<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、窓パネル22が嵌め込まれている。窓パネル22は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部21の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部23が窓部21の上方に設けられている。また、表示ランプ部23の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部24が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部25と下側膨出部26とが上下に並設されている。上側膨出部25内側には上方に開口した上皿25aが設けられており、下側膨出部26内側には同じく上方に開口した下皿26aが設けられている。上皿25aは、裏パックユニットに設けられた払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿26aは、上皿25a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿26aの右方には、発射ハンドル27が設けられている。発射ハンドル27が操作されることにより、内枠において遊技領域の下方に設けられた遊技球発射機構から遊技領域に向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル27の回転操作量を変更することで、遊技領域に向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域は、内枠に搭載された遊技盤31に形成されている。以下、遊技盤31の構成を図2に基づいて説明する。図2は遊技盤31の正面図である。
遊技盤31の表面には、内レール部32と外レール部33とが取り付けられており、これら内レール部32及び外レール部33によって区画されるようにして遊技領域が形成されている。また、これら内レール部32及び外レール部33により遊技領域への遊技球の誘導レール34が構成され、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことにより遊技球発射機構から発射された遊技球は上記誘導レール34によって遊技領域の上部に案内される。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部において遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル27の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側の側部に設けられている。
遊技盤31において遊技領域として区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口35,第1可変入賞装置36,第2可変入賞装置37,上作動口(第1始動入球部)38,下作動口(第2始動入球部)39,スルーゲート41、可変表示ユニット42、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口35、第1可変入賞装置36、第2可変入賞装置37、上作動口38及び下作動口39への入球が発生すると、それが遊技盤31の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口38への入球が発生した場合及び下作動口39への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口35への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、第1可変入賞装置36への入球が発生した場合及び第2可変入賞装置37への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口38に係る賞球個数よりも下作動口39に係る賞球個数が多いといったように、両作動口38,39の賞球個数が相違していてもよい。また、例えば第1可変入賞装置36に係る賞球個数よりも第2可変入賞装置37に係る賞球個数が多い、又は第2可変入賞装置37に係る賞球個数よりも第1可変入賞装置36に係る賞球個数が多いといったように、両可変入賞装置36,37の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤31の最下部にはアウト口45が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口45を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤31には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘46が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口45への遊技球の入球と明確に区別するために、第1可変入賞装置36、第2可変入賞装置37、上作動口38、下作動口39又はスルーゲート41への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口38及び下作動口39は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤31に設置されている。上作動口38及び下作動口39は共に上向きに開放されている。また、上作動口38が上方となるようにして両作動口38,39は鉛直方向に並んでいる。下作動口39には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物39aが設けられている。
電動役物39aは遊技盤31の背面側に搭載された電動役物駆動部39bに連結されており、当該電動役物駆動部39bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物39aの閉鎖状態では遊技球が下作動口39に入賞できず、電動役物39aが開放状態となることで下作動口39への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口39への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物39aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物39aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口39自身の変位により行われる構成としてもよい。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材47に設けられている。装飾部材47は、遊技盤31の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材47の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル22と対向しており、さらに窓パネル22との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材47の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材47の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、各作動口38,39への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、各作動口38,39への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート41への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口39に設けられた電動役物39aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット42には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置51が設けられている。また、可変表示ユニット42には、図柄表示装置51を囲むようにしてセンターフレーム52が配設されている。このセンターフレーム52は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置51の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面Gの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置51では、上作動口38又は下作動口39への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置51において変動表示が行われる。
図柄表示装置51の表示内容について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3は図柄表示装置51にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図4は図柄表示装置51の表示画面Gを示す図である。
図3(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図4(a)に示すように、図柄表示装置51の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図4(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口38又は下作動口39への入賞に基づいて表示画面Gにおいて演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で演出が終了される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置51における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、遊技者にとって有利な状況になる場合に図柄表示装置51に表示される最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置51における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された大当たり図柄の組み合わせが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置51の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。
また、図柄表示装置51における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置51にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム52の上部には、役物用表示部44に対応した保留ランプ部55が設けられている。遊技球がスルーゲート41を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部55の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ部55が図柄表示装置51の一部で表示される構成等であってもよい。
両入賞装置36,37のうち先ず第2可変入賞装置37の構成について説明する。
第2可変入賞装置37は、回転体ユニット71を収容するとともに、当該回転体ユニット71に向けた遊技球の流入を許容する内部空間が形成されたベース体61を備えており、当該ベース体61に形成されたフランジが遊技盤31に前面側からネジ止め固定されている。
ベース体61には、回転体ユニット71への遊技球の導入を可能とする第2大入賞口62が形成されており、第2大入賞口62に入賞した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用検知センサ63が設けられている。カウント用検知センサ63は第2大入賞口62の下流側に設けられており、当該カウント用検知センサ63にて遊技球が検知されたことに基づき、第2可変入賞装置37への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。
当該第2大入賞口62に対しては一対の開閉片64が設けられている。開閉片64はソレノイドなどの第2可変入賞駆動部65に連結されており、当該第2可変入賞駆動部65が後述する主制御装置により駆動制御されることで、第2大入賞口62からの遊技球の流入を不可とする閉鎖位置と遊技球の流入を可能とする開放位置とのそれぞれに配置可能となっている。なお、開閉片64が開放位置に配置されている状態を第2可変入賞装置37の開放状態とも言い、開閉片64が閉鎖位置に配置されている状態を第2可変入賞装置37の閉鎖状態とも言う。
第2大入賞口62から流入した遊技球は回転体ユニット71に導かれることとなるが、ベース体61にはその流入した遊技球が回転体ユニット71に導かれる様子や回転体ユニット71に到達した遊技球の様子をパチンコ機10前方から視認可能とする窓部66が形成されている。つまり、第2可変入賞装置37内に流入した遊技球は、第2可変入賞装置37内に形成された転動領域又は回転体ユニット71への誘導通路を流下することとなるが、当該流下態様をパチンコ機10前方から視認可能となっている。
回転体ユニット71について説明する。図5は、回転体ユニット71の分解斜視図である。
回転体ユニット71は、誘導通路形成部材72と排出通路形成部材73とを備えている。誘導通路形成部材72には、その略中央に下方に凹んだ凹部74が形成されている。凹部74は、平面視で円形状をしている。そして、凹部74の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路75が形成されている。誘導通路75は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。
誘導通路75の奥側中央は、第2大入賞口62から流入した遊技球が導出される位置となっており、当該遊技球は誘導通路75の奥側中央に到達する。この到達した遊技球は誘導通路75の左右いずれかの傾斜部を流下して誘導通路75の手前側に誘導され、この誘導された遊技球は凹部74側へ導かれる。
凹部74には、その底面にV入賞用通過部81が形成されている。V入賞用通過部81は、排出通路形成部材73に形成されたV入賞通路82に通じており、V入賞用通過部81を通過した遊技球はV入賞通路82を通じて第2可変入賞装置37の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路82にはV入賞用検知センサ83が設けられており、V入賞通路82を通過する遊技球はV入賞用検知センサ83により検知される。
なお、この検知結果は主制御装置に入力される。また、V入賞用検知センサ83としては、磁気検知センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
また、凹部74の側面には排出用通過部84が形成されている。排出用通過部84は、排出通路形成部材73に形成された排出通路85に通じており、排出用通過部84を通過した遊技球は排出通路85を通じて第2可変入賞装置37の外部へ排出される。この場合に、排出通路85には排出用検知センサ86が設けられており、排出通路85を通過する遊技球は排出用検知センサ86により検知される。排出用検知センサ86及びV入賞用検知センサ83からの検知結果に基づき、第2可変入賞装置37内に遊技球が残存しているか否かが判定される。
なお、この検知結果は主制御装置に入力される。また、排出用検知センサ86としては、磁気検知センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
排出通路形成部材73には下側からモータ91が取り付けられており、当該モータ91の上下方向に延びる出力軸92は、排出通路形成部材73及び誘導通路形成部材72を貫通している。そして、出力軸92には回転体93が固定されている。なお、モータ91は主制御装置と電気的に接続されており、当該主制御装置により駆動制御される。
回転体93は、誘導通路形成部材72の凹部74よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部74内に配置されている。そして、回転体93はモータ91の駆動に伴って回転する。回転体93の外周には内側に凹んだ10個の球案内部94が形成されており、これら球案内部94は等間隔で並んでいる。このうち、5個の球案内部94は無底のV入賞案内部94aとなっており、5個の球案内部94は有底の排出案内部94bとなっている。
各球案内部94は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路75の手前側から導出される遊技球はいずれかの球案内部94に入る。この場合に、V入賞案内部94aに入った遊技球は回転体93の回転に伴ってV入賞用通過部81の上部に到達し、V入賞通路82内に落下する。一方、排出案内部94bに入った遊技球は回転体93の回転に伴って排出用通過部84の横方に到達し、排出通路85内に入る。なお、以降の説明において、第2可変入賞装置37に入賞した遊技球がV入賞通路82内に落下することを、他の入賞と区別するためにV入賞するとも言い、遊技球が排出通路85に入ることを単に遊技球がV入賞しなかった又は遊技球が排出されたとも言う。
以上説明した第2可変入賞装置37内に入った遊技球は、誘導通路75を転がることで回転体93のいずれかの球案内部94に導出される。この場合に、V入賞案内部94aに入った遊技球は最終的にV入賞用検知センサ83により検知され、排出案内部94bに入った遊技球は最終的に排出用検知センサ86により検知される。V入賞用検知センサ83により遊技球が検知された場合、又は所定の条件が成立している状況において排出用検知センサ86により遊技球が検知された場合には、後述する開閉実行モードにおいて次のラウンド遊技が継続される。ちなみに、第2大入賞口62に入賞した遊技球は、V入賞案内部94a及び排出案内部94bのいずれかに必ず導かれる。すなわち、第2大入賞口62に遊技球が入賞した場合、当該遊技球を用いてV入賞するか否かを判定するV入賞振分判定が自ずと行われるようになっている。
各案内部94a,94bに対応させて、回転体93には発光ランプ95が複数設けられている。発光ランプ95は、各案内部94a,94bに1対1に対応させて環状に配列されている。発光ランプ95は複数種類(具体的には2種類)の色を発光可能に形成されている。具体的には、発光ランプ95には青色LEDと赤色LEDとが搭載されており、通電させるLEDを切り換える切換回路が搭載されている。V入賞案内部94aに対応した発光ランプ95は赤色発光するように設定されている一方、排出案内部94bに対応した発光ランプ95は青色発光するように設定されている。
なお、回転体93における複数の球案内部94は、その半分がV入賞案内部94aであり、残りの半分が排出案内部94bである。また、回転体93は一定の速度で回転する。したがって、第2可変入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合に、その遊技球がV入賞用検知センサ83により検知される確率は1/2となっている。但し、これに限定されることはなく、当該確率が1/2よりも低くてもよく、高くてもよい。
次に、第1可変入賞装置36について図6を用いて説明する。図6(a),(b)は第1可変入賞装置36の縦断面図である。
第1可変入賞装置36は、遊技球が通過可能な大きさの第1大入賞口(又は特別入賞口)101が形成されているとともに、当該第1大入賞口101を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える開閉部材102を備えている。開閉部材102は第1可変入賞駆動部103により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。
また、第1可変入賞装置36には、第1大入賞口101を介して第1可変入賞装置36内に入球した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部104が形成されており、さらに当該入賞用通過部104の位置に検知領域が存在するようにしてカウント用検知センサ105が設けられている。カウント用検知センサ105は第1大入賞口101の下流側に設けられており、当該カウント用検知センサ105によって、第1可変入賞装置36に入賞した遊技球が個別に検知される。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
内枠の背面側には、主制御装置110と、音声発光制御装置140と、表示制御装置150とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置121を含む払出機構部と、払出制御装置120と、電源及び発射制御装置130とが搭載されている。
主制御装置110は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111と、電源を監視する停電監視基板115と、を具備している。なお、主制御装置110において主制御基板111などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置110以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置110に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置120が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置130が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、第1可変入賞装置36に設けられたカウント用検知センサ105と、第2可変入賞装置37に設けられたカウント用検知センサ63、V入賞用検知センサ83及び排出用検知センサ86と、その他入賞検知センサ116a〜116dとが含まれている。また、その他入賞検知センサ116a〜116dには、一般入賞口35、上作動口38、下作動口39及びスルーゲート41といった入賞対応入球部に対して1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれている。MPU112では、これら各種検知センサ63,83,86,105,116a〜116dの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU112では、上作動口38又は下作動口39への入賞に基づいて、各種抽選が実行される。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置120及び音声発光制御装置140が接続されている。払出制御装置120には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
