JP2013131674A - エッチング方法およびエッチング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を所望の形状にエッチングすることができるエッチング方法およびエッチング装置を提供すること。
【解決手段】シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体のうちの少なくとも1種を主材料として含有する基材をエッチングする方法であり、処理液105を基材101に接触させる工程と、前記工程の状態を維持しつつ、磁性材料を含有する芯材121と、この芯材121の表面を被覆する触媒層122とを備えるエッチング部材102を、基材101に接触させる工程と、基材101のエッチング部材102との接触部分を酸化させることで処理液5に溶解させるとともに、エッチング部材102に磁界を作用させ、この磁界の方向にエッチング部材102を移動させることで、前記接触部分を移動させ前記磁界の方向に基材101をエッチングする工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エッチング方法およびエッチング装置に関するものである。
基板をエッチングして、例えば、細孔を形成する方法として、シリコン等の結晶で構成される基板を用意し、その基板の表面に白金、金およびイリジウム等の触媒作用を示す1種以上の金属を含有する金属粒子を付着させた状態でウエットエッチングする方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような方法では、金属粒子が触媒となり、基板を構成する結晶を、酸化させることでエッチング液に溶解させることができ、これにより、基板が穿孔され、底に金属粒子が残ることで、基板に細孔が形成される。
ここでの、基板と金属粒子との触媒反応は、金属粒子の外表面(接触面)で起こるから、さらに結晶の溶解が進むと金属粒子の直径と同程度の細孔が基板内部へと成長する。
この細孔が成長する方向は、かかる方法では、金属粒子に作用する引力によって決定され、鉛直下方に限定される。そのため、基板の内部における金属粒子の移動方向を制御することができず、所望の形状を有する細孔を形成することは困難である。
すなわち、基板を所望の形状にエッチングすることができないという問題がある。
特開2011−101009号公報
本発明の目的は、基板を所望の形状にエッチングすることができるエッチング方法およびエッチング装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のエッチング方法は、シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体、のいずれかを主材料として含有する基材をエッチングするエッチング方法であり、
酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液を、前記基材に接触させる第1の工程と、
前記第1の工程の状態を維持しつつ、磁性材料を含有する芯材と該芯材の表面を被覆する触媒とを備えるエッチング部材を、前記基材に接触させる第2の工程と、
前記基材が前記エッチング部材と接触する接触部分を酸化させ、該接触部分を前記処理液に溶解させながら、前記エッチング部材に磁界を作用させ、該磁界の方向に前記エッチング部材を移動させることで、前記接触部分を移動させながら前記磁界の方向に前記基材をエッチングする第3の工程とを有することを特徴とする。
かかるエッチング方法によれば、基板を所望の形状にエッチングすることができる。
本発明のエッチング方法では、前記第3の工程において、前記磁界の方向を変更させることで、前記エッチング部材により前記基材がエッチングされるエッチング方向を変更させることが好ましい。
これにより、基板を所望の形状にエッチングすることができる。
本発明のエッチング方法では、前記第3の工程において、永久磁石または電磁石を用いて前記エッチング部材に前記磁界を作用させることが好ましい。
永久磁石および電磁石によれば、エッチング部材に対して確実に磁界を作用させることができる。
本発明のエッチング方法では、前記エッチング部材は粒状をなし、
前記第3の工程において、前記基材が前記エッチング部材によりエッチングされることにより、前記基材に細孔を形成することが好ましい。
これにより、所望の形状を有する細孔を優れた精度で形成することができる。
本発明のエッチング方法では、前記第1の工程において、前記基材を前記処理液に浸漬することで、前記処理液を前記基材に接触させることが好ましい。
本発明のエッチング方法では、前記酸化剤は、過酸化物、ペルオキソ酸およびその塩、オゾン、酸素ならびに3価の鉄イオンのうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、基材のエッチング部材との接触部分を確実に酸化させることができる。
本発明のエッチング方法では、前記触媒は、白金、金、銀、イリジウム、パラジウム、白金含有合金、金含有合金、銀含有合金、イリジウム含有合金、パラジウム含有合金であることが好ましい。
これらの金属系材料は、処理液に含まれる酸化剤と基材との酸化反応において触媒として作用する。
本発明のエッチング方法では、前記磁性材料は、Fe、Ni、Co、Fe含有合金、Ni含有合金、Co含有合金であることが好ましい。
これにより、芯材を優れた磁性体とすることができる。
本発明のエッチング装置は、シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体のいずれかを主材料として含有する基材をエッチングするのに用いられるエッチング装置であって、
酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液を収納し、さらに、前記基材を前記処理液中に浸漬する処理槽と、
磁性材料を含有する芯材と、該芯材の表面を被覆する触媒とを備えるエッチング部材と、
前記処理槽の外周部に配置された磁石と、
前記磁石が配置された位置を移動させる移動手段と、
前記移動手段の作動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記移動手段を作動させて、前記磁石を移動させることで、前記エッチング部材に作用する磁界の方向を変更し、これにより、前記エッチング部材により前記基材がエッチングされるエッチング方向を変更させることを特徴とする。
