JP2013128667A - 角度固定具 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でありながら、自在に屈曲する湾曲部を所望の形状に固定することで、湾曲部から延出する先端工具等を自在な方向及び角度で容易かつ確実に固定可能な角度固定具を提供する。
【解決手段】多関節を備え自在に屈曲する湾曲部11の周囲を被覆し角度を固定する角度固定具1であって、湾曲部11に沿って直列に配置される複数のスリーブ2,3,4と、第3のスリーブ4に隣接して設けられ,ロックレバーを備える固定用スリーブ5と、この固定用スリーブ5に当接する角度調整ダイヤル8と、第1のスリーブ2に当接する第2の係止部材9と、を備え、ロックレバー6を操作し、固定用スリーブ5を角度調整ダイヤル8に圧接させるとともに、第3のスリーブ4の端面にロックレバー6の一端を圧接させることで,第1のスリーブ2を第2の係止部材9に圧接させ、湾曲部11の形状を固定可能に構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】多関節を備え自在に屈曲する湾曲部11の周囲を被覆し角度を固定する角度固定具1であって、湾曲部11に沿って直列に配置される複数のスリーブ2,3,4と、第3のスリーブ4に隣接して設けられ,ロックレバーを備える固定用スリーブ5と、この固定用スリーブ5に当接する角度調整ダイヤル8と、第1のスリーブ2に当接する第2の係止部材9と、を備え、ロックレバー6を操作し、固定用スリーブ5を角度調整ダイヤル8に圧接させるとともに、第3のスリーブ4の端面にロックレバー6の一端を圧接させることで,第1のスリーブ2を第2の係止部材9に圧接させ、湾曲部11の形状を固定可能に構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、多関節を備えて自在に屈曲する湾曲部を所望の形状に固定する角度固定具に係り、特に、湾曲部の周囲を被覆する複数のスリーブと、これらを圧接固定する固定部材と、を備えた角度固定具に関する。
従来、多関節を備えて自在に屈曲する湾曲部を備える器具として、例えば、腹腔鏡などの内視鏡の下で手術を行う場合に使用される鉗子がある。この鉗子は、先端に取り付けられた一対の鉗子片と後端の操作部とを湾曲部を備えたシャフトで連結し、このシャフト内に鉗子片と操作部とを連結して駆動させるワイヤ等の駆動部材を挿入して、操作部により一対の鉗子片の開閉動作等を行うといったものが用いられる場合があった。
しかし、駆動部材とシャフトが摩擦して湾曲部を自在に湾曲させることが困難であることや、ワイヤが座屈して操作部の力が鉗子片に伝達されないといった不具合が発生したため、湾曲操作性が不良で、鉗子片の微妙な位置決めが難しいということが課題となっていた。また、鉗子片の操作性を良好とするには、鉗子片の屈曲、一対の鉗子片の開閉及び鉗子片の回転が自在に操作可能であることが必要であるが、例えば、屈曲操作部材と回転操作部材とが分離して配置されているために互いの操作への移行を速やかに行うことができず、その結果として操作性が良好でないことも課題となっていた。
そこで、このような課題を解決する目的で、近年、鉗子片の操作性を向上させるための技術が開発されており、それに関して既にいくつかの発明が開示されている。
しかし、駆動部材とシャフトが摩擦して湾曲部を自在に湾曲させることが困難であることや、ワイヤが座屈して操作部の力が鉗子片に伝達されないといった不具合が発生したため、湾曲操作性が不良で、鉗子片の微妙な位置決めが難しいということが課題となっていた。また、鉗子片の操作性を良好とするには、鉗子片の屈曲、一対の鉗子片の開閉及び鉗子片の回転が自在に操作可能であることが必要であるが、例えば、屈曲操作部材と回転操作部材とが分離して配置されているために互いの操作への移行を速やかに行うことができず、その結果として操作性が良好でないことも課題となっていた。
そこで、このような課題を解決する目的で、近年、鉗子片の操作性を向上させるための技術が開発されており、それに関して既にいくつかの発明が開示されている。
特許文献1には「処置具」という名称で、内視鏡下外科手術に用いられる処置具に関する発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は、先端処置具と、この先端処置具を体腔内に挿入するための、湾曲状態を変化させる湾曲部を有する挿入部と、先端処置具を駆動させる操作部と、この操作部と先端処置具とを連結する連結部材と、を備えたことを特徴とする。
このような特徴を備えた処置具においては、操作部を操作することにより、連結部材が軸方向に差動的に動作して、湾曲部が湾曲するという作用を有する。さらに、操作部を開閉することにより、先端処置具が開閉するという作用を有する。
よって、高剛性と自在な湾曲を実現しながら、処置具開閉の駆動力を確実に伝達することができる。従って、先端処置具からの直接的な操作感を伝達することが可能で、操作性に優れている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は、先端処置具と、この先端処置具を体腔内に挿入するための、湾曲状態を変化させる湾曲部を有する挿入部と、先端処置具を駆動させる操作部と、この操作部と先端処置具とを連結する連結部材と、を備えたことを特徴とする。
このような特徴を備えた処置具においては、操作部を操作することにより、連結部材が軸方向に差動的に動作して、湾曲部が湾曲するという作用を有する。さらに、操作部を開閉することにより、先端処置具が開閉するという作用を有する。
よって、高剛性と自在な湾曲を実現しながら、処置具開閉の駆動力を確実に伝達することができる。従って、先端処置具からの直接的な操作感を伝達することが可能で、操作性に優れている。
次に、特許文献2には「鉗子」という名称で、内視鏡を活用した手術に利用可能な鉗子に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、リンク機構により開閉自在であるつまみ部と、先端に当該つまみ部を連結した一方向にのみ屈曲自在の屈曲部を有し、且つ屈曲軸内回転自在の連結部と、当該連結部の後端に設けた操作部とからなる鉗子であって、連結部は、屈曲部を有する外パイプと当該外パイプの内側にそれぞれ設けた屈曲部を有する中心軸及び牽引ワイヤーを有し、外パイプは、先端を一対の鉗子片の開閉支点に枢支し、後端を操作部に設けたダイヤルに連結してあり、中心軸は、先端を一対の鉗子片のリンク基端部に枢着し、後端を操作部に設けたレバーに連結したことを特徴とする。
このような特徴を有する鉗子においては、中心軸の後端をレバーで進退操作することで外パイプ先端に対して基端部が進退することになり、一対の鉗子片が開閉するという作用を有する。さらに、ダイヤルの進退操作により屈曲部が一方向に屈伸する。また、ダイヤルを回すことで外パイプが回転し、一対の鉗子片が回転するという作用を有する。
従って、ダイヤルとレバーとを片手指が届く範囲内に設け,握ることでレバーによる鉗子片の開閉、ダイヤルの進退による屈伸及びダイヤルの回転による鉗子片の軸内回転の3操作を片手で容易に行うことができる。また、外パイプを屈曲軸内回転可能にしたため、挿入部の径が細く、小型化が可能である。
特許文献2に開示された発明は、リンク機構により開閉自在であるつまみ部と、先端に当該つまみ部を連結した一方向にのみ屈曲自在の屈曲部を有し、且つ屈曲軸内回転自在の連結部と、当該連結部の後端に設けた操作部とからなる鉗子であって、連結部は、屈曲部を有する外パイプと当該外パイプの内側にそれぞれ設けた屈曲部を有する中心軸及び牽引ワイヤーを有し、外パイプは、先端を一対の鉗子片の開閉支点に枢支し、後端を操作部に設けたダイヤルに連結してあり、中心軸は、先端を一対の鉗子片のリンク基端部に枢着し、後端を操作部に設けたレバーに連結したことを特徴とする。
このような特徴を有する鉗子においては、中心軸の後端をレバーで進退操作することで外パイプ先端に対して基端部が進退することになり、一対の鉗子片が開閉するという作用を有する。さらに、ダイヤルの進退操作により屈曲部が一方向に屈伸する。また、ダイヤルを回すことで外パイプが回転し、一対の鉗子片が回転するという作用を有する。
従って、ダイヤルとレバーとを片手指が届く範囲内に設け,握ることでレバーによる鉗子片の開閉、ダイヤルの進退による屈伸及びダイヤルの回転による鉗子片の軸内回転の3操作を片手で容易に行うことができる。また、外パイプを屈曲軸内回転可能にしたため、挿入部の径が細く、小型化が可能である。
そして、特許文献3にも、「外科用機器」という名称で、外科手術又は医療方法等にて使用するための手動の外科用機器に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、基端の制御ハンドルと、末端の作用部材と、基端の制御ハンドルから制御される基端の可動部材と、基端の可動部材から制御されて基端の制御ハンドルから末端の作用部材の制御された動きを与える末端の可動部材と、基端の可動部材と末端の可動部材を相互に連結する機器の軸と、両可動部材の間にて連結された起動手段とを備え、基端の可動部材は、ハンドルと機器の軸との間にて支持され且つ、三次元的に動く構造及び配置とされたボールアンドソケットアセンブリを備えたことを特徴とする。
