JP2013127394A - 圧力計 - Google Patents

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昭夫 高橋
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Abstract

【課題】ブルドン管の先端の封止作業を容易かつ確実に行うことができるようにすることにより、封止不良の低減を図るとともに組み立て作業を容易化する。
【解決手段】流体の圧力を検出する検知体10と、該検知体に連結されて検知体10の検出結果を表示する表示機構20とを有する圧力計100は、その検知体10が、両端が開口した平面視C字状の中空のブルドン管11と、ブルドン管11の先端11aが差し込まれた凹部12aを含む管先部材12とを有し、ブルドン管11の先端11aが全周にわたり管先部材12の凹部12aに包み込まれた状態で封止されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体の圧力を計測する圧力計に関し、特にブルドン管を有する圧力計に関する。
図7に示すように、従来のブルドン(Bourdon)管を有する圧力計50は、両端が開口した平面視C字状の中空のブルドン管51と、該ブルドン管51の先端に固定され、レバー部52aを備えた断面U字状の管先部材52と、前記ブルドン管51の基端が固定され、前記ブルドン管51の内部に連通する接続路を内蔵したフレーム53と、前記フレーム53に固定された固定板54と、前記固定板54に一対の支柱55A、55Bを介して取り付けられた取付板56と、前記固定板54及び前記取付板56の間に回転自在に支持され、歯車57a及びヒゲゼンマイ57bを含む指針軸57と、前記歯車57aに噛み合うセクターギア58aを備えたセクター58と、前記管先部材52の前記レバー部52a及び前記セクター58の基端部(セクターギア58aに対して反対側の端部)をリベット59A、59Bを介して回動自在に連結する連結リンク59とを有している。このように構成された圧力計50は流体がフレーム53を通ってブルドン管51内に流入すると、内部圧力の増大に従ってブルドン管51の曲率が低下するように変形して、管先部材52が外側(矢印A方向)に移動するに伴って、連結リンク59を介してセクター58を回動させてセクターギア58aが歯車57aを回転させて指針軸57がヒゲゼンマイ57bの付勢に抗って回転するように構成されている。したがって、指針軸57に指針を取り付けることによって流体の圧力値を表示できる。
また、ブルドン管の先端(自由端)側の封止構造に特徴を備えた圧力計が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の圧力計は、両端が開口した平面視C字状の中空のブルドン管と、前記ブルドン管の先端が差し込み可能に構成されており、筒状の外周及び貫通孔(貫孔)を備えた底を含むキャップと、一部(基部)が前記キャップの前記貫通孔に挿入可能に構成されたレバー部材(管先金具)とを有する。この圧力計は、前記ブルドン管の先端に前記キャップを被せるとともに、前記レバー部材の一部を前記キャップの前記貫通孔に挿入した状態で、前記ブルドン管の先端と前記キャップと前記レバー部材とを一挙にろう付け又は半田付けすることにより構成される。
また、ブルドン管を有する圧力計のうち、流体の圧力を制御する圧力調整弁(レギュレータ、Regulator)に取り付け可能な圧力計が特許文献2に記載されている。特許文献2に記載の圧力計は、平面視C字状のブルドン管と、前記ブルドン管に連結された導管(圧力導管)と、ゴム製のOリング(シールリング)を収容可能な段付き孔(収容凹部とそれに形成された挿通孔)を備えた蓋板とを有しており、前記導管の一端部が前記蓋板の前記段付き孔に差し込まれた状態で半田によって固定されている。このように構成された圧力計は、前記蓋板の前記段付き孔の中にOリングを挿入して、前記段付き孔の内部に形成された段差部にOリングを配置した状態で、このOリングを介してねじ等によって圧力調整弁に取り付けることができるようになっている。
