以下、図面を参照して、本発明の実施形態による遊技機について説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技機の遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。図2は、ガラス枠6のみを開いた状態の遊技機1の斜視図である。
図1及び図2に示すように、遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図3参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏面側に配置された遊技制御装置600(図15参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図16参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光態様を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図16参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動(例えば回転駆動)するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図16参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図15参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図15参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図15参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図15参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられた球発射装置500(図2参照)に供給される。
前面枠5の下部に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置500の動作を制御するための操作部15とが設けられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置500は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図3参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられている。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図3参照)での特図変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させる時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
演出ボタン17の左脇には、遊技者が操作可能なセレクトボタン29が配設されている。セレクトボタン29は、各種条件等を選択する時に使用されるボタンである。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤30について説明する。図3は、遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34は遊技盤30の開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏面には、変動表示装置35を備える制御ベースユニットが配設される。変動表示装置35は、複数の識別情報が変動する飾り特図変動表示ゲームを表示可能な表示部(表示画面)35aを有する。
制御ベースユニットには、変動表示装置35の他に、動作演出や発光演出を実行可能な可動装飾装置70が設けられている。可動装飾装置70は、センターケース34の下部に対応する位置に設けられる第1可動演出装置71と、センターケース34の側部及び上部に対応する位置に設けられる第2可動演出装置72とから構成されている。
センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部34aを介して視認可能となっている。変動表示装置35の表示部35aは、任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、複数の識別情報(飾り特図)や飾り特図変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの表示領域)を有しており、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき第1特別図柄(第1特図)変動表示ゲームの始動条件を付与する第1始動入賞口37(始動入賞領域)が配設される。なお、センターケース34には、遊技領域31を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路81と、ワープ通路81を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を第1始動入賞口37の上方の遊技領域31へと流下させるステージ部82とが設けられる。
センターケース34の右側部には、遊技球の入賞に基づき第2特別図柄(第2特図)変動表示ゲームの始動条件を付与する第2始動入賞ユニット100(始動入賞領域)が配設される。第2始動入賞ユニット100は、遊技球をユニット内に受入可能な受入口101と、受入口101を開閉する開閉部102とを備えている。受入口101は、普図始動ゲート36よりも下方に位置するように配設される。なお、第2始動入賞ユニット100の詳細な構成については、図4〜図14を参照して後述する。
開閉部102が受入口101を閉じている場合は、遊技領域31を流下する遊技球が第2始動入賞ユニット100に入賞不能な状態(遊技者にとって不利な状態)となり、遊技球は第2始動入賞ユニット100に入賞することなく下方に流下する。
一方、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって、開閉部102が受入口101を開いた場合は、遊技領域31を流下する遊技球が第2始動入賞ユニット100に流入しやすい状態(遊技者にとって有利な状態)となる。第2始動入賞ユニット100に備えられる開閉部102の開閉動作は、遊技制御装置600(図16参照)によって制御される。遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態)を発生させる。
第1始動入賞口37の左右両側の遊技領域31には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が複数配設される。
第1始動入賞口37と右側の一般入賞口40との間の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28(図15参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置41が設けられる。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲーム(第1又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するようになっている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車や障害釘等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口42が配設される。
なお、遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数(普図変動表示ゲームの始動記憶数)、及び大当たりの決定ラウンド数等を表示する状態表示器50が配設される。
遊技機1では、球発射装置500(図2参照)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。
発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体43aが設けられる。弁体43aの下端は内レール44に固定され、弁体43aは発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体43aは、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の左側を通って流下するように打ちだすこと)又は右打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の右側を通って流下するように打ちだすこと)を行うように構成されており、遊技開始直後等の通常遊技状態では遊技者によって左打ちが行われ、大当り遊技状態や時短状態(普電サポート状態)では遊技者によって右打ちが行われる。なお、遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
左打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の左側方の遊技領域31を流下して、第1始動入賞口37や第1始動入賞口37の左側に配設された一般入賞口40に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42から遊技機1の外部に排出される。ワープ通路81を通ってステージ部82に導かれた遊技球も第1始動入賞口37に入賞したり、第1始動入賞口37の左側の一般入賞口40に入賞したりする。なお、一般入賞口40や第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、状態表示器50で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。第1始動入賞口37への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの識別情報(飾り特図)が揃った状態で停止する。この場合には、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
大当り遊技状態中は、遊技球を特別変動入賞装置41の大入賞口へ入賞させるために、遊技者は右打ちを行うことになる。
右打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の右側方の遊技領域31を流下する。特別変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これが所定ラウンド数(例えば15回又は2回)継続される。
ところで、大当り時の停止図柄が特定の図柄等である場合には、大当り遊技状態後の遊技状態が時短状態となる。時短状態は、特図変動表示ゲームが100回行われるまで、つまり第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの実行回数の総計が100回に達するまで継続される。遊技機1は、時短状態中に右打ちを行うように設定されている。なお、大当り遊技状態後に時短状態が発生しない場合には、変動表示装置35の表示部35aに左打ちの指示が表示され、遊技者によって左打ちが行われる。
時短状態中に右打ちが行われ、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、状態表示器50で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート36への遊技球の通過が所定のタイミングでなされた場合には普図変動表示ゲームの結果が当りとなる。この場合には、第2始動入賞ユニット100の開閉部102が受入口101を開き、第2始動入賞ユニット100への遊技球の入賞可能性が高められる。
遊技球が受入口101を介して第2始動入賞ユニット100に入賞すると、状態表示器50で第2特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。第2始動入賞ユニット100への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの識別情報(飾り特図)が揃った状態で停止する。この場合には、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
上記の通り、本実施形態の遊技機1では、遊技者が左打ち又は右打ちを行いながら遊技が進行する。
<第2始動入賞ユニット>
図4〜図7を参照して、第2始動入賞ユニット100について説明する。
図4は、第2始動入賞ユニット100の前方斜視図である。図5は、第2始動入賞ユニット100の後方斜視図である。図6は、カバー部材120及び予告演出装置200を外した状態の第2始動入賞ユニット100の後方斜視図である。図7(A)〜図7(D)は、第2始動入賞ユニット100での遊技球の振り分けを説明する図である。図7(A)及び図7(B)は遊技球を第2通路153に振り分ける場合を示し、図7(C)及び図7(D)は遊技球を第1通路152に振り分ける場合を示す。
