくなるという観点から、円柱形の空間11の直径aは、50〜1500mmが好ましく、80〜1000mmがより好ましく、100〜500mmが更に好ましい。また、容器1の円柱形の空間11の中心軸方向(以下、「容器1の軸方向」ともいう。)の長さは、円柱形の空間11に配置される棒状媒体3ができるだけ水平を保った状態で振動しやすくする観点から、100〜10000mmが好ましく、120〜8000mmがより好ましく、150〜6000mmが更に好ましい。
本発明において、円柱形の空間11の直径aとは、円柱形の空間11の底面が正円形である時は、該正円の直径に等しく、楕円形である時は、該楕円の短径に等しい。
容器1の円柱形の空間11の直径は、図2のaで表される。円筒状媒体2が振動しやすくなるという観点から、円柱形の空間11の直径aは、50〜1500mmが好ましく、80〜1000mmがより好ましく、100〜500mmが更に好ましい。また、容器1の円柱形の空間11の中心軸方向(以下、「容器1の軸方向」ともいう。)の長さは、円柱形の空間11に配置される棒状媒体3ができるだけ水平を保った状態で振動しやすくする観点から、100〜10000mmが好ましく、120〜8000mmがより好ましく、150〜6000mmが更に好ましい。
本発明において、円柱形の空間11の直径aとは、円柱形の空間11の底面が正円形である時は、該正円の直径に等しく、楕円形である時は、該楕円の短径に等しい。
容器1は、粉砕時には容器1の軸に対し略垂直な面内方向に振動する。ここで「略垂直な面」とは、容器1の軸となす角度が80〜100°である面を指す。本発明における容器1の振動とは、容器1の軸の軌跡が直線を描く運動だけを指すものでなく、楕円、又は正円を描く運動を含む。
容器1の振動機構は、振動モーター、偏心錘又は偏心加振装置等からなり、これらの機構は周知の機構と同様である。上記機構は、例えば、上述した特開2004−188833号公報の他、特開2008−93534号公報や特開2008−132469号公報等にも開示されている。
<円筒状媒体(B)>
本発明の振動粉砕機は、円筒状媒体(B)(図1〜図3における円筒状媒体2)を1つ又は2つ以上備える。
円筒状媒体2は、図1に示すように、容器1の円柱形の空間11の軸と円筒状媒体2の中心軸(以下「円筒状媒体2の軸」ともいう)とが略平行になるように、容器1の円柱形の空間11に振動可能に配置される。円筒状媒体2は、図1〜図3に示すように、略円形の底面を有する円柱の内部に、円柱形の空間21を有する。また、「円筒状媒体の軸」とは、円筒状媒体2の内部の円柱形の空間の2つの略円形の底面の中心を通る仮想の直線を意味する。
ここで「振動可能に配置」とは、容器1を振動させた際に、円筒状媒体2が、容器1の円柱形の空間11内で容器1の軸に対して略垂直な面内方向に振動可能な状態に配置されることをいう。
本発明の振動粉砕機は、円筒状媒体2を1つのみ備えていてもよく、2つ以上備えていてもよい。本発明の振動粉砕機100において、円筒状媒体2は、図1に示すように、容器1の円柱形の空間11内に、円筒状媒体2の軸方向に2つ以上配置されていることが好ましい。これにより、容器1の円柱形の空間11に導入された被粉砕原料が、軸方向に隣接する円筒状媒体2の間の隙間を通じて円筒状媒体2の外部及び内部に拡散され、粉砕物の流動性が向上し、均等に粉砕が行われるようになる。なお、振動粉砕機100が円筒状媒体2を軸方向に2つ以上備えている場合には、円筒状媒体2は、後述する軸方向の長さeを除いて、断面の形状等が互いに同一であることが好ましく、後述する2本の棒状媒体3はすべての円筒状媒体2の内部(円柱形の空間21)を貫通するのが好ましい。
本発明の振動粉砕機は、円筒状媒体(B)(図1〜図3における円筒状媒体2)を1つ又は2つ以上備える。
円筒状媒体2は、図1に示すように、容器1の円柱形の空間11の軸と円筒状媒体2の中心軸(以下「円筒状媒体2の軸」ともいう)とが略平行になるように、容器1の円柱形の空間11に振動可能に配置される。円筒状媒体2は、図1〜図3に示すように、略円形の底面を有する円柱の内部に、円柱形の空間21を有する。また、「円筒状媒体の軸」とは、円筒状媒体2の内部の円柱形の空間の2つの略円形の底面の中心を通る仮想の直線を意味する。
ここで「振動可能に配置」とは、容器1を振動させた際に、円筒状媒体2が、容器1の円柱形の空間11内で容器1の軸に対して略垂直な面内方向に振動可能な状態に配置されることをいう。
本発明の振動粉砕機は、円筒状媒体2を1つのみ備えていてもよく、2つ以上備えていてもよい。本発明の振動粉砕機100において、円筒状媒体2は、図1に示すように、容器1の円柱形の空間11内に、円筒状媒体2の軸方向に2つ以上配置されていることが好ましい。これにより、容器1の円柱形の空間11に導入された被粉砕原料が、軸方向に隣接する円筒状媒体2の間の隙間を通じて円筒状媒体2の外部及び内部に拡散され、粉砕物の流動性が向上し、均等に粉砕が行われるようになる。なお、振動粉砕機100が円筒状媒体2を軸方向に2つ以上備えている場合には、円筒状媒体2は、後述する軸方向の長さeを除いて、断面の形状等が互いに同一であることが好ましく、後述する2本の棒状媒体3はすべての円筒状媒体2の内部(円柱形の空間21)を貫通するのが好ましい。
本発明の振動粉砕機100は、容器1を振動させることにより、円筒状媒体2が、容器1の円柱形の空間11内で振動し、この円筒状媒体2の振動により、円筒状媒体2の内部に振動可能に配置された2本の棒状媒体3が振動する。これにより、2本の棒状媒体3の間、及び棒状媒体3と円筒状媒体2との間で粉砕が起こり、より短時間で被粉砕原料を小粒径化することができ、かつ、セルロース等の結晶性の被粉砕原料を低結晶化することができる。
円筒状媒体2の材質は特に限定されない。例えば、鉄、アルミ、鋼鉄、ステンレススチール等の金属や合金、ジルコニア等のセラミクスを用いることができる。ステンレススチールや鋼鉄は焼入れ等の処理を行ってもよい。
円筒状媒体2は、図1〜図3に示すように、内部に円柱形の空間21を有する(以下、円柱形の空間21を「円筒状媒体の内部」ともいう)。円筒状媒体2の形状は、円柱形の空間21の軸方向に垂直な断面の形状が正円状、楕円状等の略円形状、及び六角形以上の多角形状である筒型であることが好ましく、正円状の筒型であることがより好ましい。これにより、容器1の円柱形の空間11内で円筒状媒体2を振動させた際に、容器1の振動による運動エネルギーを効率よく円筒状媒体2に伝導して円筒状媒体2の運動性を向上させ、粉砕力が向上する。
また、円筒状媒体2の外表面及び内表面には突起があってもよいが、円筒状媒体2の磨耗による粉砕物への金属の混入防止や、粉砕効率の低下を防ぐ観点から、突起がないことが望ましい。
また、円筒状媒体2の外表面及び内表面には突起があってもよいが、円筒状媒体2の磨耗による粉砕物への金属の混入防止や、粉砕効率の低下を防ぐ観点から、突起がないことが望ましい。
円筒状媒体2の外径及び内径は、図2及び図3においてそれぞれb、cで示される。
また、粉砕効率の向上の観点から、容器1の円柱形の空間11の直径(図2のa)と、円筒状媒体2の外径(図2のb)との差[(容器1の円柱形の空間11の直径a)−(円筒状媒体2の外径b)]は1〜45mmであることが好ましく、5〜40mmであることがより好ましく、10〜35mmであることが更に好ましい。容器1の円柱形の空間11内に、後述するライニングを挿入した場合には、容器1の円柱形の空間11の直径aと、円筒状媒体2の外径bとの差から、更にライニングの厚みを差し引いた値が上記範囲内であることが好ましい。
また、粉砕効率の向上の観点から、容器1の円柱形の空間11の直径(図2のa)と、円筒状媒体2の外径(図2のb)との差[(容器1の円柱形の空間11の直径a)−(円筒状媒体2の外径b)]は1〜45mmであることが好ましく、5〜40mmであることがより好ましく、10〜35mmであることが更に好ましい。容器1の円柱形の空間11内に、後述するライニングを挿入した場合には、容器1の円柱形の空間11の直径aと、円筒状媒体2の外径bとの差から、更にライニングの厚みを差し引いた値が上記範囲内であることが好ましい。