実開昭55−051729号公報 実用新案登録第2517705号公報
しかしながら、図7に記載の圧力計50は、管先部材52が断面U字状に形成されているため、ブルドン管51の先端に管先部材52を半田によって固定する際に、半田が固化するまでは管先部材52がブルドン管51の先端に対して幅方向に移動しやすいことから、ブルドン管51の先端に対する管先部材52の固着位置がばらつきやすく、また、固定作業が困難であるため、ブルドン管51の封止不良が発生しやすく、実際に圧力計の不良の多くがブルドン管の管先の封止不良であるという問題がある。
また、図7に記載の圧力計50では、ブルドン管51の先端に対する管先部材52の固定位置がばらつくと、セクター58の姿勢が傾斜して、セクター58のセクターギア58aと指針軸57の歯車57aとが噛み合わなくなる事態が生ずるので、管先部材52のレバー部52aを適宜変形させてセクター58の姿勢を調整してセクター58のセクターギア58aと指針軸の歯車57aとを噛み合わせるなど、圧力計の組み立て時に煩雑な調整作業が必要になるという問題がある。
一方、特許文献1に記載の圧力計では、ブルドン管の先端の封止作業において、前記キャップの外周がブルドン管の先端をその全周にわたり周回状に取り囲んだ状態となっているので、このキャップがブルドン管の先端に対して大きく移動することはない。しかしながら、このキャップの底には貫通孔が設けられており、この貫通孔に前記レバー部材の一部が挿入された状態で、ブルドン管の先端とキャップとレバー部材の3つの部品を同時にろう付け又は半田付けする必要があるため、固定作業がきわめて困難になるとともに、特にキャップの貫通孔とレバー部材の挿入部分との間の隙間が完全に閉鎖されないなど、依然としてブルドン管の先端の封止不良が発生しやすいという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、ブルドン管の先端の封止作業を容易かつ確実に行うことができるようにすることにより、封止不良の低減を図るとともに組み立て作業を容易化することにある。
上記課題を解決するために本発明の圧力計は、流体の圧力を検出する検知体と、該検知体に連結されて前記検知体の検出結果を表示する表示機構とを有する圧力計であって、前記検知体は両端が開口した平面視C字状の中空のブルドン管と、前記表示機構に連結されるとともに、閉鎖された底を一体に備えた凹部を含む管先部材とを有し、前記ブルドン管の先端が前記凹部内に差し込まれて全周にわたり前記凹部に包み込まれた状態で封止されていることを特徴とする。
この発明によれば、管先部材の凹部が閉鎖された底を一体に備えるとともに、ブルドン管の先端が全周にわたり管先部材の凹部に包み込まれた状態で封止されていることにより、ブルドン管の先端の封止作業の容易化を図ることができるため、封止不良を低減することができる。また、封止作業中におけるブルドン管の先端に対する管先部材の位置ずれを低減できるので、管先部材の取付精度を高めることができるから、管先部材の表示機構に対する連結時の調整作業も不要若しくは簡単になるため、組み立て作業を容易化できる。
ここで、前記管先部材は一体形成されていることが好ましい。また、前記凹部の開口形状は、前記ブルドン管の先端の断面と相似形であることが好ましい。これにより、ブルドン管の先端に対する管先部材の位置ずれをさらに低減でき、封止作業がさらに容易になるとともに、封止不良の発生をさらに抑制することができる。ブルドン管の先端の断面形状は一般的に長円形や楕円形であるため、これに対応して上記凹部の開口形状も例えば長円形や楕円形とすることが望ましい。