図4及び図5に示すように、第2始動入賞ユニット100は、センターケース34に固定されるベース部材110と、ベース部材110の裏面を覆うカバー部材120と、ベース部材110とカバー部材120との間に配設される仕切部材130と、遊技の進行状態に応じて特図変動表示ゲームの結果に関連する予告演出を実行可能な予告演出装置200と、を備える。
図4に示すように、ベース部材110の前面には、メッキ加工された装飾部材103が設けられている。
また、ベース部材110の上部前面には、遊技領域31(図2参照)を流下する遊技球を第2始動入賞ユニット100内に受け入れるための受入口101が形成されている。ベース部材110には、受入口101と対応する位置に開閉部102が配設されている。開閉部102は、第1ソレノイド105(図5参照)によって駆動され、受入口101の状態を遊技球の受け入れ可能な開状態と遊技球の受け入れ不能な閉状態とに変換する。第1ソレノイド105(普電ソレノイド)は、ステー104を介してベース部材110の裏面に設置される。
図5及び図6に示すように、開閉部102(図4参照)の下端には回動軸141が設けられ、回動軸141はベース部材110に形成された軸受孔に回動可能に支持される。ベース部材110の裏面から突出した回動軸141の端部は、第1ソレノイド105のアーム144と連結するリンク142の一端に固定される。リンク142の他端には軸143が設けられ、軸143は第1ソレノイド105のプランジャに固定されたアーム144の下端に連結されている。第1ソレノイド105の駆動力は、アーム144及びリンク142を介して回動軸141に伝達される。第1ソレノイド105の駆動力に基づいて回動軸141が回動することで、開閉部102は受入口101の開閉状態を変換する。
開閉部102は、開状態において、遊技領域31を流下する遊技球を受入口101へとガイドするように構成されている。したがって、開閉部102が受入口101を開いている間は遊技球が第2始動入賞ユニット100内に流入しやすい。
なお、開閉部102の中央裏面には規制軸145が設けられており、規制軸145はベース部材110に形成された円弧状の規制溝111に挿入される。規制軸145の回動範囲は規制溝111によって規定される。
図6及び図7(A)に示すように、第2始動入賞ユニット100の内部には、ベース部材110、カバー部材120、及び仕切部材130によって、受入口101を介して受け入れた遊技球を流下させる流下通路150が形成される。流下通路150は、上下方向に蛇行して形成される。なお、流下通路150の理解を容易にするため、図6ではカバー部材120及び仕切部材130の記載を省略し、図7(A)ではベース部材110の記載を省略している。
図7(A)に示すように、流下通路150は、受入口101から受け入れた遊技球を流下させる上部通路151と、上部通路151の下流端から分岐して遊技球を下流の予告演出装置200に導く第1通路152と、上部通路151の下流端から分岐し、遊技球を遊技機1の外部に排出する排出通路154に導く第2通路153と、を備える。
上部通路151は、受入口101から流下してきた遊技球を、上下方向から左右方向に導くように湾曲して形成される。上部通路151は、前後方向に遊技球2個分程度の幅を持って形成された通路である。
上部通路151の上流部には、第2始動入賞ユニット100に遊技球が流入(入賞)したことを検出する第2始動口スイッチ602が設けられる。遊技球の通過を第2始動口スイッチ602が検出した場合には、所定数の賞球が遊技者に払い出される。
上部通路151の前側寄りの下流端部には第1通路152が連接され、上部通路151の後側寄りの下流端部には第2通路153が連接される。このように第2通路153は、第1通路152の後方に、第1通路152と並行して設けられる。受入口101は上部通路151の前側寄りに遊技球を流下させるので、受入口101から受け入れられた遊技球は上部通路151から第1通路152に向かって流下する。
第1通路152の遊技球転動面152a及び第2通路153の遊技球転動面153aは、仕切部材130によって形成されている。第1通路152と第2通路153とは、遊技球転動面152aと遊技球転動面153aの間に突出形成されたリブ状の壁部156によって隔てられている。第1通路152及び第2通路153を壁部156によって隔てることで、遊技球が一方の通路から他方の通路に流れ込むことを防止できる。
なお、第2通路153の遊技球転動面153aを第1通路152の遊技球転動面152aよりも低い位置に形成することによって、第1通路152と第2通路153とを隔てるようにしてもよい。
第1通路152の下流端部は、遊技球を予告演出装置200に供給する供給通路161と連接している。供給通路161は、上下方向に延設された通路である。供給通路161の途中には、遊技球が第1通路152及び供給通路161を通過して予告演出装置200に供給されることを検出する遊技球検出センサ107(球流入検出部)が設けられる。なお、供給通路161を通過した遊技球は、予告演出装置200の予告演出に用いられた後、遊技機1の外部に排出される。
第2通路153の下流端部は、遊技球を遊技機1の外部に排出する排出通路154と連接している。排出通路154の途中には、遊技球が第2通路153及び排出通路154を通過したことを検出する遊技球検出センサ108(図6参照)が設けられる。遊技球検出センサ108は、上下方向において遊技球検出センサ107よりも高い位置に設置されている。
上記した第2始動入賞ユニット100は、受入口101から受け入れた遊技球を、予告演出装置200へと導く第1通路152又はそのまま遊技機1の外部へと導く第2通路153に振り分ける振分部170をさらに備える。
図6及び図7(B)に示すように、振分部170は略L字状の部材であって、振分部170の基端部171は仕切部材130に対して回転自在に配設されている。第1通路152側の上部通路151の下流端部には上下方向に貫通する切欠部151aが形成されており、振分部170の先端部172は切欠部151aを通過可能に構成されている。振分部170は第2ソレノイド106の駆動力に基づいて回動し、振分部170の回動状態に応じて先端部172が上部通路151内に出没可能となっている。
振分部170の角部には、後方に延設される回動軸173(図6参照)が配設されている。振分部170の回動軸173は、第2ソレノイド106のプランジャと接続するリンク174(図6参照)の下端部に連結される。第2ソレノイド106は、ステー104を介してベース部材110の裏面に配設される。ステー104には、第1ソレノイド105及び第2ソレノイド106が隣接状態で設置されている。
図7(A)〜図7(D)を参照して、第2始動入賞ユニット100における遊技球の振り分けについて説明する。
図7(C)及び図7(D)に示すように、普図変動表示ゲームが当りの場合には第1ソレノイド105がオンにされ、開閉部102が回動して受入口101(図4参照)が開状態となる。受入口101が閉状態から開状態になると、第2ソレノイド106はオフとなる。この時、振分部170の先端部172は上部通路151外に退避した状態となり、受入口101から上部通路151に流入した遊技球は第1通路152へと導かれる。第1通路152を通過した遊技球は、供給通路161を通って予告演出装置200に供給される。
図7(A)及び図7(B)に示すように、開閉部102が受入口101(図4参照)を開いてから所定時間経過すると、第1ソレノイド105がオフにされ、受入口101を閉じるように開閉部102が回動する。受入口101が開状態から閉状態になると、第2ソレノイド106はオンにされ、振分部170が上方に向かって回動する。これにより、振分部170の先端部172が、切欠部151aを介して、上部通路151の遊技球転動面から上方に突出する。上部通路151内に突出した先端部172は、上部通路151を転動してきた遊技球が第1通路152へと流下することを規制する。上部通路151の前側寄りを流下してきた遊技球は、先端部172に衝突して第2通路153へと振り分けられる。開閉部102が受入口101を閉じる時に振分部170の先端部172が上部通路151内に突出するので、開閉部102が閉じる直前に第2始動入賞ユニット100内に流入した遊技球は第2通路153へと振り分けられることとなる。第2通路153に振り分けられた遊技球は、第2通路153から排出通路154に導かれ、排出通路154を通って遊技機1の外部に排出される。
上記の通り、第2始動入賞ユニット100の上部通路151の遊技球転動面には切欠部151aが形成されており、振分部170の先端部172は切欠部151aを介して上部通路151内に出没可能に構成されている。このように、振分部170の先端部172を上部通路151内に突出又は上部通路151の外部に退避させることで、上部通路151を流下する遊技球を第1通路152又は第2通路153に振り分けることが可能となる。
なお、振分部170の先端部172は、開閉部102が受入口101を閉じる時に上部通路151内に突出するように構成されているが、所定のエラー情報がある場合や後述する回転体220が所定数の遊技球を保持している場合にも上部通路151内に突出するように構成してもよい。
次に、図5、図6、図8〜図14を参照して、第2始動入賞ユニット100に備えられる予告演出装置200の構成について説明する。
図8(A)及び図8(B)は、装飾板109を外した状態の第2始動入賞ユニット100の正面図及び斜視図である。図9(A)及び図9(B)は、装飾部材103を外した状態の第2始動入賞ユニット100の正面図及び斜視図である。図10(A)は予告演出装置200の前方斜視図であり、図10(B)は予告演出装置200の回転体220の分解斜視図である。図11(A)及び図11(B)は、回転体220の正面図及び平面図である。図12(A)及び図12(B)は、遊技球を保持した状態の回転体220の正面図及び平面図である。図13(A)及び図13(B)は、回転体220を構成する発光部240の側面図及び後方斜視図である。図14(A)及び図14(B)は、発光部240の前方斜視図及び後方斜視図である。
図5及び図6に示すように、第2始動入賞ユニット100のベース部材110の下部には円形開口112が形成されおり、その円形開口112内に予告演出装置200が配設される。予告演出装置200は、実行前の特図変動表示ゲームの結果情報を遊技者に報知する予告演出を実行可能な装置である。
図8(A)〜図9(B)に示すように、予告演出装置200は、ベース部材110の円形開口112内に取り付けられるケース部材210と、ケース部材210内に回転可能に配設される回転体220と、回転体220を回転駆動する駆動モータ250(図5参照)と、を備える。
ベース部材110の円形開口112には、予告演出装置200の前方を覆う透明の装飾板109(図4参照)が設けられている。したがって、予告演出装置200は、通常、装飾板109を介して遊技者に視認されることになる。予告演出装置200の取り付け状態を分りやすくするため、図8(A)及び図8(B)では装飾板109は取り外されており、図9(A)及び図9(B)では装飾部材103及び装飾板109は取り外されている。
図10(A)に示すように、ケース部材210は、有底筒状の枠体であって、回転体220を収容可能な収容部211を有している。ケース部材210の外周壁212には、遊技球がケース部材210内に流入する時に通過する流入口213及び遊技球がケース部材210外に排出される時に通過する排出口214が形成されている。
ケース部材210の底壁215の中心には貫通孔が形成されており、駆動モータ250(図5参照)は、当該駆動モータ250の出力軸が貫通孔を介して底壁215の前側に突出するように、底壁215の裏面に取り付けられる。駆動モータ250には、例えばステッピングモータが使用される。
回転体220は、ケース部材210の収容部211内に収容され、駆動モータ250の出力軸に固定される。回転体220は、駆動モータ250の駆動力に基づき、ケース部材210内において反時計回りに回転する。
図10(B)、図11(A)、及び図11(B)に示すように、回転体220は、本体部230と、本体部230の裏面に固定される発光部240とを備える。
本体部230は透光性を有する円盤状部材であり、本体部230の外周壁231には遊技球を収容可能な収容孔232が周方向に沿って5個形成されている。収容孔232は、外側から本体部230の中心に向かって窪むように形成されている。
収容孔232は、遊技球を保持可能な保持部232aと、外側寄りの位置で保持部232aに連接し、遊技球が転動可能な転動部232bと、保持部232a及び転動部232bの前側に形成される切欠部232cとから構成されている。
図9(A)及び図10(A)に示すように、第2始動入賞ユニット100内に流入した遊技球のうち、第1通路152(図7(C)参照)に振り分けられた遊技球は、供給通路161を通って、予告演出装置200のケース部材210の流入口213の上方に導かれる。回転体220の本体部230の収容孔232がケース部材210の流入口213と対峙する位置にある場合には、供給通路161からの遊技球が流入口213を通って本体部230の収容孔232内に流下する。
この時、遊技球は、図12(A)及び図12(B)に示すように、収容孔232の転動部232b上を転動し、収容孔232の保持部232aに誘導される。収容孔232は切欠部232cを介して遊技球を視認可能に構成されており、遊技者は収容孔232内における遊技球の有無を確認することができるようになっている。
