JP2013131301A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型、省電力の制御装置により複数のインジェクタの動作を制御することが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック20に燃料ガスを供給する互いに並列に配置された流路431と流路432と、流路431と流路432の開状態と閉状態とを各々切り換えるインジェクタINJ1とインジェクタINJ2と、インジェクタINJ1とインジェクタINJ2に供給される電流の大きさを所定値とすることで、流路431と流路432を各々開状態に維持する第一制御部CTR1と第二制御部CTR2と、を備えており、第一制御部CTR1は、スイッチング素子のチョッパ制御によりインジェクタINJ1に供給される電流を所定値とし、第二制御部CTR2は電源に直列に接続された抵抗SRによりインジェクタINJ2に供給される電流を所定値とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
例えば自動車等の車両に搭載される燃料電池システムは、燃料電池に対して水素等の燃料ガス及び空気等の酸化剤ガスを供給し、これらの電気化学反応により生じた電力を駆動モータ等の負荷に供給する発電システムである。燃料電池に対する燃料ガスの供給は、燃料タンク等の燃料供給源と燃料電池とを配管で接続し、かかる配管を通じて行われる。
燃料電池に供給される燃料ガスの必要流量は、燃料電池が発電する電力に応じて変化する。効率の良い発電を行うためには、負荷の要求電力が大きい場合には燃料電池に供給する燃料ガスの流量を多くし、逆に、負荷の要求電力が小さい場合には燃料電池に供給する燃料ガスの流量を少なくすることが望ましい。このため、燃料供給源と燃料電池とを接続する上記配管には、燃料ガスの流量を調整するための流量調整手段が配置される。
このような流量調整手段としては、インジェクタが一般に用いられている。インジェクタとは電磁駆動式の開閉弁であって、電流が供給されると弁体が弁座から離隔して流路を開状態とする一方、電流の供給が停止されれば弁体が弁座に当接して流路を閉状態とするものである。このようなインジェクタを用いた燃料電池システムにおいては、インジェクタの弁体に対し、弁座からの離間及び弁座への当接を所定の周期で繰り返すような開閉駆動を行うことで、燃料ガスの供給が行われる。インジェクタを通過する燃料ガスの流量は、上記周期を適宜変更することにより調整される。
インジェクタを閉状態から開状態とする際には、弁体を電磁力により移動させるための電流をインジェクタに対し供給する必要がある。また、弁体が移動してインジェクタが開状態となった後でも、かかる開状態を維持するために、インジェクタに対する電流の供給を継続する必要がある。
インジェクタを閉状態から開状態にするために必要な電流は、インジェクタを開状態に維持するために必要な電流よりも大きい。従って、インジェクタを開状態とする際には、まず比較的大きな電流(突入電流)を短時間供給して弁体を開状態の位置に移動させ、その後は比較的小さな電流(保持電流)を供給して弁体を開状態の位置に保持することが行われる。突入電流と保持電流とを切り換えることによって、インジェクタの動作に要する電力を低減することができる。
このため、インジェクタに電流を供給しその動作を制御するための制御部は、比較的大きな電流である突入電流と、突入電流より小さい電流である保持電流とからなる二種類の電流を、適宜切り替えてインジェクタに供給する必要がある。このように、大きさの異なる電流を供給するための制御部の構成としては、以下のような二つの構成が考えられる。
第一の構成(以下、チョッパ制御構成と呼ぶ)では、バッテリ等の電源からインジェクタに電流を供給する回路上に、スイッチ等で切り換え可能な二つの電流経路を互いに並列に備える。一方の電流経路には、スイッチング素子と、当該電流経路を流れる電流の大きさを検出するための電流検出部を備える。
このチョッパ制御構成においては、突入電流を供給する際は、スイッチング素子が配置されていない方の電流経路にスイッチ等を切り替え、電源からインジェクタに対し大きな突入電流を供給する。
一方、保持電流を供給する際は、スイッチング素子が配置されている方の電流経路にスイッチ等を切り替え、電流検出部が検出した電流が所定の大きさとなるように、適切な周期によりスイッチング素子の開閉動作を高速で繰り返す、所謂チョッパ制御を行う。このような制御を行うことにより、電源からインジェクタに対し比較的小さな保持電流が供給される。
第二の構成(以下、分圧抵抗構成と呼ぶ)では、バッテリ等の電源からインジェクタに電流を供給する回路上に、スイッチ等で切り換え可能な二つの電流経路を互いに並列に備える。この点は上記のチョッパ制御構成と同様であるが、本構成では、一方の電流経路に、スイッチング素子ではなく分圧抵抗を備えている点が異なっている。
この分圧抵抗構成においては、突入電流を供給する際は、分圧抵抗が配置されていない方の電流経路にスイッチ等を切り替え、電源からインジェクタに対し大きな突入電流を供給する。
一方、保持電流を供給する際は、分圧抵抗が配置されている方の電流経路にスイッチ等を切り替え、この電流経路を通じてインジェクタに電流を供給する。インジェクタに保持電流を供給する回路は、インジェクタと分圧抵抗とが直列に接続された回路となるために、回路全体の抵抗が大きくなる。その結果、電源からインジェクタに対し比較的小さな保持電流が供給される。