なお、本発明において、「円筒状媒体の外径」とは、例えば円筒状媒体2の軸方向に垂直な断面の外周の形状が正円形である場合は、正円の直径を意味し、楕円形である場合は、該楕円の長径を意味し、多角形である場合は、該多角形の重心から頂点までの距離のうち、最長のものの2倍を意味する。また、「円筒状媒体の内径」とは、円筒状媒体の外径と同様に、前述した円柱形の空間21の底面が正円形である場合は、正円の直径を意味し、楕円形である場合は、該楕円の長径を意味し、多角形である場合は、該多角形の重心から頂点までの距離のうち、最長のものの2倍を意味する。
円筒状媒体2の強度の観点から、円筒状媒体2の外径(図3におけるb)に対する、円筒状媒体2の厚み(図3におけるd)の比[円筒状媒体2の厚みd/円筒状媒体2の外径b]は0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が更に好ましく、0.1以上であることが更により好ましい。ここで、円筒状媒体2の部位によって厚みdが異なる場合は、最も薄い部位の厚みを用いた厚みの比が上記下限以上であることが好ましい。
また、円筒状媒体2の内部における棒状媒体3の回転可能な距離を長くし、円筒状媒体2に加えるエネルギーを増加させる観点から、円筒状媒体2の外径に対する、円筒状媒体2の厚みの比は0.7以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい。ここで、円筒状媒体2の部位によって厚みdが異なる場合は、最も厚い部位の厚みを用いた厚みの比が上記上限以下であることが好ましい。
また、円筒状媒体2の内部における棒状媒体3の回転可能な距離を長くし、円筒状媒体2に加えるエネルギーを増加させる観点から、円筒状媒体2の外径に対する、円筒状媒体2の厚みの比は0.7以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい。ここで、円筒状媒体2の部位によって厚みdが異なる場合は、最も厚い部位の厚みを用いた厚みの比が上記上限以下であることが好ましい。
円筒状媒体2の軸方向の長さは、図3(b)においてeで示される長さである。容器1と円筒状媒体2との接触面積を大きくして粉砕速度を高める観点から、容器1の円柱形の空間11の軸方向の長さに対する、円筒状媒体2の軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体2の軸方向の長さの合計値/容器1の円柱形の空間11の軸方向の長さ]は、0.80〜0.995であり、0.85〜0.99であることが好ましく、0.90〜0.98であることがより好ましい。
本発明の振動粉砕機100が円筒状媒体2を軸方向に1つのみ備える場合には、容器1の円柱形の空間11の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体2の軸方向の長さeが上記の範囲になるようにする。また、本発明の振動粉砕機100が円筒状媒体2を軸方向に2つ以上備える場合には、容器1の円柱形の空間11の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体2の軸方向の長さeの合計値の比が上記の範囲になるようにする。すなわち、「円筒状媒体の軸方向の長さの合計値」とは、例えば軸方向の長さeの円筒状媒体2をn個備える場合には、n×eで表される。
本発明の振動粉砕機100が円筒状媒体2を軸方向に1つのみ備える場合には、容器1の円柱形の空間11の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体2の軸方向の長さeが上記の範囲になるようにする。また、本発明の振動粉砕機100が円筒状媒体2を軸方向に2つ以上備える場合には、容器1の円柱形の空間11の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体2の軸方向の長さeの合計値の比が上記の範囲になるようにする。すなわち、「円筒状媒体の軸方向の長さの合計値」とは、例えば軸方向の長さeの円筒状媒体2をn個備える場合には、n×eで表される。
さらに、被粉砕原料の、円筒状媒体2内外の行き来を改善し、粉砕効率を高める観点から、円筒状媒体2の外径bに対する、円筒状媒体2の軸方向の長さeの比[円筒状媒体2の軸方向の長さe/円筒状媒体2の外径b]が、0.02〜0.70であることが好ましく、0.05〜0.60であることがより好ましく、0.08〜0.70であることが更に好ましい。
<棒状媒体(C)>
本発明の振動粉砕機は、棒状媒体(C)(図1及び図2における棒状媒体3)を2本備える。「棒状」とは、2つの底面が略円形の円柱状、又は該底面が四角形以上の多角形の角柱のことを指し、底面の外径に対する、2つの底面間の距離の比(2つの底面間の距離/底面の外径)が、2以上である立体形状をいう。「棒状媒体の長さ方向」とは、棒状媒体の2つの底面の中心を通る直線のことである。2本の棒状媒体3は、円筒状媒体2の内部、すなわち前述した円柱形の空間21に、容器1の円柱形の空間11の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置される。
本発明の振動粉砕機は、棒状媒体(C)(図1及び図2における棒状媒体3)を2本備える。「棒状」とは、2つの底面が略円形の円柱状、又は該底面が四角形以上の多角形の角柱のことを指し、底面の外径に対する、2つの底面間の距離の比(2つの底面間の距離/底面の外径)が、2以上である立体形状をいう。「棒状媒体の長さ方向」とは、棒状媒体の2つの底面の中心を通る直線のことである。2本の棒状媒体3は、円筒状媒体2の内部、すなわち前述した円柱形の空間21に、容器1の円柱形の空間11の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置される。
棒状媒体3の材質は特に限定されない。例えば鉄、アルミ鋼鉄、ステンレススチール等の金属や合金、ジルコニア等のセラミクスを用いることができる。鋼鉄は焼入れ等の処理を行ってもよい。
2本の棒状媒体3の体積の合計値は、棒状媒体3が接する円筒状媒体2の内部容積の合計値の20〜25%である。円筒状媒体2の内部容積とは、円筒状媒体2が有する円柱形の空間21の体積をいう。なお、本発明の振動粉砕機100が円筒状媒体2を2つ以上備える場合には、2本の棒状媒体3の体積の合計値が、すべての円筒状媒体2の内部容積の合計値の20〜25%となるように配置される。
棒状媒体3の形状は、円筒状媒体2との衝突による磨耗を抑制する観点から、棒状媒体3の断面が略円形である円柱状、又は該断面が四角形以上の多角形の角柱であることが好ましく、円柱状であることがより好ましく、該断面が正円である円柱であることが更に好ましい。ここで棒状媒体3の断面とは、棒状媒体3の長さ方向に垂直な断面を指す。
棒状媒体3の外径は、円筒状媒体に与えるエネルギーを向上する観点から、3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、7mm以上であることが更に好ましい。また、棒状媒体3を連続的に振動させる観点から、上記外径は60mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましく、45mm以下であることが更に好ましい。上記観点から、棒状媒体3の外径は、好ましくは3〜60mmであり、より好ましくは5〜50mmであり、更に好ましくは7〜45mmである。
ここで、「棒状媒体の外径」とは、断面の重心を通過し、該断面の外周に両端を有する直線の長さをいい、該断面が正円である場合は、該正円の直径をいう。
ここで、「棒状媒体の外径」とは、断面の重心を通過し、該断面の外周に両端を有する直線の長さをいい、該断面が正円である場合は、該正円の直径をいう。
2本の棒状媒体3の長さは同じでもよく、異なっていてもよい。ここで、容器1の円柱形の空間11の軸方向の長さに対する、棒状媒体3の長さの比[棒状媒体3の長さ/容器1の円柱形の空間11の軸方向の長さ]は、円筒状媒体2と棒状媒体3との接触面積を大きくして円筒状媒体2に加えるエネルギーを高める観点から、0.80〜0.995であり、0.85〜0.99であることが好ましく、0.90〜0.98であることがより好ましい。ここでいう「棒状媒体の長さ」とは、棒状媒体3の1本あたりの長さを指し、2本の棒状媒体3がいずれも容器1の円柱形の空間11の軸方向の長さに対し0.80〜0.995の範囲であることを要する。
