JP2013129468A - 巻き芯 - Google Patents

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寛 吉田
Mayumi Watase
真弓 綿世
Kaoru Takeo
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Abstract

【課題】上端部及び下端部に至るまで長状材を巻き付けて保管・運搬でき、その巻き付けた長状材から簡単に取り除くことができる巻き芯を提供する。
【解決手段】筒形状を成す筒状体3と、筒状体3の上端部及び下端部に取り付けられる上形状保持リング5及び下形状保持リング6と、を有する巻き芯1であって、上形状保持リング5が、筒状体3の上端部の外面に接する上第1脚部51と、筒状体3の上端部の内面に接する上第2脚部52と、を有し、下形状保持リング6が、筒状体3の下端部の外面に接する下第1脚部61と、筒状体3の下端部の内面に接する下第2脚部と、を有し、上第2脚部52及び下第2脚部の延出長さが、上第1脚部51及び下第1脚部61のそれよりも長く形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒状ラベル連続体やテープなどの長状材を巻き付けるために用いられる巻き芯に関する。
従来、例えば、飲料容器などに被せて熱収縮装着される、熱収縮性筒状ラベルが知られている。かかる熱収縮性筒状ラベルにおいては、通常、その複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々の筒状ラベルに切断される筒状ラベル連続体の形態でラベラーに供給される。かかる筒状ラベル連続体は、長尺状であるので、通常、巻き芯の周囲に巻き付けた状態(ロール品)として保管・運搬に供される。
そして、使用時には、前記ロール品から筒状ラベル連続体を引き出し、所定長さで切断して個々の熱収縮性筒状ラベルを得た後、それを容器などの被着体に順次装着していく。
機械的連続工程にて熱収縮性筒状ラベルを貼付する場合、前記ロール品の複数個をロールフィーダに装填し、ロールフィーダによって引き出された筒状ラベル連続体をラベラーに供給し、ラベラーにて熱収縮性筒状ラベルの装着作業が順次連続的に行われる。
このロールフィーダにロール品を装填する際、全てのロール品の筒状ラベル連続体を1本に繋ぐ場合がある。具体的には、個々のロール品について、その巻き芯を引き抜くことによって巻き状態の筒状ラベル連続体のみを取り出す。そして、1つの巻き状態の筒状ラベル連続体の外側端部(引出し端部)ともう1つの巻き状態の筒状ラベル連続体の内側端部(巻取り端部)とを繋ぎ合わせていき、複数の巻き状態の筒状ラベル連続体が長手方向に繋がった1本の長尺物を形成する。
この長尺物をロールフィーダに装填し、ロールフィーダから前記1本の長尺物がラベラーに供給されることによって、個々の熱収縮性筒状ラベルを順次連続的且つ効率的に被着体に装着できるようになる。
ところで、前記ロール品においては、巻き芯に筒状ラベル連続体が巻き付いているので、その巻き芯のみを引き抜くことは困難である。
この点、特許文献1には、長状材が巻回された円筒状の巻芯体であって、複数の湾曲体が可撓性を有する薄肉部を介して連設され、湾曲体の左右の接合端面同士を凹凸嵌合にて連結することにより円筒形態となり、前記1つの接合端面を内側方向に入り込ませることにより巻芯体の口径を小さくして、巻回された長状材から抜き取ることができる巻芯体が開示されている。
しかしながら、特許文献1の巻芯体を長状材から抜き取る際には、隣接する湾曲体を内側方向に押し込み、両湾曲体を折り曲げるので、何度か使用しているうちに、ヒンジ部である薄肉部が破断し易いという問題点がある。
さらに、特許文献1の巻芯体は、長状材を巻き付ける際、巻芯体には外側から内側に押圧力が加わるので、湾曲部の接合端面が内側に位置ずれするおそれがある。このため、特許文献1の巻芯体においては、長状材を強く巻き付けることができない。加えて、巻芯体に長状材が巻き付けられたロール品についても、外側から内側に押されることがあり、ロール品の運搬中などに巻芯体の口径が小さくなり、長状材から巻芯体が抜けるおそれもある。