下記特許文献1には、燃料供給源である燃料ガスタンクから燃料電池に燃料ガスを供給する流路に、互いに並列に配置された複数のインジェクタを備えた燃料電池システムが記載されている。このような構成とすることによって、例えば、弁体の開閉駆動を行って燃料ガスを通過させるインジェクタの本数を、要求電力に基づいて適宜変更するような制御を行い、燃料電池に対する燃料ガスの供給量を広い範囲で調整することが可能となっている。従って、下記特許文献1に記載されたような構成の燃料電池システムにおいては、複数のインジェクタの動作を個別に制御するために、複数のインジェクタに対して上記のような制御部をそれぞれ設ける必要がある。
特開2010−054035号公報
ここで、複数のインジェクタに対して設けられる複数の制御部を上記のようなチョッパ制御構成のものとした場合、以下のような問題が生じる。チョッパ制御構成は、スイッチング素子の高速な開閉動作によってインジェクタに供給する保持電流を制御するものであるが、保持電流にはスイッチング素子の開閉動作による脈動が生じてしまうため、これを除去するためのノイズフィルタ回路を設ける必要がある。ノイズフィルタ回路は、コンデンサ等の多数の部品により構成されるため、制御部が大型化してしまう。
インジェクタの個数に応じた複数の制御部により制御装置を構成した場合、上記のような大型化の影響が積算されるため、燃料電池システムにおいて制御装置が占める体積は巨大なものとなってしまう。また、スイッチング素子は動作時に発熱するため、放熱機構を設ける必要があるが、放熱機構を設けることによって更に制御装置が大型化することとなる。これらに加えて、部品点数の増加に伴いコストが増加するという問題も生じる。
そこで、複数のインジェクタに対して設けられる複数の制御部を、チョッパ制御構成ではなく分圧抵抗構成とすることが考えられる。しかし、上記のように、分圧抵抗構成は分圧抵抗によって回路の抵抗を増加させ、インジェクタに小さな保持電流を供給するものであるから、分圧抵抗を電流が通過することによる無駄なエネルギー消費を伴うものである。このため、インジェクタが開状態となっている間、常に無駄なエネルギー消費が生じることとなる。更に、このような無駄なエネルギー消費は複数の制御部それぞれにおいて生じるため、燃料電池システム全体では無視できないエネルギー消費となり、燃料の利用効率を著しく悪化させてしまうこととなる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御装置の大型化を抑え、且つ消費電力の増加を抑制しながら、複数のインジェクタの動作を制御することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて、当該燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する流路である第一燃料流路と、前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する流路であって、前記第一燃料流路とは並列に配置された第二燃料流路と、電流の供給を受けて駆動され、前記第一燃料流路の開状態と閉状態とを切り換える第一インジェクタと、電流の供給を受けて駆動され、前記第二燃料流路の開状態と閉状態とを切り換える第二インジェクタと、前記第一インジェクタに供給される第一電流の大きさを第一所定値とすることで、前記第一燃料流路を開状態に維持する第一制御部と、前記第二インジェクタに供給される第二電流の大きさを第二所定値とすることで、前記第二燃料流路を開状態に維持する第二制御部と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記第一制御部は、前記第一電流の供給源である第一電源部と、前記第一電源部から前記第一インジェクタに前記第一電流を供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り替える第一スイッチ部を有する第一回路と、を有し、前記第一スイッチ部の開閉動作を高速で繰り返すチョッパ制御を行うことにより、前記第一電流の大きさを前記第一所定値とするものである一方、前記第二制御部は、前記第二電流の供給源である第二電源部と、前記第二電源部から前記第二インジェクタに前記第二電流を供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り替える第二スイッチ部と当該回路において前記第二インジェクタと直列に接続された分圧抵抗とを有する第二回路と、を有し、前記第二スイッチ部を閉じて前記第二回路を閉状態とすることによって、前記第二電流の大きさを前記第二所定値とするものであることを特徴としている。
本発明では、互いに並列に配置された燃料ガスの流路である第一燃料流路、及び第二燃料流路を備えており、第一燃料流路の開状態と閉状態とを切り換える第一インジェクタ、及び、第二燃料流路の開状態と閉状態とを切り換える第二インジェクタを備えている。また、これらインジェクタの動作をそれぞれ制御する第一制御部と第二制御部とを備えている。
第一制御部は、第一電源部と、第一電源部から第一インジェクタに第一電流を供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り替える第一スイッチ部を有する第一回路とを有する。第一制御部は、第一スイッチ部の開閉動作を高速で繰り返すチョッパ制御を行うことにより、第一インジェクタに流れる第一電流の大きさを第一所定値とし、第一燃料流路を開状態に維持する。すなわち、第一制御部は上述のチョッパ制御構成となっている。
第二制御部は、第二電源部と、第二電源部から第二インジェクタに第二電流を供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り替える第二スイッチ部と当該回路において第二インジェクタと直列に接続された分圧抵抗とを有する第二回路とを有する。第二制御部は、第二スイッチ部を閉じて第二回路を閉状態とすることにより、第二インジェクタに流れる第二電流の大きさを第二所定値とし、第二燃料流路を開状態に維持する。すなわち、第二制御部は上述の分圧抵抗構成となっている。