2本の棒状媒体3の外径は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよいが、2本の棒状媒体3が被粉砕原料及び円筒状媒体2に加えるエネルギーを均等にする観点から、2本の棒状媒体の外径差は20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることが更に好ましい。
[粉砕物の製造方法]
本発明の粉砕物の製造方法は、上述した本発明の振動粉砕機100を用いて、振動粉砕機100の容器1の円柱形の空間11に被粉砕原料を導入し、容器1を振動させて被粉砕原料を粉砕する工程を有する。
本発明の粉砕物の製造方法は、上述した本発明の振動粉砕機100を用いて、振動粉砕機100の容器1の円柱形の空間11に被粉砕原料を導入し、容器1を振動させて被粉砕原料を粉砕する工程を有する。
<被粉砕原料>
本発明の粉砕物の製造方法において粉砕される被粉砕原料の種類については、特に限定されず、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。その中でも特に、植物茎類・葉類、木材類、海草類、生ゴミ、パルプ類、紙類、動物の死骸、糞尿、植物殻類、甲殻類、プランクトン等のバイオマス原料を効率よく粉砕できる。これらバイオマス原料の成分としては、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサン、デンプン等の多糖類やリグニン、フィブロイン、セリシン、コラーゲン等のタンパク質などが挙げられる。
これらバイオマス原料の中でも、結晶性のセルロースを含むセルロース含有原料は、被粉砕原料として本発明の粉砕物の製造方法に用いた場合、粉砕と共に低結晶化が起こり化学反応性が改善するため、本発明に用いられる被粉砕原料として好適である。
本発明の粉砕物の製造方法において粉砕される被粉砕原料の種類については、特に限定されず、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。その中でも特に、植物茎類・葉類、木材類、海草類、生ゴミ、パルプ類、紙類、動物の死骸、糞尿、植物殻類、甲殻類、プランクトン等のバイオマス原料を効率よく粉砕できる。これらバイオマス原料の成分としては、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサン、デンプン等の多糖類やリグニン、フィブロイン、セリシン、コラーゲン等のタンパク質などが挙げられる。
これらバイオマス原料の中でも、結晶性のセルロースを含むセルロース含有原料は、被粉砕原料として本発明の粉砕物の製造方法に用いた場合、粉砕と共に低結晶化が起こり化学反応性が改善するため、本発明に用いられる被粉砕原料として好適である。
セルロース含有原料としては、各種木材チップ、各種樹木の剪定枝材、間伐材、枝木材、建築廃材、工場廃材等の木材類;木材から製造されるウッドパルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプ類;新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等の紙類;稲わら、とうもろこし茎等の植物茎・葉類;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻等の植物殻類等が挙げられる。これらの中では、パルプ類や木材類が好ましい。
本発明において被粉砕原料として用いられるセルロース含有原料は、該セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量(以下、「α−セルロース含有量」ともいう)が20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、75質量%以上がより更に好ましい。α−セルロース含有量の上限は100質量%である。α−セルロース含有量は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
また、本発明において被粉砕原料として用いられるセルロース含有原料は、下記計算式(1)で示されるセルロースI型結晶化指数が33%を超えるセルロース含有原料であることが好ましく、該結晶化指数が35%以上であることがより好ましく、45%以上であることが更に好ましく、55%以上であることがより更に好ましい。
また、本発明において被粉砕原料として用いられるセルロース含有原料は、下記計算式(1)で示されるセルロースI型結晶化指数が33%を超えるセルロース含有原料であることが好ましく、該結晶化指数が35%以上であることがより好ましく、45%以上であることが更に好ましく、55%以上であることがより更に好ましい。
ここで、セルロースI型結晶化指数は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したもので、下記計算式(1)により定義される。具体的なX線回折の測定条件については実施例で示す。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折におけるセルロースI型結晶の格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。〕
なお、セルロースI型とは、天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化指数とは、セルロースの結晶領域量の全量に対するセルロースI型の割合を意味する。また、結晶化指数は、セルロースの物理的、化学的性質とも関係し、その値が大きいほど、セルロースの結晶性が高く、非結晶部分が少ないため、硬度、密度等は増すが、伸び、柔軟性、水や溶媒に対する溶解性、化学反応性は低下する。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折におけるセルロースI型結晶の格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。〕
なお、セルロースI型とは、天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化指数とは、セルロースの結晶領域量の全量に対するセルロースI型の割合を意味する。また、結晶化指数は、セルロースの物理的、化学的性質とも関係し、その値が大きいほど、セルロースの結晶性が高く、非結晶部分が少ないため、硬度、密度等は増すが、伸び、柔軟性、水や溶媒に対する溶解性、化学反応性は低下する。
本発明において、振動粉砕機により粉砕される被粉砕原料は、原料の種類にもよるが、後述する裁断処理や乾燥処理を行ってもよい。
(裁断処理)
本発明において、振動粉砕機により粉砕される被粉砕原料は、その形状や大きさによっては、予め裁断処理を行うことが好ましい。
被粉砕原料がセルロース含有原料の場合、セルロース含有原料を裁断処理する方法としては、セルロース含有原料の種類や形状により適宜選択することができ、例えば、シュレッダー、スリッターカッター及びロータリーカッターから選ばれる1種以上の裁断機を使用する方法が挙げられる。
シート状のセルロース含有原料を用いる場合、裁断機としてシュレッダー又はスリッターカッターを使用することが好ましく、生産性の観点から、スリッターカッターを使用することがより好ましい。
スリッターカッターは、シートの長手方向に沿った縦方向にロールカッターで縦切りして、細長い短冊状とし、次に、固定刃と回転刃でシートの幅方向に沿って短く横切りすることにより、さいの目形状のセルロース含有原料を容易に得ることができる。スリッターカッターとしては、株式会社ホーライ製のシートペレタイザ、株式会社荻野精機製作所製のスーパーカッター等を好ましく使用でき、これらの装置を使用すると、シート状のセルロース含有原料を約1〜20mm角に裁断することができる。
本発明において、振動粉砕機により粉砕される被粉砕原料は、その形状や大きさによっては、予め裁断処理を行うことが好ましい。
被粉砕原料がセルロース含有原料の場合、セルロース含有原料を裁断処理する方法としては、セルロース含有原料の種類や形状により適宜選択することができ、例えば、シュレッダー、スリッターカッター及びロータリーカッターから選ばれる1種以上の裁断機を使用する方法が挙げられる。
シート状のセルロース含有原料を用いる場合、裁断機としてシュレッダー又はスリッターカッターを使用することが好ましく、生産性の観点から、スリッターカッターを使用することがより好ましい。
