JP2013130411A - クロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置 - Google Patents

クロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象化合物から生成される異なる価数の多価イオンが2〜3種類しかないような場合でも、マススペクトルから精度よく多価イオンピークを抽出して精密な分子量の算出を可能とする。
【解決手段】対象化合物由来であると推定される価数の異なる複数の多価イオンピーク候補が得られたならば、各多価イオンピーク候補の質量電荷比m/zにおける対象化合物の保持時間T1近傍のマスクロマトグラムを作成し、それらを重ねて表示画面上に表示する。同一化合物由来の多価イオンであれば、複数のマスクロマトグラムには保持時間T1近傍にピークトップを有する類似形状のピークが現れる筈である。従って、ユーザは表示されたマスクロマトグラムを確認し、対象化合物由来の多価イオンの組合せであるか(a)或いはそうでないか(b)を容易に判断することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)等のクロマトグラフ質量分析装置で収集されたデータを解析処理するデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、対象化合物由来の多価イオンの有無を、四重極型質量分析装置で検出したデータに基づいて判定するために好適なデータ処理装置に関する。
液体試料や液体クロマトグラフにより成分分離された溶出液中の分析対象成分をイオン化して質量分析するために、大気圧イオン化インタフェイスが利用されている。代表的な大気圧イオン化法としては、エレクトロスプレイイオン化法(ESI)や大気圧化学イオン化法(APCI)などが知られている。一般に、こうした大気圧イオン化インタフェイスは、四重極型質量分析装置やイオントラップ型質量分析装置、或いは飛行時間型質量分析装置と組み合わせて使用されることが多い。
大気圧イオン化インタフェイス、特にESIインタフェイスは、化合物をイオン化する過程で、複数の電荷を持つ多価イオンを生成し易いという特性を有する。多価イオンはその価数に応じて元の化合物の分子量よりも質量電荷比m/zが小さくなるため、分析対象であるイオンの質量電荷比の範囲を相対的に低くすることができるという利点がある。特にタンパク質やペプチドなどの高分子量化合物を分析する場合、1価イオンの質量電荷比は質量分析装置の測定可能範囲を超えてしまうことがあるが、多価イオンを利用することにより質量電荷比を質量分析装置の測定可能範囲に収めることができる。こうしたことから、多価イオンを利用した質量分析は高分子量化合物の同定に大きな威力を発揮する。
高分子量化合物をESIイオン源によりイオン化して質量分析した場合、様々な価数のイオンに由来するピークがマススペクトルに現れる(例えば非特許文献2のFig.1参照)。このような複数の多価イオンピークが観測されるマススペクトルに対しデコンボリューション(Deconvolution)と呼ばれる手法により演算処理を行うと中性質量のスペクトルが求まり(例えば非特許文献2のFig.2参照)、これから対象化合物の分子量が得られる(特許文献1、非特許文献1など参照)。
デコンボリューションを利用した上記従来の手法は、対象化合物由来の価数が相違する多価イオンのピークがマススペクトル上に多数(通常10種程度以上)観測されている場合には有用であり、十分な確度を以て分子量を求めることが可能である。ところが、マススペクトル上で多価イオンピークが2〜3種類程度しか存在しないには、デコンボリューションを利用した手法はあまり有効とはいえない。なぜなら、マススペクトル上で多価イオンに相当する、つまり、化合物の分子量をM、イオンの価数をn、プロトンの分子量をH、観測されるイオンの質量電荷比m/zをmとしたときに、次の(1)式に該当するピークが2〜3個程度しかない場合には、そのピークは対象化合物由来のものでなく偶発的に一致した可能性があるからである。
M=n(m+H) …(1)
また、特に一部のイオンピークの強度が低い場合にはノイズピーク等との識別が困難であり、それら複数のイオンピークが同一の対象化合物に由来するものであるか否かをマススペクトルから判断することはかなり難しい。
米国特許第5130538号明細書