かかるエッチング装置によれば、基板を所望の形状にエッチングすることができる。
本発明のエッチング装置は、シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体のいずれかを主材料として含有する基材をエッチングするのに用いられるエッチング装置であって、
酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液を収納し、さらに、前記基材を前記処理液中に浸漬する処理槽と、
磁性材料を含有する芯材と、該芯材の表面を被覆する触媒とを備えるエッチング部材と、
前記処理槽の外周部に配置された複数の電磁石と、
前記電磁石の通電・非通電を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、複数の前記電磁石の通電・非通電を選択することで、前記エッチング部材に作用する磁界の方向を変更し、これにより、前記エッチング部材により前記基材がエッチングされるエッチング方向を変更させることを特徴とする。
かかるエッチング装置によれば、基板を所望の形状にエッチングすることができる。
本発明のエッチング装置の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すエッチング装置を用いて基板をエッチングするエッチング方法を説明するための縦断面図である。 本発明のエッチング装置の第2実施形態を示す縦断面図である。 図3に示すエッチング装置を用いて基板をエッチングするエッチング方法を説明するための縦断面図である。 本発明のエッチング装置の第3実施形態を示す図((a)縦断面図、(b)平面図)である。 本発明のエッチング装置を用いて得られたインクジェット式記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)を示す分解斜視図である。 図6に示すインクジェット式記録ヘッドの主要部の構成を示す断面図である。 図6に示すインクジェット式記録ヘッドを備えるインクジェットプリンタの実施形態を示す概略図である。
以下、本発明のエッチング方法およびエッチング装置を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<エッチング装置>
まず、本発明のエッチング方法を説明するのに先立って、本発明のエッチング装置について説明する。
<<第1実施形態>>
まず、本発明のエッチング装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のエッチング装置の第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すエッチング装置を用いて基板をエッチングするエッチング方法を説明するための縦断面図である。以下、図1、2中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」として説明する。
図1に示すエッチング装置100は、基材101をパターニングするのに用いられるものであり、基材101を処理する処理槽103と、基材101をエッチングするエッチング部材102と、処理槽103の外周部に配置された磁石106と、磁石106が配置された位置を移動させる移動手段107と、移動手段107の移動を制御する制御手段108とを有している。
基材101としては、触媒の存在下において酸化される材料を主材料として含有するものであり、具体的には、シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体、のいずれかを主材料として含有するものが挙げられる。なお、III〜V族の元素を含む半導体としては、例えば、GaN等が挙げられる。
なお、基材101の形状としては、特に限定されず、図1に示すような、長方体状をなす塊状(ブロック体状)のものの他、例えば、板状および棒状等をなすものであってもよい。
処理槽103は、本実施形態では、全体形状が箱状をなしており、その上部で開口する開口部を備える構成をなしている。
この処理槽103の内部には、開口部から処理液105が収納(充填)され、さらに、この処理液105(処理槽103)中に基材101が浸漬される。
このような処理槽103を構成する材料には、例えば、テフロン(「テフロン」は登録商標)、塩化ビニルのような各種樹脂材料、アルミナのような各種セラミックス材料等を用いることができる。
処理液105は、処理槽103中に充填され、このもの中に基材101を浸漬するために用いられる。
処理液105としては、酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有するものが用いられる。かかる処理液105を用いることにより、後述するエッチング部材102が有する触媒と、酸化剤との作用により、基材101がエッチング部材102と接触する接触部分を酸化させることができ、次いで、この酸化した接触部分を、フッ化水素またはフッ化物イオンの作用により、処理液105中に溶解させることができる。
この処理液105は、例えば、酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを、これらに対して不活性な溶媒に対して溶解することにより得ることができる。
酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化物、ペルオキソ酸およびその塩、オゾン、酸素ならびに3価の鉄イオン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、基材101のエッチング部材102との接触部分を確実に酸化させることができる。
また、過酸化物としては、過酸化物イオンO 2−を含み、酸性にするとHを発生する物質が用いられ、具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウム等が挙げられる。
ペルオキソ酸としては、−O−O−結合を有する無機酸が挙げられ、具体的には、例えば、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム等が挙げられる。
また、3価の鉄イオンとしては、例えば、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)等が挙げられる。