すなわち本発明では、チョッパ制御構成である第一制御部によって開状態に維持される第一燃料流路(及び第一インジェクタ)と、分圧抵抗構成である第二制御部によって開状態に維持される第二燃料流路(及び第二インジェクタ)とを有している。二つのインジェクタの動作を全て同じ構成(チョッパ制御構成又は分圧抵抗構成)の制御部によって制御するのではなく、互いに異なる構成の制御部によって制御する。
このため、全ての制御部をチョッパ制御構成とした場合に比べて装置を小型化し、更に部品点数を低減することができる。また、全ての制御部を分圧抵抗構成とした場合に比べて、分圧抵抗を電流が通過することによって生じる無駄な消費電力の発生を抑制することとができる。
また本発明に係る燃料電池システムでは、負荷からの要求電力に基づいて前記燃料電池が発電する電力の大きさを制御するものであって、前記要求電力が所定値以下の場合においては、前記第二インジェクタを常に閉状態とし、前記燃料電池に対する前記燃料ガスの供給は前記第一燃料流路のみから行うことも好ましい。
この好ましい態様では、負荷からの要求電力が所定以下の場合においては、第二インジェクタを常に閉状態とし、燃料電池に対する燃料ガスの供給は、第一燃料流路のみから行う。すなわち、燃料電池への燃料ガスの供給は優先的に第一燃料流路から行うこととし、要求電力が所定よりも大きい場合においてのみ、第二燃料流路からの燃料ガスの供給を行う。これにより、第二燃料流路を開状態とする頻度、すなわち、第二インジェクタに保持電流を供給して開状態を保持する頻度が低くなるため、分圧抵抗を電流が通過することにより消費されてしまうエネルギーが低減される。その結果、燃料電池システムにおける燃料の利用効率を更に向上させることができる。
また本発明に係る燃料電池システムでは、前記第一インジェクタを、前記第一燃料流路において互いに並列に接続された状態で複数個備えており、それぞれの前記第一インジェクタに対応した複数個の前記第一制御部を備えていることも好ましい。
この好ましい態様では、互いに並列に接続された第一インジェクタを複数個備えており、それぞれの第一インジェクタの動作を個別に制御することができる。このため、弁体の開閉駆動を行って燃料ガスを通過させる第一インジェクタの本数を、要求電力に基づいて適宜変更するような制御を行い、燃料電池に対する燃料ガスの供給量を広い範囲で調整することができる。
また本発明に係る燃料電池システムでは、前記第二インジェクタを、前記第二燃料流路において互いに並列に接続された状態で複数個備えており、それぞれの前記第二インジェクタに対応した複数個の前記第二制御部を備えていることも好ましい。
この好ましい態様では、互いに並列に接続された第二インジェクタを複数個備えており、それぞれの第二インジェクタの動作を個別に制御することができる。このため、弁体の開閉駆動を行って燃料ガスを通過させる第二インジェクタの個数を、要求電力に基づいて適宜変更するような制御を行い、燃料電池に対する燃料ガスの供給量を広い範囲で調整することができる。
本発明によれば、制御装置の大型化を抑え、且つ消費電力の増加を抑制しながら、複数のインジェクタの動作を制御することが可能な燃料電池システムを提供することができる。
本発明の一実施形態である燃料電池システムの構成を示した図である。 図1に示した燃料電池システムの、制御装置の一部の構成を示した図である。 図1に示した燃料電池システムの、制御装置の一部の構成を示した図である。 図1に示した燃料電池システムにおいて、インジェクタに供給される電流の時間変化を示すグラフである。 図1に示した燃料電池システムにおいて、インジェクタに供給される電流の時間変化を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態である燃料電池システム10の構成を示す図である。燃料電池システム10は、例えば燃料電池車両に搭載される車載電源システム等として機能するものであり、反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)の供給を受けて発電する燃料電池スタック20と、酸化剤ガスとしての空気を燃料電池スタック20に供給するための酸化剤ガス供給系30と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック20に供給するための燃料ガス供給系40と、システム全体を統括制御する制御装置CTRとを備えている。
燃料電池スタック20は、多数のセルを直列に積層してなる固体高分子電解質型セルスタックである。燃料電池スタック20では、アノード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソード極において(2)式の還元反応が生じる。燃料電池スタック20全体としては(3)式の起電反応が生じる。
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
酸化剤ガス供給系30は、燃料電池スタック20のカソード極に供給される酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路33と、燃料電池スタック20から排出される酸化剤オフガスが流れる酸化剤オフガス流路34とを有している。酸化剤ガス流路33には、フィルタ31を介して大気中から酸化剤ガスを取り込むエアコンプレッサ32と、燃料電池スタック20への酸化剤ガス供給を遮断するための遮断弁A1とが設けられている。酸化剤オフガス流路34には、燃料電池スタック20からの酸化剤オフガス排出を遮断するための遮断弁A2と、酸化剤ガス供給圧を調整するための背圧調整弁A3とが設けられている。