スリッターカッターは、シートの長手方向に沿った縦方向にロールカッターで縦切りして、細長い短冊状とし、次に、固定刃と回転刃でシートの幅方向に沿って短く横切りすることにより、さいの目形状のセルロース含有原料を容易に得ることができる。スリッターカッターとしては、株式会社ホーライ製のシートペレタイザ、株式会社荻野精機製作所製のスーパーカッター等を好ましく使用でき、これらの装置を使用すると、シート状のセルロース含有原料を約1〜20mm角に裁断することができる。
間伐材、剪定枝材、建築廃材等の木材類、あるいはシート状以外のセルロース含有原料を裁断する場合には、ロータリーカッターを使用することが好ましい。ロータリーカッターは、回転刃とスクリーンから構成され、回転刃によりスクリーンの目開き以下に裁断されたセルロース含有原料を容易に得ることができる。なお、必要に応じて固定刃を設け、回転刃と固定刃により裁断することもできる。
ロータリーカッターを使用する場合、得られる粗粉砕物の大きさは、スクリーンの目開きを変えることにより制御することができる。スクリーンの目開きは、1〜70mmが好ましく、2〜50mmがより好ましく、3〜40mmが更に好ましい。スクリーンの目開きが1mm以上であれば、適度な嵩高さを有する粗粉砕物が得られ、取り扱い性が向上する。スクリーンの目開きが70mm以下であれば、後の振動粉砕機における粉砕処理において、被粉砕原料として適度な大きさを有するために、粉砕に要する負荷を軽減することができる。
ロータリーカッターを使用する場合、得られる粗粉砕物の大きさは、スクリーンの目開きを変えることにより制御することができる。スクリーンの目開きは、1〜70mmが好ましく、2〜50mmがより好ましく、3〜40mmが更に好ましい。スクリーンの目開きが1mm以上であれば、適度な嵩高さを有する粗粉砕物が得られ、取り扱い性が向上する。スクリーンの目開きが70mm以下であれば、後の振動粉砕機における粉砕処理において、被粉砕原料として適度な大きさを有するために、粉砕に要する負荷を軽減することができる。
裁断処理後に得られるセルロース含有原料の大きさは、好ましくは1〜70mm角、より好ましくは2〜50mm角である。1〜70mm角に裁断することにより、後の乾燥処理を効率よく容易に行うことができ、また後の粉砕処理において、粉砕に要する負荷を軽減することができる。
(乾燥処理)
被粉砕原料がバイオマス原料、特にセルロース含有原料の場合、被粉砕原料、好ましくは前記裁断処理して得られた被粉砕原料を、振動粉砕機による粉砕処理前に乾燥処理することが好ましい。
被粉砕原料がバイオマス原料、特にセルロース含有原料の場合、被粉砕原料、好ましくは前記裁断処理して得られた被粉砕原料を、振動粉砕機による粉砕処理前に乾燥処理することが好ましい。
一般に、市販のパルプ類、植物茎類・葉類、木材類、海草類、生ゴミ、紙類、動物の死骸、糞尿、植物殻類、甲殻類、プランクトン等の一般に利用可能なバイオマス原料は、5質量%を超える水分を含有しており、通常5〜30質量%程度の水分を含有している。したがって本発明では、粉砕効率を向上させる観点から、乾燥処理を行うことによって、バイオマス原料の水分含量を4.5質量%以下に調整することが好ましく、4質量%以下に調整することがより好ましく、3質量%以下に調整することが更に好ましく、2質量%以下に調整することがより更に好ましく、1質量%以下に調整することが特に好ましい。この水分含量が4.5質量%以下であれば、粉砕効率は向上し、また、被粉砕原料がセルロース含有原料などの結晶性のバイオマス原料である場合には、低結晶化速度が向上し、短時間で効率的に低結晶化を行うことができ、被粉砕原料がセルロース含有原料である場合には、後述のセルロース含有原料中のセルロースのセルロースI型結晶化指数を低下させることができる。一方、この水分含量の下限は、生産性及び乾燥効率の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上である。
これらの観点から、本発明の製造方法に用いられるバイオマス原料中の水分含量は、0.2〜4.5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、0.4〜2質量%が更に好ましく、0.4〜1質量%がより更に好ましい。
前記の水分含量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
これらの観点から、本発明の製造方法に用いられるバイオマス原料中の水分含量は、0.2〜4.5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、0.4〜2質量%が更に好ましく、0.4〜1質量%がより更に好ましい。
前記の水分含量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
乾燥方法は、公知の乾燥手段を適宜選択すればよく、例えば、熱風受熱乾燥法、伝導受熱乾燥法、除湿空気乾燥法、冷風乾燥法、マイクロ波乾燥法、赤外線乾燥法、天日乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられる。
前記の乾燥方法において、公知の乾燥機を適宜選択して使用することができ、例えば、「粉体工学概論」(社団法人日本粉体工業技術会編集 粉体工学情報センター1995年発行)176頁に記載の乾燥機等が挙げられる。
前記の乾燥方法において、公知の乾燥機を適宜選択して使用することができ、例えば、「粉体工学概論」(社団法人日本粉体工業技術会編集 粉体工学情報センター1995年発行)176頁に記載の乾燥機等が挙げられる。
これらの乾燥方法及び乾燥機は単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥処理はバッチ処理、連続処理のいずれでも可能であるが、生産性の観点から連続処理が望ましい。
乾燥処理はバッチ処理、連続処理のいずれでも可能であるが、生産性の観点から連続処理が望ましい。
連続乾燥機は、伝熱効率の観点から伝導受熱型の横型攪拌乾燥機が好ましい。更に、微粉が発生しにくく、また、連続排出の安定性の観点から、二軸の横型攪拌乾燥機が好ましい。二軸の横型攪拌乾燥機としては、株式会社奈良機械製作所製のパドルドライヤーを好ましく使用できる。
乾燥処理における温度は、乾燥手段、乾燥時間等により一概には決定できないが、10〜250℃が好ましく、25〜180℃がより好ましく、50〜150℃が更に好ましい。処理時間は0.01〜2時間が好ましく、0.02〜1時間がより好ましい。必要に応じて減圧下で乾燥処理を行ってもよく、圧力は1〜120kPaが好ましく、50〜105kPaがより好ましい。
<被粉砕原料の導入>
容器1の円柱形の空間11への被粉砕原料の導入は、予め円柱形の空間11に導入してもよく、粉砕処理を行いながら導入口4から連続的に導入してもよい。工業的に連続生産を行う観点からは、被粉砕原料を容器1の円柱形の空間11に連続的に導入する方が好ましい。このとき、導入口4を容器1上部の一端に設け、排出口5を導入口4とは反対側の端の下部に設けることで、連続処理が可能となる。排出口5の手前には、被粉砕原料を容器1の円柱形の空間11に滞留させて粉砕を十分に行わせるために、開口部の開口面積を制限したスリットを設けてもよい。なお、図1及び図2において、導入口4及び排出口5の図示は省略する。
容器1の円柱形の空間11への被粉砕原料の導入は、予め円柱形の空間11に導入してもよく、粉砕処理を行いながら導入口4から連続的に導入してもよい。工業的に連続生産を行う観点からは、被粉砕原料を容器1の円柱形の空間11に連続的に導入する方が好ましい。このとき、導入口4を容器1上部の一端に設け、排出口5を導入口4とは反対側の端の下部に設けることで、連続処理が可能となる。排出口5の手前には、被粉砕原料を容器1の円柱形の空間11に滞留させて粉砕を十分に行わせるために、開口部の開口面積を制限したスリットを設けてもよい。なお、図1及び図2において、導入口4及び排出口5の図示は省略する。
容器1の周囲には、冷却用のジャケットを付帯させ、粉砕時に冷却を行ってもよい。また、被粉砕原料が酸化等の雰囲気の影響を受ける場合には、窒素パージ等を行うノズルを容器1の導入口4及び/又は排出口5付近の粉砕容器上に設けてもよい。