また、特許文献2には、周壁を3区画以上に分割し、3つの区画2a,2b,2cのうち区画2a/2c間及び区画2b/2c間を蝶番3で連結し、残る区画2a/2b間の外面に止め具4を設けて区画2a/2b間を連結した巻き芯が開示されている(各用語の符号は、特許文献2に付された符号である)。
かかる巻き芯は、止め具4を外して区画2a,2b,2cを内側に折り畳むことにより、巻回された長状材から抜き取ることができる。
この特許文献2の巻き芯において、長状材が止め具4に重なる(被さる)ように巻き付けると、その止め具4を外すことができない。よって、この巻き芯においては、止め具4に長状材が重ならないように巻付けなければならない。
しかしながら、止め具4に重ならないように長状材を巻くと、特許文献2の図4に示すように、巻き芯の上方側及び下方側が長状材(ウェブロール)の両側部よりも大きく突出するので、ロール品(長状材が巻かれた巻き芯)が必要以上に嵩張るという問題点がある。
通常、複数個のロール品を梱包箱に梱包して運搬に供されるが、上記特許文献2の巻き芯を用いると、梱包箱内に無駄な空間が多く生じる。
特開2003−226470号公報 特開平10−167579号公報
本発明の目的は、上端部及び下端部に至るまで長状材を巻き付けて保管・運搬でき、その巻き付けた長状材から簡単に取り除くことができる巻き芯を提供することである。
本発明の巻き芯は、筒形状を成す筒状体と、前記筒状体の上端部に取り付けられる上形状保持リングと、前記筒状体の下端部に取り付けられる下形状保持リングと、を有し、前記上形状保持リングが、前記筒状体の外面に接し且つ下方に延びる上第1脚部と、前記筒状体の内面に接し且つ下方に延びる上第2脚部と、を有し、前記下形状保持リングが、前記筒状体の外面に接し且つ上方に延びる下第1脚部と、前記筒状体の内面に接し且つ上方に延びる下第2脚部と、を有し、前記上第2脚部の延出長さが、前記上第1脚部のそれよりも長く、且つ、前記下第2脚部の延出長さが、前記下第1脚部のそれよりも長く、前記上第1脚部と上第2脚部の間及び下第1脚部と下第2脚部の間で前記筒状体の上端部及び下端部を挟持するように上形状保持リング及び下形状保持リングをそれぞれ取り付けることにより、前記筒状体の筒形状が保持されている。
上記本発明の巻き芯は、長状材を巻き付けて使用される。
本発明の巻き芯は、長状材が重なり得る部分である、上形状保持リング及び下形状保持リングの上第1脚部及び下形状保持リングの下第1脚部を、上第2脚部及び下第2脚部よりも短くし、他方、長状材が巻き付かない部分である、上第2脚部及び下第2脚部を、上第1脚部及び下第1脚部よりも長くしている。
かかる巻き芯は、長状材の両側部が上形状保持リングの上第1脚部及び下形状保持リングの下第1脚部の上にそれぞれ重なるように巻き付けられても、上形状保持リング及び下形状保持リングが筒状体から取り外し易くなる。
他方、上形状保持リングの上第2脚部及び下形状保持リングの下第2脚部が、筒状体の上端部及び下端部にそれぞれ十分に係止されるので、上形状保持リング及び下形状保持リングが、筒状体から不用意に外れ難くなる。
本発明の巻き芯は、長状材を巻き付ける際に、又は、巻き付けた後に保管・運搬する際に、上形状保持リング及び下形状保持リングが外れて筒状体がばらけることを防止できる。
また、本発明の巻き芯は、その上端部及び下端部に至るまで長状材を巻き付けても、その巻き付けた長状材から簡単に取り除くことができる。
本発明の1つの実施形態に係る巻き芯の斜視図。 図1のII−II線で切断した端面図。 同巻き芯を分解した状態の斜視図。 壁体の正面図。 同背面図。 図5のVI−VI線断面図。 上形状保持リングを下方から視た平面図。 図7のVIII−VIII線断面図。ただし、一部分(丸囲い部分)を拡大した図を併記している。 本発明の巻き芯に長状材が巻き付けられた状態を示す正面図。ただし、長状材を二点鎖線で示している。 本発明の他の実施形態に係る巻き芯の端面図(図1のII−II線と同様の箇所で切断した端面図)。 本発明の更なる他の実施形態に係る巻き芯の正面図。 本発明の更なる他の実施形態に係る巻き芯の斜視図。 本発明の更なる他の実施形態に係る巻き芯の斜視図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、本明細書において、「上」という方向は、巻き芯の軸長方向の一方側を、「下」は、巻き芯の軸長方向の他方側(前記一方側の反対側)をそれぞれ指す。また、「上下方向」は、巻き芯の軸長方向であり、「周方向」は、筒状の巻き芯の周方向である。なお、壁体、上形状保持リング及び下形状保持リングの説明においての「上」、「下」、「上下方向」及び「周方向」は、これらを組み合わせて巻き芯としたときに、その軸長方向及び周方向を基準にしている。
