JP2013128825A - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定心拍時相における投影データを撮像系の回動方向に対して連続して生成し、
得られた投影データを再構成処理することにより良質なボリュームデータを生成する。
【解決手段】X線発生部1とX線検出部2を備えた撮像系を被検体150の周囲で複数回
回動させ、各回動において所定心拍時相における投影データを生成する。そして、画像再
構成回路73は、前記回動方向において略連続して生成された投影データを再構成処理し
てボリュームデータを生成する。このとき、回動開始タイミング設定回路31は、各回動
の開始タイミングをECGユニット10から得られるECG信号に基づいて設定すること
によって所定心拍時相における撮像系の回動位置を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明はX線診断装置及びX線撮像方法に係り、特にX線発生部及びX線検出部を回動
して得られた投影データを再構成処理してX線画像データの生成を行なうX線診断装置に
関する。
X線診断装置やMRI装置、あるいはX線CT装置などを用いた医用画像診断技術は、
1970年代のコンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において
必要不可欠なものとなっている。
X線診断は、近年ではカテーテル手技の発展に伴い循環器分野を中心に進歩を遂げてい
る。循環器診断用のX線診断装置は、通常、X線発生部とX線検出部、これらを保持する
保持機構と、寝台(天板)及び信号処理部を備えている。そして、保持機構はCアームあ
るいはΩアームが用いられ、天板片持ち方式の寝台と組み合わせることによって患者(以
下では、被検体と呼ぶ)に対して最適な位置や角度からのX線撮影を可能にしている。
X線診断装置のX線検出部に用いられる検出器は、従来、X線フィルムやI.I.(イ
メージ・インテンシファイア)が使用されてきた。このI.I.を用いたX線撮像方法で
は、X線発生部のX線管から発生したX線によって被検体を照射し、このとき被検体を透
過して得られるX線投影データ(以下、投影データと呼ぶ)は、I.I.において光学画
像に変換され、更に、この光学画像はX線TVカメラによって撮影され電気信号に変換さ
れる。そして、電気信号に変換された投影データはA/D変換後、モニタに表示される。
このため、I.I.を用いた撮像方法は、フィルム方式では不可能であったリアルタイム
撮影を可能とし、又、デジタル信号で投影データの収集ができるため、種々の画像処理が
可能となった。
一方、前記I.I.に替わるものとして、近年、2次元配列の平面検出器が注目を集め
、その一部は既に実用化の段階に入っている。この平面検出器を備えたX線検出部とX線
発生部を対向させて保持機構(Cアーム)に固定し、被検体の体軸と略平行な軸を中心と
して回動させながら投影データを収集する方法が提案されている(例えば、特許文献1参
照。)。
特許文献1に記載されている方法では、回動するX線発生部により被検体の複数の方向
からコーンビーム形状(2次元的に広がったビーム形状)のX線を順次照射し、被検体の
後方に配置されたX線検出部の平面検出器によって透過X線量の検出を行なう。そして、
得られた透過X線量から投影データを生成し、更に、この投影データに対して再構成処理
を行なって3次元データ(以下では、ボリュームデータと呼ぶ)の生成を行なっている。
特開2002−263093号公報
ところで、上述のX線診断装置における撮像系の回動速度は、通常40度/秒乃至60
度/秒であり、例えばファン角度が20度の場合に180度+ファン角度の回動に要する
時間は3秒乃至5秒となる。このような回動速度を有する撮像系を用いて180度+ファ
ン角度の回動範囲における心臓等の投影データを収集する場合、心臓の拍動数は1回/秒
乃至2回/秒ゆえ、撮像系が上記回動範囲を回動する間に心臓は3回乃至10回の拍動を
行なう。
即ち、撮像系の回動速度は、心臓の拍動に対して十分速くないために心臓の異なる心拍
時相における投影データが収集され、従って、これらの投影データを用いた再構成処理に
よって得られるボリュームデータにおいて心臓の動きによるアーチファクトが生ずる。こ
のような問題点に対し、上述の特許文献1ではその解決方法が記載されていない。
一方、心臓のように周期的な拍動を行なう臓器に対する撮影方法として心拍同期法が従
来より知られており、特に臓器の動きが比較的小さい拡張末期あるいは収縮末期において
投影データを収集することにより良質な再構成画像データの生成が可能となる。
但し、心臓の動きが少ない拡張末期や収縮末期の期間は心拍周期の約30%乃至40%
に過ぎず、残りの60%乃至70%の期間では投影データを収集することができない。こ
のため限られた方向からの投影データを用いて再構成処理を行なうため、得られたボリュ
ームデータにおいて顕著なアーチファクトが発生し、診断能が大幅に低下する。
図10は、上記の問題点を説明するための図であり、図10(a)は、心電波形(以下
では、ECG信号と呼ぶ。)のR波(R1、R2、R3・・・)に基づいて設定された拡
張末期T11,T12、T13、・・・におけるX線撮影タイミングt1乃至t3、t4
乃至t6、t7乃至t9、・・・・を示している。
一方、X線診断装置の撮像系に設けられたX線発生部とX線検出部は、図10(b)に
示すように被検体を挟んで対向配置され、更に、この被検体の周囲で所定の速度で回動す
る。従って、図10(a)のX線照射タイミングt1乃至t3においてX線発生部はA1
乃至A3に位置し、これらの位置において対向するX線検出部に対しX線を照射する。
同様にして、ECG信号のR2、R3,・・・によって設定された拡張末期T12,T
13・・・におけるX線照射タイミングt4乃至t6、t7乃至t9において、A4乃至
A6,A7乃至A9に位置したX線発生部はX線検出部に対しX線を放射する。
