JP2013130650A - 撮像装置およびレンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動画撮影を行う場合、操作リングの操作によって生じるクリック音を低減することができる撮像装置およびレンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒の外周部に設けられ、光学系2の光軸を中心に回転自在であり、内周側に溝部を形成した操作リング231と、レンズ鏡筒の所定の径方向に沿って進退可能であり、少なくとも該径方向に操作リング231の内周のうち溝部以外の内周が位置しているとき、該内周を可動部に搭載された接触子で押圧するアクチュエータ232と、撮像装置1が動画撮影を行っているか否かを判定する動画撮影判定部251と、動画撮影判定部251によって撮像装置1が動画撮影を行っていると判定された場合、径方向に溝部が位置しているときのアクチュエータ232の可動部に搭載された接触子を、撮像装置1が静止画撮影を行っているとき、操作リングの溝部より退避させるアクチュエータ制御部252と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被写体を撮像して該被写体の画像データを生成するレンズ鏡筒を有する撮像装置および撮像装置に着脱自在なレンズ装置に関する。
従来から、撮像装置のレンズ鏡筒に設けられ、回転操作が可能な操作リングを操作することにより、フォーカスを調整する技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、操作リングの回転方向に等間隔にクリック音を生じさせることにより、ユーザが操作リングの回転方向および回転角度を確認することができる。
特開2011−39385号公報
ところで、上述した技術では、ユーザが動画撮影を行っている場合において、操作リングを操作したとき、操作リングのクリック音が雑音として録音されてしまうという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、動画撮影を行う場合、操作リングの操作によって生じるクリック音を低減することができる撮像装置およびレンズ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像装置は、所定の視野領域から光を集光する光学系を有するレンズ鏡筒を備え、前記光学系が集光した光を受光して画像データを生成する撮像装置であって、前記レンズ鏡筒の外周部に設けられ、前記光学系の光軸を中心に回転自在であり、内周側に溝部を形成した操作リングと、前記レンズ鏡筒に設けられ、前記溝部に嵌合可能な接触子を、前記溝部に嵌合して押圧する押圧位置と前記溝部から離間した離間位置との間で進退可能に搭載した可動部を有するアクチュエータと、当該撮像装置が動画撮影を行っているか否かを判定する動画撮影判定部と、前記動画撮影判定部によって当該撮像装置が動画撮影を行っていると判定された場合、前記アクチュエータの駆動を制御して前記接触子を前記押圧位置から前記離間位置に退避させるアクチュエータ制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記操作リングは、前記レンズ鏡筒の光軸における第1の位置と第2の位置との間で進退可能であり、前記溝部を周方向に沿って複数形成したことを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記アクチュエータは、当該撮像装置が静止画撮影を行っている場合において、前記接触子が少なくとも前記操作リングの内周のうち前記溝部以外の内周が位置しているとき、該内周に前記接触部を接触させ、前記離間位置は、前記接触子が前記内周に接触する位置であることを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより、視覚的な効果を生じさせる処理画像データを生成する画像処理部と、前記操作リングの回転量および回転方向を検出する回転検出部と、前記回転検出部が検出した前記回転量および回転方向に応じて、前記画像処理部が行う画像処理を設定する画像処理制御部と、をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記操作リングの光軸方向における前記第1の位置と前記第2の位置を検出する位置検出部をさらに備え、前記画像処理部は、前記画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせる特殊効果処理を行って特殊効果画像データを生成する特殊効果処理部と、前記画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより補助的な効果を生じさせる補助効果処理を行って補助効果画像データを生成する補助効果画像処理部と、を有し、前記画像処理制御部は、前記位置検出部によって前記操作リングが前記第1の位置に位置していると検出された場合、前記回転検出部が検出した前記回転量および回転方向に応じた前記補助効果処理を前記補助効果画像処理部に設定する一方、前記位置検出部によって前記操作リングが前記第2の位置に位置していると検出された場合、前記回転検出部が検出した前記回転量および回転方向に応じた前記特殊効果処理を前記特殊効果処理部に設定することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記特殊効果処理の処理内容を記録する特殊効果処理情報記録部と、前記補助効果の処理内容を記録する補助効果処理情報記録部と、をさらに備え、前記アクチュエータ制御部は、前記特殊効果処理情報記録部に記録された前記特殊効果処理の数または前記補助効果処理情報記録部に記録された前記補助効果の数に応じて、前記アクチュエータの駆動を制御して前記接触子が前記操作リングに複数形成された前記溝部に嵌合する間隔の設定および前記操作リングの回転量を規制することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記特殊効果処理は、前記画像の周辺に対してシェーディング効果を施すシェーディング処理または前記画像全体にぼかし効果を施すソフトフォーカス処理のいずれかの処理を含み、前記補助効果処理は、輝度の明るさを調整する光描画処理、前記画像の周辺に対してホワイトアウト効果を施すホワイトアウト処理、前記画像の周辺のみシェーディング効果を施すシェーディング処理およびフレーム画像を重畳する合成処理のいずれかの処理を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記アクチュエータは、圧電素子、電磁型リニアモータおよびポリマアクチュエータのいずれか一つであることを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記アクチュエータは、前記ポリマアクチュエータと、前記ポリマアクチュエータを挟持する板バネと、前記ポリマアクチュエータが延在する方向に平行、かつ離間して配置され、前記ポリマアクチュエータを支持する弾性支持部材と、をさらに有することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記接触子は、円、楕円形状または円錐形状をなす単一部材であることを特徴とする。
また、本発明にかかるレンズ装置は、光電変換を行うことによって画像データを生成するレンズ交換式カメラシステムの本体部に対して着脱自在であり、所定の視野領域から光を集光する光学系を有するレンズ鏡筒を備え、前記本体部と双方向に通信可能なレンズ装置であって、前記レンズ鏡筒の外周部に設けられ、前記光学系の光軸を中心に回転自在であり、内周側に溝部を形成した操作リングと、前記レンズ鏡筒に設けられ、前記溝部に嵌合可能な接触子を、前記溝部に嵌合して押圧する押圧位置と前記溝部から離間した離間位置との間で進退可能に搭載した可動部を有するアクチュエータと、当該撮像装置が動画撮影を行っているか否かを判定する動画撮影判定部と、前記動画撮影判定部によって当該撮像装置が動画撮影を行っていると判定された場合、前記アクチュエータの駆動を制御して前記接触子を前記押圧位置から前記離間位置に退避させるアクチュエータ制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるレンズ装置は、上記発明において、前記光学系は、物体側から像面側に順に、負屈折力を有する前側レンズ群および正屈折力を有する後側レンズ群からなり、前記後側レンズ群は、少なくとも正屈折力を有する副レンズ群と、正屈折力を有するフォーカスレンズ群とを有し、前記副レンズ群は、物体側から像面側に順に、少なくとも両凹負レンズおよび両凸正レンズの接合レンズと、両凸正レンズとを用いて構成され、前記フォーカスレンズ群は、少なくとも両凸正レンズを用いて構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、押圧制御部が動画撮影判定部によって撮像装置が動画撮影を行っていると判定した場合、レンズ鏡筒の径方向に操作リングの溝部が位置しているときの押圧部の先端位置を、撮像装置が静止画撮影を行っているときの先端位置より退避させる。この結果、撮像装置が動画撮影を行っている場合、ユーザが操作リングを光学系の光軸周りに回転または前後させても、クリック音を低減することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。 図3は、特殊効果処理情報記録部が記録する特殊効果処理に関する情報としての特殊効果処理情報テーブルの一例を示す図である。 図4は、補助効果処理情報記録部が記録する補助効果処理に関する情報としての補助効果処理情報テーブルの一例を示す図である。 図5は、図1に示すレンズ鏡筒の沈胴状態における要部の構成を示す断面図である。 図6は、図1に示すレンズ鏡筒の伸長状態における要部の構成を示す断面図である。 図7は、図5に示すアクチュエータ駆動制御部の要部の構成を拡大した断面図である。 図8は、図5に示すアクチュエータ駆動制御部が光軸方向に移動した状態でアクチュエータ駆動制御部の要部の構成を拡大した断面図である。 図9は、光軸方向から見た際のアクチュエータ駆動制御部の要部の断面図である。 図10は、光軸方向から見た際のアクチュエータ駆動制御部の要部の別の断面図である。 図11は、アクチュエータ駆動制御部の要部を拡大した断面図である。 図12は、アクチュエータ駆動制御部の変化を模式的に示す断面図である。 図13Aは、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである(その1)。 図13Bは、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである(その2)。 図14は、表示部が表示する画像の一例を示す図である。 図15は、表示部が表示する画像の一例を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかるレンズ鏡筒の沈胴状態における要部の構成を示す断面図である。 図17は、図16のアクチュエータ駆動制御部の一部をなすアクチュエータの要部を拡大して模式的に示す図である。 図18は、本発明の実施の形態1の変形例2にかかるアクチュエータ駆動制御部の一部をなすアクチュエータの要部を拡大して模式的に示す図である。 図19は、図18のアクチュエータ駆動制御部の一部をなすアクチュエータの要部の断面図である。 図20は、本発明の実施の形態1の変形例3にかかるアクチュエータ駆動制御部の一部をなすアクチュエータの要部を拡大して模式的に示す断面図である。 図21は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す斜視図である。 図22は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。 図23は、操作リングが第1の位置に配置された状態のレンズ装置の全体図である。 図24は、操作リングが第2の位置に配置された状態のレンズ装置の全体図である。 図25は、図23に示す状態におけるレンズ装置の断面図である。 図26は、図24に示す状態におけるレンズ装置の断面図である。 図27は、アクチュエータの構成を示す上面図である。 図28は、図27の矢視F方向からの側面図である。 図29は、アクチュエータを模式的に示す断面図である。 図30は、本発明の実施の形態2の変形例1にかかるアクチュエータの一部をなす断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。また、図面は、模式的なものであり、各部の寸法や比率は、現実と異なることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1および図2に示すように、撮像装置1は、光学系2と、レンズ駆動部3と、絞り4と、絞り駆動部5と、シャッタ6と、シャッタ駆動部7と、撮像素子8と、撮像素子駆動部9と、信号処理部10と、A/D変換部11と、画像処理部12と、AE処理部13と、AF処理部14と、画像圧縮展開部15と、入力部16と、表示部17と、表示駆動部18と、記録媒体19と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)20と、時計21と、Flashメモリ22と、アクチュエータ駆動制御部23と、バス24と、制御部25と、を備える。