このような特徴を有する外科用機器においては、基端の制御ハンドルの頂部分に備えられたボールを三次元的に回動させ又は偏向させると、基端の可動部材が制御されるという作用を有する。そして、この基端の可動部材は、起動手段を介して、末端の可動部材における相応する曲がり又は撓みを制御する。一方、基端の制御ハンドルに取り付けられた係止部材を操作すると、ボールは回転可能又は回転阻止されるという作用を有する。
よって、係止部材により、予め選んだ位置に基端の可動部材を固定することができる一方、容易に固定を解除することができる。従って、基端の可動部材を固定させたい場合にこれを手で保持しておく必要がないことから、片手で効果的に制御することができる。すなわち、これら操作をしながらの外科的手術をスムーズに行うことができる。
特許文献3に開示された発明は、基端の制御ハンドルと、末端の作用部材と、基端の制御ハンドルから制御される基端の可動部材と、基端の可動部材から制御されて基端の制御ハンドルから末端の作用部材の制御された動きを与える末端の可動部材と、基端の可動部材と末端の可動部材を相互に連結する機器の軸と、両可動部材の間にて連結された起動手段とを備え、基端の可動部材は、ハンドルと機器の軸との間にて支持され且つ、三次元的に動く構造及び配置とされたボールアンドソケットアセンブリを備えたことを特徴とする。
このような特徴を有する外科用機器においては、基端の制御ハンドルの頂部分に備えられたボールを三次元的に回動させ又は偏向させると、基端の可動部材が制御されるという作用を有する。そして、この基端の可動部材は、起動手段を介して、末端の可動部材における相応する曲がり又は撓みを制御する。一方、基端の制御ハンドルに取り付けられた係止部材を操作すると、ボールは回転可能又は回転阻止されるという作用を有する。
よって、係止部材により、予め選んだ位置に基端の可動部材を固定することができる一方、容易に固定を解除することができる。従って、基端の可動部材を固定させたい場合にこれを手で保持しておく必要がないことから、片手で効果的に制御することができる。すなわち、これら操作をしながらの外科的手術をスムーズに行うことができる。
特許文献1に開示された発明においては、湾曲の状態を維持したまま固定する手段を有しておらず、例えば操作者が複数の鉗子を用いるような手術を行う際には、一つの鉗子器具の先端鉗子部の角度を固定したまま他の鉗子を操作することはできなかった。よって、操作性に劣るという課題があった。
次に、特許文献2に開示された発明においては、屈曲部の屈曲方向が一方向に限られており、特許文献1に開示された発明と同様に、操作性に劣るという課題があった。また、一対の鉗子片の屈曲形状を制御するには、ダイヤルの進退・回転操作という2段階の操作が必要となり、一度の操作で所望する屈曲形状を形成することができなかった。さらに、屈曲方向の固定は可能であるが、屈曲軸内の回転を固定する手段が設けられていないため、鉗子片に不意に物が接触した場合など屈曲部の不必要な回転が起こり、手術に支障を来す可能性がある。
さらに、特許文献3に開示された発明においては、基端の可動部材を固定することは可能であるが、その場合であっても機器の先端は依然として回転することができる。従って、先端を所望する形状で完全に固定することができないことから、特許文献2に開示された発明と同様に、不測の回転を防止できない可能性がある。また、係止部材は、基端の可動部材の直下に設けられ、かつその大きさが基端の可動部材に比してかなり小さいことから、基端の可動部材を操作する際に誤って係止部材に当たり、係止状態が変化するおそれがある。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、簡易な構成でありながら、多関節を備えて自在に屈曲する湾曲部を所望の形状に固定することで、湾曲部から延出する先端工具等を自在な方向および角度で容易かつ確実に固定することができる角度固定具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明に係る角度固定具は、多関節を備えて自在に屈曲する湾曲部の周囲を被覆して角度を固定する角度固定具であって、湾曲部に沿って直列に配置される複数のスリーブと、この複数のスリーブの一端側に配置されたスリーブに隣接して設けられ,ロックレバーを備える固定用スリーブと、この固定用スリーブに当接する第1の係止部材と、複数のスリーブの他端側に配置されたスリーブに当接する第2の係止部材と、を備え、ロックレバーを操作して、固定用スリーブを第1の係止部材に圧接させるとともに、複数のスリーブのうち,固定用スリーブに隣接するスリーブの端面にロックレバーの一端を圧接させることで,複数のスリーブの他端側に配置されたスリーブを第2の係止部材に圧接させ、湾曲部の形状を固定可能に構成されることを特徴とする。
上記構成の角度固定具において、「湾曲部の周囲を被覆して」とは、角度固定具が湾曲部の周囲全面に接着固定されている構造は除外されている。つまり、本願角度固定具は湾曲部から独立した構造となっている。また、湾曲部に沿って複数のスリーブが直列に配置されているため、多関節を備えた湾曲部の屈曲に追随し、これらを取り付けることにより湾曲部の自在な屈曲が妨げられないという作用を有する。すなわち、屈曲形状を主体的に形成するのはあくまで湾曲部であって、角度固定具はこの形状を固定・維持するという補助的作用をなすものである。
そして、複数のスリーブ及び固定用スリーブを間に挟んだ両端に、それぞれ第2及び第1の係止部材が設けられていることから、ロックレバーの操作に伴いこれらのスリーブ及び係止部材同士が互いに圧着し、この圧着部分に摩擦力が発生する。よって、これらスリーブの湾曲部を中心とした回動運動、及び湾曲部の中心軸方向に沿った移動が抑制される。従って、複数のスリーブは、湾曲部から独立した構造を維持しながらも、一体化して湾曲部の位置に固定され、湾曲部の屈曲形状がそのまま固定・維持されるという作用を有する。これに対し、再度ロックレバーの操作を行うことにより、複数のスリーブと第2及び第1の係止部材同士の圧着状態が解かれ、これらが独立して移動する状態となることから、湾曲部が自在に屈曲可能な状態に戻るという作用を有する。
なお、「複数のスリーブの一端側に配置されたスリーブ」、「複数のスリーブの他端側に配置されたスリーブ」とは、直列に配置される複数のスリーブのうちそれぞれ最外端のスリーブを指す。
上記構成の角度固定具において、「湾曲部の周囲を被覆して」とは、角度固定具が湾曲部の周囲全面に接着固定されている構造は除外されている。つまり、本願角度固定具は湾曲部から独立した構造となっている。また、湾曲部に沿って複数のスリーブが直列に配置されているため、多関節を備えた湾曲部の屈曲に追随し、これらを取り付けることにより湾曲部の自在な屈曲が妨げられないという作用を有する。すなわち、屈曲形状を主体的に形成するのはあくまで湾曲部であって、角度固定具はこの形状を固定・維持するという補助的作用をなすものである。
そして、複数のスリーブ及び固定用スリーブを間に挟んだ両端に、それぞれ第2及び第1の係止部材が設けられていることから、ロックレバーの操作に伴いこれらのスリーブ及び係止部材同士が互いに圧着し、この圧着部分に摩擦力が発生する。よって、これらスリーブの湾曲部を中心とした回動運動、及び湾曲部の中心軸方向に沿った移動が抑制される。従って、複数のスリーブは、湾曲部から独立した構造を維持しながらも、一体化して湾曲部の位置に固定され、湾曲部の屈曲形状がそのまま固定・維持されるという作用を有する。これに対し、再度ロックレバーの操作を行うことにより、複数のスリーブと第2及び第1の係止部材同士の圧着状態が解かれ、これらが独立して移動する状態となることから、湾曲部が自在に屈曲可能な状態に戻るという作用を有する。
なお、「複数のスリーブの一端側に配置されたスリーブ」、「複数のスリーブの他端側に配置されたスリーブ」とは、直列に配置される複数のスリーブのうちそれぞれ最外端のスリーブを指す。
次に、請求項2記載の発明に係る角度固定具は、請求項1記載の角度固定具において、複数のスリーブは、互いに係合する端部に係合部を有し、これらの係合部は互いに嵌合可能な半球状面を形成することを特徴とする。
上記構成の角度固定具においては、請求項1記載の発明の作用に加えて、係合部は互いに嵌合可能な半球状面、すなわち凹面状の端部に凸面状の端部が嵌合するため、凹面に対して凸面が摺動するという作用を有する。加えて、複数のスリーブは湾曲部の周囲を被覆することから、凸面を摺動させた場合であっても、凹面とは一定の接触面積を確保するという作用を有する。そして、この接触面において摩擦力が発生するため、湾曲部を屈曲させた場合にも複数のスリーブ同士が一体化し、湾曲部の屈曲形状が維持・固定されるという作用を有する。また、係合部が半球状面のため、凹面に対する凸面の摺動は三次元的かつ連続的であり、任意な位置で摺動されるとともに、その位置が適宜修正されて三次元的な調整を妨げないという作用を有する。
