JP2013129316A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

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将人 鈴村
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Abstract

【解決手段】車両のスタビリティファクタの推定値を演算し、スタビリティファクタの推定値に基づいて車両の目標ヨーレートを演算し、車両の実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差に基づいて車両の運動を制御する(S20、80〜95)車両の運動制御装置。
【効果】車両の基準重量について予め設定された基準スタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との大小関係に基づいて運動制御の不感帯、ヨーレート偏差、目標ヨーレートの少なくとも一つを修正する(S25〜50)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の運動制御装置に係り、更に詳細には車両の実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差に基づき車両の運動を制御する運動制御装置に係る。
車両の実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差に基づき車両の運動を制御する運動制御装置や、車両の運動制御に供される車両のスタビリティファクタを推定するスタビリティファクタ推定装置は既に知られている。例えば下記の特許文献1には、車両の規範ヨーレートに対し一次遅れの関係にある車両の過渡ヨーレートと車両の実ヨーレートとの偏差と車両の横加速度との関係に基づいて車両のスタビリティファクタを推定する装置が記載されている。また特許文献1には、推定されたスタビリティファクタに基づいて車両の目標ヨーレートを演算し、ヨーレート偏差、即ち車両の実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差に基づき車両の運動を制御する運動制御装置が記載されている。
国際公開第2011/036820号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
ヨーレート偏差に基づく車両の運動制御に於いても不感帯が設定される。特に上記特許文献1に記載された運動制御装置に於いては、スタビリティファクタの推定精度が低いときには不感帯が大きくなるよう、不感帯はスタビリティファクタの推定精度に応じて可変設定される。この構成によれば、推定精度が低いスタビリティファクタに基づいて車両の目標ヨーレートが演算される状況に於いて、ヨーレート偏差に基づく車両の運動制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。
しかし車両の実際のスタビリティファクタは車両の重量や車両の重心位置によって変動するので、特に乗車人員や積載荷物等の積載荷重の変動が大きい車両の場合には、スタビリティファクタの推定値がスタビリティファクタの真値に近づくまで初期値や暫定値に基づいて車両の運動制御が行われると、車両の運動制御が望ましいタイミングにて開始されない場合があり得る。
本発明の主要な目的は、車両の実ヨーレートとスタビリティファクタの推定値に基づく目標ヨーレートとの偏差に基づいて車両の運動を制御する場合に、車両の積載荷重が変動したような状況に於いて必要な運動制御が望ましいタイミングにて開始されなくなる虞れを低減することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、車両のスタビリティファクタの推定値を演算し、前記スタビリティファクタの推定値に基づいて車両の目標ヨーレートを演算し、車両の実ヨーレートと前記目標ヨーレートとの偏差に基づいて車両の運動を制御する車両の運動制御装置に於いて、車両の基準重量について予め設定された基準スタビリティファクタと前記スタビリティファクタの推定値との大小関係に基づいて前記運動制御の不感帯、前記ヨーレート偏差、前記目標ヨーレートの少なくとも一つを修正することを特徴とする車両の運動制御装置が提供される。
一般に、車両のスタビリティファクタが正の値で大きいほど車両のステア特性はアンダーステア側の特性になる。よって基準スタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との大小関係に基づいて、車両の重量が基準重量であるときの車両のステア特性に対し現在のステア特性がアンダーステア側又はオーバーステア側にあるかを判定することができる。尚本明細書に於いては、車両の重量が基準重量であるときの車両のステア特性を「基準ステア特性」という。
上記構成によれば、基準スタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との大小関係に基づいて運動制御の不感帯、ヨーレート偏差、目標ヨーレートの少なくとも一つが修正される。よって現在のステア特性がアンダーステア側にあるときには、ヨーレート偏差に基づく車両の運動制御に於いて車両がアンダーステア状態にあると判定されにくくすることができる。また現在のステア特性がオーバーステア側にあるときには、ヨーレート偏差に基づく車両の運動制御に於いて車両がオーバーステア状態にあると判定されにくくすることができる。従って上記特許文献1に記載された運動制御装置の如くスタビリティファクタの推定精度が高くなるまで運動制御の不感帯を拡張したりする必要がないので、必要な運動制御が望ましいタイミングにて開始されなくなる虞れを低減することができる。
上記構成に於いて、前記基準スタビリティファクタは車両の無積載状態について予め設定された値であってよい。
この構成によれば、車両が無積載状態にあるときのスタビリティファクタを基準にしてその基準と現在のスタビリティファクタの推定値との大小関係に基づいて運動制御の不感帯、ヨーレート偏差、目標ヨーレートの少なくとも一つを修正することができる。よって車両が無積載状態にあるときの車両のステア特性を基準ステア特性にして運動制御の不感帯、ヨーレート偏差、目標ヨーレートの少なくとも一つを修正することができる。
また上記構成に於いて、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも大きいときには、前記運動制御の不感帯のアンダーステア側を拡張し、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも小さいときには、前記運動制御の不感帯のオーバーステア側を拡張するようになっていてよい。
スタビリティファクタの推定値が基準スタビリティファクタよりも大きいときには、車両のステア特性は基準ステア特性よりもアンダーステア側にある。逆にスタビリティファクタの推定値が基準スタビリティファクタよりも小さいときには、車両のステア特性は基準ステア特性よりもオーバーステア側にある。
上記構成によれば、車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側にあるときには、運動制御の不感帯のオーバーステア側を拡張することなくアンダーステア側を拡張することができる。よって車両がアンダーステア状態にあると不必要に判定される虞れを低減しつつ、車両がオーバーステア状態にあるときにはそのことを遅れなく判定し、望ましいタイミングにて運動制御を開始させることができる。また車両のステア特性が基準ステア特性よりもオーバーステア側にあるときには、運動制御の不感帯のアンダーステア側を拡張することなくオーバーステア側を拡張することができる。よって車両がオーバーステア状態にあると不必要に判定される虞れを低減しつつ、車両がアンダーステア状態にあるときにはそのことを遅れなく判定し、望ましいタイミングにて運動制御を開始させることができる。
また上記構成に於いて、前記運動制御の不感帯の拡張量は前記基準スタビリティファクタに対する前記スタビリティファクタの推定値の比と1との差の大きさが大きいときには前記差の大きさが小さいときに比して大きくてよい。
上記構成によれば、車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側又はオーバーステア側へ離れる度合が高いときには該度合が低いときに比して運動制御の不感帯の拡張量を大きくすることができる。よって車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側及びオーバーステア側の何れの側へ離れている場合にも、その離れている度合に応じて不感帯の拡張量を大きくすることができる。
また上記構成に於いて、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも大きいときには、前記ヨーレートの偏差をオーバーステア側へ修正し、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも小さいときには、前記ヨーレートの偏差をアンダーステア側へ修正するようになっていてよい。
上記構成によれば、車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側にあるときには、ヨーレートの偏差をオーバーステア側へ修正することができる。よって車両がアンダーステア状態にあると不必要に判定される虞れを低減しつつ、車両がオーバーステア状態にあるときにはそのことを遅れなく判定し、望ましいタイミングにて運動制御を開始させることができる。また車両のステア特性が基準ステア特性よりもオーバーステア側にあるときには、ヨーレートの偏差をアンダーステア側へ修正することができる。よって車両がオーバーステア状態にあると不必要に判定される虞れを低減しつつ、車両がアンダーステア状態にあるときにはそのことを遅れなく判定し、望ましいタイミングにて運動制御を開始させることができる。