例えば、ファン角度φ0を20度とした場合に投影データの収集に必要な撮影範囲θ0
は200度となり、この撮影範囲θ0の約40%において拡張末期の投影データが収集さ
れる。従って、例えば1度単位で撮像系を回動させながら投影データを収集する場合、上
記の回動範囲θ0では80の投影データが収集される。即ち、拡張末期の投影データのみ
を収集して再構成処理を行なう場合、そのデータ数は大幅に減少し、しかもこれらのデー
タは不等間隔で得られるため、再構成処理によって得られたボリュームデータや画像デー
タにおいて許容できないアーチファクトが発生する。
一方、多方向から得られた投影データを再構成処理してボリュームデータを生成するX
線CTでは、例えば特開2001−187048号公報に記載されているように、所定の
心拍時相における投影データを複数セグメントに分けて収集する方法が提案されているが
、X線診断装置における撮像系の回動速度はX線CT装置におけるガントリの回転速度に
較べて極めて遅いためセグメント再構成を行なうことは困難である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像系を被検
体の周囲に設定された所定の回動経路に沿って複数回の回動を繰り返しながらX線撮影を
行なうことにより前記被検体の所定心拍時相における投影データを回動方向に略連続して
生成し、この投影データを再構成処理することにより高画質なX線画像データの生成が可
能なX線診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のX線診断装置は、被検体に対して
X線の照射と検出を行なう撮像手段と、この撮像手段を前記被検体の周囲に設定された所
定の回動経路に沿って複数回の回動を行なう回動手段と、前記被検体の心拍情報と前記撮
像手段の回動位置情報に基づいて、前記被検体の所定心拍時相においてX線照射を制御す
る照射制御手段と、前記照射制御手段の制御によってX線の照射と検出を行なうことによ
り投影データを生成する投影データ生成手段と、生成された前記投影データを再構成処理
してボリュームデータを生成する再構成処理手段と、を備え、前記照射制御手段は、前記
被検体の所定心拍時相における前記複数回の回動による回動位置の一部が重なり合うよう
に制御し、その重なり合う場所ではX線照射を行わないように制御することを特徴として
いる。
本発明の実施例におけるX線診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例におけるX線発生部及びX線検出部の回動方向を示す図。 同実施例におけるX線発生部の回動範囲を示す図。 心拍周期の拡張期及び収縮期における左室容積変化曲線とECG信号を示す図。 本発明の実施例における被検体の心拍時相と撮像系の回動位置及び撮像位置を示す図。 同実施例の撮像系による複数回の回動と各々の回動における撮像位置を示す図。 同実施例における回動開始タイミングの設定方法を示す図。 同実施例における画像データの生成手順を示すフローチャート。 本実施例の変形例における撮像系の回動方向を示す図。 従来の投影データ収集方法における問題点を説明するための図。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の実施例では、X線発生部とX線検出部を備えた撮像系を被検体の
周囲に設定された所定の回動経路に沿って複数回(N回)回動させ、各回動において前記
被検体の所定心拍時相(拡張末期)における投影データを生成する。そして、N回の回動
により回動方向に略連続した投影データを生成し、この投影データに対して再構成処理を
行なってボリュームデータを生成する。
(装置の構成)
本発明の実施例におけるX線診断装置の構成につき図1乃至図7を用いて説明する。但
し、図1は、X線診断装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示した本実施例のX線診断装置100は、被検体150に対しX線を照射するた
めのX線発生部1と、このX線発生部1におけるX線照射に必要な高電圧を供給する高電
圧発生部4と、被検体150を透過した投影データを検出するX線検出部2と、X線発生
部1及びX線検出部2を保持する保持部6と、この保持部6を移動させX線発生部1とX
線検出部2を被検体150の周囲で回動させるための機構部3と、この機構部3から供給
されるX線発生部1及びX線検出部2の回動位置情報と後述のECGユニット10から供
給される被検体150の心拍情報(ECG波形)に基づいてX線照射を制御する照射制御
部5を備えている。
又、X線診断装置100は、X線検出部2で生成された投影データを再構成処理してボ
リュームデータを生成し、更に、このボリュームデータから2次元画像データあるいは3
次元画像データを生成する画像演算・記憶部7と、これらの画像データを表示する表示部
8と、被検体情報や各種コマンドの入力、撮影条件の設定、更には、画像表示モードの選
択等を行なう操作部9と、被検体150に対してECG信号を収集するECGユニット1
0と、上述の各ユニットを統括して制御するシステム制御部11を備えている。
X線発生部1は、被検体150に対しX線を照射するX線管15と、X線管15から照
射されたX線に対してX線錘(コーンビーム)を形成するX線絞り器16を備えている。
X線管15は、X線を発生する真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された電子
を高電圧によって加速させてタングステン陽極に衝突させX線を発生する。又、X線絞り
器16は、X線管15と被検体150の間に位置し、X線管15から照射されたX線ビー
ムをX線検出部2における所定サイズの照射範囲に絞り込む機能を有している。
次に、X線検出部2は、既に述べたX線I.I.を用いた方式や微小なX線検出器を2
次元配列した、所謂X線平面検出器を用いた方式等がある。以下では、X線I.I.を用