さらに、溶媒としては、例えば、水が挙げられる。この溶媒は、基材101を構成する材料に対して不活性であり、かつ、フッ化水素またはフッ化物イオンの存在下で基材101を構成する材料の酸化物を溶解させることができるものであるため、溶媒として好ましく用いられる。
なお、溶媒として水を用いる際に、処理液105中の酸化剤の含有量は、0.54重量%以上、2.7重量%以下であるのが好ましい。さらに、処理液105中のフッ化水素またはフッ化物イオンの含有量は、9.1重量%以上、45.5重量%以下であるのが好ましく、9.1重量%以上、30.0重量%以下であるのがより好ましい。酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとの含有量をかかる範囲内に設定することにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、基材101がシリコン基板のようにシリコンを主材料とするものである場合には、処理液105としては、前記酸化剤とフッ化水素酸との混合液であるのが好ましい。
また、処理槽103の底面(下面)には、基材101を支持(載置)する支持台104が設けられている。
この支持台104は、基板101の平面視形状に対応した形状を有する筒状の部材で構成される。本実施形態では、直方体状の基板101を処理するため、図1に示すように、本実施形態では、ほぼ四角筒状の部材で構成されている。
この支持台104は、基板101を取り囲むように設けられ、その内側(内周側)において、貫通しており、処理槽103の底面(下面)が露出している。
また、支持台104の上部には、その内側縁部に、リング状の段差部145が形成されている。この段差部141に基板101の外周部が嵌合(嵌入)し、これにより、基板101が支持台104に保持される。このような構成とすることにより、簡単な構成で、基板101を容易かつ確実に保持(支持)することができ、処理中に基板101が支持台104に対しずれを生じて、例えば、細孔を形成する位置に位置ズレが生じるという不都合も防止される。また、支持台104に対する基板101の着脱も容易である。
支持台104の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、各種セラミックス材料等が挙げられる。
さらに、本実施形態では、処理槽103には、処理槽103を加熱する加熱手段109が設けられている。
かかる構成とすることで、処理液105の温度をより適切な温度範囲に設定することができ、処理液105およびエッチング部材102によるエッチングを、より適切な条件で行うことができるため、基材101に形成される細孔のエッチング精度の向上を図ることができる。
加熱手段109の加熱方式は、特に限定されず、例えば、抵抗加熱(ヒータ)、マイクロ波加熱等いずれであってもよい。
エッチング部材102は、基材101をエッチングするためのものであり、本発明では、磁性材料を含有する芯材121と、この芯材121の表面を被覆する触媒で構成される触媒層122とを備えるもので構成される。
エッチング部材102は粒状であればよく、その外形形状は問わない。針状でも真球状でも楕球状でも円錐状でもよい。
かかる構成のエッチング部材102は、エッチングすべき基材101に接触するように配置され、本実施形態では、図1に示すように、形成すべき細孔の開口部となる位置に2つ配置される。
このようなエッチング部材102を用いることで、I:基材101のこのエッチング部材102との接触部分を酸化させることで処理液105に溶解させることができる。さらに、II:このエッチング部材102に磁界を作用させることで、その磁界の方向にエッチング部材102を移動させることができる。
芯材121は、磁性体で構成され、エッチング部材102の核となるものである。
このように、核となる芯材121を磁性体で構成することにより、エッチング部材102に、前記機能IIを付与することができる。
芯材121の構成材料としては、例えば、Fe、Ni、Coのような強磁性金属またはFe含有合金、Ni含有合金、Co含有合金のような強磁性金属を含む合金等が挙げられる。これにより、芯材121を優れた磁性体とすることができる。
また、芯材121の全体形状は、本実施形態では、粒子状をなしている。これにより、エッチング部材102の全体形状も同様に、粒子状をなすものとなり、かかる構成のエッチング部材102を用いて基材101をエッチングすることで、基材101に細孔を形成することができる。
触媒層(被覆層)22は、触媒で構成され、芯材121の外周面を被覆するものである。
このように、芯材121の外周面を、触媒層122すなわち触媒で被覆することで、エッチング部材102に、前記機能Iを付与することができる。
この触媒層122を構成する触媒としては、特に限定されないが、例えば、白金、金、銀、イリジウム、パラジウム、白金含有合金、金含有合金、銀含有合金、イリジウム含有合金、パラジウム含有合金等が挙げられる。これらの金属系材料は、処理液105に含まれる酸化剤と基材101との酸化反応において触媒として作用する。すなわち、これらの金属系材料は、処理液105中の酸化剤の還元反応に対して、触媒作用を有する材料として機能する。
なお、触媒層122は、図1に示すように、芯材121の外周部の全体を被覆するように層状に形成されていてもよいし、外周部の一部を島状をなすように点在して形成されていてもよい。
磁石106は、処理槽103の外周部に配置され、本実施形態では、永久磁石で構成される。
このような磁石106により生じる磁界を、処理槽103の内部で基材101上に載置されたエッチング部材102に作用させることができるため、前記エッチング部材102を、磁界の方向に移動させること、すなわち、磁石106が位置する方向に移動させることができる。
移動手段107は、磁石106を移動させるためのものであり、本実施形態では、磁石106を処理槽103の外周部に対して3次元的に移動させる。
この移動手段107は、処理槽103の左右方向(図1中のX方向)に移動させる第1の移動手段と、処理槽103の上下方向(図1中のY方向)に移動させる第2の移動手段と、処理槽103の紙面手前および奥方向(図1中のZ方向)に移動させる第3の移動手段と、磁石106を回転(反転)させることで、その向きを変更させる回転手段とで構成されている。