各用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。
また、本明細書において、「AAA〜BBB」という記載は、「AAA以上BBB以下」を意味する。
図1乃至図3において、本発明の巻き芯1は、少なくとも2つ(複数)の壁体2a,2b,2c,2dを組み合わせた筒状体3と、前記筒状体3の上端部に取り付けられるリング状の上形状保持リング5と、前記筒状体3の下端部に取り付けられるリング状の下形状保持リング6と、を有する。
複数の壁体2a,2b,2c,2dの側端部同士を突き合わせると筒形状を成し、その複数の壁体2a,…から筒状体3が構成されている。
つまり、本実施形態の筒状体3は、少なくとも2つの壁体の側端部同士を突き合わせることにより筒形状を成している。
上形状保持リング5は、筒状体3の上端部の外面に接する上第1脚部51と、筒状体3の上端部の内面に接する上第2脚部52と、を有し、下形状保持リング6は、筒状体3の下端部の外面に接する下第1脚部61と、筒状体3の下端部の内面に接する下第2脚部62と、を有する。
各壁体2a,…は、互いに連結する連結手段を有していない。従って、壁体2a,…の各側端部を突き合わせて筒形状を成した筒状体3は、それ自体、筒形状を保持する機能を有していない。
前記筒状体3の筒形状を保持するため、筒状体3の上端部及び下端部に上形状保持リング5及び下形状保持リング6が取り付けられている。すなわち、上形状保持リング5の上第1脚部51と上第2脚部52の間及び下形状保持リング6の下第1脚部61と下第2脚部62の間で筒状体3の上端部及び下端部を挟持するように上形状保持リング5及び下形状保持リング6をそれぞれ取り付けることにより、前記筒状体3の筒形状が保持されている。上形状保持リング5及び下形状保持リング6は、筒状体3に着脱可能である。
使用時の巻き芯1は、少なくとも2つの壁体2a,…の側端部を突き合わせた筒状体3の上下端部に、上形状保持リング5及び下形状保持リング6が嵌合されている。他方、前記上形状保持リング5及び下形状保持リング6の少なくとも何れか一方を取り外すことにより、筒状体3を、それを構成する各壁体2a,…に分離できる。
巻き芯1の外周面には、長状材が巻き付け可能である。
長状材は、特に限定されず、例えば、粘着ラベルの複数が長尺状の離型紙上に並んで仮貼付されたラベル連続体、ラベルの複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々のラベルに切断されるラベル連続体、熱収縮性筒状ラベル又はストレッチ性筒状ラベルの複数が長手方向に繋がり且つ使用時に個々の筒状ラベルに切断される筒状ラベル連続体、長尺状のテープ、長尺状の紐などが挙げられる。
以下、本発明の巻き芯1について、具体的に説明する。
巻き芯1は、軸芯部分が空洞となった筒状であれば、その具体的形状は特に限定されず、図1に示すような、円筒状でもよいし、或いは、特に図示しないが、四角筒状や六角筒状などの多角筒状、楕円筒状などに形成されていてもよい。一般的には、巻き芯1は、円筒状又は楕円筒状に形成される。
円筒状の巻き芯1の外周面は、上面から見て(上方から下方に向かって見て)、円を成しており、好ましくは、その内周面も上面から見て円を成している。なお、前記円は、厳密な真円という意味ではなく、概ね円形と認められるという意味である。
本発明の巻き芯1が円筒状又は楕円筒状である場合には、複数の壁体2a,…は、その外面が湾曲面とされる。また、本発明の巻き芯1が長方形筒状又は正方形筒状である場合には、複数の壁体2a,…は、通常、その外面が平坦面とされる。
また、巻き芯1が円筒状である場合、その半径は長状材の長さに応じて適宜設計されるが、例えば、長状材として上記ラベル連続体や筒状ラベル連続体を巻き付ける場合には、その半径(中心点から外周面の一点までの直線長さ)は、3cm〜20cmである。また、巻き芯1の上下方向の長さは、特に限定されないが、例えば、3cm〜40cmである。
図示例の筒状体3は、4つの壁体2a,2b,2c,2dから構成されている。これらの壁体2a,2b,2c,2dは、同一形状である必要はないが、製造コストなどの観点から、実質的に同一形状の壁体2a,2b,2c,2dが用いられている。
