JP2013130232A - 摩擦ローラ式減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦ローラ式減速機の各部材の寸法精度を厳密に規制しなくてもよく、製作コストを安価にすることができる構造を実現する。
【解決手段】環状ローラ14bの外周面の円周方向等間隔の複数箇所に、それぞれ突起58、58を形成し、突起58、58を含む環状ローラ14bの外周面に、弾性部材72としてフッ素ゴムを加硫接着する。環状ローラ14bと保持筒部53とを、弾性部材72であるフッ素ゴムを介して弾性支持する。これら各突起58、58は、前記保持筒部53の内周面の凹部56、56のうちの、全部又は一部の凹部56、56と係合する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば電気自動車の駆動系に組み込んだ状態で、電動モータから駆動輪にトルクを伝達する、摩擦ローラ式減速機の改良に関する。
[従来技術の説明]
近年普及し始めている電気自動車の利便性を向上させるべく、充電1回当りの走行可能距離を長くする為に、電動モータの効率を向上させる事が重要である。そして、この効率を向上させるには、高速回転する小型の電動モータを使用し、この電動モータの出力軸の回転を減速してから駆動輪に伝達する事が効果がある。この様な場合に使用する減速機のうち、少なくとも前記電動モータの出力軸に直接繋がる第一段目の減速機は、運転速度が非常に速くなるので、運転時の振動及び騒音を抑える為に、摩擦ローラ式減速機を使用する事が考えられる。又、前記電動モータの出力軸と、駆動輪に繋がるデファレンシャルギヤとの間に変速装置を設ける事で、車両の走行速度と加速度との関係を、ガソリンエンジンを搭載した自動車に近い、滑らかなものにできるものと考えられる。この点に就いて、図14を参照しつつ説明する。
例えば、前記電動モータの出力軸と前記デファレンシャルギャの入力部との間部分に、減速比の大きな動力伝達装置を設けた場合、電気自動車の加速度(G)と走行速度(km/h)との関係は、図14の実線aの左半部と鎖線bとを連続させた様になる。即ち、低速時の加速性能は優れているが、高速走行ができなくなる。これに対して、前記間部分に減速比の小さな動力伝達装置を設けた場合、前記関係は、図14の鎖線cと実線aの右半部とを連続させた様になる。即ち、高速走行は可能になるが、低速時の加速性能が損なわれる。これに対して、前記間部分に変速装置を設け、車速に応じてこの変速装置の減速比を変えれば、前記実線aの左半部と右半部とを連続させた如き特性を得られる。この特性は、図14に破線dで示した、同等の出力を有するガソリンエンジン車とほぽ同等であり、加速性能及び高速性能に関して、ガソリンエンジン車と同等の性能を得られる事が分かる。
図15は、この様な事情に鑑みて先に考えた、電気自動車用駆動装置の1例を示している(特願2011-51297)。この先発明に係る電気自動車用駆動装置は、電動モータ1と、摩擦ローラ式減速機2と、変速装置3と、回転伝達装置4とを備える。そして、この摩擦ローラ式減速機2の入力軸5と、前記電動モータ1の出力軸6とを互いに同心に配置して、トルクの伝達を可能に接続する。又、前記摩擦ローラ式減速機2の出力軸を、前記変速装置3の入力側伝達軸7と同心に配置して、トルクの伝達を可能に接続する。
前記変速装置3は、前記入力側伝達軸7と出力側伝達軸8との間に、減速比が互いに異なる、1対の歯車伝達機構9a、9bを設けている。そして、1対のクラッチ機構10a、10bの切り換えにより、何れか一方の歯車伝達機構9a(9b)のみを、動力の伝達を可能な状態として、前記入力側伝達軸7と前記出力側伝達軸8との間の減速比を、高低の2段階に変換可能としている。
更に、前記回転伝達装置4は、複数の歯車を組み合わせた、一般的な歯車伝達機構であり、前記出力側伝達軸8の回転をデファレンシャルギヤ11の入力部に伝達し、左右1対の駆動輪を回転駆動する様に構成している。
上述の様な先発明に係る電気自動車用駆動装置の構造によれば、電気エネルギの効率的利用の為、前記電動モータ1として、小型且つ高回転型(例えば最高回転速度が3〜4万min-1程度)のものを使用しても、運転時の振動及び騒音を抑えられる。即ち、第一段の減速機として、前記摩擦ローラ式減速機2を使用しているので、高速回転部分での振動の発生を抑えられる。それぞれが歯車伝達機構である、前記変速装置3及び回転伝達装置4の回転速度は、一般的なガソリンエンジンを搭載した自動車の変速装置部分の運転速度と同程度(最高で数千〜1万min-1程度)に抑えられるので、何れの部分でも、不快な振動や騒音が発生する事はない。
上述の様な電気自動車用駆動装置に組み込んで使用可能な摩擦ローラ式減速機として、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。このうちの特許文献3に記載された従来構造に就いて、図16〜18により説明する。この特許文献3に記載された摩擦ローラ式減速機2aは、入力軸5aと、出力軸12と、太陽ローラ13と、環状ローラ14と、それぞれが中間ローラである複数個の遊星ローラ15、15と、ローディングカム装置16とを備える。
このうちの太陽ローラ13は、軸方向に分割された1対の太陽ローラ素子17a、17bを前記入力軸5aの周囲に、互いの先端面同士の間に隙間を介在させた状態で互いに同心に、且つ、このうちの太陽ローラ素子17aを、前記入力軸5aに対する相対回転を可能に配置して成る。前記両太陽ローラ素子17a、17bの外周面は、それぞれの先端面に向かうに従って外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面であって、これら両傾斜面を転がり接触面としている。従ってこの転がり接触面の外径は、軸方向中間部で小さく、両端部に向かうに従って大きくなる。