音声発光制御装置140には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、音声発光制御装置140は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置110と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には第1可変入賞駆動部103と、第2可変入賞駆動部65と、下作動口39の電動役物39aを開閉動作させる電動役物駆動部39bと、メイン表示部43と、役物用表示部44とが接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。
ここで、開閉実行モードにおいては第1大入賞口101や第2大入賞口62が開閉されるように、MPU112にて第1可変入賞駆動部103や第2可変入賞駆動部65の駆動制御が実行される。また、電動役物39aの開放状態当選となった場合には、電動役物39aが開閉されるように、MPU112にて電動役物駆動部39bの駆動制御が実行される。また、各対応結果抽選が行われた場合には、MPU112においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物39aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置130とを中継し、また電源及び発射制御装置130から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置120は、主制御装置110から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置121により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置130は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置120等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置130にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置110のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置130は遊技球発射機構131の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構131は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構131は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置130から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
音声発光制御装置140は、MPU142が搭載された音声発光制御基板141を備えている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU142では、主制御装置110から受信したコマンドに基づき、各種ランプ部23,55やスピーカ部24を駆動制御する。また、これらコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置150に送信する。ちなみに、音声発光制御装置140は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置150と電気的に接続されている。
表示制御装置150は、プログラムROM153及びワークRAM154が複合的にチップ化された素子であるMPU152と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)155と、キャラクタROM156と、ビデオRAM157とがそれぞれ搭載された表示制御基板151を備えている。
MPU152は、音声発光制御装置140から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP155の制御(具体的にはVDP155に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM154は、MPU152による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP155は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP155はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP155は、MPU152、ビデオRAM157等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM157に記憶させる画像データを、キャラクタROM156から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM156は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM156には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM157は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM157の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
<主制御装置110のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置110のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図8を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モードの終了後のサポート種別を判定する際に使用するサポート種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、を用いることとしている。さらに、下作動口39の電動役物39aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C2,CINI,C4は、RAM114の各種カウンタエリア114bに設けられている。
各カウンタC1〜C2,CINI,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短期間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファにおいて、大当たり乱数カウンタC1及びサポート種別カウンタC2に対応した各数値情報は、上作動口38又は下作動口39への入賞が発生した場合に、RAM114に取得情報記憶手段として設けられたカウンタ情報格納エリア114aに格納される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物39aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
ここで、本パチンコ機10では、電動役物39aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口39の電動役物39aが単位期間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物39aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放期間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は、1回の開放期間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保期間(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続期間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口39よりも上作動口38への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口38よりも下作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口39への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位期間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間(例えば、スルーゲート41への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の期間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保期間が選択され易い又は平均の確保期間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放期間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間を短くする、係る確保期間の平均期間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口38又は下作動口39に入賞したタイミングでRAM114のカウンタ情報格納エリア114aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルの内容について図9(a)を用いて説明する。
図9(a)に示すように、当否テーブルには、当否結果として非分岐対応結果及び分岐対応結果が設定されている。各対応結果は、各可変入賞装置36,37が予め定められた態様で開閉されるラウンド遊技が複数回行われる開閉実行モードへ遊技状態を移行させるものである。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた上限継続期間が経過すること、(2)第1大入賞口101及び第2大入賞口62への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ちなみに、本実施形態においては、1回のラウンド遊技において第1大入賞口101又は第2大入賞口62の開閉が1回行われる。
各対応結果においてラウンド遊技が行われる回数は予め定められており、具体的には16回に設定されている。この場合、非分岐対応結果は、開閉実行モードにおいて複数回のラウンド遊技が無条件に継続されるように設定されている一方、分岐対応結果は、開閉実行モード中において予め定められた継続条件が成立した場合にラウンド遊技が継続するように設定されている。当該継続条件は、(A)第2大入賞口62(第2可変入賞装置37)に遊技球が入球(入賞)し、且つ(B)入球した遊技球がV入賞することである。なお、以降の説明において16回行われるラウンド遊技のうち何回目のラウンド遊技であるかを区別するために各ラウンド遊技を単に1R目のラウンド遊技、2R目のラウンド遊技、…、16R目のラウンド遊技と言い、さらに(A)の条件を前提条件ともいう。
なお、本パチンコ機10においては、外れ結果が設定されていない構成となっているが、これに限られず、外れ結果を設定する構成としてもよい。この場合、外れ結果として、開閉実行モードへの移行契機となる特別外れ結果と開閉実行モードへの移行契機とならない通常外れ結果とを設定してもよい。
次に、サポート種別カウンタC2について説明する。サポート種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。サポート種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口38又は下作動口39に入賞したタイミングでRAM114のカウンタ情報格納エリア114aに格納される。
サポート種別カウンタC2に対する開閉実行モードの終了後における遊技状態の振分先は、ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図9(b)を用いて説明する。
図9(b)に示すように、開閉実行モードの終了後における遊技状態の振分先として、サポートなし当選結果及びサポート付当選結果が設定されている。上記各当選結果は、開閉実行モード終了後の下作動口39の電動役物39aにおけるサポートモードに差異が生じている。詳細には、サポートなし当選結果は、開閉実行モード後にサポートモードが低頻度サポートモードとなる当選結果である。
一方、サポート付当選結果は、開閉実行モード後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる当選結果である。当該高頻度サポートモードは、少なくともV入賞するまで又は非分岐対応結果に当選するまで維持される。なお、維持される条件としてはこれに限られず、移行後において第2大入賞口62の開放回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達するまでとしてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」がサポートなし当選結果に対応しており、「10〜29」がサポート付当選結果に対応している。
<主制御装置110にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置110内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ63,83,86,105,116a〜116dの状態を読み込み、これら各種検知センサ63,83,86,105,116a〜116dの状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ63,105,116a〜116dにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置120に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、カウント用検知センサ105によって第1可変入賞装置36への入賞が検知されている場合やカウント用検知センサ63によって第2可変入賞装置37への入賞が検知されている場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート41への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート41への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、音声発光制御装置140に対して、役物保留記憶数と対応する保留ランプ部55を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、作動口38,39のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定し、入賞していると判定する場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1の数値情報及びサポート種別カウンタC2の数値情報を取得し、当該数値情報をカウンタ情報格納エリア114aに記憶させる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図11のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余期間でステップS207,S208のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置120に送信する。また、開閉実行モードの演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを音声発光制御装置140に送信する。
続くステップS202では、遊技を進行させるための遊技制御処理を実行する。遊技制御処理では、カウンタ情報格納エリア114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1の数値情報に基づいて当否判定を行うとともに、上記当否判定の結果が非分岐対応結果である場合には振分判定を行う。
詳細には、当否テーブルを参照することで、カウンタ情報格納エリア114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1の数値情報が非分岐対応結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。非分岐対応結果であると判定する場合には、振分テーブルを参照することで、カウンタ情報格納エリア114aに格納されているサポート種別カウンタC2の数値情報がどちらの当選結果に対応しているかを特定する。そして、特定した対応結果の種類に応じたフラグをRAM114にセットする。これにより、主制御装置110において今回の大当たり乱数カウンタC1の数値情報に基づく対応結果を特定することができる。なお、上記フラグは開閉実行モードが終了する場合にクリアされるように設定されている。
さらに、遊技制御処理では、上記特定された対応結果に基づいてメイン表示部43において最終的に停止表示させる絵柄の表示態様を決定する処理を実行する。具体的には、ROM113には、対応結果の種類に応じて異なる絵柄の表示態様が設定された停止結果テーブルが記憶されている。当該停止結果テーブルには、非分岐対応結果である場合にはメイン表示部43の表示態様として第1停止結果が設定されており、分岐対応結果である場合にはメイン表示部43の表示態様として上記第1停止結果と異なる第2停止結果が設定されている。本遊技制御処理では、停止結果テーブルを参照することで、今回の大当たり乱数カウンタC1の数値情報に基づく対応結果に対応した停止結果を特定する。そして、メイン表示部43を予め定められた期間(具体的には0.1sec)に亘って変動表示させる。
ちなみに、第1停止結果には、サポート付当選結果に対応したサポート付停止結果と、サポートなし当選結果に対応したサポートなし停止結果と、が設定されている。第1停止結果を表示することを特定した場合には、サポート種別カウンタC2及び振分テーブルを参照することでどちらの停止結果を表示させるかを特定し、特定した停止結果を表示する。
なお、メイン表示部43の変動表示期間はこれに限られず、任意であり、また変動させる構成としてもよい。但し、各作動口38,39への遊技球の入球と第2大入賞口62の開放との関連付けを好適に行うことを鑑みれば、メイン表示部43の変動表示期間を短く設定する方が好ましい。
また、メイン表示部43の変動表示を行わない構成としてもよい。この場合、各作動口38,39への入賞とほぼ同時にメイン表示部43の停止結果が表示されることとなる。
ここで、メイン表示部43にて停止表示される絵柄の態様は、対応結果毎に異なっているため、遊技ホールの管理者などはメイン表示部43を目視することで、当該対応結果を目視確認することができ、例えば非分岐対応結果と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことが可能となる。その一方、メイン表示部43は図柄表示装置51の表示画面Gに比べて表示範囲が狭く、さらにはメイン表示部43に停止表示される絵柄の態様は遊技者が認識しづらいものとなっている。したがって、遊技者は対応結果をメイン表示部43からではなく図柄表示装置51の表示画面Gから確認することが期待され、表示画面Gへの注目度が高められる。
その後、ステップS203では、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高頻度サポートモードに移行する。
続くステップS204では、下作動口39に設けられた電動役物39aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物39aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物39aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物39aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM114に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM114に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物39aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放期間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間が、1回の開放期間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM114に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS205では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、発射ハンドル27に対して発射操作が行われていることに基づき電源及び発射制御装置130から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構131に設けられたソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。この場合、発射ハンドル27の回転操作量に応じた発射強度で遊技球が発射されるようにソレノイドが駆動制御される。
続くステップS206では、RAM114に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板115において停電の発生が確認され当該停電監視基板115からMPU112のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS207にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定期間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余期間内において、乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
一方、ステップ206にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS209以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS209では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS210にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS211にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS203の遊技状態移行処理を図12のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS301では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114bに設けられた開閉実行モードフラグがセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。開閉実行モードフラグはMPU112において遊技状態が開閉実行モードに移行したことを特定するためのフラグである。