燃料ガス供給系40は、燃料ガス供給源41と、燃料ガス供給源41から燃料電池スタック20のアノード極に供給される燃料ガスが流れる燃料ガス流路43と、燃料電池スタック20から排出される燃料オフガスを燃料ガス流路43に帰還させるための循環流路44と、循環流路44内の燃料オフガスを燃料ガス流路43に圧送する循環ポンプ45と、循環流路44に分岐接続される排気排水流路46とを有している。
燃料ガス供給源41は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、高圧(例えば、35MPa乃至70MPa)の水素ガスを貯留する。遮断弁H1を開くと、燃料ガス供給源41から燃料ガス流路43に燃料ガスが流出する。燃料ガスは、レギュレータH2やインジェクタINJ1、INJ2、INJ3により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池スタック20に供給される。尚、燃料ガス供給源41は、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクとから構成してもよい。
燃料ガス流路43には、燃料ガス供給源41からの燃料ガスの供給を遮断又は許容するための遮断弁H1と、燃料ガスの圧力を調整するレギュレータH2と、燃料電池スタック20への燃料ガス供給量を制御する三つのインジェクタINJ1、INJ2、INJ3と、燃料電池スタック20への燃料ガス供給を遮断するための遮断弁H3と、圧力センサ73、74とが設けられている。
レギュレータH2は、その上流側圧力(一次圧)を予め設定した二次圧に調圧する装置であり、例えば、一次圧を減圧する機械式の減圧弁などで構成される。機械式の減圧弁は、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする構成を有する。インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の上流側にレギュレータH2を配置することにより、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の上流側圧力を効果的に低減させることができる。このため、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の機械的構造(弁体、筺体、流路、駆動装置等)の設計自由度を高めることができる。
また、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の上流側圧力を低減させることができるので、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の上流側圧力と下流側圧力との差圧の増大に起因してインジェクタINJ1、INJ2、INJ3の弁体が移動し難くなることを抑制することができる。従って、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の下流側圧力の可変調圧幅を広げることができるとともに、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の応答性の低下を抑制することができる。
燃料ガス流路43は、その一部が互いに並列な3つの流路431、432、433に分かれており、流路431、432、433にはその閉状態と開状態とを切り換える電磁弁として、それぞれインジェクタINJ1、INJ2、INJ3が配置されている。インジェクタINJ1、INJ2、INJ3は、いずれも、燃料ガスを噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その燃料ガスを噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体とを備えている。
インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の弁体は、それぞれ電磁駆動装置であるソレノイドL1、L2、L3により駆動される。ソレノイドL1、L2、L3に制御装置CTRから供給される電流によって、それぞれの噴射孔の開閉を個別に切り替えることができる。例えば、インジェクタINJ1のソレノイドL1に電流が供給されると、弁体が弁座から離隔して噴射孔が開き、流路431が開状態となる。一方、電流の供給が停止されると、弁体が弁座に当接して噴射孔が閉じ、流路431が閉状態となる。
制御装置CTRは、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3における上記のような開閉動作を個別に制御する。インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の開閉をそれぞれ所定の周期で繰り返すように制御することで、燃料ガス流路43を通過する燃料ガスの流量を調整する。流路431、432、433を通過する燃料ガスの流量は、それぞれ、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の開閉周期を適宜変更することにより調整される。
制御装置CTRは、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の上流側における燃料ガスの圧力を圧力センサ73により計測し、下流側における燃料ガスの圧力を圧力センサ74により計測している。制御装置CTRは、これらにより計測された圧力に基づいて、流路431、432、433を通過する燃料ガスの流量が所定の流量となるように、インジェクタINJ1、INJ2、INJ3の開閉周期を決定する。