また上記構成に於いて、前記ヨーレートの偏差の修正量は前記基準スタビリティファクタに対する前記スタビリティファクタの推定値の比と1との差の大きさが大きいときには前記差の大きさが小さいときに比して大きくてよい。
上記構成によれば、車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側又はオーバーステア側へ離れる度合が高いときには該度合が低いときに比してヨーレートの偏差の修正量を大きくすることができる。よって車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側及びオーバーステア側の何れの側へ離れている場合にも、その離れている度合に応じてヨーレートの偏差の修正量を大きくすることができる。
また上記構成に於いて、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも大きいときには、前記目標ヨーレートをその絶対値が大きくなるよう修正し、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも小さいときには、前記目標ヨーレートをその絶対値が小さくなるよう修正するようになっていてよい。
上記構成によれば、車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側にあるときには、目標ヨーレートをその絶対値が大きくなるよう修正することができる。よって車両がアンダーステア状態にあると不必要に判定される虞れを低減しつつ、車両がオーバーステア状態にあるときにはそのことを遅れなく判定し、望ましいタイミングにて運動制御を開始させることができる。また車両のステア特性が基準ステア特性よりもオーバーステア側にあるときには、目標ヨーレートをその絶対値が小さくなるよう修正することができる。よって車両がオーバーステア状態にあると不必要に判定される虞れを低減しつつ、車両がアンダーステア状態にあるときにはそのことを遅れなく判定し、望ましいタイミングにて運動制御を開始させることができる。
また上記構成に於いて、前記目標ヨーレートの修正量は前記基準スタビリティファクタに対する前記スタビリティファクタの推定値の比と1との差の大きさが大きいときには前記差の大きさが小さいときに比して大きくてよい。
上記構成によれば、車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側又はオーバーステア側へ離れる度合が高いときには該度合が低いときに比して目標ヨーレートの修正量を大きくすることができる。よって車両のステア特性が基準ステア特性よりもアンダーステア側及びオーバーステア側の何れの側へ離れている場合にも、その離れている度合に応じて目標ヨーレートの修正量を大きくすることができる。
図14に示された車両の二輪モデルに於いて、車両の質量及びヨー慣性モーメントをそれぞれM及びIとし、車両の重心102と前輪車軸及び後輪車軸との間の距離をそれぞれLf及びLrとし、車両のホイールベースをL(=Lf+Lr)とする。また前輪100f及び後輪100rのコーナリングフォースをそれぞれFf及びFrとし、前輪及び後輪のコーナリングパワーをそれぞれKf及びKrとする。また前輪100fの実舵角をδとし、前輪及び後輪のスリップ角をそれぞれβf及びβrとし、車体のスリップ角をβとする。更に車両の横加速度をGyとし、車両のヨーレートをγとし、車速をVとし、車両のヨー加角速度(ヨーレートγの微分値)をγdとする。車両の力及びモーメントの釣合い等により下記の式1〜6が成立する。
MGy=Ff+Fr ……(1)
Iγd=LfFf−LrFr ……(2)
Ff=−Kfβf ……(3)
Fr=−Krβr ……(4)
βf=β+(Lf/V)γ−δ ……(5)
βr=β−(Lr/V)γ ……(6)
上記式1〜6より下記の式7が成立する。
Figure 2013129316
車速Vが実質的に一定であると仮定し、ラプラス演算子をsとして上記式7をラプラス変換し、ヨーレートγについて整理することにより、下記の式8〜10が成立し、よってこれらの式により規範ヨーレートγ(s)が求められる。
Figure 2013129316
上記式9のKhはスタビリティファクタであり、上記式10のTpは車速依存の時定数をもつ一次遅れ系の車速Vにかかる係数、即ち本明細書に於いて「操舵応答時定数係数」と呼ぶ係数である。これらの値は車両のヨー運動に関する操舵応答を特徴付けるパラメータであり、車両の旋回特性を示す。また上記式8は前輪の実舵角δ、車速V、横加速度Gyより車両のヨーレートγを演算する式である。この線形化モデルより演算されるヨーレートを過渡ヨーレートγtrとすると、過渡ヨーレートγtrは下記の式11にて表される定常規範ヨーレートγtに対する一次遅れの値である。
Figure 2013129316
よって上記構成に於いて、過渡ヨーレートγtrは上記式8に対応する下記の式12に従って演算されてよい。
Figure 2013129316
車両の定常旋回時に於ける定常規範ヨーレートγtと検出ヨーレートγとの偏差Δγtは、スタビリティファクタの設計値及び真の値をそれぞれKhde及びKhreとして、下記の式13により表わされる。
Figure 2013129316
上記式13の両辺にL/Vを掛けてヨーレート偏差Δγtを前輪の舵角の偏差Δδtに換算すると、前輪の舵角の偏差Δδtは下記の式14により表わされる。この前輪の舵角の偏差Δδtは定常規範ヨーレートγtと検出ヨーレートγとの偏差の指標値の一つであり、車速に依存しない。
Δδt=(Khre−Khde)GyL ……(14)
よって定常規範ヨーレートと実ヨーレートγとの偏差の指標値として、式14に従って前輪の舵角の偏差Δδtを演算することができる。
式14より、横加速度Gyに対する前輪の舵角の偏差Δδtの関係、換言すれば横加速度Gy及び前輪の舵角の偏差Δδtの直交座標系に於ける両者の関係の勾配(Khre−Khde)Lを最小二乗法等により求めることにより、下記の式15に従ってスタビリティファクタの推定値Khpを求めることができることが解る。
Khp=Khde+勾配/L ……(15)
また車両のヨーレートγ、横加速度Gy、前輪の舵角δについてセンサの零点オフセットの誤差をそれぞれγ0、Gy0、δ0とすると、車両のヨーレート、横加速度、前輪の舵角の検出値はそれぞれγ+γ0、Gy+Gy0、δ+δ0である。よって車両の定常旋回時に於ける定常規範ヨーレートγtと検出ヨーレートとの偏差Δγtは下記の式16により表わされる。
Figure 2013129316
上記式16の両辺にL/Vを掛けてヨーレート偏差Δγtを前輪の舵角の偏差Δδtに換算すると、前輪の舵角の偏差Δδtは下記の式17により表わされる。下記の式17により表わされる車両の横加速度Gyと前輪の舵角の偏差Δδtとの関係は、図16に示される通りである。
Figure 2013129316
上記式17に於けるδ0−KhdeGy0Lは定数であるが、γ0L/Vは車速Vに応じて変化する。よって図15に示されたグラフの縦軸の切片が車速Vによって変化する。従って車両のヨーレートγの検出値にセンサの零点オフセットの誤差が含まれている場合には、横加速度Gyに対する前輪の舵角の偏差Δδtの関係が車速によって変化するため、スタビリティファクタを精度よく推定することができない。
またスタビリティファクタの推定精度を高くするためには、車速毎にスタビリティファクタを推定する等の対策が必要である。従ってスタビリティファクタの推定に必要なヨーレートγ等のデータが膨大になり、旋回特性推定装置の演算負荷が過大になると共に、スタビリティファクタの推定に長い時間を要するという問題がある。
ここで第一の所定周波数以下の成分が除去された車両の横加速度をGyftとし、第二の所定周波数以下の成分が除去された前輪の舵角の偏差をΔδtftとする。第一及び第二の所定周波数が車速Vに変化に伴うγ0L/Vの変化速度よりも十分に高い値であれば、Gyftには誤差Gy0は含まれておらず、Δδtftにも誤差γ0、δ0に起因する誤差は含まれていない。従って上記式14に対応する下記の式18が成立する。下記の式18により表わされる車両の横加速度Gyftと前輪の舵角の偏差Δδtftとの関係は、図16に示される通りであり、式18の直線は車速Vに関係なく原点を通る。
Δδtft=(Khre−Khde)GyftL ……(18)
よって横加速度Gyftに対する前輪の舵角の偏差Δδtftの関係、換言すれば横加速度Gyft及び前輪の舵角の偏差Δδtftの直交座標系に於ける両者の関係の勾配(Khre−Khde)Lを求め、上記式15に従ってスタビリティファクタの推定値Khpを求めることにより、センサの零点オフセットの誤差の影響を受けることなくスタビリティファクタの推定値Khpを求めることができる。
よって上記構成に於いて、横加速度Gyftに対する前輪の舵角の偏差Δδtftの比を勾配として上記式15に従ってスタビリティファクタの推定値が演算されてよい。
図17乃至図19は時系列波形X、時系列波形Y、及びXとYとのリサージュ波形を示すグラフである。特に図17は二つの時系列波形X及びYに位相差がない場合を示し、図18は時系列波形Yの位相が時系列波形Xの位相よりも遅れている場合を示し、図19は時系列波形Yの位相が時系列波形Xの位相よりも進んでいる場合を示している。特に図18及び19に於いて、太い一点鎖線はXの積算値とYの積算値とのリサージュ波形を示している。
図17乃至図19より、Xの積算値に対するYの積算値の比によれば、二つの時系列波形X及びYに位相差がある場合にもその影響を低減して比Y/Xを求めることができることが解る。
よって上記構成に於いて、横加速度Gyftの積算値Gyftaに対する前輪の舵角の偏差Δδtftの積算値Δδtftaの比を勾配として、上記式15に従ってスタビリティファクタの推定値が演算されてよい。
