JP4237433B2 - 流体噴射器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気駆動信号を使い、静電始動される装置を駆動するシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明によるシステム及び方法を使用できる、静電始動される装置の1つの種類に、微小加工された流体噴射器が挙げられる。インクジェット記録又は印刷、及び他の目的のために、流体噴射器が開発されてきた。インクジェット記録装置は、記録の際に極めて静かに機能する、高速印刷、インク選択時の広範囲な選択肢、及び低コストの普通の紙を使うことができる、などの、多くの利点を有する。インクが記録に必要な時にのみ出力される「ドロップオンデマンド」(drop-on-demand)と呼ばれる駆動方法が現在では通常の方法となっている。ドロップオンデマンド駆動方法は、記録に不要なインクを回収する必要性をなくす。
【0003】
インクジェット印刷に使われるものを含む流体噴出器は、1つ又はそれ以上のノズルを含み、小さなインク小滴の形成及び制御を可能にし、高解像度を可能にする。この結果、改善されたトナー解像度と共に、より鋭い文字の印刷が可能になる。特に、ドロップオンデマンド方式のインクジェット印刷ヘッドは、高解像度プリンタに一般的に使われている。
【0004】
ドロップオンデマンド技術は一般的に、小滴を形成し噴出するために、なんらかの種類のパルス発生器を使う。例えば、1つの種類の印刷ヘッドでは、インクノズルを有する小室が、電圧印加時に変形する圧電性の壁に取り付けられてもよい。変形の結果、流体が、ノズルオリフィスから小滴として押し出される。小滴は次に、関連する印刷表面に直接当たる。このような圧電性装置を駆動装置として使う例は、特公平2−51734(JP B-1990-51734)号公報に示される。
【0005】
もう1つの種類の印刷ヘッドは、熱パルスによって形成された泡を使い、流体をノズルから外へ押し出す。泡がつぶれた時に、小滴がインク供給源から分離される。インクの加熱によって発生した圧力を使い泡を発生させることは、特公昭61−59911(JP B-1986-59911)号公報に記載されている。
【0006】
更にもう1つの種類のドロップオンデマンド方式の印刷ヘッドは、静電的アクチュエータを組入れる。この種類の印刷ヘッドは、インクを噴射するために静電力を使う。このような静電印刷ヘッドの例は、クロール(Kroll)への米国特許第4,520,375号及び特開平02−289351号公報に記載されている。米国特許第4,520,375号特許に記載されているインクジェットヘッドは、インク噴射小室の一部を構成する振動板(diaphragm)と、インク噴射小室外部の該振動板と対向する位置に配置されたベースプレートと、を含む静電アクチュエータを使う。インクジェットヘッドは、振動板とベースプレートとの間に時間で変動する電圧を印加することにより、インク噴射小室(チェンバ)と連絡するノズルを通じて、インク小滴を噴射する。よって、振動板及びベースプレートは、コンデンサとして機能し、これにより、振動板を機械的な運動へ設定し、振動板の動きに応答して流体が出るようにする。
【0007】
一方、日本の特開平02−289351号公報に記載のインクジェットヘッドは、振動板に固定された静電アクチュエータに電圧を印加することにより、振動板を曲げる。この結果、インク噴射小室へとインクが吸引される。一旦電圧が取り除かれると、振動板は曲げられる前の状態に戻され、インクが過度に充填された噴射小室からインクが噴射される。
【0008】