以下、複数の壁体2a,…を区別する必要があるときには、第1、第2という接頭語を付し、全ての壁体2a,…に共通する事項を説明するときには、単に「壁体2a,…」と記す。
壁体2a,…は、図4乃至図6にも示すように、その外面及び内面が湾曲面とされている。ある1つの壁体2aの外面を他の壁体2bの内面上に載せることにより、複数の壁体2a,…を重ねて保管・運搬することができる。
図示例の1つの壁体2aは、筒状体3の四分の一を構成する。壁体2a,…の上端部の縁及び下端部の縁は、正面から見て平行な直線状に形成されている。また、壁体2a,…の両方の側端部の縁は、正面から見て、上下方向と平行に延びている。なお、壁体2a,…の肉厚に対応して、壁体2a,…の上端部の縁及び側端部の縁は、狭く細長い平坦な端面となっている。
もっとも、壁体2a,…の上端部の縁及び下端部の縁は、その上端部及び下端部に上形状保持リング5及び下形状保持リング6を嵌合できることを条件として、正面から見て凹凸状に形成されていてもよい。また、壁体2a,…の両側端部の縁は、隣接する壁体2a,…を突き合わすことができる範囲で、正面から見て凹凸状に形成されていてもよい。
壁体2a,…の外面のうち、上端部の縁から少し下方に寄った位置に、上方段部41が形成されている。同様に、壁体2a,…の外面のうち、下端部の縁から少し上方に寄った位置に、下方段部42が形成されている。従って、壁体2a,…の上端部及び下端部は、それぞれ、その縁から上方段部41及び下方段部42までの間が薄肉となった薄肉部43,44を有する。
壁体の外面を基準にした上方段部41の深さ及び下方段部42の深さは、上形状保持リング5の上第1脚部51の肉厚及び下形状保持リング6の下第1脚部61の肉厚とそれぞれ略等しい又はそれよりも大きく、好ましくは、図2に示すように、それぞれ略等しい。
上方段部41の深さ及び下方段部42の深さを、上第1脚部51の肉厚及び下第1脚部61の肉厚とそれぞれ略等しい又はそれよりも大きく形成することにより、巻き芯1の外周面において、上第1脚部51及び下第1脚部61が径外方向に出っ張ることを防止できる。特に、図2に示すように、上方段部41の深さ及び下方段部42の深さが上第1脚部51の肉厚及び下第1脚部61の肉厚に略等しく形成されている場合には、巻き芯1の外周面において、筒状体3の外面と上第1脚部51及び下第1脚部61との境界部分に段差が生じ難くなる。このため、段差の無い外周面を有する巻き芯1を構成でき、前記段差に起因する長状材の型付きを防止して、綺麗に長状材を巻き付けることができる。
なお、壁体2a,…の外面は、前記上方段部41及び下方段部42を有することを除いて、全体として平滑な面とされているが、長状材の巻付けに支障を来さない範囲で、その外面に任意の僅かな凹凸模様が形成されていてもよい。
また、上方段部41の形成位置(壁体2a,…の上端部の縁から上方段部41までの長さ)は、特に限定されないが、好ましくは、上形状保持リング5の上第1脚部51の延出長さ以上であり、より好ましくは、上第1脚部51の延出長さと略等しい位置である。下方段部42の形成位置(壁体2a,…の下端部の縁から下方段部42までの長さ)は、特に限定されないが、好ましくは、下形状保持リング6の下第1脚部61の延出長さ以上であり、より好ましくは、下第1脚部61の延出長さと略等しい位置である。
上方段部41及び下方段部42が、それぞれ上第1脚部51及び下第1脚部61の延出長さと略等しい位置に形成されている場合には、筒状体3の外面と上第1脚部51及び下第1脚部61との境界部分に実質的に凹みが生じず、前記凹みに起因する長状材の型付きを防止して、綺麗に長状材を巻き付けることができる。
壁体2a,…の内面のうち、上端部の縁から少し下方に寄った位置に、上方ストッパー45が径内方向に突設されている。同様に、壁体2a,…の内面のうち、下端部の縁から少し上方に寄った位置に、下方ストッパー46が径内方向に突設されている。上方ストッパー45及び下方ストッパー46は、何れも周方向に延びている。
上形状保持リング5は、前記上方段部41から上方ストッパー45の間に跨がって前記薄肉部43を抱着するように、筒状体3の上端部に取り付けられる。
下形状保持リング6は、前記下方段部42から下方ストッパー46の間に跨がって前記薄肉部44を抱着するように、筒状体3の下端部に取り付けられる。