本発明において、前記管先部材は外面上に狭窄部を有し、前記狭窄部は前記表示機構に設けられた連結部材の係合部に係合している。例えば、前記狭窄部は前記管先の外周に沿って周回状に形成された周溝である。ここで、前記凹部と前記狭窄部は前記管先に一体形成されていることが好ましい。また、前記狭窄部は前記管先部材の一端部に設けられていることが好ましい。これによれば、凹部が形成されることにより薄肉とされた前記管先部材の部位を回避して前記狭窄部が形成されるので、前記狭窄部を容易に形成でき、前記表示機構の連結部材との係合深さを十分に確保しつつ、前記狭窄部の肉厚を確保しつつ、前記管先部材の外形寸法を抑制できる。
ここで、前記管先部材は例えば外周面上に上記凹部の開口が設けられた円柱状や角柱状に構成できる。このとき、前記凹部の開口形状は、上記円柱状若しくは角柱状の軸線の方向に長軸を有する長円形や楕円形であることが好ましい。また、前記狭窄部は上記凹部の開口範囲よりも上記軸線の方向にずれた位置(一端部)に形成されていることが望ましい。また、前記狭窄部は前記管先部材の外周面に沿って軸線の周りに周回状に形成された周溝であることが望ましい。さらに、前記ブルドン管の基端が板部材上に固定された支柱に固定され、当該板部材の表面に沿って前記ブルドン管が配置されているときには、前記狭窄部は前記板部材とは反対側の前記管先部材の端部に設けられていることが好ましい。
本発明において、前記係合部は、前記狭窄部を挿入可能に構成され、前記連結部材の先端に開口端を備えるとともに圧力変動時の前記管先部材の動作方向(ブルドン管の先端の移動方向)とは異なる開口方向を有する切り欠き溝で構成されることが好ましい。
この発明によれば、上記開口端を通して前記管先部材の前記狭窄部を切り欠き溝に挿入するだけで前記表示機構が前記検知体に連結され、しかも開口方向が圧力変動時における管先部材の動作方向とは異なる向きであるので連結部材と狭窄部との連結部分の位置ずれも防止できるから動作に支障がない。このため、前記表示機構と前記検知体を容易に連結させることができ、圧力計の組み立てを容易に行うことができる。なお、前記連結部材の前記係合部は平面視U字状の先割れ二股部により切り欠き溝が形成されていてもよい。また、前記係合部は平面視J字状の鉤部(フック、hook)で構成されてもよい。
本発明において、前記切り欠き溝は前記開口端と前記狭窄部が保持される内奥部との間に曲折部を有することが好ましい。この発明によれば、前記開口端と前記狭窄部が収容された内奥部との間に切り欠き溝の曲折部が存在するため、前記狭窄部を前記切り欠き溝の中から抜け難くすることができ、前記表示機構の前記連結部材と前記検知体の前記管先部材との連結を外れ難くすることができるだけでなく、動作時における切り欠き溝内の狭窄部の位置ずれを防止できる。
ここで、前記切り欠き溝の曲折部は所定の角度で屈曲していてもよいし、円弧状に湾曲していてもよい。また、前記切り欠き溝は前記ブルドン管の接線方向に開口していることが好ましい。
本発明において、前記連結部材の前記係合部は、前記切り欠き溝の両側に配置される平面視U字状の先割れ二股部を有し、前記先割れ二股部は前記開口端から内部に向かって平行に伸び、前記狭窄部を収容可能な間隔幅を空けて対向配置される一対の内縁と、該一対の内縁の奥側に両内縁を連結する内底縁を備えていることが好ましい。この発明によれば、前記管先部材の前記狭窄部を前記先割れ二股部の奥まで挿入すると、前記狭窄部は前記先割れ二股部の前記一対の内縁と前記内底縁とによって三方向から取り囲まれるので、前記先割れ二股部は前記狭窄部を回転自在に保持できる。
ところで、上述の特許文献2に記載の圧力計においては、導管が蓋板の段付き孔に差し込まれた状態で半田によって固定されていることにより、上記段付き孔内に形成された段差面内で半田の付着範囲が周囲にはみ出すとOリングの座面が平坦でなくなるため、圧力調整弁に対する接続部分の密閉性が確保できなくなるという問題がある。