又、前記環状ローラ14は、全体を円環状としたもので、前記太陽ローラ13の周囲にこの太陽ローラ13と同心に配置した状態で、図示しないハウジング等の固定の部分に支持固定している。又、前記環状ローラ14の内周面は、軸方向中央部に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜した転がり接触面としてぃる。
又、前記各遊星ローラ15、15は、前記太陽ローラ13の外周面と前記環状ローラ14の内周面との間の環状空間18の円周方向複数箇所に配置している。前記各遊星ローラ15、15は、それぞれが前記入力軸5a及び前記出力軸12と平行に配置された、自転軸である遊星軸19、19の周囲に回転自在に支持している。これら各遊星軸19、19の基端部は、前記出力軸12の基端部に結合固定されたキャリア20に支持固定している。前記各遊星ローラ15、15の外周面は、母線形状が部分円弧状の凸曲面で、それぞれ前記太陽ローラ13の外周面と前記環状ローラ14の内周面とに転がり接触している。
更に、前記ローディングカム装置16は、一方の太陽ローラ素子17aと、前記入力軸5aとの間に設けて、この入力軸5aの回転に伴ってこのローラ素子17aを、他方のローラ素子17bに向け押圧しつつ回転させるものである。この様なローディングカム装置16を構成する為に、前記入力軸5aの中間部に係止された支え環21と前記一方の太陽ローラ素子17aとの間に、この支え環21の側から順番に、皿ばね22と、カム板23と、複数個の玉24、24とを設けている。そして、互いに対向する、前記一方の太陽ローラ素子17aの基端面と前記カム板23の片側面との、それぞれ円周方向複数箇所ずつに、被駆動側カム面25、25と駆動側カム面26、26とを設けている。これら各カム面25、26はそれぞれ、軸方向に関する深さが円周方向に関して中央部で最も深く、同じく両端部に向かうに従って漸次浅くなる形状を有する。
この様なローディングカム装置16は、前記入力軸5aが停止している状態では、前記各玉24、24が、図18の(A)に示す様に、前記各カム面25、26の最も深くなった部分に位置する。この状態では、前記皿ばね22の弾力により、前記一方の太陽ローラ素子17aを前記他方の太陽ローラ素子17bに向け押圧する。これに対して、前記入力軸5aが回転すると、前記各玉24、24が、図18の(B)に示す様に、前記各カム面25、26の浅くなった部分に移動する。そして、前記一方の太陽ローラ素子17aと前記カム板23との間隔を拡げ、前記一方の太陽ローラ素子17aを前記他方の太陽ローラ素子17bに向け押圧する。この結果、この一方の太陽ローラ素子17aは前記他方の太陽ローラ素子17bに向け、前記皿ばね22の弾力と、前記各カム面25、26に対して前記各玉24、24が乗り上げる事により発生する推力とのうちの、大きな方の力で押圧されつつ回転駆動される。
上述の様な摩擦ローラ式減速機2aの運転時には、前記ローディングカム装置16が発生する軸方向の推力により、前記両太陽ローラ素子17a、17bの間隔が縮まる。そして、これら両太陽ローラ素子17a、17bにより構成される前記太陽ローラ13の外周面と、前記各遊星ローラ15、15の外周面との転がり接触部の面圧が上昇する。この面圧上昇に伴ってこれら各遊星ローラ15、15が、前記太陽ローラ13及び前記環状ローラ14の径方向に関して外方に押される。すると、この環状ローラ14の内周面と前記各遊星ローラ15、15の外周面との転がり接触部の面圧も上昇する。この結果、前記入力軸5aと前記出力軸12との間に存在する、動力伝達に供されるべき、それぞれがトラクション部である複数の転がり接触部の面圧が、これら両軸5a、12同士の間で伝達すべきトルクの大きさに応じて上昇する。この状態で前記入力軸5aを回転させると、この回転が、前記太陽ローラ13から前記各遊星ローラ15、15に伝わり、これら各遊星ローラ15、15がこの太陽ローラ13の周囲で、自転しつつ公転する。これら各遊星ローラ15、15の公転運動は、前記キャリア20を介して前記出力軸12により取り出せる。
上述の様な従来の摩擦ローラ式減速機1の運転時に前記各遊星ローラ15、15は、前記ローディングカム装置16の働きに伴って、前記太陽ローラ13及び前記環状ローラ14の径方向に、僅か(例えば、最大で数百μm)とは言え変位する。即ち、前記摩擦ローラ式減速機2に、前記入力軸5から入力されるトルクが変化すると、前記ローディングカム装置16の軸方向寸法が変化(拡縮)し、前記一方の太陽ローラ素子17aのうち、前記各遊星ローラ15、15の内側に入り込んでいる部分の、径方向寸法が変化する。この変化に伴ってこれら各遊星ローラ15、15が前記太陽ローラ13及び前記環状ローラ14の径方向に変位するが、図16に示した従来構造では、この変位を、前記各遊星軸19、19の弾性変位に基づいて許容するしかない。この為、前記トルクが変化した場合に、前記径方向に関する前記各遊星ローラ15、15の変位を必ずしも円滑に行えず、前記各トラクション部の面圧が不均一になり易い。そして、不均一になった場合には、前記摩擦ローラ式減速機2の伝達効率が悪化する。
[先発明の説明]
上述の様な事情に鑑み、ローディングカム装置の軸方向に関する厚さの変化に伴う中間ローラの変位を円滑に行わせる事ができて、優れた伝達効率を得られる摩擦ローラ式減速機として、特願2011-57869に係る発明がある。本発明は、この先発明に係る摩擦ローラ式減速機を改良したものであり、多くの構造部分は共通するから、先ず、この先発明の実施の形態の構造の1例に就いて、図19〜24により説明する。