また、容器1と円筒状媒体2との衝突による容器1内の損傷を防止するため、容器1の円柱形の空間11にライニングとして筒状又は曲板状の鋼板を挿入してもよい。ライニングと円筒状媒体2の衝突によりライニングが損傷した場合でも、ライニングは容易に交換することが可能であり、装置メンテナンスの観点からは好ましい。ライニングの厚みは特に限定されないが、耐久性の観点から、好ましくは1〜30mm、より好ましくは3〜20mm、更に好ましくは5〜16mmである。
また、容器1と円筒状媒体2との衝突による容器1内の損傷を防止するため、容器1の円柱形の空間11にライニングとして筒状又は曲板状の鋼板を挿入してもよい。ライニングと円筒状媒体2の衝突によりライニングが損傷した場合でも、ライニングは容易に交換することが可能であり、装置メンテナンスの観点からは好ましい。ライニングの厚みは特に限定されないが、耐久性の観点から、好ましくは1〜30mm、より好ましくは3〜20mm、更に好ましくは5〜16mmである。
<粉砕処理>
以上の裁断処理、乾燥処理を適宜行った被粉砕原料を、本発明の振動粉砕機によって粉砕する。
本発明の粉砕物の製造方法は、被粉砕原料を、本発明の振動粉砕機100の容器1の円柱形の空間11に導入し、容器1を振動させて被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する。該粉砕処理方法は、予め被粉砕原料を振動粉砕機の容器1の円柱形の空間11に導入し一定時間の処理後に粉砕物を取り出すバッチ処理でもよく、被粉砕原料を導入口から連続的に導入しながら、同時に排出口から粉砕物を連続的に排出させる連続処理でもよい。工業的に連続生産を行う観点からは、連続処理が好ましい。
以上の裁断処理、乾燥処理を適宜行った被粉砕原料を、本発明の振動粉砕機によって粉砕する。
本発明の粉砕物の製造方法は、被粉砕原料を、本発明の振動粉砕機100の容器1の円柱形の空間11に導入し、容器1を振動させて被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する。該粉砕処理方法は、予め被粉砕原料を振動粉砕機の容器1の円柱形の空間11に導入し一定時間の処理後に粉砕物を取り出すバッチ処理でもよく、被粉砕原料を導入口から連続的に導入しながら、同時に排出口から粉砕物を連続的に排出させる連続処理でもよい。工業的に連続生産を行う観点からは、連続処理が好ましい。
粉砕処理がバッチ処理の場合、粉砕処理時の被粉砕原料の充填量に特に限定はないが、媒体をスムーズに振動させる観点から、容器1の円柱形の空間11に充填された被粉砕原料の体積が、円柱形の空間11の体積から円筒状媒体2及び棒状媒体3の体積を除いた体積(以下、粉砕容器内実容積と呼ぶ)の99体積%以下であることが好ましく、95体積%以下であることがより好ましく、90体積%以下であることが更に好ましい。
一方、被粉砕原料が少ないと、粉砕に関係のない円筒状媒体2と棒状媒体3、又は棒状媒体3同士の衝突が増え、粉砕効率が低下する。よって粉砕効率を向上させる観点から、充填された被粉砕原料の体積は、容器内実容積の1体積%以上であることが好ましく、2体積%以上であることがより好ましく、3体積%以上であることが更に好ましい。
ここで、容器1の円柱形の空間11に充填された被粉砕原料の体積とは、充填された被粉砕原料の重量を、該原料の見かけ比重(固め)で除して得られた体積を意味する。被粉砕原料の見かけ比重(固め)は、実施例に記載の方法で測定される。
一方、被粉砕原料が少ないと、粉砕に関係のない円筒状媒体2と棒状媒体3、又は棒状媒体3同士の衝突が増え、粉砕効率が低下する。よって粉砕効率を向上させる観点から、充填された被粉砕原料の体積は、容器内実容積の1体積%以上であることが好ましく、2体積%以上であることがより好ましく、3体積%以上であることが更に好ましい。
ここで、容器1の円柱形の空間11に充填された被粉砕原料の体積とは、充填された被粉砕原料の重量を、該原料の見かけ比重(固め)で除して得られた体積を意味する。被粉砕原料の見かけ比重(固め)は、実施例に記載の方法で測定される。
粉砕処理が連続処理である場合には、被粉砕原料の容器1の円柱形の空間11の滞留量の好ましい様態は、粉砕処理がバッチ処理である場合の「被粉砕原料の充填量」を「被粉砕原料の円柱形の空間11内の滞留量」に、「充填された被粉砕原料の体積」を「円柱形の空間11内に滞留している被粉砕原料の体積」に読み替えることを除き、同様である。
粉砕処理時の容器1の振動数、振幅は特に限定されないが、振動数と振幅を増加させることで、容器1、円筒状媒体2、及び棒状媒体3に与えられる加速度を大きくすることができ、被粉砕原料の粉砕速度を高めることができる。
粉砕速度を高める観点から、容器1の振動数は、8Hz以上であることが好ましく、10Hz以上であることがより好ましく、12Hz以上であることが更に好ましく、容器1の振幅は、5mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがより好ましく、7mm以上であることが更に好ましい。一方、装置負荷の観点から、容器1の振動数は40Hz以下であることが好ましく、35Hz以下であることがより好ましく、30Hz以下であることが更に好ましく、容器1の振幅は、25mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましく、18mm以下であることが更に好ましい。
粉砕速度を高める観点から、容器1の振動数は、8Hz以上であることが好ましく、10Hz以上であることがより好ましく、12Hz以上であることが更に好ましく、容器1の振幅は、5mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがより好ましく、7mm以上であることが更に好ましい。一方、装置負荷の観点から、容器1の振動数は40Hz以下であることが好ましく、35Hz以下であることがより好ましく、30Hz以下であることが更に好ましく、容器1の振幅は、25mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましく、18mm以下であることが更に好ましい。
容器1の軸の軌跡が直線を描かない場合、容器1の振動は複数の異なる長さの振幅を有するが、本発明において容器1の振動の振幅とは、容器1の振動の振幅のうち最も長い振幅を意味し、例えば容器1の軸の軌跡が楕円を描く場合、該楕円の長径を意味する。
粉砕処理は、所望の粒径、又は所望の低結晶化が起きた粉砕物が得られるまで行えばよく、処理量によっても必要時間は変化するため、粉砕処理に要する時間は一概には決められないが、通常1分間〜10時間の範囲であり、得られる粉砕物の粒径、粉砕処理時の低結晶化の量、及び生産効率の観点から、2分間〜3時間が好ましく、3分間〜1時間がより好ましく、5〜30分間が更に好ましい。
ここで、前記計算式(1)で示されるセルロースのI型結晶化指数が33%以下であれば、セルロースの化学反応性が高い。この観点から、被粉砕原料がセルロース含有原料の場合、該セルロース含有原料を粉砕処理して得られる粉砕物中の前記計算式(1)で示されるセルロースI型結晶化指数は、33%以下が好ましい。
実施例で被粉砕原料として用いたパルプ粉砕物のメジアン径、パルプの水分含量、パルプ中及びパルプ粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数、パルプ中のα−セルロース含有量、及びパルプの見かけ比重(固め)は、以下に記載の方法で行った。
(1)メジアン径の測定
粉砕処理後のパルプのメジアン径は、分散媒体としてエタノールを用い、メジアン径測定前に超音波で処理し、体積基準のメジアン径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置〔株式会社堀場製作所製「LA−920」〕を用いて測定した。具体的には、粉砕処理後のパルプをエタノール100mLに添加してパルプ添加後の溶液の透過率が70〜95%になる濃度に調整し、1分間超音波分散処理を行った後、温度25℃にてメジアン径の測定を行った。