このため、本実施例の圧力計においては、ブルドン管を含む圧力計であって、表面から背面まで達する貫通孔が形成された板部材と、前記板部材の前記貫通孔に差し込まれて係合しており、前記板部材の背面側から前記貫通孔を通って表面側に突出する接続部材と、一端部が前記板部材の表面側に突出した前記接続部材の部分に固定されているとともに、他端部が前記ブルドン管に直接又は間接に連結された導管とを有し、前記接続部材の内部に前記板部材の背面側に接続口を備えた接続路が前記導管に連通するように設けられており、前記接続口の周囲に平坦な開口縁が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、前記板部材の表面側に突出した前記接続部材の部分に前記導管の一端部が固定されることで接続部材の接続路がブルドン管の内部と連通するので、板部材の貫通孔内において半田付けやろう付けや溶接等を施す必要がなく、前記接続部材の接続口の開口縁を平坦に保つことができるため、圧力計の歩留まりを向上できる。なお、前記接続部材は前記板部材に加締め等によって固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
ここで、前記板部材の前記貫通孔は前記ブルドン管によって取り囲まれる範囲内、すなわちブルドン管よりも内側に配置される位置、例えば前記板部材の中央部分に設けられていることが好ましい。これにより、前記ブルドン管よりも内側に前記導管及び接続部材が配置されるので、圧力計を小型化できる。このとき、前記接続部材は前記板部材と前記表示機構との間に配置される。この場合において、前記接続部材は前記表示機構の指針軸の軸線上に配置されていてもよい。
また、前記接続部材は例えば円筒状又は角筒状に構成される場合がある。前記板部材の前記貫通孔は例えば丸孔又は角孔である場合がある。前記接続部材の断面形状と前記板部材の前記貫通孔の形状とは相似であり、前記接続部材の外径は前記貫通孔の内径より僅かに小さいことが好ましい。
この場合において、前記接続部材は、前記板部材の表面側に形成された前記貫通孔に挿通可能な本体部と、前記本体部に対して前記板部材の背面側に形成され、外周に沿って周回状に張り出して前記開口縁を構成する環状の鍔部(フランジ)とを有しており、前記鍔部は前記板部材の前記貫通孔の内径より大きな外径を備えていることが好ましい。この発明によれば、前記接続部材の本体部を前記板部材の背面側から前記貫通孔に差し込むと、前記鍔部が前記板部材の背面に当接して前記接続部材が位置決めされる。このとき、前記鍔部は前記接続部材の接続口の前記開口縁を構成するので、Oリングなどのシール材の座面を構成することができる。なお、前記鍔部の平面形状は例えば円環状や角環状である。
ここで、前記板部材は平板であり、その表面と裏面が全面に亘って平坦に形成されているとともに、前記接続部材の前記鍔部は前記接続部材の軸線に対して直交する方向に張り出しており、その表裏が全面に亘って平坦に形成されていることが好ましい。これにより、前記接続部材を前記板部材の前記貫通孔に差し込むと、前記鍔部が全面に亘って前記板部材の表面又は裏面に密接するので、前記接続部材の前記鍔部によって前記板部材の前記貫通孔の縁と前記接続部材の外周との間の隙間を前記接続部材の全周に亘って気密に封止できるとともに、前記接続部材の位置決めをより確実に行うことができる。
また、前記板部材の前記貫通孔は前記板部材の背面側に拡径した段付き孔であり、前記段付き孔内の段差面上に前記接続部材の前記鍔部が収容され、前記段差面の深さは前記鍔部の厚さより大きいことが好ましい。この発明によれば、前記鍔部は前記段差面上において段付き孔の内部に完全に没するように収容されるので、Oリングなどのシール部材を前記鍔部により構成される接続口の開口縁上に配置することができる。
この場合において、前記段差面は平坦に形成されているとともに、前記鍔部はその表裏が全面に亘って平坦に形成されていることが好ましい。この発明によれば、前記鍔部と前記段差面とが全面に亘って密接するので、接続部材を板部材に対して安定した状態で取り付けることができる。なお、前記接続部材は前記板部材に対して固定されていなくてもよいし、前記板部材に対して圧入や加締めなどにより固定されていてもよい。また、前記接続部材の前記本体部と前記板部材とが前記板部材の表面側で半田等によって固定されていてもよい。