上方ストッパー45の形成位置(壁体2a,…の上端部の縁から上方ストッパー45までの長さ)は、特に限定されないが、好ましくは、上形状保持リング5の上第2脚部52の延出長さ以上であり、より好ましくは、上第2脚部52の延出長さよりも大きい位置である。下方ストッパー46の形成位置(壁体2a,…の下端部の縁から下方ストッパー46までの長さ)は、特に限定されないが、好ましくは、下形状保持リング6の下第2脚部62の延出長さ以上であり、より好ましくは、下第2脚部62の延出長さよりも大きい位置である。
上方ストッパー45及び下方ストッパー46が、それぞれ上第2脚部52及び下第2脚部62の延出長さよりも大きい位置に形成されている場合には、上第2脚部52の下端面と上方ストッパー45の間及び下第2脚部62の上端面と下方ストッパー46の間に、隙間が生じるので、その隙間に指を入れ且つ指を上第2脚部52の下端面又は下第2脚部62の上端面に掛けることができる。このように指を掛けることにより、上形状保持リング5及び下形状保持リング6を筒状体3から外し易くなる。
ただし、図1乃至図6においては、上方ストッパー45の形成位置及び下方ストッパー46の形成位置が、それぞれ上第2脚部52の延出長さ及び下第2脚部62の延出長さと略等しい位置とされている例を示している。
なお、壁体2a,…の内面には、補強用のリブ49が複数突設されている。
複数のリブ49は、それぞれ周方向に延び、上下方向に所定間隔を開けて設けられている。もっとも、リブ49は、網目状などに設けられていてもよいし、或いは、リブ49が設けられていなくてもよい。
上形状保持リング5は、筒状体3の上端部に取り付けられる。上形状保持リング5は、上方から見て、筒状体3の形状に適合したリング状の部材であり、本実施形態では、円形リング状に形成されている。なお、筒状体3が四角筒状に形成される場合には、それに適合するように、上形状保持リング5及び下形状保持リング6は四角リング状に形成される。
上形状保持リング5は、筒状体3の上端部の外面に接する上第1脚部51と、筒状体3の上端部の内面に接する上第2脚部52と、前記上第1脚部51と上第2脚部52を連結する上連結部53と、を有する。上形状保持リング5は、図8に示すように、断面略U字状に形成されている。
上第1脚部51及び上第2脚部52は、リングの全周に設けられている。
上第1脚部51と上第2脚部52の間隔Wは、壁体2a,…の薄肉部43の肉厚と等しい又はその肉厚よりも若干ながら小さい。
上第1脚部51及び上第2脚部52は、何れも下方に向かって延びており、上第2脚部52の延出長さは、上第1脚部51の延出長さよりも長く形成されている。
上第1脚部51の延出長さ51Hは、特に限定されないが、余りに長すぎると、巻き芯1に巻き付けた長尺材と上形状保持リング5の上第1脚部51の外面との重なり面積が相対的に大きくなり、上形状保持リング5を筒状体3から外し難くなり、一方、余りに短すぎると、上第1脚部51の、壁体2a,…の上端部の外面に対する係止が不十分となり、上形状保持リング5が不用意に筒状体3から外れるおそれがある。このような観点から、上第1脚部51の延出長さ51Hは、2mm〜5mmが好ましく、2.5mm〜4.5mmがより好ましい。
上第2脚部52の延出長さ52Hは、特に限定されないが、余りに長すぎると、上形状保持リング5を筒状体3から外し難くなり、一方、余りに短すぎると、上第2脚部52の、壁体2a,…の上端部の内面に対する係止が不十分となり、上形状保持リング5が不用意に筒状体3から外れるおそれがある。このような観点から、上第2脚部52の延出長さ52Hは、5mm〜15mmが好ましく、6mm〜10mmがより好ましい。
下形状保持リング6は、筒状体3の下端部に取り付けられる。下形状保持リング6は、下方から見て、筒状体3の形状に適合したリング状の部材であり、本実施形態では、円形リング状に形成されている。
下形状保持リング6は、筒状体3の下端部の外面に接する下第1脚部61と、筒状体3の下端部の内面に接する下第2脚部62と、前記下第1脚部61と下第2脚部62を連結する下連結部63と、を有する。
下第1脚部61及び下第2脚部62は、リングの全周に設けられている。
下形状保持リング6は、上記上形状保持リング5と異なる形状でもよいが、本実施形態では、下形状保持リング6と上形状保持リング5は同一形状である。そのため、下形状保持リング6の説明に当たって、上形状保持リング5を示した図7及び図8も参照されたい。