尚以上に於いては車両の定常旋回時について説明したが、車両の過渡旋回時については前輪の舵角の偏差Δδtft及びその積算値Δδtftaに対し一次遅れのフィルタ処理が行われると共に、横加速度Gyft及びその積算値Gyftaに対し一次遅れのフィルタ処理が行われる。その場合一次遅れのフィルタ処理の時定数を同一にすることにより、一次遅れのフィルタ処理後の値に基づいて車両の定常旋回時の場合と同様に勾配を演算し、上記式15に従ってスタビリティファクタの推定値を演算することができる。
上記構成に於いて、運転者の加減速操作量と車両の加減速度との関係に基づいて車両の重量が推定されてよい。
また上記構成に於いて、補正ゲインは車両の前後加速度の絶対値が基準値以下であり且つ車両の重量が基準値以下であるときには1であり、車両の前後加速度の絶対値が前後加速度の基準値よりも大きいとき若しくは且つ車両の重量が重量の基準値よりも大きいときには1よりも大きい値であり、車両の前後加速度の絶対値若しくは車両の重量が大きいほど大きくてよい。
また上記構成に於いて、ハイパスフィルタ処理によって車両の横加速度より第一の所定周波数以下の成分が除去され、ハイパスフィルタ処理によってヨーレート偏差指標値より第二の所定周波数以下の成分が除去されてよい。
また上記構成に於いて、第一及び第二の所定周波数は同一の周波数であってよい。
また上記構成に於いて、車速をVとし、車両のホイールベースをLとして、車両の過渡ヨーレートと車両の実ヨーレートとの偏差にL/Vが乗算されることにより、車両の過渡ヨーレートと車両の実ヨーレートとの偏差を前輪の舵角の偏差に換算した値が演算されてよい。
本発明による車両の運動制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。 第一の実施形態に於ける運動制御ルーチンを示すフローチャートである。 第一の実施形態に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンを示すフローチャートである。 スタビリティファクタ比Rγが異なる三つの場合について、第一の実施形態に於ける車両のヨーレート偏差Δγdの変化及び制御の基準値の変化を示すグラフである。 本発明による車両の運動制御装置の第二の実施形態に於ける運動制御ルーチンを示すフローチャートである。 スタビリティファクタ比Rγが異なる三つの場合について、第二の実施形態に於ける車両のヨーレート偏差Δγdの変化を示すグラフである。 本発明による車両の運動制御装置の第三の実施形態に於ける運動制御ルーチンを示すフローチャートである。 スタビリティファクタ比Rγが異なる三つの場合について、第三の実施形態に於ける車両のヨーレート偏差Δγdの変化を示すグラフである。 第一の修正例に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンの要部を示すフローチャートである。 操舵周波数fsとハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcとの関係を示すグラフである。 第二の修正例に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンの要部を示すフローチャートである。 操舵周波数fsとハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcと車両の前後加速度Gxの絶対値との関係を示すグラフである。 第三の修正例に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンの要部を示すフローチャートである。 スタビリティファクタを推定するための車両の二輪モデルを示す説明図である。 車両の横加速度Gyと前輪の舵角の偏差Δδtとの関係を示すグラフである。 第一の所定周波数以下の成分が除去された車両の横加速度Gyftと第二の所定周波数以下の成分が除去された前輪の舵角の偏差Δδtftとの関係を示すグラフである。 二つの時系列波形X及びYに位相差がない場合について、二つの時系列波形X、Y、及びXとYとのリサージュ波形を示すグラフである。 時系列波形Yの位相が時系列波形Xの位相よりも遅れている場合について、二つの時系列波形X、Y、及びXとYとのリサージュ波形を示すグラフである。 時系列波形Yの位相が時系列波形Xの位相よりも進んでいる場合について、二つの時系列波形X、Y、及びXとYとのリサージュ波形を示すグラフである。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は本発明による車両の運動制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図1に於いて、50は車両10の運動制御装置を全体的に示している。車両10は左右の前輪12FL及び12FR及び左右の後輪12RL及び12RRを有している。操舵輪である左右の前輪12FL及び12FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介して操舵される。
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に説明する如く電子制御装置30により制御される。
マスタシリンダ28にはマスタシリンダ圧力Pm、即ちマスタシリンダ内の圧力を検出する圧力センサ32が設けられ、ステアリングホイール14が連結されたステアリングコラムには操舵角θを検出する操舵角センサ34が設けられている。圧力センサ32により検出されたマスタシリンダ圧力Pmを示す信号及び操舵角センサ34により検出された操舵角θを示す信号は電子制御装置30に入力される。
また車両10にはそれぞれ車両の実ヨーレートγを検出するヨーレートセンサ36、車両の前後加速度Gxを検出する前後加速度センサ38、車両の横加速度Gyを検出する横加速度センサ40、車速Vを検出する車速42が設けられている。ヨーレートセンサ36により検出された実ヨーレートγを示す信号等も電子制御装置30に入力される。尚操舵角センサ34、ヨーレートセンサ36及び横加速度センサ40は車両の左旋回方向を正としてそれぞれ操舵角、実ヨーレート及び横加速度を検出する。
尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置30は例えばCPUとROMとEEPROMとRAMとバッファメモリと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。ROMは規範ヨーレートγtの演算に使用されるスタビリティファクタKh及び操舵応答時定数係数Tpのデフォルト値Kh00及びTp00を記憶している。これらのデフォルト値は車両の出荷時に車両毎に設定される。またEEPROMはスタビリティファクタKhの推定値等を記憶し、スタビリティファクタKhの推定値等は後に詳細に説明する如く車両が旋回状態にあるときの車両の走行データに基づいて演算されることによって適宜更新される。
尚スタビリティファクタのデフォルト値Kh00は車両の標準積載状態、例えば乗用車については2名乗車状態について車両毎に予め設定される。しかしスタビリティファクタのデフォルト値Kh00は車両の無積載状態、例えば乗用車については運転者のみ乗車状態に、貨物車については積荷のない状態について設定されてもよい。またデフォルト値Kh00は本願に於いては基準スタビリティファクタとも呼ばれる。
また図1に示されている如くエンジン制御装置44にはアクセルペダル46に設けられたアクセル開度センサ48よりアクセル開度Accを示す信号が入力される。エンジン制御装置44はアクセル開度Accに基づいてエンジン(図示せず)の出力を制御し、また必要に応じて電子制御装置30との間にて信号の授受を行う。尚エンジン制御装置44も例えばCPU、ROM、RAM、入出力ポート装置を含む一つのマイクロコンピュータ及び駆動回路にて構成されていてよい。
電子制御装置30は、後述の如く図2に示されたフローチャートに従い、スタビリティファクタKhの推定値に基づいて過渡ヨーレートγtrに対応する車両の目標ヨーレートγttを演算する。そして電子制御装置30は車両の実ヨーレートγと目標ヨーレートγttとの偏差としてヨーレート偏差Δγdを演算する。また電子制御装置30は基準スタビリティファクタKh00に対するスタビリティファクタKhの推定値の比をスタビリティファクタ比Rγとして演算する。
そして電子制御装置30はスタビリティファクタ比Rγが1よりも大きいときには、ヨーレート偏差Δγdに基づく車両の運動制御の不感帯のアンダーステア側を拡張する。これに対し電子制御装置30はスタビリティファクタ比Rγが1よりも小さいときには、ヨーレート偏差Δγdに基づく車両の運動制御の不感帯のオーバーステア側を拡張する。
更に電子制御装置30は、ヨーレート偏差Δγdが不感帯を越えた正の値又は負の値であるか否かの判別により車両がオーバーステア状態又はアンダーステア状態にあるか否かを判定する。そして車両がオーバーステア状態にあると判定したときにはオーバーステアを抑制する車両の運動制御を行い、車両がアンダーステア状態にあると判定したときにはアンダーステアを抑制する車両の運動制御を行う。
また電子制御装置30は後述の如く図3に示されたフローチャートに従ってスタビリティファクタKhの推定値を演算する。また電子制御装置30はr(正の一定の整数)サイクル前までのスタビリティファクタKhの推定値の移動平均値として運動制御用のスタビリティファクタKhdを演算しEEPROMに記憶する。
特に電子制御装置30は、図3に示されたフローチャートに従い、車両が旋回を開始すると、操舵角の如き旋回走行データに基づいて定常規範ヨーレートγtを演算する。そして定常規範ヨーレートγtに対し操舵応答時定数係数Tpによる一次遅れのフィルタ演算を行うことにより、一次遅れの過渡ヨーレートγtrを演算する。また電子制御装置30は、過渡ヨーレートγtrと車両の実ヨーレートγとの偏差を前輪の舵角の偏差に置き換えたヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδを演算する。