以上、説明したように本発明によれば、ブルドン管の先端の封止作業を容易かつ確実に行うことができるようにすることにより、封止不良の低減を図るとともに組み立て作業を容易化することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明に係る実施形態の圧力計の概略分解斜視図である。 本実施形態の圧力計に使用するブルドン管と管先部材と支柱の概略分解斜視図である。 本実施形態の圧力計の概略縦断面斜視図である。 本実施形態の圧力計からケースと文字板と上板を取り外した状態を示す概略斜視図である。 本実施形態の圧力計に使用する連結リンクの概略平面図である。 本実施形態の圧力計を圧力調整弁に取り付けた状態を示す概略断面図である。 従来の圧力計を背後側から見た状態を示す概略斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態の圧力計について詳細に説明する。図1は本発明に係る実施形態の圧力計の概略分解斜視図であり、図2は本実施形態の圧力計に使用するブルドン管と管先部材と支柱の概略分解斜視図であり、図3は本実施形態の圧力計の概略縦断面図である。図1に示すように、圧力計100は流体の圧力を検出する検知体10と、この検知体10が検出した圧力値を表示する表示機構20と、これら検知体10及び表示機構20を収容するケース30とを有している。
図1及び図2に示すように、上記検知体10は、平面視C字状のブルドン管11と、ブルドン管11の先端に固定された管先部材12と、ブルドン管11の基端が固定された支柱13と、支柱13に接続された導管14と、支柱13が固定されたサブベース15と、サブベース15の貫通孔内に取り付けられたブッシュ16(上記接続部材に相当する。)と、サブベース15に重ねて取り付けられたベース17とを有している。サブベース15及びベース17は上記板部材に相当する。図2に示すように、上記ブルドン管11は黄銅(真鍮、Brass)等の金属からなり、平面視C字状に湾曲した中空の管であり、その両端部、すなわち先端11aと基端11bとが開口しており、平面から見てC字状の曲率が変化する方向、つまり半径方向に弾性変形可能に構成されている。このブルドン管11の断面形状は長円形(楕円形)であって、ブルドン管11における先端11aと基端11bとの端面形状も長円形(楕円形)である。
上記管先部材12は金属からなり、全体として円柱状の一体部品で構成される。また、管先部材12は、円柱形状の外周面上において軸線方向に延長された開口形状を有する凹部12aと、軸線方向の一端部の外面上において凹溝状に構成された狭窄部12bとを有している。この凹部12aは管先部材12の軸線方向の中間部分に開口し、外周面上から内部に向かって掘り下げるように形成されている。凹部12aはブルドン管11の先端11aを差し込み可能に構成されている。この凹部12aは内周面12Aと底面12Bを有している。この内周面12Aは筒状であり、底面12Bは開口とは反対側を完全に閉鎖している。これにより、ブルドン管11の先端11aを管先12の凹部12aに差し込むと、管先部材12の凹部12aがブルドン管11の先端11aを全周にわたり包み込むようになっている。
一方、管先部材12の上記狭窄部12bは管先部材12の外径が縮径した部分であり、管先部材12の一端部(図示例では上端部)に設けられている。これにより、狭窄部12bの凹溝構造は、凹部12aが形成されることにより生ずる薄肉部分を避けた位置に形成されるため、管先部材12の肉厚を確保しつつ管先部材12の外径寸法を抑制できる。この狭窄部12bは例えば管先部材12の外周に沿って周回状に形成された周溝(凹溝)である。なお、本実施形態の管先部材12は中実の丸棒(円柱)を切削加工して凹部12aと狭窄部12bを一体形成してなるものである。したがって、管先部材12が1部品で構成されるため、組み立てコストを低減することができる。