開閉実行モード中ではない場合にはステップS302に進み、メイン表示部43の変動表示が終了したか否かを判定する。メイン表示部43の変動表示が終了していない場合にはそのまま遊技状態移行処理を終了する一方、メイン表示部43の変動表示が終了している場合にはステップS303に進む。なお、メイン表示部43において変動表示を行なわない構成の場合には、今回の通常処理の処理回の遊技制御処理において作動口38,39の入賞に基づく当否判定の処理が実行されたか否かを判定する。
ステップS303では、開閉実行モードフラグをセットする。これにより、MPU112において遊技状態が開閉実行モードに移行していることを特定することができる。
続くステップS304では、RAM114の各種カウンタエリア114bに設けられたラウンドカウンタRCに「16」をセットする。ラウンドカウンタRCは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数をMPU112にて特定するためのカウンタであり、ラウンド遊技が行われる毎に1減算されるように設定されている。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、RAM114の各種カウンタエリア114bに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機期間として「100」をセットする。タイマカウンタTにセットされた数値情報は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に1減算されるように更新される。したがって、オープニング用の待機期間は0.2secとなっている。但し、当該待機期間は任意である。
また、開閉実行モードに移行した場合にはその契機となった対応結果の種類がいずれであっても、ステップS305にてオープニング用の待機期間がセットされる。したがって、契機となった対応結果の種類がいずれであっても開閉実行モードのオープニング用の待機期間は同一となっている。但し、これに限定されることはなく、オープニング用の待機期間が微妙に相違しているものの、遊技者には同様と認識される程度である構成としてもよい。
ステップS305の処理を実行した後は、ステップS306にて、オープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ここで設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、音声発光制御装置140に送信される。当該オープニングコマンドを受信したことによる音声発光制御装置140における処理については、後に説明する。
一方、ステップS301にて、開閉実行モード中であると判定した場合にはステップS307に進む。ステップS307では、大入賞口開閉処理を実行する。当該大入賞口開閉処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS401にて、第1大入賞口101又は第2大入賞口62のいずれかが開放中であるか否かを判定する。いずれの大入賞口62,101も開放中ではない場合には、ステップS402にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、ラウンドカウンタRCの値が「15」であるか否かを判定する。ここで、先の遊技状態移行処理(図12)のステップS304にてラウンドカウンタRCは「16」に初期設定されているため、当該判定処理を否定判定し、ステップS404に進む。
ステップS404では、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS405にて大入賞口開放処理を実行する。
当該大入賞口開放処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS501では、RAM114の各種カウンタエリア114bに設けられた入賞カウンタPCに、ラウンド遊技の一の終了条件である上限個数として「8」をセットする。
その後、ステップS502にて、現状設定されているラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCはラウンド遊技が行われる毎に1ずつ減算されるように設定されているため、ラウンドカウンタRCの値が「16」であることは1R目であることを意味する。つまり、ステップS502では、今回の開放に係るラウンド遊技が1R目であるか否かを判定しているとも言える。
1R目である場合(ステップS502:YES)には、ステップS503にてタイマカウンタTに「100」をセットする。既に説明したとおり当該タイマカウンタTは、タイマ割込み処理(図10)が2msec周期で起動される度に1減算されるように更新されるため、ステップS503では、上限開放期間として0.2secが設定されたことを意味する。
続くステップS504では、第2大入賞口62の開放処理を実行する。当該開放処理では、第2大入賞口62が開放状態となるように第2可変入賞駆動部65を駆動制御する。その後、本大入賞口開放処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタRCが「16」でない場合(ステップS502:NO)、すなわち今回の開放に係るラウンド遊技が2R目以降である場合には、ステップS505に進み、タイマカウンタTに「15000」をセットする。既に説明したとおり当該タイマカウンタTは、タイマ割込み処理(図10)が2msec周期で起動される度に1減算されるように更新されるため、ステップS505では、上限開放期間として30secが設定されたことを意味する。
続くステップS506では、第1大入賞口101の開放処理を実行する。当該開放処理では、第1大入賞口101が開放状態となるように第1可変入賞駆動部103を駆動制御する。その後、本大入賞口開放処理を終了する。
つまり、本パチンコ機10では、開閉実行モードにおいて各大入賞口62,101の開閉が予め定められた特定回数(ラウンド遊技が行われる回数)に亘って行われる。この場合、各Rの開放では、第1可変入賞装置36の第1大入賞口101又は第2可変入賞装置37の第2大入賞口62のいずれかが開放対象となる。詳細には、1R目のみ第2大入賞口62が開放対象となり、2R目以降では第1大入賞口101が開放対象となる。
また、第1大入賞口101の1回の開放態様と第2大入賞口62の1回の開放態様とで、大入賞口62,101が開放されてから閉鎖されるまでの上限開放期間(上限開放時間)が異なっている。詳細には、上限開放期間が長期間である30secに設定された長期間態様と、上限開放期間が上記長期間よりも短い短期間である0.2secに設定された短期間態様と、が設定されており、第1大入賞口101の開放態様は長期間態様に設定されており、第2大入賞口62の開放態様は短期間態様に設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、発射ハンドル27が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構131が駆動制御される。また、ラウンド遊技は、終了条件の上限個数が8個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長期間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い期間の上限開放期間が設定されていることとなる。したがって、長期間態様で第1可変入賞装置36の1回の開放が行われた場合には、その開放対象となった大入賞口62,101に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。
一方、短期間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い期間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い期間の上限開放期間が設定されている。したがって、短期間態様で第1可変入賞装置36又は第2可変入賞装置37の1回の開放が行われた場合には、その開放対象となった大入賞口62,101への入賞確率を低く抑えることが可能となる。ちなみに、短期間態様で開放されている大入賞口62,101への遊技球の入賞が発生する場合とは、短期間態様による開放の対象となっている大入賞口62,101周辺に遊技球が到達するように発射操作が行われている状況で、当該短期間態様による開放が開始される場合であり、入賞が発生するとしても遊技球1個又は2個程度である。すなわち、短期間態様は、大入賞口62,101への遊技球の入球個数が上限個数よりも少なくなるように設定された態様であるとも言える。
大入賞口開閉処理(図13)の説明に戻り、ステップS405にて大入賞口開放処理を実行した後は、ステップS406にて開放コマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。ステップS406にて設定された開放コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて音声発光制御装置140に送信され、音声発光制御装置140においていずれかの大入賞口62,101の開放が開始されたことが認識される。
一方、ステップS401にて、第1大入賞口101又は第2大入賞口62のいずれかが開放中であると判定した場合には、ステップS407に進む。ステップS407では、タイマカウンタTが「0」であるか否かを判定することにより、現状の大入賞口62,101の開放について上限開放期間が経過したか否かを判定する。タイマカウンタTが「0」ではない場合には、ステップS408に進む。
ステップS408では、第1大入賞口101又は第2大入賞口62のうち現状開放されている側に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定は、第1大入賞口101についてはカウント用検知センサ105の検知結果に基づき行われ、第2大入賞口62についてはカウント用検知センサ63の検知結果に基づき行われる。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS409にて、1減算されるように入賞カウンタPCの数値情報を更新するとともに、RAM114の各種カウンタエリア114bに設けられたカウントカウンタCCの数値情報を1加算する処理を実行する。カウントカウンタCCは第2可変入賞装置37内に遊技球が残存しているか否かを特定するために用いられるカウンタである。
その後、ステップS410では、今回のラウンド遊技が1R目であるか否かを判定する。具体的には、ラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。
ステップS410を肯定判定した場合、第2大入賞口62に遊技球が入球したことを意味する。すなわち、分岐対応結果における継続条件のうち(A)の条件(前提条件)を満たしたことを意味する。この場合、ステップS411にて、カウントカウンタCCが「1」であるか否かを判定する。
カウントカウンタCCの値が「1」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する一方、カウントカウンタCCの値が「1」である場合には、ステップS412に進み、今回の対応結果が非分岐対応結果であるか否かを判定する。非分岐対応結果でない場合には、ステップS413にて前提条件成立コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。ここで設定された前提条件成立コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて音声発光制御装置140に送信される。当該前提条件成立コマンドを受信したことによる音声発光制御装置140における処理については、後に説明する。
一方、今回の対応結果が非分岐対応結果である場合には、ステップ412を肯定判定し、ステップS414に進む。ステップS414では、第2大入賞口62に入球した遊技球が球案内部94にて振り分けられる前に非分岐対応結果であることを報知する事前報知を行うか否かの抽選処理を実行する。
ここで、事前報知とは、対応結果が非分岐対応結果である状況において第2大入賞口62に遊技球が入球したことに基づいて実行され得るものである。事前報知は、第2大入賞口62に対して遊技球が入球したタイミングで、今回の対応結果が非分岐対応結果であることを報知する演出である。
当該抽選処理について、具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114bには、予め定められた数値範囲内で順次更新される抽選カウンタが設けられており、当該抽選処理では、その時点における抽選カウンタの値を取得する。そして、取得された抽選カウンタの値が予め定められた当選値に対応しているか否かを判定し、対応している場合には事前報知に当選したと判定する。なお、抽選処理の具体的な構成についてはこれに限られず、例えば専用のカウンタ回路をMPU112内に設ける構成としてもよいし、当否判定に用いられた大当たり乱数カウンタC1の値を参照する構成としてもよい。
続くステップS415では、上記抽選処理において事前報知に当選したか否かを判定する。事前報知に当選しなかった場合にはステップS413に進む一方、事前報知に当選した場合にはステップS416にて事前報知フラグに「1」をセットする。事前報知フラグは、事前報知が行うことをMPU112にて特定するためのフラグである。
その後、ステップS417にて事前報知コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。ここで設定された事前報知コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて音声発光制御装置140に送信される。当該事前報知コマンドを受信したことにより音声発光制御装置140における処理については、後に説明する。
今回の開放が2R目以降のものである場合、すなわちラウンドカウンタの値が「16」でない場合(ステップS410:NO)、ステップS418に進み、入賞カウンタPCが「0」であるか否かを判定する処理を実行する。入賞カウンタPCが「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する一方、入賞カウンタPCが「0」である場合には、ステップS419にて、閉鎖処理を実行する。閉鎖処理では、各大入賞口62,101のうち現状開放されている大入賞口が閉鎖状態となるように、対応する可変入賞駆動部65,103の駆動制御を終了する。
続くステップS420では、閉鎖コマンドを設定する。ここで設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて音声発光制御装置140に送信され、音声発光制御装置140において大入賞口62,101が閉鎖されたことが認識される。
続くステップS421では、1減算されるようにラウンドカウンタRCの数値情報を更新し、その後ステップS422にて、ラウンドカウンタRCが「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「0」でない場合には、ステップS423にて、タイマカウンタTに「500」をセットした後に、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS423にてセットされた数値情報は、第1大入賞口101又は第2大入賞口62のいずれかが開放状態から閉鎖状態となり、それに続けていずれかの大入賞口62,101が再度開放状態となるまでの開放待機期間用の数値情報であり、本パチンコ機10では1secがセットされる。すなわち、各ラウンド遊技間には、各大入賞口62,101が閉鎖状態となっているインターバル期間が設けられている。当該インターバル期間が設けられていることによって、各ラウンド遊技における遊技球の入球個数の誤検知に基づく遊技者への不利益が回避されている。
すなわち、各大入賞口62,101の下流側にカウント用検知センサ63,105が設けられているため、各大入賞口62,101に対して遊技球が入球するタイミングと当該遊技球がカウント用検知センサ63,105によって検知されるタイミングとの間には遅延期間が生じる。このため、仮にインターバル期間が設けられていない場合、当該遅延期間によって所定のラウンド遊技中に入球した遊技球が当該ラウンド遊技に対して次のラウンド遊技にて入球したものと誤認されるおそれがある。すると、遊技者に対して不利益を与える不都合が生じ得る。
これに対して、本パチンコ機10においては、ラウンド遊技間にインターバル期間が設けられているため、インターバル期間中に上記遅延に係る遊技球のカウントを行うことができる。これにより、上記不都合を回避することができる。
また、インターバル期間が設けられているため、当該インターバル期間が設けられていない構成と比較して、必要以上に遊技者に対して利益を付与することを抑制することができる。
ラウンドカウンタRCが「0」である場合には、ステップS424に進み、タイマカウンタTにエンディング用の待機期間として「2000」をセットする。つまり、本パチンコ機10では、エンディング用の待機期間は4secとなっている。但し、当該待機期間は任意である。
そして、ステップS425にてエンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。ステップS425にて設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、音声発光制御装置140に送信され、音声発光制御装置140において開閉実行モードが終了されることが認識される。
つまり、各大入賞口62,101が開放されている状況において当該開放されている大入賞口に8個の遊技球が入球された場合にはラウンド遊技を終了し、その後の開放期間に関わらず当該大入賞口を閉鎖される。そして、16R目のラウンド遊技が終了した場合にはエンディングを行うように設定されている。
ここで、既に説明したとおり、1R目における第2大入賞口62の開放期間は0.2secであり、当該期間中に入賞し得る遊技球数は1又は2個程度であるため、1R目において第2大入賞口62に入賞する遊技球がラウンド遊技の上限個数である8個に到達することがない。すなわち、1R目のラウンド遊技の終了条件は実質的に上限継続期間のみである。このため、1R目における遊技球の入賞に係る処理(ステップS411〜ステップS417)においてラウンド遊技の終了条件の1つである上限個数の入賞があったか否かの判定をする必要がない。よって、1R目における遊技球の入賞に係る処理においてステップS418〜ステップS425の閉鎖用処理が省略されている。なお、これに限られず、閉鎖用処理を実行する構成としてもよい。
また、開閉実行モードを終了する場合にはその契機となった対応結果の種類がいずれであっても、ステップS424にてエンディング用の待機期間がセットされる。したがって、いずれの種類の開閉実行モードであってもエンディング用の待機期間は同一となっている。
一方、ステップS407にて、タイマカウンタTが「0」であると判定した場合には、ステップS426に進み、期間対応閉鎖処理を実行する。
期間対応閉鎖処理について図15のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS601にて閉鎖処理を実行し、ステップS602にて閉鎖コマンドを設定する。これらの処理はステップS419及びステップS420の処理と同様である。
その後、ステップS603では、今回の終了対象となっているラウンド遊技が1R目であるか否かを判定する。具体的には、ラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「16」でない場合にはステップS613に進む一方、ラウンドカウンタRCが「16」である場合にはステップS604に進み、1R目の終了に係る処理を実行する。
具体的には、先ずステップS604にて、カウントカウンタCCが「0」であるか否かを判定する。カウントカウンタCCが「0」でない場合には1R中に第2大入賞口62に遊技球が少なくとも1個入球したことを意味する。この場合、ステップS613に進む。
1R中に第2大入賞口62に遊技球が入賞しなかった場合、具体的にはカウントカウンタCCが「0」である場合には(ステップS604:YES)、ステップS605に進み、今回の対応結果が分岐対応結果であるか否かを判定する。
分岐対応結果でない場合(非分岐対応結果である場合)、ステップS606に進み、ラウンドカウンタRCの値を1減算する処理を実行し、ステップS607にて開放待機期間(ラウンド遊技間のインターバル期間)として「3000」をセットする。つまり、開放待機期間として6secを設定する。
その後、ステップS608にて2R目以降のラウンド遊技を行うことをMPU112にて特定する継続フラグをRAM114にセットする。そして、ステップS609にてV入賞に対応しない第1V入賞非対応継続当選コマンドを設定する。当該第1V入賞非対応継続当選コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて音声発光制御装置140に送信される。
一方、分岐対応結果である場合にはステップS605を肯定判定し、ステップS610〜ステップS612の処理を実行する。具体的には、ステップS610にてラウンドカウンタRCを「0」に設定するとともに、タイマカウンタTに今回の対応結果において継続条件が成立しなかったことを報知するための待機期間として「1250」を設定する。すなわち、継続条件不成立用の報知期間として2.5secを設定する。
そして、ステップS612にて継続条件不成立用コマンドを設定し、本期間対応閉鎖処理を終了する。ここで設定された継続条件不成立用コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、音声発光制御装置140に送信され、音声発光制御装置140は継続条件が成立しなかったことを報知する処理を実行する。
つまり、非分岐対応結果である場合には、第2大入賞口62への遊技球の入賞がなかった場合であっても、次のラウンド遊技を行うための処理を実行する。
一方、分岐対応結果である場合には、次のラウンド遊技を行わないための処理を実行する。
ステップS603にてラウンドカウンタRCが「16」でないと判定する場合(今回の閉鎖に係るラウンド遊技が2R目以降である場合)、ステップS613に進み、ラウンドカウンタRCを1減算する処理を実行し、続くステップS614では、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS615〜ステップS617にてインターバル期間の設定を行う。
ここで、本実施形態では、1R目から2R目までのインターバル期間と2R目以降の各インターバル期間とが異なっている。詳細には、ステップS615にて、ラウンドカウンタRCの値が「15」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「15」でない場合、今回のインターバルが2R目以降であることを意味する。この場合、ステップS616にてタイマカウンタTに「500」をセットし、本期間対応閉鎖処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタRCの値が「15」である場合、今回のインターバルが1R目と2R目との間のものであることを意味する。この場合、ステップS617にてタイマカウンタTに「3000」をセットし、本期間対応閉鎖処理を終了する。