粉砕処理後のパルプのメジアン径は、分散媒体としてエタノールを用い、メジアン径測定前に超音波で処理し、体積基準のメジアン径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置〔株式会社堀場製作所製「LA−920」〕を用いて測定した。具体的には、粉砕処理後のパルプをエタノール100mLに添加してパルプ添加後の溶液の透過率が70〜95%になる濃度に調整し、1分間超音波分散処理を行った後、温度25℃にてメジアン径の測定を行った。
(2)水分含量の測定
パルプの水分含量は、赤外線水分計〔株式会社島津製作所製「MOC−120H」〕を使用し、パルプ約5gを用いて120℃にて測定を行い、30秒間の重量変化率が 0.05%以下となる点を測定の終点とした。
パルプの水分含量は、赤外線水分計〔株式会社島津製作所製「MOC−120H」〕を使用し、パルプ約5gを用いて120℃にて測定を行い、30秒間の重量変化率が 0.05%以下となる点を測定の終点とした。
(3)結晶化指数の算出
パルプ中、又はパルプの粉砕物中のセルロースのI型の結晶化指数は、パルプ、又はパルプの粉砕物のX線回折強度をX線回折装置〔株式会社リガク製「Rigaku RINT 2500VC X−RAY diffractometer」〕を用いて以下の条件で測定し、前記計算式(1)に基づいて算出した。
測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation,管電圧:40kv,管電流:120mA,測定範囲:回折角2θ=5〜45°、X線のスキャンスピードは10°/minで測定した。約2gのパルプを圧縮して面積320mm2×厚さ1mmのペレットとしたものを測定用サンプルとした。
パルプ中、又はパルプの粉砕物中のセルロースのI型の結晶化指数は、パルプ、又はパルプの粉砕物のX線回折強度をX線回折装置〔株式会社リガク製「Rigaku RINT 2500VC X−RAY diffractometer」〕を用いて以下の条件で測定し、前記計算式(1)に基づいて算出した。
測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation,管電圧:40kv,管電流:120mA,測定範囲:回折角2θ=5〜45°、X線のスキャンスピードは10°/minで測定した。約2gのパルプを圧縮して面積320mm2×厚さ1mmのペレットとしたものを測定用サンプルとした。
(4)α−セルロース含有量の測定
パルプ中のα−セルロース含有量は、日本木材学会編、木質科学実験マニュアル、(2000年、文永堂出版発行)の95−96頁に記載の方法に基づいて測定した。具体的には以下の通りである。
初めにパルプを10〜20g計量し、ソックスレー抽出器に入れ、エタノールと1,2−ジクロロエタンの体積比が1:2である混合溶剤を約150mL加えて6時間煮沸還流した。抽出後の試料を60℃の真空乾燥機で4時間乾燥させ、脱脂試料を得た。得られた脱脂試料2.5gを300mL三角フラスコにとり、蒸留水約150mL、亜塩素酸ナトリウム1.0g、及び酢酸0.2mLを加え、三角フラスコにゆるく蓋をして、70〜80℃の湯浴上で時々内容物を振りながら、1時間加熱した。その後、温度を保ったまま亜塩素酸ナトリウム1.0g、及び酢酸0.2mLを加え、70〜80℃の湯浴上で1時間加熱した。さらに、亜塩素酸ナトリウム及び酢酸を加えて加熱する操作を2回繰り返した。
得られた白色の内容物を、1G−3ガラスフィルターで吸引ろ過し、20℃の蒸留水及びアセトンで洗浄後、105℃の乾燥機中で6時間真空乾燥し、デシケーター中で放冷した。放冷後、フィルター上の残渣をホロセルロース試料とした。該ホロセルロース量は、ろ過前後におけるフィルターの増加重量として求め、さらに以下の式で原料中のホロセルロース分B(質量%)を求めた。
B(質量%)=フィルター増加重量(g)/2.5(g)×100
パルプ中のα−セルロース含有量は、日本木材学会編、木質科学実験マニュアル、(2000年、文永堂出版発行)の95−96頁に記載の方法に基づいて測定した。具体的には以下の通りである。
初めにパルプを10〜20g計量し、ソックスレー抽出器に入れ、エタノールと1,2−ジクロロエタンの体積比が1:2である混合溶剤を約150mL加えて6時間煮沸還流した。抽出後の試料を60℃の真空乾燥機で4時間乾燥させ、脱脂試料を得た。得られた脱脂試料2.5gを300mL三角フラスコにとり、蒸留水約150mL、亜塩素酸ナトリウム1.0g、及び酢酸0.2mLを加え、三角フラスコにゆるく蓋をして、70〜80℃の湯浴上で時々内容物を振りながら、1時間加熱した。その後、温度を保ったまま亜塩素酸ナトリウム1.0g、及び酢酸0.2mLを加え、70〜80℃の湯浴上で1時間加熱した。さらに、亜塩素酸ナトリウム及び酢酸を加えて加熱する操作を2回繰り返した。
得られた白色の内容物を、1G−3ガラスフィルターで吸引ろ過し、20℃の蒸留水及びアセトンで洗浄後、105℃の乾燥機中で6時間真空乾燥し、デシケーター中で放冷した。放冷後、フィルター上の残渣をホロセルロース試料とした。該ホロセルロース量は、ろ過前後におけるフィルターの増加重量として求め、さらに以下の式で原料中のホロセルロース分B(質量%)を求めた。
B(質量%)=フィルター増加重量(g)/2.5(g)×100
前記ホロセルロース試料1.0gを300mLビーカーにとり、17.5%水酸化ナトリウム水溶液25mLを加え、ビーカーを時計皿で覆い、20℃の恒温槽中で3分間放置した。次に、5分間、ガラス棒を用いて試料を軽くつぶし、膨潤状態とした。
ビーカーを時計皿で再度覆って20℃で放置し、該試料に水酸化ナトリウム水溶液を加えてから30分後に、蒸留水25mLを加え、正確に1分間攪拌した。次いで、5分間放置した後、1G−3ガラスフィルターで吸引ろ過し、ろ液が中性になるまで20℃の蒸留水で手早く洗浄した。ろ取した内容物に、さらに10%酢酸40mLを注ぎ、吸引ろ過して液をできるだけ除去し、1Lの煮沸水で洗浄後、105℃の乾燥機中で6時間真空乾燥して、デシケーター中で放冷した。放冷後、フィルター上の残渣をα−セルロース試料とした。該α−セルロース量は、ろ過前後におけるフィルターの増加重量として求め、さらに以下の式でホロセルロース中のα−セルロース量C(質量%)を求めた。
C(質量%)=フィルター増加重量(g)/1.0(g)×100
ビーカーを時計皿で再度覆って20℃で放置し、該試料に水酸化ナトリウム水溶液を加えてから30分後に、蒸留水25mLを加え、正確に1分間攪拌した。次いで、5分間放置した後、1G−3ガラスフィルターで吸引ろ過し、ろ液が中性になるまで20℃の蒸留水で手早く洗浄した。ろ取した内容物に、さらに10%酢酸40mLを注ぎ、吸引ろ過して液をできるだけ除去し、1Lの煮沸水で洗浄後、105℃の乾燥機中で6時間真空乾燥して、デシケーター中で放冷した。放冷後、フィルター上の残渣をα−セルロース試料とした。該α−セルロース量は、ろ過前後におけるフィルターの増加重量として求め、さらに以下の式でホロセルロース中のα−セルロース量C(質量%)を求めた。
C(質量%)=フィルター増加重量(g)/1.0(g)×100
次に、得られたα−セルロース試料を575℃で12時間乾燥した。乾燥前及び乾燥後の重量を秤量することにより、以下の式で灰分D(質量%)を求めた。
D(質量%)=乾燥後重量(g)/乾燥前重量(g)×100
D(質量%)=乾燥後重量(g)/乾燥前重量(g)×100
以上の結果から、灰分を除いたセルロース含有原料中の実質のα−セルロースの含有量E(質量%)を以下の式によって求めた。
E(質量%)=B×C÷100×(1−D÷100)
E(質量%)=B×C÷100×(1−D÷100)
(5)見かけ比重(固め)の測定
パルプの見かけ比重(固め)の測定は、パウダーテスター〔ホソカワミクロン株式会社製〕を用いて測定した。規定の容器(容量100mL)の上部に付属のキャップを付け足して、容量が約200mLとなるようにした。スコップを用いて、パルプを静かに容器に投入し、容器内をパルプで充満した。パウダーテスターのタッピング機能を利用して、タッピングを180秒間、180回行った。タッピング終了後、キャップを静かに外し、100mLの容器の上にある余分なサンプルをすりきり、100mLの容器中のサンプル重量を測定して見かけ比重(固め)を算出した。