流体小摘噴射器は、印刷のためのみでなく、半導体及び平面パネル表示業界でのフォトレジスト及び他の液体の蒸着(deposition)、薬品及び生体的サンプルの配送、化学反応のための複数の化学物質の配送、DNA配列の取扱い、相互作用研究及び分析のための薬品及び生体的物質の配送、及び超微小機械での永久及び/又は交換可能ガスケットとして使用可能なプラスチックの薄く細い層の蒸着、などの目的に使うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従電気駆動方法では、近年の要求品質に対し今一歩であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、静電的に駆動される装置の効率的な始動を可能にするシステム及び方法を提供する。また、本発明は、駆動部材と静止部材とを有する静電始動される装置と、前記駆動部材に二極性駆動信号を印加し、前記駆動部材と前記静止部材との間に一定の電位差を有する静電場を発生させる駆動振動源と、を有する静電始動される装置を電気的に駆動させるシステムを備えた流体噴射器であって、前記駆動部材の押圧面に対向するように前記静止部材に噴射器ノズルが形成され、前記駆動部材の両端は、基板に接続された2つ以上のばね構造要素によってそれぞれ支持され、前記駆動振動源によって前記静止部材をグランド電位に保ちつつ二極性駆動信号が前記駆動部材に印加されることによって、前記駆動部材が前記静止部材に向かって移動し、前記駆動部材と前記静止部材との間に存在する流体を前記噴射器ノズルより噴霧させる流体噴射器を提供する。
【0011】
本発明はまた、一定の電場力を使い静電的に始動するシステム及び方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、静電始動される流体噴射器のために、増加した噴射力を発生させるシステム及び方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、潜在的な電気化学反応が低減された静電始動システム及び方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、電導率損失が低減された静電始動システム及び方法を提供する。
【0015】
本発明はまた、絶縁破壊の可能性が低減された静電始動システム及び方法を提供する。
【0016】
本発明はまた、静電的に始動される流体噴射器における、「オンデマンド」方式の小摘サイズの変更のためのシステム及び方法を提供する。
【0017】
本発明によるシステム及び方法の様々な例示実施形態によれば、電場が一定の力を有するように、静電始動される装置に駆動信号が印加される。様々な例示実施形態では、駆動信号は、定電流源によって印加されてもよい。この代わりに、様々な他の例示実施形態では、駆動信号は、その存在期間中に低減されてもよい。
【0018】
本発明によるシステム及び方法の様々な例示実施形態によれば、静電始動される装置が、電気化学反応の潜在的な効果を低減するような速度で駆動される。
【0019】
本発明によるシステム及び方法の様々な実施形態によれば、電気化学反応の潜在的な効果を低減するように、二極性駆動信号が、静電始動される装置に印加される。
【0020】
本発明によるシステム及び方法の様々な実施形態によれば、電気化学反応又は電気的破壊又はその両方の可能性が低減されるよう、適切な高い周波数を有する駆動信号が、静電始動される装置に印加される。
【0021】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、後述する本発明によるシステム及び方法の様々な例示実施形態の詳細な説明に記載されている又は詳細な説明から明らかになるであろう。
【0022】
本発明のシステム及び方法の様々な例示実施形態を、添付する図面を参照して詳しく下に示す。
【0023】
【発明の実施の形態】
しかしながら、本発明のシステム及び方法は、下で論議される流体噴射器の特定の実施形態や一般的な流体噴射器以外の広い範囲の装置に適用できることを理解すべきである。
【0024】
本発明によるシステム及び方法の例示実施形態では、電場が定力を有するように、静電始動される装置に駆動信号が印加される。例えば、静電始動される流体噴射器では、ピストンと、ノズル穴を有するフェースプレートとの一方に駆動信号が印加される。噴射される誘電性流体は、ピストンとフェースプレートとの間に供給される。駆動信号は、ピストンとフェースプレートの間に、流体を横切る電場を発生させる。電場は、ピストンを静電的にフェースプレートに向かって引き、これにより流体のジェット又は小摘がフェースプレートのノズル穴を通じて噴射される。電場は、駆動信号が定電流源からのものであるか、駆動信号が、1つの駆動パルスの間に低減されている場合に、定力を有する。