これにより、磁石106を、処理槽103の外周部を構成する面に対して、その長手方向が平行となるように移動させることが可能となる。すなわち、移動手段107により、処理槽103の外周部の所望の位置に、磁石106を配置させることができる。その結果、磁石106による磁界を、エッチング部材102に対して、所望の方向で作用させることができるようになる。
また、第1〜第3の移動手段により、処理槽103の磁石106が対応する面と、磁石106との離間距離を設定することにより、エッチング部材102に作用する磁界の強度を設定することができるため、エッチング部材102による基材101のエッチング速度を調整することができる。
以上のような移動手段107は、公知のいずれの構成のものを用いてもよく、例えば、コンベア(ベルト駆動、チェーン駆動等)、スクリュー軸を備えた送り機構、ローラ送り機構等が挙げられる。
制御手段108は、本実施形態では、エッチング装置100の各部の作動、すなわち、移動手段107および加熱手段109の作動を制御する機能を有している。この制御手段108には、移動手段107および加熱手段109が電気的に接続されている。
制御手段108は、例えば、演算部やメモリー等を内蔵するマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、制御手段108には、例えば、図示しない、操作部からの信号(入力)が随時入力される。そして、制御手段108は、操作部からの信号等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、エッチング装置100の各部の作動(駆動)を制御する。
このように、エッチング装置100は、制御手段108により移動手段107の作動を制御するように構成されている。これにより、処理槽103の外周部における所望の位置に、磁石106を配置させることができるため、エッチング部材102に作用する磁界の方向を、任意の方向に設定することができることから、所望の形状を備える細孔を基材101に形成することができる。
以上のようなエッチング装置100により、基材101に所望の形状の細孔を形成することができるが、以下では、基材101の上下方向に伸び、その途中で湾曲する形状を備える細孔111を形成する場合を一例に詳述する。
<1A> 基材101のエッチングに際しては、まず、酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液105が収納された処理槽103の支持台104に基材101を載置する(第1の工程)。
これにより、処理液105を基材101に接触させることができる。
<2A> 次に、前記工程<1A>の状態を維持しつつ、図2(a)に示すように、細孔(貫通孔)11の開口部を形成すべき位置に対応する基材101の上面に、エッチング部材102を配置(載置)する(第2の工程)。
これにより、処理液105が基材101に接触した状態で、エッチング部材102を、基材101に接触させることができ、その結果、基材101のエッチング部材102との接触部分が酸化するため処理液105に溶解する。
この際、本実施形態では、磁石106は、処理槽103の外周部の下面に対応する位置に配置されている。そのため、エッチング部材102に磁界が作用することとなるが、その方向は、図2(b)に示すように、上下方向を向くこととなる。
したがって、基材101のエッチング部材102との接触部分の溶解に伴って、基材101内をエッチング部材102が移動することにより基材101がエッチングされるが、そのエッチング方向は、磁界の方向、すなわち上下方向となるため、基材101の上下方向に細孔が形成される。
以上のようにして、基材101のエッチング部材102との接触部分が移動することとなるが、その移動方向を、エッチング部材102に作用する、磁界の方向に制御することができる。
<3A> 次に、エッチング部材102による上下方向への細孔の形成が完了した時点で、制御手段108により、移動手段107を作動させて、磁石106を処理槽103の外周部の下面に対応する位置から左側側面に対応する位置に移動させる(図2(c)参照。)。
これにより、エッチング部材102に作用する磁界の方向が、上下方向から左右方向に変更する。その結果、基材101のエッチング方向は、左右方向(より詳しくは、右側から左側に向く方向)となるため、基材101の左右方向に細孔が形成される。
<4A> 次に、エッチング部材102による左右方向への細孔の形成が完了した時点で、制御手段108により、移動手段107を作動させて、磁石106を処理槽103の外周部の左側側面に対応する位置から、下面の左斜め上(左側側面の斜め下)に対応する位置に移動させる(図2(d)参照。)。
これにより、エッチング部材102に作用する磁界の方向が、左右方向から上下斜め方向に変更する。その結果、基材101のエッチング方向は、上下斜め方向(より詳しくは、右上側から左下側に向く斜め方向)となるため、基材101の上下斜め方向に細孔が形成される。
<5A> 次に、エッチング部材102による上下斜め方向への細孔の形成が完了した時点で、制御手段108により、移動手段107を作動させて、磁石106を処理槽103の外周部の上下斜め方向に対応する位置から、再び、下面に対応する位置に移動させる(図2(e)参照。)。
これにより、エッチング部材102に作用する磁界の方向が、上下斜め方向から上下方向に変更する。その結果、基材101のエッチング方向は、上下方向となるため、基材101の上下方向に細孔が形成される。
そして、基材101の下面から、エッチング部材102が貫通するまで、基材101の上下方向に細孔を形成することで、基材101の上下方向に伸び、その途中で湾曲する形状を備える細孔111を形成することができる。
以上のようにして、基材101に細孔111を形成することができる。したがって、磁石106の位置を移動させて、磁界の方向を変更させることで、エッチング部材102により基材101がエッチングされるエッチング方向を任意の方向に変更させることができるため、基材101に所望の形状を有する細孔を形成することができる。すなわち、基板101を所望の形状にエッチングすることができる。
なお、磁石106は、本実施形態では、永久磁石で構成されることとしたが、これに限らず、電磁石であってもよい。
<<第2実施形態>>