すなわち、1R目及び2R目間のインターバル期間は、2R目以降のインターバル期間よりも長くなっており、具体的には、2R目以降のインターバル期間が1secであるのに対して1R目及び2R目間のインターバル期間が6secとなっている。
ここで、1R目及び2R目間のインターバル期間は、第2大入賞口62に対して入賞した遊技球がV入賞の振分判定が行われるまでの期間よりも長く設定されている。詳細には、第2大入賞口62に入賞した遊技球がV入賞用検知センサ83又は排出用検知センサ86によって検知されるのに要する期間よりも1R目及び2R目間のインターバル期間の方が長くなるように当該インターバル期間及び誘導通路75の通路距離が設定されている。これにより、上記インターバル期間中に確実にV入賞判定が行われるようになっている。
ちなみに、既に説明したとおり、大入賞口開閉処理(図13)における上限個数に対応した閉鎖処理(ステップS418〜ステップS425)では、1R目の終了が想定されない。このため、上限個数に対応した閉鎖処理におけるインターバル期間の設定処理(ステップS422〜ステップS425)では、上記ステップS615〜ステップS617の処理が省略されている。
一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS618及びステップS619の処理を実行し、本期間対応閉鎖処理を終了する。これらの処理は、大入賞口開閉処理のステップS424及びステップS425の処理と同一であるため、説明を省略する。
大入賞口開閉処理(図13)の説明に戻り、ステップS403にてラウンドカウンタRCの値が「15」である場合には、ステップS427に進む。
ここで、各大入賞口62,101が閉鎖中であって(ステップS401:NO)、ラウンドカウンタRCの値が「15」である場合(ステップS402:NO,ステップS403:YES)には、現状の状態が1R目及び2R目間のインターバル期間であることを意味する。この場合、2R目以降のラウンド遊技を行うか否かの判定処理を実行する。
具体的には、ステップS427では、継続フラグがセットされているか否かを判定する処理を実行する。継続フラグは、既に説明したとおり、MPU112にて2R目以降のラウンド遊技を行うことを特定するためのフラグである。継続フラグは、継続条件が成立している場合にセットされる。
継続フラグがセットされている場合には、ステップS404に進む一方、継続フラグがセットされていない場合には、ステップS428にて分岐用処理を実行し、本大入賞口開閉処理を終了する。
分岐用処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS701にて、第2大入賞口62に入賞した遊技球がV入賞されたか、又は排出されたかを判定する。具体的には、V入賞用検知センサ83又は排出用検知センサ86のいずれかの検知結果が、遊技球が検知されたことを示す結果であるか否かを判定する。
遊技球のV入賞及び遊技球の排出のいずれもが検知されない場合には、そのまま本分岐用処理を終了する一方、遊技球のV入賞又は排出が検知された場合にはステップS702に進む。
ステップS702では、事前報知フラグがセットされているか否かを判定する。事前報知フラグがセットされていない場合には、ステップS703に進み、今回検知された遊技球がV入賞に係るものであるか否かを判定する。
V入賞である場合には、ステップS704に進み、今回の対応結果が非分岐対応結果であるか否かを判定する。非分岐対応結果でない場合、すなわち今回の対応結果が分岐対応結果である場合には、ステップS705〜ステップS707にて、分岐対応結果である状況において継続条件が成立したことに対応した処理を実行する。
具体的には、ステップS705にて、V入賞してから次のラウンド遊技を行うタイミングまでの待機期間を抽選する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114bには、特定の数値範囲内で予め定められた周期で順次更新する抽選用カウンタが設けられている。待機期間抽選処理では、その時点における抽選用カウンタの値を取得し、当該取得された値に対応した待機期間を把握する。当該把握については例えば抽選用カウンタと待機期間とが対応付けられた抽選テーブルを参照すること等が考えられる。また、待機期間としては例えば0.2sec,0.5sec,0.7secのうちから1の期間を設定する。
その後、ステップS706にて、現状のタイマカウンタTの値を上記ステップS705にて把握された待機期間に対応する値に書き換える処理を実行する。これにより、V入賞タイミングから待機期間が経過した場合に、2R目が開始され、第1大入賞口101が開放される。
つまり、インターバル期間が初期設定された6secで変動しない場合、V入賞タイミングによっては、V入賞タイミングと次のラウンド遊技の開始タイミングとの間隔が大きくなってしまい、遊技者に対して違和感を与えるおそれがあるとともに、遊技の進行に支障が生じる場合がある。
これに対して、本実施形態では、分岐対応結果である状況においてV入賞が発生した場合には、V入賞タイミングに応じて次のラウンド遊技の開始タイミングが設定されるため、V入賞と次のラウンド遊技との関連付けを好適に行うことができるとともに、遊技のスムーズな進行を図ることができる。
続くステップS707では、ステップS705にて把握された待機期間に応じたV入賞対応継続当選コマンドを設定する。ここで設定されたV入賞対応継続当選コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、音声発光制御装置140に送信され、音声発光制御装置140は継続条件が成立したことを報知する処理を実行する。
ステップS708では、継続条件が成立したことをMPU112にて特定するための継続フラグをセットして本分岐用処理を終了する。
一方、事前報知フラグがセットされている場合(ステップS702:YES)、又は非分岐対応結果である状況において遊技球がV入賞した場合(ステップS703:YES,ステップS704:NO)には、ステップS709及びステップS710にて非分岐対応結果である状況において継続条件が成立したことに対応した処理を実行する。
具体的には、先ずステップS709にて、現状設定されているタイマカウンタTの値を参照することで次のラウンド遊技の開始タイミング、すなわち現時点(V入賞タイミング)から第1大入賞口101の開放タイミングまでの期間を把握する。
そして、ステップS710にて、上記ステップS709にて把握された待機期間に応じたV入賞対応継続当選コマンドを設定し、ステップS708にて継続フラグをセットして本分岐用処理を終了する。
すなわち、非分岐対応結果である状況において継続条件が成立した場合には、分岐対応結果の場合と同様に継続条件の成立に係る処理を実行する。この場合、分岐対応結果である場合と異なり、1R目及び2R目間のインターバル期間はV入賞タイミングに関わらず一定となっている。これにより、開閉実行モードの期間の変動を抑制することができ、遊技ホール側における管理を好適に行うことができる。
すなわち、分岐対応結果である場合のように、V入賞タイミングに応じてインターバル期間が変動すると、開閉実行モードの期間が大きく変動する。特に、ラウンド遊技の終了条件として上限個数が設定されている状況においては各ラウンド遊技の期間が変動するため、開閉実行モードの期間の変動範囲は大きくなり易い。すると、遊技機毎に遊技の進行速度にムラが生じ、稼働率にムラが生じることとなり、遊技ホール側の管理が困難となるおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、インターバル期間が変動する分岐対応結果と、インターバル期間が変動しない非分岐対応結果と、が設けられているため、遊技への注目度を高めつつ、開閉実行モードの期間の変動範囲を実質的に小さくすることができ、遊技ホールの管理を好適に行うことができる。
この場合、分岐対応結果及び非分岐対応結果双方において待機期間が変動しているため、待機期間を把握することによって今回の対応結果がどちらであるかを特定することが困難になっている。
ステップS703にて否定判定する場合、遊技球が排出案内部94bに入球したことを意味する。この場合、ステップS711にてカウントカウンタCCを1減算する処理を実行し、ステップS712に進む。ステップS712では、第2大入賞口62に入賞した遊技球が全て排出されたか否かを判定する。具体的には、カウントカウンタCCの値が「0」であるか否かを判定する。
カウントカウンタCCの値が「0」でない場合には、そのまま本分岐用処理を終了する一方、カウントカウンタCCの値が「0」である場合には、ステップS713にて今回の対応結果が非分岐対応結果であるか否かを判定する。非分岐対応結果である場合には、ステップS714にて継続フラグをセットする。
続くステップS715では、現時点から次のラウンド遊技の開始タイミングまでの待機期間を把握し、ステップS716にて第2V入賞非対応継続当選コマンドを設定する処理を実行する。当該第2V入賞非対応継続当選コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、音声発光制御装置140に送信され、音声発光制御装置140はV入賞しなかったにも関わらず継続当選したこと、すなわち復活当選である旨の報知を行う。
カウントカウンタCCの値が「0」となっている状況において非分岐対応結果でない場合には(ステップS712:YES,ステップS713:NO)、継続条件のうち(B)の条件が成立しなかったことを意味する。この場合、ステップS717〜ステップS719にて継続条件不成立に対応した処理を実行する。当該処理は、期間対応閉鎖処理(図15)のステップS610〜ステップS612の処理と同様であるため、説明を省略する。
ちなみに、既に説明したとおり、1R目における第2大入賞口62の開放期間中に当該第2大入賞口62に入賞した遊技球のV入賞振分判定が行われないように、第2大入賞口62の上限開放期間及び誘導通路75の通路距離が設定されている。これにより、1R目のラウンド遊技が終了してからV入賞判定が行われることとなるため、1R目のラウンド遊技が行われている状況において分岐用処理を実行する必要がない。よって、ラウンド遊技に係る処理負荷の軽減を図ることができ、一時的な処理負荷の増大によって生じ得る処理落ち等の不都合を回避することができる。
特に、第2大入賞口62を開放している場合、当該第2大入賞口62に入賞する遊技球の検知に係る処理を実行するため、仮に第2大入賞口62に入賞した遊技球が検知されるタイミングと分岐用処理において遊技球のV入賞又は排出が行われるタイミングとが同期すると、大入賞口開閉処理の処理負荷が増大となり、処理落ちが生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、第2大入賞口62への遊技球の入賞に係る処理と、V入賞の振分判定に係る処理とが同期しないようになっているため、局所的な処理負荷の増大が生じにくくなっている。
遊技状態移行処理(図12)の説明に戻り、大入賞口開閉処理の実行後、ステップS308にてラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「0」でない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する一方、ラウンドカウンタRCが「0」である場合にはステップS309進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合にはそのまま本遊技状態移行処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」である場合にはステップS310にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、遊技状態移行処理では開閉実行モードフラグを消去する。そして、今回の開閉実行モードの契機となった対応結果を把握し、当該把握結果に基づいて開閉実行モードの遊技状態を決定する。具体的には、対応結果が分岐対応結果である場合には、開閉実行モード後の遊技状態を低頻度サポートモードに設定する。一方、対応結果が非分岐対応結果である場合には、振分テーブルを参照することで、今回の取得されているサポート種別カウンタC2の値がどちらの当選結果に対応しているかを判定し、当該判定結果に基づいて、開閉実行モード後の遊技状態を高頻度サポートモード又は低頻度サポートモードに設定する。
<音声発光制御装置140にて実行される演出決定処理について>
次に、音声発光制御装置140内のMPU142にて実行される演出決定処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該演出決定処理は、MPU142により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ずステップS801では、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドは、開閉実行モードに移行する場合に設定されるコマンドである。
オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS802にてオープニング演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する処理を実行するとともに、当該オープニング演出コマンドに対応した各種制御信号を各種ランプ部23,55及びスピーカ部24に対して送信する。
オープニング演出コマンドは、開閉実行モードに移行したことを遊技者に対して報知するオープニング演出を行うための情報が設定されている。オープニング演出は、開閉実行モードの移行タイミングにて、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が行われるとともに、第2大入賞口62への入賞を狙うべき旨の報知がなされるように設定されおり、第2大入賞口62が開放したタイミングでリーチ表示を行うように設定されている。オープニング演出は、新たなコマンドを受信するまで、すなわち開閉実行モードへの移行が行われてから、第2大入賞口62に対して遊技球が入賞するまで、又は開閉実行モードへの移行が行われてから入賞することなく第2大入賞口62が閉鎖されるまでの期間に亘って行われる。
オープニングコマンドを受信していない場合又はステップS802の処理の実行後は、ステップS803に進み、前提条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する処理を実行する。前提条件成立コマンドは、(A)の条件が成立した場合、すなわち分岐対応結果において第2大入賞口62への入賞が検知された場合、又は非分岐対応結果において第2大入賞口62への入賞が検知され、且つ事前報知抽選に外れた場合に設定されるコマンドである。
前提条件成立コマンドを受信している場合にはステップS804に進み、期待リーチ表示コマンドを表示制御装置150に対して送信するとともに、当該期待リーチ表示コマンドに対応した各種制御信号を各種ランプ部23,55及びスピーカ部24に対して送信する。
期待リーチ表示コマンドは、期待リーチ表示が行われるように設定されたコマンドであり、表示制御装置150は当該期待リーチ表示コマンドを受信することに基づいて、表示画面Gにて前提条件が成立したことの報知を行った後に、回転体ユニット71への注目を促す報知が行われるように図柄表示装置51を制御する。期待リーチ表示は、新たなコマンドを受信するまで、すなわち第2大入賞口62に入賞した遊技球がV入賞する又は全て排出されるまで行われる。
前提条件成立コマンドを受信していない場合又はステップS804の実行後には、ステップS805に進み、事前報知コマンドを受信しているか否かを判定する。事前報知コマンドは、非分岐対応結果である場合に事前報知抽選処理に当選した場合に設定されるコマンドである。
事前報知コマンドを受信している場合にはステップS806に進み、確定リーチ表示コマンドを送信するとともに、当該確定リーチ表示コマンドに対応した各種制御信号を各種ランプ部23,55及びスピーカ部24に対して送信する。
確定リーチ表示コマンドは、表示画面Gにおいて確定リーチ表示が行われるように設定されたコマンドであり、表示制御装置150は当該確定リーチ表示コマンドを受信することに基づいて、表示画面Gにて前提条件が成立したことの報知を行った後に、表示画面Gにて確定リーチ表示が行われるように図柄の表示制御を行う。確定リーチ表示は、新たなコマンドを受信するまで、すなわち第2大入賞口62に対して入賞した遊技球が各案内部94a,94bのいずれかに入球するまで行われる。
ここで、確定リーチ表示とは、大当たり図柄の組み合わせを変動表示させる態様のリーチ表示であり、具体的には例えば「1,1,1」の組み合わせが互いの相対位置関係を維持した状態で変動表示されるとともに、変動終了タイミングにおいていずれかの有効ライン上に当該「1,1,1」の組み合わせが停止表示されるものである。すなわち、確定リーチ表示とは、リーチ表示が行われている段階で次のラウンド遊技への継続当選が確定していることを報知するリーチ表示であるとも言える。
また、確定リーチ表示コマンドに対応した制御信号は、回転体93に設けられている発光ランプ95が全て赤色表示となるように設定されている。これにより、確定リーチ表示が行われている場合には、いずれの案内部94a,94bに遊技球が入球した場合であってもV入賞となることを遊技者に認識させることができる。
事前報知コマンドを受信していない場合又はステップS806の実行後には、ステップS807に進み、継続条件不成立用コマンドを受信しているか否かを判定する。継続条件不成立用コマンドは、分岐対応結果である状況において継続条件が成立しなかった場合、すなわち第2大入賞口62への入賞がなかった場合又は第2大入賞口62への入賞があったがV入賞しなかった場合に設定される。
継続条件不成立用コマンドを受信している場合にはステップS808に進み、不成立用演出コマンドを表示制御装置150に対して送信するとともに、当該不成立用演出コマンドに対応した各種制御信号を送信する。
不成立用演出コマンドは、表示画面Gにおいて継続条件が不成立であることを報知する不成立用演出を行わせるコマンドである。表示制御装置150は当該不成立用演出コマンドを受信することに基づいて、不成立用演出として表示画面Gにて外れリーチ結果を停止表示させるとともに、継続条件不成立である旨の報知を行う。当該報知は、期間対応閉鎖処理(図15)のステップS611又は分岐用処理(図16)のステップS718にて設定した期間、具体的には2.5secに亘って行われる。
なお、外れリーチ結果とは、リーチ表示が行われている状態において当該リーチ図柄とは種類の異なる図柄がリーチライン上に停止表示される結果である。
継続条件不成立用コマンドを受信していない場合又はステップS808の実行後には、ステップS809に進み、継続当選コマンドを受信しているか否かの判定を行う。継続当選コマンドを受信している場合にはステップS810に進み、今回受信した継続当選コマンドの種類を把握する。
その後、ステップS811では、上記ステップS810にて把握された種類に応じた継続当選用演出を決定する処理を実行する。続くステップS812では、決定された継続当選用演出に対応した継続当選用演出コマンドを表示制御装置150に対して送信するとともに、そのコマンドに対応した各種制御信号を各種ランプ部23,55及びスピーカ部24に対して送信する処理を実行する。表示制御装置150は、継続当選用演出コマンドを受信したことに基づいて当該継続当選用演出コマンドに対応した表示態様の画像を表示画面G上に表示する。
ここで、継続当選コマンドが複数種類設定されていることに対応して、継続当選用演出は複数種類設定されている。これら継続当選用演出は、2R目以降のラウンド遊技の継続当選を報知する点及び2R目以降のラウンド遊技の態様が一致する一方、継続当選報知までの過程及び継続当選の報知期間が一部相違する。その相違点について詳細に以下に説明する。
先ず、各対応結果に関わらずV入賞した場合に設定されるV入賞対応継続当選コマンドに対応したV入賞対応継続当選用演出について説明する。当該V入賞対応継続当選用演出では、継続当選表示として、大当たり図柄の組み合わせを停止表示させるとともに、継続当選(V入賞したこと)が報知される。当該継続当選表示は、分岐対応結果である場合にはV入賞したタイミングから抽選で選択された待機期間が経過するまで、非分岐対応結果である場合にはV入賞したタイミングから予め定められた第1大入賞口101の開放タイミングまで行われる。すなわち、V入賞タイミングから次のラウンド遊技が行われるまでの待機期間が継続条件成立の報知を行う継続当選表示期間となっている。
ここで、継続当選表示の態様は、各分岐対応結果に関わらず同一に設定されている。このため、継続当選表示の表示態様に基づいて今回の対応結果を特定することは困難になっている。
次に、第1V入賞非対応継続当選コマンドに対応した継続当選演出について説明する。当該継続当選演出は、対応結果が非分岐対応結果であって1R目において第2大入賞口62への遊技球の入賞がなかった場合に実行される。
第1V入賞非対応継続当選コマンドに対応した継続当選演出では、最初に表示画面Gにおいて外れリーチ結果を停止表示させるとともに、継続条件が成立しなかったことを報知する。当該表示態様は不成立用演出と同様となっている。つまり、第1V入賞非対応継続当選である場合に設定されるインターバル期間の6secのうち、最初の2.5secは不成立用演出と同一となっている。
その後、復活当選表示として、再度最終停止図柄列の図柄の変動表示を行い、大当たり図柄の組み合わせを停止表示させるとともに継続当選したことを報知する。当該復活当選表示は、インターバル期間から不成立用演出の演出期間を引いた期間(3.5sec)に亘って実行される。これにより、一旦前提条件が成立しなかったと遊技者に認識させながら、復活当選となったと思わせることができる。
第2V入賞非対応継続当選コマンドに対応した継続当選演出について説明すると、当該継続当選演出は、対応結果が非分岐対応結果である状況において継続条件のうち(A)の条件(前提条件)のみが成立し(B)の条件が成立しなかった場合、具体的には1R目において第2大入賞口62への遊技球の入賞があり、当該入賞した遊技球がV入賞することなく排出された場合に実行される。
第2V入賞非対応継続当選コマンドに対応した継続当選演出では、リーチ表示が行われている状況において一旦外れリーチ結果を停止表示させるとともに、継続条件が成立しなかったことを報知する。当該表示態様は継続条件が不成立であった場合と同様となっている。
その後、復活当選表示として、再度最終停止図柄列の図柄の変動表示を行うとともに、大当たり図柄の組み合わせが停止表示されるようにリーチライン上にリーチ図柄と同一種類の図柄を停止表示させるとともに、継続当選したことを報知する。これにより、一旦継続条件が不成立となったと遊技者に認識させながら、復活当選となったと思わせることができる。
ここで、第2V入賞非対応継続当選コマンドに対応した一連の演出が行われる継続当選期間は、第2大入賞口62に入賞した遊技球が全部排出されたタイミングから次のラウンド遊技の開始タイミングまでに設定される。この場合、ステップS715にて把握される待機期間が、復活当選表示を行うのに要する復活当選表示期間及び不成立用演出の演出期間である2.5secを合わせた基準期間よりも長い場合には、不成立用演出が2.5secに亘って行われ、残り期間で復活当選表示が行われる。これにより、分岐対応結果である場合に継続条件が成立しなかったことによって行われる不成立用演出と、第2V入賞非対応継続当選コマンドに対応した演出において擬似的に行われる不成立用演出と、が同一になるため、復活当選表示が行われる前に今回の対応結果が復活当選に対応したものであることを把握されにくい。