下第1脚部61と下第2脚部62の間隔は、壁体2a,…の薄肉部44の肉厚と等しい又はその肉厚よりも若干ながら小さい。
下第1脚部61及び下第2脚部62は、何れも上方に向かって延びており、下第2脚部62の延出長さは、下第1脚部61の延出長さよりも長く形成されている。
下第1脚部61の延出長さは、特に限定されないが、上第1脚部51と同様の理由から、2mm〜5mmが好ましく、2.5mm〜4.5mmがより好ましい。
下第2脚部62の延出長さは、特に限定されないが、上第2脚部52と同様の理由から、5mm〜15mmが好ましく、6mm〜10mmがより好ましい。
各壁体2a,…、上形状保持リング5及び下形状保持リング6の形成材料は、特に限定されないが、例えば、剛性に優れ且つ可撓性の小さい材料(硬質合成樹脂、金属、木など)が挙げられる。各壁体2a,…、上形状保持リング5及び下形状保持リング6は、それぞれ同じ形成材料で形成されていてもよいし、異なっていてもよい。
成形容易で且つコスト的に優れていることから、各壁体2a,…、上形状保持リング5及び下形状保持リング6は、好ましくは合成樹脂から形成される。
上記第1乃至第4壁体2a,…の側面部を互いに突き合わせて筒状体3を形成し、その筒状体3を構成する各壁体2a,…の上端部の薄肉部43に上形状保持リング5を嵌め入れ、且つ、筒状体3を構成する各壁体2a,…の下端部の薄肉部44に下形状保持リング6を嵌め入れることにより、図1及び図2に示すような巻き芯1が得られる。
なお、巻き芯1の組み立て手順は、上記のような手順に限定されず、例えば、下形状保持リング6の下第1脚部61と下第2脚部62の間に、第1壁体2aの下端部の薄肉部44を嵌め入れ、次に、第2壁体2bの下端部を嵌め入れながらその壁体2bの側端部を第1壁体2aの側端部に突き合わせ、第3及び第4壁体2c,2dも同様に順に嵌め入れて筒状体3を形成した後、上形状保持リング5を嵌め入れてもよい。
得られた巻き芯1は、筒状体3の上端部及び下端部に上形状保持リング5及び下形状保持リング6が取り付けられているので、筒形状を維持できる。
この上形状保持リング5及び下形状保持リング6は、上第1脚部51と上第2脚部52の間及び下形状保持リング6の下第1脚部61と下第2脚部62の間によって筒状体3の上端部及び下端部を挟持するように抱着しているので、上第1脚部51と上第2脚部52及び下第1脚部61と下第2脚部62がそれぞれ筒状体3の上端部及び下端部に強嵌合している。このため、巻き芯1を保管・運搬中に上形状保持リング5及び下形状保持リング6が不用意に外れて筒状体3がばらける虞がない。
また、本発明の巻き芯1においては、壁体2a,…の側端部に連結手段(例えば、特許文献1のような凹凸嵌合による連結)を設けなくても、筒状体3の筒形状を保持できる。一般に、各壁体2a,…の側端部に凹部又は凸部を設けると、その凹部又は凸部に荷重が加わってそれが破損し易いが、本発明の巻き芯1は、そのような連結手段を設けなくてもよいので、耐久性にも優れている。
もっとも、このことは、本発明の巻き芯1において、壁体2a,…の側端部に前記連結手段を設けてはならないという意味ではなく、本発明においても連結手段を設けてもよい。
本発明の巻き芯1は、その外周面に長状材を巻き付けて使用される。
例えば、図9に示すように、長状材9の側端部の縁91が巻き芯1の上端部の縁又はその近傍に至るまで、及び、長状材9の側端部の縁92が巻き芯1の下端部の縁又はその近傍に至るまで、長状材を巻き芯1に巻き付ける。
なお、図9では、長状材9の側端部の縁91,92が巻き芯1の上端部の縁近傍及び下端部の縁近傍に位置するように、長状材9が巻き付けられた巻き芯1を示している。
この場合、長状材9の両側部が上形状保持リング5の上第1脚部51及び下形状保持リング6の下第1脚部61の上にそれぞれ重なるが、上第1脚部51及び下第1脚部61の延出長さは比較的短いので、長尺材9と上第1脚部51及び下第1脚部61との重なり面積は比較的小さい。
よって、上形状保持リング5及び下形状保持リング6に作用する、長状材9の巻き圧は、比較的小さくなるため、長状材9を巻いた状態で、上形状保持リング5及び下形状保持リング6を筒状体3から取り外し易くなる。
上形状保持リング5又は下形状保持リング6を外すと、筒状体3が各壁体2a,…へばらけるので、その壁体2a,…をロール状の長状材9から引き抜くことにより、巻き付けた長状材から巻き芯1を簡単に取り除くことができる。