上記構成の角度固定具においては、請求項1記載の発明の作用に加えて、係合部は互いに嵌合可能な半球状面、すなわち凹面状の端部に凸面状の端部が嵌合するため、凹面に対して凸面が摺動するという作用を有する。加えて、複数のスリーブは湾曲部の周囲を被覆することから、凸面を摺動させた場合であっても、凹面とは一定の接触面積を確保するという作用を有する。そして、この接触面において摩擦力が発生するため、湾曲部を屈曲させた場合にも複数のスリーブ同士が一体化し、湾曲部の屈曲形状が維持・固定されるという作用を有する。また、係合部が半球状面のため、凹面に対する凸面の摺動は三次元的かつ連続的であり、任意な位置で摺動されるとともに、その位置が適宜修正されて三次元的な調整を妨げないという作用を有する。
さらに、請求項3記載の発明に係る角度固定具は、請求項1又は請求項2に記載の角度固定具において、複数のスリーブは、第1のスリーブと、これに隣接する第2のスリーブと、この第2のスリーブに隣接する第3のスリーブと、から構成され、係合部は、第1の係合部と、これに嵌合する第2の係合部と、この第2の係合部に嵌合する第3の係合部と、この第3の係合部に嵌合する第4の係合部と、から構成され、第1のスリーブは、第2の係止部材に当接する当接部と、第1の係合部と、を備え、第2のスリーブは、第1のスリーブの第1の係合部に嵌合する半球状面を形成する第2の係合部と、第3の係合部と、を備え、第3のスリーブは、第2のスリーブの第3の係合部に嵌合する半球状面を形成する第4の係合部を備えることを特徴とする。
上記構成の角度固定具においては、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、計3個のスリーブから構成され、互いに嵌合する係合部は第1及び第2の係合部と、第3及び第4の係合部の計2箇所であることから、この2箇所においてスリーブの中心軸方向が互いに変化する。従って、多関節から構成される湾曲部の屈曲に対してより正確に適合し、自在な屈曲を妨げないという作用を有する。
上記構成の角度固定具においては、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、計3個のスリーブから構成され、互いに嵌合する係合部は第1及び第2の係合部と、第3及び第4の係合部の計2箇所であることから、この2箇所においてスリーブの中心軸方向が互いに変化する。従って、多関節から構成される湾曲部の屈曲に対してより正確に適合し、自在な屈曲を妨げないという作用を有する。
また、請求項4記載の発明に係る角度固定具は、請求項3に記載の角度固定具において、ロックレバーは、固定用スリーブに設けられた支軸と、支軸を支点として傾動する操作レバーと、支軸を挟んでこの操作レバーと反対端に突出し,第3のスリーブに圧接可能な面を形成するカム部と、を備えることを特徴とする。
上記構成の角度固定具においては、請求項3に記載の発明の作用に加えて、操作レバーが傾動すると、カム部が第3のスリーブに圧接するという作用を有する。従って、操作レバーの操作により、第3のスリーブがカム部に押されるため、請求項3に記載されたとおり、第3及び第2のスリーブを介して第1のスリーブが第2の係止部材に圧接する。
反対に、操作レバーが逆方向に傾動すると、カム部の圧接が解除され、第2の係止部に対する第1乃至第3のスリーブの圧接も解除されるという作用を有する。
上記構成の角度固定具においては、請求項3に記載の発明の作用に加えて、操作レバーが傾動すると、カム部が第3のスリーブに圧接するという作用を有する。従って、操作レバーの操作により、第3のスリーブがカム部に押されるため、請求項3に記載されたとおり、第3及び第2のスリーブを介して第1のスリーブが第2の係止部材に圧接する。
反対に、操作レバーが逆方向に傾動すると、カム部の圧接が解除され、第2の係止部に対する第1乃至第3のスリーブの圧接も解除されるという作用を有する。
そして、請求項5記載の発明に係る角度固定具は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の角度固定具において、固定用スリーブは、ロックレバーを多関節の中心軸周りに回動可能に突起を形成する指掛け部を備えることを特徴とする。
上記構成の角度固定具においては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、指掛け部を多関節の中心軸周りに回動することで、ロックレバーが最も操作され易い位置に回動されるという作用を有する。なお、ロックレバーが回動される場合は、当然ながらカム部が第3のスリーブに圧接していない場合である。
上記構成の角度固定具においては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、指掛け部を多関節の中心軸周りに回動することで、ロックレバーが最も操作され易い位置に回動されるという作用を有する。なお、ロックレバーが回動される場合は、当然ながらカム部が第3のスリーブに圧接していない場合である。
さらに、請求項6記載の発明に係る角度固定具は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の角度固定具において、少なくとも複数のスリーブ及び固定用スリーブは、それぞれ分離可能に湾曲部から取り外されることを特徴とする。
上記構成の角度固定具においては、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、例えば湾曲部の一端を分断した場合に、この分断部分から複数のスリーブ及び固定用スリーブがそれぞれ独立して取り外される。従って、個数の増減や中心軸方向の長さが異なるスリーブに適宜交換される。なお、「少なくとも複数のスリーブ及び固定用スリーブは、それぞれ分離可能に湾曲部から取り外される」とは、第2及び第1の係止部材は湾曲部から取り外されない場合があるという意味である。
上記構成の角度固定具においては、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、例えば湾曲部の一端を分断した場合に、この分断部分から複数のスリーブ及び固定用スリーブがそれぞれ独立して取り外される。従って、個数の増減や中心軸方向の長さが異なるスリーブに適宜交換される。なお、「少なくとも複数のスリーブ及び固定用スリーブは、それぞれ分離可能に湾曲部から取り外される」とは、第2及び第1の係止部材は湾曲部から取り外されない場合があるという意味である。
本発明の請求項1記載の角度固定具によれば、湾曲部の屈曲に追随することから、湾曲部を所望する形状のままに形成することができる。そして、その形状がそのまま固定・維持されるため、湾曲部を一方の手で保持しておく必要がなく、空いた一方の手で他の作業を行うことができる。よって、作業手順や時間の効率化が可能となる。また、例えば湾曲部に先端工具を取り付けた場合には、先端工具の操作中の安定性が確保される。さらに、湾曲部の固定は、自在に解除可能であるから、作業手順の流れを滞らせることがないという効果を有する。そして、この固定・固定解除は、ロックレバーを操作するのみで行うことができるので、操作が簡便であり、未習熟の作業者でもわずかな訓練で上達することが可能である。
さらに、請求項1記載の角度固定具は、複数のスリーブと、ロックレバーを備える固定用スリーブと、第1の係止部材と、第2の係止部材と、から構成されており、極めて簡易な構造であるため、低コストでの導入が可能である。しかも、このように極めて簡易な構造でありながら、上記の有利な効果を発揮できる点が、特に優れた特長である。
さらに、請求項1記載の角度固定具は、複数のスリーブと、ロックレバーを備える固定用スリーブと、第1の係止部材と、第2の係止部材と、から構成されており、極めて簡易な構造であるため、低コストでの導入が可能である。しかも、このように極めて簡易な構造でありながら、上記の有利な効果を発揮できる点が、特に優れた特長である。
本発明の請求項2記載の角度固定具によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、係合部の半球状面が互いに一定の接触面積を常に確保し、摩擦力が発生することから、湾曲部の屈曲形状の違いに関わらず、強固にこれを固定・維持することが可能である。従って、いずれの屈曲形状を選択した場合であっても、係合部がぐらつくといった不具合が発生せず、角度固定具を安定的に使用することができる。また、半球状面同士の摺動は連続的であることから、わずかな摺動から大きな摺動まで自在に変化させることが可能であり、角度固定具を湾曲部の屈曲形状に細かく適合させることができる。また、一旦湾曲部の屈曲形状に適合させた後であっても摺動の程度をその都度修正することが可能であることから、湾曲部の最適形状を常に維持することができる。従って、角度固定具の使用が作業者の負担とならないという効果を奏する。