一方、ステップS715にて把握される待機期間が上記基準期間よりも短い場合には、当該待機期間内に擬似的な不成立用演出及び復活当選表示が行われるように復活当選表示期間が短縮されるように設定される。これにより、不成立用演出を行う期間が確保されている。
ちなみに、非分岐対応結果である場合に設定される1R目及び2R目間のインターバル期間は、復活当選表示及び擬似的な不成立用演出を行うのに最低限必要な期間と、第2大入賞口62に対して入賞した遊技球が排出されるまでに要する振分期間と、を合わせた期間よりも大きく設定されている。
なお、復活当選表示期間を短縮する構成に限られず、例えば2R目のラウンド遊技の開始タイミングに対して第1大入賞口101の開放タイミングを遅延させる構成としてもよい。要は、1R目及び2R目間のインターバル期間は、第2大入賞口62に対して入賞した遊技球が全て排出されるまでに要する振分期間と、不成立用演出の演出期間とを合わせた期間以上であればよい。これにより、上記インターバル期間中に振分期間と不成立用演出期間とを常に確保することができる。
また、上記構成に限られず、例えば不成立用演出に係る期間を短縮する構成としてもよく、更には不成立用演出の演出期間及び復活当選表示期間の双方を短縮する構成としてもよい。
継続当選コマンドを受信していない場合又はステップS812の処理の実行後は、ステップS813にてエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合にはステップS814に進み、エンディング演出コマンドを表示制御装置150に対して送信するとともに、当該コマンドに対応した各種制御信号を各種ランプ部23,55及びスピーカ部24に対して送信する。表示制御装置150は、上記エンディング演出コマンドが入力されることに基づいてエンディング演出に対応した画像を表示画面Gに表示させる。
エンディングコマンドを受信していない場合又はステップS814の処理の実行後は、ステップS815にてその他の処理を実行し、本演出決定処理を終了する。
<対応結果の内容及び大当たり演出内容について>
次に、以上の各処理が実行されることにより規定される各対応結果の内容及び大当たり演出内容について図18を参照しながら説明する。図18は各対応結果の内容を説明するための説明図である。
図18に示すように、本パチンコ機10において規定されている対応結果は、既に説明した通り、非分岐対応結果と分岐対応結果である。非分岐対応結果である場合には、開閉実行モード後の遊技状態が高頻度サポートモードに設定される場合がある一方、分岐対応結果である場合には低頻度サポートモードに一義的に設定される。このため、非分岐対応結果の方が分岐対応結果よりも遊技者にとって有利な結果であるとも言える。
各対応結果における開閉制御態様は共通しており、具体的には1R目は第2大入賞口62が短期間態様で開放され、2R目以降は第1大入賞口101が長期間態様で開放される。これにより、開閉態様に基づいてどちらの対応結果に当選しているかを特定することが困難になっている。
また、既に説明したとおり、非分岐対応結果では、継続条件の成否に関わらず2R目以降のラウンド遊技を行うことができる一方、分岐対応結果では、継続条件が成立した場合にのみ2R目以降のラウンド遊技を行うことができる。
さらに、非分岐対応結果である場合には、1R目及び2R目間のインターバル期間が6secに固定されている一方、分岐対応結果である場合には1R目及び2R目間のインターバル期間はV入賞タイミングに応じて変動する。2R目以降のインターバル期間はそれぞれ1secとなっている。
次に、非分岐対応結果及び分岐対応結果の大当たり演出の態様について図19を用いて説明する。図19は各対応結果に対応した演出内容を説明するための説明図である。
先ず、各対応結果に関わらず、開閉実行モードに移行することによって表示画面Gにおいて図柄の変動表示が行われる。その後、矢印a1,b1に示すように、第2大入賞口62の開放タイミングにて(図柄の変動表示が開始されてから0.2sec経過後)リーチ表示が開始される。
その後、第2大入賞口62の開放中に当該第2大入賞口62に対して遊技球が入賞しなかった場合には、各対応結果において不成立用演出が所定の期間(2.5sec)に亘って実行される(矢印a2,b2参照)。具体的には、外れリーチ結果が表示されるとともに、継続条件が成立しなかったことが報知される。
その後、非分岐対応結果である場合には、矢印a3に示すように、復活当選表示が行われる。この場合、復活当選表示が行われるまでの態様(b1、b2ルートの態様)は分岐対応結果の態様(a1,a2ルートの態様)と同一となっている。
第2大入賞口62への遊技球の入賞が行われた場合、矢印a4,b4に示すように、各対応結果に関わらず継続条件の前提条件が成立したことの報知が行われる。その後、分岐対応結果である場合には、矢印b5に示すように、そのまま回転体ユニット71への注目を促す期待リーチ表示を行う一方、非分岐対応結果である場合には、矢印a5又はa6に示すように、期待リーチ表示又は確定リーチ表示のいずれかが行われる。なお、確定リーチ表示が行われる場合には、発光ランプ95は全てV入賞に対応した赤色に設定される。
そして、期待リーチ表示が行われている状況において遊技球がV入賞した場合、矢印a7,b7に示すように、各対応結果に関わらず継続当選表示が行われる。つまり、期待リーチ表示を介してV入賞した場合の一連の態様(a1,a4,a5,a7ルートの態様、及びb1,b4,b5,b7ルートの態様)は各対応結果において共通となっている。これにより、期待リーチ表示を介してV入賞した場合には対応結果の特定が困難となっている。
一方、期待リーチ表示が行われている状況において遊技球がV入賞しなかった場合、矢印a8,b8に示すように、対応結果に関わらず不成立用演出が行われる。具体的には、外れリーチ結果が停止表示される。そして、対応結果が非分岐対応結果である場合には、外れリーチ結果の停止表示後に復活当選表示が行われる(矢印a9参照)。
つまり、対応結果が非分岐対応結果である状況において復活当選表示を行う場合、開閉実行モードの開始から復活当選表示の開始までの態様(a1,a4,a5,a8ルートの態様、b1,b4,b5,b8ルートの態様)が分岐対応結果と同一になっている。これにより、復活当選表示が行われるまでどちらの対応結果に対応しているか否かの特定が困難となっている。よって、分岐対応結果で継続条件が成立しなかった場合であっても復活当選となる可能性があると誤認させることができ、遊技への注目度の低下を抑制することができる。
非分岐対応結果である場合の演出内容について更に詳細に説明すると、非分岐対応結果である場合には、遊技状況に応じて演出内容が分岐するように設定されている。具体的には、第2大入賞口62への入賞があるかないか、及びV入賞するか否かに応じて、非分岐対応結果におけるその後の演出内容が分岐している。すなわち、分岐対応結果における継続条件が非分岐対応結果における演出内容の分岐条件となっている。これにより、分岐対応結果においては継続条件の成否が確定するタイミング、非分岐対応結果においては分岐条件が確定するまでのタイミングまで、各対応結果における演出態様を見た目上同様にすることができ、どちらの対応結果に当選しているかを分からなくすることができる。
また、確定リーチ表示が行われている状況においては、遊技球が各案内部94a,94bのいずれかに案内されたことに基づいて、継続当選表示が行われる(矢印a10参照)。確定リーチ表示が第2大入賞口62への遊技球の入球に基づいて実行されるものであり、復活当選表示がV入賞振分判定後に実行されるものであることを鑑みれば、確定リーチ表示(事前報知)は、復活当選表示の開始タイミングよりも前のタイミングにて今回の対応結果が非分岐対応結果であることを報知する演出であると言える。
次に、各対応結果において第2大入賞口62に入賞したがV入賞しなかった場合の開閉実行パターンについて図20のタイミングチャートを参照しながら説明する。図20(A)は分岐対応結果である状況において前提条件((A)の条件)を満たすがV入賞条件((B)の条件)を満たさない場合のタイミングチャート、図20(B)は非分岐対応結果である状況において第2大入賞口62に入賞したがV入賞しなかった場合のタイミングチャートである。なお、説明の便宜上、各対応結果において第2大入賞口62が閉鎖されるタイミング(t2のタイミング)に対して直前のタイミングにて第2大入賞口62への入賞が行われ、同一タイミング(t4のタイミング)にて第2大入賞口62に入賞した遊技球が排出されたとする。この場合、図面の関係上、第2大入賞口62への入賞タイミングと第2大入賞口62の閉鎖タイミングとは同時として示す。
図20(A),(B)に示すように、t1のタイミングにて第2大入賞口62が開放される。そして、t1のタイミングから0.2sec経過後のt2のタイミングに対して直前のタイミングにて第2大入賞口62に遊技球が入賞し、期待リーチ表示が開始される。そして、t2のタイミングにて第2大入賞口62が閉鎖される。
その後、t3のタイミングにてt2のタイミングにて入賞した遊技球が排出される。このt2のタイミングからt3のタイミングまでの期間Taが、第2大入賞口62に入球した遊技球のV入賞振分判定が行われるのに要する振分期間Taである。
また、図20(A),(B)に示すように、遊技球が排出されたことに基づいて期待リーチ表示に代えて不成立用演出が開始される。その後、t3のタイミングに対して不成立用演出の演出期間Tbが経過したt4のタイミングにて、不成立用演出が終了する。
ここで、図20(B)に示すように、不成立用演出の終了後に復活当選表示が行われる。そして、t2のタイミングから予め定められた第1インターバル期間Ti1が経過したt5のタイミングにて、復活当選表示が終了するとともに、2R目のラウンド遊技が開始され、第1大入賞口101が開放される。この場合、復活当選表示が行われている復活当選表示期間Tc(待機期間)は、第1インターバル期間Ti1から振分期間Ta及び不成立用演出の演出期間Tbを引いた期間となっている。
その後、2R目のラウンド遊技の終了条件が成立したt6のタイミングにて第1大入賞口101が閉鎖される。そして、t6のタイミングから第1インターバル期間Ti1よりも短い第2インターバル期間Ti2が経過したt7のタイミングにて、3R目のラウンド遊技が行われ、第1大入賞口101が再度開放される。
すなわち、t1のタイミングからt4のタイミングまでの態様、すなわち開閉実行モードの開始タイミングから、第1インターバル期間Ti1中において不成立用演出の終了タイミングまでの可変入賞装置36,37の開閉態様及び図柄表示装置51にて行なわれる表示演出態様は、各対応結果において同一となっている。換言すれば、開閉実行モードの開始タイミングから不成立用演出の終了タイミングまでの期間は、可変入賞装置36,37の開閉態様及び図柄表示装置51にて行なわれる表示演出態様が各対応結果において同一となっている共通期間であるとも言える。これにより、不成立用演出の終了タイミングまでどちらの対応結果に当選しているかを特定することが困難になっている。よって、分岐対応結果である場合には、非分岐対応結果であると信じて不成立用演出後の復活当選表示を期待する一方、非分岐対応結果である場合には、分岐対応結果であると信じて継続条件の成否に一喜一憂できる。したがって、遊技への注目度が高められている。
特に、振分期間Ta及び不成立用演出の演出期間Tbを合わせた期間よりも大きくなるように第1インターバル期間Ti1が設定されている。これにより、遊技球のV入賞判定がなされる前に2R目のラウンド遊技が開始され,第1大入賞口101が開放されることがない。よって、V入賞振分判定が行われている状態で次のラウンド行われることを抑制することができる。
次に、各対応結果においてV入賞した場合の開閉実行パターンについて図21を用いて説明する。図21(A)は分岐対応結果においてV入賞した場合のタイミングチャート、図21(B)は非分岐対応結果においてV入賞した場合のタイミングチャートである。なお、説明の便宜上、各対応結果において第2大入賞口62が閉鎖されるタイミング(t12のタイミング)に対して直前のタイミングにて第2大入賞口62への入賞が行われ、同一タイミング(t4のタイミング)にて第2大入賞口62に入賞した遊技球がV入賞したとする。この場合、図面の関係上、第2大入賞口62への入賞タイミングと第2大入賞口62の閉鎖タイミングとは同時として示す。
図21(A),(B)に示すように、t11のタイミングにて第2大入賞口62が開放される。そして、t11のタイミングから0.2sec経過後のt12のタイミングに対して直前のタイミングにて第2大入賞口62に遊技球が入賞し、期待リーチ表示が開始される。そして、t12のタイミングにて第2大入賞口62が閉鎖される。
その後、t12のタイミングから遊技球のV入賞振分判定に係る振分期間Taが経過したt13のタイミングにてV入賞する。当該V入賞に基づいて、各対応結果において期待リーチ表示に代えて継続当選表示が行われる。
その後、分岐対応結果である場合には、図21(A)に示すように、t13のタイミングから第1継続当選表示期間Td1(待機期間)が経過したt14のタイミングにて2R目のラウンド遊技が開始され、第1大入賞口101が開放される。当該第1継続当選表示期間Td1は、抽選によって決定される変動期間となっている。振分期間Taと第1継続当選表示期間Td1とを合わせた期間が分岐対応結果における第1インターバル期間Ti3となっている。当該第1インターバル期間Ti3は変動期間となっている。
一方、非分岐対応結果である場合には、図21(B)に示すように、t12のタイミングから第2継続当選表示期間Td2(待機期間)が経過したt15のタイミングにて2R目のラウンド遊技が開始され、第1大入賞口101が開放される。当該第2継続当選表示期間Td2と振分期間Taとを合わせた期間Ti1が非分岐対応結果における第1インターバル期間Ti1となっている。非分岐対応結果における第1インターバル期間Ti1は、復活当選表示が行われる場合(図20(B))及び継続当選表示が行われる場合(図21(B))において共通した一定期間であり、当該第1インターバル期間Ti1から振分期間Taを引いた期間が第2継続当選表示期間Td2となっている。換言すれば、非分岐対応結果における第1インターバル期間Ti1が一定となるように第2継続当選表示期間Td2が設定されているとも言える。
この場合、振分期間Taが変動するため、第2継続当選表示期間Td2も変動する。このため、仮に第1継続当選表示期間Td1が予め定められた一定期間であるとすると、第1継続当選表示期間Td1を把握することによって今回の対応結果が分岐対応結果か非分岐対応結果であるかを特定されるおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、第1継続当選表示期間Td1が変動するように当該第1継続当選表示期間Td1を抽選によって決定する構成とした。これにより、各継続当選表示期間Td1,Td2双方が変動するため、当該各継続当選表示期間Td1,Td2を把握することにより今回の対応結果がどちらであるかを特定することが困難となっている。よって、開閉実行モードが終了するまでどちらの対応結果であるかを予測しながら遊技を行うことができる。
特に、非分岐対応結果である場合と分岐対応結果である場合とで、開閉実行モードの遊技状態に差異が生じ得る。具体的には、開閉実行モードの終了後の遊技状態が高頻度サポートモードになり得る。このため、遊技者としては分岐対応結果に基づく開閉実行モードである場合であっても非分岐対応結果であることを期待して開閉実行モードを消化することとなる。
また、非分岐対応結果である状況において第1インターバル期間Ti1中における遊技状況(詳細にはV入賞するか否か)に応じてその後の演出内容が異なることに鑑みれば、第1インターバル期間Ti1はその後の演出内容を決定付けるための期間であるとも言える。
なお、分岐対応結果における第1インターバル期間Ti3は、第2インターバル期間Ti2よりも長くなるように設定されている。また、t15のタイミング以降の動作については、復活当選表示が行われる場合の態様と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
開閉実行モードにおいて継続条件が成立することにより2R目以降のラウンド遊技が行なわれる分岐対応結果と、継続条件の成否に関わらず2R目以降のラウンド遊技が行われる非分岐対応結果と、を設け、開閉実行モードの開始タイミングから復活当選表示が行われるまでの各可変入賞装置36,37の態様を同一にした。これにより、第2可変入賞装置37への遊技球の入賞がなかった場合、又は第2可変入賞装置37への遊技球の入賞があったがV入賞しなかった場合であっても、直ちにあきらめるのではなく、次のラウンド遊技が行われることへの期待感をその後も遊技者が維持する。よって、開閉実行モードにおける遊技への注目度を高めることができる。
開閉実行モードにおいて各大入賞口62,101双方が閉鎖している期間として第1インターバル期間Ti1,Ti3と、当該第1インターバル期間Ti1,Ti3とは異なる期間である第2インターバル期間Ti2と、を設けた。この場合、V入賞振分判定を行う第1インターバル期間Ti1,Ti3に対して第2インターバル期間Ti2を短く設定した。これにより、第1インターバル期間Ti1,Ti3中に、V入賞振分判定、継続当選表示等の各種演出を行うことができ、これらの演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。一方、第2インターバル期間Ti2を第1インターバル期間Ti1,Ti3よりも短く設定することで、2R目以降のラウンド遊技をスムーズに消化することができ、開閉実行モードの消化率を高めることができる。
非分岐対応結果である状況において分岐条件を設定し、当該分岐条件の成否に応じてその後の演出内容が分岐するように設定した。この場合、分岐対応結果である場合の継続条件を分岐条件として設定した。これにより、非分岐対応結果において、開閉実行モードの開始タイミングから、分岐対応結果において継続条件に係る事象の発生の有無が確定するタイミングに対応するタイミングまでの態様を、分岐対応結果の態様と見た目上同様にすることができる。
非分岐対応の可変入球手段として第1可変入賞装置36を設けるとともに、分岐対応の可変入球手段として第2可変入賞装置37を設けたことにより、第2可変入賞装置37が開放された場合には当該第2可変入賞装置37への入賞が発生することに注目して遊技者は遊技を行うとともに、第1可変入賞装置36が開放された場合には当該第1可変入賞装置36への入賞の発生に対する注目度が若干低下するものの遊技者は安心して開閉実行モードを消化する。これにより、開閉実行モードに移行したことの満足感を維持させながら、開閉実行モードに移行した場合の遊技への注目度の向上を図ることができる。また、一の可変入賞装置の役割を、分岐対応の役割と非分岐対応の役割との間で切り換えるのではなく、可変入賞装置というハード構成毎に分岐対応の役割と非分岐対応の役割とが区別されている。これにより、遊技者にとっては、可変入賞装置36,37への入賞が発生することに注目すべきタイミングであるか、安心して開閉実行モードを消化するタイミングであるかを明確に把握することができる。
非分岐対応結果である場合に第2大入賞口62への入賞に基づいて、事前報知を行うか否かの抽選を行うとともに、事前報知に当選した場合には事前報知としてV入賞振分判定が行われる前に確定リーチ表示を行う構成とした。これにより、第2大入賞口62への遊技球の入賞を意識させつつ、次のラウンド遊技が継続する安心感を付与することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、1R目における第2大入賞口62の態様が第1実施形態と相違する。当該相違する点について説明する。
本実施形態の遊技状態移行処理について図22のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS901〜ステップS905の処理については第1実施形態におけるステップS301〜ステップS305の処理と同一であるため、説明を省略する。
ステップS906では、今回の対応結果が非分岐対応結果であるか否かを判定する。非分岐対応結果でない場合(分岐対応結果である場合)、ステップS907にてRAM114の各種カウンタエリア114bに設けられた開閉カウンタSOCに「1」をセットし、ステップS909に進む。開閉カウンタSOCは、1R目において第2大入賞口62を開閉する回数をMPU112にて特定するためのカウンタである。このため、対応結果が分岐対応結果である場合には、1R目において第2大入賞口62が1回開放されることを意味する。開閉カウンタSOCは、1R目において第2大入賞口62が開放される度に1減算されるように設定されている。
非分岐対応結果である場合には、ステップS908に進み、開閉カウンタSOCに「2」をセットし、ステップS909に進む。これにより、対応結果が分岐対応結果である場合には、1R目において第2大入賞口62が2回開放されることを意味する。
ステップS909では、オープニングコマンドを送信して、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS901にて、開閉実行モード中であると判定する場合、ステップS910にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理について図23のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1001では、各大入賞口62,101のうちいずれかの大入賞口が開放中であるか否かを判定する。いずれかの大入賞口も閉鎖している場合には、ステップS1002に進み、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS1003及びステップS1004にて分岐用処理を実行するタイミングであるか否かを判定する。
具体的には、ステップS1003では、今回の対応結果が非分岐対応結果であって、開閉カウンタSOCの値が「1」であるか否かを判定し、ステップS1004では、今回の対応結果が分岐対応結果であって、ラウンドカウンタRCの値が「15」であるか否かを判定する。
いずれの条件にも該当しない場合には、ステップS1003及びステップS1004を否定判定し、ステップS1005に進む。ステップS1005では、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」である場合にはそのまま大入賞口開閉処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」でない場合には、ステップS1006にて大入賞口開放処理を実行する。本大入賞口開放処理については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。そして、ステップS1007にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、各大入賞口62,101のうちいずれかの大入賞口が開放されている場合には、ステップS1008に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合には、ステップS1009にて開放中の大入賞口に遊技球が入賞したか否かの検知判定を行う。遊技球が入賞していない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する一方、遊技球の入賞を検知している場合には、ステップS1010にて入賞カウンタPCの値を1減算する更新処理を実行するとともに、カウントカウンタCCの値を1加算する更新処理を実行する。