この先発明の実施の形態の構造の1例である摩擦ローラ式減速機2aは、入力軸5bにより太陽ローラ13aを回転駆動し、この太陽ローラ13aの回転を、複数個の中間ローラ27、27を介して環状ローラ14aに伝達し、この環状ローラ14aの回転を出力軸12aから取り出す様にしている。前記各中間ローラ27、27は、それぞれの中心部に設けた自転軸28、28を中心として自転するのみで、前記太陽ローラ13aの周囲で公転する事はない。この太陽ローラ13aは、互いに同じ形状を有する1対の太陽ローラ素子17c、17cを互いに同心に組み合わせて成り、これら両太陽ローラ素子17c、17cを軸方向両側から挟む位置に、1対のローディングカム装置16a、16aを設置している。これら各部は、軸方向中間部の径が大きく、両端部の径が小さくなった、段付円筒状のハウジング29内に収納している。
前記入力軸5bの基半部(図19の右半部)は前記ハウジング29の入力側小径円筒部30の内側に、入力側玉軸受ユニット31により、前記出力軸12aは同じく出力側小径円筒部32の内側に出力側玉軸受ユニット33により、それぞれ回転自在に支持している。前記入力軸5bと前記出力軸12bとは互いに同心に配置しており、このうちの入力軸5bの先端部を、この出力軸12aの基端面中央部に形成した円形凹部34の内側に、玉軸受若しくはニードル軸受の如きラジアル転がり軸受35により支持している。この構成により、前記入力軸5bと前記出力軸12aとの相対回転の自在性を確保しつつ、この入力軸5bの先半部(図19の左半部)の支持剛性(特にラジアル剛性)を確保している。
又、前記出力軸12aの基端部は、断面L字形の連結部36により、前記環状ローラ14aと連結している。
前記両太陽ローラ素子17c、17cは、前記入力軸5bの先半部の周囲に、この入力軸5bと同心に、この入力軸5bに対する相対回転を可能に、且つ、互いの先端面(互いに対向する面)同士の間に隙間を介在させた状態で配置している。又、前記両ローディングカム装置16a、16aを構成する1対のカム板23a、23aは、前記入力軸5bの中間部と先端部との2箇所位置で、前記両太陽ローラ素子17c、17cを軸方向両側から挟む位置に外嵌固定して、前記入力軸5bと同期して回転する様にしている。そして、互いに対向する、前記両太陽ローラ素子17c、17cの基端面と前記両カム板23a、23aの片側面との、それぞれ円周方向複数箇所ずつに、被駆動側カム面25a、25aと駆動側カム面26a、26aとを設け、これら各カム面25a、26a同士の間にそれぞれ玉24a、24aを挟持して、前記両ローディングカム装置16a、16aを構成している。これら各カム面25a、26aは、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するもので、円周方向中央部で最も深く、同じく両端部に向かうに従って浅くなる。
前記入力軸5bにトルクが入力されると、次の様にして、前記各ローラ13a、14a、27の周面同士の転がり接触部である、各トラクション部の面圧を上昇させる。先ず、前記入力軸5bにトルクが入力されていない状態では、図20の(A)に示す様に、前記両ローディングカム装置16a、16aを構成する前記各玉24a、24aが、前記各力ム面25a、26aの底部若しくは底部に近い側に存在する。この状態では、前記両ローディングカム装置16a、16aの厚さ寸法が小さく、前記両太陽ローラ素子17c、17c同士の間隔が拡がっている。この状態では、前記各中間ローラ27、27が、前記太陽ローラ13a及び前記環状ローラ14aの径方向に関して外方に押される事はないか、仮に予圧ばねの弾力等により押されたとしても、押される力は小さい。
この状態から、前記入力軸5bにトルクが入力される(前記摩擦ローラ式減速機2aが起動する)と、前記各玉24a、24aと前記各カム面25a、26aとの係合に基づき、図20の(B)に示す様に、前記両ローディングカム装置16a、16aの軸方向厚さが増大する。そして、前記両太陽ローラ素子17c、17cが、前記摩擦ローラ式減速機2aの径方向に関して、前記各中間ローラ27の内側に食い込み、これら各中間ローラ27を、この径方向に関して外方に押す。この結果、前記各トラクション部の面圧が上昇して、これら各トラクション部に過大な滑りを発生させる事なく、前記太陽ローラ13aから前記環状ローラ14aに動力を伝達できる。尚、先発明の摩擦ローラ式減速機2a及び後述する本発明の摩擦ローラ式減速機2bに組み込む、前記両ローディングカム装置16a、16aは、それぞれを構成する太陽ローラ素子17cとカム板23aとの間に、これら両部材17c、23aを周方向に相対変位させる方向の弾力を付与するばねを設けている。これら両部材17c、23aがこのばねの弾力に基づいて周方向に相対変位する事で、前記各玉24a、24aが、前記各カム面25a、26aの浅い側に乗り上げる傾向になり、前記両ローディングカム装置16a、16aにより前記各トラクション部に予圧を付与できる。
前記摩擦ローラ式減速機2aの運転時に前記各中間ローラ27、27は、それぞれの自転軸28、28を中心として回転すると同時に、伝達トルクの変動に伴って前記摩擦ローラ式減速機2aの径方向に変位する。この理由は、前記両ローディングカム装置16a、16aが発生する押圧力が大きくなる程、これら両ローディングカム装置16a、16aが前記各中間ローラ27、27を、前記環状ローラ14aの内周面に向けて押圧する力が大きくなる為である。この様な、前記各中間ローラ27、27の自転及び径方向変位を円滑に行わせる為、先発明の場合には、次の様な構造によりこれら各中間ローラ27、27を、前記環状ローラ14aの内周面と前記太陽ローラ13aとの間の環状空間18a内に設置している。前記各中間ローラ27、27を支持する為に、前記ハウジング29の大径円筒部37の軸方向片側を塞ぐ端板38の内側面に、図21〜22に示す様な支持フレーム39を支持固定している。この支持フレーム39は遊星歯車機構を構成するキャリアの如き構造を有するもので、それぞれが円環状として互いに同心に配置した1対のリム部40a、40bの円周方向等間隔複数箇所同士を、ステー41、41により結合固定して成る。この様な支持フレーム39は、前記リム部40aを前記端板38の内面にねじ止めする事により、前記大径円筒部37の内側に、前記太陽ローラ13aと同心に支持固定している。