また、制御装置CTRは、常に三個のインジェクタ全てを通じて燃料ガスを供給するのではなく、要求負荷に応じて、一部のインジェクタを閉状態とするような制御を行う。例えば、要求負荷が小さい場合には、二個のインジェクタを閉状態とし、残り一個のインジェクタを開閉駆動することによって、燃料電池スタック20に供給する燃料ガスの流量を調整する。一方、要求負荷が大きい場合には、三個のインジェクタ全てを開閉駆動することによって、燃料電池スタック20に供給する燃料ガスの流量を調整する。このように、燃料ガスの供給を行うために動作させるインジェクタの個数を適宜変更することにより、燃料ガス流路43を通過する燃料ガスの流量を広い範囲で調整することができる。
循環流路44には、燃料電池スタック20からの燃料オフガス排出を遮断するための遮断弁H4と、循環流路44から分岐する排気排水流路46とが接続されている。排気排水流路46には、排気排水弁H5が配設されている。排気排水弁H5は、制御装置CTRからの指令によって作動することにより、循環流路44内の不純物を含む燃料オフガスと水分とを外部に排出する。排気排水弁H5の開弁により、循環流路44内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環系内を循環する燃料オフガス中の水素濃度を上げることができる。
排気排水弁H5を介して排出される燃料オフガスは、酸化剤オフガス流路34を流れる酸化剤オフガスと混合され、希釈器(図示せず)によって希釈される。循環ポンプ45は、循環系内の燃料オフガスをモータ駆動により燃料電池スタック20に循環供給する。
制御装置CTRは、CPU61、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システム10の各部を制御する。例えば、制御装置CTRは、燃料電池車両のアクセルセンサから出力されるアクセル開度信号などを基に、負荷からの要求電力を求める。すなわち、制御装置CTRは、要求電力を検知する要求電力検知手段としての機能を備えている。制御装置CTRは、要求電力に基づいて燃料電池スタック20の目標電力を決定し、燃料電池スタック20の発電電力が目標電力に一致するように、酸化剤ガス供給系30及び燃料ガス供給系40を制御する。
次に、制御装置CTRによるインジェクタINJ1、INJ2、INJ3の制御について詳しく説明する。制御装置CTRは、インジェクタINJ1の動作を制御するための第一制御部CTR1と、インジェクタINJ2の動作を制御するための第二制御部CTR2と、インジェクタINJ3の動作を制御するための第三制御部CTR3とを有している。
先ず、図2を参照しながら、インジェクタINJ1の動作を制御する第一制御部CTR1の構成について説明する。図2は、制御装置CTRの一部の構成を示した図であって、第一制御部CTR1の具体的な構成を示している。図2に示したように、第一制御部CTR1は、CPU61から受ける制御信号に基づいて、インジェクタINJ1のソレノイドL1に対して電流を供給する部分である。
第一制御部CTR1は、バッテリに繋がる電流経路であるバッテリラインBAT1を備えており、バッテリラインBAT1からスイッチング素子PF1、ソレノイドL1、スイッチング素子IF1へと繋がる電流経路である第一突入回路と、バッテリラインBAT1からスイッチング素子PF1、ソレノイドL1、スイッチング素子KF1へと繋がる電流経路である第一保持回路とにより構成されている。尚、上記バッテリは所定の電圧を出力する蓄電装置であって、ソレノイドL1に供給される電流の供給源である。
スイッチング素子PF1は、Nチャネル型FET(電界効果トランジスタ)であって、バッテリラインBAT1からソレノイドL1へと繋がる電流経路の開閉を行うために配置されたスイッチング素子である。制御装置CTRは、CPU61からの制御信号を増幅器62で増幅してからスイッチング素子PF1のゲート端子に入力することで、スイッチング素子PF1のゲート/ソース間電圧を変化させ、その開閉を制御する。燃料電池システム10の運転中においては、非常停止時を除き、スイッチング素子PF1は常に閉状態となっている。
スイッチング素子IF1及びスイッチング素子KF1も、スイッチング素子PF1と同様なNチャネル型FET(電界効果トランジスタ)である。それぞれ、ソレノイドL1と接地部GNDとの間において互いに並列に接続されている。
制御装置CTRは、CPU61からの制御信号を増幅器63で増幅してからスイッチング素子IF1のゲート端子に入力することで、スイッチング素子IF1のゲート/ソース間電圧を変化させ、その開閉を制御する。同様に、制御装置CTRは、CPU61からの制御信号を増幅器64で増幅してからスイッチング素子KF1のゲート端子に入力することで、スイッチング素子KF1のゲート/ソース間電圧を変化させ、その開閉を制御する。
スイッチング素子KF1と接地部GNDとの間には、電流計測用抵抗IRが配置されている。電流計測用抵抗IRは、その両端が増幅器65に接続されており、電流計測用抵抗IRの両端の電位差(電位降下量)が増幅器65に入力される。増幅器65は、電流計測用抵抗IRの両端における電位差を測定し、この電位差を増幅して得られた信号をCPU61に入力する。かかる電位差は、電流計測用抵抗IRを通過する電流に比例するものであるから、電流計測用抵抗IRと増幅器65とは、ソレノイドL1からスイッチング素子KF1へと流れる電流を計測するための電流計測手段として機能するものである。すなわち、CPU61には、電流計測用抵抗IRを流れる電流の大きさが増幅器65から入力される。