「[技術分類]2−2−3−1 質量分析全般技術/イオン種/帰属、同定/多価イオン [技術名称]2−2−3−1−1 多価イオン」、[online]、特許庁、[平成23年11月17日検索]、インターネット<URL : http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/mass/2-2-3.pdf> 「島津アプリケーションニュース No.C55 LC-MSによるタンパク質・ペプチドの分析」、[online]、株式会社島津製作所、[平成23年11月17日検索]、インターネット<URL : http://www.imtakt.com/jp/Support/UserReport/Shimadzu/LCMS/c55-CD0peptide.pdf>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、対象化合物から生成される多価イオンの種類が少ない場合であっても、偶発的に一致してしまう不所望のピークの影響を除去し、例えば対象化合物の高精度の中性質量スペクトルを作成したり目的化合物の分子量を高い精度で求めたりすることができ、検出したデータに基づいて対象化合物由来の多価イオンの有無を迅速に判定することができるクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された第1発明は、LC/MS等のクロマトグラフ質量分析装置により収集された対象化合物由来の多価イオンについてのデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置において、
a)対象化合物の保持時間付近に得られるマススペクトル上で、同一化合物に由来すると推定される価数の相違する複数の多価イオンピークの候補を抽出することにより、対象化合物由来の多価イオンピークの組合せの候補を1以上求める多価イオン候補抽出手段と、
b)前記多価イオン候補抽出手段により求められた組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補のそれぞれについて、少なくとも前記対象化合物の保持時間付近の時間範囲におけるマスクロマトグラムを作成するマスクロマトグラム作成手段と、
c)前記マスクロマトグラム作成手段により作成された、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補に対する複数のマスクロマトグラムを同一画面上に表示する表示手段と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明は、LC/MS等のクロマトグラフ質量分析装置により収集された対象化合物由来の多価イオンについてのデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置において、
a)対象化合物の保持時間付近に得られるマススペクトル上で、同一化合物に由来すると推定される価数の相違する複数の多価イオンピークの候補を抽出することにより、対象化合物由来の多価イオンピークの組合せの候補を1以上求める多価イオン候補抽出手段と、
b)前記多価イオン候補抽出手段により求められた組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補のそれぞれについて、少なくとも前記対象化合物の保持時間付近の時間範囲におけるマスクロマトグラムを作成するマスクロマトグラム作成手段と、
c)前記マスクロマトグラム作成手段により作成された、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補に対する複数のマスクロマトグラムに基づいて、それら多価イオンピーク候補が対象化合物由来の多価イオンピークであるか否かを判定する候補判定手段と、
を備えることを特徴としている。
同一化合物に由来し価数が相違する複数種の多価イオンについてそれぞれマスクロマトグラムを作成すると、いずれもその対象化合物が出現する時間(つまり保持時間)付近でクロマトグラムピークが現れる筈である。また、そのクロマトグラムピークの形状は相似形になる筈である。これに対し、マススペクトルにおいて多価イオンピークが現れる位置(質量電荷比)にノイズや別の化合物に由来するピークが偶発的に存在した場合には、その質量電荷比におけるマスクロマトグラムを作成しても、対象化合物の保持時間付近でクロマトグラムピークは現れない筈である。第1及び第2発明に係るクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置では、このことを利用してマススペクトルから得られた多価イオンピーク候補が対象化合物由来のものであるか否かを評価する。第1発明では、多価イオンピーク候補に対応したマスクロマトグラムを表示することで、ユーザが目視等により妥当な(つまり対象化合物由来の多価イオンとして最もそれらしい)組合せ候補を選択し得る環境を提供する。一方、第2発明では、ユーザ自身が判定する代わりに、候補判定手段が自動的にマスクロマトグラムを評価し、妥当な組合せ候補を選択する。