その後、ステップS1011にてカウントカウンタCCの値が「1」であるか否かを判定する。カウントカウンタCCの値が「1」である場合には、ステップS1012及びステップS1013にて、今回カウントされた遊技球の入賞が継続条件の前提条件に係るものであるか否かを判定する処理を実行する。具体的には、ステップS1012では、今回の対応結果が非分岐対応結果であって開閉カウンタSOCの値が「2」であるか否かを判定する。
ここで、開閉カウンタSOCは第2大入賞口62が開放される度に1減算されるように設定されており、開閉カウンタSOCの値は「2」に初期設定されている。このため、開閉カウンタSOCの値が「2」であることは、第2大入賞口62の最初の開放であることを意味する。すなわち、非分岐対応結果である場合、第2大入賞口62の最初の開放に係る遊技球の入賞が前提条件となっている。
ステップS1013では、今回の対応結果が分岐対応結果であってラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。
ステップS1012又はステップS1013を肯定判定する場合、ステップS1014に進み、前提条件成立用処理を実行して、本大入賞口開閉処理を終了する。当該前提条件成立用処理は、第1実施形態の大入賞口開閉処理(図13)におけるステップS412〜ステップS417の処理と同一であるため、説明を省略する。
カウントカウンタCCの値が「1」でない場合、又は上記ステップS1012及びステップS1013の判定処理をいずれも否定判定する場合には、ステップS1015に進み、入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタPCの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞カウンタPCの値が「0」である場合には、本ラウンド遊技の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1016にて閉鎖用処理を実行し、本大入賞口開閉処理を終了する。当該閉鎖用処理は、第1実施形態のステップS419〜ステップS425の処理と同一であるため、説明を省略する。
タイマカウンタTの値が「0」である場合、ステップS1008を肯定判定し、ステップS1017に進む。ステップS1017では期間対応閉鎖処理を実行し、本大入賞口開閉処理を終了する。
期間対応閉鎖処理について図24のフローチャートを用いて説明する。期間対応閉鎖処理では、今回の閉鎖処理が前提条件の成否に係るものであるか否かを判定するとともに、前提条件の成否に係るものであると判定する場合に、前提条件の成否に応じた処理を実行する。
先ず、ステップS1101では、今回の対応結果が非分岐対応結果であって開閉カウンタSOCの値が「2」であるか否かを判定する。
ステップS1101を肯定判定する場合、今回の開放が前提条件の成否に係るものであったことを意味する。この場合、ステップS1102にて前提条件が成立したか否かを判定する。具体的には、カウントカウンタCCの値が「0」であるか否かを判定する。
カウントカウンタCCの値が「0」である場合、前提条件が成立しなかったことを意味する。この場合、継続当選に係る処理を実行する。具体的には、ステップS1103にて開閉カウンタSOCを1減算する更新処理を実行し、ステップS1104にてタイマカウンタTに「3000」をセットする。そして、ステップS1105にて、第1V入賞非対応継続当選コマンドの設定を行い、ステップS1106にて継続フラグをセットする。
その後、ステップS1107及びステップS1108の処理を実行し、本期間対応閉鎖処理を終了する。ステップS1107及びステップS1108の処理は第1実施形態のステップS601及びステップS602の処理と同一であるため、説明を省略する。
カウントカウンタCCの値が「0」でない場合、前提条件が成立していることを意味する。この場合、ステップS1102を肯定判定し、ステップS1109に進む。ステップS1109では開閉カウンタSOCを1減算する更新処理を実行し、ステップS1110に進む。ステップS1110ではタイマカウンタTに「3000」をセットする。ここで設定されたタイマカウンタTの値に応じた期間(6sec)が、第2大入賞口62の1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖期間となる。当該閉鎖期間は、第1実施形態の第1インターバル期間Ti1と同様に、振分期間Ta及び不成立用演出の演出期間Tbを合わせた期間よりも長くなるように設定されている。その後、ステップS1107及びステップS1108の処理を実行し、本期間対応閉鎖処理を終了する。
ステップS1101を否定判定する場合、ステップS1111にて、今回の対応結果が分岐対応結果であってラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。ステップS1111を肯定判定する場合、ステップS1112に進み、カウントカウンタCCが「0」であるか否かを判定する。カウントカウンタCCが「0」である場合には、前提条件不成立に係る処理を実行する。具体的には、ステップS1113にて開閉カウンタSOC及びラウンドカウンタRCに「0」をセットし、ステップS1114にてタイマカウンタTに「1250」をセットする。続くステップS1115では、継続条件不成立用コマンドを設定し、ステップS1107及びステップS1108の処理を実行し、本期間対応閉鎖処理を終了する。
カウントカウンタCCが「0」でない場合には、ステップS1112を否定判定し、ステップS1116に進む。ステップS1116ではラウンドカウンタRCを1減算する更新処理を実行するとともに、開閉カウンタSOCを「0」にセットする処理を実行する。これにより、1R目のラウンド遊技が終了したことをMPU112にて特定することができる。
そして、ステップS1117にてタイマカウンタTに「3000」をセットし、ステップS1107及びステップS1108の処理を実行し、本期間対応閉鎖処理を終了する。
ステップS1111を否定判定する場合、ステップS1118にて開閉カウンタSOCの値が「1」であるか否かを判定する。
ここで、非分岐対応結果である場合、1R目における第2大入賞口62の1回目の開放が完了した場合に開閉カウンタSOCの値が「1」となる(ステップS1103又はステップS1109参照)。また、分岐対応結果である場合には、1R目の第2大入賞口62の閉鎖に伴って開閉カウンタSOCの値が「0」になる(ステップS1113又はステップS1116参照)。このため、開閉カウンタSOCの値が「1」である場合とは、非分岐対応結果である状況において第2大入賞口62の2回目の開放が行われ、当該開放の期間が経過した場合であることを意味する。
この場合、ステップS1119に進み、開閉カウンタSOCに「0」をセットする。これにより、非分岐対応結果である場合、2R目以降の開閉カウンタSOCの値は「0」となる。
ステップS1118を否定判定する場合、又はステップS1119の処理の実行後は、ステップS1120に進み、閉鎖用処理を実行する。当該閉鎖用処理については第1実施形態の大入賞口開閉処理(図13)におけるステップS419〜ステップS425の処理と同一である。これにより、非分岐対応結果である状況において各R間のインターバル期間は同一となっている。
大入賞口開閉処理(図23)の説明に戻り、ステップS1003又はステップS1004の判定処理を肯定判定する場合、ステップS1018及びステップS1019にて、継続条件の成否に係る処理を実行する。これらの処理については第1実施形態のステップS427及びステップS428の処理と同様であるため、説明を省略する。
ここで、既に説明した通り、開閉カウンタSOCは第2大入賞口62の開放が行われる度に1減算されるものであるとともに、2R目以降のラウンド遊技においては「0」にセットされるものであるため、対応結果が非分岐対応結果であって開閉カウンタSOCが「1」である場合、1R目のラウンド遊技における1回目の第2大入賞口62の開放と2回目の第2大入賞口62の開放との間であることを意味する。つまり、対応結果が非分岐対応結果である場合には、継続条件の成否に係る処理を1R目と2R目のインターバル期間ではなく、1R目のラウンド遊技中に行うように設定されている。
継続条件の成否に係る処理について具体的には、先ずステップS1018にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合にはステップS1005に進む一方、継続フラグがセットされていない場合にはステップS1019にて分岐用処理を実行する。当該分岐用処理については第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略するが、分岐対応結果である状況においてV入賞した場合には、抽選によって待機期間を決定し、タイマカウンタTの値を当該待機期間に対応した数値に書き換える。一方、非分岐対応結果である状況においては、V入賞した場合又は遊技球が排出された場合のいずれにおいても次の開放が行われるまでの残り期間を把握し、当該残り期間に合わせた演出が行われるようにする。
遊技状態移行処理(図21)の説明に戻り、大入賞口開閉処理の実行後は、ステップS911に進む。ステップS911では、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つ開閉カウンタSOCの値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタRC又は開閉カウンタSOCのいずれかが「0」でない場合には、本遊技状態移行処理を終了する一方、ラウンドカウンタRC及び開閉カウンタSOCの値が「0」である場合には、ステップS912に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する処理を実行する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま遊技状態移行処理を終了する一方、タイマカウンタTが「0」である場合には、ステップS913に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
次に、各対応結果において第2大入賞口62への遊技球の入賞がなかった場合の開閉実行パターンについて図25のタイミングチャートを用いて説明する。図25(A)は分岐対応結果である場合のタイミングチャート、図25(B)は非分岐対応結果である場合のタイミングチャートである。
図25(A),(B)に示すように、t1のタイミングにて第2大入賞口62が開放され、t2のタイミングにて遊技球が入賞することなく第2大入賞口62が閉鎖される。この場合、不成立用演出が開始される。
その後、t2のタイミングに対して不成立用演出の演出期間Tbが経過したt3のタイミングにて不成立用演出が終了する。つまり、t1〜t3のタイミングまでの態様は、各対応結果において同一となっている。
ここで、非分岐対応結果である場合には、図25(B)に示すように、復活当選表示が開始される。その後、t3のタイミングに対して復活当選表示期間Tcが経過したt4のタイミングにて、第2大入賞口62の2回目の開放が行われる。当該復活当選表示期間Tcと不成立用演出の演出期間Tbとを合わせた期間Tk1が、1R目のラウンド遊技における1回目の開放と2回目の開放との間の非分岐用閉鎖期間Tk1となっている。非分岐用閉鎖期間Tk1は、予め定められた一定期間となっており、不成立用演出の演出期間Tbよりも長く設定されている。復活当選表示期間Tcは、非分岐用閉鎖期間Tk1から不成立用演出の演出期間Tbを引いた期間となっている。
その後、t5のタイミングにて、1R目のラウンド遊技が終了し、第2大入賞口62が閉鎖される。そして、t5のタイミングから予め定められたインターバル期間Tiが経過したt6のタイミングにて2R目のラウンド遊技が行われ、第1大入賞口101が開放される。
また、t6のタイミングにて復活当選表示が終了する。すなわち、t3のタイミングからt6のタイミングまでの期間が、復活当選表示が行われる期間である。
その後、t7のタイミングにて2R目のラウンド遊技が終了し、第1大入賞口101が閉鎖される。そして、t7のタイミングからインターバル期間Tiが経過したt8のタイミングにて3R目のラウンド遊技が開始される。つまり、各R間のインターバル期間Tiは一定となっている。これにより、各ラウンド遊技の開始タイミングを比較的容易に把握することができる。
すなわち、大入賞口62,101が閉鎖しているインターバル期間Tiが設けられている場合、遊技者として大入賞口62,101への入賞が期待できないため、インターバル期間Ti中には遊技球を発射することなく待機することが考えられる。そして、次のラウンド遊技の開始タイミングに合わせて遊技球を発射しようとする。この場合、遊技球が発射されてから各大入賞口62,101に入球するまでに所定の期間を要するため、遊技者としては予め次のラウンド遊技の開始タイミングを予測し、その開始タイミングに各大入賞口62,101に対して遊技球が到達しているように上記開始タイミングよりも前のタイミングにて遊技球の発射を開始させたい事情が生じる。特に、本パチンコ機10におけるラウンド遊技の終了条件には上限期間が設定されているため、なるべく開始タイミングに合わせて遊技球の入賞を図りたいと考えられる。
この点、本実施形態によれば、各R間のインターバル期間Tiが一定であるため、次のラウンド遊技の開始タイミングを把握し易い。これにより、予め次のラウンド遊技の開始タイミングを予測して遊技球の発射タイミングを調整することができるため、遊技者に対して有利な状況を付与することができる。よって、開閉実行モード中の遊技の注目度を高めることができる。
次に、各対応結果においてV入賞した場合の開閉実行パターンについて図26のタイミングチャートを用いて説明する。図26(A)は分岐対応結果である場合のタイミングチャート、図26(B)は非分岐対応結果である場合のタイミングチャートである。なお、説明の便宜上、各対応結果において第2大入賞口62が閉鎖されるタイミング(t2のタイミング)に対して直前のタイミングにて第2大入賞口62への入賞が行われ、同一タイミング(t4のタイミング)にて第2大入賞口62に入賞した遊技球が排出されたとする。この場合、図面の関係上、第2大入賞口62への入賞タイミングと第2大入賞口62の閉鎖タイミングとは同時として示す。
図26(A),(B)に示すように、t11のタイミングにて第2大入賞口62が開放される。そして、t11のタイミングから0.2sec経過後のt12のタイミングに対して直前のタイミングにて第2大入賞口62に遊技球が入賞し、期待リーチ表示が開始される。そして、t12のタイミングにて第2大入賞口62が閉鎖される。
その後、t13のタイミングにて遊技球がV入賞する。t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間Taが、第2大入賞口62に入賞した遊技球のV入賞振分判定が行われるのに要する振分期間Taである。さらに、t13のタイミングでは、期待リーチ表示が終了し、継続当選表示が開始される。
ここで、分岐対応結果である場合には、図26(A)に示すように、t13のタイミングから抽選によって決定された第1継続当選表示期間Td1が経過したt14のタイミングにて2R目のラウンド遊技が行われ、第1大入賞口101が開放される。この場合、振分期間Ta及び第1継続当選表示期間Td1を合わせた期間Tk2が、分岐対応結果において各大入賞口62,101が閉鎖している分岐用閉鎖期間Tk2である。
分岐対応結果においてt12のタイミングは1R目のラウンド遊技の終了タイミングであり、t14のタイミングが2R目のラウンド遊技の開始タイミングであるため、分岐用閉鎖期間Tk2は1R目のラウンド遊技と2R目のラウンド遊技とのインターバル期間であるとも言える。
一方、非分岐対応結果である場合には、図26(B)に示すように、t13のタイミングから第2継続当選表示期間Td2が経過したt15のタイミングにて、第2大入賞口62の2回目の開放が行われる。振分期間Ta及び第2継続当選表示期間Td2を合わせた期間Tk1が、非分岐対応結果において各大入賞口62,101が閉鎖している非分岐用閉鎖期間Tk1である。第2継続当選表示期間Td2は、第1実施形態と同様に、振分期間Taの変動に対応させて、非分岐用閉鎖期間Tk1が一定となるように設定されている。
そして、t16のタイミングにて1R目のラウンド遊技が終了し、第2大入賞口62の2回目の開放が終了する。その後、t16のタイミングからインターバル期間Tiが経過したt17のタイミングにて2R目のラウンド遊技が開始され、第1大入賞口101が開放される。この場合、各分岐対応結果において継続当選表示が終了する。
すなわち、非分岐対応結果である状況において遊技球がV入賞した場合、1R目のラウンド遊技において第2大入賞口62の2回目の開放が行われる。これにより、第2大入賞口62の2回目の開放が行われるか否かに注目することで、今回の対応結果が分岐対応結果か非分岐対応結果かを特定することができる。よって、遊技者は、第2大入賞口62への遊技球の入賞が行われた後、V入賞振分判定結果及び第2大入賞口62に注目することとなる。したがって、遊技への注目度を高めることができる。
なお、t17のタイミング以降の態様については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、非分岐対応結果である状況において第2大入賞口62に入賞した遊技球が排出される場合、第1実施形態と同様に、上記遊技球の排出に基づいて不成立用演出が行われ、当該不成立用演出が終了後に第2大入賞口62の2回目の開放が行われるようになっている。具体的には、振分期間Ta、不成立用の演出期間Tb、及び復活当選表示期間Tcが確保されるように非分岐用閉鎖期間Tk1が設定されている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
分岐対応結果である場合、1R目のラウンド遊技において第2大入賞口62を1回開放されるように設定する一方、非分岐対応結果である場合、1R目のラウンド遊技中に第2大入賞口62が2回開放されるようにした。これにより、2回目の開放が行われたことに基づいて、今回の対応結果が非分岐対応結果であることを認識することができる。
この場合、1回目の開放と2回目の開放との間の非分岐用閉鎖期間Tk1中にV入賞振分判定及び復活当選表示が行われるように設定し、当該V入賞振分判定及び復活当選表示が行われた後に2回目の開放が行われるようにした。これにより、開閉実行モードにおいて、各可変入賞装置36,37だけでなく、復活当選表示(図柄表示装置51)への注目度を高めることができる。
すなわち、開閉実行モード中は各可変入賞装置36,37の開閉が行われ、これら可変入賞装置36,37への入賞に基づいて特典が付与されるため、これら可変入賞装置36,37に対する注目度が高まる一方、図柄表示装置51への注目度は低下する。これに対して、本実施形態によれば、第2可変入賞装置37の開閉態様に基づいて非分岐対応結果であることが特定可能となるタイミングよりも前のタイミングにて、図柄表示装置51にて復活当選表示が行われることにより、今回の対応結果が非分岐対応結果であることが特定可能となる。これにより、各可変入賞装置36,37だけでなく、図柄表示装置51への注目度を高めることができる。
1R目のラウンド遊技の開始タイミングにて1回目の第2大入賞口62を開放させ、1R目のラウンド遊技の終了タイミングにて2回目の第2大入賞口62を閉鎖させるようにした。これにより、1R目のラウンド遊技内に閉鎖期間Tk1,Tk2を設けることによって1R目のラウンド遊技の期間が不明確になるのを抑制することができる。
非分岐対応結果において各R間のインターバル期間Tiは同一に設定されている。これにより、各ラウンド遊技の開始タイミングを比較的容易に把握することができる。よって、ラウンド遊技の開始タイミングに合わせて遊技球の発射を行うことができ、遊技者に有利な状況を付与することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、第2可変入賞装置37と第1可変入賞装置36とが区別して設けられていたが、これに限られず、例えば第2可変入賞装置37のみを設け、分岐対応結果において継続条件が成立した場合には第2可変入賞装置37を長期間態様で開放させる構成としてもよい。但し、継続条件の成否に注目すべきタイミングと、ラウンド遊技を消化するタイミングとを明確に把握できる点に着目すれば、2つの可変入賞装置を設ける構成の方がよい。
(2)上記各実施形態では、継続条件は、(A)第2大入賞口62への入賞、及び(B)第2大入賞口62に入賞した遊技球のV入賞となっていたが、これに限られず、例えば(A)の条件のみでもよい。
また、遊技領域に、第2可変入賞装置37への入賞に基づいて開放状態となる第3可変入賞装置を設け、継続条件として当該第3可変入賞装置への入賞を設定してもよい。
(3)上記各実施形態では、第2大入賞口62が開放されている状況においてV入賞振分判定が行われないように第2大入賞口62の上限開放期間及び誘導通路75の距離が設定されていたが、これに限られず、第2大入賞口62が開放されている状況においてV入賞振分判定が行われ得る構成としてもよい。具体的には、例えば大入賞口開閉処理(図13等)においてステップS401を肯定判定する場合、開放されている大入賞口が第2大入賞口62であるか否かを判定する。そして、第2大入賞口62であると判定する場合には、ステップS427及びステップS428の処理を実行し、ステップS407に進むようにする。但し、かかる構成の場合、第2大入賞口62への入賞とV入賞振分判定とが同時に行われることとなるため、遊技者の注意が散漫となり得る。また、分岐用処理と、第2大入賞口62の入賞に係る処理又は期間対応閉鎖処理とが同一の処理回で行われる場合があり、局所的な処理負荷の増大が懸念される。これらの点を鑑みれば、第2大入賞口62が開放されている状況においてV入賞振分判定が行われないようにする構成の方が優れている。
(4)上記各実施形態では、1R目のラウンド遊技において継続条件又は演出の分岐条件の成否に係る処理を実行したが、これに限られず、2R目、3R目、・・・、等のラウンド遊技にて上記処理を実行する構成としてもよい。この場合、継続条件又は演出の分岐条件の成否に係るラウンド遊技が行われるまでの各可変入賞装置36,37の開閉態様を同一又は不規則に設定することで、いずれの対応結果に当選しているかを識別不可にする。
また、継続条件の成否に係る処理を行うラウンド遊技を内部抽選で決定する構成としてもよい。
(5)上記各実施形態において、各対応結果におけるラウンド数は16回で同一となっていたが、これに限られず、異ならせてもよい。この場合、メイン表示部43の他にラウンドの回数を報知するラウンド表示部を別途設けるとよい。これにより、遊技ホールの管理者は、ラウンド回数を把握することで今回の対応結果を把握することができる。よって、分岐対応結果である状況において非分岐対応結果の態様で動作させる不正行為を容易に確認することができる。
(6)上記各実施形態において、カウンタ情報格納エリア114aに複数の保留エリアと実行エリアを設け、作動口38,39に遊技球が入賞する度に順次保留エリアにその時点における大当たり乱数カウンタC1等の各種数値情報を記憶させ、メイン表示部43の変動表示を行う場合に、保留エリアに記憶されている情報を実行エリアにシフトさせて当該実行エリアに記憶されている数値情報に基づいて当否判定を行う構成としてもよい。