図2及び図3に示すように、上記支柱13は金属からなり、円柱状であり、その外周面上に開口する凹部13aと孔13bを有している。この凹部13aは管先部材12の凹部12aと同様に、支柱13の軸線方向の中間部分に設けられており、支柱13の外周面から内部に向かって掘り下げるように形成されており、ブルドン管11の基端11bを差し込み可能に構成されている。この凹部13aは内周面13Aと底面13Bを有している。この内周面13Aは筒状であり、底面13Bは凹部13aの開口とは反対側を完全に閉鎖している。これにより、ブルドン管11の基端11bを支柱13の凹部13aに差し込むと、支柱13の凹部13aがブルドン管11の基端11bを全周にわたり包み込むようになっている。
一方、支柱13の上記孔13bは丸孔であり、支柱13の外周部に開口しており、支柱13の外周部から内部に向かって伸びている。この孔13bは支柱13の外周面から凹部13aまで貫通しており、孔13bと凹部13aは連通している。また、支柱13の孔13bは後述の導管14を差し込み可能に構成されている。なお、本実施形態の支柱13は管先部材12と同様に、中実の丸棒(円柱)を切削加工して凹部13aと孔13bを一体形成してなるものである。
図1及び図3に示すように、上記導管14は金属製の直管であり、両端が開口した中空の円筒である。上記サブベース15は金属からなり、平面視矩形状の平板であり、その表裏が全面に亘って平坦に形成されている、すなわち、サブベース15の表面15Aと背面15Bはそれぞれ全面に亘って平坦に形成されている。また、サブベース15は貫通孔15aを有している。この貫通孔15aは丸孔であり、サブベース15の中央部分に形成されており、サブベース15の表面15Aから背面15Bまで貫通している。
上記ブッシュ16は金属からなり、その内部に接続路を有する中空の円筒である。サブベース15の背面15Bの側におけるブッシュ16の端部は上記接続路が接続口として開口しており、その反対側(サブベース15の表面15Aの側)におけるブッシュ16の端部は閉鎖している、つまり、ブッシュ16は内部の接続路が開口した開口端と閉鎖された閉鎖端とを有している。このブッシュ16はサブベース15の表面15Aの側にサブベース15の貫通孔15aの内径より小さな外径を備えた本体部を有しており、当該本体部からサブベース15の貫通孔15aに差し込み可能に構成されている。
このブッシュ16は鍔部16aと孔16bを有している。この鍔部16aは上記本体部に対して反対側(サブベース15の背面15Bの側)の端部に形成されている。この鍔部16aは円環状であり、ブッシュ16の開口端に一体形成されている。具体的には、この鍔部16aはブッシュ16の外周からブッシュ16の外周に沿って周回状に外側に向かって張り出しており、サブベース15の貫通孔15aの内径より大きな外径を備えている。したがって、ブッシュ16の鍔部16aはサブベース15の貫通孔15aに挿通不可能になっている。一方、ブッシュ16の孔16bは丸孔であり、ブッシュ16の上記本体部の外周面に開口しており、上記本体部の外周面から上記接続路まで貫通するように形成されており、この孔16bと上記接続路は連通している。また、この孔16bは、上記導管14が差し込み可能となるように構成されている。
上記ベース17はプラスチック等の合成樹脂からなり、平面視矩形状の平板であり、サブベース15と同一又はサブベース15より拡張した大きさを備えている。このベース17は貫通孔17aを有している。この貫通孔17aは丸孔であり、ベース17の中央部分に形成されており、ベース17の表面17Aから背面17Bまで貫通している。