第1及び第2発明に係るクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置において、多価イオン候補抽出手段は例えば、対象化合物の保持時間付近のマススペクトルから、或る分子量を仮定した上で上記(1)式に該当する複数のピークを多価イオンピーク候補として抽出する。対象化合物のおおよその分子量が既知である場合にはその既知の分子量を中心とする所定の分子量範囲を(1)式で限定し、所定の許容誤差の範囲で価数を変化させたときの多価イオンピーク候補を探索すればよい。また、化合物の分子量が未知の場合でも該化合物が採り得る分子量の範囲及び価数の範囲を技術常識に照らしてユーザが設定することは可能であるから、設定された範囲で多価イオンピーク候補を探索すればよい。そして、同一化合物由来の(つまり同一分子量に対する)価数の相違する複数種の多価イオンピーク候補を含む組合せ候補を1以上求める。一般的にはこの組合せ候補は複数である。
マスクロマトグラム作成手段はマススペクトルから求まった組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピークに対し、例えば対象化合物の保持時間付近の所定の時間範囲におけるマスクロマトグラムを作成する。そして、第1発明においては表示手段が、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補に対する複数のマスクロマトグラムを同一画面上に表示する。これにより、ユーザは、対象化合物の保持時間付近に現れる多価イオン候補のマスクロマトグラムのピーク形状を視覚的に容易に比較し、同一化合物由来の多価イオンであるとみなせるか否かを簡便に判断することができる。一方、第2発明においては候補判定手段が、例えば多価イオン候補のマスクロマトグラム上で対象化合物の保持時間付近のクロマトグラムピークの存在を確認し、そのピーク形状が類似していればその組合せ候補に含まれる多価イオンピークは対象化合物由来の真の多価イオンピークであると可能性が高いと判定する。こうして対象化合物由来の複数の多価イオンピークの組合わせが求まれば、これから対象化合物の中性スペクトルを作成したり精密な分子量を求めたりすることができる。
上述したように、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補が全て真の多価イオンピークであれば、その組合せの信頼性は高いと考えられる。但し、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補の強度がいずれも低い場合には、対象化合物由来でないピークが偶発的に一致した可能性を否定できない。
そこで、第1及び第2発明に係るクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置の好ましい一態様として、前記多価イオン候補抽出手段は、対象化合物の保持時間付近に得られるマススペクトル上で信号強度が相対的に大きな1乃至複数のピークが少なくとも1つ含まれることを条件として、組合せ候補を取捨選択する構成とするとよい。
これにより、例えばノイズ等により質量電荷比が偶発的に一致することに起因する偽の多価イオンピークの少なくとも一部を除去することができるので、組合せ候補の数を抑えユーザによる判定作業の負荷を軽減できる。或いは、自動的に妥当な組合せを選択する際の精度を上げることができる。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置によれば、対象化合物由来の多価イオンが2〜3種類程度しか観測できないような場合であっても、多価イオンの存在を迅速且つ確実に判定し、さらには高精度の中性質量スペクトルを作成して対象化合物の分子量を高い精度で求めることが可能となる。
本発明に係るデータ処理装置を用いたクロマトグラフ質量分析装置の一実施例であるLC/MSの要部の構成図。 本実施例のLC/MSにおける多価イオンデータ処理のフローチャート。 本実施例のLC/MSにおける多価イオンデータ処理の説明図。 本実施例のLC/MSにおける多価イオンデータ処理結果を表示する画面の説明図。 多価イオンデータ処理結果の表示の一例を示す図。
本発明に係るデータ処理装置を用いたLC/MSの一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のLC/MSの要部の構成図である。