光学系2は、一または複数のレンズを用いて構成される。光学系2は、所定の視野領域から光を集光する。光学系2は、焦点を変化させるフォーカス光学系2aおよび画角を変化させるズーム光学系2bを有する。レンズ駆動部3は、DCモータまたはステッピングモータ等を用いて構成され、光学系2のレンズを光軸O上で移動させることにより、光学系2のピント位置や画角等の変更を行う。具体的には、レンズ駆動部3は、フォーカス光学系2aを光軸O方向に沿って駆動するフォーカスレンズ駆動部3aと、ズーム光学系2bを光軸O方向に沿って駆動するズームレンズ駆動部3bと、を有する。なお、光学系2の詳細な構成については後述する。
絞り4は、光学系2が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部5は、ステッピングモータ等を用いて構成され、絞り4を駆動する。
シャッタ6は、撮像素子8の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ駆動部7は、ステッピングモータ等を用いて構成され、制御部25から入力される指示信号に応じてシャッタ6を駆動する。
撮像素子8は、光学系2が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成される。撮像素子駆動部9は、制御部25の制御のもと、所定のタイミングで撮像素子8から画像データ(アナログ信号)を信号処理部10に出力させる。この意味で、撮像素子駆動部9は、電子シャッタとして機能する。
信号処理部10は、撮像素子8から入力されるアナログ信号に対して、アナログ処理を施してA/D変換部11に出力する。具体的には、信号処理部10は、アナログ信号に対して、ノイズ低減処理およびゲインアップ処理等を行う。たとえば、信号処理部10は、アナログ信号に対して、リセットノイズ等を低減した上で波形整形後、目的の明るさとなるようにゲインアップを行う。
A/D変換部11は、信号処理部10から入力されるアナログ信号に対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成し、バス24を介してSDRAM20に出力する。
画像処理部12は、バス24を介してSDRAM20から画像データを取得し、取得した画像データ(RAWデータ)に対して各種の画像処理を行って処理画像データを生成する。この処理画像データは、バス24を介してSDRAM20に出力される。画像処理部12は、基本画像処理部121と、特殊効果画像処理部122と、補助効果画像処理部123と、を有する。
基本画像処理部121は、画像データに対して、少なくとも、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、撮像素子8がベイヤー配列の場合には画像データの同時化処理、カラーマトリクス演算処理、ガンマ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む基本の画像処理を行う。また、基本画像処理部121は、予め設定された各画像処理のパラメータに基づいて、自然な画像を再現する仕上がり効果処理を行って仕上がり効果画像データを生成する。ここで、各画像処理のパラメータとは、コントラスト、シャープネス、彩度、ホワイトバランスおよび階調の値である。
特殊効果画像処理部122は、1つの画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより、視覚的な効果を生じさせる特殊効果画像処理(以下、「アート効果処理」という)を行って処理画像データ(以下、「アート効果画像データ」という)を生成する。具体的には、特殊効果画像処理部122は、トーンカーブ処理、ぼかし処理、アルファブレンド処理および画像合成処理等の画像処理を組み合わせることによって、アート効果画像データを生成する。なお、特殊効果画像処理部122の処理内容については後述する。
補助効果画像処理部123は、画像データに対して特殊効果画像処理と異なる補助効果処理を行う。この補助効果処理としては、たとえば、ソフトフォーカス効果処理、ホワイトアウト効果処理、シェーディング効果処理またはスターライト効果処理等の補助的な画像処理(以下、「エフェクト処理」という)を行って処理画像データ「以下、エフェクト画像データ」という)を生成する。なお、補助効果画像処理部123は、特殊効果画像処理部122がアート効果処理を行ったアート効果画像データに対してエフェクト処理を行ってエフェクト画像データを生成してもよい。なお、補助効果画像処理部123の処理内容については後述する。
AE処理部13は、バス24を介してSDRAM20に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、静止画撮影または動画撮影を行う際の露出条件を設定する。具体的には、AE処理部13は、画像データから輝度を算出し、算出した輝度に基づいて、たとえば絞り値(F値)の設定値、シャッタ速度等を決定することで撮像装置1の自動露出を行う。
AF処理部14は、バス24を介してSDRAM20に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮像装置1の自動焦点の調整を行う。たとえば、AF処理部14は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、高周波成分の信号に対してAF(Auto Focus)演算処理を行うことによって、撮像装置1の合焦評価を決定することで撮像装置1の自動焦点の調整を行う。
画像圧縮展開部15は、バス24を介してSDRAM20から画像データを取得し、取得した画像データに対して所定の形式に従って圧縮し、この圧縮した画像データをSDRAM20に出力する。ここで、所定の形式としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、MotionJPEG方式およびMP4(H.264)方式等である。また、画像圧縮展開部15は、バス24およびメモリI/F(図示せず)を介して記録媒体19に記録された画像データ(圧縮画像データ)を取得し、取得した画像データを展開(伸長)してSDRAM20に出力する。なお、記録媒体19の代わりに撮像装置1の内部に別途記録部を設けてもよい。
入力部16は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り換える電源スイッチ161と、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチ162と、撮像装置1に設定された各種撮影モードを切り換える撮影モード切換スイッチ163と、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号の入力を受け付ける動画スイッチ164と、を有する。レリーズスイッチ162は、外部からの押圧により進退可能であり、半押しされた場合に撮影準備動作を指示するファーストレリーズ信号の入力を受け付ける一方、全押しされた場合に静止画撮影を指示するセカンドレリーズ信号の入力を受け付ける。
表示部17は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示駆動部18は、バス24を介してSDRAM20が記録する画像データまたは記録媒体19が記録する画像データを取得し、取得した画像データに対応する画像を表示部17に表示させる。ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データを所定時間(たとえば3秒)だけ表示するレックビュー表示、記録媒体19に記録された画像データを再生する再生表示、および撮像素子8が連続的に生成する画像データに対応するライブビュー画像を時系列に沿って順次表示するライブビュー画像表示等が含まれる。また、表示部17は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。
記録媒体19は、撮像装置1の外部から装着されるメモリカード等を用いて構成される。記録媒体19は、メモリI/F(図示せず)を介して撮像装置1に着脱自在に装着される。記録媒体19には、その種類に応じた図示しない読み書き装置によって画像処理部12や画像圧縮展開部15が処理を施した画像データが書き込まれ、または読み書き装置によって記録媒体19に記録された画像データが読み出される。また、記録媒体19は、制御部25の制御のもと、メモリI/Fおよびバス24を介して撮像プログラムおよび各種情報それぞれをFlashメモリ22に出力してもよい。
SDRAM20は、揮発性メモリを用いて構成される。SDRAM20は、バス24を介してA/D変換部11から入力される画像データ、画像処理部12から入力される処理画像データおよび撮像装置1の処理中の情報を一時的に記憶する一次記憶部としての機能を有する。たとえば、SDRAM20は、信号処理部10、A/D変換部11およびバス24を介して、撮像素子8が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記憶する。
時計21は、計時機能および撮影日時の判定機能を有する。時計21は、画像データに日付データを付加するため、制御部25に日付データを送信する。この日付データには、日付および時間が含まれる。
Flashメモリ22は、不揮発性メモリを用いて構成される。Flashメモリ22は、プログラム記録部221と、特殊効果処理情報記録部222と、補助効果処理情報記録部223と、を有する。プログラム記録部221は、撮像装置1を動作させるための各種プログラム、撮像プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データおよび画像処理部12による画像処理の動作に必要な各種パラメータ等を記録する。また、プログラム記録部221は、撮像装置1を特定するための製造番号や光学系2のレンズ特性(たとえば色収差)等を記録する。
ここで、特殊効果処理情報記録部222が記録する特殊効果処理に関する情報および補助効果処理情報記録部223が記録する補助効果処理情報について説明する。図3は、特殊効果処理情報記録部222が記憶する特殊効果処理に関する情報としての特殊効果処理情報テーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、特殊効果処理情報テーブルT1には、画像処理部12が画像データに対して実行することが可能な特殊効果処理が記載されている。具体的には、特殊効果処理が「Art1」の「ファンタジックフォーカス」の場合、処理内容として「トーンカーブ処理」、「ぼかし処理」および「合成処理」が記載されている。ここで、合成処理とは、特殊効果画像処理部122がトーンカーブ処理を行った画像データと、ぼかし処理を行った画像データとを合成して新たな画像データを生成する画像処理である。
さらに、特殊効果処理が「Art4」の「ジオラマ」の場合、処理内容として「色相・彩度処理」、「コントラスト処理」、「3回ぼかし処理」および「3回合成処理」が記載されている。ここで、3回ぼかし処理とは、特殊効果画像処理部122が色彩・彩度処理後、コントラスト処理を行った画像データに対してぼかし処理を3回行う処理である。また、3回合成処理とは、特殊効果画像処理部122がぼかし処理を行うごとに、ぼかし処理前の画像データと、ぼかし処理後の画像データとを合成して新たな画像データを生成する画像処理である。