このように本発明の巻き芯1を用いれば、簡単に巻き芯1を除去できる機能を有したままで、巻き芯1の上端部の縁又はその近傍に至るまで長状材9を巻き付けることができるので、ロール品(長状材9が巻かれた巻き芯1)が必要以上に嵩張ることを防止できる。
他方、上形状保持リング5の上第2脚部52及び下形状保持リング6の下第2脚部62の延出長さは比較的長いので、上形状保持リング5及び下形状保持リング6が、筒状体3の上端部及び下端部の内面に強く密着して係止される。よって、上形状保持リング5及び下形状保持リング6が筒状体3から不用意に外れ難くなる。
従って、巻き芯1に長状材9を巻き付ける際、又は、ロール品を保管・運搬などする際に、予期せぬ事態で(つまり、不用意に)上形状保持リング5及び下形状保持リング6が筒状体3から外れ、筒状体3がばらけることを防止できる。
本発明においては、長状材9が重なり得る部分である、上形状保持リング5及び下形状保持リング6の上第1脚部51及び下形状保持リング6の下第1脚部61を、上第2脚部52及び下第2脚部62よりも短くして、長状材9を巻き芯1の上下端部まで巻き付け可能にしつつ上形状保持リング5及び下形状保持リング6を取り外し易くし、他方、長状材が巻き付かない部分である、上第2脚部52及び下第2脚部62を、上第1脚部51及び下第1脚部61よりも長くして、上形状保持リング5及び下形状保持リング6が筒状体3から不用意に脱落することを防止している。
次に、本発明の巻き芯の様々な他の実施形態を説明する。ただし、下記他の実施形態の説明に於いて、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態及び既に説明した他の実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、(それを説明したものとして)用語及び符号を援用する。
上記実施形態において、壁体2a,…には、上方ストッパー45及び下方ストッパー46が設けられているが、これらが設けられていない壁体を用いることもできる。
上方ストッパー及び下方ストッパーが形成されていない壁体2a,…からなる筒状体3に、上形状保持リング5及び下形状保持リング6を取り付けた巻き芯1は、図10に示すように、上形状保持リング5の上第2脚部52の下端面521(上第2脚部52の下端部の縁の面)及び下形状保持リング6の下第2脚部62の上端面621(下第2脚部62の上端部の縁の面)が露出している。このため、上記実施形態で説明した、上方ストッパー45及び下方ストッパー46がそれぞれ上第2脚部52及び下第2脚部62の延出長さよりも大きい位置に形成されている巻き芯1と同様に、上第2脚部52の下端面521又は下第2脚部62の上端面621に掛けることができる。
また、上記実施形態の上形状保持リング5においては、上第1脚部51及び上第2脚部52がリングの全周に亘って設けられているが、筒状体3の上端部に取り付けることができることを条件として、上第1脚部及び上第2脚部は、リングの全周に亘って設けられていなくてもよい。例えば、図示しないが、周方向に比較的長く延びる複数の上第1脚部が、リングの周方向に所定間隔を開けて設けられているもよい(つまり、上記実施形態の上形状保持リングの上第1脚部51に、所々、切り欠き部分が形成されていてもよい)。同様に、図示しないが、周方向に比較的長く延びる複数の上第2脚部が、リングの周方向に所定間隔を開けて設けられているもよい(つまり、上記実施形態の上形状保持リングの上第2脚部52に、所々、切り欠き部分が形成されていてもよい)。
下形状保持リング6についても、同様に、筒状体3の下端部に取り付けることができることを条件として、下第1脚部及び下第2脚部は、リングの全周に亘って設けられていなくてもよい。
上記実施形態において、筒状体3は、4つの壁体2a,…から構成されているが、2つの壁体2a,…、又は、3つの壁体2a,…、又は、5つ以上の壁体2a,…から構成されていてもよい(何れも図示せず)。
上記実施形態において、各壁体2a,…の側端部の縁は、上下方向と平行であるが、例えば、図11に示すように、傾斜状に形成されていてもよい。各壁体2a,…は、その側端部を突き合わせて組み合わせることによって概ね筒形状(つまり、長尺材を巻き付けることができる筒形状)を形成できればよく、壁体2a,…の側端部の縁形状は適宜設計できる。また、突き合わせた各壁体2a,…の側端部の間に、間隙が生じてもよい。