このLC/MSは、大別して、液体クロマトグラフ(LC)10と質量分析部(MS)20とから成り、LC10とMS20とを接続する大気圧イオン化インタフェイスには、エレクトロスプレイイオン化(ESI)インタフェイスが用いられている。
LC10にあって、送液ポンプ12は移動相容器11に貯留されている移動相を吸引し、一定流量でインジェクタ13を通してカラム14へと送給する。インジェクタ13により移動相中に試料が注入されると、移動相の流れに乗って試料はカラム14へと導入される。カラム14を通過する間に試料中の各種化合物は互いに分離され、時間的にずれてカラム14の出口から溶出しMS20に導入される。
MS20は、大気圧雰囲気に維持されるイオン化室21と、ターボ分子ポンプ(図示せず)により真空排気され、高真空雰囲気に維持される分析室24と、を有し、その間には、段階的に高い真空度に維持される第1中間真空室22及び第2中間真空室23が配設されている。イオン化室21と第1中間真空室22とは細径の脱溶媒管26を介して連通しており、第1中間真空室22と第2中間真空室23とは、円錐形状のスキマー28の頂部に穿設された小径のオリフィスを介して連通している。
LC10から供給された、各種化合物を含む溶出液がイオン源としてのESIノズル25に達すると、図示しない高圧電源から印加されている直流高電圧により、溶出液は電荷を付与される。そして、帯電した微小液滴としてイオン化室21内に噴霧される。この帯電液滴は大気由来のガス分子と衝突してさらに微細な液滴に粉砕され、速やかに乾燥して(脱溶媒化されて)試料分子が気化する。この過程で試料分子はイオン化される。発生したイオンを含む微小液滴は、圧力差によって脱溶媒管26中に引き込まれ、脱溶媒管26中を通る間に脱溶媒化が一層進行してイオンが発生する。なお、上述したように、タンパク質等の高分子化合物をESIによりイオン化する際には、価数が1である1価イオンのみならず、価数が2以上である各種の多価イオンが多く発生する。
こうして発生したイオンはイオンガイド27、29でそれぞれ収束されつつ2つの中間真空室22、23を通過し分析室24へ送られる。分析室24には四重極マスフィルタ30と検出器31とが配設されており、四重極マスフィルタ30は導入された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンのみを選択的に通過させる。通過したイオンは検出器31に到達して検出され、検出器31は到達したイオンの数に応じた電流を検出信号として出力する。四重極マスフィルタ30を通過するイオンの質量電荷比は該フィルタ30に印加される電圧に依存するため、この印加電圧を所定範囲で走査することにより四重極マスフィルタ30を通過するイオンの質量電荷比を走査することができる。
検出器31による検出信号はデータ処理部40に入力され、まずデータ収集部41においてデジタルデータに変換されてメモリなどの記憶装置に一旦格納される。多価イオンデータ解析処理部42はデータ収集部41内の記憶装置に格納されているデータを適宜読み出し、後述するような分析対象である目的化合物に関する情報を取得するための解析処理を実行する。また、分析制御部50は中央制御部51からの指示に基づいて、LC/MS分析を実行するためにLC10及びMS20の各部の動作を制御する。
中央制御部51にはユーザインターフェイスとしての入力部52及び表示部53が接続されており、入力部52によるユーザの操作を受けて分析のための各種の指令を分析制御部50やデータ処理部40に出力するとともに、得られた分析結果を表示部53に出力する。なお、中央制御部51、分析制御部50、及びデータ処理部40の機能の一部又は大部分は、パーソナルコンピュータ上で所定の制御/処理ソフトウエアを実行することにより具現化することができる。
上記LC/MSでは、分析制御部50の制御の下、LC10においてインジェクタ13により移動相中に試料が注入された時点から、MS20において所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定が繰り返し実行される。それにより、データ収集部41には、時間、質量電荷比m/z、信号強度(イオン強度)という3つのディメンジョンを持つ3次元データが格納される。多価イオンデータ解析処理部42はこうして収集されたデータに対して以下のような特徴的な処理を実行する。
図2は本実施例のLC/MSにおける多価イオンデータ処理のフローチャート、図3はこの多価イオンデータ処理の説明図、図4は多価イオンデータ処理結果を表示する画面の説明図、図5は多価イオンデータ処理結果の表示の一例を示す図である。