一方、前記各中間ローラ27、27は、それぞれ揺動フレーム42、42の先端部に、回転自在に支持している。これら各揺動フレーム42、42はそれぞれ、互いに平行な1対の支持板部43、43の基端縁同士を基部44で連結する事により、径方向に見た形状をコ字形としている。前記各中間ローラ27、27の自転軸28、28の端部は、それぞれ前記各揺動フレーム42、42の支持板部43、43の先端部に、玉軸受45、45により、回転自在に支持している。又、前記各揺動フレーム42、42の基端部両側面に互いに同心に突設した揺動軸46、46を、前記両リム部40a、40bの互いに整合する部分に形成した支持孔47、47にがたつきなく挿入している。
前記各揺動軸46、46と前記各自転軸28、28とは、互いに平行で、前記支持フレーム39の円周方向に関する位相が大きくずれている。具体的には、前記各揺動軸46、46と前記各自転軸28、28との円周方向に関するずれを可能な限り大きくすべく、前記各揺動軸46、46と前記各自転軸28、28とを結ぶ仮想直線の方向を、前記支持フレーム39の中心をその中心とする仮想円弧に関する接線の方向に近くしている。この様な構成により前記各揺動フレーム42、42を前記支持フレーム39に対し、それぞれ揺動軸46、46を中心とする揺動変位を可能にして、前記各中間ローラ27、27を前記支持フレーム39に対し、ほぼこの支持フレーム39の径方向に、円滑に変位できる様に支持している。
前記各中間ローラ27、27の外周面は、軸方向中間部を単なる円筒面とし、両側部分を、前記両太陽ローラ素子17c、17cの外周面と同方向に同一角度傾斜した、部分円すい凸面状の傾斜面としている。従って、前記各ローラ13a、14a、27の周面同士は互いに線接触し、前記各トラクション部の接触面積を確保できる。又、前記両ローディングカム装置16a、16aが発生する押圧力の差等に起因して前記各中間ローラ27、27が軸方向に変位する場合に、この変位が円滑に行われる様にしている。
更に、前記両太陽ローラ素子17c、17cの基端部外周面に、それぞれ外向フランジ状の鍔部48、48を設けている。即ち、これら両太陽ローラ素子17c、17cの外周面のうち、前記各中間ローラ27、27の外周面と転がり接触する部分は、先端面に向かうに従って外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面となっており、前記両鍔部48、48の外径は、この傾斜面の基端部から、全周に亙り径方向外方に突出している。そして、これら両鍔部48、48を含む、前記両太陽ローラ素子17c、17cの基端面に、それぞれ前記各被駆動側カム面25a、25aを形成している。
上述の様に構成する先発明に係る摩擦ローラ式減速機2aは、次の様に作用して、前記入力軸5bから前記出力軸12aに動力を、減速すると同時にトルクを増大させつつ伝達する。
即ち、電動モータにより前記入力軸5bを回転駆動すると、この入力軸5bに外嵌した前記両カム板23a、23aが回転し、前記両太陽ローラ素子17c、17cが、前記各玉24a、24aと前記各カム面25a、26aとの係合に基づき、互いに近付く方向に押圧されつつ、前記入力軸5b上同方向に同じ速度で回転する。そして、前記両太陽ローラ素子17c、17cにより構成される前記太陽ローラ13aの回転が、前記各中間ローラ27、27を介して前記環状ローラ14aに伝わり、前記出力軸12aから取り出される。前記各トラクション部の面圧は、前記両部材17c、23a同士の間に設けられたばねに基づく、これら両部材17c、23aを同方向に相対変位させる方向の弾力に基づいて発生するカム部押圧力により、前記摩擦ローラ式減速機2aの起動の瞬間から或る程度確保される。従って、この起動の瞬間から、前記各トラクション部で過大な滑りを発生させる事なく、動力伝達が開始される。
前記入力軸5bに加わるトルクが増大すると、前記両ローディングカム装置16a、16aを構成する前記各玉24a、24aの、前記各カム面25a、26aヘの乗り上げ量が増大し、これら両ローディングカム装置16a、16aの軸方向厚さがより一層増大する。この結果、前記各トラクション部の面圧がより一層増大し、これら各トラクション部で、過大な滑りを発生する事なく、大きなトルクの伝達が行われる。これら各トラクション部の面圧は、前記入力軸5bと前記出力軸12aとの間で伝達すべきトルクに応じた適正な値、具体的には必要最小限の値に適切な安全率を乗じた値に、自動的に調整される。この結果、前記両軸5b、12a同士の間で伝達されるトルクの変動に拘らず、前記各トラクション部で過大な滑りが発生したり、逆に、これら各トラクション部の転がり抵抗が徒に大きくなる事を防止できて、前記摩擦ローラ式減速機2aの伝達効率を良好にできる。
しかも、前記各揺動フレーム42、42の揺動変位に基づいて前記各中間ローラ27、27が、前記太陽ローラ13a及び前記環状ローラ14aの径方向外方に、円滑に変位する。従って、前記各トラクション部の面圧が不均一になる事を防止できて、前記各トラクション部の面圧を適正にし、前記摩擦ローラ式減速機2aの伝達効率を、より一層良好にできる。
尚、先発明に係る構造として、図25に記載した様に、ローディングカム装置16aを、太陽ローラ13bの軸方向片側にのみ設けた構造もある。この構造では、この太陽ローラ13bを構成する1対の太陽ローラ素子17c、17dのうちの一方(図23の右方)の太陽ローラ素子17cのみを、入力軸5bに対し相対回転を可能に支持し、他方(図23の左方)の太陽ローラ素子17dは、この入力軸5bに対し支持固定している。