本発明の請求項3記載の角度固定具によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、湾曲部の屈曲に対してより正確に適合することから、意図したとおりの形状に湾曲部を固定することができる。さらに、正確な固定が一度で可能となることから、各作業手順が迅速に完了できるという効果を有する。
本発明の請求項4記載の角度固定具によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、操作レバーを傾動することで、第3乃至第1のスリーブを第2の係止部材に圧接・圧接解除することができる。従って、容易に湾曲部の固定・固定解除が可能である。
本発明の請求項5記載の角度固定具によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、指掛け部が回動されるため、例えば湾曲部に支持部材が接続されている場合には、支持部材を片手で把持しながらこのうちの手指を用いて指掛け部を操作することができる。よって、湾曲部の屈曲形状が変化したことに伴ってロックレバーが回動し、手指が届かなくなった場合であっても、手指で操作可能な位置までロックレバーを回動させることができる。このように、これらの操作はすべて片手の手指によって行えることから、容易な操作が可能である。
本発明の請求項6記載の角度固定具によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、スリーブが適宜交換されることから、湾曲部の最大屈曲が可能である限り、スリーブの個数や中心軸方向の長さを組み合わせて調整したのちにこれらスリーブを湾曲部へ再度取り付けることができる。従って、多様なサイズのスリーブを準備することで様々な湾曲部の形状に適合させることが可能であることから、利便性が高いという効果を有する。また、スリーブは、例えば湾曲部の一端を分断することで取り外すことができるので、手間がかからず容易に交換可能であるという効果を有する。
本発明の実施の形態に係る実施例の角度固定具について、図1及至図10を用いて詳細に説明する。なお、図1乃至図6で示した構成要素については図7乃至図10においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1は、実施例に係る角度固定具の使用状態図である。
図1に示すように、本実施例の角度固定具1は、第1のスリーブ2と、第2のスリーブ3と、第3のスリーブ4と、固定用スリーブ5と、が直列に配置され、鉗子10に装着されている。加えて、固定用スリーブ5に隣接して第1の係止部材である角度調整ダイヤル8と、第1のスリーブ2に隣接して第2の係止部材9が配置されている。この角度調整ダイヤル8は、鉗子10の中心軸を中心として回動可能な構造を有している。
そして、これら直列した角度調整ダイヤル8乃至第2の係止部材9は、多関節を備えて自在に屈曲可能な湾曲部(図1には示さず。図7(a),(b)の符号11参照)の全周囲を被覆している。この湾曲部は、ハンドル13に着脱可能に挿入される基端(図示せず)を備え、この基端の反対端は延出して鉗子片12aを備える先端部12を形成している。この鉗子片12aは、先端部12及び湾曲部11とともに角度調整ダイヤル8の回動運動に連動した運動を行うとともに、ハンドル13の操作により開閉運動を行う構造である。
次に、第1のスリーブ2は、第2のスリーブ3に隣接する一端にハウジング2bを備え、また第2のスリーブ3は、両端にそれぞれ球部3a及びハウジング3bを備える。そして、第3のスリーブ4は第2のスリーブ3に隣接する一端に球部4aを備えている。このハウジング2b,3bの内側はいずれも凹面が形成され、これらの凹面にそれぞれ球部3a,4aが嵌合する。
また、固定用スリーブ5には、留めネジ6d,6d(図5(e)参照)を支軸として傾動運動が可能なロックレバー6と、2片の指掛け部7,7が突設されている。
なお、 前述のとおり、角度調整ダイヤル8は鉗子片12aの回動運動を調整するために元々鉗子10に付属しているものであるが、本実施例に係る角度固定具では、これを第1の係止部材として利用するものである。従って、鉗子であってこのような構造を備えず固定用スリーブを係止できない場合には、別途第1の係止部材を備えて対応する。また、第2の係止部材9についても同様である。本実施例に係る角度固定具が装着される多関節を備える器具に何らかの構造材が備わっていて、これらが第1の係止部材や第2の係止部材として機能する場合には、それらの構造材を本実施例に係る第1の係止部材や第2の係止部材として兼用してもよいのである。
図1は、実施例に係る角度固定具の使用状態図である。
図1に示すように、本実施例の角度固定具1は、第1のスリーブ2と、第2のスリーブ3と、第3のスリーブ4と、固定用スリーブ5と、が直列に配置され、鉗子10に装着されている。加えて、固定用スリーブ5に隣接して第1の係止部材である角度調整ダイヤル8と、第1のスリーブ2に隣接して第2の係止部材9が配置されている。この角度調整ダイヤル8は、鉗子10の中心軸を中心として回動可能な構造を有している。
そして、これら直列した角度調整ダイヤル8乃至第2の係止部材9は、多関節を備えて自在に屈曲可能な湾曲部(図1には示さず。図7(a),(b)の符号11参照)の全周囲を被覆している。この湾曲部は、ハンドル13に着脱可能に挿入される基端(図示せず)を備え、この基端の反対端は延出して鉗子片12aを備える先端部12を形成している。この鉗子片12aは、先端部12及び湾曲部11とともに角度調整ダイヤル8の回動運動に連動した運動を行うとともに、ハンドル13の操作により開閉運動を行う構造である。
次に、第1のスリーブ2は、第2のスリーブ3に隣接する一端にハウジング2bを備え、また第2のスリーブ3は、両端にそれぞれ球部3a及びハウジング3bを備える。そして、第3のスリーブ4は第2のスリーブ3に隣接する一端に球部4aを備えている。このハウジング2b,3bの内側はいずれも凹面が形成され、これらの凹面にそれぞれ球部3a,4aが嵌合する。
また、固定用スリーブ5には、留めネジ6d,6d(図5(e)参照)を支軸として傾動運動が可能なロックレバー6と、2片の指掛け部7,7が突設されている。
なお、 前述のとおり、角度調整ダイヤル8は鉗子片12aの回動運動を調整するために元々鉗子10に付属しているものであるが、本実施例に係る角度固定具では、これを第1の係止部材として利用するものである。従って、鉗子であってこのような構造を備えず固定用スリーブを係止できない場合には、別途第1の係止部材を備えて対応する。また、第2の係止部材9についても同様である。本実施例に係る角度固定具が装着される多関節を備える器具に何らかの構造材が備わっていて、これらが第1の係止部材や第2の係止部材として機能する場合には、それらの構造材を本実施例に係る第1の係止部材や第2の係止部材として兼用してもよいのである。
図2(a),(b),(c)は実施例に係る第1のスリーブの外観図であり、図2(d),(e),(f)はその縦断面図である。
図2(a),(b),(c)に示すように、第1のスリーブ2は、前端面2dを備える円柱状の体部2aと、後端面2eを備える略半球状のハウジング2bと、が一体形成されている。
図2(d),(e),(f)に示すように、体部2aには一様に平坦な周面を有する貫通孔2fが穿通され、ハウジング2b内に形成される略半球状に凹面を形成するハウジング内面2cの上端と連通している。そして、これら貫通孔2fとハウジング内面2cを湾曲部(図7(a),(b)の符号11参照)が貫通する。なお、第1のスリーブ2は、湾曲部に固着されるものではなく、湾曲部の中心軸方向に沿って移動可能であるとともに、軸中心に回動可能な構造となっている。この構造は、後述する第2のスリーブ3乃至固定用スリーブ5においても同様である。
図2(a),(b),(c)に示すように、第1のスリーブ2は、前端面2dを備える円柱状の体部2aと、後端面2eを備える略半球状のハウジング2bと、が一体形成されている。
図2(d),(e),(f)に示すように、体部2aには一様に平坦な周面を有する貫通孔2fが穿通され、ハウジング2b内に形成される略半球状に凹面を形成するハウジング内面2cの上端と連通している。そして、これら貫通孔2fとハウジング内面2cを湾曲部(図7(a),(b)の符号11参照)が貫通する。なお、第1のスリーブ2は、湾曲部に固着されるものではなく、湾曲部の中心軸方向に沿って移動可能であるとともに、軸中心に回動可能な構造となっている。この構造は、後述する第2のスリーブ3乃至固定用スリーブ5においても同様である。
図3(a),(b),(c)は実施例に係る第2のスリーブの外観図であり、図3(d),(e),(f)はその縦断面図である。
図3(a),(b),(c)に示すように、第2のスリーブ3は、前端面3dを備え,外周面が略半球状の凸面を形成する球部3aと、後端面3eを備える略半球状のハウジング3bと、が一体形成されている。