また電子制御装置30は、車両の横加速度Gyに対し操舵応答時定数係数Tpによる一次遅れのフィルタ演算を行うことにより、一次遅れのフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftを演算する。そして電子制御装置30は、車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδに基づき、バンドパスフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftbpf及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfを演算する。
また電子制御装置30は、ヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaを演算し、積算値の比Δδa/ΔGyaを演算する。また電子制御装置30は、定常規範ヨーレートγtの演算に供されたスタビリティファクタKhの初期値と、積算値の比Δδa/ΔGyaに基づく修正量との和としてスタビリティファクタKhの推定値を演算する。そして電子制御装置30は、予め設定された条件が成立しているときにスタビリティファクタKhの推定値をEEPROMに記憶する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於ける車両の運動制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。このことは後述の他の実施形態についても同様である。
まずステップ10より制御が開始され、ステップ15に於いては各センサにより検出された操舵角θを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ20に於いては車両の横加速度Gy及び車速Vに基づいて上記式12と右辺が同一の下記の式19に従って車両の目標ヨーレートγttが演算される。また車両の実ヨーレートγと目標ヨーレートγttとの偏差としてヨーレート偏差Δγdが演算される。この場合下記の式19のスタビリティファクタKhはEEPROMに記憶されているスタビリティファクタKhの推定値に設定される。
Figure 2013129316
ステップ25に於いては基準スタビリティファクタKh00に対するスタビリティファクタKhの推定値の比がスタビリティファクタ比Rγとして演算される。この場合のスタビリティファクタKhの推定値もEEPROMに記憶されている値である。
ステップ30に於いてはKh0dを車両の個体差等のばらつきを考慮した定数として、ヨーレート偏差Δγdに基づく車両の運動制御の不感帯の基準値γ0が下記の式20に従って演算される。そして車両の運動制御の不感帯のアンダーステア側の基準値γ0uが−γ0に設定されると共に、不感帯のオーバーステア側の基準値γ0oがγ0に設定される。尚下記の式20及び後述の式21及び22のスタビリティファもEEPROMに記憶されているスタビリティファクタKhの推定値である。
γ0=|γ0d×Gy×Kh×V| ……(20)
ステップ35に於いてはスタビリティファクタ比Rγが基準値1よりも大きいか否かの判別、即ちスタビリティファクタKhの推定値が基準スタビリティファクタKh00よりも大きくなる状況であるか否かの判別が行われる。そして否定判別が行われたときには制御はステップ45へ進み、肯定判別が行われたときには、即ち車両の重量が標準積載状態の重量である場合よりも車両のステア特性がアンダーステア側であるときには、制御はステップ40へ進む。
ステップ40に於いては不感帯のアンダーステア側の基準値γ0uが下記の式21に従って演算されることにより修正され、これにより不感帯のアンダーステア側が拡張される。尚下記の式21のMAXは括弧内の値のうちの大きい方の値を選択することを意味し、このことは後述の他の式に於いても同様である。
γ0u=−|MAX{(Rγ−1),γ0d}×Gy×Kh×V| ……(21)
ステップ45に於いてはスタビリティファクタ比Rγが基準値1よりも小さいか否かの判別、即ちスタビリティファクタKhの推定値が基準スタビリティファクタKh00よりも小さくなる状況であるか否かの判別が行われる。そして否定判別が行われたときには制御はステップ80へ進み、肯定判別が行われたときには、即ち車両の重量が標準積載状態の重量である場合よりも車両のステア特性がオーバーステア側であるときには、制御はステップ50へ進む。
ステップ50に於いては不感帯のオーバーステア側の基準値γ0oが下記の式22に従って演算されることにより修正され、これにより不感帯のオーバーステア側が拡張される。
γ0o=|MAX{(1−Rγ),γ0d}×Gy×Kh×V| ……(22)
ステップ80に於いてはヨーレート偏差Δγdがγ0uよりも小さいか否かの判別により車両がアンダーステア状態にあるか否かの判別が行われる。そして否定判別が行われたときには制御はステップ90へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ85へ進む。
ステップ85に於いては車両のアンダーステア状態が低減されるよう、各車輪の制動力が制御されることにより車両のアンダーステアを抑制する制御が行われる。尚車両のアンダーステアを抑制する制御は任意の要領にて行われてよいが、例えば旋回内側後輪の制動力が旋回外側後輪の制動力よりも高くなるよう左右の後輪に制動力が付与されることにより行われてよい。
ステップ90に於いてはヨーレート偏差Δγdがγ0oよりも大きいか否かの判別により車両がオーバーステア状態にあるか否かの判別が行われる。そして否定判別が行われたときには制御はステップ15へ戻り、肯定判別が行われたときには制御はステップ80へ進む。
ステップ95に於いては車両のオーバーステア状態が低減されるよう、各車輪の制動力が制御されることにより車両のオーバーステアを抑制する制御が行われる。尚車両のオーバーステアを抑制する制御も任意の要領にて行われてよいが、例えば旋回外側前輪に制動力が付与されることにより行われてよい。
次に図3に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンについて説明する。
まずステップ110より制御が開始され、ステップ110に於いては前回の走行時にステップ290に於いて更新された最新の値がスタビリティファクタKhの初期値Kh0とされることにより、スタビリティファクタKhの初期化が行われる。なおEEPROMにスタビリティファクタKhの記憶値がない場合には、車両の出荷時に予め設定されているデフォルト値Kh00がスタビリティファクタKhの初期値Kh0とされる。
ステップ120に於いては各センサにより検出された操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ130に於いてはステップ120に於いて読み込まれた操舵角θ等に対し高周波ノイズを除去するためのローパスフィルタ処理が行われる。この場合のローパスフィルタ処理は例えば3.4Hzをカットオフ周波数とする一次のローパスフィルタ処理であってよい。
ステップ140に於いては車輪速度Vwiに基づいて車速Vが演算され、操舵角θに基づいて前輪の舵角δが演算されると共に、上記式11に従って定常規範ヨーレートγtが演算される。
ステップ150に於いては操舵応答時定数係数Tpが車両の出荷時に予め設定されているデフォルト値T00に設定される。尚車両の走行データに基づいて操舵応答時定数係数Tpが推定される場合には、操舵応答時定数係数Tpはその推定された値に設定されてよい。
ステップ160に於いては上記式12に従って操舵応答時定数係数Tpによる一次遅れのフィルタ演算が行われることにより、ステップ140にて演算された規範ヨーレートγtに基づく過渡ヨーレートγtrが演算される。
ステップ170に於いては車両の横加速度Gyに対し下記の式23に従って操舵応答時定数係数Tpによる一次遅れのフィルタ演算が行われることにより、一次遅れのフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftが演算される。
Figure 2013129316
ステップ180に於いては過渡ヨーレートγtrと実ヨーレートγとの偏差が前輪の舵角の偏差に置き換えられたヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδが下記の式24に従って演算される。
Figure 2013129316
ステップ190に於いてはステップ170に於いて演算された一次遅れのフィルタ処理後の車両の横加速度Gyft及びステップ180に於いて演算されたヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδに対しセンサの零点オフセットの影響を除去するためのハイパスフィルタ処理が行われる。この場合のハイパスフィルタ処理は例えば0.2Hzをカットオフ周波数とする一次のハイパスフィルタ処理であってよい。
上述の如くステップ130に於いてローパスフィルタ処理が行われているので、上記ハイパスフィルタ処理が行われることにより一次遅れのフィルタ処理後の車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδに対しバンドパスフィルタ処理が行われることと同様の結果が得られる。よってステップ190に於いてハイパスフィルタ処理された車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδをそれぞれバンドパスフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftbpf及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfと表記する。