何れの構造にしても、先発明の構造では、効率良く動力を伝達するには、それぞれの当接状態を適正に維持する必要があり、各部材の寸法精度を厳密に規制しなければならない。しかしながら、各部材の寸法精度を厳密に規制した場合、各部材を高精度で製作することになり、各部材の製作コストが嵩んでしまう。
特開昭59−187154号公報 特開昭61−136053号公報 特開2004−116670号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各部材の寸法精度を厳密に規制しなくてもよく、製作コストを安価にすることができる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の摩擦ローラ式減速機は、入力軸と、出力軸と、太陽ローラと、環状ローラと、複数個の中間ローラと、ローディングカム装置とを備え、このうちの太陽ローラは、軸方向に分割された1対の太陽ローラ素子を前記入力軸の周囲に、互いの先端面同士の間に隙間を介在させた状態で互いに同心に配置して成るもので、前記両太陽ローラ素子の外周面は、それぞれの先端面に向かうに従って外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面であって、これら両傾斜面を転がり接触面としており、前記環状ローラは、前記太陽ローラの周囲にこの太陽ローラを同心に配置されたもので、内周面を転がり接触面とすると共に、連結ブラケットを介して前記出力軸と同心に結合されていて、この出力軸と共に回転自在としており、前記各中間ローラは、前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面との間の環状空間の円周方向複数箇所に、それぞれが前記入力軸と平行に配置された自転軸を中心とする回転自在に支持された状態で、それぞれの外周面を前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面とに転がり接触させており、前記ローディングカム装置は、前記両太陽ローラ素子のうちの少なくとも一方の太陽ローラ素子であって、前記入力軸に対する相対回転を可能とされた可動太陽ローラ素子とこの入力軸との間に設けられて、この入力軸の回転に伴ってこの可動太陽ローラ素子を他方の太陽ローラ素子に向けて軸方向に押圧しつつ回転させるものであって、この可動太陽ローラ素子の基端面の円周方向複数箇所に設けられた被駆動側カム面と、前記入力軸の一部に固定されてこの入力軸と共に回転するカム板からなり、前記可動太陽ローラ素子の基端面に対向する片側面の円周方向複数箇所に設けられた駆動側カム面と前記カム版との間に転動体を挟持して成るもので、これら各駆動側カム面及び前記各被駆動側カム面はそれぞれ、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化し、カム面端部に向かうに従って浅くなる形状を有するものであり、前記各中間ローラは、前記入力軸の回転に伴って前記ローディングカム装置が発生する押圧力に基づき、前記環状ローラの内周面に押し付けられつつ前記各自転軸を中心として回転する摩擦ローラ式減速機であって、前記環状ローラと前記連結ブラケットとの間、或いは、前記入力軸と前記カム板との間の少なくとも一方に、弾性部材を設けている。
上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式減速機によれば、各部材の寸法精度を厳密に規制しなくてもよく、製作コストを安価にすることができる。
本発明の摩擦ローラ式減速機を組み込んだ、電気自動車用駆動装置の動力伝達装置を示す断面図。 図1のa部拡大図。 図1の右方から見た図。 摩擦ローラ式減速機を取り出し、太陽ローラ及び環状ローラを省略して、図1の右上方から見た状態で示す斜視図。 同じく図1の右方から見た状態で示す正投影図。 同じく図5の左方から見た正投影図。 図6のb−b断面図。 連結ブラケットと環状ローラと止め輪とを組み立てた状態を示す斜視図。 同じく組み立てる以前の状態で示す斜視図。 図9のc部拡大図。 図8のd−d断面図。 環状ローラの断面形状を、突起を形成した部分(A)と突起から外れた部分(B)とで示す略図。 環状ローラの形状の1例を示す、斜視図(A)及び端面図(B)。 電気自動車の加速特性と、ガソリンエンジン搭載車両の加速特性との関係を説明する為の線図。 摩擦ローラ式減速機を組み込んだ、電気自動車用駆動装置の1例を示す斜視図。 従来構造の1例を示す断面図。 一部を省略して示す、図16のd−d断面図。 ローディングカム装置が推力を発生していない状態(A)と同じく発生している状態(B)とをそれぞれ示す、図15のe−e断面に相当する模式図。 先発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 予圧付与の為の機構を説明する為の模式図。 中間ローラの自転軸を、太陽ローラ及び環状ローラの径方向に変位可能に支持する部分の構造を示す斜視図。 同じく分解斜視図。 揺動フレームと中間ローラとを組み合わせたユニットを1個だけ取り出して示す斜視図。 更にこのユニットを揺動フレームと中間ローラとに分けた状態で示す分解斜視図。 先発明の実施の形態の第2例を示す模式図。