図1及び図2に示すように、ブルドン管11の先端11aは管先部材12の凹部12aに差し込まれて、管先部材12の凹部12aがブルドン管11の先端11aを全周にわたり包み込んでいる。具体的には、凹部12aの内周面12Aがブルドン管11の先端11aをその外周に沿って全周にわたり周回状に取り囲んでいるとともに、凹部12aの底面12Bがブルドン管11の先端11aの開口した端面を覆っている。凹部12aの底面12Bは管先部材12に一体形成されているとともに凹部12aの開口側とは反対側を完全に閉鎖している。これにより、半田付けなどの固定作業中におけるブルドン管11と管先部材12との間の位置ずれが制限される。この状態で、ブルドン管11の先端11aと凹部12aの内周面12Aとの間の隙間にブルドン管11の先端11aの外周に沿って周回状に半田を充填して固化させることにより、ブルドン管11の先端11aと管先部材12とが固定されるとともに、ブルドン管11の先端11aの開口が気密に封止される。これにより、ブルドン管11の先端11aの封止作業を容易に行うことができるとともに管先部材12の位置ずれを防止でき、さらに封止不良の発生を抑制できる。
また、上記と同様に、ブルドン管11の基端11bは支柱13の凹部13aに差し込まれて、支柱13の凹部13aがブルドン管11の基端11bを全周にわたり包み込んでいる。具体的には、凹部13aの内周面13Aがブルドン管11の基端11bをその外周に沿って周回状に取り囲んでいるとともに、凹部13aの底面13Bがブルドン管11の基端11bの開口した端面を覆っている。この状態で、ブルドン管11の基端11bと凹部13aの内周面13Aとの間の隙間にブルドン管11の基端11bの外周に沿って周回状に半田を充填して固化させることにより、ブルドン管11の基端11bと支柱13とが固定されるとともに、ブルドン管11の基端11bの開口が気密に封止されている。これにより、ブルドン管11の基端11bの封止作業を容易に行うことができるとともに支柱13に対する位置ずれも防止でき、さらに封止不良の発生を防止できる。
図1及び図3に示すように、この支柱13はサブベース15の表面15A上の外縁寄りの位置に加締め等によって固定されている。これにより、支柱13を介して管先部材12及びブルドン管11がサブベース15に連結されている。この状態において、ブルドン管11の先端11aと管先部材12はサブベース15の表面15Aの上方に表面15Aから離間して配置されており、サブベース15に対して移動可能に構成されている。一方、ブルドン管11の基端11bは支柱13を介してサブベース15に固定されて移動不可能に構成されている。したがって、ブルドン管11の基端11bが固定端になっているとともにブルドン管11の先端11aが自由端になっており、ブルドン管11が弾性変形すると、管先部材12がブルドン管11の半径方向に移動するようになっている。
また、ブッシュ16はサブベース15の貫通孔15aに差し込まれて係合している。具体的には、ブッシュ16の本体部がサブベース15の背面15Bから貫通孔15aを通って表面15A側に突出しており、ブッシュ16の鍔部16aがサブベース15の背面15Bに当接している。このとき、ブッシュ16の鍔部16aはサブベース15の貫通孔15aの背面15Bの側の開口縁に当接し、サブベース15の貫通孔15aの開口縁とブッシュ16の本体部の外周との間の隙間をサブベース15の貫通孔15aの開口縁に沿って周回状に閉鎖している。なお、本実施形態では、ブッシュ16の鍔部16aは加締め等によってサブベース15の背面15B上に固定されている。
この状態において、ブッシュ16の接続口はサブベース15の背面15B側に開口しているとともに、ブッシュ16の孔16bはサブベース15の表面15A側に配置された本体部に形成されている。したがって、流体がブッシュ16の内部の接続路を通ってサブベース15の背面15B側から表面15A側までサブベース15を厚さ方向に通過できるようになっている。また、このブッシュ16の孔16bには導管14の一端部が挿入されて半田によって固定されている。