処理実行に先立って、ユーザは入力部52より解析のために必要なパラメータとして、目的化合物の保持時間、目的化合物の推定分子量(若しくは既知のおおよその分子量)又は分子量範囲、該目的化合物から生成される多価イオンの価数範囲、多価イオン選択のための相対強度閾値、などを入力する(ステップS1)。推定分子量又は分子量範囲や価数範囲の入力は必須ではないが、これらを入力したほうが後述する組合せ候補の数を少なくすることができ、ユーザによる作業や操作の手間が少なくてすむ。
実質的な解析処理が開始されると、多価イオンデータ解析処理部42はまず、収集されたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラム(又は各時刻のマススペクトルにおいて信号強度が最大であるピークの信号強度を時間方向に並べたベースピーククロマトグラム)を作成し、そのクロマトグラムに対して目的化合物の保持時間付近のピークを抽出し、該ピークのピークトップが現れる時間から目的化合物の実観測の保持時間Tを算出する(ステップS2)。次に、その保持時間Tにおけるマススペクトルデータ(プロファイルデータ)を取得し(ステップS3)、そのプロファイルデータに対してセントロイド処理を実行することで、各ピークがそれぞれ直線で示されたマススペクトルを作成する(ステップS4)。なお、セントロイド処理を実施する前に、ベースライン減算処理、スムージング処理、或いはそれ以外のノイズ除去処理などを実行することにより不要なピークを除くようにするとよい。
次に、セントロイド化されたマススペクトルからピークを抽出し、各ピークの質量電荷比m/z=mを求める。そして、その質量電荷比mを下に再掲した(1)式に当てはめ、同一分子量について2種以上の異なるイオン価数nに対しそれぞれ質量電荷比mが存在する多価イオンピークの組合せを組合せ候補として抽出する(ステップS5)。
M=n(m+H) …(1)
ステップS1において推定分子量M’が与えられている場合には、上記(1)式の分子量MをM’±ΔM(ΔMは予め適宜に定めておく)の範囲に制限し、推定分子量範囲が与えられている場合には、上記(1)式のMをその推定分子量範囲に制限すればよい。また、推定分子量も分子量範囲も与えられていない場合には、予め定めておいたデフォルトの分子量範囲でMを制限すればよい。また、ステップS1において価数範囲が指定されている場合には、上記(1)式のnをその価数範囲に制限すればよい。即ち、上記(1)式における分子量Mの範囲が狭いほど、また価数nの範囲が狭いほど、上記(1)式を満たすような多価イオンピークの組合せ候補の数は少なくなる(換言すれば、条件に合わない偽の候補が除外される)。
マススペクトルに目的化合物由来の多価イオンピークのみが現れている場合には、ステップS5において1つの組合せ候補のみが抽出され、それが目的化合物由来の真の多価イオンピークの組合せである。しかしながら、一般的には、各種ノイズに由来するピークや、LC10で十分に分離できなかった別の化合物又は夾雑物に由来するピークなどがマススペクトル上には現れる。そのため、そうしたピークが目的化合物の真の分子量ではない別の分子量に対して(1)式を満たすような質量電荷比に現れると、ステップS5において1つ以上の偽の組合せを含む複数の組合せ候補が抽出されることになる。
そこで次に、多価イオンデータ解析処理部42は、信号強度が特に低いピークのみを含む組合せ候補を除外するために、マススペクトルにおいて信号強度が上位であるピーク(強度上位ピーク)を1つも含まない組合せ候補を除外する(ステップS6)。具体的には、マススペクトルに現れるピークの中で信号強度が最大であるピーク(ベースピーク)の信号強度を求め、この信号強度にステップS1で設定された相対強度閾値を乗じることにより強度閾値を求める。それ故にこの強度閾値はベースピークの信号強度によって変動する。そして、マススペクトルに現れるピークの中で信号強度が上記強度閾値以上であるピークを抽出し、該ピークを強度上位ピークとすればよい。この場合には、強度上位ピークの数は不定であるが、強度閾値以上の強度を示すピークの数が多すぎる場合には信号強度が高い順に所定個数のピークを選択してもよい。また、強度閾値に基づくピーク選択を行うことなく、マススペクトルに現れる全てのピークの中で信号強度が高い順に所定個数のピークを選択して強度上位ピークとしてもよい。