次に、本発明のエッチング装置の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明のエッチング装置の第2実施形態を示す縦断面図、図4は、図3に示すエッチング装置を用いて基板をエッチングするエッチング方法を説明するための縦断面図である。以下、図3、4中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」として説明する。
以下、第2実施形態のエッチング装置100について、前記第1実施形態のエッチング装置100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図3に示すエッチング装置100は、主に、磁石106および制御手段108の構成が異なる以外は、図1に示すエッチング装置100と同様である。
すなわち、第2実施形態のエッチング装置100おいて、磁石106は電磁石で構成され、さらに移動手段の形成が省略され、制御手段108は磁石106と加熱手段109とに接続されている。
磁石106は、本実施形態では、電磁石で構成され、処理槽103の外周部に複数配置されている。より具体的には、箱状をなす処理槽103の各面(4つの側面、上面および下面(底面))に対応するように、その外周部に6つ配置されている。
このような電磁石で構成される磁石106によっても、磁界を生じさせることができ、複数の磁石106の通電・非通電を選択することで、エッチング部材102に作用する磁界の方向を変更させることができるため、通電している磁石106の方向に向かって、エッチング部材102を移動させることができる。
制御手段108は、本実施形態では、移動手段107および加熱手段109の作動を制御する機能を有している。この制御手段108には、移動手段107および加熱手段109が電気的に接続されている。
このような本実施形態のエッチング装置100では、制御手段108により磁石106の作動を制御するように構成されており、複数の磁石106の通電・非通電を選択すること、すなわち所望の位置の磁石106を通電することができるため、エッチング部材102に作用する磁界の方向を、任意の方向に設定することができることから、所望の形状を備える細孔を基材101に形成することができる。
以上のようなエッチング装置100により、基材101に所望の形状の細孔を形成することができるが、以下では、前記第1実施形態と同様に、基材101の上下方向に伸び、その途中で湾曲する形状を備える細孔111を形成する場合を一例に詳述する。
<1B> 前記工程<1A>と同様にして、支持台104に基材101を載置する(第1の工程)。
<2B> 次に、前記工程<1B>の状態を維持しつつ、図4(a)に示すように、細孔(貫通孔)11の開口部を形成すべき位置に対応する基材101の上面に、エッチング部材102を配置(載置)する(第2の工程)。
これにより、処理液105が基材101に接触した状態で、エッチング部材102を、基材101に接触させることができ、その結果、基材101のエッチング部材102との接触部分が酸化するため処理液105に溶解する。
この際、本実施形態では、複数の磁石106のうち、処理槽103の外周部の下面に対応する位置に配置された磁石106が通電しており、その他の磁石106が非通電となっている。そのため、エッチング部材102に磁界が作用することとなるが、その方向は、図4(b)に示すように、上下方向を向くこととなる。
したがって、基材101の上下方向に細孔が形成される。
<3B> 次に、エッチング部材102による上下方向への細孔の形成が完了した時点で、制御手段108により、処理槽103の外周部の左側側面に対応する位置に配置された磁石106を通電し、その他の磁石106を非通電とする(図4(c)参照。)。
これにより、エッチング部材102に作用する磁界の方向が、上下方向から左右方向に変更されるため、基材101の左右方向に細孔が形成される。
<4B> 次に、エッチング部材102による左右方向への細孔の形成が完了した時点で、制御手段108により、処理槽103の外周部の下面および左側側面に対応する位置に配置された磁石106を通電し、その他の磁石106を非通電とする(図4(d)参照。)。
これにより、エッチング部材102に作用する磁界の方向が、左右方向から上下斜め方向に変更されるため、基材101の上下斜め方向(より詳しくは、右上側から左下側に向く斜め方向)に細孔が形成される。
<5A> 次に、エッチング部材102による上下斜め方向への細孔の形成が完了した時点で、制御手段108により、再度、処理槽103の外周部の下面に対応する位置に配置された磁石106を通電し、その他の磁石106を非通電とする(図4(e)参照。)。
これにより、エッチング部材102に作用する磁界の方向が、上下斜め方向から上下方向に変更されるため、基材101の上下方向に細孔が形成される。
そして、基材101の下面から、エッチング部材102が貫通するまで、基材101の上下方向に細孔を形成することで、基材101の上下方向に伸び、その途中で湾曲する形状を備える細孔111を形成することができる。
以上のようにして、基材101に細孔111を形成することができる。したがって、複数の磁石106の通電・非通電を選択することで、エッチング部材102により基材101がエッチングされるエッチング方向を任意の方向に変更させることができるため、第2実施形態のエッチング装置100によっても、基材101に所望の形状を有する細孔を形成することができる。
<<第3実施形態>>
次に、本発明のエッチング装置の第3実施形態について説明する。
図5は、本発明のエッチング装置の第3実施形態を示す図((a)縦断面図、(b)平面図)である。以下、図5(a)中の上側、図5(b)中の紙面手前側を「上」または「上方」、図5(a)中の下側、図5(b)中の紙面奥側を「下」または「下方」として説明する。
以下、第3実施形態のエッチング装置100について、前記第1実施形態のエッチング装置100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5に示すエッチング装置100は、基材101上に載置された規制板110を有すること以外は、図1に示すエッチング装置100と同様である。
すなわち、第3実施形態のエッチング装置100おいて、規制板110は、基材101上に載置した際に、細孔111の開口部を形成すべき位置に対応して形成された貫通孔115を有している。
このような規制板110を基材101上に載置した状態で、この貫通孔115内にエッチング部材102を保持させることで、エッチング部材102をより確実に細孔111の開口部を形成すべき位置に配置させることができることから、形成される細孔111の位置精度を、より確実に向上させることができる。