図4は、補助効果処理情報記録部223が記憶する補助効果処理に関する情報としての補助効果処理情報テーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、補助効果処理情報テーブルT2には、特殊効果処理に追加可能な補助効果処理が記載されている。さらに、補助効果処理情報テーブルT2には、補助効果処理の処理内容が記載されている。具体的には、補助効果処理が「Effect5」の「ホワイトアウト効果」の場合、処理内容として「ホワイトアウト処理」が記載されている。さらに、補助効果処理が「Effect3」の「スターライト効果」の場合、処理内容として「輝点検出処理」および「光描画処理」が記載されている。なお、補助効果処理の処理内容の「光描画処理」は、画像データに含まれるレベル(閾値)より高い輝点のみを間引いて描画し、レベルの低い輝点は描画を行わない。
アクチュエータ駆動制御部23は、操作リング231と、アクチュエータ232と、アクチュエータ駆動部233と、位置検出部234と、回転位置検出部235と、を有する。
操作リング231は、図1に示すように、撮像装置1のレンズ鏡筒100の外周部に設けられる。操作リング231は、光学系2の光軸Oを中心に回転自在である。また、操作リング231は、光軸Oに沿う方向の所定範囲内で進退可能である。操作リング231は、撮像装置1がマニュアルフォーカス撮像モード(以下、「MF撮影モード」という)に設定されている場合、撮像装置1におけるピント位置を変更する。また、操作リング231は、撮像装置1が動画撮影モードまたは特殊効果処理モード(以下、「アート撮影モード」という)に設定されている場合、アート効果処理の内容またはエフェクト処理の内容を切り換える。具体的には、操作リング231は、レンズ鏡筒100の前方側に位置している場合、アート効果処理の内容を切り換え、レンズ鏡筒100の後方側に位置している場合、エフェクト処理の内容を切り換える。たとえば、操作リング231は、レンズ鏡筒100の前方側に位置している場合、アート効果処理をファンタジックフォーカスからトイフォトに切り換える。
アクチュエータ232は、レンズ鏡筒100に設けられ、レンズ鏡筒100の所定の径方向に沿って進退可能であり、少なくともレンズ鏡筒100の径方向に操作リング231の内周のうち溝部以外の内周が位置しているとき、操作リング231の内周を押圧する。具体的には、アクチュエータ232は、操作リング231が回転する際に摩擦力を生じさせるように、操作リング231の内周側から径方向に押圧する。アクチュエータ駆動部233は、制御部25の制御のもと、アクチュエータ232を駆動する。なお、アクチュエータ232およびアクチュエータ駆動部233が本実施の形態1にかかる押圧部として機能する。なお、アクチュエータ232の詳細な構成について後述する。
位置検出部234は、フォトインタラプタや導通センサ等を用いて構成され、操作リング231のZ軸方向における位置を検出する。具体的には、位置検出部234は、操作リング231のZ軸方向における位置を検出し、検出結果を制御部25に出力する。
回転位置検出部235は、エンコーダおよびフォトインタラプタを用いて構成され、操作リング231の光軸O周りの回転方向および回転量を検出する。具体的には、回転位置検出部235は、操作リング231に周方向に所定の間隔で設けられた複数の遮光片の通過をフォトインタラプタで検出し、このフォトインタラプタの出力信号に基づいて、操作リング231の回転方向および回転量を検出する。なお、回転位置検出部235は、ポテンショメータを用いて構成してもよい。また、回転位置検出部235は、2つのエンコーダを用いて操作リング231の回転方向と回転量とをそれぞれ検出してもよい。
バス24は、撮像装置1の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成される。バス24は、撮像装置1の内部で発生した各種データを撮像装置1の各構成部位に転送する。
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。制御部25は、バス24を介して入力部16から送信される指示信号に応じて、撮像装置1を構成する各部に対して各種データの送信を行うことにより、撮像装置1の動作を統括的に制御する。
制御部25は、レリーズスイッチ162を介してセカンドレリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における静止画撮影動作を開始する制御を行う。また、制御部25は、動画スイッチ164を介して動画撮影レリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における動画撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、シャッタ駆動部7および撮像素子駆動部9の駆動によって撮像素子8が出力した画像データに対し、信号処理部10、A/D変換部11および画像処理部12が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、制御部25の制御のもと、画像圧縮展開部15で所定の形式にしたがって圧縮され、バス24およびメモリI/Fを介して記録媒体19に記録される。なお、本実施の形態1では記録媒体19が記憶部の一部をなしているが、記録媒体19とは別に撮像装置1の内部に記録部の機能を有する記憶領域を確保し、この記憶領域に圧縮した画像データを記憶するようにしてもよい。
制御部25の詳細な構成について説明する。制御部25は、動画撮影判定部251と、アクチュエータ制御部252と、画像処理制御部253と、表示制御部254と、を有する。
動画撮影判定部251は、撮像装置1が動画撮影を行っているか否かを判定する。具体的には、動画撮影判定部251は、動画スイッチ164が操作されることにより、動画撮影を示すフラグがSDRAM20に立っているか否かを判定することにより、撮像装置1が動画撮影中であるか否かを判定する。
アクチュエータ制御部252は、動画撮影判定部251によって撮像装置1が動画撮影を行っていると判定した場合、アクチュエータ駆動部233の駆動を制御することにより、レンズ鏡筒100の径方向に溝部が位置しているときのアクチュエータ232の先端位置を、撮像装置1が静止画撮影を行っているときの先端位置より退避させる。具体的には、アクチュエータ制御部252は、アクチュエータ232が操作リング231に押圧する押圧力を低下させる。なお、アクチュエータ制御部252が本実施の形態1にかかる押圧制御部として機能する。
画像処理制御部253は、撮像装置1が動画撮影を行っている際に、操作リング231の位置、回転方向および回転量に基づいて、画像処理部12が実行する画像処理の内容を設定する。たとえば、画像処理制御部253は、撮像装置1が動画撮影を行っている場合、ユーザによって操作リング231が光軸O周りに回転した場合、特殊効果画像処理部122が実行するアート効果処理をソフトフォーカス処理からトイフォト処理に変更して設定する。
表示制御部254は、表示部17の表示態様を制御する。具体的には、表示制御部254は、撮像装置1が動画撮影を行っている場合において、撮像装置1がアート撮影モードであるとき、アート効果処理またはエフェクト効果処理に関するアイコンをライブビュー画像と合わせて表示部17に表示させる。
以上の構成を有する撮像装置1に対して、電子ビューファインダ(EVF)、音声入出部、被写体に対して補助光(フラッシュ)を発光する補助光発光部、インターネットを介して外部の装置と双方向に通信を行う機能を有する通信部等をさらに設けてもよい。
ここで、上述した光学系2を含む撮像装置1に組み込まれるレンズ鏡筒100について詳細に説明する。図5は、レンズ鏡筒100の沈胴状態における要部の構成を示す断面図である。図6は、レンズ鏡筒100の伸長状態における要部の構成を示す断面図である。
なお、図5および図6において、左側が前方側であり、右側が後方側である。
図5および図6に示すように、レンズ鏡筒100は、撮像素子8を保持するセンサユニット101のベース部材に固定される固定枠102と、固定枠102に支持されてズーミング動作時および沈胴動作時に回転駆動されるとともに、光軸Oに沿う方向に進退駆動されるカム枠103と、回転規制状態でカム枠103とともに、光軸Oに沿う方向に進退するフロートキー104と、回転規制状態でカム枠103とともに、光学Oに沿う方向に進退するガイド枠105と、回転規制状態でカム枠103の回転により光軸Oに沿う方向に進退する光学系2の第1群レンズG1を保持する1群枠106と、回転規制状態でカム枠103の回転により光軸Oに沿う方向に進退する第2群レンズG2を保持する2群枠107と、回転規制状態でカム枠103の回転により光軸Oに沿う方向に進退する第3群レンズG3を保持する3群枠108と、シャッタ6を保持するシャッタ枠109と、シャッタ枠109を支持するとともに、3群枠108を保持する3群ユニット110と、固定枠102に光軸Oに沿う方向に進退可能に結合された第4群レンズ(フォーカシングレンズ)G4を保持する4群枠111と、撮像素子8を保持するセンサユニット枠112と、固定枠102に対して回転可能な操作リング231と、を有する。なお、第1群レンズG1、第2群レンズG2、第3群レンズG3および第4群レンズG4は、光学系2を構成する。
固定枠102は、円筒状をなす。固定枠102は、外周部に光学系2のズーミング動作を行うためのズーム駆動ユニット(図示せず)が設けられている。また、固定枠102は、内周部に光学系2のフォーカシング動作を行うためのフォーカス駆動ユニット102aが配設されている。ズーム駆動ユニットは、光学系2のうちズーミング動作に寄与するズーム光学系(第1群レンズG1、第2群レンズG2および第3群レンズG3)を光軸Oに沿う方向に駆動するズーミング動作を行うとともに、レンズ鏡筒100を撮影可能な状態から沈胴状態へ駆動させる沈胴動作を行う。また、フォーカス駆動ユニット3aは、光学系2のうちフォーカシング動作に寄与するフォーカシング光学系(第4群レンズG4)を光軸Oに沿う方向に駆動するフォーカシング動作を行う。
カム枠103は、円筒状をなす。カム枠103は、固定枠102の内周部に回動および進退自在な状態で嵌入している。カム枠103は、ズーム駆動ユニットによって回転しながら沈胴状態にある位置(後方移動端:図5を参照)から撮影可能状態における短焦点位置であるワイド端(前方移動端:図6を参照)にまで前方に繰り出される。カム枠103は、レンズ鏡筒100が撮影可能な状態にある場合において、短焦点位置であるワイド端から長焦点位置であるテレ端までの間におけるズーミング動作中のとき、光軸Oに沿う方向に進退することなく、前方移動端において回転方向にのみ駆動される。
フロートキー104は、円筒状をなす。フロートキー104は、カム枠103の内周部において相対的に回転自在に嵌入している。フロートキー104は、固定枠102によって回転規制された状態で、カム枠103とともに光軸Oに沿う方向へ進退可能に移動する。また、フロートキー104は、内周部で2群枠107および3群ユニット110を進退可能に支持するとともに、2群枠107および3群ユニット110の回転を規制している。
ガイド枠105は、円筒状をなす。ガイド枠105は、後端内周部にカム枠103の結合溝(図示せず)に嵌入するバヨネット突起(図示せず)を有する。ガイド枠105は、内周部に光軸Oに沿う方向に1群枠106を進退可能に支持するとともに、1群枠106の回転を規制している。また、ガイド枠105は、固定枠102の内周部に嵌入した状態で、カム枠103とバヨネット結合されて配置される。ガイド枠105は、フロートキー104と同様に、固定枠102に対して回転が規制された状態された状態で、光軸Oに沿う方向にカム枠103と一体に進退可能に移動する。
図5または図6に示すように、1群枠106は、円筒状をなす。1群枠106は、カム枠103とガイド枠105との間に嵌入された状態で配置される。1群枠106は、1群レンズG1を保持する。1群枠106は、ガイド枠105により回転規制された状態で、カム枠103の回転によって進退駆動される。
2群枠107は、円筒状をなす。2群枠107は、フロートキー104の内周部に嵌入された状態で配置されている。2群枠107は、内周部の略中央部で2群レンズG2を保持する。2群枠107は、フロートキー104により回転が規制された状態で、カム枠103の回転によって光軸Oに沿う方向に進退駆動される。2群枠107は、カム枠103が後方移動端に位置する場合、シャッタ枠109の内周側に嵌入する。