【0025】
本発明のシステム及び方法の様々な実施形態では、二極性駆動信号が使われる。よって、様々な実施形態において、電気化学反応の可能性を低減するために、所望の周波数の二極性パルス列が印加される。二極性駆動信号は、電極表面の電位を、周期的に反転するようにする。この反転により、駆動信号が印加されている時間の一部では、電極が陽極として機能し、駆動信号が印加されている時間の一部では、電極が陰極として機能する。陽極での反応と陰極での反応は、異なる電気化学生成物を生じるため、特定の電気化学生成物の濃度は、対応する反応を中断し電気化学生成物の流体への拡散を可能にすることにより、低減される。これにより、流体内の電気化学反応生成物のいずれかの飽和濃度限界を超える可能性を低減する。上述のように、いずれかの電気化学反応の飽和濃度限界を超えた場合、気体凝集及び泡形成のための十分な熱力学的駆動力が存在する。
【0026】
電気化学反応は、駆動静電場が印加される時間の量を低減することによっても最小化できる。本発明のシステム及び方法の様々な実施形態では、流体噴射器を駆動するために必要な時間が減らされ、これにより、電気化学反応が起きるための時間が低減される。よって、望まれない泡の形成が低減される。すなわち、望まれない泡の形成量は、駆動静電場が印加されている時間の量に比例する。よって、駆動信号の長さを低減することにより、発生する電気化学反応が少なくなる。
【0027】
様々な例示実施形態では、適切な高い周波数の駆動信号を使うことにより、電気化学反応又は電気的破壊又はその両方の可能性を低減する。流体の絶縁破壊及び電気化学的破壊の閾値は、印加される信号の周波数に関連することが実験によって示されている。より高い周波数の信号は、流体の絶縁破壊が起きる閾値を高める。例えば、特定の水性流体の場合、信号の周波数を10倍に増加させることにより、絶縁破壊の閾値が、2より大きい倍率で増加できる。また、より高い周波数の信号を使うことにより、例えば、水の電気分解などの、流体内での望まれない電気化学反応を低減することを助ける。
【0028】
水の電気分解は、理想条件下では、極性を与えられた2つのプレート間に印加された電圧が、1.23V程度に低い場合でも生じる。陰極反応が、相対的により負の電位にバイアスされた又は固定された電極において生じ、水素ガスが生成される。陽極反応が、相対的により正の電位にバイアスされた又は固定された電極において生じ、酸素ガスが生成される。よって、電気分解は、気体の放散及び電極の部分的な減極の可能性を導入する。
【0029】
例えば、流体の水素又は酸素のいずれかの臨界飽和量を超えた場合、流体噴射器内に気体の泡が凝集し増大する場合がある。気体の泡は、流体噴射器からの小摘噴射の力学に影響を与える。流体内の小さな泡は不安定でありつぶれるため、キャビテーション(cavitation)によって、局地的に比較的多量のエネルギーを開放する。これは、流体噴射器内のポリシリコン構成要素の点食などの侵食につながる場合がある。これはまた、電極消極を引き起こす場合があり、この結果、低い定常状態電位が電極に印加され、静電場が低減される場合がある。電流が電気分解反応によって引きだされるため、所望の静電場を保持するために、増加した相殺電流が必要とされる。よって、流体噴射器の効率が減らされる。一方、大きい泡は、ノズル又は複数のノズルから流体を離れるように移動させる又は流体噴射器の流体力学に悪影響を与えることにより、実際に小摘の噴射を妨げる場合がある。同様に、大きな泡は、流体の補充に悪影響を及ぼす場合がある。大きな泡の存在はまた、流体破壊電場の強さを、流体の小摘を噴射するために必要な強さよりも低くしてしまう危険性も伴う。
【0030】
他の電気化学反応もまた、可能であり、同様の結果を伴う。例えば、有機金属を含む、錯体化(complexed)又はキレート化(chelated)された金属カチオンを含むインクの染料分子は、微小加工された流体噴射器を駆動するために典型的に必要とされる電位において、電気化学還元又は酸化化学を示す。電気化学的に活性であるものとして知られる有機化合物は、例えば、炭化水素、ハロゲン化した炭化水素、ニトロ、アミン、飽和カルボニル、不飽和カルボニル、カルボキシレート、フェノール類の化合物、水酸基、硫化物、チオカルボニル、及び複素環式化合物を含む。流体が、高い濃度の、上述の添加物のような添加物を有する場合、電気重合が生じる場合があり、この場合、流体噴射器の内部表面が、重合された物質によって被覆される。