以上のように、規制板110は、基材101の細孔111の開口部を形成すべき位置にエッチング部材102を保持するための位置決め手段として機能する。
また、このような第3実施形態のエッチング装置100によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上述した各実施形態のエッチング装置100では、エッチング部材102として、粒子状をなすものを用いる場合について説明したが、かかる場合に限定されず、エッチング部材102の形状は、エッチングすべき基材101に形成するエッチングパターンの形状に対応して選択され、例えば、棒状(一文字状)、V字状またはX字状等をなすものであってもよい。
<液滴吐出ヘッド>
次に、本発明のエッチング装置(エッチング方法)を用いて得られたインクジェット式記録ヘッドについて説明する。
図6は、本発明のエッチング装置を用いて得られたインクジェット式記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)を示す分解斜視図、図7は、図6に示すインクジェット式記録ヘッドの主要部の構成を示す断面図、図8は、図6に示すインクジェット式記録ヘッドを備えるインクジェットプリンタの実施形態を示す概略図である。なお、図6は、通常使用される状態とは、上下逆に示されている。
図6に示すインクジェット式記録ヘッド10は、図8に示すようなインクジェットプリンタ9に搭載されている。
図8に示すインクジェットプリンタ9は、装置本体92を備えており、上部後方に記録用紙pを設置するトレイ921と、下部前方に記録用紙pを排出する排紙口922と、上部面に操作パネル97とが設けられている。
操作パネル97は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示せず)と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)とを備えている。
また、装置本体92の内部には、主に、往復動するヘッドユニット93を備える印刷装置(印刷手段)94と、記録用紙pを1枚ずつ印刷装置94に送り込む給紙装置(給紙手段)95と、印刷装置94および給紙装置95を制御する制御部(制御手段)96とを有している。
制御部96の制御により、給紙装置95は、記録用紙pを一枚ずつ間欠送りする。この記録用紙pは、ヘッドユニット93の下部近傍を通過する。このとき、ヘッドユニット93が記録用紙pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙pへの印刷が行なわれる。すなわち、ヘッドユニット93の往復動と記録用紙pの間欠送りとが、印刷における主走査および副走査となって、インクジェット方式の印刷が行なわれる。
印刷装置94は、ヘッドユニット93と、ヘッドユニット93の駆動源となるキャリッジモータ941と、キャリッジモータ941の回転を受けて、ヘッドユニット93を往復動させる往復動機構942とを備えている。
ヘッドユニット93は、その下部に、多数のノズル孔115を備えるインクジェット式記録ヘッド10(以下、単に「ヘッド10」と言う。)と、ヘッド10にインクを供給するインクカートリッジ931と、ヘッド10およびインクカートリッジ931を搭載したキャリッジ932とを有している。
なお、インクカートリッジ931として、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したものを用いることにより、フルカラー印刷が可能となる。
往復動機構942は、その両端をフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸944と、キャリッジガイド軸944と平行に延在するタイミングベルト943とを有している。
キャリッジ932は、キャリッジガイド軸944に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト943の一部に固定されている。
キャリッジモータ941の作動により、プーリを介してタイミングベルト943を正逆走行させると、キャリッジガイド軸944に案内されて、ヘッドユニット93が往復動する。そして、この往復動の際に、ヘッド10から適宜インクが吐出され、記録用紙pへの印刷が行われる。
給紙装置95は、その駆動源となる給紙モータ951と、給紙モータ951の作動により回転する給紙ローラ952とを有している。
給紙ローラ952は、記録用紙pの送り経路(記録用紙p)を挟んで上下に対向する従動ローラ952aと駆動ローラ952bとで構成され、駆動ローラ952bは給紙モータ951に連結されている。これにより、給紙ローラ952は、トレイ921に設置した多数枚の記録用紙pを、印刷装置94に向かって1枚ずつ送り込めるようになっている。なお、トレイ921に代えて、記録用紙pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
制御部96は、例えばパーソナルコンピュータやディジタルカメラ等のホストコンピュータから入力された印刷データに基づいて、印刷装置94や給紙装置95等を制御することにより印刷を行うものである。
制御部96は、いずれも図示しないが、主に、各部を制御する制御プログラム等を記憶するメモリ、圧電素子(振動源)14を駆動して、インクの吐出タイミングを制御する圧電素子駆動回路、印刷装置94(キャリッジモータ941)を駆動する駆動回路、給紙装置95(給紙モータ951)を駆動する駆動回路、および、ホストコンピュータからの印刷データを入手する通信回路と、これらに電気的に接続され、各部での各種制御を行うCPUとを備えている。
また、CPUには、例えば、インクカートリッジ931のインク残量、ヘッドユニット93の位置等を検出可能な各種センサ等が、それぞれ電気的に接続されている。
制御部96は、通信回路を介して、印刷データを入手してメモリに格納する。CPUは、この印刷データを処理して、この処理データおよび各種センサからの入力データに基づいて、各駆動回路に駆動信号を出力する。この駆動信号により圧電素子14、印刷装置94および給紙装置95は、それぞれ作動する。これにより、記録用紙pに印刷が行われる。
以下、ヘッド10について、図6および図7を参照しつつ詳述する。