図1〜13は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の摩擦ローラ式減速機2cは、図19に示したハウジング29の如き減速機ケース内に収納される。そして、図1に示す通り、この減速機ケース外に設けた、図示しない電動モータの駆動軸に結合した入力軸5cにより太陽ローラ16bを回転駆動し、この太陽ローラ16bの回転を、複数個の中間ローラ27a、27aを介して環状ローラ14bに伝達し、この環状ローラ14bの回転を、出力軸6aを通じて取り出す様にしている。この出力軸6aを設置する為、前記減速機ケースの一端側壁部に軸受ケース49を、油密に固定する。そして、この軸受ケース49の内径側に前記出力軸6aを、出力側玉軸受ユニット33と出力側シーリングユニット50とにより、油密を保持した状態で、回転自在に支持している。この出力軸6aと前記環状ローラ14bとは、互いに同心に配置した状態で、連結ブラケット51により結合している。
この連結ブラケット51は、基部52と、保持筒部53と、連結部54とを備える。このうちの基部52は、円筒状に造られたもので、前記出力軸6aの基端部に外嵌固定している。この基部52の内周面のうち、この出力軸6aの基端部に対する嵌合方向に関して前半部(図1の左半部)は円筒面部とし、同じく後半部(図1の右半部)は雌スプライン部としている。この雌スプライン部の歯底円直径(最大内径)は、前記円筒面部の内径以下としている。この様な基部52は、前記円筒面部と前記出力軸6aの外周面側の円筒面部とを締り嵌めで嵌合させると共に、前記雌スプライン部とこの出力軸6aの外周面側の雄スプライン部とをスプライン係合させて、トルクの伝達を可能に組み合わせる。又、この状態で、前記出力軸6aの外周面に形成した鍔部55と前記基部52の軸方向端面とを当接させて、出力軸6aと、この基部52を含む前記連結ブラケット51との、軸方向に関する位置決めを図っている。
又、前記保持筒部53は、炭素鋼等の、必要とする強度及び剛性を確保できる金属材料に、削り加工、押し出し加工等の適切な加工処理を施す事により、全体を略円筒状に形成している。前記保持筒部53は、円周方向複数箇所(図示の例では6箇所)を径方向外方に向け、略「凹」字形に突出させる事により、当該部分の内周面に凹部56、56を形成している。又、前記保持筒部53の内周面のうちで、これら各凹部56、56を除く部分は、単一円筒面上に位置させている。
更に、前記連結部54は、前記基部52と体に形成されたもので、全体を段付の部分円すい筒状としており、基端部(図1の左端部)をこの基部52に連続させ、先端部(図1〜2の右端部)に、前記保持筒部53を結合固定している。この保持筒部53と前記連結部54(及び前記基部52)とは、一体に構成しても良いが、本例の構造の揚合には、この連結部54と前記保持筒部53とを、別体に構成したものを後から締り嵌めで嵌合する事により、連結固定している。この為に本例の場合には、前記連結部54の先端部に、前記保持筒部53の基端部(図1〜2の左端部)を外嵌固定する為の支持筒部57を形成している。この保持筒部53と前記連結部54とは、この保持筒部53の基端部(図1〜2の左端部)を前記支持筒部57に、焼き嵌め、冷やし嵌め等により、大きな締め代で外嵌する事より、トルクの伝達を可能に、互いに同心に結合固定している。また、保持筒部53と前記連結部54とは、この保持筒部53の基端部(図1〜2の左端部)を前記支持筒部57に、ビーム溶接等により溶接したり、焼き嵌め、冷やし嵌めした後に、ビーム溶接を行う等、焼き嵌め、冷やし嵌めと、ビーム溶接とを組み合わせたりしてもよい。
そして、前記保持筒部53の中間部に前記環状ローラ14bを、この保持筒部53との間でのトルク伝達を可能に内嵌している。この環状ローラ14bは、軸受鋼、高速度鋼、高炭素鋼等の、十分な強度及び剛性を確保できる金属材料により全体を円環状に造られたもので、外周面の円周方向等間隔の複数箇所に、それぞれ突起58、58を形成している。そして、突起58、58を含む環状ローラ14bの外周面に、弾性部材72としてフッ素ゴムを加硫接着している。環状ローラ14bと保持筒部53とを、弾性部材72であるフッ素ゴムを介して弾性支持している。これら各突起58、58は、前記保持筒部53の内周面の凹部56、56のうちの、全部又は一部の凹部56、56と、周方向(回転伝達方向)のがたつきなく係合する。図示の例では、前記環状ローラ14bの外周面の円周方向等間隔の3箇所位置に前記各突起58、58を設け、これら各突起58、58を、前記各凹部56、56のうちのーつ置きの凹部56、56に係合させている。
又、本例の場合には、前記保持筒部53の内周面のうちで前記各凹部56、56から周方向に外れた部分、並びに、前記環状ローラ14bの外周面を、軸方向に関する段付形状としている。具体的には、前記保持筒部53の内周面の軸方向中間部に内周面側段差部59を形成し、この保持筒部53の内径を、この内周面側段差部59を境として、先端側(図8〜10の右側)で基端側(図8〜10の左側)よりも大きくしている。これに合わせて、前記環状ローラ14bの外周面の軸方向中間部に外周面側段差部60を形成し、この環状ローラ14bの外径を、この外周面側段差部60を境として、前記先端側で前記基端側よりも大きくしている。前記各突起58、58は、前記環状ローラ14bの外周面のうちで、外径が大きくなった先端側部分に形成している。
更に、前記保持筒部53の内周面のうちで、前記内周面側段差部59よりも先端側に寄った部分に、係止凹溝61を形成している。この係止凹溝61は、前記各凹部56、56部分で途切れている点を除き、実質的に全周に亙って形成している。前記支持筒部57の先端面62から前記係止凹溝61の基端側縁までの距離は、前記環状ローラ14bの軸方向厚さと一致させている。