インジェクタINJ1が閉状態(流路431が閉状態)のときにおいては、スイッチング素子IF1及びスイッチング素子KF1はいずれも開状態となっている。すなわち、第一突入回路、第一保持回路は、いずれも回路が開いており、ソレノイドL1に電流が流れていない状態となっている。
続いて、インジェクタINJ1を閉状態から開状態に切り替えるときにおいては、まずスイッチング素子IF1のみを閉状態とし、第一突入回路を閉じることによって、バッテリラインBAT1からソレノイドL1に電流が供給される。
このとき、ソレノイドL1に供給される電流Iの時間変化を図4に示した。時刻t0においてスイッチング素子IF1が閉状態とされた後、ソレノイドL1のインダクタンスの影響を受けながら、電流Iは時間と共に上昇している。電流Iの大きさがI1を超えると、インジェクタINJ1の弁体が電磁力を受けて駆動され、弁座から離隔した位置へと移動する。このため時刻t1においては、インジェクタINJ1が開状態となり、流路431を通じて燃料ガスが燃料電池スタック20に供給される。
その後、時刻t1から時刻t2までの期間において、インジェクタINJ1が開状態に維持されるが、その間にソレノイドL1に供給される電流Iは、I1よりも低い電流(I2)でよい。これは、インジェクタINJ1の弁体を、弁座に当接した位置から離隔した位置まで移動させるためには、静止摩擦力や慣性力に抗するための大きな電磁力が必要となるのに対し、その後、インジェクタINJ1の弁体を弁座から離隔した位置に保持するためには、(弁体の移動を伴わないので)静止摩擦力や慣性力に抗する力は不要であり、必要な電磁力が小さいからである。従って、本実施形態では、時刻t1以降にソレノイドL1に供給される電流をI2にまで低減し、インジェクタINJ1の動作に要する電力を低減している。
具体的に説明すると、CPU61は、時刻t1においてスイッチング素子IF1を開くような制御信号を増幅器63に発する。このため、図4のようにソレノイドL1に供給される電流Iは時刻t1から低下し始める。
ここで、電流計測用抵抗IRを流れる電流、すなわちソレノイドL1を流れる電流の大きさは、増幅器65からCPU61に入力されている。CPUはかかる電流の大きさに基づいて、ソレノイドL1に供給される電流Iの大きさがI2に略一致するように、スイッチング素子KF1の動作を制御する。
電流Iが低下してI2を下回ると、CPU61はスイッチング素子KF1を閉じるような制御信号を増幅器64に発する。第一保持回路が閉じられるため、電流Iが再び増加し始める。その後、電流Iが増加してI2を上回ると、CPU61はスイッチング素子KF1を開くような制御信号を増幅器64に発する。第一保持回路が開かれるため、電流Iが再び減少し始める。このように、スイッチング素子KF1の開閉動作を高速で繰り返す、所謂チョッパ制御が行われるため、図4に示したように、時刻t1から時刻t2までの期間においては、ソレノイドL1に供給される電流Iの大きさはI2に略一致し、I2付近で脈動するような電流となる。尚、本実施形態においては省略しているが、第一制御部CTR1とソレノイドL1との間にコンデンサ等からなるノイズフィルタ回路を設けることにより、かかる脈動を除去することが望ましい。
以上のように、インジェクタINJ1の動作を制御する第一制御部CTR1は、電流Iの供給源であるバッテリ(第一電源部)と、バッテリからインジェクタINJ1に電流Iを供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り換えるスイッチング素子KF1(第一スイッチ部)を有する第一保持回路(第一回路)と、を有している。第一制御部CTR1は、スイッチング素子KF1の開閉動作を高速で繰り返すチョッパ制御を行うことにより、インジェクタINJ1に流れる電流I(第一電流)の大きさをI2(第一所定値)とする機能を有している。
次に、図3を参照しながら、インジェクタINJ2の動作を制御する第二制御部CTR2の構成について説明する。図3は、制御装置CTRの一部の構成を示した図であって、第二制御部CTR2の具体的な構成を示している。図3に示したように、第二制御部CTR2は、CPU61から受ける制御信号に基づいて、インジェクタINJ2のソレノイドL2に対して電流を供給する部分である。尚、インジェクタINJ3の動作を制御する第三制御部CTR3については、以下に説明する第二制御部CTR2の構成と同一であるため、その説明を省略する。
第二制御部CTR2は、バッテリに繋がる電流経路であるバッテリラインBAT2を備えており、バッテリラインBAT2からスイッチング素子PF2、ソレノイドL2、スイッチング素子IF2へと繋がる電流経路である第二突入回路と、バッテリラインBAT2からスイッチング素子PF2、ソレノイドL2、分圧抵抗SR、スイッチング素子KF2へと繋がる電流経路である第二保持回路とにより構成されている。尚、上記バッテリは所定の電圧を出力する蓄電装置であって、ソレノイドL2に供給される電流の供給源である。
スイッチング素子PF2は、Nチャネル型FET(電界効果トランジスタ)であって、バッテリラインBAT2からソレノイドL2へと繋がる電流経路の開閉を行うために配置されたスイッチング素子である。制御装置CTRは、CPU61からの制御信号を増幅器66で増幅してからスイッチング素子PF2のゲート端子に入力することで、スイッチング素子PF2のゲート/ソース間電圧を変化させ、その開閉を制御する。燃料電池システム10の運転中においては、非常停止時を除き、スイッチング素子PF2は常に閉状態となっている。
スイッチング素子IF2及びスイッチング素子KF2も、スイッチング素子PF2と同様なNチャネル型FET(電界効果トランジスタ)である。それぞれ、ソレノイドL2と接地部GNDとの間において互いに並列に接続されている。