いた方式について述べるが、この方式に限定されるものではなく、X線平面検出器等を用
いた他の方式であっても構わない。
即ち、X線検出部2は、X線I.I.21と、X線テレビカメラ22と、A/D変換器
23を備えている。そして、X線I.I.21は、被検体150を透過したX線を可視光
に変換し、更に、光−電子−光変換の過程で輝度の増倍を行なって感度のよい投影データ
を生成する。一方、X線テレビカメラ22は、CCD撮像素子を用いて上述の光学的な投
影データを電気信号に変換し、A/D変換器23は、X線テレビカメラ22から出力され
た時系列的な電気信号(ビデオ信号)をデジタル信号に変換する。
次に、機構部3は、ECGユニット10から供給される被検体150の心拍情報に基づ
いてX線発生部1及びX線検出部2(以下では、これらを纏めて撮像系と呼ぶ。)の回動
開始タイミングを設定する回動開始タイミング設定回路31と、回動開始タイミング設定
回路31から供給されるタイミング情報に基づいて撮像系を回動させるための制御を行な
う撮像系移動制御回路32と、撮像系移動制御回路32から供給される制御信号に従い撮
像系を被検体150の周囲において回動させる撮像系移動機構33と、撮像系の回動位置
を検出する位置検出器34を備え、更に、天板17を被検体150の体軸方向に移動する
図示しない天板移動機構と、この天板移動機構を制御する図示しない天板移動制御回路を
備えている。
そして、回動開始タイミング設定回路31は、被検体150の周囲に設定された回動経
路に沿って撮像系をN回回動させながら所定心拍時相におけるX線撮影を行なう際に、撮
像系の回動方向に対して略連続した所定心拍時相の投影データを効率よく生成するために
、回動1乃至回動Nにおける撮像系の回動開始タイミングを被検体150から得られる心
拍情報に基づいて設定する。
一方、撮像系移動制御回路32は、ECGユニット10から得られる被検体150の所
定心拍時相T1における回動ステップ数Pや回動ステップ間隔Δθ等に基づいて撮像系の
回動角速度Vrを設定し、この回動角速度Vrと上述の回動開始タイミング設定回路31
から供給される回動開始のタイミング信号に基づいて撮像系を回動するための制御信号を
撮像系移動機構33に供給する。
更に、撮像系移動制御回路32は、システム制御部11から供給される制御信号に従が
って撮像系を被検体150の体軸方向(図1の紙面に垂直な方向)へ移動するための制御
信号を撮像系移動機構33に供給し、撮像系移動機構33は、この制御信号に基づいて上
記撮像系を体軸方向へ移動することによって、投影データを収集する位置、即ち、体軸方
向における回動経路の位置を設定する。
次に、機構部3によって行なわれる撮像系の回動につき図2乃至図3を用いて説明する
。図2は、撮像系移動機構33によって回動するX線発生部1とX線検出部2を示したも
のであり、Cアームによって構成される保持部6の端部近傍にはX線発生部1とX線検出
部2が設けられている。図2(a)は、保持部6をR1方向にスライドさせる方法を、又
、図2(b)は、保持部6をR2方向に回動させる方法を示しており、何れの場合もX線
発生部1とX線検出部2を備えた撮像系は被検体150の体軸と略平行な軸を回動中心軸
として回動する。
一方、図3は、撮像系を被検体150の周囲で回動させながらX線撮影を行ない、得ら
れた投影データを再構成処理してボリュームデータを生成する際、再構成処理に最低限必
要となる投影データの撮影範囲θ0を示したものであり、この場合の再構成処理には、1
80度+ファン角度θfの範囲で回動方向に対して連続した投影データが要求される。但
し、上記ファン角度θfは、X線発生部1から放射されるX線の照射角度によって決定さ
れる。
尚、上述の回動開始タイミング設定回路31による回動開始タイミングの設定方法や撮
像系移動制御回路32による回動角速度Vrの設定方法についての詳細は後述する。
図1に戻って、高電圧発生部4は、X線管15の陰極から発生する熱電子を加速するた
めに、陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生させる高電圧発生器42と、システム制御
部11からの指示信号に従い、高電圧発生器42における管電流、管電圧、照射時間等の
X線照射条件の制御を行なう高電圧制御回路41を備えている。
次に、照射制御部5は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、ECGユニット10か
ら供給される被検体150の心拍情報(心拍周期T0)に基づいて所定心拍時相T1を設
定し、更に、前記演算回路は、システム制御部11を介して操作部9から供給される撮影
条件、即ち、撮影範囲θ0、撮像系の回動ステップ間隔Δθ及び全回動ステップ数M、心
拍時相T1における回動ステップ数P及び重複回動ステップ数Q、回動回数N等に基づい
て回動1乃至回動Nの心拍時相T1における撮影位置を設定し、記憶回路に保存する。
更に、照射制御部5は、心拍時相T1において、システム制御部11を介し機構部3の
位置検出器34から供給される撮像系の回動位置が上述の撮影位置と一致する場合には高
電圧発生部4に対してX線撮影を行なうための指示信号を供給する。
既に述べたように、周期的な拍動を行なう心臓のような臓器に対しては、その動きが比
較的小さくなる拡張末期あるいは収縮末期において投影データの収集を行なうことが望ま
しい。図4は、左心系における容積変化曲線(a)とECGユニット10から得られるE
CG信号(b)を示したものであり、ECG信号のR波からT波までが収縮期、このT波
から次のR波までが拡張期である。そして、拡張末期T1あるいは収縮末期T2において
その左室容積の変化が最小になる。
即ち、心臓の動きが最小となる拡張末期T1あるいは収縮末期T2において収集した投
影データに対して再構成処理を行なうことにより、動きの影響を抑えた良質なボリューム