それぞれが上述の様な構成を有する、前記環状ローラ14bと前記保持筒部53とは、互いに軸方向に近付けて、前記各凹部56、56と前記各突起58、58とを係合させる事により、互いの間でのトルク伝達を可能に組み合わせる。更に、前記係止凹溝61に止め輪63を係止する事で、前記環状ローラ14bが前記保持筒部53から抜け出す方向に移動するのを阻止する。前記止め輪63は、ばね鋼板等の、弾性並びに十分な強度及び剛性を有する金属板により欠円環状に造られており、周方向両端部に係止孔64、64を有する。この様な止め輪63は、これら両係止孔64、64に工具の先端部を係止して外径を縮めた状態で前記保持筒部53内に挿入し、前記係止凹溝61の内径側に位置させた状態で、前記工具を外す。そして、この係止凹溝61に前記止め輪63の外径寄り部分を係止する。この状態で、前記環状ローラ14bと前記保持筒部53とが、トルク伝達を可能に、且つ、軸方向の分離も阻止された状態で組み合わされる。これら環状ローラ14bと保持筒部53とを分離する際には、前記工具により前記止め輪63の外径を縮めて、この止め輪63を前記保持筒部53から抜き取った後、前記環状ローラ14bをこの保持筒部53から抜き取る。
又、前記入力軸5cは、前記減速機ケースの他端側壁部(図示せず)の内側に、入力側転がり軸受ユニット65と入力側シーリングユニット66とにより、油密を保持した状態で、回転自在に支持している。そして、前記入力軸5cの先端部に、前記太陽ローラ16aを設けて、この入力軸5cによりこの太陽ローラ16aを回転駆動する様にしている。この太陽ローラ16aは、前述の図23〜24に示した先発明構造の場合と同様に、互いに対称な形状を有する1対の太陽ローラ素子17e、17eから成り、前記入力軸5cの基半部(図1の左半部)の周囲に配置している。又、これら両太陽ローラ素子17e、17eと前記入力軸5cとの間にそれぞれローディングカム装置16b、16bを設け、これら両太陽ローラ素子17e、17eを互いに近付く方向に押圧しつつ、これら両太腸ローラ素子17e、17eが前記入力軸5cと共に回転駆動する様にしている。尚、前記ローディングカム装置16b、16bを構成するカム板23b、23bは、それぞれ前記入力軸5cに対し締り嵌めで外嵌固定して、この入力軸5cと共に回転する様にしている。又、前記両カム板23b、23bの互いに反対側面を、それぞれ前記入力軸5cの中間部に形成した鍔部67、又は、この入力軸5cの基端部に螺合固定したローディングナット68に突き当てている。尚、前記両ローディングカム装置16b、16bは、前述の図20に示した従来構造のローディングカム装置7と同様の、それぞれ複数ずつの被駆動側、駆動側各カム面及び玉に加えて、予圧付与の為にこれら各玉を、前記両カム板23b、23b及び前記両太陽ローラ素子17e、17eの回転方向に押圧する為のコイルばねを設けている。この部分の構造に関しては、本発明の要旨とは関係しないし、別の構造を採用する事もできる。
前記各中間ローラ27a、27aは、前記減速機ケース内に支持固定される支持フレーム39aに対し、回転及びこの支持フレーム39aの径方向に関する若干の変位を可能に支持している。この径方向変位を可能にする理由は、前記両ローディングカム装置16b、16bに作用により前記両太陽ローラ素子17e、17eが互いに近付き、前記各中間ローラ27a、27aが前記支持フレーム39aの径方向外方に押圧された場合に、これら各中間27a、27aの変位を円滑に許容する為である。この様な理由で、前記径方向にローラ関する変位を可能にする為の構造に就いては、例えば前記支持フレーム39aに対してそれぞれの基端部を枢支した揺動フレーム42a、42aの中間部に前記各中間ローラ27a、27aを、玉軸受45a、45aにより回転自在に支持する構造を採用できる。或いは、前記支持フレーム39aに形成した径方向に長い長孔の内側に、前記各中間ローラ27a、27aの両端部に設けた玉軸受45a、45aの外輪を緩く内嵌する構造を採用する事もできる。何れにしても、前記径方向の変位を可能にする構造に関しては、本発明の要旨とは関係しない為、詳しい説明は省略する。
又、前記支持フレーム39aの円輪状の連結部69の軸方向片側面の円周方向等間隔複数箇所(図示の例では3箇所)から前記各中間ローラ27a、27aの設置側に向けて、前記支持フレーム39aの軸方向に対し平行に突出した柱部70、70を設けている。そして、これら各柱部70、70の内側に、トラクションオイルの供給路71、71(図7)を設けて、前記各中間ローラ27a、27aの外周面と、前記太陽ローラ16aの外周面及び前記環状ローラ14bの内周面との転がり接触部(トラクション部)に、トラクションオイルを送り込める様にしている。この様な潤滑剤の供給路71、71に関しても、前記各トラクション部に必要とされるトラクションオイルを供給できる構造であれば良く、本発明の要旨とも関係しない為、図示のみで、詳しい説明は省略する。
電気自動車用駆動装置等に組み込んだ摩擦ローラ式減速機2cの運転時には、図示しない電動モータにより前記入力軸5cを介して、前記太陽ローラ13bを回転駆動する。この太陽ローラ13bの回転は、前記各中間ローラ27a、27aを介して前記環状ローラ14bに伝わる。この太陽ローラ13bを構成する、前記両太陽ローラ素子17e、17eには、予圧ばねを組み込んで成る前記両ローディングカム装置16b、16bにより、互いに近付く方向の予圧が付与されている。従って、前記各ローラ13b、27a、14bの周面同士の転がり接触部(トラクション部)の面圧は、これら各ローラ13b、27a、14b同士の間でトルクを伝達しない状態でも或る程度確保されている。又、これら各ローラ13b、27a、14b同士の間で伝達するトルクが大きくなると、前記両ローディングカム装置16b、16bが前記両太陽ローラ素子17e、17e同士を互いに近付ける方向に押圧する力(推力)が大きくなり、前記各トラクション部の面圧が更に高くなる。前記各中間ローラ27a、27aは、前記支持フレーム39aに、径方向の変位を可能に支持されている為、これら各中間ローラ27a、27aの外周面と、前記太陽ローラ13bの外周面及び前記環状ローラ14bの内周面との転がり接触部の面圧は、効果的に上昇する。この結果、前記各ローラ13b、27a、14b同士の間で伝達するトルクの変動に拘らず、前記太陽ローラ13aから前記環状ローラ14bヘの動力伝達を効率良く行える。