制御装置CTRは、CPU61からの制御信号を増幅器67で増幅してからスイッチング素子IF2のゲート端子に入力することで、スイッチング素子IF2のゲート/ソース間電圧を変化させ、その開閉を制御する。同様に、制御装置CTRは、CPU61からの制御信号を増幅器68で増幅してからスイッチング素子KF2のゲート端子に入力することで、スイッチング素子KF2のゲート/ソース間電圧を変化させ、その開閉を制御する。
第二保持回路のうち、ソレノイドL2とスイッチング素子KF2との間には、分圧抵抗SRが配置されている。分圧抵抗SRは、一定の抵抗値を有する電気抵抗であって、第二保持回路において、ソレノイドL2と直列に接続されている。
インジェクタINJ2が閉状態(流路432が閉状態)のときにおいては、スイッチング素子IF2及びスイッチング素子KF2はいずれも開状態となっている。すなわち、第二突入回路、第二保持回路は、いずれも回路が開いており、ソレノイドL2に電流が流れていない状態となっている。
続いて、インジェクタINJ2を閉状態から開状態に切り替えるときにおいては、まずスイッチング素子IF2のみを閉状態とし、第二突入回路を閉じることによって、バッテリラインBAT2からソレノイドL2に電流が供給される。
このとき、ソレノイドL2に供給される電流Iの時間変化を図5に示した。時刻t0においてスイッチング素子IF2が閉状態とされた後、ソレノイドL2のインダクタンスの影響を受けながら、電流Iは時間と共に上昇している。電流Iの大きさがI1を超えると、インジェクタINJ2の弁体が電磁力を受けて駆動され、弁座から離隔した位置へと移動する。このため時刻t1においては、インジェクタINJ2が開状態となり、流路432を通じて燃料ガスが燃料電池スタック20に供給される。
その後、時刻t1から時刻t2までの期間において、インジェクタINJ2が開状態に維持されるが、その間にソレノイドL2に供給される電流Iは、I1よりも低い電流(I2)でよい。これは、インジェクタINJ2の弁体を、弁座に当接した位置から離隔した位置まで移動させるためには、静止摩擦力や慣性力に抗するための大きな電磁力が必要となるのに対し、その後、インジェクタINJ2の弁体を弁座から離隔した位置に保持するためには、(弁体の移動を伴わないので)静止摩擦力や慣性力に抗する力は不要であり、必要な電磁力が小さいからである。従って、本実施形態では、時刻t1以降にソレノイドL2に供給される電流をI2にまで低減し、インジェクタINJ2の動作に要する電力を低減している。
具体的に説明すると、CPU61は、時刻t1においてスイッチング素子IF2を開くような制御信号を増幅器67に発する。同時に、スイッチング素子KF2を閉じるような制御信号を増幅器68に発する。すなわち、第二突入回路は開かれ、第二保持回路が閉じられた状態となる。ここで、第二保持回路においては、ソレノイドL2と直列に分圧抵抗SRが配置されている。このため、第二保持回路に沿った電気抵抗は、第二突入回路に沿った電気抵抗よりも大きくなる。その結果、バッテリラインBAT2からソレノイドL2を経由して接地部GNDに流れる電流Iは、時刻t1から低下し始め、I2まで低下する。換言すれば、第二保持回路に定常的に流れる電流Iの大きさがI2となるように、分圧抵抗SRの抵抗値が予め定められている。
以上のように、インジェクタINJ2の動作を制御する第二制御部CTR2は、電流Iの供給源であるバッテリ(第二電源部)と、バッテリからインジェクタINJ2に電流Iを供給するため回路であって、当該回路の開閉を切り替えるスイッチング素子KF2(第二スイッチ部)と当該回路においてインジェクタINJ2と直列に接続された分圧抵抗SRとを有する第二保持回路(第二回路)と、を有している。第二制御部CTR2は、スイッチング素子KF2を閉じ、第二保持回路を閉状態とすることによって、インジェクタINJ2に流れる電流I(第二電流)の大きさをI2(第二所定値)とする機能を有している。
すなわち、本実施形態に係る燃料電池システム10では、流路を開状態に維持するためにインジェクタに供給する電流を、スイッチング素子KF1の開閉動作を高速で繰り返すことによって所定の値とするような構成(チョッパ制御構成)の第一制御部CTR1を備えている。また、流路を開状態に維持するためにインジェクタに供給する電流を、当該インジェクタと分圧抵抗SRとを直列に繋いだ回路を閉じることによって所定の値とするような構成(分圧抵抗構成)の第二制御部CTR2及び第三制御部CTR3を備えている。
このため、全ての制御部をチョッパ制御構成とした場合に比べて制御装置CTRを小型化し、更に部品点数を低減している。また、全ての制御部を分圧抵抗構成とした場合に比べて、分圧抵抗SRを電流が通過することによって生じる無駄な消費電力の発生を抑制している。
先に説明したように、制御装置CTRは、常に三個のインジェクタ全てを通じて燃料ガスを供給するのではなく、要求負荷に応じて、一部のインジェクタを閉状態とするような制御を行う。
具体的には、要求負荷が第一所定値よりも小さい場合には、インジェクタINJ2及びインジェクタINJ3を常に閉状態とし、インジェクタINJ1が配置された流路431からのみ、燃料電池スタック20に供給する燃料ガスの供給を行う。すなわち、第一制御部CTR1により制御されるインジェクタINJ1からのみ、燃料ガスの供給を行う。
要求負荷が第一所定値以上で、且つ第二所定値よりも小さい場合には、インジェクタINJ3は常に閉状態のままとし、インジェクタINJ1が配置された流路431、及び、インジェクタINJ2が配置された流路432から、燃料電池スタック20に供給する燃料ガスの供給を行う。また、要求負荷が第二所定値以上の場合には、インジェクタINJ1が配置された流路431、インジェクタINJ2が配置された流路432、及び、インジェクタINJ3が配置された流路433から、燃料電池スタック20に供給する燃料ガスの供給を行う。