3群枠108は、円筒状をなす。3群枠108は、3群レンズG3を保持する保持枠108aを有し、保持枠108aがシャッタ枠109内に嵌入した状態で、シャッタ枠109に固定されている。3群枠108は、フロートキー104の内部に嵌入した状態で配置される。3群枠108は、フロートキー104により回転規制された状態で、カム枠103によって進退駆動される。
シャッタ枠109は、円筒状をなす。シャッタ枠109は、シャッタ6のシャッタ羽根およびこのシャッタ羽根を回転駆動させるアクチュエータ等のシャッタ駆動部7等を保持する。
3群ユニット110は、3群枠108と、3群枠108の前方側でシャッタ枠109を保持する。3群ユニット110と2群枠107との間には、コイルバネ113が配設されている。これにより、2群枠107および3群ユニット110は、互いに離間する方向に付勢されている。
4群枠111は、円筒状をなす。4群枠111は、4群レンズG4を保持する。4群枠111は、フォーカス駆動ユニット3aにより、固定枠102の内部で光軸Oに沿う方向に進退可能に支持される。これにより、4群枠111は、レンズ鏡筒100が撮影可能な状態にある場合、適切なフォーカシング位置に調整される一方、レンズ鏡筒100が沈胴動作時に所定の沈胴位置に位置決めされて配置される。
アクチュエータ駆動制御部23は、固定枠102に対して操作リング231が回転自在に嵌入され、ユーザがレンズ鏡筒100を中心に回転させる。
ここで、アクチュエータ駆動制御部23の構成について詳細に説明する。図7は、図5に示すアクチュエータ駆動制御部23の要部の構成を拡大した断面図である。図8は、図5に示すアクチュエータ駆動制御部23が光軸Oに沿う方向に移動した状態でアクチュエータ駆動制御部23の要部の構成を拡大した断面図である。図9は、光軸O方向から見た際のアクチュエータ駆動制御部23の要部の断面図である。図10は、光軸O方向から見た際のアクチュエータ駆動制御部23の要部の別の断面図である。図11は、アクチュエータ駆動制御部23の要部を拡大した断面図である。図12は、アクチュエータ駆動制御部23の変化を模式的に示す断面図である。
図7〜図12に示すように、アクチュエータ駆動制御部23は、固定枠102に嵌入される操作枠236と、操作枠236に対して回転可能な操作リング231と、操作リング231の内周側から径方向(外側)に向けて付勢するアクチュエータ232と、アクチュエータ駆動部233と、操作リング231の位置を検出する位置検出部234と、回転位置検出部235(図示せず)と、を有する。
操作リング231は、リング状(円環状)をなし、操作枠236に対して回転自在に嵌入してレンズ鏡筒100の外周部に設けられる。操作リング231は、撮像装置1の筐体1aに保持されることにより、光軸Oに沿う方向に進退可能である。操作リング231は、前方から内周部に光軸Oに沿って伸びる凹部231aと、光軸Oに沿って伸びる溝部231bと、を有する。凹部231aは、操作リング231の周方向に沿って等間隔で複数設けられ、断面が略C字状をなす(図10を参照)。溝部231bは、操作リング231の周方向に沿って設けられ、断面が略三角形をなす。また、凹部231aは、溝部231bよりボール232aを保持する保持力が高くなるように溝が深く形成される。
アクチュエータ232は、操作枠236の内部に設けられる。アクチュエータ232は、凹部231aまたは溝部231bに進退可能な非磁性または磁性材料からなる外形が円、楕円形状の接触子(以下、ボール232aという)と、ボール232aを支持する支持部材232bと、支持部材232bを介してボール232aを操作リング231の内周のうち凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置しているとき、操作リング231の内周を押圧する可動部材に搭載されたボール232aと、操作リング231の内周を可動部に搭載されたボール232aで押圧(付勢)するアクチュエータとしての圧電素子232cと、圧電素子232cに駆動電圧を供給するアクチュエータ駆動部233としてのFPC232dと、円筒状をなし、圧電素子232cを保持する保持枠232eと、圧電素子232cを保持枠232eに接着する接触部材232fと、ボール232aを操作リング231に向けて付勢する押圧バネ232gと、ビス236aによって操作枠236に固定され、圧電素子232c、保持枠232eおよび押圧バネ232gを支持する板バネ232hと、を有する。
このように構成されたアクチュエータ232は、FPC232dを介して圧電素子232cに電圧が印加されることにより、ボール232aが操作リング231を押圧する。具体的には、図12に示すように、FPC232dを介して圧電素子232cに電圧が印加された場合、圧電素子232cが操作リング231の内周側から径方向に伸長することにより、ボール232aが操作リング231の溝部231bを押圧する(矢印下に示す図12(b)→矢印上に示す図12(a)に移動)。これにより、ユーザが操作リング231を回転させる場合、ボール232aと溝部231bが接触することにより、クリック音が生じるとともに、ユーザが操作リング231の回転方向および回転量を把握することができる。
これに対して、アクチュエータ232は、FPC232dによる電圧の印加を停止した場合、圧電素子232cが操作リング231の中心側に向けて伸縮することにより、押圧バネ232gの押圧力に反して、ボール232aが中心側に移動し、溝部231bから離間する(矢印上図12(a)→矢印下図12(b)に移動)。これにより、ユーザが操作リング231を回転させた場合であっても、ボール231bと溝部231bがほぼ接触することないので、クリック音が生じることを防止することができる。
なお、他の実施例として、押圧バネ232gにより、ボール232aを操作リング231の内周のうち、凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置しているとき、に押圧力を与える。このような状態から圧電素子(電界方向に対して分極方向が向き合う構造)232cに印加電圧を与えたとき、伸縮する部品(圧電素子)を用いると、押圧バネ232gに押圧力に反して、操作リング231の溝部231bから離間してもよい。このようにすると圧電素子232cの印加する使用時間が少なくなり消費電力が低減できる。
位置検出部234は、光軸Oに沿う方向における操作リング231の位置を検出し、検出結果を制御部25に出力する。位置検出部234は、操作リング231の後方に設けられた接触部材234aと、接触部材234aと導通する導通部材234bと、を有する。位置検出部234は、光軸O方向における進退動作により、接触部材234aが導通部材234bと接触して導通することにより、アクチュエータ232のボール232aが凹部231aに嵌合していることを検出する。
このように、アクチュエータ駆動制御部23は、ユーザによって回転されることにより、アクチュエータ232のボール232aが操作リング231の凹部231aまたは溝部231bを移動する。たとえば、アクチュエータ駆動制御部23は、ボール232aが凹部231aに位置している場合において、ユーザによって操作リング231が回転したとき、ボール232aが隣接する凹部231aに移動する。また、アクチュエータ駆動制御部23は、ボール232aが溝部231bに位置している場合において、ユーザによって操作リング231が光軸Oに沿う方向の前方に移動したとき、ボール232aが溝部231bから凹部231aに移動する。これにより、ユーザは、アクチュエータ駆動制御部23の操作リング231を回転または光軸O方向に前後方向に移動させることにより、撮像装置1の各種設定を切り換える。なお、凹部231aは、溝部231bに比して隣接する別の凹部231aに移動する際の摩擦力が大きくなるように形成されている。
以上の構成を有する撮像装置1が行う処理について説明する。図13Aおよび図13Bは、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
図13Aおよび図13Bにおいて、まず、撮像装置1が動画撮影モードに設定されている場合(ステップS101:Yes)について説明する。この場合、位置検出部234は、光軸O方向における操作リング231の位置を検出する(ステップS102)。
続いて、制御部25は、操作リング231が前方側に位置しているか否かを判断する(ステップS103)。操作リング231が前方側に位置していると制御部25が判断した場合(ステップS103:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS104へ移行する。一方、操作リング231が前方側に位置していないと制御部25が判断した場合(ステップS103:No)、撮像装置1は、後述するステップS119へ移行する。
ステップS104において、回転位置検出部235は、操作リング231の回転位置を検出する。
続いて、画像処理制御部253は、回転位置検出部235が検出した操作リング231の回転位置に応じた特殊効果処理を特殊効果画像処理部122に設定する(ステップS105)。なお、画像処理制御部253は、電源スイッチ161が操作されて、撮像装置1の電源がオン状態になった直後においては、特殊効果処理を特殊効果画像処理部122に設定しなくてもよい。すなわち、画像処理制御部253は、画像データに対して、基本画像処理部121にのみ画像処理を実行させる。
その後、表示制御部254は、撮像素子8が生成した画像データに対して、特殊効果画像処理部122が特殊効果処理を施したライブビュー画像を表示部17に表示させ(ステップS106)、ライブビュー画像上に特殊効果アイコンを表示部17に表示させる(ステップS107)。具体的には、図14に示すように、表示制御部254は、特殊効果画像処理部122が特殊効果処理を施したライブビュー画像W1を表示部17に表示させるとともに、特殊効果処理に関する特殊効果アイコンA1〜A5を表示させる。この際、表示制御部254は、現在、設定されている特殊効果処理、たとえば特殊効果アイコンA1をハイライト表示させる。なお、図14において、特殊効果処理の効果を斜線で表現した。ステップS107の撮像装置1は、図13BのステップS108へ移行する。
続いて、動画スイッチ164が操作された場合(ステップS108:Yes)、動画撮影判定部251は、撮像装置1が動画撮影中であるか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、動画撮影判定部251は、SDRAM20に撮像装置1が動画撮影中を示す動画撮影中フラグがオン状態であるか否かを判定する。撮像装置1が動画撮影中でないと動画撮影判定部251が判定した場合(ステップS109:No)、撮像装置1は、後述するステップS110へ移行する。一方、撮像装置1が動画撮影中であると動画撮影判定部251が判定した場合(ステップS109:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS123へ移行する。
ステップS110において、アクチュエータ制御部252は、バス24を介してアクチュエータ駆動部233に駆動信号を出力することにより、アクチュエータ232を駆動させる。これにより、操作リング231に対して、アクチュエータ232の押圧力が低下する。この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に操作する場合、クリック音(カチカチ音)が生じることを防止することができる。
続いて、制御部25は、撮像装置1の動画撮影を開始する(ステップS111)。具体的には、制御部25は、記録媒体19に画像データを時系列に沿って記録するための画像ファイルを生成して記録媒体19に順次記録する。
その後、操作リング231が操作された場合(ステップS112:Yes)、位置検出部234は、光軸O方向における操作リング231の位置を検出する(ステップS113)。
続いて、制御部25は、操作リング231が前方側に位置しているか否かを判断する(ステップS114)。操作リング231が前方側に位置していると制御部25が判断した場合(ステップS114:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS115へ移行する。一方、操作リング231が前方側に位置していないと制御部25が判断した場合(ステップS114:No)、撮像装置1は、後述するステップS125へ移行する。
ステップS115において、回転位置検出部235は、操作リング231の回転位置を検出する。