保持部232aは、遊技球の最大外径部分の外周の約3/4程度を取り囲むように形成されている(図12(B)参照)。そのため、遊技球は当該遊技球の一部が切欠部232cを介して前方に飛び出した状態で保持部232aに保持されるが、遊技球が切欠部232cを通って前方に流出することはない。
回転体220は、収容孔232に遊技球を収容した状態で回転(図10(A)において反時計回りに回転)する。収容孔232がケース部材210の排出口214に対峙すると、遊技球は収容孔232の転動部232bを転動し、排出口214を通ってケース部材210の外側に流下する。ケース部材210の外側に流下した遊技球は、図示しない排出通路を通って遊技機1の外部に排出される。
図10(B)に示すように、回転体220の本体部230の裏面には、本体部230の収容孔232に向かって光を照射する発光部240が取り付けられている。発光部240は、円板状のLED基板241と、LED基板241の前面に複数配設されるLED242(発光体)とから構成されている。これらLED242は、本体部230の収容孔232に対応して設けられており、回転体220の回転軸を中心として円状に配列されている。本体部230は、透光性を有する樹脂材料によって形成されており、LED242から照射された光によって収容孔232及びその周辺が発光するように構成されている。
発光部240は本体部230とともに回転するため、発光部240のLED242には、図13(A)〜図14(B)に示すスリップリング装置260を介して、電源装置800(図15参照)からの電力が供給される。
図13(A)〜図14(B)に示すように、スリップリング装置260は、発光部240のLED基板241の裏面に固定され当該発光部240とともに回転する回転部261と、ケース部材210の底壁215(図10(A)参照)の前面に固定される固定部262とから構成されている。
回転部261は、配線W1を介してLED基板241に配設された各LED242と電気的に接続されている。回転部261の後端面には、同心円状に形成された複数の電路261a(図14(B)参照)が形成されている。一方、固定部262は、配線W2を介して図示しない中継基板等に電気的に接続されている。固定部262の前端面には、同心円状に形成された複数の電路262a(図14(A)参照)が形成されている。
回転部261及び固定部262は、対応する電路261a、262a同士が接触するように配設される。電源装置800からの電力は、固定部262の電路262a、回転部261の電路261aを介して、発光部240のLED242に供給される。このようにスリップリング装置260を介して発光部240のLED242に電力を供給することで、回転物として構成される発光部240に対しても電力を安定供給することが可能となる。
なお、回転部261の中心には駆動モータ250(図5参照)の出力軸を通過させるための挿通孔261bが形成されており(図14(B)参照)、固定部262の中心には駆動モータ250の出力軸を通過させるための挿通孔262bが形成されている(図14(A)参照)。
<遊技制御装置及び演出制御装置>
次に、図15及び図16を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図15は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図16は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図15に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630と、を備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞ユニット100に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ25及びガラス枠開放検出スイッチ26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器50等から構成される一括表示装置、第1ソレノイド(普電ソレノイド)105、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの総変動表示時間(実行時間)、演出内容、リーチ発生の有無等を規定する変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な変動表示装置35を有し、変動表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチとは、変動表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチに含まれる。また、リーチ状態とは、変動表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示部35aにおける左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ(リーチ状態)となる。この他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ(リーチ状態)には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性(期待度)が異なるリーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ノーマルロングリーチ(Nロングリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアムリーチ等が設定されている。リーチ演出における期待度は、リーチなし<Nリーチ<Nロングリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるように設定されている。
遊技用マイコン611のRAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(各種の乱数値等)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び第1ソレノイド(普電ソレノイド)105には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図3参照)を回動させ、第1ソレノイド105は第2始動入賞ユニット100の開閉部102を回動させる。
一括表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器50等から構成されている。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、ドライバ633cはポート631dと接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、ドライバ633bはポート631cと接続している。一括表示装置のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び第1ソレノイド105に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800と接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチを備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図16に示すように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備える。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図3参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に対して出力映像の内容の指示をしたり、音源LSI705への再生音の指示をしたりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5やガラス枠6に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める可動装飾装置70や予告演出装置200等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ入力回路750、及び上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
図17及び図18を参照して、可動装飾装置70や予告演出装置200等から構成される盤演出装置770について説明する。図17は盤演出装置770を構成する各種駆動モータの制御系を示すブロック図であり、図18は盤演出装置770を構成する予告演出装置200のLED242の制御系を示すブロック図である。
図17及び図18に示すように、盤演出装置770は、可動装飾装置70の駆動モータ70aを制御するためのモータドライバ771aや予告演出装置200の駆動モータ250を制御するためのモータドライバ771n等の各種ドライバを有している。
モータドライバ771aは、演出制御装置700からのモータ制御データ及び演出モータスイッチ752aからのモータスイッチ信号に基づいて、可動装飾装置70の駆動モータ70aの動作を制御する。
モータドライバ771nは、演出制御装置700からのモータ制御データ及び演出モータスイッチ752nからのモータスイッチ信号に基づいて、予告演出装置200の駆動モータ250の動作を制御する。
盤演出装置770は、第2始動入賞ユニット100(図7(A)参照)の第1通路152又は第2通路153に遊技球が振り分けられたことを検出する入口用スイッチを備えている。第1通路152の入口用スイッチは遊技球検出センサ107(図6参照)であり、第2通路153の入口用スイッチは遊技球検出センサ108(図6参照)である。また、盤演出装置770は、第2始動入賞ユニット100から排出される遊技球を検出する出口用検出スイッチ772を備えている。出口用検出スイッチ772は、第2始動入賞ユニット100の排出通路154から排出される遊技球及び予告演出装置200から排出される遊技球を検出するように構成されている。
なお、入口用スイッチである遊技球検出センサ107及び遊技球検出センサ108、出口用検出スイッチ772はアース線を介して接地されている。
図18に示すように、盤演出装置770は、予告演出装置200の回転体220が有するLED242を制御するためのLEDドライバ773を有している。LEDドライバ773は、スリップリング装置260を介して提供される演出制御装置700からのLED制御データに基づいて、回転体220のLED242の発光態様(発光パターン)を制御する。
以下では、遊技機1の遊技制御装置600及び演出制御装置700で実行される各種制御について説明する。
<メイン処理(遊技制御装置)>
図19及び図20を参照して、遊技制御装置600によって実行されるメイン処理について説明する。図19は、遊技制御装置600が実行するメイン処理の前半部のフローチャートである。図20は、遊技制御装置600が実行するメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機1の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。そして、遊技制御装置600は、割込みが発生した時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。ステップA1003の処理後、遊技制御装置600は、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで、例えば4ミリ秒間待機する(ステップA1005)。このように制御することによって、電源投入時において払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことを防止でき、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。ステップA1006の処理後、遊技制御装置600は、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(ステップA1007)、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
ステップA1008の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時等に確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するため、遊技機が初期化されないように初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合(ステップA1009の結果が「N」)には、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶されている。
ステップA1010及びステップA1011の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。ステップA1012及びステップA1013の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合(ステップA1013の結果が「Y」)には、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合(ステップA1016の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、図20のステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。この初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合(ステップA1016の結果が「Y」)には、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図20のステップA1017〜ステップA1023)。
遊技制御装置600は、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。つまり、遊技制御装置600は、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、遊技制御装置600は、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
ステップA1019の処理後、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。
高確率でないと判定された場合(ステップA1020の結果が「N」)には、遊技制御装置600はステップA1023以降の処理を実行する。一方、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合(ステップA1020の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。その後、遊技制御装置600は、一括表示装置に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
ステップA1023では、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する。特図ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定領域に記憶されている。このように特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができる。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機1を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。そして、遊技制御装置600は、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアし(ステップA1040)、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
その後、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定し(ステップA1042)、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
ステップA1023又はステップA1043の処理が終了すると、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。そして、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路は、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
ステップA1027の処理後、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
ステップA1028の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。
停電監視信号がオフであって停電していない場合(ステップA1030の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合(ステップA1030の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合(ステップA1031の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンである場合には、遊技制御装置600はチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
一方、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合(ステップA1031の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電が発生したものとみなして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、遊技制御装置600は、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
ステップA1035の処理後、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。
ステップA1037の処理後、遊技制御装置600は、RWMの内容が変更されないようにRWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源遮断前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
<タイマ割込み処理(遊技制御装置)>
図21を参照して、遊技制御装置600によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図21は、遊技制御装置600が実行するタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによって、レジスタを退避させる(ステップA1101)。
本実施形態の遊技機1では、遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることで、ステップA1101の処理を実行することが可能となる。
ステップA1101の処理後、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、カウントスイッチ605等が含まれる。入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
そして、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御等を行うための情報である。制御対象となるソレノイドには、例えば大入賞口ソレノイド28や第1ソレノイド105が含まれる。出力処理では、遊技機1における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
ステップA1103の処理後、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターンコマンド及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
ステップA1104の処理後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタ等)の値を1ずつ加算する。
そして、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視する。エラーの監視は、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないか等を対象としている。
ステップA1107の処理後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については図22を参照して後述する。
ステップA1108の処理後、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。そして、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば一括表示装置)に出力するためのパラメータを編集する。
ステップA1110の処理後、遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10aや下スピーカ10b等から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりする等して外部に報知する。
そして、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(ステップA1112)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。
ステップA1113の処理後、遊技制御装置600は、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了してメイン処理に復帰する。
<特図ゲーム処理>
図22を参照して、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(図21のステップA1108)の詳細について説明する。図22は、遊技制御装置600が実行する特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞ユニット100に遊技球の入賞があると、大当り乱数等の各種乱数の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。このように、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37、第2始動入賞ユニット100への遊技球の入賞に基づき特図変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶する始動記憶手段と、始動記憶に基づいて実行される特図変動表示ゲームの結果情報を当該特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段とを含んでいる。
ステップA1201の処理後、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置41に設けられたカウントスイッチ605によって当該特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
ステップA1202の処理後、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマの値が0になった場合にタイムアップしたと判定する。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合(ステップA1204の結果が「N」)には、遊技制御装置600はステップA1216以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合(ステップA1204の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。その後、遊技制御装置600は、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップA1206)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
ゲーム処理番号が「0」の場合(ステップA1208の結果が「0」)には、遊技制御装置600は特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や、特図変動表示ゲームの特図を変動表示させる総変動表示時間の設定、特図変動表示ゲームにおける演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「1」の場合(ステップA1208の結果が「1」)には、遊技制御装置600は特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合(ステップA1208の結果が「2」)には、遊技制御装置600は特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合(ステップA1208の結果が「3」)には、遊技制御装置600はファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合(ステップA1208の結果が「4」)には、遊技制御装置600は大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
ゲーム処理番号が「5」の場合(ステップA1208の結果が「5」)には、遊技制御装置600は大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特図の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に特別変動入賞装置41の開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