パルプの見かけ比重(固め)の測定は、パウダーテスター〔ホソカワミクロン株式会社製〕を用いて測定した。規定の容器(容量100mL)の上部に付属のキャップを付け足して、容量が約200mLとなるようにした。スコップを用いて、パルプを静かに容器に投入し、容器内をパルプで充満した。パウダーテスターのタッピング機能を利用して、タッピングを180秒間、180回行った。タッピング終了後、キャップを静かに外し、100mLの容器の上にある余分なサンプルをすりきり、100mLの容器中のサンプル重量を測定して見かけ比重(固め)を算出した。
実施例1
〔裁断処理〕
被粉砕原料として、セルロース含有原料であるシート状木材パルプ〔テンベック製「HV+」、800mm×600mm×1.0mm、結晶化指数80%、α−セルロース含有量96質量%、水分含量8.0質量%〕を、スリッターカッターであるシートペレタイザ〔株式会社ホーライ製「SG(E)−220」〕にかけ、約3mm×1.5mm×1.0mmの大きさに裁断した。
〔裁断処理〕
被粉砕原料として、セルロース含有原料であるシート状木材パルプ〔テンベック製「HV+」、800mm×600mm×1.0mm、結晶化指数80%、α−セルロース含有量96質量%、水分含量8.0質量%〕を、スリッターカッターであるシートペレタイザ〔株式会社ホーライ製「SG(E)−220」〕にかけ、約3mm×1.5mm×1.0mmの大きさに裁断した。
〔乾燥処理〕
裁断処理により得られたパルプを、2軸横型攪拌乾燥機〔株式会社奈良機械製作所製、2軸パドルドライヤー「NPD−1.6W(1/2)」〕を用いて乾燥した。大気圧下で、乾燥温度は140℃とし、あらかじめパルプを8kg仕込み、60分間バッチ処理で乾燥して、パルプの水分含量を0.8質量%とした。その後、装置を2°傾け、連続処理にてパルプを乾燥した。このときパルプの供給速度は18kg/hとした。連続処理で得られた乾燥パルプの水分量も0.8質量%であった。得られた乾燥パルプは、保管中の吸湿を防ぐため、粉砕処理の直前までアルミ製の袋で保管した。X線回折強度から算出した乾燥処理後のパルプ中のセルロースのI型結晶化指数は81%であった。
裁断処理により得られたパルプを、2軸横型攪拌乾燥機〔株式会社奈良機械製作所製、2軸パドルドライヤー「NPD−1.6W(1/2)」〕を用いて乾燥した。大気圧下で、乾燥温度は140℃とし、あらかじめパルプを8kg仕込み、60分間バッチ処理で乾燥して、パルプの水分含量を0.8質量%とした。その後、装置を2°傾け、連続処理にてパルプを乾燥した。このときパルプの供給速度は18kg/hとした。連続処理で得られた乾燥パルプの水分量も0.8質量%であった。得られた乾燥パルプは、保管中の吸湿を防ぐため、粉砕処理の直前までアルミ製の袋で保管した。X線回折強度から算出した乾燥処理後のパルプ中のセルロースのI型結晶化指数は81%であった。
〔粉砕処理〕
バッチ式振動ミル〔中央化工機株式会社製「MB−1」、容器内径142mm、容器の軸方向長さ226mm、容器全容量3.58L〕の容器内部に、外径126mm、内径86mm、軸方向長さ21mmのステンレス製の円筒状媒体10個を、該円筒状媒体の軸方向が容器の軸方向と平行になる向きに、容器の軸方向に並べて配置した。さらに円筒状媒体の内部に、棒状媒体として、外径28mm、長さ210mmのステンレス製の円柱状媒体を2本配置した。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、21.2%であった。
さらに乾燥処理により得られたパルプ100g(見かけ比重(固め)0.18g/mL)をバッチ式振動ミルの容器内部に仕込み、振幅8mm、振動数20Hzの条件で容器を振動させた。振動を5分間行った後、粉砕物を回収した。得られた粉砕物のメジアン径は77.1μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は28.6%であった。結果を表1に示す。
バッチ式振動ミル〔中央化工機株式会社製「MB−1」、容器内径142mm、容器の軸方向長さ226mm、容器全容量3.58L〕の容器内部に、外径126mm、内径86mm、軸方向長さ21mmのステンレス製の円筒状媒体10個を、該円筒状媒体の軸方向が容器の軸方向と平行になる向きに、容器の軸方向に並べて配置した。さらに円筒状媒体の内部に、棒状媒体として、外径28mm、長さ210mmのステンレス製の円柱状媒体を2本配置した。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、21.2%であった。
さらに乾燥処理により得られたパルプ100g(見かけ比重(固め)0.18g/mL)をバッチ式振動ミルの容器内部に仕込み、振幅8mm、振動数20Hzの条件で容器を振動させた。振動を5分間行った後、粉砕物を回収した。得られた粉砕物のメジアン径は77.1μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は28.6%であった。結果を表1に示す。
実施例2
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径30mm、長さ210mmの円柱状媒体2本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、24.3%であった。得られた粉砕物のメジアン径は73.2μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は20.4%であった。結果を表1に示す。
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径30mm、長さ210mmの円柱状媒体2本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、24.3%であった。得られた粉砕物のメジアン径は73.2μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は20.4%であった。結果を表1に示す。
実施例3
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径30mm、長さ210mmの円柱状媒体1本と、外径28mm、長さ210mmの円柱状媒体1本の合計2本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、22.8%であった。得られた粉砕物のメジアン径は77.6μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は27.1%であった。結果を表1に示す。
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径30mm、長さ210mmの円柱状媒体1本と、外径28mm、長さ210mmの円柱状媒体1本の合計2本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、22.8%であった。得られた粉砕物のメジアン径は77.6μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は27.1%であった。結果を表1に示す。
比較例1
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径20mm、長さ210mmの円柱状媒体4本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、4本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、21.6%であった。得られた粉砕物のメジアン径は105.8μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は40.2%であった。結果を表1に示す。
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径20mm、長さ210mmの円柱状媒体4本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、4本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、21.6%であった。得られた粉砕物のメジアン径は105.8μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は40.2%であった。結果を表1に示す。
比較例2