続いて、画像処理制御部253は、回転位置検出部235が検出した操作リング231の回転位置および回転量に応じたアート効果処理を特殊効果画像処理部122に設定する(ステップS116)。この場合、画像処理制御部253は、ボール232aが溝部231bを移動した数に応じて、特殊効果処理を変更して設定する。
その後、表示制御部254は、撮像素子8が生成した画像データに対して、特殊効果画像処理部122が特殊効果処理を施したライブビュー画像を表示部17に表示させる(ステップS117)。この際、制御部25は、撮像装置1が動画撮影中である場合、特殊効果画像処理部122がアート効果処理を施したアート効果処理画像データを記録媒体19の動画ファイルに順次記録する。
続いて、電源スイッチ161が操作されて撮像装置1の電源がオフになった場合(ステップS118:Yes)、撮像装置1は、本処理を終了する。これに対して、撮像装置1の電源がオフになっていない場合(ステップS118:No)、撮像装置1は、図13AのステップS101へ戻る。
つぎに、ステップS103において、操作リング231が前方側に位置していないと制御部25が判断した場合(ステップS103:No)について説明する。この場合、回転位置検出部235は、操作リング231の回転位置を検出する(ステップS119)。
続いて、画像処理制御部253は、回転位置検出部235が検出した操作リング231の回転位置に応じたエフェクト処理を補助効果画像処理部123に設定する(ステップS120)。なお、画像処理制御部253は、電源スイッチ161が操作されて、撮像装置1の電源がオン状態になった直後において、エフェクト処理を補助効果画像処理部123に設定しなくてもよい。すなわち、画像処理制御部253は、画像データに対して、基本画像処理部121にのみ画像処理を実行させる。
その後、表示制御部254は、撮像素子8が生成した画像データに対して、補助効果画像処理部123がエフェクト処理を施したライブビュー画像を表示部17に表示させ(ステップS121)。ライブビュー画像上に補助効果アイコンを表示部17に表示させる(ステップS122)。具体的には、図15に示すように、表示制御部254は、補助効果画像処理部123がエフェクト処理を施したライブビュー画像W2を表示部17に表示させるとともに、エフェクト処理に関する補助効果アイコンA11〜A15を表示部17に表示させる。ステップS122の後、撮像装置1は、ステップS108へ移行する。なお、図15においては、エフェクト効果を星で表現した。ステップS122の後、撮像装置1は、図13BのステップS108へ移行する。
ステップS108において、動画スイッチ164が操作されていない場合(ステップS108:No)、撮像装置1は、ステップS112へ移行する。
ステップS109において、撮像装置1が動画撮影中である場合(ステップS109:Yes)について説明する。この場合、制御部25は、撮像装置1の動画撮影を終了する(ステップS123)。
続いて、アクチュエータ制御部252は、アクチュエータ駆動部233に駆動停止信号を出力することにより、アクチュエータ232の駆動を停止させる(ステップS124)。これにより、操作リング231に対して、アクチュエータ232が押圧する押圧力が大きくなる。この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に操作する場合、クリック音を生じさせることができるとともに、目標とする位置に対して余分に回転することを防止することができる。
ステップS114において、操作リング231が前方側に位置していないと制御部25が判断した場合(ステップS114:No)について説明する。この場合、回転位置検出部235は、操作リング231の回転位置を検出する(ステップS125)。
続いて、画像処理制御部253は、回転位置検出部235が検出した操作リング231の回転位置に応じたエフェクト処理を補助効果画像処理部123に設定する(ステップS126)。
その後、表示制御部254は、撮像素子8が生成した画像データに対して、補助効果画像処理部123がエフェクト処理を施したライブビュー画像を表示部17に表示させる(ステップS127)。この際、制御部25は、撮像装置1が動画撮影中である場合、補助効果画像処理部123がエフェクト処理を施したエフェクト処理画像データを記録媒体19の動画ファイルに順次記録する。ステップS127の後、撮像装置1は、図13BのステップS118へ移行する。
つぎに、撮像装置1が動画撮影モードでなく(ステップS101:No)、静止画撮影モードが設定されている場合(ステップS128:Yes)について説明する。この場合、表示制御部254は、撮像素子8が生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示部17に表示させる(ステップS129)。
続いて、レリーズスイッチ162が操作されてセカンドレリーズ信号が入力された場合(ステップS130:Yes)、撮像装置1は、制御部25の制御のもと、撮影を行い(ステップS131)、画像データを記録媒体19に記録する(ステップS132)。
その後、表示制御部254は、撮影した画像データに対応する画像を所定時間(たとえば3秒)だけ表示部17にレックビュー表示させる(ステップS133)。ステップS133の後、撮像装置1は、図13BのステップS118へ移行する。
ステップS130において、レリーズスイッチ162を介してセカンドレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS130:No)、撮像装置1は、図13BのステップS118へ移行する。
つぎに、撮像装置1が動画撮影モード(ステップS101:No)および静止画撮影モードでなく(ステップS128:No)、再生モードが設定されている場合(ステップS134:Yes)について説明する。この場合、撮像装置1は、記録媒体19に記録された画像データを表示部17に表示し、入力部16から入力される画像切換えを指示する指示信号に応じて再生する画像を切換えながら終了指示が入力されるまで表示を行う再生表示処理を実行する(ステップS135)。その後、撮像装置1は、図13BのステップS118へ移行する。
ステップS134において、撮像装置1が再生モードに設定されていない場合(ステップS134:No)、撮像装置1は、図13BのステップS118へ移行する。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、アクチュエータ制御部252が動画撮影判定部251によって撮像装置1が動作撮影を行っていると判定した場合、アクチュエータ232が操作リング231を径方向の凹部231aまたは溝部231bが位置しているとのアクチュエータ232の先端位置を、撮像装置1が静止画撮影を行っているときの先端位置より退避される。この結果、撮像装置1が動画撮影を行っている場合、ユーザが操作リング231を光軸O周りに回転または光軸O方向に前後させても、クリック音を生じさせることなく、滑らかにアート効果処理またはエフェクト処理を切り換えることができる。
(実施の形態1の変形例1)
なお、上述した実施の形態では、アクチュエータとして圧電素子を用いていたが、可動コイル型の電磁型のリニアモータであるボイスコイルモータ(VCM)であっても適用することができる。図16は、本実施の形態1の変形例1にかかるレンズ鏡筒の沈胴状態における要部の構成を示す断面図である。図17は、図16のアクチュエータ駆動制御部30の一部をなすアクチュエータの要部を拡大して模式的に示す図である。なお、以下においては、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
図16および図17に示すように、アクチュエータ駆動制御部30は、操作枠236の内部に設けられる。アクチュエータ駆動制御部30は、凹部231aまたは溝部231bに接触する接触子であるボール31と、ボール31を支持する支持部材31aと、支持部材31aを介してボール31を支持する円筒状形状をしたジンバルバネの板バネ等の支持バネ32と、円筒状をなし、ボール31を操作リング231に向けて付勢する押圧バネ33と、支持バネ32を介してボール31を操作リング231に向けて付勢するアクチュエータの可動部に搭載された円筒密着巻きまたは矩形密着巻きの空芯コイル形状の可動コイル34と、円筒または矩形状した内ヨーク35と、内ヨーク35を基準に対向する位置に設けられた外ヨーク36と、外ヨーク36の内周側に接合された円筒形状(内ヨーク35または外ヨーク36が矩形形状の場合は、矩形形状の磁石片2個または4個の矩形状)の設けられた永久磁石37と、可動コイル34に駆動電圧を供給するFPC38と、ビス236aによって操作枠236に固定され、押圧バネ33、可動コイル34、内ヨーク35、外ヨーク36およびFPC38を支持部材で支持する板バネ39等、を有する。
このように、アクチュエータ駆動制御部30は、制御部25の制御のもと、FPC38を介して駆動電圧が可動コイル34に供給される。可動コイル34は内ヨーク35と外ヨーク36が接合された厚さ方向に磁化された永久磁石37との空間磁束内に位置するため、可動コイル34に流す電流の向きにより可動コイル34に搭載された支持部材31a、ボール31は操作リング231の内周のうち凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置から離間する。(図17の矢印上から矢印下に変位する可動コイル34に接合された支持バネ32を介して支持部材31aに接合されたボール31は支持バネ32の負勢力に反して下降する。)この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に移動する場合に、抵抗力が小さくなり、クリック音を低減することができる。これに対して、アクチュエータ駆動制御部30は、FPC38を介して駆動電圧が可動コイル34に供給を中止した場合、ボール31は支持バネ32の負勢力により操作リング231の内周のうち凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置に接触して負勢する。この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に移動する場合に、抵抗力が大きくなる。なお、本実施の形態1の変形例1において、電磁型リニアモータにおいて可動コイル型リニアモータに変えて可動磁石型リニアモータを適用することも可能である。
(実施の形態1の変形例2)
また、本実施の形態では、ポリマアクチュエータ(高分子アクチュエータともいう。例えば、導電性ゴム等の高分子素材から構成された2つの極性の異なる電極であるプラス電極、マイナス電極を有する電極部とから構成されている。)であっても適用することができる。図18は、本実施の形態1の変形例2にかかるアクチュエータ駆動制御部の一部をなすポリマアクチュエータの要部を拡大して模式的に示す図である。図19は、図18のアクチュエータ駆動制御部の一部をなすポリマアクチュエータの要部の断面図である。
図18および図19に示すように、アクチュエータ駆動制御部40は、凹部231aまたは溝部231bに接触する鋼球またはセラミック材料のボール41と、円筒状をなし、ボール41を操作リング231に向けて付勢する押圧バネ42と、円柱状をなし、ボール41を操作リング231に向けて付勢するポリマアクチュエータ43と、ポリマアクチュエータ43を駆動する駆動部44と、駆動部44に電圧を印加する印加電圧線45と、ポリマアクチュエータ43に対して印加電圧線45から電圧を絶縁する絶縁シート46と、押圧バネ42、ポリマアクチュエータ43、駆動部44および絶縁シート46を支持する板バネ47と、を有する。さらに、駆動部44の3点をボンディングワイヤ48によりポリマアクチュエータ43の姿勢を安定させる支持部49を有する。また、印加電圧部45は、一対の電極端子板45aおよび電極端子板45bを用いて構成される。さらに、支持部49は、操作枠236の内部にねじ等で位置を決めて固定する際の2つのねじ孔49aおよびねじ孔49bがそれぞれ有する。さらにまた、印加電圧部45は、アース45cに接続される。
このように、アクチュエータ駆動制御部40は、ポリマアクチュエータ43に電圧が印加されることにより、矢印(上下方向)に示す操作リング231にボール41が付勢される。これにより、ユーザが操作リング231を回転または前後に移動させる場合、操作リング231に生じる抵抗力が大きくなる。これに対して、ポリマアクチュエータ43に電圧の印加を停止した場合、操作リング231に対するボール41の付勢が弱くなる。この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に移動させる場合、抵抗力が小さくなり、クリック音を低減することができる。