図3(d),(e),(f)に示すように、球部3aには周面が緩やかな凸面を形成する貫通孔3fが穿通され、略半球状に凹面を形成するハウジング内面3cの上端と連通している。そして、これら貫通孔3fとハウジング内面3cを湾曲部11が貫通する。なお、球部3aと、ハウジング内面2cは、周面同士が互いに一致する形状となっている。
図3(a),(b),(c)に示すように、第2のスリーブ3は、前端面3dを備え,外周面が略半球状の凸面を形成する球部3aと、後端面3eを備える略半球状のハウジング3bと、が一体形成されている。
図3(d),(e),(f)に示すように、球部3aには周面が緩やかな凸面を形成する貫通孔3fが穿通され、略半球状に凹面を形成するハウジング内面3cの上端と連通している。そして、これら貫通孔3fとハウジング内面3cを湾曲部11が貫通する。なお、球部3aと、ハウジング内面2cは、周面同士が互いに一致する形状となっている。
図4(a),(b),(c)は実施例に係る第3のスリーブの外観図であり、図4(d),(e),(f)はその縦断面図である。
図4(a),(b),(c)に示すように、第3のスリーブ4は、前端面4dを備え,球部3aと同一の形状である球部4aと、これに連なる略円柱状の体部4bと、後端面2e,3eに比して広い面積を有する平面状の後端面4eを備える円錐部4cと、が一体形成されている。
図4(d),(e),(f)に示すように、球部4aから円錐部4cまで湾曲部11が貫通可能となるように、貫通孔4fが穿通されている。貫通孔4fは、球部4aにおいては周面が緩やかな凸面を形成し、体部4b及び円錐部4cにおいては、一様に平坦な面を形成している。そして、球部4aと、ハウジング内面3cは、周面同士が互いに一致する形状となっている。
図4(a),(b),(c)に示すように、第3のスリーブ4は、前端面4dを備え,球部3aと同一の形状である球部4aと、これに連なる略円柱状の体部4bと、後端面2e,3eに比して広い面積を有する平面状の後端面4eを備える円錐部4cと、が一体形成されている。
図4(d),(e),(f)に示すように、球部4aから円錐部4cまで湾曲部11が貫通可能となるように、貫通孔4fが穿通されている。貫通孔4fは、球部4aにおいては周面が緩やかな凸面を形成し、体部4b及び円錐部4cにおいては、一様に平坦な面を形成している。そして、球部4aと、ハウジング内面3cは、周面同士が互いに一致する形状となっている。
図5(a)乃至図5(f)は、実施例に係る固定用スリーブの部分図である。
図5(a)乃至図5(d)に示すように、固定用スリーブ5は、前端面5b及び後端面5cを備え,さらにネジ孔5dが設けられた体部5aと、この体部5aの一方の曲面から外方へ突出する2辺の指掛け部7,7と、が一体形成されている。体部5aには、湾曲部(図7(a),(b)の符号11参照)が貫通する貫通孔5eが形成されている。
図5(e)及び図5(f)に示すように、ロックレバー6の一端は1本の操作レバー6aとなり、この反対端は二又に分かれてそれぞれカム部6b,6bが形成されている。このカム部6b,6bは、操作レバー6aの反対端の延設方向に対して傾斜した平面となっている。また、カム部6b,6bの付近では、軸孔6c,6cを貫通する留めネジ6d,6dがネジ孔5d,5dへ螺合することでロックレバー6が固定用スリーブ5に取り付けられる。また、固定用スリーブ5は、第3のスリーブ4と直列していることから、操作レバー6aを留めネジ6d,6dを支軸として傾動させると、カム部6b,6bが第3のスリーブ4の後端面4eに当接する構造となっている。
図5(a)乃至図5(d)に示すように、固定用スリーブ5は、前端面5b及び後端面5cを備え,さらにネジ孔5dが設けられた体部5aと、この体部5aの一方の曲面から外方へ突出する2辺の指掛け部7,7と、が一体形成されている。体部5aには、湾曲部(図7(a),(b)の符号11参照)が貫通する貫通孔5eが形成されている。
図5(e)及び図5(f)に示すように、ロックレバー6の一端は1本の操作レバー6aとなり、この反対端は二又に分かれてそれぞれカム部6b,6bが形成されている。このカム部6b,6bは、操作レバー6aの反対端の延設方向に対して傾斜した平面となっている。また、カム部6b,6bの付近では、軸孔6c,6cを貫通する留めネジ6d,6dがネジ孔5d,5dへ螺合することでロックレバー6が固定用スリーブ5に取り付けられる。また、固定用スリーブ5は、第3のスリーブ4と直列していることから、操作レバー6aを留めネジ6d,6dを支軸として傾動させると、カム部6b,6bが第3のスリーブ4の後端面4eに当接する構造となっている。
図6は、実施例に係る第2の係止部材の分解斜視図である。
図6に示すように、第2の係止部材9は、前端面9b及び後端面9cを備え,円柱を2分割した形状の体部9a,9aと、この側面に螺合して体部9a同士を合体させる留めネジ9d,9dと、から構成される。体部9a,9aが合体すると中心部に貫通孔9eが形成され、さらに留めネジ9d,9dを締め付けることにより第2の係止部材9は湾曲部に固着される構造となっている。
図6に示すように、第2の係止部材9は、前端面9b及び後端面9cを備え,円柱を2分割した形状の体部9a,9aと、この側面に螺合して体部9a同士を合体させる留めネジ9d,9dと、から構成される。体部9a,9aが合体すると中心部に貫通孔9eが形成され、さらに留めネジ9d,9dを締め付けることにより第2の係止部材9は湾曲部に固着される構造となっている。
図7(a)及び図7(b)は、実施例に係る角度固定具の縦断面図であって、それぞれ湾曲部11が直線状の場合及び屈曲した場合を示している。
図7(a)及び図7(b)に示すように、第1のスリーブ2の前端面2dがそれぞれ第2の係止部材9の後端面9cに当接し、第1のスリーブ2のハウジング内面2cに第2のスリーブ3の球部3aが当接する。そして、第2のスリーブ3のハウジング内面3cに第3のスリーブ4の球部4aが当接し、第3のスリーブ4の後端面4eに固定用スリーブ5の前端面5bが当接する。そして、これら第2の係止部材9乃至固定用スリーブ5の内部を湾曲部11が貫通している。
図7(a)では、第2の係止部材9乃至固定用スリーブ5の中心軸方向は、いずれも先端部12の中心軸方向と一致している。
しかし、図7(b)に示すように、湾曲部11が屈曲している場合では、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4の中心軸方向は、それぞれ異なっている。これは、ハウジング内面2cと球部3a、ハウジング内面3cと球部4aの当接位置がいずれも軸対称ではなく、図7(a)の場合と比較して異なっているためである。
また、球部3a,4aの内周面は緩やかな凸面となっているため、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4を嵌合させた場合に、これら2つの凸面があたかも滑らかな1つの曲面S1(図中点線)として形成されることとなる。従って、湾曲部11を屈曲させた場合に、球部3a,4aの内周面が最短曲面S(図中一点鎖線)に沿った形状となる。また、第3のスリーブ4の直線状の内周面は、湾曲部11における縦断面の多関節のない直線状部分に沿うものである。
図7(a)及び図7(b)に示すように、第1のスリーブ2の前端面2dがそれぞれ第2の係止部材9の後端面9cに当接し、第1のスリーブ2のハウジング内面2cに第2のスリーブ3の球部3aが当接する。そして、第2のスリーブ3のハウジング内面3cに第3のスリーブ4の球部4aが当接し、第3のスリーブ4の後端面4eに固定用スリーブ5の前端面5bが当接する。そして、これら第2の係止部材9乃至固定用スリーブ5の内部を湾曲部11が貫通している。
図7(a)では、第2の係止部材9乃至固定用スリーブ5の中心軸方向は、いずれも先端部12の中心軸方向と一致している。
しかし、図7(b)に示すように、湾曲部11が屈曲している場合では、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4の中心軸方向は、それぞれ異なっている。これは、ハウジング内面2cと球部3a、ハウジング内面3cと球部4aの当接位置がいずれも軸対称ではなく、図7(a)の場合と比較して異なっているためである。
また、球部3a,4aの内周面は緩やかな凸面となっているため、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4を嵌合させた場合に、これら2つの凸面があたかも滑らかな1つの曲面S1(図中点線)として形成されることとなる。従って、湾曲部11を屈曲させた場合に、球部3a,4aの内周面が最短曲面S(図中一点鎖線)に沿った形状となる。また、第3のスリーブ4の直線状の内周面は、湾曲部11における縦断面の多関節のない直線状部分に沿うものである。
図8(a)及び図8(b)は、実施例に係る角度固定具のそれぞれ係止前及び係止後の状態図である。
図8(a)に示すように、ロックレバー6の長手方向は、第3のスリーブ4の後端面4e面に対して略平行となっており、カム部6b,6bが後端面4eに当接していない状態である。このとき、後端面4eと固定用スリーブ5の前端面5bとの距離X1はわずかである。