データや画像データを生成することが可能となる。以下では、拡張末期T1において投影
データを収集する場合について述べるが、収縮末期T2であっても構わない。
次に、画像演算・記憶部7は、投影データ記憶回路71と、画像再構成回路73と画像
データ記憶回路74と画像演算回路75を備えている。そして、撮像系を被検体150の
周囲でN回回動しながらX線撮影して生成された投影データは、機構部3の位置検出器3
4にて検出された撮像系の回動位置情報と共に投影データ記憶回路71に保存される。
次に、画像再構成回路73は、投影データ記憶回路71に保存された投影データとその
回動位置情報を読み出して再構成処理を行ないボリュームデータを生成する。そして、得
られたボリュームデータを画像データ記憶回路74に保存する。尚、上記ボリュームデー
タの生成方法は、X線CT装置の画像再構成法として周知であるため詳細な説明は省略す
る。
又、画像演算回路75は、得られたボリュームデータに対し、例えば、ボリュームレン
ダリング法やMPR(Multi-Planar-Reconstruction)法、更には、MIP(Maximum−In
tensity−Projection)法を適用して3次元画像データや2次元画像データを生成し、こ
れらの画像データを画像データ記憶回路74に保存する。
次に、表示部8は、画像演算・記憶部7の画像データ記憶回路74に保存されている上
述の画像データを表示するためのものであり、これらの画像データとその付帯情報を合成
して表示用データを生成する表示用データ生成回路81と、上記表示用データに対してD
/A変換とTVフォーマット変換を行なって映像信号を生成する変換回路82と、生成さ
れた映像信号を表示するモニタ83を備えている。
又、操作部9は、キーボード、トラックボール、ジョイスティック、マウス等の入力デ
バイスや表示パネル、更には、各種スイッチ等を備えており、被検体情報や各種コマンド
信号の入力、X線照射条件や撮影条件の設定、心拍時相の選択、画像表示モードの選択等
を行なう。
尚、上記撮影条件として、撮影範囲θ0、撮像系の回動ステップ間隔Δθ及び全回動ス
テップ数M、心拍時相T1,心拍時相T1における回動ステップ数P及び重複回動ステッ
プ数Q、回動回数N等があり、心拍時相として拡張末期や収縮末期等がある。更に、X線
照射条件としてX線管15の管電圧、管電流及びX線照射時間等があり、画像表示モード
として3次元画像表示、MIP画像表示、MPR画像表示等がある。
一方、ECGユニット10は、被検体150に装着された図示しない電極から検出される
ECG信号を受信し、デジタル信号に変換する。そして、システム制御部11は、図示し
ないCPUと記憶回路を備え、操作者によって操作部9から入力あるいは設定される上述
の各種情報は前記記憶回路に保存される。一方、前記CPUは、これらの情報に基づいて
高電圧発生部4、X線検出部2、機構部3、照射制御部5、画像演算・記憶部7、更には
表示部8の各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行なう。
(回動位置及び撮影位置の設定)
次に、上述の回動1乃至回動Nにおける撮像系の回動位置と撮影位置の設定につき図5
及び図6を用いて説明する。尚、以下では説明を簡単にするために、これらの図における
撮像系は、同一の回動経路に沿って回動1乃至回動3(N=3)の回動を行ない、回動1
における拡張末期T11、T12、T13、・・・回動2における拡張末期T21、T2
2、T23、・・・回動3における拡張末期T31、T32、T33、・・・の各々にお
いて4回乃至6回のX線撮影を行なう場合について示しているが、これに限定されない。
図5は、横軸に被検体のECG信号の時相を、又、縦軸に撮像系の回動位置及び撮影位
置を示しており、図6は、回動1乃至回動3における回動位置と撮影位置を円弧R1乃至
R3にて示している。そして、何れの場合も図中の実線(太線)は撮像系の回動経路を又
、丸印(○及び●)は、前記回動経路において拡張末期のX線撮影が可能な撮像系の回動
位置を示している。但し、図6における撮像系は、説明を分かり易くするために異なる円
弧R1乃至R3に沿って回動1乃至回動3を行なう場合を示しているが、実際には、同一
の回動経路を所定角速度Vrで回動する。尚、以下では、X線発生部1の回動位置を撮像
系の回動位置として説明する。
図5及び図6に示すように、機構部3の撮像系移動制御回路32は、撮像系移動機構3
3を制御して撮像系を回動位置θ1から回動位置θ200(M=200)に向かって回動
角速度Vrで回動させる。そして、回動1では拡張末期T11、T12,T13,・・・
において撮像系が予め設定された撮影位置θ1乃至θ6、θ16乃至θ21、θ31乃至
θ36、・・・に到達したならば照射制御部5は高電圧発生部4を制御してX線撮影を行
なう。
このような間欠的なX線撮影が回動1において終了したならば、撮像系移動制御回路3
2は撮像系を最初の回動位置θ1に戻し、回動開始タイミング算出回路31から供給され
る回動開始のタイミング信号に基づいて回動2を開始する。そして、拡張末期T21、T
22、T23、・・・において撮像系が撮影位置θ7乃至θ11、θ22乃至θ26、θ
37乃至θ41、・・・に到達したならばX線撮影が行なわれる。
同様の手順によって撮像系は回動位置θ1において回動3の回動を開始し、拡張末期T
31、T32、T33、・・・において撮影位置θ12乃至θ16、θ27乃至θ31、
・・・に到達したならばX線撮影が行なわれる。
この場合、回動1乃至回動3の拡張末期における撮像系の回動位置は図5及び図6に示
すようにその端部が重なるように回動開始タイミングが設定される。例えば、回動1の拡
張末期T11、T12、T13における最後の回動位置と回動2の拡張末期T21、T2
2,T23における最初の回動位置はθ6、θ21、θ36において一致するように設定
される。
同様にして回動2の拡張末期T21、T22、T23における最後の回動位置と回動3