また、上記実施形態において、筒状体3は、少なくとも2つの壁体を組み合わせて筒形状を成すものであるが、筒状体3は、1つの筒形状の壁体から構成されていてもよい。
例えば、図12に示す巻き芯1は、向かい合った一対の側端部31,32を突き合わせて筒形状を成す筒状体3と、その筒状体3の上端部に着脱可能に取り付けられる上形状保持リング5と、その筒状体3の下端部に着脱可能に取り付けられる下形状保持リング6と、を有する。
図12の筒状体3は、筒状の一部分において上下方向に沿って切断されていて、その切断による向かい合った側端部31,32を突き合わせると、筒状を成し、一対の側端部31,32の突き合わせを解除して、一方の側端部31を内側にずらずと、筒状が崩れる(筒状体3の内径が小さくなる)ものである。
かかる筒状体3に上形状保持リング5及び下形状保持リング6を嵌合することにより、長状材を巻き付ける巻き芯1を構成できる。この上形状保持リング5及び下形状保持リング6を外し、筒状体3の一方の側端部31の近傍を内側に押し込むと、側端部31,32の突き合わせが解除されるので、筒状体3は筒形状を維持できなくなる。このため、巻き付けた長状材から筒状体3(巻き芯1)を簡単に取り除くことができる。
また、図13に示す巻き芯1は、筒形状を成す筒状体3と、その筒状体3の上端部に着脱可能に取り付けられる上形状保持リング5と、その筒状体3の下端部に着脱可能に取り付けられる下形状保持リング6と、を有する。
図13の筒状体3は、上記各実施形態に示したような側端部の突き合わせにより筒形状を成すものではなく、原始的に筒形状を成しているが、外側から内側に加圧することにより、部分的に筒形状が崩れる(部分的に筒状体の内径が小さくなる)ものである。
つまり、図13の筒状体3は、側端部を有さない筒形状であること、及び、それが弾性体で形成されていることを除いて、上記各実施形態と同様である。
かかる筒状体3に上形状保持リング5及び下形状保持リング6を嵌合することにより、弾性体からなる筒状体3が変形し難くなるので、長状材を巻き付ける巻き芯1を構成できる。この上形状保持リング5及び下形状保持リング6を外し、筒状体3の一部分(例えば、上端部及び下端部)を内側に押し込むと、筒状体3の筒形状が崩れる。このため、巻き付けた長状材から筒状体3(巻き芯1)を取り除くことができる。
前記弾性体しては、内部に帆布が埋設された可撓性を有する樹脂シート、内部に帆布が埋設された硬質ゴムシート、内部に帆布が埋設されたエラストマー樹脂シートなどが挙げられる。
なお、上記各実施形態に示したような側端部の突き合わせにより筒形状を成す筒状体を、前記弾性体で形成することも可能である。
1…巻き芯、2a,2b,2c,2d…壁体、3…筒状体、5…上形状保持リング、51…上第1脚部、52…上第2脚部、6…下形状保持リング、61…下第1脚部、62…下第2脚部

Claims (1)

  1. 筒形状を成す筒状体と、前記筒状体の上端部に取り付けられる上形状保持リングと、前記筒状体の下端部に取り付けられる下形状保持リングと、を有し、
    前記上形状保持リングが、前記筒状体の外面に接し且つ下方に延びる上第1脚部と、前記筒状体の内面に接し且つ下方に延びる上第2脚部と、を有し、
    前記下形状保持リングが、前記筒状体の外面に接し且つ上方に延びる下第1脚部と、前記筒状体の内面に接し且つ上方に延びる下第2脚部と、を有し、
    前記上第2脚部の延出長さが、前記上第1脚部のそれよりも長く、且つ、前記下第2脚部の延出長さが、前記下第1脚部のそれよりも長く、
    前記上第1脚部と上第2脚部の間及び下第1脚部と下第2脚部の間で前記筒状体の上端部及び下端部を挟持するように上形状保持リング及び下形状保持リングをそれぞれ取り付けることにより、前記筒状体の筒形状が保持されている、巻き芯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017165549A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 宇部エクシモ株式会社 合成樹脂製巻ドラム

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