【0031】
図1に、静電始動流体噴射器100の実施形態を、例としてのみ示す。静電始動流体噴射器100は、密閉されていないピストン120を有し、該ピストン120は、ピストン120の一方の側において基板110に接続されている1つ又はそれ以上のばね構成要素122によって支持されている。少なくとも1つの噴射器ノズル142を有するフェースプレート140が、ピストン120の他方の側に形成されている。流体バス130が、フェースプレート140と基板110との間に配置されている。流体バス130は、基板110に形成された流体供給口112を通じて流体供給源(図示せず)と連絡する。
【0032】
静電始動流体噴射器100は、駆動信号源150からの駆動信号152が印加され、ピストン120とフェースプレート140との間に流体バス130内の流体を横切って静電場Eが発生した時に、静電的に始動される。例えば、フェースプレート140をグランド電位に保ちつつ、ピストン120に電圧を印加することができる。フェースプレート140とピストン120との間のこの電位差が、流体バス130内の流体を横切る静電場Eを発生させる。静電場Eは、ピストン120をフェースプレート140に向けて引く静電引力を発生させる。ピストン120の移動により、小摘132が、噴射器ノズル142から押し出される。
【0033】
駆動信号152は、流体の絶縁破壊の許容範囲(latitude)を増加させるために使われてもよい。流体噴射器などの、超小型電気機械システム(MEMS)又は微小加工された装置では典型的な、非常に小さな寸法の領域では、流体の絶縁破壊の強さは、破壊に重要な寸法が小さくなるにしたがって大きくなる。この性質は、考慮される流体に依存する。以下の説明では、本発明によるシステム及び方法の説明を簡略化するために、絶縁破壊の強さは、考慮される寸法を通じて一定であると仮定される。
【0034】
駆動信号152はまた、噴射器がピストン120の代わりに振動板を有する場合に、電極に印加されてもよい。誘電性流体は、電極と振動板の間に含まれる。
【0035】
実際には、いずれの場合においても、ピストン120又は振動板に電力を供給するために使われ、小摘132を静電始動流体噴射器100から外に押しやるために使われる特定の駆動信号152は、このタスクに効果的ないずれの信号であってもよい。しかしながら、一定の強さの電場は、特に電場の強さが最大値である時に、流体の絶縁破壊なしに、装置の性能を改善することを助ける。様々な実施形態では、本発明のシステム及び方法は、印加電圧を直接低減することにより、又は静電始動流体噴射器100を定電流源によって駆動することにより、一定の強さの電場を提供する。
【0036】
図2に、ピストン120又は振動板を曲げ、小摘132を生成するために使用できる駆動信号152の質的な例を示す。このような駆動信号は、フェースプレート140とピストン120との間の距離又は振動板と電極との間の距離が低減されるにつれて、ピストン120とフェースプレート140との間の間隙又は振動板と電極との間の間隙を横切る定電場Eを生成する。一定の電場Eは、小摘132を噴射器ノズル142の外に押しやる又は振動板の「打金を起こす(cock)」ために必要な時間の長さだけ印加される。次に、ばね構成要素122がピストン120をその停止位置に戻すことを可能にするため、又は振動板の弾力性ばね力が振動板を曲げられる前の位置に戻すことを可能にするために、電場Eが遮断される。本発明による方法の本質は、ピストン120の噴射運動又は振動板の「打金を起こす」運動を通じて、一定の電場Eを保持することである。
【0037】