ヘッド10は、ノズル板11と、インク室基板12と、振動板13と、振動板13に接合された圧電素子(振動源)14とを備えるヘッド本体17と、このヘッド本体17を収納する基体16とを有している。なお、このヘッド10は、オンデマンド形のピエゾジェット式ヘッドを構成する。
ノズル板11は、本実施形態では、シリコンで構成されている。
このノズル板11には、インク滴を吐出するための多数のノズル孔115が形成されている。これらのノズル孔115間のピッチは、印刷精度に応じて適宜設定される。
ノズル板11には、インク室基板12が固着(固定)されている。
このインク室基板12は、ノズル板11、側壁(隔壁)126および後述する振動板13により、複数のインク室(キャビティ、圧力室)121と、インクカートリッジ931から供給されるインクを貯留するリザーバ室123と、リザーバ室123から各インク室125に、それぞれインクを供給する供給口124とが区画形成されている。
各インク室125は、それぞれ短冊状(直方体状)に形成され、各ノズル孔115に対応して配設されている。各インク室125は、後述する振動板13の振動により容積可変であり、この容積変化により、インクを吐出するよう構成されている。
インク室基板12を得るための母材としては、例えば、各種樹脂基板等を用いることができる。これらの基板は、いずれも汎用的な基板であるので、これらの基板を用いることにより、ヘッド10の製造コストを低減することができる。
一方、インク室基板12のノズル板11と反対側には、振動板13が接合され、さらに振動板13のインク室基板12と反対側には、複数の圧電素子14が設けられている。
また、振動板13の所定位置には、振動板13の厚さ方向に貫通して連通孔131が形成されている。この連通孔131を介して、前述したインクカートリッジ931からリザーバ室123に、インクが供給可能となっている。
各圧電素子14は、それぞれ、下部電極142と上部電極141との間に圧電体層143を介挿してなり、各インク室125のほぼ中央部に対応して配設されている。各圧電素子14は、圧電素子駆動回路に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて作動(振動、変形)するよう構成されている。
各圧電素子14は、それぞれ、振動源として機能し、振動板13は、圧電素子14の振動により振動し、インク室125の内部圧力を瞬間的に高めるよう機能する。
基体16は、本実施形態では、各種樹脂材料で構成されており、この基体16にノズル板11が固定、支持されている。すなわち、基体16が備える凹部161に、ヘッド本体17を収納した状態で、凹部161の外周部に形成された段差162によりノズル板11の縁部を支持する。
このようなヘッド10は、圧電素子駆動回路を介して所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子14の下部電極142と上部電極141との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体層143に変形が生じない。このため、振動板13にも変形が生じず、インク室125には容積変化が生じない。したがって、ノズル孔115からインク滴は吐出されない。
一方、圧電素子駆動回路を介して所定の吐出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子14の下部電極142と上部電極141との間に一定電圧が印加された状態では、圧電体層143に変形が生じる。これにより、振動板13が大きくたわみ、インク室125の容積変化が生じる。このとき、インク室125内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル孔115からインク滴が吐出される。
1回のインクの吐出が終了すると、圧電素子駆動回路は、下部電極142と上部電極141との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子14は、ほぼ元の形状に戻り、インク室125の容積が増大する。なお、このとき、インクには、インクカートリッジ931からノズル孔115へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気がノズル孔115からインク室125へ入り込むことが防止され、インクの吐出量に見合った量のインクがインクカートリッジ931(リザーバ室123)からインク室125へ供給される。
このようにして、ヘッド10において、印刷させたい位置の圧電素子14に、圧電素子駆動回路を介して吐出信号を順次入力することにより、任意の(所望の)文字や図形等を印刷することができる。
なお、ヘッド10は、圧電素子14の代わりに電気熱変換素子を有していてもよい。つまり、ヘッド10は、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用してインクを吐出するバブルジェット方式(「バブルジェット」は登録商標)のものであってもよい。
なお、かかる構成のヘッド10において、ノズル板11には、撥液性を付与することを目的に形成された被膜114が設けられている。これにより、ノズル孔115からインク滴が吐出される際に、このノズル孔115の周辺にインク滴が残存するのを確実に防止することができる。その結果、ノズル孔115から吐出されたインク滴を目的とする領域に確実に着弾させることができる。
かかる構成のヘッド10において、ノズル板11へのノズル孔115の形成、および振動板13への連通孔131の形成に、本発明のエッチング装置(エッチング方法)を適用することができる。
なお、本発明のエッチング装置(エッチング方法)の適用は、上記のようなヘッド10におけるノズル孔115および連通孔131の形成に限らず、例えば、各種マイクロ流路、センサー、MEMSおよびマイクロヒートシンク等の製造に適用することができる。
以上、本発明のエッチング方法およびエッチング装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明のエッチング方法では、必要に応じて、1以上の任意の目的の工程を追加してもよい。
また、本発明のエッチング装置において、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、本発明では、前記第1〜第3実施形態で示した任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