このような制御を行うことにより、流路432及び流路433を開状態とする頻度、すなわち、インジェクタINJ2及びインジェクタINJ3に保持電流を供給して開状態を保持する頻度が低くなるため、分圧抵抗SRを電流Iが通過することにより消費されてしまうエネルギーが低減される。その結果、燃料電池システム10における燃料の利用効率が向上している。
尚、本実施形態では、分圧抵抗構成である制御部(第二制御部CTR2、第三制御部CTR3)により制御されるインジェクタ(インジェクタINJ2、インジェクタINJ3)を、互いに並列に接続された状態で二個備えた例を説明したが、本発明の実施形態としてはこのような態様に限られず、かかるインジェクタを三個以上並列に備えてもよい。
また、本実施形態では、チョッパ制御構成である制御部(第一制御部CTR1)により制御されるインジェクタ(インジェクタINJ1)を一個のみ備えた例を説明したが、このようなインジェクタ、及びそれに対応した制御部を複数個並列に備える構成としてもよい。燃料ガスを通過させるインジェクタの個数を要求電力に基づいて適宜変更するような制御を行うにあたっては、互いに個別に制御されるインジェクタの個数が多くなる程、燃料電池に対する燃料ガスの供給量をより広い範囲で調整することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10:燃料電池システム
20:燃料電池スタック
30:酸化剤ガス供給系
31:フィルタ
32:エアコンプレッサ
33:酸化剤ガス流路
34:酸化剤オフガス流路
40:燃料ガス供給系
41:燃料ガス供給源
43:燃料ガス流路
431,432,433:流路
44:循環流路
45:循環ポンプ
46:排気排水流路
62,63,64,65,66,67,68:増幅器
73,74:圧力センサ
A1,A2:遮断弁
A3:背圧調整弁
BAT1,BAT2:バッテリライン
CTR:制御装置
CTR1:第一制御部
CTR2:第二制御部
CTR3:第三制御部
GND:接地部
H1,H3,H4:遮断弁
H2:レギュレータ
H5:排気排水弁
IF1,IF2,KF1,KF2,PF1,PF2:スイッチング素子
INJ1,INJ2,INJ3:インジェクタ
IR:電流計測用抵抗
L1,L2:ソレノイド
SR:分圧抵抗

Claims (4)

  1. 燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて、当該燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する流路である第一燃料流路と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する流路であって、前記第一燃料流路とは並列に配置された第二燃料流路と、
    電流の供給を受けて駆動され、前記第一燃料流路の開状態と閉状態とを切り換える第一インジェクタと、
    電流の供給を受けて駆動され、前記第二燃料流路の開状態と閉状態とを切り換える第二インジェクタと、
    前記第一インジェクタに供給される第一電流の大きさを第一所定値とすることで、前記第一燃料流路を開状態に維持する第一制御部と、
    前記第二インジェクタに供給される第二電流の大きさを第二所定値とすることで、前記第二燃料流路を開状態に維持する第二制御部と、
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記第一制御部は、
    前記第一電流の供給源である第一電源部と、
    前記第一電源部から前記第一インジェクタに前記第一電流を供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り替える第一スイッチ部を有する第一回路と、を有し、
    前記第一スイッチ部の開閉動作を高速で繰り返すチョッパ制御を行うことにより、前記第一電流の大きさを前記第一所定値とするものである一方、
    前記第二制御部は、
    前記第二電流の供給源である第二電源部と、
    前記第二電源部から前記第二インジェクタに前記第二電流を供給するための回路であって、当該回路の開閉を切り替える第二スイッチ部と当該回路において前記第二インジェクタと直列に接続された分圧抵抗とを有する第二回路と、を有し、
    前記第二スイッチ部を閉じて前記第二回路を閉状態とすることによって、前記第二電流の大きさを前記第二所定値とするものであることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 負荷からの要求電力に基づいて前記燃料電池が発電する電力の大きさを制御するものであって、
    前記要求電力が所定値以下の場合においては、前記第二インジェクタを常に閉状態とし、前記燃料電池に対する前記燃料ガスの供給は前記第一燃料流路のみから行うことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第一インジェクタを、前記第一燃料流路において互いに並列に接続された状態で複数個備えており、それぞれの前記第一インジェクタに対応した複数個の前記第一制御部を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第二インジェクタを、前記第二燃料流路において互いに並列に接続された状態で複数個備えており、それぞれの前記第二インジェクタに対応した複数個の前記第二制御部を備えていることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。
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