この場合、上作動口38への入賞に係る保留情報と下作動口39への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口39への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口38への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合に、上作動口38への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口39への入賞に基づき取得された保留情報とで、非分岐対応結果に当選する確率が相違する構成としてもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口38に対応した第1作動口と、下作動口39に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル27の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口38への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口39への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。
(7)上記各実施形態において、継続条件が成立した場合に表示される大当たり図柄の組み合わせを、各対応結果に応じて変更する構成としてもよい。例えば、分岐対応結果である場合には、主図柄のうち偶数を示すものからなる大当たり図柄の組み合わせを表示させ、非分岐対応結果である場合には、主図柄のうち奇数を示すものからなる大当たり図柄の組み合わせを表示させる構成としてもよい。これにより、表示画面Gに表示される停止結果に基づいてどちらの対応結果に当選したかを予測することができる。
また、この場合、非分岐対応結果である場合であっても偶数の主図柄からなる大当たり図柄の組み合わせが停止表示され得るようにするとよい。これにより、偶数の主図柄からなる大当たり図柄の組み合わせが停止表示された場合であっても非分岐対応結果である可能性があるため、開閉実行モードの終了時の遊技状態が高頻度サポートモードになることを期待して遊技を行うことができる。
(8)上記各実施形態では、短期間態様における上限開放期間が遊技球の発射周期よりも短い期間に設定されていたが、これに限られず、上限個数の入賞が生じ得ない範囲内で、遊技球の発射周期以上の期間に設定してもよい。この場合、第2大入賞口62への入賞が2回以上行われる場合が生じ得るが、カウントカウンタCCが「1」である場合にのみ前提条件成立用処理が実行されるようになっているため、期待リーチ表示が行われている途中で確定リーチ表示に切り換わるといった不都合が生じ得ない。
(9)上記各実施形態では、復活当選である場合、一旦擬似的に不成立用演出を表示させ、その後復活当選表示を行う構成としたが、これに限られず、不成立用演出を介することなく復活当選表示を行う構成としてもよい。この場合、不成立用演出に要する期間の分だけ次のラウンド遊技が開始されるタイミングを早めることができるため、遊技のスムーズな進行を図ることができる。但し、非分岐対応結果の態様を分岐対応結果の態様に類似させる点に着目すれば、擬似的に不成立用演出を行う構成の方が好ましい。
(10)第2可変入賞装置37への入賞が発生した場合にはその後に新たな開放が行われ、第2可変入賞装置37への入賞が発生しなかった場合にはその後に新たな開放が行われない構成に代えて、第2可変入賞装置37への入賞が発生した場合には長期間態様といったラウンド遊技の上限個数以上の入賞が期待される開放が行われ、第2可変入賞装置37への入賞が発生しなかった場合には短期間態様といったラウンド遊技の上限個数以上の入賞が期待できない開放が行われる構成としてもよい。この場合、第2可変入賞装置37への入賞が発生するか否かの注目度の向上を図りながら、開閉実行モード中の開放回数を一定のものとすることができる。
(11)ラウンド遊技の終了条件として、可変入賞装置36,37への上限個数の遊技球の入賞が発生することが設定されている構成に代えて、例えば可変入賞装置36,37に終了契機口を設けるとともに、ラウンド遊技の経過期間が所定の経過期間となった場合に当該終了契機口への入球が可能となる構成とし、さらに当該終了契機口に遊技球が入球した場合にラウンド遊技が終了する構成としてもよい。
また、ラウンド遊技の終了条件として、ラウンド遊技の開始タイミングからの可変入賞装置36,37への入賞個数や継続期間が設定されている構成に代えて、例えばラウンド遊技が開始されて可変入賞装置36,37への最初の入賞が発生してからの可変入賞装置36,37への入賞個数や継続期間が終了条件として設定されている構成としてもよい。
また、ラウンド遊技の終了に際して可変入賞装置36,37が閉鎖される構成に代えて、可変入賞装置36,37が開放された状態のまま、ラウンド遊技の遷移が発生する構成としてもよい。
(12)各パターンの開閉実行モードにおける可変入賞装置の開放回数や開放態様の設定パターンは、上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、上記各実施形態にて個別に説明した作用効果の少なくともいずれかを奏することができるのであれば、任意である。
また、各ラウンド遊技の上限個数は、上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、上記各実施形態にて個別に説明した作用効果の少なくともいずれかを奏することができるのであれば、任意である。さらにはラウンド数規定モードの種類に応じて当該上限個数が相違している構成としてもよく、同一のラウンド数規定モードのラウンド遊技間で当該上限個数が相違している構成としてもよい。
(13)上限開放期間を相違させることで可変入賞装置36,37の開放態様を複数種類設定する構成に加えて又は代えて、半開きや全開きといった可変入賞装置36,37の開放度合いを相違させることで可変入賞装置36,37の開放態様を複数種類設定する構成としてもよい。
(14)サポート種別カウンタC2を不具備とし、大当たり乱数カウンタC1の数値情報を用いて、各対応結果の振分が行われる構成としてもよい。
(15)開閉実行モードの終了後の遊技状態として、非分岐対応結果に当選する確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを設定する構成としてもよい。
(16)上記第1実施形態では、分岐対応結果である状況においてV入賞した場合に設定される第1継続当選表示期間Td1は抽選によって変動するように設定されていたが、これに限られず、予め定められた一定期間としてもよい。但し、第1継続当選表示期間Td1に基づいて対応結果が把握されにくい点に着目すれば、変動する構成の方が好ましい。
(17)上記第1実施形態では、分岐対応結果である場合の第1インターバル期間Ti3は変動する一方、非分岐対応結果である場合の第1インターバル期間Ti1は変動しないようになっていたが、これに限られず、例えば両者とも一定期間とする構成としてもよいし、両者ともV入賞タイミングに応じて変動する変動期間とする構成としてもよい。但し、V入賞とラウンド遊技との関連付けを行いつつ、遊技ホールの管理の容易性を確保する点に着目すれば、第1実施形態の構成の方が優れている。
(18)上記第2実施形態では、非分岐用閉鎖期間Tk1には復活当選表示期間Tc又は第2継続当選表示期間Td2が含まれていたが、これに限られず、例えば各当選表示期間Td1,Td2を省略してもよい。この場合、遊技球の振り分けが行われた後、直ちに第2大入賞口62の2回目の開放が行われる。係る構成であっても、振分タイミングから2R目の開始タイミングまでに、第2大入賞口62の開放期間及びインターバル期間Tiが設けられているため、当該期間中に継続当選又は復活当選に係る演出を行うことができる。但し、擬似的な不成立用演出及び復活当選表示に係る期間を十分に確保する点に鑑みれば、各当選表示期間Td1,Td2を設ける構成の方が好ましい。
また、分岐用閉鎖期間Tk2についても同様に、第1継続当選表示期間Td1を省略してもよい。
(19)上記第2実施形態では、復活当選表示期間Tc、第2大入賞口62の2回目の開放期間及びインターバル期間Tiを合わせた期間に亘って復活当選表示を行う構成としたが、これに限られず、例えば第2大入賞口62の2回目の開放開始タイミング(図25におけるt4のタイミング)から2R目のラウンド遊技の開始タイミング(図25におけるt6のタイミング)までに亘って復活当選表示を行う構成としてもよい。かかる構成によれば、復活当選表示の開始タイミングと第2大入賞口62の2回目の開放開始タイミングとが同期し、第2大入賞口62が開放されるまでどちらの対応結果であるか特定することが困難となる。この場合であっても、第2大入賞口62の2回目の開放期間及びインターバル期間Tiを用いて復活当選表示を行うことができるため、復活当選表示を行う期間は確保されている。但し、復活当選表示への注目度を高めることに着目すれば、復活当選表示の開始タイミングを第2大入賞口62の2回目の開放開始タイミングよりも前にするとよい。
(20)上記第2実施形態では、1R目のラウンド遊技における第2大入賞口62の開放回数は2回に設定されていたが、これに限られず、3回、4回、・・・,n回としてもよい。要は、ラウンド遊技の開始タイミングにて第2大入賞口62が開放され、ラウンド遊技の終了タイミングにて第2大入賞口62が閉鎖されるようになっているとともに、当該ラウンド遊技内において閉鎖期間が確保されていればよい。但し、インターバル期間中に継続条件の成否が確定しないように、閉鎖期間後の第2大入賞口62の開放に係る遊技球の入賞は前提条件に含めないようにするとよい。
なお、例えば1R当たりに第2大入賞口62がn回以上(n:3以上の整数)開放される場合には、1回目〜n−1回目の開放のうちいずれかの開放において遊技球が入賞したことを継続条件の前提条件としてもよく、各回の開放における遊技球の入賞を前提条件としてもよい。
(21)上記第2実施形態では、非分岐対応結果において1R目のラウンド遊技中に第2大入賞口62に入賞した遊技球のV入賞振分判定が行われる構成としたが、これに限られず、例えば2R目のラウンド遊技中に上記V入賞振分判定を行う構成としてもよい。具体的には、1R目のラウンド遊技では、最初に第2大入賞口62を短期間態様で開放させる。その後、インターバル期間Tiが経過した後に一旦第1大入賞口101を短期間態様で開放させる。そして、V入賞振分判定の完了後に再び第1大入賞口101を長期間態様で開放させる。この場合、短期間態様における遊技球の入賞個数及び長期間態様における入賞個数の和が上限個数となった場合に2R目のラウンド遊技を終了する構成とする。
(22)上記第2実施形態において、1R目のラウンド遊技の第2大入賞口62の開閉態様が、分岐対応結果においてV入賞した場合と、非分岐対応結果においてV入賞した場合とで異なっていたが、これに限られず、同一態様としてもよい。これにより、どちらの対応結果に当選したかを予測しながら遊技を行うことができる。
(23)上記各実施形態では、継続条件として、第2大入賞口62への入賞が設定されていたが、これに限られず、例えば予め定められた特定期間内に各作動口38,39に特定数の遊技球が入球すること、としてもよい。この場合、特定期間の経過タイミングが継続条件の成否が確定する確定タイミングとなる。
(24)上記各実施形態では、非分岐対応結果である状況において抽選処理にて当選した場合に確定リーチ表示を行う構成としたが、これに限られず、例えば非分岐対応結果であってサポート付当選結果である場合に確定リーチ表示を行う構成としてもよい。
(25)上記第2実施形態では、非分岐対応結果である状況において1R目のラウンド遊技の1回目の開放と2回目の開放との間の非分岐用閉鎖期間Tk1が一定となっていたが、これに限られず、例えば変動させる構成としてもよい。具体的には、分岐用処理(図16)において、非分岐対応結果である状況でV入賞した場合の待機期間(第2継続当選表示期間)を抽選によって決定し、タイマカウンタTの値を上記決定された待機期間に対応した値に書き換える処理を実行するとよい。この場合、振分判定が行われた後に待機期間が設定されることとなるため、振分判定が行われた後に第2大入賞口62の2回目の開放が行われることとなる。
(26)上記第1実施形態では第1インターバル期間Ti1,Ti3、上記第2実施形態では各閉鎖期間Tk1、Tk2中に、継続条件又は演出内容の分岐条件の成否に係る事象が発生したか否かを判定する構成としたが、これに限られず、例えば第1インターバル期間Ti1,Ti3又は各閉鎖期間Tk1、Tk2中の遊技状況に応じて、その後の演出態様を決定付ける構成としてもよい。具体的には、例えば遊技盤31に遊技球が入球可能な特定入球口を設け、1R目のラウンド遊技に係る第2大入賞口62の開放が終了することに基づいて、所定の期間に亘って上記特定入球口が開放されるようにする。そして、特定入球口に遊技球が入球した場合とそうでない場合とで、その後のラウンド遊技における演出態様が異なるように設定する。この場合、第1インターバル期間Ti1,Ti3又は各閉鎖期間Tk1、Tk2を上記所定の期間よりも長く設定する。これにより、その後の演出態様を決定付ける所定の期間を確保しつつ、その後の可変入球制御(2R目以降のラウンド遊技)を行うことができる。
また、第1インターバル期間Ti1,Ti3中に演出態様を決定する構成としたことにより、遊技者は、各可変入賞装置36,37の開放態様ではなく、演出態様を決定付ける様子に注目することとなる。これにより、演出態様を決定付ける様子を好適に視認させることができる。
さらに、特定制御状態において特典が付与される期待度が相対的に高低となる高期待度モードと低期待度モードとを設け、第1インターバル期間Ti1,Ti3中に、一旦低期待度モードに当選したことを報知し、その後高期待度モードに当選したことを報知する昇格演出を実行する構成としてもよい。これにより、特定制御状態中の遊技への注目度を高めることができる。
なお、期待度が相対的に高低となる構成としては、例えば高期待度モードの方が低期待度モードよりも第1可変入賞装置36が開放状態となっている期間が長く設定されていたり、ラウンド遊技回数が多く設定されている構成などが考えられる。
また、対応結果の種類は非分岐対応結果のみでもよい。この場合であっても、遊技状況に応じて演出態様が分岐するため、遊技への注目度を高めることができる。
(27)上記各実施形態では、各対応結果において、開閉実行モードの開始タイミングから復活当選表示が行われるまでの各可変入賞装置36,37の開閉態様及び表示画面Gにて表示される表示態様は同一に設定されていたが、これに限られず、例えば上記開閉態様及び表示態様が、各対応結果に関わらず不規則に決定する構成としてもよい。換言すれば、上記各実施形態では、開閉実行モードにおいて、開閉実行モードの開始タイミングから、上記開閉態様及び表示態様が各対応結果に関わらず共通している共通期間が設定されている構成としたが、これに代えて、上記開閉態様及び表示態様が各対応結果に関わらず不規則に決定される不規則期間が設定されている構成としてもよい。要は、開閉実行モードの開始タイミングから復活当選表示が行われるまで(継続条件の成否に係る事象の発生の有無が確定するタイミングまで)の上記開閉態様及び表示態様(又はそのいずれか一方)が識別不可となるように設定されていればよい。
また、V入賞した場合には、各対応結果において共通の態様でその後の開閉実行モードが行われる構成とすることにより、どちらの対応結果に当選しているかの把握を困難にしたが、これに限られず、例えばV入賞した後の態様が不規則に決定される構成としてもよい。この場合であっても、どちらの対応結果に当選しているのか分からないため、どちらの対応結果であるかを予測しながら遊技を行うことができる。要は、V入賞した場合におけるその後の態様は、どちらの対応結果に対応したものであるか識別不可となっていればよい。
(28)上記各実施形態では、分岐対応結果である場合には、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードとならないように構成されていたが、これに限られず、例えば分岐対応結果においてV入賞した場合には、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードが設定され得る構成としてもよい。具体的には、分岐対応結果においてV入賞した場合には、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードが設定されるか否かの抽選を行う構成とする。この場合、非分岐対応結果において高頻度サポートモードが設定されるか否かの抽選の当選確率を、分岐対応結果においてV入賞した場合に実行される抽選の当選確率よりも高く設定するとよい。これにより、非分岐対応結果における優位性は確保されている。
(29)上記各実施形態では、対応結果として分岐対応結果と非分岐対応結果とを設けたが、これに限られず、例えばいずれか一方のみが設定されている構成としてもよい。
(30)上記第1実施形態では、カウントカウンタCCが0の場合にステップS713〜ステップS719の処理を実行する一方、カウントカウンタCCが0でない場合にはそのまま分岐用処理を終了する構成としたが、これに限られず、例えばカウントカウンタCCが0でない場合に、先のラウンド遊技が停止してから第1インターバル期間Ti1,Ti3よりも短い特定期間が経過したか否かを判定する処理を実行し、当該特定期間が経過した場合には、ステップS713〜ステップS719の処理を実行する構成としてもよい。これにより、仮に遊技球が第2可変入賞装置37内で留まることによりカウントカウンタCCが0にならない場合であっても、エラーとなることなく復活当選表示又は不成立用演出を行うことができる。
また、第2実施形態についても同様に、1R目のラウンド遊技において1回目の開放が終了してから、閉鎖期間Tk1,Tk2よりも短い特定期間が経過したか否かを判定する処理を実行し、当該特定期間が経過した場合には、ステップS713〜ステップS719の処理を実行する構成としてもよい。
なお、上記構成においては、演出期間が特定期間の経過タイミングから次のラウンド遊技の開始タイミングまでの期間に設定された時短用復活当選表示及び時短用不成立用演出を設け、カウントカウンタCCが0でない状況において上記特定期間が経過した場合には、上記時短用復活当選表示又は時短用不成立用演出を実行する構成とするとよい。
(31)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構131)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置36,37)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置110のMPU112における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて特典を付与する特典付与手段(払出制御装置120において賞球コマンドに基づいて払出装置121を制御する機能)と、
予め定められた条件が成立したことに基づいて、前記可変入球制御が特定回数に亘って行われる特定制御状態(開閉実行モード)に設定する特定制御設定手段(主制御装置110のMPU112における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記特定制御状態として、特定制御状態中に特定事象が発生することに基づき、その後に前記可変入球制御が特定態様で継続して実行されることとなる第1特定制御状態に設定する第1設定手段(主制御装置110のMPU112において分岐対応結果に対応した処理を実行する機能)と、
前記特定制御状態として、前記特定事象の発生の有無に関係なく、前記第1特定制御状態において前記特定事象が発生しなかった場合よりも特典の付与の期待度が高い前記可変入球制御が実行されることとなる第2特定制御状態に設定する第2設定手段(主制御装置110のMPU112において非分岐対応結果に対応した処理を実行する機能)と、
前記第2特定制御状態において、その開始タイミングから、前記第1特定制御状態において前記特定事象が発生し得るタイミングに対応するタイミングまでは、前記可変入球手段の動作態様からは前記第1特定制御状態及び前記第2特定制御状態のいずれであるか識別不可となるように前記可変入球制御の態様を決定する態様決定手段(主制御装置110のMPU112における大入賞口開放処理、分岐用処理、期間対応閉鎖処理、ステップS411〜ステップS417の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第2特定制御状態において、その開始タイミングから、第1特定制御状態における特定事象が発生し得るタイミングに対応するタイミングまでは、可変入球手段の動作態様からは、第1特定制御状態と第2特定制御状態とが識別不可となっているため、上記対応するタイミングまではどちらの特定制御状態かを特定することができなくなっている。これにより、仮に特定事象が発生しなかった場合であっても、遊技者は、即座にあきらめるのではなく、第2特定制御状態であることを期待することとなる。よって、特定事象が発生しなかった場合であっても期待感を維持することができる。したがって、特定制御状態における遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A2.前記特定事象は、所定回数目の前記可変入球制御において開放対象となっている前記可変入球手段への入球が発生すること又は当該入球に基づき生じる事象であり、
前記態様決定手段は、前記第2特定制御状態において、その開始タイミングから、前記所定回数目の前記可変入球制御(第1実施形態において1R目のラウンド遊技に係る第2大入賞口62の開放、第2実施形態において1R目のラウンド遊技に係る第2大入賞口62の1回目の開放)までは、前記可変入球手段の動作態様からは前記第1特定制御状態及び前記第2特定制御状態のいずれであるか識別不可となるように前記可変入球制御の態様を決定するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、各特定制御状態において、その開始タイミングから特定事象の発生の有無に係る所定回数目の可変入球制御までは、第1特定制御状態及び第2特定制御状態のいずれであるか識別不可となっている。この場合、各特定制御状態において、特定制御状態の開始から所定回数目の可変入球制御までの可変入球制御の回数が同一となっているため、可変入球制御が行われる回数に基づく特定制御状態の特定が困難となっている。これにより、可変入球制御が行われる回数に基づいていずれの特定制御状態であるかを特定される不都合を回避することができる。
特徴A3.前記可変入球手段として、当該可変入球手段に入球した遊技球が通過可能である継続用通過部(V入賞用通過部81)、及び当該可変入球手段に入球した遊技球を前記継続用通過部とそれとは異なる位置とのうちいずれかに振り分ける振分手段(回転体93)を有する分岐対応の可変入球手段(第2可変入賞装置37)を備え、
前記特定事象は、前記可変入球制御において開放対象となっている前記分岐対応の可変入球手段への入球が発生し、且つその入球した遊技球が前記継続用通過部を通過することであり、
前記態様決定手段は、前記第2特定制御状態における所定回数目の前記可変入球制御(第1実施形態において1R目のラウンド遊技に係る開放、第2実施形態において1R目のラウンド遊技に係る1回目の開放)において前記分岐対応の可変入球手段が制御対象となるようにするとともに、当該所定回数目の可変入球制御までは、前記可変入球手段の動作態様からは前記第1特定制御状態及び前記第2特定制御状態のいずれであるか識別不可となるように前記可変入球制御の態様を決定するものであることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2特定制御状態において、特定事象の発生に有無に係る分岐対応の可変入球手段の可変入球制御を行うことにより、第2特定制御状態であるにも関わらず第1特定制御状態であると遊技者を誤認させることができる。これにより、第2特定制御状態であっても分岐対応の可変入球手段への入球及び振分手段による振分に対して注目させることができる。一方、第1特定制御状態において分岐対応の可変入球手段への入球がなかった場合又は振分手段によって継続用通過部とは異なる位置に振り分けられた場合であっても、遊技者の期待感を維持することができる。