ステップ200に於いては車両が旋回走行状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ120へ戻り、肯定判別が行われたときには制御はステップ210へ進む。この場合車両が旋回走行状態にあるか否かの判別は、車両が基準値以上の車速にて走行している状況にて、車両の横加速度Gyの絶対値が基準値以上であるか否か、車両の実ヨーレートγの絶対値が基準値以上であるか否か、車両のヨーレートγと車速Vとの積の絶対値が基準値以上であるか否かの何れかの判別により行われてよい。
ステップ210に於いては前サイクルのステップ230に於いて演算された現在のバンドパスフィルタ処理後のヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaを調整する必要があるか否かの判別が行われる。否定判別が行われたときには制御はステップ230へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ220へ進む。
この場合下記の(A1)又は(A2)が成立するときに、積算値Δδa及びΔGyaを調整する必要があると判定されてよい。尚(A2)は操舵応答時定数係数Tpが推定され、ステップ50に於いて操舵応答時定数係数Tpが推定された値に設定される場合の判定条件である。
(A1)積算値Δδa及びΔGyaが前回調整されたときのスタビリティファクタKhと、前サイクルのステップ250に於いて推定された現在のスタビリティファクタKhとの偏差ΔKhの絶対値がスタビリティファクタの偏差についての基準値を越えている。
(A2)積算値Δδa及びΔGyaが前回調整されたときの操舵応答時定数係数Tpと、現サイクルのステップ150に於いて設定された現在の操舵応答時定数係数Tpとの偏差ΔTpの絶対値が操舵応答時定数係数の偏差についての基準値を越えている。
ステップ220に於いてはバンドパスフィルタ処理後のヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδaの予め設定された下限値をΔδamin(正の定数)とし、バンドパスフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaの予め設定された下限値をΔGyamin(正の定数)として、下記の式25に従って調整ゲインGajが演算される。尚下記の式25のMINは括弧内の値のうちの小さい方の値を選択することを意味し、このことは同様の他の式についても同一である。
Figure 2013129316
またステップ220に於いては下記の式26及び27に従って調整後のヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaが演算される。
Δδa=現在のΔδa×Gaj ……(26)
ΔGya=現在のΔGya×Gaj ……(27)
ステップ230に於いては車両の横加速度Gyftbpfが正の値であるときには、ヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaがそれぞれ下記の式28及び29に従って演算される。
Δδa=現在のΔδa+Δδbpf ……(28)
ΔGya=現在のΔGya+Gyftbpf ……(29)
また車両の横加速度Gyftbpfが正の値ではないときには、ヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaがそれぞれ下記の式30及び31に従って演算される。
Δδa=現在のΔδa−Δδbpf ……(30)
ΔGya=現在のΔGya−Gyftbpf ……(31)
ステップ240に於いてはヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδaを車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaにて除算することにより、積算値の比Δδa/ΔGyaが演算される。
ステップ250に於いては上記式15に於けるスタビリティファクタの設計値Khdeがスタビリティファクタの初期値Kh0とされた下記の式32に従ってスタビリティファクタKhの推定値が演算される。
Kh=Kh0+(Δδa/ΔGya)/L ……(32)
ステップ290に於いてはスタビリティファクタKhの推定値がEEPROMに記憶され、これによりEEPROMに記憶されているスタビリティファクタKhの推定値が更新される。
上述の如く構成された第一の実施形態の作動に於いては、ステップ20に於いて車両の実ヨーレートγと目標ヨーレートγttとの偏差としてヨーレート偏差Δγdが演算される。そしてステップ80に於いてヨーレート偏差Δγdが不感帯のアンダーステア側の基準値γ0uよりも小さいか否かの判別により車両がアンダーステア状態にあるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときには、ステップ85に於いて車両のアンダーステア状態が低減されるよう、車両のアンダーステアを抑制する制御が行われる。
またステップ90に於いてヨーレート偏差Δγdが不感帯のオーバーステア側の基準値γ0oよりも大きいか否かの判別により車両がオーバーステア状態にあるか否かの判別が行われる。そして肯定判別が行われたときには、ステップ95に於いて車両のオーバーステア状態が低減されるよう、車両のオーバーステアを抑制する制御が行われる。
従って車両がアンダーステア状態又はオーバーステア状態になっても、それぞれアンダーステア又はオーバーステアを抑制する制御が実行されるので、車両の旋回時の走行運動を安定化させることができる。
特に第一の実施形態によれば、ステップ25に於いて基準スタビリティファクタKh00に対するスタビリティファクタKhの推定値の比がスタビリティファクタ比Rγとして演算される。またステップ30に於いてヨーレート偏差Δγdに基づく車両の運動制御の不感帯の基準値γ0が演算される。
またステップ35に於いてスタビリティファクタ比Rγが基準値1よりも大きいか否かの判別により、車両の重量が標準積載状態の重量である場合よりも車両のステア特性がアンダーステア側であるか否かの判別が行われる。そして肯定判別が行われたときには、ステップ40に於いて不感帯のアンダーステア側が拡張される。
またステップ45に於いてスタビリティファクタ比Rγが基準値1よりも小さいか否かの判別により、車両の重量が標準積載状態の重量である場合よりも車両のステア特性がオーバーステア側であるか否かの判別が行われる。そして肯定判別が行われたときには、ステップ50に於いて不感帯のオーバーステア側が拡張される。
図4はスタビリティファクタ比Rγが異なる三つの場合について、同一の旋回状況に於ける車両のヨーレート偏差Δγdの変化を示している。特に(A)はスタビリティファクタ比Rγが1の場合を示し、(B)はスタビリティファクタ比Rγが1より大きい場合を示し、(C)はスタビリティファクタ比Rγが1より小さい場合を示している。
図4(B)に示されている如く、スタビリティファクタ比Rγが1より大きい場合には、車両がアンダーステア状態にあるか否かの判定に於ける基準値が負の値であって絶対値がγ0よりも大きいに修正される。また図4(C)に示されている如く、スタビリティファクタ比Rγが1より小さい場合には、車両がオーバーステア状態にあるか否かの判定に於ける基準値がγ0よりも大きい正の値に修正される。
従って例えば車両の重量が標準積載状態の重量よりも高く、車両のステア特性が標準のステア特性よりもアンダーステア側である状況に於いて、不必要に車両がアンダーステア状態にあると判定される虞れを低減することができる。よってアンダーステア抑制制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。また不感帯のオーバーステア側は拡張されないので、車両がオーバーステア状態になったときには、そのことを速やかに検出し、車両のオーバーステアを速やかに抑制することができる。
また例えば車両の重量が標準積載状態の重量よりも低く、車両のステア特性が標準のステア特性よりもオーバーステア側である状況に於いて、不必要に車両がオーバーステア状態にあると判定される虞れを低減することができる。よってオーバーステア抑制制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。また不感帯のアンダーステア側は拡張されないので、車両がアンダーステア状態になったときには、そのことを速やかに検出し、車両のアンダーステアを速やかに抑制することができる。
[第二の実施形態]
図5は本発明による車両の運動制御装置の第二の実施形態に於ける運動制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図5に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。このことは後述の図7についても同様である。
この第二の実施形態に於いては、ステップ35に於いて肯定判別が行われたときには、ステップ55に於いて下記の式33に従ってヨーレート偏差Δγdをオーバーステア側へ補正するための補正量Δγdoが演算される。そしてステップ20に於いて演算されたヨーレート偏差Δγdに補正量Δγdoが加算されることにより補正後のヨーレート偏差Δγdaが演算される。
Δγdo=|MAX{(Rγ−1),γ0d}×Gy×Kh×V|−γ0 ……(33)
またステップ45に於いて肯定判別が行われたときには、ステップ60に於いて下記の式34に従ってヨーレート偏差Δγdをアンダーステア側へ補正するための補正量Δγduが演算される。そしてステップ20に於いて演算されたヨーレート偏差Δγdに補正量Δγduが加算されることにより補正後のヨーレート偏差Δγdaが演算される。
Δγdu=γ0−|MAX{(1−Rγ),γ0d}×Gy×Kh×V| ……(34)
またステップ55に於いて補正後のヨーレート偏差Δγdaが演算されたときには、ステップ80に於ける車両がアンダーステア状態にあるか否かの判別はオーバーステア側へ補正された補正後のヨーレート偏差Δγdaに基づいて行われる。しかしステップ90に於ける車両がオーバーステア状態にあるか否かの判別はステップ20に於いて演算されたヨーレート偏差Δγdに基づいて行われる。