また、前記実施形態のエッチング装置100では、処理槽103中に収納された処理液105に、基材101を浸漬する場合について示したが、本発明では、基材101に処理液105を供給する(接触させる)方法としては、かかる方法に限定されず、例えば、処理液105の供給が省略された処理槽103の支持台104に載置された基材101に、霧状とした処理液105を噴霧することで供給するようにしてもよい。
10……インクジェット式記録ヘッド(ヘッド) 11……ノズル板 114……被膜 115……ノズル孔 12……インク室基板 125……インク室 126……側壁 123……リザーバ室 124……供給口 13……振動板 131……連通孔 14……圧電素子 141……上部電極 142……下部電極 143……圧電体層 16……基体 161……凹部 162……段差 17……ヘッド本体 9……インクジェットプリンタ 92……装置本体 921……トレイ 922……排紙口 93……ヘッドユニット 931……インクカートリッジ 932……キャリッジ 94……印刷装置 941……キャリッジモータ 942……往復動機構 943……タイミングベルト 944……キャリッジガイド軸 95……給紙装置 951……給紙モータ 952……給紙ローラ 952a……従動ローラ 952b……駆動ローラ 96……制御部 97……操作パネル P……記録用紙 100……エッチング装置 101……基材 102……エッチング部材 121……芯材 122……触媒層 103……処理槽 104……支持台 145……段差部 105……処理液 106……磁石 107……移動手段 108……制御手段 109……加熱手段 111……細孔

Claims (10)

  1. シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体、のいずれかを主材料として含有する基材をエッチングするエッチング方法であり、
    酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液を、前記基材に接触させる第1の工程と、
    前記第1の工程の状態を維持しつつ、磁性材料を含有する芯材と該芯材の表面を被覆する触媒とを備えるエッチング部材を、前記基材に接触させる第2の工程と、
    前記基材が前記エッチング部材と接触する接触部分を酸化させ、該接触部分を前記処理液に溶解させながら、前記エッチング部材に磁界を作用させ、該磁界の方向に前記エッチング部材を移動させることで、前記接触部分を移動させながら前記磁界の方向に前記基材をエッチングする第3の工程とを有することを特徴とするエッチング方法。
  2. 前記第3の工程において、前記磁界の方向を変更させることで、前記エッチング部材により前記基材がエッチングされるエッチング方向を変更させる請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記第3の工程において、永久磁石または電磁石を用いて前記エッチング部材に前記磁界を作用させる請求項1または2に記載のエッチング方法。
  4. 前記エッチング部材は粒状をなし、
    前記第3の工程において、前記基材が前記エッチング部材によりエッチングされることにより、前記基材に細孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載のエッチング方法。
  5. 前記第1の工程において、前記基材を前記処理液に浸漬することで、前記処理液を前記基材に接触させる請求項1ないし4のいずれかに記載のエッチング方法。
  6. 前記酸化剤は、過酸化物、ペルオキソ酸およびその塩、オゾン、酸素ならびに3価の鉄イオンのうちの少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれかに記載のエッチング方法。
  7. 前記触媒は、白金、金、銀、イリジウム、パラジウム、白金含有合金、金含有合金、銀含有合金、イリジウム含有合金、パラジウム含有合金である請求項1ないし6のいずれかに記載のエッチング方法。
  8. 前記磁性材料は、Fe、Ni、Co、Fe含有合金、Ni含有合金、Co含有合金である請求項1ないし7のいずれかに記載のエッチング方法。
  9. シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体のいずれかを主材料として含有する基材をエッチングするのに用いられるエッチング装置であって、
    酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液を収納し、さらに、前記基材を前記処理液中に浸漬する処理槽と、
    磁性材料を含有する芯材と、該芯材の表面を被覆する触媒とを備えるエッチング部材と、
    前記処理槽の外周部に配置された磁石と、
    前記磁石が配置された位置を移動させる移動手段と、
    前記移動手段の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記移動手段を作動させて、前記磁石を移動させることで、前記エッチング部材に作用する磁界の方向を変更し、これにより、前記エッチング部材により前記基材がエッチングされるエッチング方向を変更させることを特徴とするエッチング装置。
  10. シリコン、炭化ケイ素、およびIII〜V族の元素を含む半導体のいずれかを主材料として含有する基材をエッチングするのに用いられるエッチング装置であって、
    酸化剤と、フッ化水素またはフッ化物イオンとを含有する処理液を収納し、さらに、前記基材を前記処理液中に浸漬する処理槽と、
    磁性材料を含有する芯材と、該芯材の表面を被覆する触媒とを備えるエッチング部材と、
    前記処理槽の外周部に配置された複数の電磁石と、
    前記電磁石の通電・非通電を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、複数の前記電磁石の通電・非通電を選択することで、前記エッチング部材に作用する磁界の方向を変更し、これにより、前記エッチング部材により前記基材がエッチングされるエッチング方向を変更させることを特徴とするエッチング装置。
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