そして、ステップS6の選択で残った組合せ候補のそれぞれについて、多価イオンピーク(候補)の質量電荷比に基づいて目的化合物の分子量(中性質量)を計算した上で(ステップS7)、それら組合せ候補をリスト化し、作成したリストを中央制御部51を介して表示部53の画面上に表示する(ステップS8)。図4に示す例では、表示画面100中の最下段に組合せ候補リスト表示欄101が設けられており、図5に示すように、各組合せ候補から求まる分子量や含まれる多価イオンピークの数(ピーク数)などが一覧表形式で表示されるようになっている。なお、表示画面100の左上部には保持時間Tにおけるマススペクトルを表示する表示欄102が設けられている。図5ではこの表示欄102にセントロイド化されたマススペクトルを表示しているが、プロファイルデータとセントロイド化されたマススペクトルとを重ねて表示することも可能である。
ユーザは上述したように表示部53の表示画面100上に表示された組合せ候補リストを見て、例えばその中の1つの組合せ候補を入力部52により指定する(ステップS9)。図5中に示しているように指定された組合せ候補は反転表示される。上記指定を受けて多価イオンデータ解析処理部42は、指定された組合せ候補に含まれる多価イオンピーク候補の質量電荷比、価数等の情報を取得し、多価イオンピークリストを作成し、作成したリストを中央制御部51を介して表示部53に表示された表示画面100の右中央部の多価イオンピークリスト表示欄103に表示する(ステップS10)。また、多価イオンピークリストに挙げられた多価イオンのマススペクトルをデコンボリューションすることにより中性質量スペクトルを求め、これを表示画面100の右上部の中性質量スペクトル表示欄104に表示する(ステップS11)。
さらにまた、多価イオンピークリストに挙げられた多価イオンピークの質量電荷比に対する保持時間T近傍の所定時間範囲のデータをデータ収集部41から取得し、多価イオン毎にマスクロマトグラムを作成し、それらを重ねて表示画面100の左中央部のマスクロマトグラム表示欄105に表示する(ステップS12)。図5の表示例では、指定された組合せ候補に含まれる多価イオンは2つのみであるから、マスクロマトグラム表示欄105には2種のマスクロマトグラムが描画されている。即ち、ステップS9において組合せ候補リスト中から1つの組合せ候補が指定されると、指定された組合せ候補に対応した多価イオンピークリスト、中性質量スペクトル、及びマスクロマトグラムが同一の表示画面100上に表示される。組合せ候補に含まれる複数の多価イオンのマスクロマトグラムを表示することは次のような意味を持つ。
図3(a)の例は組み合わせ候補に含まれる多価イオンの質量電荷比がM1、M2である場合であり、図3(b)の例は組み合わせ候補に含まれる多価イオンの質量電荷比がM3、M4である場合である。図3(a)に示した組合せ候補が指定された場合には、質量電荷比M1及びM2における保持時間T=T1近傍のマスクロマトグラムが作成・表示される。同一化合物由来の異なる価数の多価イオンはその信号強度自体は相違するが、マスクロマトグラムにおいていずれも保持時間T1にピークトップが現れ、そのピークは類似した形状になる筈である。図3(a)はこのような例であり、2つのマスクロマトグラムには保持時間T1にピークトップが現れ、そのピーク形状は類似している。マスクロマトグラムがこうした状態であることが確認できれば、それら多価イオンは同一の対象化合物由来のものであると高い確度で推定できる。
これに対し、組合せ候補に含まれる多価イオンピーク候補が実は目的化合物由来のものでない場合やノイズによるものである場合には、マスクロマトグラムにおいて保持時間T1にピークトップが現れなかったり、ピーク形状が異なるものになったりする。図3(b)はこのような例であり、質量電荷比M3及びM4における2つのマスクロマトグラムの一方には、保持時間T1にピークトップを有するピークが現れておらず、そのピーク形状も明らかに相違している。マスクロマトグラムがこうした状態であることが確認できれば、多価イオンピーク候補は目的化合物由来のものでない偽のピークであると高い確度で推定できる。
組合せ候補リストに複数の組合せ候補が挙げられている場合には、ユーザは入力部52により1つずつ組合せ候補を指定する。指定の変更に伴って、表示画面100上に表示される多価イオンピークリスト、中性質量スペクトル、及びマスクロマトグラムは更新される。ユーザは、マスクロマトグラム表示欄105に描出されるマスクロマトグラムの形状やピーク位置を確認する。そして、その結果から最も妥当な組合せを目的化合物由来の多価イオンピークであると認定し、目的化合物の精密な分子量や中性質量スペクトルを取得する(ステップS13)。
以上のようにして、本実施例のLC/MSによれば、化合物から生成される多価イオンの種類が少ない、具体的には2〜3種程度であるような場合でも、ノイズや夾雑物、LCでの分離が不充分な別の化合物などの影響を排除して、目的化合物由来の多価イオンを見いだし、高精度の分子量や中性質量スペクトルを求めることが可能となる。