この様にして前記環状ローラ14bに伝達された動力は、この環状ローラ14bの外周面に突設した前記各突起58、58と、前記保持筒部53の内周面に形成した前記各凹部56、56との係合に基づいて、この保持筒部53に伝達される。更に、この保持筒部53に伝達された動力が、前記連結部54及び前記基部52を介して前記出力軸6aに伝逮される。この結果、この出力軸6aが、前記入力軸5cよりも低速且か高トルクで回転駆動される。
又、環状ローラ14bと保持筒部53とを、弾性部材72であるフッ素ゴムを介して弾性支持することにより、各構成部品に寸法のばらつきがあったとしても、弾性部材72の変形により、寸法のばらつきが吸収され、高精度に製作した場合と同様の効率の良い構造とすることができる。
尚、弾性部材72は、摩擦ローラ式減速機2cの作動時に、トラクション油等の温度に耐えうる弾性部材であれば、フッ素ゴムに替えて、シリコンゴム等のゴム材や樹脂等を用いることもできる。
又、入力軸5cとカム板23bとを弾性部材72相当のものを介して弾性支持しても同様の効果を得ることができる。
1 電動モータ
2、2a、2b、2c 摩擦ローラ式減速機
3 変速装置
4 回転伝達装置
5、5a、5b、5c 入力軸
6、6a 出力軸
7 入力側伝達軸
8 出力側伝達軸
9a、9b 歯車伝達機構
10a、10b クラッチ機構
11 デファレンシャルギヤ
12、12a 出力軸
13、13a、13b 太陽ローラ
14、14a、14b 環状ローラ
15 遊星ローラ
16、16a、16b ローディングカム装置
17a、17b、17c、17d、17e 太陽ローラ素子
18、18a 環状空間
19 遊星軸
20 キャリア
21 支え環
22 皿ばね
23、23a、23b カム板
24、24a 玉
25、25a 被駆動側カム面
26、26a 駆動側カム面
27、27a 中間ローラ
28 自転軸
29 ハウジング
30 入力側小径円筒部
31 入力側玉軸受ユニット
32 出力側小径円筒部
33 出力側玉軸受ユニット
34 円形凹部
35 ラジアル転がり軸受
36 連結部
37 大径円筒部
38 端板
39、39a 支持フレーム
40a、40b リム部
41 ステー
42、42a 揺動フレーム
43 支持板部
44 基部
45、45a 玉軸受
46 揺動軸
47 支持孔
48 鍔部
49 軸受ケース
50 出力側シーリングユニット
51 連結ブラケット
52 基部
53 保持筒部
54 連結部
55 鍔部
56 凹部
57 支持筒部
58 突起
59 内周面側段差部
60 外周面側段差部
61 係止凹溝
62 先端面
63 止め輪
64 係止孔
65 入力側転がり軸受ユニット
66 入力側シーリングユニット
67 鍔部
68 ローディングナット
69 連結部
70 柱部
71 供給路
72 弾性部材

Claims (1)

  1. 入力軸と、出力軸と、太陽ローラと、環状ローラと、複数個の中間ローラと、ローディングカム装置とを備え、
    このうちの太陽ローラは、軸方向に分割された1対の太陽ローラ素子を前記入力軸の周囲に、互いの先端面同士の間に隙間を介在させた状態で互いに同心に配置して成るもので、前記両太陽ローラ素子の外周面は、それぞれの先端面に向かうに従って外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面であって、これら両傾斜面を転がり接触面としており、
    前記環状ローラは、前記太陽ローラの周囲にこの太陽ローラを同心に配置されたもので、内周面を転がり接触面とすると共に、連結ブラケットを介して前記出力軸と同心に結合されていて、この出力軸と共に回転自在としており、
    前記各中間ローラは、前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面との間の環状空問の円周方向複数箇所に、それぞれが前記入力軸と平行に配置された自転軸を中心とする回転自在に支持された状態で、それぞれの外周面を前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面とに転がり接触させており、
    前記ローディングカム装置は、前記両太陽ローラ素子のうちの少なくとも一方の太陽ローラ素子であって、前記入力軸に対する相対回転を可能とされた可動太陽ローラ素子とこの入力軸との間に設けられて、この入力軸の回転に伴ってこの可動太陽ローラ素子を他方の太陽ローラ素子に向けて軸方向に押圧しつつ回転させるものであって、この可動太陽ローラ素子の基端面の円周方向複数箇所に設けられた被駆動側カム面と、前記入力軸の一部に固定されてこの入力軸と共に回転するカム板からなり、前記可動太陽ローラ素子の基端面に対向する片側面の円周方向複数箇所に設けられた駆動側カム面と前記カム板との間に転動体を挟持して成るもので、これら各駆動側カム面及び前記各被駆動側カム面はそれぞれ、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化し、カム面端部に向かうに従って浅くなる形状を有するものであり、
    前記各中間ローラは、前記入力軸の回転に伴って前記ローディングカム装置が発生する押圧力に基づき、前記環状ローラの内周面に押し付けられつつ前記各自転軸を中心として回転する摩擦ローラ式減速機において、
    前記環状ローラと前記連結ブラケットとの間、或いは、前記入力軸と前記カム板との間の少なくとも一方に、弾性部材を設けた事を特徴とする摩擦ローラ式減速機。
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