ゲーム処理番号が「6」の場合(ステップA1208の結果が「6」)には、遊技制御装置600は大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ステップA1204、ステップA1209〜ステップA1215のいずれかの処理を実行した後、遊技制御装置600は、状態表示器50において識別図柄(特図1又は特図2)の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1216)。その後、遊技制御装置600は、特図1又は特図2に関する図柄変動制御処理を実行して(ステップA1217)、特図ゲーム処理を終了する。
以上、遊技制御装置600における制御について説明した。続いて、演出制御装置700による制御について説明する。
<1stCPUメイン処理(演出制御装置)>
図23を参照して、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
メイン処理の実行が開始されると、演出制御装置700は、まず割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、演出制御装置700は、作業領域であるRAM711を0クリアし(ステップB1002)、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。その後、演出制御装置700は、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
ステップB1005の処理後、演出制御装置700は、所定のタイミング(例えば1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1006)、割込みを許可する(ステップB1007)。このように割込みが許可されることで、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
ステップB1007の処理後、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、ステップB1003のCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
ステップB1008の処理後、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン17(図1参照)の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。その後、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
ステップB1010の処理後、演出制御装置700は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査するための処理である。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、演出制御装置700は、ステップB1010の遊技制御コマンド解析処理において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。なお、1stシーン制御処理の詳細については、図24を参照して後述する。
ステップB1012の処理後、演出制御装置700は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合等に、警報音の報知等の所定処理を実行する。
ステップB1013の処理後、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行し(ステップB1014)、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。
続いて、演出制御装置700は、可動装飾装置70や予告演出装置200等のLEDの発光態様を制御する装飾制御処理を実行する(ステップB1016)。その後、演出制御装置700は、可動装飾装置70や予告演出装置200等の各種駆動モータの動作を制御するモータ制御処理を実行し(ステップB1017)、可動装飾装置70や予告演出装置200等の各種ソレノイドの動作を制御するSOL制御処理を実行する(ステップB1018)。
ステップB1018の処理後、演出制御装置700は、演出用の乱数等を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1019)、ステップB1008の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、ステップB1008からステップB1019までの処理を繰り返す。
<1stシーン制御処理>
図24を参照して、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(図23のステップB1012)の詳細について説明する。図24は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する1stシーン制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1101)。
遊技機1がテスト中モードである場合(ステップB1101の結果が「Y」)には、演出制御を行う必要がないため、演出制御装置700は1stシーン制御処理を終了する。
一方、遊技機1がテスト中モードでない場合(ステップB1101の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1102)。
シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB1102の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1107以降の処理を実行する。一方、シーン変更コマンドを受信している場合(ステップB1102の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、更新する現在の遊技状態を取得し(ステップB1103)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1104)。具体的には、演出制御装置700は、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否か等を判定する。
有効なコマンドを受信していない場合(ステップB1104の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1107以降の処理を実行する。
一方、有効なコマンドを受信した場合(ステップB1104の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定領域にセーブし(ステップB1105)、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、ステップB1111の変動中処理において演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
ステップB1106の処理後、演出制御装置700は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1107)。
受信したコマンドが「電源投入コマンド」である場合には、演出制御装置700は電源投入処理を実行する(ステップB1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「停電復旧コマンド」である場合には、演出制御装置700は停電復旧処理を実行する(ステップB1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」である場合には、演出制御装置700は客待ち処理を実行する(ステップB1110)。客待ち処理では、特図変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「変動パターンコマンド」である場合には、演出制御装置700は変動中処理を実行する(ステップB1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については、図25を参照して後述する。
受信したコマンドが「図柄停止コマンド」である場合には、演出制御装置700は図柄停止処理を実行する(ステップB1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる等の制御を行う。
受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」である場合には、演出制御装置700はファンファーレ処理を実行する(ステップB1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する等の制御を行う。
受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」である場合には、演出制御装置700はラウンド中処理を実行する(ステップB1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出等の制御を行う。
受信したコマンドが「インターバルコマンド」である場合には、演出制御装置700はインターバル処理を実行する(ステップB1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出等の制御を行う。
受信したコマンドが「エンディングコマンド」である場合には、演出制御装置700はエンディング処理を実行する(ステップB1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出等の制御を行う。
ステップB1108〜ステップB1116のいずれかの処理の実行後、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信される図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれている。
ステップB1117の処理後、演出制御装置700は、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1118)。保留数コマンドは、更新された保留数(始動記憶数)を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数(始動記憶数)に基づいて保留表示(始動記憶表示)等を更新する。
続いて、演出制御装置700は、先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1119)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンド)に基づいて保留表示演出等を設定する処理である。
ステップB1119の処理後、演出制御装置700は、確率情報コマンド受信処理を実行して(ステップB1120)、1stシーン制御処理を終了する。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて内部確率等の遊技状態を設定する処理である。
<変動中処理>
図25を参照して、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(図24のステップB1111)の詳細について説明する。図25は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動中処理を示すフローチャートである。
変動中処理が開始されると、演出制御装置700は、始動記憶に対応する各種情報を取得し(ステップB1201)、変動パターンコマンド等に基づいて特図変動表示ゲームの変動態様を設定する(ステップB1202)。
ステップB1202の処理後、演出制御装置700は、保持信号を取得して(ステップB1203)、保持信号があるか否かを判定する(ステップB1204)。保持信号は、遊技球が予告演出装置200の回転体220の収容孔232に保持されている時にオンになる信号であり、図29を参照して後述する予告演出制御設定処理で設定される。
保持信号がある場合(ステップB1204の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、予告演出に関連する各種設定情報に基づいて予告演出装置200による予告演出を行う事前報知処理を実行し(ステップB1205)、変動中処理を終了する。
一方、保持信号がない場合(ステップB1204の結果が「N」)には、演出制御装置700は、予告演出装置200による予告演出を停止する事前報知停止処理を実行し(ステップB1206)、変動中処理を終了する。
ステップB1205及びステップB1206に示すように、演出制御装置700は、予告演出装置200によって予告演出を実行する予告演出実行手段を含んでいる。
<モータ制御処理>