上記実施例では、組合せ候補リストから組合せ候補を選択する操作と、マスクロマトグラムのピークトップの位置やピーク形状を認識する作業とをユーザ自らが行っていたが、こうした操作や作業(処理)を自動的に実施して最終的に最も妥当な組合せ候補を抽出してユーザに提示するようにしてもよい。具体的には、目的化合物の保持時間T1に対し所定の許容誤差範囲内にピークトップが存在する場合にピークトップ位置が合格であると判断することができる。また、例えば複数のマスクロマトグラムのピークの類似性を判断するために、ピークトップの高さを規格化した上で両ピークの各時刻の誤差を算出し、それら誤差の総和等から類似性を判定する指標値を計算するとよい。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
10…液体クロマトグラフ(LC)
11…移動相容器
12…送液ポンプ
13…インジェクタ
14…カラム
20…質量分析部(MS)
21…イオン化室
22、23…中間真空室
24…分析室
25…ESIノズル
26…脱溶媒管
27、29…イオンガイド
28…スキマー
30…四重極マスフィルタ
31…検出器
40…データ処理部
41…データ収集部
42…多価イオンデータ解析処理部
50…分析制御部
51…中央制御部
52…入力部
53…表示部
100…表示画面
101…組合せ候補リスト表示欄
102…観測マススペクトル表示欄
103…多価イオンピークリスト表示欄
104…中性質量スペクトル表示欄
105…マスクロマトグラム表示欄

Claims (3)

  1. クロマトグラフ質量分析装置により収集された対象化合物由来の多価イオンについてのデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置において、
    a)対象化合物の保持時間付近に得られるマススペクトル上で、同一化合物に由来すると推定される価数の相違する複数の多価イオンピークの候補を抽出することにより、対象化合物由来の多価イオンピークの組合せの候補を1以上求める多価イオン候補抽出手段と、
    b)前記多価イオン候補抽出手段により求められた組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補のそれぞれについて、少なくとも前記対象化合物の保持時間付近の時間範囲におけるマスクロマトグラムを作成するマスクロマトグラム作成手段と、
    c)前記マスクロマトグラム作成手段により作成された、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補に対する複数のマスクロマトグラムを同一画面上に表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置。
  2. クロマトグラフ質量分析装置により収集された対象化合物由来の多価イオンについてのデータを解析処理するクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置において、
    a)対象化合物の保持時間付近に得られるマススペクトル上で、同一化合物に由来すると推定される価数の相違する複数の多価イオンピークの候補を抽出することにより、対象化合物由来の多価イオンピークの組合せの候補を1以上求める多価イオン候補抽出手段と、
    b)前記多価イオン候補抽出手段により求められた組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補のそれぞれについて、少なくとも前記対象化合物の保持時間付近の時間範囲におけるマスクロマトグラムを作成するマスクロマトグラム作成手段と、
    c)前記マスクロマトグラム作成手段により作成された、1つの組合せ候補に含まれる複数の多価イオンピーク候補に対する複数のマスクロマトグラムに基づいて、それら多価イオンピーク候補が対象化合物由来の多価イオンピークであるか否かを判定する候補判定手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置であって、
    前記多価イオン候補抽出手段は、対象化合物の保持時間付近に得られるマススペクトル上で信号強度が相対的に大きな1乃至複数のピークが少なくとも1つ含まれることを条件として、組合せ候補を取捨選択することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置用データ処理装置。
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