しかし、図8(b)に示すように、操作レバー6aを留めネジ6d,6dを支軸として図中A方向に傾動させると、カム部6b,6bが平面状の後端面4eに対して平行となり圧接する構造である。また、固定用スリーブ5の後端面5cは角度調整ダイヤル8の前端面8aに圧接する構造となっている。このとき、後述するように距離X1は拡大されて距離X2となる。なお、角度調整ダイヤル8は、その中心軸方向に沿って移動しないよう湾曲部11に固着されている。
図8(a)に示すように、ロックレバー6の長手方向は、第3のスリーブ4の後端面4e面に対して略平行となっており、カム部6b,6bが後端面4eに当接していない状態である。このとき、後端面4eと固定用スリーブ5の前端面5bとの距離X1はわずかである。
しかし、図8(b)に示すように、操作レバー6aを留めネジ6d,6dを支軸として図中A方向に傾動させると、カム部6b,6bが平面状の後端面4eに対して平行となり圧接する構造である。また、固定用スリーブ5の後端面5cは角度調整ダイヤル8の前端面8aに圧接する構造となっている。このとき、後述するように距離X1は拡大されて距離X2となる。なお、角度調整ダイヤル8は、その中心軸方向に沿って移動しないよう湾曲部11に固着されている。
図9(a)及び図9(b)は、実施例の変形例1に係る角度固定具の縦断面図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、変形例1の角度固定具1aは、第1のスリーブ2,第2のスリーブ3,第3のスリーブ14及び第4のスリーブ15という合計4個のスリーブを備え、湾曲部(図示せず)が貫通している。このうち、第3のスリーブ14は第2のスリーブ3の形状と同一であり、第4のスリーブ15は角度固定具1における第3のスリーブ4の形状と同一である。よって、ハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部14aの外周面、及びハウジング内面14cと球部15aの外周面は、それぞれ一致する形状である。この他の構造は、実施例の角度固定具1と同様である。
なお、本変形例1では4個のスリーブを備えたものを示したが、4個に限定するものではなく、鉗子10の湾曲部11の長さに応じて4個以上の個数のスリーブを備えても同様に構成することができる。
図9(a)及び図9(b)に示すように、変形例1の角度固定具1aは、第1のスリーブ2,第2のスリーブ3,第3のスリーブ14及び第4のスリーブ15という合計4個のスリーブを備え、湾曲部(図示せず)が貫通している。このうち、第3のスリーブ14は第2のスリーブ3の形状と同一であり、第4のスリーブ15は角度固定具1における第3のスリーブ4の形状と同一である。よって、ハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部14aの外周面、及びハウジング内面14cと球部15aの外周面は、それぞれ一致する形状である。この他の構造は、実施例の角度固定具1と同様である。
なお、本変形例1では4個のスリーブを備えたものを示したが、4個に限定するものではなく、鉗子10の湾曲部11の長さに応じて4個以上の個数のスリーブを備えても同様に構成することができる。
図10(a)及び図10(b)は、実施例の変形例2に係る角度固定具の縦断面図である。
図10(a)及び図10(b)に示すように、変形例2の角度固定具1bは、第1のスリーブ2及び第2のスリーブ16という合計2個のスリーブを備え、湾曲部(図示せず)が貫通している。このうち、第2のスリーブ16は角度固定具1における第3のスリーブ4の形状と同一である。この他の構造は、実施例の角度固定具1と同様である。
図10(a)及び図10(b)に示すように、変形例2の角度固定具1bは、第1のスリーブ2及び第2のスリーブ16という合計2個のスリーブを備え、湾曲部(図示せず)が貫通している。このうち、第2のスリーブ16は角度固定具1における第3のスリーブ4の形状と同一である。この他の構造は、実施例の角度固定具1と同様である。
本実施例の角度固定具1の作用を、まず係止前の状態(図8(a)参照)について説明する。本実施例の角度固定具1によれば、この状態において、カム部6bが第3のスリーブ4の後端面4eに当接していないため、固定用スリーブ5が中心軸方向に沿って移動することがなく、第3のスリーブ4及び角度調整ダイヤル8に対していかなる力も作用していない。
次に、ハウジング内面2cと球部3aの外周面、及びハウジング内面3cと球部4aの外周面とは、それぞれ一致する形状となっていることから、これらは互いに面接触するという作用を有する。また、これらの面は、略半球状であることに加え、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4は貫通孔2f,3f,4fの内部に湾曲部11を貫通させているため、ハウジング内面2c,3cに対する球部3a,4aの外周面の位置を摺動させた場合においても、互いに一定の接触面積が確保される。なお、固定用スリーブ5が第3のスリーブ4に力を作用させていない場合には、この力が第2のスリーブ3、第1のスリーブ2の順で伝達されることがない。
従って、ハウジング内面2c,3cに球部3a,4aの外周面がそれぞれ圧接しないことから、湾曲部11の屈曲に従って上記の摺動が容易に発生するという作用を有する。すなわち、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4は、湾曲部11の屈曲を妨げるような抵抗作用を有しない。さらに、この摺動は三次元的かつ連続的であるため、任意な位置で摺動されるとともに、その位置は容易に修正されるという作用を有する。
従って、ハウジング内面2c,3cに球部3a,4aの外周面がそれぞれ圧接しないことから、湾曲部11の屈曲に従って上記の摺動が容易に発生するという作用を有する。すなわち、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4は、湾曲部11の屈曲を妨げるような抵抗作用を有しない。さらに、この摺動は三次元的かつ連続的であるため、任意な位置で摺動されるとともに、その位置は容易に修正されるという作用を有する。
次に、係止後の状態(図8(b)参照)における角度固定具1の作用について説明する。
角度固定具1によれば、まず湾曲部11が直線状である状態(図7(a)参照)において、操作レバー6aを傾動させると、カム部6b,6bが固定用スリーブ5の前端面5bを超えて第3のスリーブ4の後端面4e方向へ突出し、後端面4eに圧接した状態となる。同時にこの反対端においては、固定用スリーブ5の後端面5cが角度調整ダイヤル8の前端面8aに圧接した状態となっている。
しかし、角度調整ダイヤル8は湾曲部11に固着されているので、固定用スリーブ5は角度調整ダイヤル8の方向へはほとんど移動しない。従って、カム部6b,6bの後端面4eへの圧接は、第3のスリーブ4を第2のスリーブ3の方向へ押し付けるという作用を有する。続いて押された第2のスリーブ3は、第1のスリーブ2を同一大きさの力で押し付ける。ここで、第2の係止部材9は湾曲部11に固着されているため、第1のスリーブ2もほとんど移動しない。
よって、球部3a,4aがそれぞれハウジング内面2c,3cにより深く嵌り込むこととなる。従って、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4は、角度調整ダイヤル8と第2の係止部材9の間に挟み込まれ、係止前の状態と比較して全体的に距離X2ほど圧縮されるという作用を有する。
角度固定具1によれば、まず湾曲部11が直線状である状態(図7(a)参照)において、操作レバー6aを傾動させると、カム部6b,6bが固定用スリーブ5の前端面5bを超えて第3のスリーブ4の後端面4e方向へ突出し、後端面4eに圧接した状態となる。同時にこの反対端においては、固定用スリーブ5の後端面5cが角度調整ダイヤル8の前端面8aに圧接した状態となっている。
しかし、角度調整ダイヤル8は湾曲部11に固着されているので、固定用スリーブ5は角度調整ダイヤル8の方向へはほとんど移動しない。従って、カム部6b,6bの後端面4eへの圧接は、第3のスリーブ4を第2のスリーブ3の方向へ押し付けるという作用を有する。続いて押された第2のスリーブ3は、第1のスリーブ2を同一大きさの力で押し付ける。ここで、第2の係止部材9は湾曲部11に固着されているため、第1のスリーブ2もほとんど移動しない。
よって、球部3a,4aがそれぞれハウジング内面2c,3cにより深く嵌り込むこととなる。従って、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4は、角度調整ダイヤル8と第2の係止部材9の間に挟み込まれ、係止前の状態と比較して全体的に距離X2ほど圧縮されるという作用を有する。