図26を参照して、1stCPUメイン処理におけるモータ制御処理(図23のステップB1017)の詳細について説明する。図26は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するモータ制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まずテストモードモータ制御処理を実行する(ステップB1301)。テストモードモータ制御処理は、メンテナンス時等において、可動装飾装置70や予告演出装置200等の各種モータの動作を確認するために実行される処理である。
ステップB1301の処理後、演出制御装置700は、エラー時モータ制御処理を実行する(ステップB1302)。エラー時モータ制御処理は、エラー発生時において、可動装飾装置70や予告演出装置200等の各種モータを初期位置に戻すために実行される処理である。
ステップB1302の処理後、演出制御装置700は、遊技の進行状態に応じて各種モータの動作を制御するモータ制御設定処理を実行する(ステップB1303)。モータ制御設定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
ステップB1303の処理後、演出制御装置700は、所定イベント発生時における各種モータの動作を制御するイベント時モータ制御設定処理を実行する(ステップB1304)。イベント時モータ制御設定処理の詳細については、図28を参照して後述する。
ステップB1304の処理後、演出制御装置700は、保持信号の設定等を行う予告演出制御設定処理を実行し(ステップB1305)、モータ制御処理を終了する。予告演出制御設定処理の詳細については、図29を参照して後述する。
<モータ制御設定処理>
図27を参照して、モータ制御処理におけるモータ制御設定処理(図26のステップB1303)の詳細について説明する。図27は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するモータ制御設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、遊技の進行状態に応じて、可動装飾装置70等の各種モータの動作態様を規定するためのモータ制御パターンを設定する(ステップB1401)。
遊技の進行状態が「電源投入状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御を繰り返し実行するようにループ設定し(ステップB1402)、モータ制御パターンを電源投入励磁パターンに設定する(ステップB1403)。電源投入励磁パターンには、電源投入状態における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「停電復旧状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御を繰り返し実行するようにループ設定し(ステップB1404)、モータ制御パターンを停電復旧励磁パターンに設定する(ステップB1405)。停電復旧励磁パターンには、停電復旧状態における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「客待ち中状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御を繰り返し実行するようにループ設定し(ステップB1406)、モータ制御パターンを客待ちデモ励磁パターンに設定する(ステップB1407)。客待ちデモ励磁パターンには、客待ち中状態における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「変動中状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンを変動中励磁パターンに設定する(ステップB1408)。変動中励磁パターンには、特図変動中における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「図柄停止中状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンを図柄停止中励磁パターンに設定する(ステップB1409)。図柄停止中励磁パターンには、特図停止時における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「ファンファーレ中状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンをファンファーレ中励磁パターンに設定する(ステップB1410)。ファンファーレ中励磁パターンには、ファンファーレ出力中における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「ラウンド中状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンをラウンド中励磁パターンに設定する(ステップB1411)。ラウンド中励磁パターンには、大当りラウンド中における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「エンディング状態」である場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンをエンディング励磁パターンに設定する(ステップB1412)。エンディング励磁パターンには、大当り遊技終了後のエンディング中における各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
<イベント時モータ制御設定処理>
図28を参照して、モータ制御処理におけるイベント時モータ制御設定処理(図26のステップB1304)の詳細について説明する。図28は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するイベント時モータ制御設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、発生したイベントに応じて可動装飾装置70等のモータ制御パターンを設定する(ステップB1501)。
演出ボタン17(図1参照)の操作に基づいてモータ制御フラグがオンとなった場合には、演出制御装置700は、演出ボタンモータ制御フラグをクリアし(ステップB1502)、モータ制御パターンを演出ボタン励磁パターンに設定する(ステップB1503)。演出ボタン励磁パターンには、演出ボタン17の操作に基づいて駆動される各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
セレクトボタン29(図1参照)の操作に基づいてモータ制御フラグがオンとなった場合には、演出制御装置700は、セレクトボタンモータ制御フラグをクリアし(ステップB1504)、モータ制御パターンをセレクトボタン励磁パターンに設定する(ステップB1505)。セレクトボタン励磁パターンには、セレクトボタン29の操作に基づいて駆動される各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
第1始動口スイッチ601又は第2始動口スイッチ602がオンとなった場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンを始動入賞励磁パターンに設定する(ステップB1506)。始動入賞励磁パターンには、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞ユニット100に入賞した時に駆動される各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開く場合には、演出制御装置700は、モータ制御パターンを変動入賞励磁パターンに設定する(ステップB1507)。変動入賞励磁パターンには、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開く時に駆動される各種モータの動作態様に関する情報が含まれている。
<予告演出制御設定処理>
図29を参照して、モータ制御処理における予告演出制御設定処理(図26のステップB1305)の詳細について説明する。図29は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する予告演出制御設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、駆動モータ250(図5参照)を1ステップ駆動して回転体220(図9(A)参照)を所定量回転させる回転体動作処理を実行する(ステップB1601)。演出制御装置700は、回転体220を回転させる回転制御手段を含んでいる。
ステップB1601の処理後、演出制御装置700は、入口用検出スイッチの一つである遊技球検出センサ107がオンになったか否かを判定する(ステップB1602)。
遊技球が第1通路152及び供給通路161(図7(C)参照)を流下し、遊技球検出センサ107がオンになった場合(ステップB1602の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、回転体220の回転位置情報を検出する(ステップB1603)。回転体220の回転位置情報は、駆動モータ250の回転ステップ数に基づいて検出される。
続いて、演出制御装置700は、供給通路161から予告演出装置200に供給された遊技球が回転体220のどの収容孔232に保持されるかを確認する(ステップB1604)。図30に示すように予告演出装置200の回転体220には第1から第5の収容孔232が配列されており、ステップB1604の処理では第1から第5の収容孔232のいずれの収容孔232に遊技球が保持されるかを確認する。この確認は、遊技球検出センサ107がオンになったタイミングと、ステップB1603の処理で検出した回転体220の回転位置情報とに基づいて行われる。
ステップB1604の処理後、演出制御装置700は、供給通路161から供給された遊技球を保持する収容孔232に応じて保持信号を設定する(ステップB1605)。
遊技球が第1の収容孔232に保持される場合には、演出制御装置700は保持信号1をオンに設定する(ステップB1606)。
遊技球が第2の収容孔232に保持される場合には、演出制御装置700は保持信号2をオンに設定する(ステップB1607)。
遊技球が第3の収容孔232に保持される場合には、演出制御装置700は保持信号3をオンに設定する(ステップB1608)。
遊技球が第4の収容孔232に保持される場合には、演出制御装置700は保持信号4をオンに設定する(ステップB1609)。
遊技球が特別収容孔である第5の収容孔232に保持される場合には、演出制御装置700は保持信号5をオンに設定する(ステップB1610)。
演出制御装置700は、ステップB1606〜ステップB1610の処理を実行した後、予告演出制御設定処理を終了する。
ところで、ステップB1602の処理で、遊技球検出センサ107がオンになっていないと判定された場合(ステップB1602の結果が「N」)には、演出制御装置700は、予告演出装置200から遊技球が排出されたことを検出可能な出口用検出スイッチ772がオンになったか否かを判定する(ステップB1611)。
出口用検出スイッチ772がオンになっていない場合(ステップB1611の結果が「N」)には、演出制御装置700は予告演出制御設定処理を終了する。一方、遊技球が予告演出装置200から排出され、出口用検出スイッチ772がオンになった場合(ステップB1611の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、回転体220の回転位置情報を検出する(ステップB1612)。回転体220の回転位置情報は、駆動モータ250の回転ステップ数に基づいて検出される。
続いて、演出制御装置700は、回転体220のどの収容孔232から遊技球が排出されたかを確認する(ステップB1613)。この確認は、出口用検出スイッチ772がオンになったタイミングと、ステップB1612の処理で検出した回転体220の回転位置情報とに基づいて行われる。
ステップB1613の処理後、演出制御装置700は、遊技球を排出した収容孔232に応じて保持信号を設定する(ステップB1614)。
遊技球が第1の収容孔232から排出された場合には、演出制御装置700は保持信号1をオフにクリア設定する(ステップB1615)。
遊技球が第2の収容孔232から排出された場合には、演出制御装置700は保持信号2をオフにクリア設定する(ステップB1616)。
遊技球が第3の収容孔232から排出された場合には、演出制御装置700は保持信号3をオフにクリア設定する(ステップB1617)。
遊技球が第4の収容孔232から排出された場合には、演出制御装置700は保持信号4をオフにクリア設定する(ステップB1618)。
遊技球が特別収容孔である第5の収容孔232から排出された場合には、演出制御装置700は保持信号5をオフにクリア設定する(ステップB1619)。
演出制御装置700は、ステップB1615〜ステップB1619の処理を実行した後、予告演出制御設定処理を終了する。
<装飾制御処理>