特徴A4.前記継続用通過部を遊技球が通過したか否かを把握する把握手段(V入賞用検知センサ83、排出用検知センサ86)と、
前記第1特定制御状態において前記把握手段により前記継続用通過部を遊技球が通過したことが前記把握手段により把握された場合に、その後に前記可変入球制御が前記特定態様で継続されるようにする継続設定手段(主制御装置110のMPU112においてステップS705〜ステップS708の処理を実行する機能)と、
を備えており、
さらに、前記第2特定制御状態における前記所定回数目の前記可変入球制御から次の前記可変入球制御までの特定閉期間(第1実施形態における第1インターバル期間Ti1、第2実施形態における非分岐用閉鎖期間Tk1)は、前記分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球してからその遊技球が前記継続用通過部を通過したことが前記把握手段により把握されるのに要する最長期間(振分期間Ta)よりも長い期間に設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球してからその遊技球が継続用通過部を通過したことが把握手段により把握されるのに要する最長期間よりも特定閉期間は長く設定されているため、継続用通過部を遊技球が通過するか否か分からない状態中に次の可変入球制御が開始されることがない。これにより、継続用通過部を遊技球が通過するか否か分からない状態中に次の可変入球制御が行われることで第2特定制御状態であると特定される不都合を回避することができる。
特徴A5.前記第1特定制御状態において前記特定事象が発生しなかった場合に、その可変入球制御後における閉期間において不成立演出を演出実行手段(図柄表示装置51)にて実行させる不成立演出用の制御手段(音声発光制御装置140のMPU142において不成立用演出を実行する機能)を備え、
当該不成立演出用の制御手段は、前記第2特定制御状態において、前記所定回数目の前記可変入球制御が行われた場合であって前記特定事象が発生しなかった場合に、前記所定回数目の前記可変入球制御から次の前記可変入球制御までの特定閉期間(第1実施形態における第1インターバル期間Ti1、第2実施形態における非分岐用閉鎖期間Tk1)において前記不成立演出を実行させるものであることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特定事象が発生しなかった場合には、各特定制御状態において不成立演出が所定回数目の可変入球制御後に共通して行われる。これにより、第1特定制御状態と第2特定制御状態との識別性が低下する。よって、不成立演出が行われた場合であっても、第2特定制御状態であることを期待することができるため、特定制御状態の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A6.前記第2特定制御状態において前記不成立演出に続けて継続演出を演出実行手段にて実行させる継続演出用の制御手段(音声発光制御装置140のMPU142において復活当選表示を実行する機能)を備え、
前記特定閉期間は、前記不成立演出用の制御手段による前記不成立演出を終了し、且つ前記継続演出を開始することが可能な期間に設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、不成立演出が行われてから継続演出が行われることで、第2特定制御状態であることを認識することができる。この場合、次の可変入球制御が継続演出と同時又は当該継続演出より前に実行されると、遊技者は次の可変入球制御に対して注目することとなり、継続演出への注目度が低下するおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、特定閉期間中に不成立演出を終了し、継続演出を開始することが可能となっている。これにより、継続演出の開始後に次の可変入球制御を行うことができ、継続演出への注目度を高めることができる。
特徴A7.前記特定閉期間は、前記第2特定制御状態中における他の連続する前記可変入球制御間の閉期間(第1実施形態における第2インターバル期間Ti2、第2実施形態におけるインターバル期間Ti)よりも長く設定されていることを特徴とする特徴A4乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、他の閉期間を特定閉期間よりも短くすることで、特定閉期間においては演出を重視することが可能となり、他の閉期間においては第2特定制御状態の消化率を重視することが可能となる。これにより、第2特定制御状態において遊技への注目度の向上と消化率の向上とを図ることができる。
特徴A8.前記第2特定制御状態は、予め定められた終了条件が成立するまで前記可変入球制御が継続されるラウンド遊技が複数回数に亘って実行されるものであり、
前記特定閉期間は、所定回数目(1R目)の前記ラウンド遊技中を含めて設定されており、
前記第2特定制御状態中において連続するラウンド遊技間の閉期間(第2実施形態におけるインターバル期間Ti)は一定に設定されていることを特徴とする特徴A4乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、連続するラウンド遊技間の閉期間は一定となっているため、ラウンド遊技の終了タイミングに基づいて次のラウンド遊技の開始タイミングを予測することができる。これにより、次のラウンド遊技の開始タイミングに合わせて遊技球を発射するという遊技を行うことができ、第2特定制御状態中の遊技への注目度の向上を図ることができる。
この場合、特定閉期間は所定回数目のラウンド遊技中を含めて設定されているため、ラウンド遊技間の閉期間を一定にしつつ、特定閉期間を上記ラウンド遊技間の閉期間よりも長く設定することができる。これにより、特定閉期間において各種演出を行うことができ、各種演出を通じて第2特定制御状態中の遊技への注目度を高めることができる。
特徴A9.前記態様決定手段は、第2特定制御状態において、前記所定回数目のラウンド遊技中に前記特定閉期間を挟んで複数回の前記可変入球制御が実行されるようにする一方、前記第1特定制御状態では、前記所定回数目のラウンド遊技に対応する期間において、前記特定閉期間を挟んだ複数回の前記可変入球制御のうち後側の前記可変入球制御に対応する可変入球制御が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第2特定制御状態である場合には、所定回数目のラウンド遊技中において特定閉期間を挟んだ複数回の可変入球制御のうち後側の可変入球制御が実行されることにより、今回の特定制御状態が第2特定制御状態であることが明示される。これにより、所定回数目のラウンド遊技中における可変入球制御の態様に基づいていずれの特定制御状態であるかを特定することができるため、所定回数目のラウンド遊技中の可変入球制御の制御態様への注目度を更に高めることができる。
特徴A10.前記特定態様と、前記第2特定制御状態において前記特定事象が発生した場合の前記可変入球制御の態様とは識別不可となっていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特定事象が発生した場合には、第1特定制御状態と第2特定制御状態とで可変入球制御の態様が識別不可となっている。これにより、特定事象が発生した場合には、可変入球手段の可変入球制御の態様に基づいてどちらの特定制御状態であるかを特定するかを把握することができないため、遊技者はどちらの特定制御状態であるかを予測しながら特定制御状態を消化することとなる。よって、遊技への注目度を高めることができる。
特徴A11.前記可変入球手段として、
前記開状態となっている状況における遊技球の入球の発生が前記特定事象に含まれない非分岐対応の可変入球手段(第1可変入賞装置36)と、
前記開状態となっている状況における遊技球の入球の発生が前記特定事象に含まれる分岐対応の可変入球手段(第2可変入賞装置37)と、
を備え、
前記分岐対応の可変入球手段は、
当該可変入球手段に入球した遊技球が通過可能である継続用通過部(V入賞用通過部81)と、
当該可変入球手段に入球した遊技球を前記継続用通過部とそれとは異なる位置とのうちいずれかに振り分ける振分手段(回転体93)と、
を備え、
前記特定事象は、前記可変入球制御において開放対象となっている前記分岐対応の可変入球手段への入球が発生し、且つその入球した遊技球が前記継続用通過部を通過することであり、
前記態様決定手段は、
前記第1特定制御状態において前記継続用通過部を遊技球が通過した場合には、その後の前記可変入球制御において前記非分岐対応の可変入球手段が制御対象となるようにするとともに、
前記第2特定制御状態において前記分岐対応の可変入球手段が前記可変入球制御の制御対象となった後は、前記非分岐対応の可変入球手段が前記可変入球制御の制御対象となるようにするものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1特定制御状態においては継続用通過部を遊技球が通過した場合には、その後の可変入球制御の制御対象が非分岐対応の可変入球手段となる。これにより、遊技者は安心して第1特定制御状態を消化することとなる。
かかる構成において、第2特定制御状態において分岐対応の可変入球手段が制御対象となった後は、非分岐対応の可変入球手段が制御対象となる。これにより、仮に第2特定制御状態において分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球し、且つその入球した遊技球が継続用通過部を通過した場合には、その後の可変入球制御の制御対象が各特定制御状態において同一となる。よって、特定事象が発生した場合におけるその後の可変入球制御の態様が識別不可となるため、上記態様に基づいて、どちらの特定制御状態であるかを特定することが困難となっている。
特徴A12.前記第2特定制御状態において前記特定事象が発生した場合の演出の態様を、前記第1特定制御状態において前記特定事象が発生した場合の演出の態様と見た目上同様にする共通化手段(音声発光制御装置140のMPU142においてV入賞対応継続当選コマンドを受信した場合に各種処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第2特定制御状態において特定事象が発生した場合の演出の態様と、第1特定制御状態において特定事象が発生した場合の演出の態様とが見た目上同様になっているため、演出の態様に基づいてどちらの特定制御状態であるかを特定することが困難になっている。これにより、遊技者はどちらの特定制御状態であるかを予測しながら特定制御状態を消化することとなる。
特徴A13.前記特定事象は、所定回数目の前記可変入球制御において開放対象となっている前記可変入球手段への入球が発生すること又は当該入球に基づき生じる事象であり、
前記第2特定制御状態における所定回数目の前記可変入球制御から次の可変入球制御までの特定閉期間(第1実施形態における第1インターバル期間Ti1、第2実施形態における非分岐用閉鎖期間Tk1)は、前記特定事象の発生タイミングに関わらず同一に設定されており、
前記第1特定制御状態において前記特定事象の発生タイミングから当該特定事象の発生後の前記可変入球制御の開始タイミングまでの閉期間を変動させる変動手段(主制御装置110のMPU112においてステップS705、ステップS706の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A10乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、可変入球手段への入球が特定事象の一部として設定されているため、特定事象の発生タイミングが変動する。この場合、特定閉期間は特定事象の発生タイミングに関わらず同一に設定されているため、第2特定制御状態において特定閉期間が変動することによって生じ得る消化率の変化を抑制することができ、特典付与の管理を好適に行うことができる。
かかる構成において、第2特定制御状態における特定事象の発生タイミングに応じて特定事象の発生タイミングから次の可変入球制御の開始タイミングまでの閉期間が変動する。このため、仮に第1特定制御状態において特定事象の発生タイミングからその後の可変入球制御の開始タイミングまでの閉期間が一定であると、当該閉期間を把握することによりいずれの特定制御状態であるかを特定されるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、第1特定制御状態において特定事象の発生タイミングからその後の可変入球制御の開始タイミングまでの閉期間が変動するため、上記閉期間を把握することに基づいていずれの特定制御状態であるかを特定することが困難となっている。これにより、特定閉期間を一定にしつつ、いずれの特定制御状態であるかを特定されにくくすることができる。
特徴A14.前記可変入球手段として、当該可変入球手段に入球した遊技球が通過可能である継続用通過部(V入賞用通過部81)、及び当該可変入球手段に入球した遊技球を前記継続用通過部とそれとは異なる位置とのうちいずれかに振り分ける振分手段(回転体93)を有する分岐対応の可変入球手段(第2可変入賞装置37)を備え、
前記特定事象は、前記可変入球制御において開放対象となっている前記分岐対応の可変入球手段への入球が発生し、且つその入球した遊技球が前記継続用通過部を通過することであり、
前記第2特定制御状態において前記分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、事前報知演出を演出実行手段にて実行させる事前報知演出用の制御手段(音声発光制御装置140のMPU142におけるステップS806の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、分岐対応の可変入球手段への入球に基づいて事前報知演出を実行することにより、振分手段による振分が行われる前段階において第2特定制御状態であることを認識することができる。これにより、振分手段による振分態様を安心してみることができる。
特に、事前報知演出は、分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて実行されるため、分岐対応の可変入球手段への遊技球の入球の有無への注目度は担保されている。これにより、分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球するか否かの期待感と、確実に次の可変入球制御が継続されるという安心感とを遊技者に対して与えることができる。
ちなみに、上記特徴A1〜A14のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構131)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置36,37)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置110のMPU112における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた条件が成立したことに基づいて、前記可変入球制御が特定回数に亘って行われる特定制御状態(開閉実行モード)に設定する特定制御設定手段(主制御装置110のMPU112における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記特定制御状態中において連続する前記可変入球制御間の閉期間(第1実施形態における第1インターバル期間Ti1、第2実施形態における非分岐用閉鎖期間Tk1)を、当該特定制御状態中における他の連続する前記可変入球制御間の閉期間(第1実施形態における第2インターバル期間Ti2、第2実施形態におけるインターバル期間Ti)と異ならせる閉期間設定手段(主制御装置110のMPU112におけるステップS615〜ステップS617の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、同一の特定制御状態中における閉期間を相違させることにより、例えば長い側の閉期間では演出を重視し、短い側の閉期間では特定制御状態の消化率を重視することができる。これにより、特定制御状態中の注目度の向上を良好に実現することが可能となる。
特徴B2.前記特定制御状態中における特定事象の結果に基づき、その後の特定制御状態の進行態様を、前記特定事象の結果に対応したものに振り分ける進行態様振分手段(主制御装置110のMPU112における分岐用処理を実行する機能)を備え、
前記進行態様振分手段は、前記閉期間のうち長い側の閉期間を利用してその後の特定制御状態の進行態様の振分を行うものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定事象の結果に基づいて、その後の特定制御状態の進行態様が異なる。これにより、特定制御状態中における特定事象の発生の有無に遊技者の注意を惹きつけることができる。
かかる構成において、その後の特定制御状態の進行態様を決定付ける振分は、長い側の閉期間を利用して行われる。これにより、振分に係る期間を十分に確保することができ、進行態様の振分を好適に行うことができる。
特徴B3.前記特定制御状態において所定回数目の前記可変入球制御から次の可変入球制御までの閉期間は、前記異なる閉期間のうち長い側の閉期間(第1実施形態における第1インターバル期間Ti1、第2実施形態における非分岐用閉鎖期間Tk1)に設定されており、
その他の連続する前記可変入球制御間の閉期間は、前記異なる閉期間のうち短い側の閉期間(第1実施形態における第2インターバル期間Ti2、第2実施形態におけるインターバル期間Ti)に設定されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、連続する可変入球制御間の閉期間において1の閉期間のみが長い側の閉期間に設定されており、それ以外の閉期間は短い側の閉期間に設定されている。これにより、長い側の閉期間において演出を行いつつ、特定制御状態の消化率を高めることができる。
特徴B4.前記可変入球手段として、当該可変入球手段に入球した遊技球が通過可能である通過部(V入賞用通過部81)、及び当該可変入球手段に入球した遊技球を前記通過部とそれとは異なる位置とのうちいずれかに振り分ける振分手段(回転体93)を有する分岐対応の可変入球手段(第2可変入賞装置37)を備え、
前記通過部を遊技球が通過したか否かを把握する把握手段(V入賞用検知センサ83、排出用検知センサ86)と、
前記異なる閉期間のうち長い側の閉期間において、演出実行手段(図柄表示装置51)にて実行される演出の態様を、前記分岐対応の可変入球手段への遊技球の入球結果及び前記振分手段による振分結果に基づいて振り分ける演出態様振分手段(音声発光制御装置140のMPU142におけるステップS810〜ステップS812の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記長い側の閉期間は、前記分岐対応の可変入球手段に遊技球が入球してからその遊技球が前記通過部を通過したことが前記把握手段により把握されるのに要する最長期間(振分期間Ta)よりも長い期間に設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、長い側の閉期間中に振分手段による振分が行われるようになっている。これにより、演出の態様が振り分けられる前段階にて可変入球制御が行われ、演出の態様と可変入球制御との関連性が低下することを抑制することができる。
特徴B5.前記長い側の閉期間は、前記通過部を遊技球が通過したことに対応した演出が行われる場合と、前記通過部を遊技球が通過しなかったことに対応した演出が行われる場合とで同一に設定されていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、通過部を遊技球が通過するか否かに関わらず長い側の閉期間は同一に設定されているため、遊技球の入球結果に応じて長い側の閉期間が変動することがない。これにより、遊技球の入球結果に応じて長い側の閉期間が変動する構成と比較して、特定制御状態の消化率が変動しにくいため、遊技ホールの管理を好適に行うことができる。
特徴B6.前記特定制御状態は、予め定められた終了条件が成立するまで前記可変入球制御が継続されるラウンド遊技が複数回数に亘って実行されるものであるとともに、所定回数目(1R目)のラウンド遊技中において閉期間を挟んで複数回の前記可変入球制御が実行されるものであり、
前記閉期間設定手段は、各ラウンド遊技間の閉期間(第2実施形態におけるインターバル期間Ti)を一定に設定する一方、前記所定回数目のラウンド遊技中における閉期間(非分岐用閉鎖期間Tk1)を前記ラウンド遊技間の閉期間と異ならせることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、各ラウンド遊技間の閉期間は一定になっているため、各ラウンド遊技の開始タイミングを予測し易い。これにより、各ラウンド遊技の開始タイミングを予測し、当該開始タイミングに合わせて遊技球を発射することができ、特定制御状態中の遊技への注目度を向上させることができる。
かかる構成において、所定回数目のラウンド遊技中において閉期間を挟んで複数回の可変入球制御が行われる状況において、その閉期間は各ラウンド遊技間の閉期間と異なっている。これにより、例えば所定回数目のラウンド遊技中の閉期間を各ラウンド遊技間の閉期間よりも長くすることにより、上記所定回数目のラウンド遊技において演出を重視しつつ、ラウンド遊技間を短くすることで、遊技のスムーズな進行及び特定制御状態全体の消化率の向上を図ることができる。
特徴B群は以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、表示画面に複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、大当たり状態等の遊技者に有利な特定制御状態を発生させるか否かの大当たり抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。大当たり抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定制御状態に移行する。特定制御状態への移行に伴い、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が開始され、多量の遊技球が払い出されるようになっている。
例えば特開2003−325811号公報に示すようなパチンコ機の可変入球装置は、特定制御状態ではない状況において、遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態となっており、特定制御状態に移行すると特定回数に亘って開放状態に切り換えられる。
ここで、上記パチンコ機では、遊技状態が特定制御状態である場合、どれだけ遊技球を獲得できるかに遊技者の関心が集中し易い。しかしながら、上記パチンコ機の場合、特定制御状態下で獲得できる遊技球数を遊技者がある程度予測可能なため、特定制御状態における遊技が単調化してしまうことが懸念される。
ちなみに、上記特徴B1〜B6のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A14のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。