そして、このとき第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8の間にある後端面9cと前端面2d、ハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部4aの外周面、後端面4eとカム部6b、後端面5cと前端面8aが圧接し、この圧接部分に摩擦力が発生する。よって、直列に並んだ第1のスリーブ2乃至固定用スリーブ5の屈曲や、湾曲部11を中心とする回動、さらに湾曲部11の中心軸方向に沿った移動が抑制される。従って、第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8は、一体化して湾曲部11を被覆する位置に固定されるという作用を有する。
なお、湾曲部11が屈曲した場合(図7(b)参照)、すなわちハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部4aの外周面の圧接位置が様々に変化した場合においても、湾曲部11が直線状である場合と同様であって、それぞれの圧接部分に摩擦力が発生する。よって、上記の固定作用は、湾曲部11が直線形状の場合又は屈曲形状である場合にかかわらず、発揮されるものである。従って、角度固定具1は、湾曲部11の直線形状又は屈曲形状をそのまま固定・維持するという作用を有する。また、球部3a,4aの内周面を結ぶ曲面S1(図7(b)参照)が湾曲部11の最短曲面S(図7(b)参照)にほぼ沿った形状となることから、この点においても角度固定具1は湾曲部11を屈曲させる支障とはならない。
続いて、操作レバー6aを図8(b)中のA方向とは逆に傾動させると、第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8の圧着状態が解かれ、これらが独立して移動可能な状態となる。従って、湾曲部11は自在に屈曲する状態に戻る。
なお、湾曲部11が屈曲した場合(図7(b)参照)、すなわちハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部4aの外周面の圧接位置が様々に変化した場合においても、湾曲部11が直線状である場合と同様であって、それぞれの圧接部分に摩擦力が発生する。よって、上記の固定作用は、湾曲部11が直線形状の場合又は屈曲形状である場合にかかわらず、発揮されるものである。従って、角度固定具1は、湾曲部11の直線形状又は屈曲形状をそのまま固定・維持するという作用を有する。また、球部3a,4aの内周面を結ぶ曲面S1(図7(b)参照)が湾曲部11の最短曲面S(図7(b)参照)にほぼ沿った形状となることから、この点においても角度固定具1は湾曲部11を屈曲させる支障とはならない。
続いて、操作レバー6aを図8(b)中のA方向とは逆に傾動させると、第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8の圧着状態が解かれ、これらが独立して移動可能な状態となる。従って、湾曲部11は自在に屈曲する状態に戻る。
また、第1のスリーブ2乃至固定用スリーブ5はいずれも湾曲部11に固着されるものではなく、湾曲部11はその基端がハンドル13に着脱可能に挿入されていることから、湾曲部11をハンドル13から引き抜くと、固定用スリーブ5から第1のスリーブ2の順に、それぞれ分離して湾曲部11から取り外される。もちろん、これらは自在に何度も取り付け可能な構造となっている。この取付手順について述べると、例えば次のようである。ハンドル13から引き抜かれた湾曲部11へ第1のスリーブ2、第2のスリーブ3、第3のスリーブ4、固定用スリーブ5を、この順に差し込んだ後、湾曲部11の基端をハンドル13に挿入する。そして第2の係止部材9を湾曲部11に取り付け、第1のスリーブ2乃至固定用スリーブ5が圧接しないような位置、すなわち湾曲部11が自在に屈曲可能な状態として留めネジ9d,9dを締め付け、第2の係止部材9を固着する。
次に、図9を参照しながら説明した本実施例の変形例1に係る角度固定具1aの作用について説明する。
変形例1に係る角度固定具1aによれば、ハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部14aの外周面、及びハウジング内面14cと球部15aの外周面は、互いに面接触するという作用を有する。従って、ロックレバー6を傾動させる(図8(b),A方向参照)と、これらの接触面にも摩擦力が発生し、第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8は一体化して湾曲部(図示せず)を被覆する位置で固定される。
また、第3のスリーブ14を追加したため、湾曲部の曲率が湾曲部11(図7(b)参照)に比して増大した場合においても、湾曲部の屈曲形状が固定・維持されるという作用を有する。この他の作用は、実施例の角度固定具1と同様である。さらに、スリーブの個数が増加した場合の作用も同様である。
変形例1に係る角度固定具1aによれば、ハウジング内面2cと球部3aの外周面、ハウジング内面3cと球部14aの外周面、及びハウジング内面14cと球部15aの外周面は、互いに面接触するという作用を有する。従って、ロックレバー6を傾動させる(図8(b),A方向参照)と、これらの接触面にも摩擦力が発生し、第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8は一体化して湾曲部(図示せず)を被覆する位置で固定される。
また、第3のスリーブ14を追加したため、湾曲部の曲率が湾曲部11(図7(b)参照)に比して増大した場合においても、湾曲部の屈曲形状が固定・維持されるという作用を有する。この他の作用は、実施例の角度固定具1と同様である。さらに、スリーブの個数が増加した場合の作用も同様である。
次に、本実施例の変形例2に係る角度固定具1bの作用について説明する。
変形例2に係る角度固定具1bによれば、湾曲部(図示せず)の曲率が湾曲部11(図7(b)参照)に比して減少した場合において、湾曲部の屈曲形状が固定・維持されるという作用を有する。この他の作用は、実施例の角度固定具1と同様である。
変形例2に係る角度固定具1bによれば、湾曲部(図示せず)の曲率が湾曲部11(図7(b)参照)に比して減少した場合において、湾曲部の屈曲形状が固定・維持されるという作用を有する。この他の作用は、実施例の角度固定具1と同様である。
以上説明したように、本実施例の角度固定具1によれば、固定用スリーブ5が第3のスリーブ4に力を作用させていない場合には、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4が湾曲部11の屈曲を妨げないため、湾曲部11を所望する形状通りに形成することができる。
また、角度固定具1は、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4からなる計3個のスリーブを連結させているので、湾曲部11の屈曲に対し、より正確に適合できるという効果を有する。加えて、このような湾曲部11を屈曲させる場合にあっては、球部3a,4aの内周面が屈曲の阻害要因とならないので、湾曲部11自体が許す最大限までこれを屈曲させることが可能である。よって、鉗子10の操作性の自由度を維持することができる。
さらに、ハウジング内面2c,3cに対する球部3a,4aの外周面の位置は三次元的かつ連続的に変化することから、湾曲部11の屈曲形状をわずかに変化させる場合にも十分対応可能であり、このわずかな変化を妨げることがないという効果を有する。
また、角度固定具1は、第1のスリーブ2乃至第3のスリーブ4からなる計3個のスリーブを連結させているので、湾曲部11の屈曲に対し、より正確に適合できるという効果を有する。加えて、このような湾曲部11を屈曲させる場合にあっては、球部3a,4aの内周面が屈曲の阻害要因とならないので、湾曲部11自体が許す最大限までこれを屈曲させることが可能である。よって、鉗子10の操作性の自由度を維持することができる。
さらに、ハウジング内面2c,3cに対する球部3a,4aの外周面の位置は三次元的かつ連続的に変化することから、湾曲部11の屈曲形状をわずかに変化させる場合にも十分対応可能であり、このわずかな変化を妨げることがないという効果を有する。
次に、固定用スリーブ5が第3のスリーブ4に力を作用させる場合においては、湾曲部11の形状にかかわらず、第2の係止部材9乃至角度調整ダイヤル8が一体化して湾曲部11を被覆する位置に固定されるため、湾曲部11を所望する形状のまま確実に固定・維持することが可能である。また、湾曲部11の形状を一方の手で保持しておく必要がない上、ハンドル13を把持するのみで鉗子片12aを揺動させることなく安定的に支持することができる。このため、鉗子片12aが不意に動いて作業対象物を損傷する危険性を回避することができる。
さらに、空いた一方の手で他の作業を行うことが可能となることや、湾曲部11の固定は自在に解除可能であることから、作業を迅速に進行させることができる。そして、この固定・固定解除は、ロックレバー6を傾動するという簡単な操作のみにより頻繁に行うことが可能なため、湾曲部11の屈曲形状の微調整も容易に行うことができる。従って、湾曲部11の最適形状を常に維持することが可能で、作業対象物に対して鉗子片12aの方向を細かく操作することができる。このため、角度固定具1を装着することが作業者の負担とならないという効果を有する。