図31を参照して、1stCPUメイン処理における装飾制御処理(図23のステップB1016)の詳細について説明する。図31は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する装飾制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まずテストモード装飾処理を実行する(ステップB1701)。テストモード装飾処理は、メンテナンス時等において、可動装飾装置70や予告演出装置200等の各種LEDの発光状態を確認するために実行される処理である。
ステップB1701の処理後、演出制御装置700は、エラー時装飾処理を実行する(ステップB1702)。エラー時装飾処理は、エラー発生時において、可動装飾装置70や予告演出装置200等の各種LEDの発光状態を確認するために実行される処理である。
ステップB1702の処理後、演出制御装置700は、遊技の進行状態に応じて可動装飾装置70等の各種LEDの発光態様を制御する装飾制御設定処理を実行する(ステップB1703)。装飾制御設定処理の詳細については、図32を参照して後述する。
ステップB1703の処理後、演出制御装置700は、所定イベント発生時における可動装飾装置70等の各種LEDの発光態様を制御するイベント時装飾制御設定処理を実行する(ステップB1704)。イベント時装飾制御設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。
ステップB1704の処理後、演出制御装置700は、予告演出装置200のLED242の発光態様等の設定を行う予告演出装飾制御設定処理を実行し(ステップB1705)、装飾制御処理を終了する。予告演出装飾制御設定処理の詳細については、図34を参照して後述する。
<装飾制御設定処理>
図32を参照して、装飾制御処理における装飾制御設定処理(図31のステップB1703)の詳細について説明する。図32は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する装飾制御設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、遊技の進行状態に応じて、可動装飾装置70等の各種LEDの発光態様を規定するための装飾制御パターンを設定する(ステップB1801)。
遊技の進行状態が「電源投入状態」である場合には、演出制御装置700は、LED等の制御を繰り返し実行するようにループ設定し(ステップB1802)、装飾制御パターンを電源投入装飾パターンに設定する(ステップB1803)。電源投入装飾パターンには、電源投入状態における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「停電復旧状態」である場合には、演出制御装置700は、LED等の制御を繰り返し実行するようにループ設定し(ステップB1804)、装飾制御パターンを停電復旧装飾パターンに設定する(ステップB1805)。停電復旧装飾パターンには、停電復旧状態における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「客待ち中状態」である場合には、演出制御装置700は、LED等の制御を繰り返し実行するようにループ設定し(ステップB1806)、装飾制御パターンを客待ちデモ装飾パターンに設定する(ステップB1807)。客待ちデモ装飾パターンには、客待ち中状態における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「変動中状態」である場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンを変動中装飾パターンに設定する(ステップB1808)。変動中装飾パターンには、特図変動中における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「図柄停止中状態」である場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンを図柄停止中装飾パターンに設定する(ステップB1809)。図柄停止中装飾パターンには、特図停止中における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「ファンファーレ中状態」である場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンをファンファーレ中装飾パターンに設定する(ステップB1810)。ファンファーレ中装飾パターンには、ファンファーレ出力中における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「ラウンド中状態」である場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンをラウンド中装飾パターンに設定する(ステップB1811)。ラウンド中装飾パターンには、大当りラウンド中における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
遊技の進行状態が「エンディング状態」である場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンをエンディング装飾パターンに設定する(ステップB1812)。エンディング装飾パターンには、大当り遊技終了後のエンディング中における各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
<イベント時装飾制御設定処理>
図33を参照して、装飾制御処理におけるイベント時装飾制御設定処理(図31のステップB1704)の詳細について説明する。図33は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するイベント時装飾制御設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、発生したイベントに応じて、可動装飾装置70等の各種LEDの発光態様を規定するための装飾制御パターンを設定する(ステップB1901)。
演出ボタン17(図1参照)の操作に基づいて装飾制御フラグがオンとなった場合には、演出制御装置700は、演出ボタン装飾制御フラグをクリアし(ステップB1902)、装飾制御パターンを演出ボタン装飾パターンに設定する(ステップB1903)。演出ボタン装飾パターンには、演出ボタン17の操作に基づいて発光する各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
セレクトボタン29(図1参照)の操作に基づいて装飾制御フラグがオンとなった場合には、演出制御装置700は、セレクトボタン装飾制御フラグをクリアし(ステップB1904)、装飾制御パターンをセレクトボタン装飾パターンに設定する(ステップB1905)。セレクトボタン装飾パターンには、セレクトボタン29の操作に基づいて発光する各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
第1始動口スイッチ601又は第2始動口スイッチ602がオンとなった場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンを始動入賞装飾パターンに設定する(ステップB1906)。始動入賞装飾パターンには、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞ユニット100に入賞した時に発光する各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開く場合には、演出制御装置700は、装飾制御パターンを変動入賞装飾パターンに設定する(ステップB1907)。変動入賞装飾パターンには、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開く時に発光する各種LEDの発光態様に関する情報が含まれている。
<予告演出装飾制御設定処理>
図34を参照して、装飾制御処理における予告演出装飾制御設定処理(図31のステップB1705)の詳細について説明する。図34は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する予告演出装飾制御設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、現在記憶されている第2特図変動表示ゲームの始動記憶の状態(始動記憶数)を取得する(ステップB2001)。
本実施形態の遊技機1では、第2特図変動表示ゲームの始動記憶は最大4つまで記憶され、記憶された順番に始動記憶1〜4となる。これら始動記憶1〜4を記憶された順に消費して、当該始動記憶に対応する第2特図変動表示ゲームが行われる。
演出制御装置700は、ステップB2001で取得した始動記憶状態に基づいて始動記憶1があるか否かを判定する(ステップB2002)。
始動記憶1がある場合(ステップB2002の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、保持信号1又は保持信号5がオンに設定されている否かを判定する(ステップB2003)。
保持信号1又は保持信号5がオンに設定されている場合(ステップB2003の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの遊技結果情報を含む始動記憶1情報を取得する(ステップB2004)。そして、演出制御装置700は、第1の収容孔232の後方に位置するLED242が発光するように設定する(ステップB2005)。
第1の収容孔232の発光設定では、LED242の発光態様は、始動記憶1情報に基づき、特図変動表示ゲームの結果に対する期待度に応じて設定される。例えば、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる確率が0%以上で20%以下である場合には青色発光するように設定され、当該確率が20%より大きく40%以下である場合には黄色発光するように設定され、当該確率が40%より大きく60%以下である場合には緑色発光するように設定され、当該確率が60%より大きく80%以下である場合には赤色発光するように設定され、確率が80%より大きく100%以下である場合には虹色発光するように設定される。
一方、ステップB2002の処理で始動記憶1がないと判定された場合(ステップB2002の結果が「N」)、又はステップB2003の処理で保持信号1及び保持信号5がオフに設定されていると判定された場合(ステップB2003の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第1の収容孔232の後方に位置するLED242を消灯するように設定する(ステップB2006)。
ステップB2005又はステップB2006の処理後、演出制御装置700は、ステップB2001で取得した始動記憶状態に基づいて始動記憶2があるか否かを判定する(ステップB2007)。
始動記憶2がある場合(ステップB2007の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、保持信号2又は保持信号5がオンに設定されている否かを判定する(ステップB2008)。
保持信号2又は保持信号5がオンに設定されている場合(ステップB2008の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの遊技結果情報を含む始動記憶2情報を取得する(ステップB2009)。そして、演出制御装置700は、第2の収容孔232の後方に位置するLED242が発光するように設定する(ステップB2010)。第2の収容孔232の発光設定は、第1の収容孔232の発光設定と同様の方法で行われる。
ステップB2007の処理で始動記憶2がないと判定された場合(ステップB2007の結果が「N」)、又はステップB2008の処理で保持信号2及び保持信号5がオフに設定されていると判定された場合(ステップB2008の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第2の収容孔232の後方に位置するLED242を消灯するように設定する(ステップB2011)。
ステップB2010又はステップB2011の処理後、演出制御装置700は、ステップB2001で取得した始動記憶状態に基づいて始動記憶3があるか否かを判定する(ステップB2012)。
始動記憶3がある場合(ステップB2012の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、保持信号3又は保持信号5がオンに設定されている否かを判定する(ステップB2013)。
保持信号3又は保持信号5がオンに設定されている場合(ステップB2013の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの遊技結果情報を含む始動記憶3情報を取得する(ステップB2014)。そして、演出制御装置700は、第3の収容孔232の後方に位置するLED242が発光するように設定する(ステップB2015)。第3の収容孔232の発光設定は、第1の収容孔232の発光設定と同様の方法で行われる。