更にステップ60に於いて補正後のヨーレート偏差Δγdaが演算されたときには、ステップ80に於ける車両がアンダーステア状態にあるか否かの判別はステップ20に於いて演算されたヨーレート偏差Δγdに基づいて行われる。しかしステップ90に於ける車両がオーバーステア状態にあるか否かの判別はアンダーステア側へ補正された補正後のヨーレート偏差Δγdaに基づいて行われる。
図6は図4と同様にスタビリティファクタ比Rγが異なる三つの場合(A)〜(C)について、同一の旋回状況に於ける車両のヨーレート偏差Δγdの変化を示している。
図6(B)に示されている如く、スタビリティファクタ比Rγが1より大きい場合には、車両がアンダーステア状態にあるか否かの判定はオーバーステア側へ補正された補正後のヨーレート偏差Δγdaに基づいて行われる。また図4(C)に示されている如く、スタビリティファクタ比Rγが1より小さい場合には、車両がオーバーステア状態にあるか否かの判定はアンダーステア側へ補正された補正後のヨーレート偏差Δγdaに基づいて行われる。
従って例えば車両の重量が標準積載状態の重量よりも高く、車両のステア特性が標準のステア特性よりもアンダーステア側である状況に於いて、不必要に車両がアンダーステア状態にあると判定される虞れを低減することができる。よってアンダーステア抑制制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。また不車両がオーバーステア状態にあるか否かの判別は車両のヨーレート偏差Δγdに基づいて行われるので、車両がオーバーステア状態になったときには、そのことを速やかに検出し、車両のオーバーステアを速やかに抑制することができる。
また例えば車両の重量が標準積載状態の重量よりも低く、車両のステア特性が標準のステア特性よりもオーバーステア側である状況に於いて、不必要に車両がオーバーステア状態にあると判定される虞れを低減することができる。よってオーバーステア抑制制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。また車両がアンダーステア状態にあるか否かの判別は車両のヨーレート偏差Δγdに基づいて行われるので、車両がアンダーステア状態になったときには、そのことを速やかに検出し、車両のアンダーステアを速やかに抑制することができる。
[第三の実施形態]
図7は本発明による車両の運動制御装置の第三の実施形態に於ける運動制御ルーチンを示すフローチャートである。
この第三の実施形態に於いては、ステップ15の次にステップ20に代えてステップ21が実行され、ステップ21に於いては車両の横加速度Gy及び車速Vに基づいて上記式19に従って車両の目標ヨーレートγttが演算される。
またステップ35に於いて肯定判別が行われたときには、ステッ65に於いて下記の式35に従って目標ヨーレートγttを低減補正するための補正量Δγttが演算される。そしてステップ21に於いて演算された目標ヨーレートγttが正の値であるときには、目標ヨーレートγttより補正量Δγttが減算されることにより目標ヨーレートγttが修正される。また目標ヨーレートγttが負の値であるときには、目標ヨーレートγttに補正量Δγttが加算されることにより目標ヨーレートγttが補正される。
Δγtt=|MAX{(Rγ−1),γ0d}×Gy×Kh×V|−γ0 ……(35)
またステップ45に於いて肯定判別が行われたときには、ステッ70に於いて下記の式36に従って目標ヨーレートγttを増大補正するための補正量Δγttが演算される。そしてステップ21に於いて演算された目標ヨーレートγttが正の値であるときには、目標ヨーレートγttに補正量Δγttが加算されることにより目標ヨーレートγttが修正される。また目標ヨーレートγttが負の値であるときには、目標ヨーレートγttより補正量Δγttが減算されることにより目標ヨーレートγttが補正される。
Δγtt=γ0−|MAX{(1−Rγ),γ0d}×Gy×Kh×V| ……(36)
図8は図4と同様にスタビリティファクタ比Rγが異なる三つの場合(A)〜(C)について、同一の旋回状況に於ける車両のヨーレート偏差Δγdの変化を示している。
図8(B)に示されている如く、スタビリティファクタ比Rγが1より大きい場合には、ヨーレート偏差Δγdはオーバーステア側へシフトされ、そのシフトされたヨーレート偏差Δγdに基づいて車両がアンダーステア状態にあるか否かの判定が行われる。また図8(C)に示されている如く、スタビリティファクタ比Rγが1より小さい場合には、ヨーレート偏差Δγdはアンダーステア側へシフトされ、そのシフトされたヨーレート偏差Δγdに基づいて車両がオーバーステア状態にあるか否かの判定が行われる。
従って例えば車両の重量が標準積載状態の重量よりも高く、車両のステア特性が標準のステア特性よりもアンダーステア側である状況に於いて、不必要に車両がアンダーステア状態にあると判定される虞れを低減することができる。よってアンダーステア抑制制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。また不車両がオーバーステア状態にあるか否かの判別もオーバーステア側へシフトされたヨーレート偏差Δγdに基づいて行われる。よって車両がオーバーステア状態になったときには、第一及び第二の実施形態の場合よりも速やかにそのことを検出し、車両のオーバーステアを速やかに抑制することができる。
また例えば車両の重量が標準積載状態の重量よりも低く、車両のステア特性が標準のステア特性よりもオーバーステア側である状況に於いて、不必要に車両がオーバーステア状態にあると判定される虞れを低減することができる。よってオーバーステア抑制制御が不必要に実行される虞れを低減することができる。また車両がアンダーステア状態にあるか否かの判別もアンダーステア側へシフトされたヨーレート偏差Δγdに基づいて行われる。よって車両がアンダーステア状態になったときにも、第一及び第二の実施形態の場合よりも速やかにそのことを検出し、車両のアンダーステアを速やかに抑制することができる。
尚上述の特許文献1に記載されたに車両の運動制御に於いては、車両のスタビリティファクタKhが推定されると、スタビリティファクタKhの推定値の収束度Ckhが演算され、収束度Ckhに基づいて車両の運動制御の不感帯が可変設定される。特に収束度Ckhが低くスタビリティファクタKhの推定精度が低いときには、車両の運動制御の不感帯を大きくされ、正確ではないスタビリティファクタKhの推定値に基づく制御量にて不正確な車両の運動制御が行われることが防止される。従って収束度Ckhが低くスタビリティファクタKhの推定精度が低いときには、車両の運動制御が開始されにくくなってしまう。
これに対し上述の第一乃至第三の実施形態によれば、スタビリティファクタの推定値の収束度に基づいて車両の運動制御の不感帯が可変設定されるのではなく、車両のステア特性の変化に起因する不必要な運動制御の開始が抑制されるだけである。よって運動制御が必要な状況に於いては運動制御を遅れなく開始させることができる。
また上述の第一乃至第三の実施形態に於いては、図3に示されたフローチャートに従ってスタビリティファクタKhの推定値が演算される。
即ちステップ140に於いて定常規範ヨーレートγtが演算され、ステップ160に於いて定常規範ヨーレートγtに基づき過渡ヨーレートγtrが演算される。またステップ170に於いて一次遅れのフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftが演算され、ステップ180に於いて過渡ヨーレートγtrと実ヨーレートγとの偏差が前輪の舵角の偏差に置き換えられたヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδが演算される。
ステップ190に於いて車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδに対しハイパスフィルタ処理が行われることにより、バンドパスフィルタ処理後の実ヨーレートγbpfが演算される。そしてバンドパスフィルタ処理後の実ヨーレートγbpfと過渡ヨーレートγtrbpfとの偏差の大きさが前輪の舵角の偏差の大きさに置き換えられた値としてバンドパスフィルタ処理後のヨーレート偏差指標値の前輪舵角偏差換算値Δδbpfが演算される。
そしてステップ230に於いてヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaが演算される。またステップ240に於いてヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδaを車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaにて除算することにより、積算値の比Δδa/ΔGyaが演算される。
更にステップ250に於いて定常規範ヨーレートγtの演算に供されたスタビリティファクタKhの初期値Kh0と、積算値の比Δδa/ΔGyaに基づく修正量との和として、スタビリティファクタKhの推定値が演算される。
かくして上述の各実施形態によれば、車両の過渡ヨーレートγtrが真のヨーレートに近づくよう、車両の定常規範ヨーレートγtの演算に供されたスタビリティファクタの初期値をヨーレートの偏差と車両の横加速度との関係に基づいて修正した値としてスタビリティファクタKhの推定値を演算することができる。よってスタビリティファクタの推定値が真のスタビリティファクタに近づくようスタビリティファクタの推定値を修正し、これにより真のスタビリティファクタに近い値としてスタビリティファクタの推定値を求めることができる。