の拡張末期T31、T32,T33、・・・における最初の回動位置はθ11、θ26、
θ41において一致し、回動3の拡張末期T31、T32、・・・の最後の回動位置と回
動1の拡張末期T12、T13、・・・における最初の回動位置はθ16、θ31、・・
・において一致するように設定される。
このような、X線撮影方法を適用することによって、例えば、回動角速度Vrを設定す
る際に用いた被検体のX線撮影前における心拍周期T0に対し、X線撮影中の心拍周期が
異なる場合においても拡張末期における投影データを回動方向に対して連続して合成する
ことが可能となる。
即ち、心拍周期が変動することにより回動1の回動位置θ6において拡張末期T11の
投影データが得られない場合には、回動2の回動位置θ6によって得られた拡張末期の投
影データで補完することが可能となる。この場合、照射制御部5は、ECGユニット10
から供給される心拍情報と機構部3の位置検出器34から供給される撮像系の回動位置情
報に基づき、回動1の回動位置θ6における拡張末期T11の投影データが収集不可であ
ることを認識したならば高電圧発生部4を制御してX線照射を停止すると共に、回動2の
回動位置θ6を新たな撮影位置に設定する。
(回動開始タイミングの設定)
次に、機構部3の回動開始タイミング設定回路31における回動開始タイミングの設定
方法につき図7を用いて説明する。図7は、図6に示した回動位置θ1乃至θ200に対
し撮影系の回動1乃至回動3を行なって拡張末期T1におけるX線撮影を行なう際の、回
動1乃至回動3の回動開始タイミングを基準とした経過時間に対する撮像系の回動位置と
撮影位置を示したものである。
但し、この場合も図5あるいは図6と同様にして、回動1乃至回動3の撮像系は拡張末
期T1において夫々6つの回動位置が設定され、所定の回動(例えば、回動2)における
拡張末期T1の最初の回動位置θ6は、先行する回動(回動1)における拡張末期T1の
最後の回動位置θ6に一致し、前記所定の回動(回動2)における最後の回動位置θ11
は、後続する回動(回動3)における最初の回動位置θ11に一致する場合について示し
ているが、各拡張末期における回動ステップ数Pや重複回動ステップ数Qはこの実施例に
限定されない。
先ず、図1に示した機構部3の回動開始タイミング設定回路31は、システム制御部1
1を介してECGユニット10から供給される被検体150のECG信号において時相φ
4のR波を検出し、R−R間隔から心拍周期T0を計測する。次いで、検出された各々の
R波から拡張末期T1だけ遡った時相φ3を設定し、更に、この時相φ3から期間Tx及
び期間2Txだけ遡った時相φ2及びφ1を設定する。
次に、回動開始タイミング設定回路31は、図7に示すように、ECG信号のR波から
期間T1だけ遡った時相φ3を回動1の回動開始タイミングに設定し、次いで、この設定
に基づいて撮像系移動制御回路32は、撮像系移動機構33を制御し回動位置θ1を回動
開始位置として上記回動開始タイミングで撮像系を回動させる。そして、撮像系が照射制
御部5によって予め設定された撮影位置θ1乃至θ6、θ16乃至θ21、・・・に到達
したならば、これらの撮影位置においてX線撮影が行なわれる。
同様にして、回動開始タイミング設定回路31は、ECG信号のR波から期間T11(
T11=T1+Tx)だけ遡った時相φ2を回動2の回動開始タイミングに、又、心電波
形のR波から期間T12(T12=T1+2Tx)だけ遡った時相φ1を回動3の回動開
始タイミングに設定する。次いで、撮像系移動制御回路32は、これらの回動開始タイミ
ングに基づいて撮像系移動機構33を制御し、回動位置θ1を回動開始位置として上記回
動開始タイミングで撮像系を回動させる。そして、回動2における撮像系が照射制御部5
において予め設定された撮影位置θ7乃至θ11、θ22乃至θ26、・・・に、又、回
動3における撮像系が撮影位置θ12乃至θ15、θ27乃至θ30、・・・に到達した
ならば、これらの撮影位置においてX線撮影が行なわれる。
(回動角速度の設定)
ところで、撮影範囲θ0(θ0=200度)の回動位置θ1乃至θM(M=200)に
おいて撮像系を回動させる場合、(P−Q)Δθの回動範囲を拡張末期T1の間に回動さ
せる必要がある。従って、撮像系の回動角速度Vrは下式(1)によって算出される。
Figure 2013128825

但し、回動ステップ間隔Δθは、回動位置θ1乃至θMにおける回動ピッチであり撮影
範囲θ0/全回動ステップ数Mによって算出される。又、Pは既に述べたように拡張末期
T1における回動ステップ数、Qは回動1乃至回動Nの間で重複する拡張末期T1の回動
ステップ数を示しており、図5乃至図7では、θ0=200度、M=200,P=6、Q
=1、Δθ=1度、T1=400msecの場合について示している。
即ち、機構部3の撮像系移動制御回路32は、操作部9あるいはシステム制御部11に
て予め設定された撮影範囲θ0、回動ステップ間隔Δθ、拡張末期における回動ステップ
数Pや重複回動ステップ数Qに基づいて回動角速度Vrの設定を行なう。
尚、上式(1)における拡張末期T1は被検体の心拍周期T0に対し所定の比率ηで設
定される値であり、上述の実施例ではη=40%の場合について示している。従って、被
検体の心拍周期T0が時間的に変動する場合には、機構部3の撮像系移動制御回路32は
、上式(1)に基づいて回動角速度Vrを更新することにより、回動1乃至回動Nの各々
では照射制御部5が予め設定した撮影位置において投影データを確実に生成することが可
能となる。
(画像データの生成手順)
次に、図1乃至図8を用い、本実施例のX線診断装置100における画像データの生成
手順について説明する。尚、図8は、画像データの生成手順を示すフローチャートである
X線診断装置100の操作者は、先ず操作部9において被検体150に関する被検体情
報の入力、心拍時相(拡張末期)の選択、X線照射条件や撮影条件の設定、画像表示モー