(実施の形態1の変形例3)
また、本実施の形態1の変形例3において、構成を簡略することも可能である。図20は、本実施の形態1の変形例3にかかるアクチュエータ駆動制御部の一部をなすアクチュエータの要部を拡大して模式的に示す断面図である。
図20に示すように、操作リング231側の凹部231aまたは溝部231bに接触するボール51と、接着剤51aによってボール51を支持する支持部材52と、支持部材52を介してボール51を操作リング231側に押圧するための撓み変位可能なジンバル形状(図18に示す)したポリマアクチュエータ53が接合されている。ポリマアクチュエータ53は、カンザ55(スペーサ)を介してジンバルバネ56に接合されている。このポリマアクチュエータ53およびジンバルバネ56は、エッチング加工処理で行う。ポリマアクチュエータ53の連結は、一方が可動部側57aを支持し、他方がジンバルバネ56の上面に設けられたアクチュエータ支持部材57bで支持する。固定部側が板バネ等の部品結合部材(例えば、ジンバルバネ56などのリング状板バネ部材)に接合されたポリマアクチュエータ53を支持するアクチュエータ支持部材57には、一対の輪帯電極54a、54bが設けられている。ジンバルバネ56は、ボール51を操作リング側に押圧状態から、非接触状態の初期位置に戻す。具体的には、ポリマアクチュエータ53に電力が供給されていないときの位置を保持することができる。
なお、図示していないが、支持部材の側壁に矩形形状し、長手方向に磁化された永久磁石を接合し、操作枠236の内壁で、永久磁石に対向した位置にホール素子を配置することで、可動部材のボールが溝部や凹部に接触状態または非接触状態のそれぞれの位置が制御でき、操作リングをユーザによって操作されたとき、操作リング内の溝部と凹部間の移動時においてサーボ回路の安定性が得られる。
また、本願発明においては、特殊効果のみ(補助効果は省略)でも行うことができる。一例では図8に示す操作リング231に凹部231aを設け、溝部231bを省くこともできる。その結果、操作リング231が光軸O方向に移動することが省くことができ、アクチュエータ駆動制御部23は被写体側に最も飛び出した側壁端までの光軸O方向の寸法が短縮でき、薄型化することができる。また、図18,19の実施例に変え、押圧バネ42に変えて支持部材52とすると動画撮影時に押圧バネ42が外部振動により倒れや変位する。このような場合にはボール51の押圧力の変化するのを防ぐことができる。
特殊効果と補助効果の使用については、操作リング231の制御回路の詳細については記載していないが、操作リングの1周内に多数の凹部231aを形成するとユーザが使いにくい。特殊効果が増加するに従い、溝部の数を増やすために操作リング231を変更するための製造工数に負担がかかる。また、特殊効果の種類は動画撮影時と静止画撮影時に使用可能な特殊効果が異なる等、仕様によりさまざまに変更としたい期待がある。たとえば、公知資料のように1クリックが10°の場合はそれぞれを5°とした場合に36個のクリックが必要となる。
本願発明では、操作リング内に凹部231aが半周で18個が形成されている場合、特殊効果(6種類)+補助効果(5種類)の合計11種類であり、7個のクリックを使用しないように操作リング231の内側に形成された凹部231aに押圧するボール232aを退避させることも可能である。さらに、仕様の変更で特殊効果(12種類)に増加(18種類)したときの変更(例えば、絵画、夕焼け、紅葉、新緑、花火、居酒屋などの撮影モードなど)により特殊効果の追加を行う場合がある。
このような場合に操作リング231の「回転範囲」を規制することが望ましい。また、操作リング231内に(20個の凹部231a)のみ形成した場合に、半周内で特殊効果と補助効果の操作が分離できる。右半分の操作が特殊効果で左半分が補助効果を持つ複数溝の操作リング231の回転操作において使用しないクリックの飛び越し(例えば、特殊効果の「クリスタル」など動画時には使用しない)を行う等、操作リング内の凹部231aとボールの接触を避ける「飛び越し」を可能とすることが望ましい。特開2010-39385号公報の図7の位置信号を検出に用い、駆動回路のオン、オフ制御によりアクチュエータ(例えば、圧電素子)を駆動する。
また、他の実施例において、特開2008−249782号公報に開示されたカメラ本体に対して回転自在なレンズ鏡筒よカメラ本体に着脱可能なコンバータ鏡筒を構成し、レンズ鏡筒を回転させた位置に本願発明に用いたクイック機構(アクチュエータ)に使用することも可能である。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、レンズ部と本体部(ボディー)とが一体的に形成されたコンパクトデジタルカメラであったが、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置は、本体部(ボディー)に対して着脱自在なレンズ装置を備えるデジタル一眼レフカメラである。すなわち、レンズ装置に操作リングを有するアクチュエータ駆動制御部が設けられる。このため、本体部およびレンズ装置の構成が異なる。また、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置が実行する処理は、上述した実施の形態1と同様の処理を行う。このため、本発明の実施の形態2では、本体部およびレンズ装置の構成のみを説明する。なお、以下においては、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図21は、本実施の形態2にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す斜視図である。図22は、本実施の形態2にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
図21および図22に示すように、撮像装置200は、画像データを生成する本体部60と、本体部60に対して着脱自在なレンズ装置70と、を備える。
本体部60は、シャッタ6と、シャッタ駆動部7と、撮像素子8と、撮像素子駆動部9と、信号処理部10と、A/D変換部11と、画像処理部12と、AE処理部13と、AF処理部14と、画像圧縮展開部15と、入力部16と、表示部17と、表示駆動部18と、記録媒体19と、SDRAM20と、時計21と、Flashメモリ22と、バス24と、制御部25と、本体通信部61と、を備える。
本体通信部61は、本体部60に装着されたレンズ装置70との通信を行うためのインターフェースである。本体通信部61は、バス24を介して制御部25から入力された指示信号や駆動信号をレンズ装置70へ出力する。
レンズ装置70は、光学系71と、レンズ駆動部72と、絞り73と、絞り駆動部74と、レンズ通信部75と、アクチュエータ駆動制御部76と、レンズ制御部77と、を備える。
光学系71は、一または複数のレンズを用いて構成される。光学系71は、所定の視野領域から光を集光する。光学系71は、焦点を変化させるフォーカス機能を有する。レンズ駆動部72は、DCモータまたはステッピングモータ等を用いて構成され、光学系71のレンズを光軸O上で移動させることにより、光学系71のピント位置や画角等の変更を行う。なお、光学系71の詳細な構成については後述する。
絞り73は、光学系71が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部74は、ステッピングモータ等を用いて構成され、絞り73を駆動する。
レンズ通信部75は、レンズ装置70が本体部60に装着されたときに、本体部60の本体通信部61と通信を行うための通信インターフェースである。
アクチュエータ駆動制御部76は、図21に示すように、レンズ装置70のレンズ鏡筒100の周囲に設けられた操作リング761と、レンズ鏡筒100の所定の径方向に沿って進退可能であり、少なくとも径方向に操作リング761の内周のうち溝部または凹部以外の内周が位置しているとき、この内周を押圧するアクチュエータ762と、アクチュエータ762を駆動するアクチュエータ駆動部763と、操作リング761の光軸Oに沿う方向における位置を検出する位置検出部764と、操作リング761の回転位置を検出する回転位置検出部765と、を有する。なお、アクチュエータ駆動制御部76の詳細については後述する。
レンズ制御部77は、CPU等を用いて構成され、本体通信部61およびレンズ通信部75を介して入力される制御部25からの指示信号や駆動信号に応じてレンズ装置70の動作を制御する。レンズ制御部77は、本体通信部61およびレンズ通信部75を介して撮像素子8が画像データを生成するタイミングに同期または非同期で操作リング761の位置情報および回転位置情報を制御部25に出力する。
以上の構成を有する撮像装置200に対して、電子ビューファインダ(EVF)、音声入出力部、被写体に対して補助光(フラッシュ)を発光する補助光発光部、インターネットを介して外部の装置と双方向に通信を行う機能を有する通信部等をさらに設けてもよい。
ここで、上述したレンズ装置70について詳細に説明する。図23は、操作リング761が第1の位置に配置された状態のレンズ装置70の全体図である。図24は、操作リング761が第2の位置に配置された状態のレンズ装置70の全体図である。
レンズ装置70は、操作リング761と、基端部81と、指標表示枠82と、距離表示部83と、を備える。操作リング761、基端部81および指標表示枠82は、レンズ装置70のレンズ鏡筒100の外周に露出して配置される。
操作リング761は、ユーザによって光軸O周りに回転する。操作リング761は、図23および図24に示すように、光軸O方向に沿って所定の範囲内で移動可能である。また、操作リング761は、外部からの力が加えられていない状態では、移動範囲の両端のどちらか一方に選択的に位置する。なお、以下においては、操作リング761が選択的に位置する2つの位置のうち、光軸O方向の移動範囲の前方側の端部(図23を参照)を第1の位置Aとし、光軸O方向の移動範囲の後方側の端部(図24を参照)を第2の位置Bとする。
基端部81は、図23および図24に示すように、本体部60に係合するバヨネット爪81aを有する。基端部81は、バヨネット爪81aが本体部60に係合することにより、本体部60に対して固定される。
指標表示枠82は、基端部81に対して位置が固定され、レンズ装置70の外装部材の一部をなす。指標表示枠82は、操作リング761が第1の位置Aに位置している場合において、操作リング761よりも前方側に配設されている。指標表示枠82は、光軸Oと略平行な短い直線状の指標82aを有する。指標82aは、後述する距離表示部83に設けられた距離目盛83aを指し示す。また、指標表示枠82は、指標82aを挟んで略対称に周方向両側に、被写体深度指標82bを有する。被写体深度指標82bには、光学系71の絞り値(F値)に対応した被写体深度が示されている。
距離表示部83は、図24に示すように、操作リング761が第2の位置Bに位置している場合、レンズ装置70のレンズ鏡筒から露出する。これに対して、距離表示部83は、図23に示すように、操作リング761が第1の位置Aに位置している場合、操作リング761によって覆われレンズ装置70のレンズ鏡筒の外周から隠れる。また、距離表示部83は、操作リング761が第2の位置に位置している場合、レンズ装置70のレンズ鏡筒から露出する距離目盛83aを有する。距離目盛83aには、光学系71の最短合焦距離から無限遠までの距離を示す数値が示されている。さらに、距離表示部83は、操作リング761が第2の位置Bに位置している場合、操作リング761とともに光軸O周りに回転する。
このように、レンズ装置70は、操作リング761が第2の位置Bに位置している場合、操作リング761の回転に伴って、距離表示部83が指標表示枠82に対して光軸O周りに回転する。これにより、距離目盛83aは、指標82aに対して光軸O周りに相対的に回転し、指標82aが指し示す数値が変化する。たとえば、図24に示す状態において、指標82aと距離目盛83aとの組み合わせは、光学系71の合焦距離が略1.2mの距離の数値を示している。また、図24に示す状態において、被写体深度指標82bは、絞り73の絞り値が5.6である場合、距離が略0.8〜3.0mの範囲に存在する被写体に焦点が合うことを示している。