特に上述の各実施形態によれば、ステップ130にてローパスフィルタ処理された操舵角θ等に基づいて定常規範ヨーレートγtが演算される。そしてステップ190に於いて車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδに対しハイパスフィルタ処理が行われることにより、バンドパスフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftbpf及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfが演算される。更にステップ230に於いてヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaが演算され、ステップ240に於いてそれらの比として積算値の比Δδa/ΔGyaが演算される。
従って検出される操舵角θ等に含まれる高周波ノイズを除去することができるだけでなく、ヨーレートセンサ36等の零点オフセットの影響を除去することができる。よってセンサの零点オフセットの影響を排除して車両の横加速度Gyftbpf及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfを演算することができるので、ハイパスフィルタ処理が行われない場合に比してスタビリティファクタKhを正確に推定することができる。また定常規範ヨーレートγtの演算に供される操舵角θ、横加速度Gy及び実ヨーレートγに対しハイパスフィルタ処理が行われる場合に比して、ハイパスフィルタ処理の回数を低減することができ、これにより電子制御装置30の演算負荷を低減することができる。
尚、操舵角θ等に対しローパスフィルタ処理されることなく車両の横加速度Gy及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδに対しバンドパスフィルタ処理が行われてもよい。その場合には高周波ノイズを効果的に除去しつつ、スタビリティファクタKhを正確に推定することができると共に、上述の各実施形態の場合に比してフィルタ処理に要する演算の回数を低減することができ、これにより電子制御装置30の演算負荷を低減することができる。
また上述の各実施形態によれば、バンドパスフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGya及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδaに基づいて、定常規範ヨーレートγtの演算に供されたスタビリティファクタKhの初期値Kh0に対する修正量を演算するための比Δδa/ΔGyaが演算される。
従ってバンドパスフィルタ処理後の車両の横加速度Gyftbpf及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfに基づいて修正量を演算するための比Δδbpf/ΔGyftbpfが求められる場合に比して、車両の横加速度Gyftbpf若しくはヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの瞬間的な変動に起因してスタビリティファクタKhが不正確に推定される虞れを低減することができる。
また上述の各実施形態によれば、積算値Δδaは過渡ヨーレートγtrと実ヨーレートγとの偏差が前輪の舵角の偏差に置き換えられたヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδの積算値である。従って車速Vの影響を受けることなくスタビリティファクタKhを推定することができる。よってヨーレート偏差指標値の積算値が例えば過渡ヨーレートγtrと実ヨーレートγとの偏差の積算値である場合に比して、スタビリティファクタKhを正確に推定することができる。また車速V毎にスタビリティファクタKhを推定したり、目標ヨーレートγttの演算に供されるスタビリティファクタKhを車速Vによって変更したりする煩雑さを回避し、必要な演算回数や記憶手段の容量を低減することができる。
また上述の各実施形態によれば、ステップ210に於いてはヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaを調整する必要があるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときにはステップ220に於いて1以下の調整ゲインGajが演算される。そして調整ゲインGajにて調整された後のヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaが演算される。
従って例えば車両の積載状況が大きく変化することにより、前回積算値Δδa及びΔGyaが調整されたときのスタビリティファクタKhと、前サイクルのステップ250に於いて推定された現在のスタビリティファクタKhとの偏差ΔKhの大きさが大きくなったような状況に於いて、それ以前のヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaがスタビリティファクタKhの推定に悪影響を及ぼすことを確実に防止することができる。
また上述の各実施形態によれば、ステップ220に於いてヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδa及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaに基づいて式21に従って調整ゲインGajが演算される。従ってヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδbpfの積算値Δδaの大きさ及び車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaの大きさに応じて調整ゲインGajを可変設定することができる。よって調整ゲインGajが一定である場合に比して、調整ゲインGajが大きすぎることに起因してスタビリティファクタの推定誤差が大きくなる虞れを低減することができると共に、逆に調整ゲインGajが小さすぎることに起因してスタビリティファクタの推定のS/N比が低下する虞れを低減することができる。
また上述の各実施形態によれば、ステップ280に於いてスタビリティファクタKhの推定値の記憶が許可される状況であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにステップ290に於いてスタビリティファクタKhの推定値がEEPROMに記憶される。従ってスタビリティファクタKhの推定値が実際のスタビリティファクタに実質的に一致した段階でスタビリティファクタKhの推定値をEEPROMに記憶することができる。換言すれば、スタビリティファクタKhの推定値が実質的に実際のスタビリティファクタに一致するまで、スタビリティファクタKhの推定値をEEPROMに不必要に記憶することなくスタビリティファクタKhの推定を繰り返してスタビリティファクタKhの推定値を漸次実際のスタビリティファクタに近づけることができる。
また上述の各実施形態によれば、ステップ200に於いて車両が旋回走行状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにステップ210以降が実行される。従って車両が旋回走行状態にはなく、スタビリティファクタKhの正確な推定ができない状況に於いてステップ210以降が不必要に実行されること及びスタビリティファクタKhが不正確に推定されることを防止することができる。
[第一の修正例]
図9は第一及び第二の実施形態を一部修正する第一の修正例に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンの要部を示すフローチャートである。尚図9に於いて、図3に示されたステップに対応するステップには図3に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、このことは後述の他の修正例のフローチャートについても同様である。
この第一の修正例に於いては、ステップ180が完了すると、ステップ182に於いて単位時間当たりの運転者による往復操舵の回数が操舵周波数fsとして演算される。また操舵周波数fsが低いほどステップ190に於けるハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcが小さくなるよう、操舵周波数fsに基づき図10に示されたグラフに対応するマップよりカットオフ周波数fhcが演算される。
そしてステップ190に於ける車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδのハイパスフィルタ処理に於いては、カットオフ周波数がステップ82に於いて演算されたカットオフ周波数fhcに設定される。
上述の第一乃至第三の実施形態に於いては、ステップ190に於けるハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcは一定である。従ってセンサの零点オフセットの影響が確実に除去されるようカットオフ周波数fhcが高い値に設定されると、単位時間当たりの運転者による往復操舵の回数が少ない状況に於いてスタビリティファクタKhを推定することができなくなる虞れがある。逆にカットオフ周波数fhcが低い値に設定されると、単位時間当たりの運転者による往復操舵の回数が多い状況に於いてセンサの零点オフセットの影響を効果的に除去することができなくなる虞れがある。
これに対し第一の修正例によれば、操舵周波数fsが低いほどカットオフ周波数fhcが小さくなるよう、操舵周波数fsに応じてカットオフ周波数fhcが可変設定される。従って単位時間当たりの運転者による往復操舵の回数が多い状況に於いてセンサの零点オフセットの影響を効果的に除去しつつ、単位時間当たりの運転者による往復操舵の回数が少ない状況に於いてスタビリティファクタKhを推定することができなくなることを防止することができる。
尚カットオフ周波数fhcは操舵周波数fsに基づきマップより演算されるようになっているが、操舵周波数fsの関数として演算されてもよい。
[第二の修正例]