本発明によるシステム及び方法の様々な実施形態では、ピストン/振動板の移動量又は曲げの関数と共に変化する印加電圧を使い、ピストン120又は振動板を、誘電性流体の破壊電場の強さより低い強さを有する一定の電場Eで駆動してもよい。図3に示すように、位置センサ160又はピストン/振動板の移動量又は曲げ量を検出できる他の検知機構を備える閉鎖ループ制御を用いてもよい。よって、例えば、光に基づく干渉計、光学センサ、又は容量センサなどの、既知又は後に開発される検知機構のいずれを使ってもよい。フィードバック機構170が設けられ、位置センサ160からの情報を、別個の制御機構180又は駆動信号源150自体に連絡し、これにより、フェースプレート140とピストン120との間の距離又は振動板と電極との距離の関数として駆動信号152が制御される又は直接変更される。
【0038】
図4に示すように、適切なタイミング制御190によって、図3の位置センサ160を置き換え、開いたループの制御を提供してもよい。よって、駆動信号152は、時間に基づく関数によって制御される又は距離から間接的に変更される。タイミング制御190はよって、流体噴射器100の特定の設計における実際の性能特性に基づき、時間で変動する駆動信号を提供する。タイミング制御190は、別個の構成要素として示されるが、タイミング制御190を駆動信号源自体に組込むこともできることを理解されたい。
【0039】
絶縁破壊の強さが、破壊に重要な寸法が変化するにしたがって変化する流体の場合、駆動信号152は、可能な限り最大の強さの電場Eを保持するよう、適切に調整されてもよい。すなわち、電気的破壊又は他の電気化学反応が誘電性流体内で発生する可能性を最小限にするために、駆動信号152は、ある特定の特性を有するよう調整されてもよい。第1に、静電始動装置が、適切な速度で駆動されてもよい。第2に、駆動信号が、適切な長さの時間だけ印加されてもよい。第3に、駆動信号が二極性信号であってもよい。第4に、駆動信号が適切に高い周波数で振動してもよい。
【0040】
静電的に始動される装置は、発生する電気化学反応が拡散し、これらの電気化学反応による悪影響を低減する又は回避することを可能にする速度で駆動できる。例えば、流体噴射器の場合、最大の小摘噴射速度は、約40kHzである。よって、流体噴射器の流体補充速度によって、電気化学反応の悪影響を低減しつつ、流体の小摘を、25μsごとに噴射できる。
【0041】
駆動信号をより短い長さの時間印加することにより、潜在的な電気化学反応が低減される。例えば、電圧が短い時間印加された場合、印加電圧の結果として生じる電気化学反応は、発生するための時間が短い。例えば、流体噴射器では、流体の小摘を噴射するために必要な時間の最小の量は、約4μsである。
【0042】
所望の周波数を有する二極性パルス列を、駆動信号152のために使うこともできる。例示波形を図5に示す。電気化学動力学の性質により、上述のように、電気化学反応の可能性を最小限にするために二極性電圧を印加してもよい。二極性パルス列の効果の大きさは、使われる特定の流体に依存する。
【0043】
流体の電気的破壊閾値は周波数に関連することが、実験によって示されている。より詳しくは、高い周波数の信号は、信号の極性を急速に反転し、各極性における電気化学反応に有用な時間を低減することにより、絶縁破壊が起きる閾値を高める。破壊の強さと駆動信号周波数との実際の関係は、考慮される特定の流体に依存する。例えば、流体噴射器では、駆動信号が印加される約4μsの間、二極性パルスは、約0.2μsごとに切り替えられてもよい。
【0044】
有利なことに、二極性パルス列は、電場Eの存在によって加えられる力が電場の大きさの二乗に依存するため、装置動作に影響を及ぼさない。図6に、図5の二極性パルス列によって発生する、一定の強さの電場を例示する。
【0045】
駆動信号を作り出すために使われる電子機器は、複数の流体噴射器又は流体噴射器のアレイを備える印刷ヘッドハウジングから機械的に離された、プリント配線基板上に組込まれてもよい。このような場合、プリント配線基板から各流体噴射器への個々の電気リード線を供給する必要がある。図7は、この方法を用いた、プリントヘッドアセンブリ1000の1つの実施形態を例示する平面図である。13個の流体噴射器1100が中央に示される。各流体噴射器1100は、ばね構成要素1122を有するピストン1120を備える。印刷ヘッドアセンブリ1000の縁にある複数の結合パッド1300からの電気トレース1200により、個々のピストン1120の各々に、ばね構成要素1122を介して、絶縁された電気経路が設けられる。もちろん、印刷ヘッドアセンブリ1000は、図示目的のためのみである。図示するものとは異なる数の行及び列を有する、異なるサイズのアレイなどを含む、多くの変更が可能である。