つぎに、レンズ装置70の内部の詳細な構成について説明する。図25は、図23に示す状態におけるレンズ装置70の断面図である。図26は、図24に示す状態におけるレンズ装置70の断面図である。
図25および図26に示すように、光学系71は、焦点距離が所定の値に固定された単焦点レンズの構成を有する。光学系71は、物体側から像側に順に、負屈折力を有する第1群レンズG11および正屈折力を有する第2群レンズG12を用いて構成される。
第1群レンズG11は、前方側から順に、前方側に凸面を向けた第1の負メニスカスレンズG111と、前方側に凸面を向けた第2の負メニスカスレンズG112と、両凸正レンズ、両凹負レンズおよび前方側に凸面を向けた生メニスカスレンズの接合レンズG113と、両凹負レンズG114と、両凸正レンズG115と、を用いて構成される。
第2群レンズG12は、正屈折力を有する副レンズ群G13と、正屈折力を有するフォーカスレンズ群G14とを用いて構成される。副レンズ群G13は、前方側から順に、両凹負レンズおよび両凸正レンズの接合レンズG131と、両凸正レンズG132とを用いて構成される。フォーカスレンズ群G14は、両凸正レンズG141を用いて構成される。なお、フォーカスレンズ群G14は、複数のレンズによって構成されてもよい。
以上のように構成された光学系71は、第1群レンズG11の第2の負メニスカスレンズG112の両面と副レンズ群G13の両凸正レンズG132の両面との4面が非球面である。光学系71は、フォーカスレンズ群G14が他のレンズに対して、光軸Oに沿う方向に移動することによって、合焦距離が変化する。ここで、合焦距離の変化とは、合焦させようとする被写体までの距離を変化させることである。なお、以下においては、第1群レンズG11および副レンズ群G13を固定レンズ群と称する。
また、レンズ装置70の内部には、固定枠84と、固定レンズ群保持枠85と、フォーカスレンズ保持枠86と、レンズ駆動部72(図示せず)と、アクチュエータ762と、アクチュエータ駆動部763と、位置検出部764と、回転位置検出部765と、が配設されている。
固定枠84は、基端部81に固定されて設けられている。固定枠84は、円筒状をなす第1固定枠84aおよび第2固定枠84bによって構成される。第1固定枠84aは、複数のビス81bによって、基端部81に固定される。第2固定枠84bは、複数のビス81cによって、第1固定枠84aの前方側に固定される。第2固定枠84bの前方側には、指標表示枠82が固定される。なお、基端部81および固定枠84の一部または全部は、一体的に形成されてもよい。
固定枠84の外周部には、固定枠84に対して、操作リング761および距離表示部83が摺動可能に配置される。具体的には、操作リング761は、レンズ装置70の外周面上に露出して、ユーザの指がかかるように外周部に凹凸が設けられた略円筒状をなすアクチュエータ駆動制御部761aおよびアクチュエータ駆動制御部761aの内側に所定の隙間を有して配設された略円筒状をなすビスによる3つの取り付け穴762fと突起部と嵌合する位置決め穴762eが形成された内周円筒部761bを有する。内周円筒部761bは、固定枠84の第1固定枠84aの外周側に対して、光軸O方向および光軸O周りの回転方向に摺動可能に嵌合している。なお、アクチュエータ駆動制御部761aおよび内周円筒部761bの一部または全部は、一体的に形成されてもよい。
アクチュエータ駆動制御部761aの内周面上には、外周側に突出し、断面が略四角形状をなす凹部761c、および外周側に突出し、断面が略三角形状をなす溝部761cがそれぞれ周方向に全周にわたって形成されている。
また、第1固定枠84aの溝部761cに対向する箇所には、貫通孔84cが設けられている。貫通孔84c内には、後述するアクチュエータ762の一部をなすボール762aが遊嵌している。
位置検出部764は、フォトインタラプタまたは磁気センサ等を用いて構成され、操作リング761の位置を検出する。具体的には、位置検出部764は、操作リング761の一部が検出範囲内に進入した場合、操作リング761が第2の位置に位置していることを示す検出信号をレンズ制御部77へ出力する。これに対して、位置検出部764は、操作リング761の一部が検出範囲内にない場合、操作リング761が第1の位置に位置していることを示す検出信号をレンズ制御部77へ出力する。
回転位置検出部765は、エンコーダおよびフォトインタラプタを用いて構成され、操作リング761の光軸O周りの回転方向および回転量を検出する。具体的には、回転位置検出部765は、操作リング761に周方向に所定の間隔で設けられた複数の遮光片の通過をフォトインタラプタで検出し、このフォトインタラプタの出力信号に基づいて、操作リング761に回転方向および回転量を検出する。なお、回転位置検出部765は、ポテンショメータを用いて構成してもよい。
ここで、図25および図26で示したアクチュエータ762について詳細に説明する。図27は、アクチュエータ762の構成を示す上面図である。図28は、図27の矢視F方向からの側面図である。図29は、アクチュエータ762を模式的に示す断面図である。
図27〜図29に示すように、アクチュエータ762は、凹部761bまたは溝部761cに接触するボール762aと、ボール762aを支持し、第1の弾性板バネ762bと、第1の弾性板バネ762bを介してボール762aをレンズ鏡筒100の所定の径方向の外側に向けて付勢するポリマアクチュエータ762cと、円環状をなし、ポリマアクチュエータ762cを支持する第2の弾性板バネ762dと、アクチュエータ制御部252の制御のもと、ポリマアクチュエータ762cに電圧を印加する印加部732eと、を有する。第1の弾性板バネ762bには、凹部762fが設けられている。凹部762fは、ボール762aを保持する。また、ボール762a、第1の弾性板バネ762b、ポリマアクチュエータ762cは、第2の弾性板バネ762dに複数設けられる。なお、第1の弾性板バネ762b、ポリマアクチュエータ762cおよび第2の弾性板バネ762dは、一体的に形成されてもよい。
上述したアクチュエータ762は、操作リング761が第1の位置Aに位置している場合(図23および図25を参照)、ボール762aが溝部761cに当接する。また、アクチュエータ762は、操作リング761が第2の位置Bに位置している場合(図24および図26を参照)、ボール762aが凹部761bに当接する。このように、ボール762aは、凹部761bと溝部761cとの間が突起しているため、操作リング761の位置に関わらず、凹部761bまたは溝部761cのいずれかの一方に当接する。これにより、操作リング761は、移動可動範囲の前方寄りに位置している場合、ボール762aによって前方側に向って付勢され、第1の位置Aに位置決めされる。これに対して、操作リング761は、移動可動範囲の後方寄りに位置している場合、ボール762aによって後方側に向って付勢され、第2の位置Bに位置決めされる。
このように、操作リング761は、外部から外力が加えられていない場合、アクチュエータ762によって、第1の位置Aまたは第2の位置Bのいずれか一方の位置に配置される。また、アクチュエータ762は、上述した実施の形態と同様に、撮像装置200が動画撮影を行っている場合、アクチュエータ制御部252の制御のもと、ポリマアクチュエータ762cがボール762aを径方向の外側に付勢する押圧力を低下させる。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、アクチュエータ制御部252が動画撮影判定部251によって撮像装置200が動作撮影を行っていると判定した場合、アクチュエータ762が操作リング761を径方向の外側に押圧する押圧力を低下させる制御を行うことにより、操作リング761とボール762aとの間に生じる抵抗力を低下させる。この結果、撮像装置200が動画撮影を行っている場合、ユーザが操作リング761を光軸O周りに回転または光軸O方向に前後させても、クリック音を生じさせることなく、滑らかに特殊効果画像処理または補助効果画像処理を切り換えることができる。
(実施の形態2の変形例1)
また、本実施の形態2において、押圧部としてのアクチュエータの構成を変更することも可能である。図30は、本実施の形態2の変形例1にかかるアクチュエータの一部をなす断面図である。なお、以下においては、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
図30に示すように、アクチュエータ90は、操作リング761に形成された溝部761cに当接する合成樹脂製のボール91aが封入されて一体化された円錐形状の接触子91bと、この可動部材の中心部にはポリマアクチュエータ93を挟み込むと接合するための両側に溝95が形成された両持ち支持構造である。また、合成樹脂製のボール91aの外形は円錐形状した接触子91bの内周面の4点で支持されている。一方、径方向の外形に撓み変位するポリマアクチュエータ93は操作リング761にビス92で固定されている。ポリマアクチュエータ93に電圧を印加するアクチュエータ駆動部としての印加部94と、を有する。このように、アクチュエータ90は、円錐形状の接触子91bが溝部761cから離間している場合において、ポリマアクチュエータ93に電圧が印加されたとき、径方向の外形に向けて撓むことにより、円錐形状の接触子91bが溝部761cに当接する。
なお、ポリマアクチュエータ93は、板バネ等の弾性部材と背面接合するように構成してもよい。また、両持ち支持構造は片持ち支持構造としてもよい。あるいは、円錐形状した可動部材91bに合成樹脂製のボール91aを封入したが、製造コストを低減するために円錐形状した接触子91bに内周面を形成しボール91aの封入を省略することもできる。さらに、接触子の外形は円形、楕円形等、操作リング761の内周に形成された凹部または溝部に合わせて、さまざまな形状にすることができる。
以上説明した本発明の実施の形態2の変形例1によれば、上述した実施の形態2と同様の効果を奏し、レンズ鏡筒の外周を大きくすることなく、ポリマアクチュエータ93の感度を向上するために接触子91bを軽量化することができる。
(その他の実施の形態)
また、上述した実施の形態1,2では、撮像装置をコンパクトデジタルカメラまたはデジタル一眼レフカメラとして説明していたが、たとえば、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話、携帯端末およびパーソナルコンピュータ等の撮影機能を備えた各種電子機器に適用することができる。
本実施の形態では、特殊効果と補助効果の切り替え機構について説明したが、従来技術に示された設定できるパラメータは、シャッタスピード、ISO感度の他に露出値、絞り値、ホワイトバランス、レンズ鏡筒のズームポジション、マニュアルフォーカスモード時のピント位置などに用いることができる。さらに、NDフィルタと特殊効果の切り替え機構に置き換えることもできる。NDフィルタの一例として、例えば、特開2010−61002号公報に示す複数のNDフィルタ402を備えるとともに光路から退避した位置に設けられた回動軸601aを中心として回動可能に設けられて、回動することによって複数のNDフィルタ402を選択的に光路上に位置付ける動力伝達機構において本願発明のボールや円錐形状した可動部材及び駆動機構を配置することで、動画撮影時において光軸上の中心に所望のNDフィルタの中心を一致したときのクリック動作時に駆動音を発生することはない。
1,200 撮像装置
2,71 光学系
3,72 レンズ駆動部
4,73 絞り
5,74 絞り駆動部
8 撮像素子
9 撮像素子駆動部
12 画像処理部
16 入力部
17 表示部
19 記録媒体
20 SDRAM
22 Flashメモリ
23,30,40,50,76 アクチュエータ駆動制御部
31,41,51,91a,232a,762a ボール
33,42,232g 押圧バネ
34 可動コイル
35 内ヨーク
36 外ヨーク
37 永久磁石
39,47,232h 板バネ
43,53,93,762c ポリマアクチュエータ
45 印加電圧線
48 ボンディングワイヤ
60 本体部
61 本体通信部
70 レンズ装置
77 レンズ制御部
90,232,762 アクチュエータ
94,732e 印加部
100 レンズ鏡筒
121 基本画像処理部
122 特殊効果画像処理部
123 補助効果画像処理部
164 動画スイッチ
221 プログラム記録部
222 特殊効果処理情報記録部
223 補助効果処理情報記録部