図11は第一乃至第三の実施形態を一部修正する第二の修正例に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンの要部を示すフローチャートである。
この第二の修正例に於いては、ステップ180が完了すると、ステップ184に於いて単位時間当たりの運転者による往復操舵の回数が操舵周波数fsとして演算される。また操舵周波数fsが低いほどハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcが小さくなると共に、車両の前後加速度Gxの絶対値が大きいほどハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcが大きくなるよう、操舵周波数fs及び車両の前後加速度Gxの絶対値に基づき図12に示されたグラフに対応するマップよりカットオフ周波数fhcが演算される。
そしてステップ190に於ける車両の横加速度Gyft及びヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値Δδのハイパスフィルタ処理に於いては、カットオフ周波数がステップ184に於いて演算されたカットオフ周波数fhcに設定される。
操舵角センサ34の零点オフセットに起因する前輪の舵角δの誤差をδ0とし、横加速度センサ40の零点オフセットに起因する車両の横加速度Gyの誤差をGy0とする。またヨーレートセンサ36の零点オフセットに起因する車両のヨーレートγの誤差をγ0とする。これらの誤差を考慮すると、前輪の舵角の偏差Δδtは上記式17にて表される。
よってセンサの零点オフセットの影響は上記式17の第2項乃至第4項、即ちδ0−KhdeGy0L−γ0L/Vである。従って車速Vの変化、即ち車両の前後加速度Gxの大きさが大きいほど、定常規範ヨーレートγtの変化に与えるセンサの零点オフセットの影響が大きくなり、逆に車両の前後加速度Gxの大きさが小さいほど、定常規範ヨーレートγtの変化に与えるセンサの零点オフセットの影響が小さくなる。
第二の修正例によれば、車両の前後加速度Gxの絶対値が大きいほどハイパスフィルタ処理のカットオフ周波数fhcが大きくなるよう、車両の前後加速度Gxの絶対値にも基づいてカットオフ周波数fhcが可変設定される。従って上述の第一の修正例と同様の作用効果が得られると共に、車速Vの変化に拘らずセンサの零点オフセットの影響を効果的に除去することができる。
尚カットオフ周波数fhcは操舵周波数fs及び車両の前後加速度Gxの絶対値に基づきマップより演算されるようになっているが、操舵周波数fs及び車両の前後加速度Gxの絶対値の関数として演算されてもよい。
[第三の修正例]
図13は第一及び第二の実施形態を一部修正する第三の修正例に於けるスタビリティファクタKhの推定演算ルーチンの要部を示すフローチャートである。
この第三の修正例に於いては、ステップ200に於いて車両が旋回走行状態にあると判定されると、ステップ210に先立ってステップ205が実行される。ステップ205に於いては車両が高い信頼性にてスタビリティファクタKhを推定し得る状況にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ20へ戻り、肯定判別が行われたときには制御はステップ210へ進む。
この場合下記の(B1)及び(B2)が成立するときに、車両が高い信頼性にてスタビリティファクタKhを推定し得る状況にあると判定されてよい。
(B1)走行路が悪路ではない。
(B2)制動中ではない。
尚B1の条件は、悪路に於いては実ヨーレートγにノイズが畳重すること、路面に対するタイヤのグリップ状態が変動し易いことを考慮したものである。またB2の条件は、上記式11による定常規範ヨーレートγtの演算に於いては制動力の影響がないことが前提となっていることを考慮したものである。
従って第三の修正例によれば、車両が高い信頼性にてスタビリティファクタKhを推定し得る状況にあるか否かの判別が行われない第一及び第二の実施形態や第一及び第二の修正例の場合に比して、スタビリティファクタKhを精度よく推定することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えばステップ35に於いてスタビリティファクタ比Rγが基準値1+γ0dよりも大きいか否かの判別が行われ、ステップ40に於いて下記の式37に従って不感帯のアンダーステア側の基準値γ0uが演算されてもよい。
γ0u=−(Rγ−1−γ0d)×Gy×Kh×V| ……(37)
同様にステップ45に於いてスタビリティファクタ比Rγが基準値1+γ0dよりも小さいか否かの判別が行われ、ステップ50に於いて下記の式38に従って不感帯のオーバーステア側の基準値γ0oが演算されてもよい。
γ0o=(1+γ0d−Rγ)×Gy×Kh×V| ……(38)
また上述の各実施形態及び各修正例に於いては、ステップ180に於いて過渡ヨーレートγtrと実ヨーレートγとの偏差が前輪の舵角の偏差に置き換えられたヨーレート偏差の前輪舵角偏差換算値が演算されるようになっている。しかし過渡ヨーレートγtrと実ヨーレートγとの偏差がハイパスフィルタ処理されることによりバンドパスフィルタ処理後のヨーレート偏差Δγbpfが演算され、積算値の比Δδa/ΔGyaに代えて車両の横加速度Gyftbpfの積算値ΔGyaに対するヨーレート偏差Δγbpfの積算値Δγaの比が演算され、積算値の比Δγbpf/ΔGyaに基づいて下記の式39に従ってスタビリティファクタKhの推定値が演算されてもよい。
Kh=Kh0+(Δγbpf/ΔGya)/V ……(39)
また式39に従ってスタビリティファクタKhの推定値が演算される場合には、複数の車速域が設定され、各車速域毎にスタビリティファクタKhの推定値が演算されることが好ましい。またスタビリティファクタKhの推定値の収束度も各車速域毎に演算され、これにより各車速域毎に車両の運動制御の不感帯が可変設定されることが好ましい。更に車両の運動制御に於ける目標ヨーレートの演算に供されるスタビリティファクタKhも各車速域毎に推定された値に設定されることが好ましい。
また上述の各実施形態及び各修正例に於いては、調整ゲインGajは1以下の範囲内にて第一の調整ゲイン(Δδamin/|現在のΔδa|)及び第二の調整ゲイン(ΔGyamin/|現在のΔGya|)のうちの大きい方に設定されるようになっている。しかし第一及び第二の調整ゲインの一方が省略され、第一及び第二の調整ゲインの他方が調整ゲインGajとされるよう修正されてもよい。
16…パワーステアリング装置、20…制動装置、30…電子制御装置、36…ヨーレートセンサ、38…前後加速度センサ、40…横加速度センサ、44…エンジン制御装置、46…アクセル開度センサ、50…運動制御装置

Claims (8)

  1. 車両のスタビリティファクタの推定値を演算し、前記スタビリティファクタの推定値に基づいて車両の目標ヨーレートを演算し、車両の実ヨーレートと前記目標ヨーレートとの偏差に基づいて車両の運動を制御する車両の運動制御装置に於いて、車両の基準重量について予め設定された基準スタビリティファクタと前記スタビリティファクタの推定値との大小関係に基づいて前記運動制御の不感帯、前記ヨーレート偏差、前記目標ヨーレートの少なくとも一つを修正することを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 前記基準スタビリティファクタは車両の無積載状態について予め設定された値であることを特徴とする請求項1に記載の車両の運動制御装置。
  3. 前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも大きいときには、前記運動制御の不感帯のアンダーステア側を拡張し、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも小さいときには、前記運動制御の不感帯のオーバーステア側を拡張することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の運動制御装置。
  4. 前記運動制御の不感帯の拡張量は前記基準スタビリティファクタに対する前記スタビリティファクタの推定値の比と1との差の大きさが大きいときには前記差の大きさが小さいときに比して大きいことを特徴とする請求項3に記載の車両の運動制御装置。
  5. 前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも大きいときには、前記ヨーレートの偏差をオーバーステア側へ修正し、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも小さいときには、前記ヨーレートの偏差をアンダーステア側へ修正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の運動制御装置。
  6. 前記ヨーレートの偏差の修正量は前記基準スタビリティファクタに対する前記スタビリティファクタの推定値の比と1との差の大きさが大きいときには前記差の大きさが小さいときに比して大きいことを特徴とする請求項5に記載の車両の運動制御装置。
  7. 前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも大きいときには、前記目標ヨーレートをその絶対値が大きくなるよう修正し、前記スタビリティファクタの推定値が前記基準スタビリティファクタよりも小さいときには、前記目標ヨーレートをその絶対値が小さくなるよう修正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の運動制御装置。
  8. 前記目標ヨーレートの修正量は前記基準スタビリティファクタに対する前記スタビリティファクタの推定値の比と1との差の大きさが大きいときには前記差の大きさが小さいときに比して大きいことを特徴とする請求項7に記載の車両の運動制御装置。
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