【0046】
しかしながら、このような方法では、実装密度(packing density)が制限される。例えば、最小サイズ及び空間の制約などの、結合パッド1300の実施を支配する設計ルールが存在するため、最大実装密度は、その大部分が、個々の流体噴射器1100への結合バッド接続の形状によって決定される。これが、作り出すことのできるアレイのサイズの実質上の制限となる場合がある。
【0047】
代替方法としては、2Dマトリクスアドレス技法を用いる方法があり、これを図8に示す。この方法では、列C1及びC2ごとに1つの電子「入力」経路が存在し、行R1、R2、R3、及びR4ごとに1つの電子「出力」経路が存在する。各流体噴射器1100は、アドレスされる特定の列及び行によって制御される。この方法は、実質上、結合パッド実装密度を半分にし、これにより、前述の方法における制限が大幅に緩和される。
【0048】
第3の代替方法は、必要な制御電子機器の主要部分を、プリント配線基板ではなく、印刷ヘッドに組込む方法である。このような装置をシリコンに基づく製造技法によって組み立てる場合、電子機器は、サンディア国立研究所(Sandia National Lab)のIMEMS処理などの一体化された処理によって、印刷ヘッドと同一のシリコンチップ上に作製できる。IMEMS処理は、ファリーノ等(Farino et al.)への米国特許第5,783,340号や、モンタギュー等(Montague et al.)への米国特許第5,798,283号や、バロン等(Barron et al.)への米国特許第5,919,548号や、バロン等への米国特許第5,963,788号などに記載されており、これらの文献全体をここに参照し組入れる。この場合、個々の流体噴射器1100のアドレス及び開始(firing)を制御するための電子機器がシリコンのベースに内蔵されているため、外部プリント配線基板上に存在する機能を制御するための接続の数が最小限でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって静電駆動される単一の流体噴射器の実施形態を例示する断面図である。
【図2】 本発明による駆動信号の例を質的に示すグラフである。
【図3】 位置センサを含む、本発明による単一の流体噴射器の実施形態を例示する断面図である。
【図4】 タイミング機構を含む本発明による単一の流体噴射器の実施形態を例示する断面図である。
【図5】 本発明による駆動信号の二極性パルス列の波形を例示するグラフである。
【図6】 図5の二極性パルス列によって生じる一定の強さの電場を質的に例示するグラフである。
【図7】 本発明と共に使用可能な印刷ヘッドアセンブリの実施形態を例示する平面図である。
【図8】 本発明と共に使う2Dマトリクスアドレス技法を示す図である。
【符号の説明】
100 流体噴射器、110 基板、112 流体供給口、120 ピストン、122 ばね構成要素、130 流体バス、132 小摘、140 フェースプレート、142 噴射ノズル、150 駆動信号源、152 駆動信号、160 センサ、170 フィードバック機構、180 制御機構、190 タイミング制御。
Claims (1)
- 駆動部材と静止部材とを有する静電始動される装置と、
前記駆動部材に二極性駆動信号を印加し、前記駆動部材と前記静止部材との間に一定の電位差を有する静電場を発生させる駆動振動源と、を有する静電始動される装置を電気的に駆動させるシステムを備えた流体噴射器であって、
前記駆動部材の押圧面に対向するように前記静止部材に噴射器ノズルが形成され、
前記駆動部材の両端は、基板に接続された2つ以上のばね構造要素によってそれぞれ支持され、
前記駆動振動源によって前記静止部材をグランド電位に保ちつつ二極性駆動信号が前記駆動部材に印加されることによって、前記駆動部材が前記静止部材に向かって移動し、前記駆動部材と前記静止部材との間に存在する流体を前記噴射器ノズルより噴霧させることを特徴とする流体噴射器。
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