さらに、空いた一方の手で他の作業を行うことが可能となることや、湾曲部11の固定は自在に解除可能であることから、作業を迅速に進行させることができる。そして、この固定・固定解除は、ロックレバー6を傾動するという簡単な操作のみにより頻繁に行うことが可能なため、湾曲部11の屈曲形状の微調整も容易に行うことができる。従って、湾曲部11の最適形状を常に維持することが可能で、作業対象物に対して鉗子片12aの方向を細かく操作することができる。このため、角度固定具1を装着することが作業者の負担とならないという効果を有する。
また、湾曲部11の形状変化を頻繁に行うことに伴い、固定用スリーブ5が当初の位置より湾曲部11を中心として回動し、ロックレバー6に手指が届かなくなる事態が起こりうる。このような事態になっても、指掛け部7,7が設けられているので、ロックレバー6を操作可能な位置まで湾曲部11を中心として容易に回動させることができる。なお、これらの操作はハンドル13を把持する手の指によって行うことが可能であるため、一旦ハンドル13を持ち変える必要がなく作業者の操作負担の軽減となる。
以上のように、角度固定具1は多くの優れた効果を奏するものであるが、その構造は極めて簡易な構造であることから、容易な製造及び低コストでの導入が可能である。なお、本実施例の変形例1,2に係る角度固定具1a,1bにおいても、角度固定具1と同様な効果を有する。
さらに、各スリーブは湾曲部11に固着されるものでないことから、使用後に清掃や消毒を容易に行うことができる。また、交換も可能となることから、変形例1,2に係る角度固定具1a,1bのようにスリーブの個数を変更することや、またその長さが異なるものを適宜組み合わせることで、様々な長さ及び最大屈曲角度を有する湾曲部11を固定することができる。従って、多様なサイズのスリーブを準備することで例えば複数種類の湾曲部の形状に十分に適合させることが可能である。よって、角度固定具1,1a,1bは利便性が高いという効果を発揮するものである。
以上のように、角度固定具1は多くの優れた効果を奏するものであるが、その構造は極めて簡易な構造であることから、容易な製造及び低コストでの導入が可能である。なお、本実施例の変形例1,2に係る角度固定具1a,1bにおいても、角度固定具1と同様な効果を有する。
さらに、各スリーブは湾曲部11に固着されるものでないことから、使用後に清掃や消毒を容易に行うことができる。また、交換も可能となることから、変形例1,2に係る角度固定具1a,1bのようにスリーブの個数を変更することや、またその長さが異なるものを適宜組み合わせることで、様々な長さ及び最大屈曲角度を有する湾曲部11を固定することができる。従って、多様なサイズのスリーブを準備することで例えば複数種類の湾曲部の形状に十分に適合させることが可能である。よって、角度固定具1,1a,1bは利便性が高いという効果を発揮するものである。
なお、本発明の角度固定具1の構造は本実施例に示すものに限定されない。例えば、第2の係止部材9は、湾曲部11に孔を開け留めネジ9d,9dにより固定しても良く、湾曲部11に着脱可能でなく溶接等により固着された構造であっても良い。さらに、第2の係止部材9を、湾曲部11及び先端部12を洗浄可能な洗浄ポートに置換しても良い。このとき、洗浄ポートは、第1のスリーブ2を係止可能に湾曲部11へ固着される。また、スリーブの個数は、変形例で示すとおり、2個や4個であってもよいし、前述のとおり5個以上であっても良く、その効果はスリーブの個数が3個の場合と同様である。さらに、様々な湾曲部11の直径に適合するよう貫通孔の直径を多様に変更しても良い。
請求項1乃至請求項6に記載された発明は、内視鏡手術用自在鉗子の形状固定用具として利用可能である。また、自在に屈曲可能な配管の形状固定用具としても利用可能である。さらに、これらに限定されることなく、広く多関節を備える屈曲可能な構造に対する形状、角度固定用具として利用可能である。
1,1a,1b…角度固定具 2…第1のスリーブ 2a,4b,5a,9a…体部 2b,3b…ハウジング 2c,3c,14c…ハウジング内面 2d,3d,4d,5b,8a,9b…前端面 2e,3e,4e,5c,9c…後端面 2f,3f,4f,5e,9e…貫通孔 3,16…第2のスリーブ 3a,4a,14a,15a…球部 4,14…第3のスリーブ 4c…円錐部 5…固定用スリーブ 5d…ネジ孔 6…ロックレバー 6a…操作レバー 6b…カム部 6c…軸孔 6d,9d…留めネジ 7…指掛け部 8…角度調整ダイヤル(第1の係止部材) 9…第2の係止部材 10…鉗子 11…湾曲部 12…先端部 12a…鉗子片 13…ハンドル 15…第4のスリーブ
Claims (6)
- 多関節を備えて自在に屈曲する湾曲部の周囲を被覆して角度を固定する角度固定具であって、
前記湾曲部に沿って直列に配置される複数のスリーブと、
この複数のスリーブの一端側に配置された前記スリーブに隣接して設けられ,ロックレバーを備える固定用スリーブと、
この固定用スリーブに当接する第1の係止部材と、
前記複数のスリーブの他端側に配置された前記スリーブに当接する第2の係止部材と、を備え、
前記ロックレバーを操作して、前記固定用スリーブを前記第1の係止部材に圧接させるとともに、前記複数のスリーブのうち,前記固定用スリーブに隣接するスリーブの端面に前記ロックレバーの一端を圧接させることで,前記複数のスリーブの他端側に配置された前記スリーブを前記第2の係止部材に圧接させ、前記湾曲部の形状を固定可能に構成されることを特徴とする角度固定具。 - 前記複数のスリーブは、互いに係合する端部に係合部を有し、これらの係合部は互いに嵌合可能な半球状面を形成することを特徴とする請求項1記載の角度固定具。
- 前記複数のスリーブは、第1のスリーブと、これに隣接する第2のスリーブと、この第2のスリーブに隣接する第3のスリーブと、から構成され、前記係合部は、第1の係合部と、これに嵌合する第2の係合部と、この第2の係合部に嵌合する第3の係合部と、この第3の係合部に嵌合する第4の係合部と、から構成され、
前記第1のスリーブは、前記第2の係止部材に当接する当接部と、前記第1の係合部と、を備え、
前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブの前記第1の係合部に嵌合する前記半球状面を形成する第2の係合部と、前記第3の係合部と、を備え、
前記第3のスリーブは、前記第2のスリーブの前記第3の係合部に嵌合する前記半球状面を形成する第4の係合部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角度固定具。 - 前記ロックレバーは、
前記固定用スリーブに設けられた支軸と、
前記支軸を支点として傾動する操作レバーと、
前記支軸を挟んでこの操作レバーと反対端に突出し,前記第3のスリーブに圧接可能な面を形成するカム部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の角度固定具。 - 前記固定用スリーブは、前記ロックレバーを前記多関節の中心軸周りに回動可能に突起を形成する指掛け部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の角度固定具。
- 少なくとも前記複数のスリーブ及び固定用スリーブは、それぞれ分離可能に前記湾曲部から取り外されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の角度固定具。
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JP2011280213A JP2013128667A (ja) | 2011-12-21 | 2011-12-21 | 角度固定具 |
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CN112370103A (zh) * | 2020-10-29 | 2021-02-19 | 河北医科大学第二医院 | 一种神经外科用止血装置 |
-
2011
- 2011-12-21 JP JP2011280213A patent/JP2013128667A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112370103A (zh) * | 2020-10-29 | 2021-02-19 | 河北医科大学第二医院 | 一种神经外科用止血装置 |
CN112370103B (zh) * | 2020-10-29 | 2023-01-31 | 河北医科大学第二医院 | 一种神经外科用止血装置 |
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