ドの選択等を行なう。そして、上述の入力情報、選択情報及び設定情報はシステム制御部
11の記憶回路に保存される(図8のステップS1)。
又、上述の撮影条件はシステム制御部11を介して照射制御部5に供給され、記憶回路
に一旦保存される。尚、以下では、θ0=200度、Δθ=1度、M=200、P=6、
Q=1、N=3の場合について述べるがこれに限定されるものではない。
上述の入力や設定が終了したならば、操作者は、被検体150にECGユニット10の
電極を装着する。そして、ECGユニット10は、このとき得られる被検体150のEC
G信号を一旦デジタル信号に変換した後、システム制御部11を介して照射制御部5に供
給し、照射制御部5は、このECG信号のR波間隔あるいは心拍数から心拍周期T0を計
測し、この心拍周期T0における拡張末期T1を設定する(図8のステップS2)。
更に、照射制御部5は既に記憶回路に保存されている上述の撮影条件と拡張末期の期間
T1に基づいて拡張末期における回動1の撮影位置θ1乃至θ6、θ16乃至θ21、θ
31乃至θ36、・・・、回動2の撮影位置θ7乃至θ11、θ22乃至θ26、θ37
乃至θ41、・・・、回動3の撮影位置θ12乃至θ15、θ27乃至θ30、・・・の
設定を行なう(図8のステップS3)。
一方、機構部3の回動開始タイミング設定回路31は、システム制御部11を介してE
CGユニット10から供給される被検体150のECG信号において時相φ4のR波を検
出し、R波間隔から心拍周期T0を計測する。次いで、検出された各々のR波から拡張末
期T1だけ遡った時相φ3を設定し、更に、この時相φ3から期間Tx及び2Txだけ遡
った時相φ2及びφ1を設定する。そして、時相φ3、時相φ2及び時相φ1を回動1乃
至回動3における回動開始タイミングに設定する(図7参照)。
更に、回動開始タイミング設定回路31は、システム制御部11を介して照射制御部5
あるいは操作部9から供給される撮影条件や上述の拡張末期T1に基づいて回動角速度V
rを設定する(図8のステップS4)。
次いで、機構部3の撮像系移動制御回路32は、システム制御部11を介して操作部9
から供給されるコマンド信号に基づいて撮像系移動機構33を制御し、撮像系を最初の回
動位置θ1に設定する。次いで、操作者は、被検体150の診断部位に対して造影剤を注
入した後(図8のステップS5)、回動1のX線撮影を開始するためのコマンド信号を操
作部9より入力し、このコマンド信号がシステム制御部11に供給されることによって回
動1のX線撮影が開始される(図8のステップS6)。
次いで、システム制御部11は、上記撮影開始コマンド信号に後続してECGユニット
10から供給される被検体150のECG信号の時相φ3においてX線照射を行なう。
回動位置θ1におけるX線撮影に際して、照射制御部5は、システム制御を11を介し
てECGユニット10から供給されるECG信号の時相φ3と機構部3の位置検出器34
から供給される撮像系の回動位置θ1を確認した後、X線照射の指示信号を高電圧発生部
4に供給する。そして、高電圧発生部4の高電圧制御回路41は、照射制御部5より供給
された上記指示信号を受信し、既に設定されているX線照射条件に基づいて高電圧発生器
42を制御し高電圧をX線発生部1のX線管15に印加する。
次いで、高電圧が印加されたX線管15は、X線絞り器16を介して被検体150にX
線を照射し、被検体150を透過したX線は、その後方に設けられたX線検出部2のX線
I.I.21に投影される。一方、X線I.I.21は、被検体150を透過したX線を
光学画像に変換し、X線テレビカメラ22は、この光学画像を電気信号(ビデオ信号)に
変換する。
そして、X線テレビカメラ22から時系列的に出力されたビデオ信号はA/D変換器2
3にてデジタル信号に変換された後、投影データとして画像演算・記憶部7の投影データ
記憶回路71に保存される。この場合、投影データ記憶回路71に保存される投影データ
には撮影位置θ1の情報が付帯情報として付加される。
一方、システム制御部11は、機構部3の撮像系移動制御回路32を制御し、撮像系を
被検体150の周囲において回動角速度Vrで回動させる。又、機構部3の位置検出器3
4によって検出された撮像系の回動位置がシステム制御部11を介して供給された照射制
御部5は、この撮像系の回動位置が記憶回路に予め保存されている撮影位置と一致した場
合には高電圧発生部4の高電圧制御回路41に対しX線照射のための指示信号を供給する
。そして、この指示信号に基づいたX線撮影によって得られた回動位置θ2の投影データ
は、その撮影位置情報と共に投影データ記憶回路71に保存される。
以下同様にして、撮像系は回動1を回動角速度Vrにて回動し、予め設定された撮影位
置θ3乃至θ6、θ16乃至θ21、θ31乃至θ36、・・・、においてX線撮影を行
ない、得られた投影データは投影データ記憶部71に保存される(図8のステップS7)
回動1におけるX線撮影が終了したならば、機構部3の撮像系移動制御回路32は、シ
ステム制御部11から供給される指示信号に基づいて撮像系移動機構33を制御して回動
位置θ1に撮像系を再設定する。次いで、操作者は、被検体150の診断部位に対して再
度造影剤を注入した後、操作部9において回動2のX線撮影を開始するためのコマンド信
号を入力する。このコマンド信号がシステム制御部11に供給されることによって回動2
の撮影位置θ7乃至θ11、θ22乃至θ26、θ37乃至θ41、・・・、におけるX
線撮影が回動1と同様の手順によって行なわれ、得られた投影データは、その撮影位置情
報と共に投影データ記憶回路71に保存される(図8のステップS4乃至S6)。
更に、回動3の撮影位置θ12乃至θ15、θ27乃至θ30、・・・に対しても同様
にしてX線撮影を行ない得られた投影データとその撮影位置情報は投影データ記憶回路7
1に保存される。即ち、投影データ記憶回路71には、回動1乃至回動3における間欠的
なX線撮影によって得られた拡張末期T1の投影データがその撮影位置情報と共に保存さ