ステップB2012の処理で始動記憶3がないと判定された場合(ステップB2012の結果が「N」)、又はステップB2013の処理で保持信号3及び保持信号5がオフに設定されていると判定された場合(ステップB2013の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第3の収容孔232の後方に位置するLED242を消灯するように設定する(ステップB2016)。
ステップB2015又はステップB2016の処理後、演出制御装置700は、ステップB2001で取得した始動記憶状態に基づいて始動記憶4があるか否かを判定する(ステップB2017)。
始動記憶4がある場合(ステップB2017の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、保持信号4又は保持信号5がオンに設定されている否かを判定する(ステップB2018)。
保持信号4又は保持信号5がオンに設定されている場合(ステップB2018の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの遊技結果情報を含む始動記憶4情報を取得する(ステップB2019)。そして、演出制御装置700は、第4の収容孔232の後方に位置するLED242が発光するように設定する(ステップB2020)。第4の収容孔232の発光設定は、第1の収容孔232の発光設定と同様の方法で行われる。
ステップB2017の処理で始動記憶4がないと判定された場合(ステップB2017の結果が「N」)、又はステップB2018の処理で保持信号4及び保持信号5がオフに設定されていると判定された場合(ステップB2018の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第4の収容孔232の後方に位置するLED242を消灯するように設定する(ステップB2021)。
ステップB2020又はステップB2021の処理後、演出制御装置700は、保持信号5がオンに設定されている場合にのみ、特別収容孔である第5の収容孔232の後方に位置するLED242が発光するように設定し(ステップB2022)、予告演出装飾制御設定処理を終了する。
なお、第5の収容孔232(特別収容孔)の発光設定では、LED242の発光態様は、取得した始動記憶情報のうち最も期待度の高いものに対応する発光色で発光するように設定される。
<予告演出装置による予告演出>
図35を参照して、予告演出装置200による予告演出の一例について説明する。図35(A)〜図35(F)は、予告演出装置200の予告演出を例示した図である。
図35(A)及び図35(B)に示すように、第2特図変動表示ゲームの始動記憶が所定数(例えば4つ)記憶されている場合において、特図変動表示ゲームがはずれとなって終了すると、始動記憶が1個消費されて当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始される。この時、図35(A)の始動記憶2〜4は一つずつ順位が下がり始動記憶1〜3となる(図35(B)参照)。
図35(C)及び図35(D)に示すように、特図変動表示ゲーム中に、普図変動表示ゲームが当りとなって第2始動入賞ユニット100の開閉部102が開き、遊技球が受入口101を通って第2始動入賞ユニット100内に流入(入賞)すると、始動記憶が一つ追加される。
開閉部102が開いている場合には、第2始動入賞ユニット100内に流入した遊技球は、第1通路152及び供給通路161に通って(図7(C)参照)、予告演出装置200に導かれる。遊技球が第1通路152及び供給通路161を介して予告演出装置200に導かれることは、供給通路161に設けられた遊技球検出センサ107(図7(C)参照)によって検出される。
図35(E)に示すように、予告演出装置200に供給された遊技球は、図中反時計回りに回転している回転体220の収容孔232に流れ込み保持される。第1〜第5の収容孔232のうち、いずれの収容孔232に遊技球が保持されたかは、遊技球検出センサ107がオンになったタイミングと回転体220の回転位置情報(ステップ数)とに基づいて検出される。
例えば、遊技球が回転体220の第3の収容孔232に保持されると、始動記憶3に対応する特図変動表示ゲームの期待度に応じた発光色でLED242が発光し、第3の収容孔232の発光演出が実行される。この時、変動表示装置35の表示部35aに表示されている始動記憶3の表示態様は、通常表示態様から所定態様に変更される。このような演出(予告演出)により、遊技者は、始動記憶3に対応する特図変動表示ゲームの期待度を、当該特図変動表示ゲームの実行前に認識することが可能となる。
なお、遊技球が第3の収容孔232に保持された場合に、始動記憶3が存在していない時には、予告演出は実行されない。
また、収容孔232の発光演出が実行される場合に、当該収容孔232に対応する始動記憶の表示態様を通常表示態様のままに維持してもよい。回転体220の各収容孔232は見た目では区別できないようになっているため、遊技者は、例えば第3の収容孔232の発光演出が実行されたとしても、いずれの始動記憶に基づく予告演出であるかは特定できないが、現在ある始動記憶のいずれかに対応した特図変動表示ゲームの期待度を認識することはできる。これにより、現在ある始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
図35(F)に示すように、回転体220が回転し、第3の収容孔232に保持されていた遊技球が予告演出装置200から排出されると、第3の収容孔232を照らしていたLED242が消灯し、発光演出が終了する、この時、始動記憶3の表示態様は通常表示態様に戻る。なお、いずれの収容孔232から遊技球が排出されたかは、出口用検出スイッチ772がオンになったタイミングと回転体220の回転位置情報(ステップ数)とに基づいて検出される。
次に、図36(A)〜図36(C)を参照して、予告演出装置200による予告演出の他の例を説明する。図36(A)は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果の期待度を例示した図である。図36(B)は回転体220の第2〜第4の収容孔232に遊技球が保持された場合の予告演出を示し、図36(C)は回転体220の第5の収容孔232(特別収容孔)に遊技球が保持された場合の予告演出を示す。
図36(A)に示すように、第2特図変動表示ゲームの始動記憶が上限四つまで記憶されており、始動記憶1〜4に対応する特図変動表示ゲームの期待度が1%、25%、80%、100%(大当り確定)に設定されている場合を想定する。
このような場合において、図36(B)に示すように、予告演出装置200の回転体220の第2〜第4の収容孔232に遊技球が保持されると、第2〜第4の収容孔232に遊技球が保持されたタイミングで各収容孔232が発光し、当該収容孔232に対応する始動記憶の表示態様が通常表示態様から所定態様に変化する。
始動記憶2に対応する特図変動表示ゲームの期待度は25%であるので、第2の収容孔232は黄色に発光する。始動記憶3に対応する特図変動表示ゲームの期待度は80%であるので、第3の収容孔232は赤色に発光する。始動記憶4に対応する特図変動表示ゲームの期待度は100%であるので、第4の収容孔232は虹色に発光する。予告演出装置200による予告演出は、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの期待度に応じて、収容孔232の発光色が異なるように構成されている。
一方、図36(C)に示すように、予告演出装置200の回転体220の第5の収容孔232(特別収容孔)に遊技球が保持されると、第5の収容孔232に遊技球が保持されたタイミングで第1から第5の収容孔232が順番に発光し、当該収容孔232に対応する始動記憶の表示態様が順次所定態様に変化する。
始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの期待度に応じて、第1の収容孔232は青色に発光し、第2の収容孔232は黄色に発光し、第3の収容孔232は赤色に発光し、第4の収容孔232は虹色に発光する。特別収容孔である第5の収容孔232は、始動記憶1〜4のうち最も期待度の高いものに対応する発光色となるように設定されており、第4の収容孔232と同様、虹色に発光する。このように遊技球が特別収容孔である第5の収容孔232に保持された場合には、現在ある始動記憶のそれぞれに対応する特図変動表示ゲームの結果の予告報知が実行される。
回転体220の収容孔232の発光演出が実行される場合、図37に示すように、各収容孔232と関連付けられている始動記憶の表示態様が変化する。例えば、各収容孔232に対応する始動記憶の表示色が、当該収容孔232の発光色と同じ色になるように設定される。図36(A)の始動記憶4のように特図変動表示ゲームの期待度が高い場合には、始動記憶の表示内に「激熱」等のメッセージが表示される。
なお、特別収容孔である第5の収容孔232に保持された場合には、現在ある全ての始動記憶の表示態様(表示色等)が、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの期待度に応じて変化する。
上記のように構成される遊技機1は、第2始動入賞ユニット100内に入賞した後の遊技球を用いて予告演出装置200による予告演出を実行するように構成したので、始動記憶に基づく予告演出の実行頻度を増やすことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
第2始動入賞ユニット100は、遊技領域31を流下する遊技球を受入口101へとガイド可能な開閉部102を備えるので、遊技球が第2始動入賞ユニット100に入賞しやすく、予告演出の実行頻度をより高めることが可能となる。
また、予告演出装置200は、回転体220の収容孔232に遊技球が保持された場合、各収容孔232に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果の期待度を報知する。これにより、遊技者はできるだけ多くの始動記憶に対する予告演出を実行しようとし、予告演出装置200に対する関心を高めることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されず、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
例えば、遊技機1の第2始動入賞ユニット100に備えられる予告演出装置を、図38〜図40に示すような予告演出装置200としてもよい。
図38(A)及び図38(B)は、変形例による第2始動入賞ユニット100の正面図及び前方斜視図である。図39(A)及び図39(B)は、変形例による第2始動入賞ユニット100の予告演出装置200の分解斜視図である。図40(A)〜図40(C)は、遊技球を保持する回転体220について説明する図である。
図38(A)〜図39(B)に示すように、変形例による予告演出装置200では、本体部230のみがケース部材210に対して回転する回転体220として構成されており、発光部240は本体部230の後方においてケース部材210に固定されている。
変形例による予告演出装置200の回転体220の本体部230は、透光性の円盤状部材であって、前面及び裏面のそれぞれに四つの収容孔232を有している。前面側の収容孔232は本体部230の周方向に等間隔で設けられており、裏面側の収容孔232は本体部230の周方向に等間隔で設けられている。前面側の収容孔232と裏面側の収容孔232とは、周方向に約45°ずらして配置されている。
図40(A)及び図40(B)に示すように、変形例による予告演出装置200では、予告演出装置200に供給される遊技球は、回転体220の回転位置に応じて前面側の収容孔232又は裏面側の収容孔232に保持される。
図40(B)及び図40(C)に示すように、収容孔232は、遊技球の最大外径部分の外周の約3/4程度を取り囲むように形成されている。そのため、遊技球は当該遊技球の一部が切欠部232cを介して前方に飛び出した状態で収容孔232に保持されるが、遊技球が切欠部232cを通って前方に流出することはない。
予告演出装置200は、前面側の収容孔232で遊技球を保持している場合、第1特図に関する始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲームの結果の期待度に応じた予告演出を実行する。遊技球を保持している収容孔232の後方に位置している発光部240のLED242が期待度に応じた色で点灯し、当該収容孔232が所定の発光色で発光する。この時、遊技球を保持している収容孔232に関連付けられている第1特図の始動記憶の表示態様は、通常表示態様から所定態様に変更される。
また、予告演出装置200は、裏面側の収容孔232で遊技球を保持している場合、第2特図に関する始動記憶に基づいて、第2特図変動表示ゲームの結果の期待度に応じた予告演出を実行する。遊技球を保持している収容孔232の後方に位置している発光部240のLED242が期待度に応じた色で点灯し、当該収容孔232が所定の発光色で発光する。この時、遊技球を保持している収容孔232に関連付けられている第2特図の始動記憶の表示態様は、通常表示態様から所定態様に変更される。
上記のように構成される予告演出装置200を備えた遊技機1によれば、予告演出の実行頻度をさらに増やすことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。