231a 凹部
231b,761c 溝部
231,761 操作リング
232c 圧電素子
233 アクチュエータ駆動部
234,764 位置検出部
235,765 回転位置検出部
251 動画撮影判定部
252 アクチュエータ制御部
253 画像処理制御部
254 表示制御部
図2に戻り、説明を撮像装置1の構成の説明を続ける。アクチュエータ駆動制御部23は、操作リング231と、アクチュエータ232と、アクチュエータ駆動部233と、位置検出部234と、回転位置検出部235と、を有する。
図7〜図12に示すように、アクチュエータ駆動制御部23は、固定枠102に嵌入される操作枠236と、操作枠236に対して回転可能な操作リング231と、操作リング231の内周側から径方向(外側)に向けて付勢するアクチュエータ232と、アクチュエータ駆動部233(図示せず)と、操作リング231の位置を検出する位置検出部234と、回転位置検出部235(図示せず)と、を有する。
操作リング231は、リング状(円環状)をなし、操作枠236に対して回転自在に嵌入してレンズ鏡筒100(図1を参照)の外周部に設けられる。操作リング231は、撮像装置1の筐体1aに保持されることにより、光軸Oに沿う方向に進退可能である。操作リング231は、前方から内周部に光軸Oに沿って伸びる凹部231aと、光軸Oに沿って伸びる溝部231bと、を有する。凹部231aは、操作リング231の周方向に沿って等間隔で複数設けられ、断面が略C字状をなす(図10を参照)。溝部231bは、操作リング231の周方向に沿って設けられ、断面が略三角形をなす。また、凹部231aは、溝部231bよりボール232aを保持する保持力が高くなるように溝が深く形成される。
このように構成されたアクチュエータ232は、FPC232dを介して圧電素子232cに電圧が印加されることにより、ボール232aが操作リング231を押圧する。具体的には、図12に示すように、FPC232dを介して圧電素子232cに電圧印加を停止した場合、圧電素子232cが操作リング231の内周側から径方向に無負荷状態にすることにより、ボール232aが操作リング231の溝部231bを押圧する(矢印下に示す図12(b)→矢印上に示す図12(a)に移動)。これにより、ユーザが操作リング231を回転させる場合、ボール232aと溝部231bが接触することにより、クリック音が生じるとともに、ユーザが操作リング231の回転方向および回転量を把握することができる。
これに対して、アクチュエータ232は、FPC232dを介して圧電素子232cに電圧印加された場合、圧電素子232cが操作リング231の中心側に向けて伸縮することにより、押圧バネ232gの押圧力に反して、ボール232aが中心側に移動し、溝部231bから離間する(矢印上図12(a)→矢印下図12(b)に移動)。これにより、ユーザが操作リング231を回転させた場合であっても、ボール231bと溝部231bがほぼ接触することないので、クリック音が生じることを防止することができる。
なお、他の実施例として、押圧バネ232gにより、ボール232aを操作リング231の内周のうち、凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置しているとき、に押圧力を与える。このような状態から圧電素子(電界方向に対して分極方向が向き合う構造)232cに印加電圧を与えたとき、伸縮する部品(圧電素子)を用いると、押圧バネ232gに押圧力に反して、操作リング231の溝部231bから離間してもよい。このようにすると圧電素子232cの印加する使用時間が少なくなり消費電力が低減できる。また、押圧バネ232gを省略することで、圧電素子232cに電圧が印加を停止した場合、ボール232aが中心側に移動し、溝部231bから離間する。そして、圧電素子232cに電圧の印加を印加した場合、伸縮する部品(圧電素子)を用いると、ボール232aが溝部231bに押圧することもできるのは勿論である。
このように、アクチュエータ駆動制御部30は、制御部25の制御のもと、FPC38を介して駆動電圧が可動コイル34に供給される。可動コイル34は内ヨーク35と外ヨーク36が接合された厚さ方向に磁化された永久磁石37との空間磁束内に位置するため、可動コイル34に流す電流の向きにより可動コイル34に搭載された支持部材31a、ボール31は操作リング231の内周のうち凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置から離間する。(図17の矢印上から矢印下に変位する可動コイル34に接合された支持バネ32を介して支持部材31aに接合されたボール31は支持バネ32の勢力に反して下降する。)この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に移動する場合に、抵抗力が小さくなり、クリック音を低減することができる。これに対して、アクチュエータ駆動制御部30は、FPC38を介して駆動電圧が可動コイル34に供給を中止した場合、ボール31は支持バネ32の勢力により操作リング231の内周のうち凹部231aまたは溝部231b以外の内周が位置に接触して負勢する。この結果、ユーザが操作リング231を回転または前後に移動する場合に、抵抗力が大きくなる。なお、本実施の形態1の変形例1において、電磁型リニアモータにおいて可動コイル型リニアモータに変えて可動磁石型リニアモータを適用することも可能である。

Claims (12)

  1. 所定の視野領域から光を集光する光学系を有するレンズ鏡筒を備え、前記光学系が集光した光を受光して画像データを生成する撮像装置であって、
    前記レンズ鏡筒の外周部に設けられ、前記光学系の光軸を中心に回転自在であり、内周側に溝部を形成した操作リングと、
    前記レンズ鏡筒に設けられ、前記溝部に嵌合可能な接触子を、前記溝部に嵌合して押圧する押圧位置と前記溝部から離間した離間位置との間で進退可能に搭載した可動部を有するアクチュエータと、
    当該撮像装置が動画撮影を行っているか否かを判定する動画撮影判定部と、
    前記動画撮影判定部によって当該撮像装置が動画撮影を行っていると判定された場合、前記アクチュエータの駆動を制御して前記接触子を前記押圧位置から前記離間位置に退避させるアクチュエータ制御部と、
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記操作リングは、前記レンズ鏡筒の光軸における第1の位置と第2の位置との間で進退可能であり、前記溝部を周方向に沿って複数形成したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記アクチュエータは、当該撮像装置が静止画撮影を行っている場合において、前記接触子が少なくとも前記操作リングの内周のうち前記溝部以外の内周が位置しているとき、該内周に前記接触部を接触させ、
    前記離間位置は、前記接触子が前記内周に接触する位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより、視覚的な効果を生じさせる処理画像データを生成する画像処理部と、
    前記操作リングの回転量および回転方向を検出する回転検出部と、
    前記回転検出部が検出した前記回転量および回転方向に応じて、前記画像処理部が行う画像処理を設定する画像処理制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の撮像装置。
  5. 前記操作リングの光軸方向における前記第1の位置と前記第2の位置を検出する位置検出部をさらに備え、
    前記画像処理部は、
    前記画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせる特殊効果処理を行って特殊効果画像データを生成する特殊効果処理部と、
    前記画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより補助的な効果を生じさせる補助効果処理を行って補助効果画像データを生成する補助効果画像処理部と、
    を有し、
    前記画像処理制御部は、前記位置検出部によって前記操作リングが前記第1の位置に位置していると検出された場合、前記回転検出部が検出した前記回転量および回転方向に応じた前記補助効果処理を前記補助効果画像処理部に設定する一方、前記位置検出部によって前記操作リングが前記第2の位置に位置していると検出された場合、前記回転検出部が検出した前記回転量および回転方向に応じた前記特殊効果処理を前記特殊効果処理部に設定することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記特殊効果処理の処理内容を記録する特殊効果処理情報記録部と、
    前記補助効果の処理内容を記録する補助効果処理情報記録部と、
    をさらに備え、
    前記アクチュエータ制御部は、前記特殊効果処理情報記録部に記録された前記特殊効果処理の数または前記補助効果処理情報記録部に記録された前記補助効果の数に応じて、前記アクチュエータの駆動を制御して前記接触子が前記操作リングに複数形成された前記溝部に嵌合する間隔の設定および前記操作リングの回転量を規制することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記特殊効果処理は、前記画像の周辺に対してシェーディング効果を施すシェーディング処理または前記画像全体にぼかし効果を施すソフトフォーカス処理のいずれかの処理を含み、
    前記補助効果処理は、輝度の明るさを調整する光描画処理、前記画像の周辺に対してホワイトアウト効果を施すホワイトアウト処理、前記画像の周辺のみシェーディング効果を施すシェーディング処理およびフレーム画像を重畳する合成処理のいずれかの処理を含むことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記アクチュエータは、圧電素子、電磁型リニアモータおよびポリマアクチュエータのいずれか一つであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の撮像装置。
  9. 前記アクチュエータは、
    前記ポリマアクチュエータと、
    前記ポリマアクチュエータを挟持する板バネと、
    前記ポリマアクチュエータが延在する方向に平行、かつ離間して配置され、前記ポリマアクチュエータを支持する弾性支持部材と、
    をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記接触子は、
    円、楕円形状または円錐形状をなす単一部材であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の撮像装置。
  11. 光電変換を行うことによって画像データを生成するレンズ交換式カメラシステムの本体部に対して着脱自在であり、所定の視野領域から光を集光する光学系を有するレンズ鏡筒を備え、前記本体部と双方向に通信可能なレンズ装置であって、
    前記レンズ鏡筒の外周部に設けられ、前記光学系の光軸を中心に回転自在であり、内周側に溝部を形成した操作リングと、
    前記レンズ鏡筒に設けられ、前記溝部に嵌合可能な接触子を、前記溝部に嵌合して押圧する押圧位置と前記溝部から離間した離間位置との間で進退可能に搭載した可動部を有するアクチュエータと、
    当該撮像装置が動画撮影を行っているか否かを判定する動画撮影判定部と、
    前記動画撮影判定部によって当該撮像装置が動画撮影を行っていると判定された場合、前記アクチュエータの駆動を制御して前記接触子を前記押圧位置から前記離間位置に退避させるアクチュエータ制御部と、
    を備えたことを特徴とするレンズ装置。
  12. 前記光学系は、
    物体側から像面側に順に、負屈折力を有する前側レンズ群および正屈折力を有する後側レンズ群からなり、
    前記後側レンズ群は、
    少なくとも正屈折力を有する副レンズ群と、正屈折力を有するフォーカスレンズ群とを有し、
    前記副レンズ群は、物体側から像面側に順に、少なくとも両凹負レンズおよび両凸正レンズの接合レンズと、両凸正レンズとを用いて構成され、
    前記フォーカスレンズ群は、少なくとも両凸正レンズを用いて構成されたことを特徴とする請求項11に記載のレンズ装置。
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