れる(図8のステップS5乃至S7)。
次に、画像演算・記憶部7の画像再構成回路73は、投影データ記憶回路71に保存さ
れている投影データとその撮影位置情報を用いてコンボリューション処理を行なう。更に
、このコンボリューション処理した投影データを被検体150の関心領域に仮想的に設定
した3次元格子の格子点に逆投影することによって関心領域におけるボリュームデータを
生成し、得られたボリュームデータを画像データ記憶回路74に保存する(図8のステッ
プS9)。尚、2次元の検出素子を有するX線検出部により収集された投影データからボ
リュームデータを生成する方法は、X線CT装置における画像再構成技術として周知であ
るため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、画像演算回路75は、上述の方法によって生成されたボリュームデータを用い
、操作者が操作部9にて選択した画像表示モードに基づいて所望の3次元画像データや2
次元画像データを生成し、得られたこれらの画像データを画像データ記憶回路74に一旦
保存する(図8のステップS10)。
一方、システム制御部11は、予め設定された画像表示モードに対応した画像データを
画像データ記憶回路74から読み出し、表示部8のモニタ83に表示する。即ち、システ
ム制御部11は、画像データ記憶回路74に保存された所望の画像データを読み出して表
示部8の表示用データ生成回路81に供給し、表示用データ生成回路81は、画像データ
生成回路73から供給された画像データとシステム制御部11から供給された被検体情報
あるいは撮影条件などの付帯情報を合成して表示用画像データを生成する。次いで、変換
回路82は、前記表示用画像データに対してD/A変換とTVフォーマット変換を行なっ
て映像信号を生成しモニタ83に表示する(図8のステップS11)。
以上述べた本実施例によれば、被検体の動きが比較的小さい拡張末期あるいは収縮末期
の心拍時相において収集した投影データを用い画像再構成を行なっているため、拍動性の
動きの影響を低減することができる。又、同一回動経路に対してN回の回動を行なうこと
によって所定心拍時相における投影データを回動方向に対して連続的に生成することが可
能となる。
又、本実施例に拠れば、回動1乃至回動Nの回動開始タイミングや回動角速度は被検体
から得られた心拍情報に基づいて設定あるいは更新されるため、心拍周期の個人差や時間
的変化に拠らずに常に好適な撮像系の位置設定を行なうことができ、回動方向に連続した
投影データを生成することができる。更に、回動1乃至回動Nの所定心拍時相における回
動範囲はその端部が重複するように設定されているため、被検体の心拍周期に時間的な変
動がある場合でも回動方向に連続した投影データを生成することができる。従って、本実
施例によって生成された投影データを再構成処理することにより高画質な画像データを生
成することが可能となる。
又、上述の実施例に拠れば、予め設定された撮影位置に対し撮像系が所定心拍時相で到
達した時のみX線撮影が行なわれるため、同一の撮影位置に対し異なる回動による重複し
たX線撮影を防止することができる。このため被検体に対する被曝量の低減が可能となる
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は上記の実施例に限定されるもの
では無く、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例においては、同一
撮影位置におけるX線撮影が回動間で重複しないようにX線照射の制御を行なったが、同
一撮影位置に対するX線撮影を回動間で重複して行ない、得られた多くの投影データの中
から再構成処理に有効な投影データをその撮影位置情報に基づいて選択してもよい。
又、図7の回動1乃至回動3は何れも回動位置θ1を回動開始位置に設定し、夫々の回
動に対して設定された回動開始タイミングに基づいて回動を開始する場合について述べた
が、例えば、回動2は回動位置θ6を、又回動3は回動位置θ11を回動開始位置に設定
し、回動1乃至回動3を同一の回動開始タイミング(心拍時相φ3)で回動させてもよい
更に、上述の実施例では、図6に示すように回動1乃至回動3における撮像系は同一方
向に回動する場合について述べたが、例えば、図9に示すようにその回動方向を交互に変
更してもよい。この場合、撮像系の移動制御は多少複雑になるが、投影データの収集に要
する時間を低減することが可能となる。
一方、上述の実施例では、造影剤を注入した被検体に対して投影データを生成する場合
について述べたが、造影剤注入前と造影剤注入後の各々における複数回の回動によって投
影データを生成し、造影剤注入前の投影データと造影剤注入後の投影データのサブトラク
ションによって新たに得られた投影データの再構成処理によってボリュームデータを生成
してもよい。
尚、上述の実施例では、図面を簡単にするために拡張末期T1を心拍周期T0の40%
としたが、撮影対象部位の動きの影響を排除するためには拡張末期T1は更に小さく設定
することが望ましく、従って、投影データの生成に要する時間があまり大きくならない範
囲で回動回数Nを上述の実施例より大きく設定することが望ましい。
一方、被検体の心拍情報を得るためにECG信号の収集を行なったが、図4に示した左
室容積変化曲線など他の生体情報であってもよい。
又、上述の実施例では投影データの画像再構成処理によって得られたボリュームデータ
をボリュームレンダリング処理した3次元画像データや、MIP画像データあるいはMP
R画像データなどの2次元画像データを生成する場合について述べたが、これらに限定さ
れない。
一方、X線照射を行なう期間は拡張末期に限定されるものではなく、収縮末期であって
もよい。この場合、各々の拡張末期あるいは収縮末期における回動ステップ数P、撮影範
囲θ0、回動ピッチΔθ、重複回動ステップ数Q、回動ステップ間隔Δθ等は上述の実施