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径25mm、長さ210mmの円柱状の棒状媒体2本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、16.9%であった。得られた粉砕物のメジアン径は111.7μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は35.9%であった。結果を表1に示す。
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径25mm、長さ210mmの円柱状の棒状媒体2本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、2本の棒状媒体の体積の合計値は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、16.9%であった。得られた粉砕物のメジアン径は111.7μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は35.9%であった。結果を表1に示す。
比較例3
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径30mm、長さ210mmの円柱状媒体1本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、棒状媒体の体積は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、12.2%であった。得られた粉砕物のメジアン径は93.5μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は44.3%であった。結果を表1に示す。
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径30mm、長さ210mmの円柱状媒体1本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、棒状媒体の体積は、円筒状媒体の内部容積の合計値に対し、12.2%であった。得られた粉砕物のメジアン径は93.5μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は44.3%であった。結果を表1に示す。
比較例4
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径42mm、長さ210mmの円柱状媒体1本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、棒状媒体の体積は、円筒状媒体の内部容積に対し、23.9%であった。得られた粉砕物のメジアン径は111.8μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は36.9%であった。結果を表1に示す。
円筒状媒体内部に配置する棒状媒体を、ステンレス製の、外径42mm、長さ210mmの円柱状媒体1本とした以外は、実施例1と同様の方法で粉砕を行った。このとき、棒状媒体の体積は、円筒状媒体の内部容積に対し、23.9%であった。得られた粉砕物のメジアン径は111.8μm、粉砕物中のセルロースのI型結晶化指数は36.9%であった。結果を表1に示す。
本発明の振動粉砕機、及び該振動粉砕機を用いた粉砕物の製造方法は、小粒径の粉砕物を短時間で効率的に得ることができ、及び結晶性の被粉砕原料を短時間で低結晶化することができるため、生産性に優れ、工業的製法として有用である。被粉砕原料がバイオマス原料である場合、得られた小粒径の低結晶化バイオマスは、化粧品、食品、バイオマス材料、樹脂の補強剤等の工業原料として特に有用である。
1 容器
11 容器1の円柱形の空間
2 円筒状媒体
21 円筒状媒体2の円柱形の空間
3 棒状媒体
100 振動粉砕機
11 容器1の円柱形の空間
2 円筒状媒体
21 円筒状媒体2の円柱形の空間
3 棒状媒体
100 振動粉砕機
Claims (10)
- 円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、
容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、
円筒状媒体(B)の内部に該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備える振動粉砕機を用いて、該振動粉砕機の容器(A)の該円柱形の空間に被粉砕原料を導入し、容器(A)を振動させて該被粉砕原料を粉砕処理する工程を有する、粉砕物の製造方法であって、
容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%である、粉砕物の製造方法。 - 容器(A)の円柱形の空間の直径と、円筒状媒体(B)の外径との差[(容器(A)の円柱形の空間の直径)−(円筒状媒体(B)の外径)]が、1〜40mmである、請求項1記載の粉砕物の製造方法。
- 円筒状媒体(B)の外径に対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さ/円筒状媒体(B)の外径]が、0.02〜0.70である、請求項1又は2記載の粉砕物の製造方法。
- 棒状媒体(C)の外径が3〜60mmである、請求項1〜3のいずれか1項記載の粉砕物の製造方法。
- 被粉砕原料が、バイオマス原料である、請求項1〜4のいずれか1項記載の粉砕物の製造方法。
- バイオマス原料の水分含量が、0.2〜4.5質量%である、請求項5記載の粉砕物の製造方法。
- バイオマス原料が、セルロース含有原料である、請求項5又は6記載の粉砕物の製造方法。
- セルロース含有原料が、該セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であり、下記計算式(1)で示されるセルロースI型結晶化指数が33%を超えるセルロース含有原料である、請求項7記載の粉砕物の製造方法。
セルロースI型結晶化指数(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度を示し、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。〕 - セルロース含有原料を粉砕処理して得られる粉砕物中の、前記計算式(1)で示されるセルロースI型結晶化指数が33%以下である、請求項7又は8記載の粉砕物の製造方法。
- 円柱形の空間を有し、該円柱形の空間の中心軸が略水平になるように配置され、かつ、該中心軸に対し略垂直な面内方向に振動可能に保持された容器(A)と、
容器(A)の該円柱形の空間に、中心軸が該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された1つ又は2つ以上の円筒状媒体(B)と、
円筒状媒体(B)の内部に、該円柱形の空間の中心軸と略平行になるようにかつ振動可能に配置された2本の棒状媒体(C)とを備える振動粉砕機であって、
容器(A)の該円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値の比[円筒状媒体(B)の中心軸方向の長さの合計値/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さに対する、棒状媒体(C)の長さの比[棒状媒体(C)の長さ/容器(A)の円柱形の空間の中心軸方向の長さ]が0.80〜0.995であり、かつ、2本の棒状媒体(C)の体積の合計値が、円筒状媒体(B)の内部容積の合計値の20〜25%である振動粉砕機。
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JP2018062228A (ja) * | 2016-10-12 | 2018-04-19 | スズキ株式会社 | エンジン駆動制御システム |
CN112255062A (zh) * | 2020-10-19 | 2021-01-22 | 林惠明 | 一种土壤可溶性盐分检测装置及检测方法 |
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