例に示した値に限定されない。
更に、上記の実施例では、所定心拍時相(拡張末期)においてのみX線撮影を行なう場
合について示したが、撮像系を回動させながら所定間隔でX線撮影を行なって得られた投
影データの中から拡張末期に得られた投影データを選択して再構成処理してもよい。この
場合、被検体に対するX線の被曝量は増大するがX線撮影に対する制御が簡単になる利点
を有している。
又、被検体に対する造影剤の注入は、上述の実施例に示すように回動1乃至回動Nにお
ける撮影の度に行なってもよいが、1回の造影剤注入の後回動1乃至回動Nにおける撮影
を連続して行なってもよい。後者の方法は注入する造影剤の量を少なくすることができる
が、息止め時間が長くとれない被検体の場合には前者の方法が好適である。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、被検体の所定心拍時相における投
影データを回動方向に対して略連続して生成することが可能となり、この投影データを再
構成処理することによって良質な画像データを生成することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したも
のであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その
他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の
省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や
要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる
1…X線発生部
2…X線検出部
3…機構部
4…高電圧発生部
5…照射制御部
6…保持部
7…画像演算・記憶部
8…表示部
9…操作部
10…ECGユニット
11…システム制御部
15…X線管
16…X線絞り器
17…天板
21…X線I.I.
22…X線テレビカメラ
23…A/D変換器
31…回動開始タイミング設定回路
32…撮像系移動制御回路
33…撮像系移動機構
34…位置検出器
41…高電圧制御回路
42…高電圧発生器
71…投影データ記憶回路
73…画像再構成回路
74…画像データ記憶回路
75…画像演算回路
81…表示用データ生成回路
82…変換回路
83…モニタ
100…X線診断装置
150…被検体

Claims (10)

  1. 被検体に対してX線の照射と検出を行なう撮像手段と、
    この撮像手段を前記被検体の周囲に設定された所定の回動経路に沿って複数回の回動を
    行なう回動手段と、
    前記被検体の心拍情報と前記撮像手段の回動位置情報に基づいて、前記被検体の所定心
    拍時相においてX線照射を制御する照射制御手段と、
    前記照射制御手段の制御によってX線の照射と検出を行なうことにより投影データを生
    成する投影データ生成手段と、
    生成された前記投影データを再構成処理してボリュームデータを生成する再構成処理手
    段と、を備え、
    前記照射制御手段は、前記被検体の所定心拍時相における前記複数回の回動による回動
    位置の一部が重なり合うように制御し、その重なり合う場所ではX線照射を行わないよう
    に制御することを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記回動手段は、前記回動経路において前記撮像手段を少なくとも3回回動することを
    特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記再構成処理手段は、前記複数の回動によって生成された回動方向に略連続した投影
    データに対して再構成処理を行なうことを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  4. 前記再構成処理手段は、前記投影データの付帯情報として付加された前記撮像手段の回
    動位置情報に基づいて前記投影データを再構成処理することを特徴とする請求項2記載の
    X線診断装置。
  5. 被検体の心拍情報を収集する心拍情報収集手段と前記撮像手段の回動位置を検出する位
    置検出手段を備え、
    前記照射制御手段は、前記心拍情報収集手段から供給される前記被検体の心拍情報と前
    記位置検出手段から供給される前記撮像手段の回動位置情報に基づいて撮像手段における
    X線照射を制御することを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  6. 前記回動手段は、前記被検体の心拍情報に基づいて前記撮像手段の回動角速度を設定あ
    るいは更新することを特徴とする請求項1又は請求項5に記載したX線診断装置。
  7. 前記回動手段は、前記被検体の心拍情報に基づいて前記撮像手段の回動開始タイミング
    を設定することを特徴とする請求項1又は請求項5に記載したX線診断装置。
  8. 前記投影データ生成手段は、180度+ファン角度以上の範囲における投影データを生
    成することを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  9. 前記心拍情報収集手段は、前記心拍情報として前記被検体のECG信号を収集すること
    を特徴とする請求項5記載のX線診断装置。
  10. 画像データ生成手段を備え、前記画像データ生成手段は、前記ボリュームデータに対し
    ボリュームレンダリング法、MPR法、MIP法の何れかを適用して3次元画像データあ
    るいは2次元画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載したX線診断装置。
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