一方、導管14の他端部は支柱13の孔13bに挿入されて半田によって固定されており、導管14がブッシュ16と支柱13を連結している。この支柱13にはブルドン管11が固定されている。これにより、ブッシュ16と導管14と支柱13とブルドン管11とが順次連結されており、ブッシュ16内の接続路が導管14と支柱13の内部を通してブルドン管11の内部に連通している。したがって、流体が接続口からブッシュ16内の接続路に流入すると、導管14と支柱13の内部を順次通ってブルドン管11まで流入する。
ここで、サブベース15の表面15Aと裏面15Bは全面に亘って平坦に形成されており、ブッシュ16の鍔部16aはブッシュ16の軸線に対して直交する方向(垂直方向)に張り出し、その表裏面が全面に亘って平坦に形成されている。したがって、ブッシュ16の鍔部16aは全面に亘ってサブベース15の背面15Bに密接しており、サブベース15の貫通孔15aの開口縁とブッシュ16の本体部の外周との間の隙間を気密に閉鎖している。
図4は圧力計からケース、文字板及び上板を取り外した状態を示す概略斜視図である。図3及び図4に示すように、ベース17の上にサブベース15が積み重ねられており、ベース17の貫通孔17aとサブベース15の貫通孔15aとによって段付き孔10aが構成されている。すなわち、段付き孔10aの背面側の内周面はベース17の貫通孔17aの内周面であり、サブベース15の背面15Bによって環状に構成される段付き孔10aの段差面の中央にサブベース15の貫通孔15aが開口している。
ブッシュ16と段付き孔10aとの関係に言及すると以下のようになる。ブッシュ16は段付き孔10aに挿入されて、このまま段付き孔10aを貫通するように差し込まれている。この状態において、ブッシュ16の鍔部16aは段付き孔10aの中に収容されて段差面に当接している。ここで、当該段差面は全面に亘って平坦に形成されている。また、ブッシュ16の鍔部16aはブッシュ16の軸線に対して直交する方向(垂直方向)に張り出しており、その表裏が平坦に形成されている。したがって、ブッシュ16の鍔部16aはその全面に亘って段差面に密接しており、ブッシュ16は安定した姿勢で段付き孔ん10aの中に配置され、貫通孔15aの開口縁とブッシュ16の本体部の外周との間の隙間を閉鎖している。
また、段付き孔10aは弾性体からなるOリング40を収容可能に構成されている。具体的には、段付き孔10aの背面17Bから段差面までの深さ(ベース17の厚さ)がブッシュ16の鍔部16aの厚さより大きくなるように設定されているため、図示のようにブッシュ16の鍔部16aが段付き孔10aの段差面上に配置された状態で、ブッシュ16の鍔部16aの背面により構成される接続口の開口縁が段付き孔10a内に没した状態となるから、上記開口縁を座面とするOリング40を段付き孔10a内に配置することができる。
図1に示すように、サブベース15には一対の孔15d、15eが所定間隔を空けて形成されているとともに、ベース17には一対の突起17d、17eが所定間隔を空けて形成されており、これら一対の孔15d、15eと一対の突起17d、17eとは互いに対応する位置に設けられている。ベース17の上にサブベース15を積み重ねると、ベース17の一対の突起17d、17eがサブベース15の一対の孔15d、15eに挿入されるようになっている。これにより、サブベース15とベース17が積層方向に対して直交する方向(平面方向)に互いに位置ずれしないようになっている。図1では一対の孔15d、15eは丸孔であり、一対の突起17d、17eは円柱状である。
次に、圧力計100の表示機構20について説明する。図1及び図4に示すように、この表示機構20は、一対の第1柱21A、21Bの上に固定された下板21と、この下板21の上に一対の第2柱22A、22Bを介して積み重ねられた上板22と、この上板22の上に固定された文字板23と、下板21と上板22の間に回転自在に支持されているとともに上板22と文字板23を貫通して突出しており、小歯車24aを備えた指針軸24と、下板21の下側に配置され、指針軸24を所定の回転方向に付勢するヒゲゼンマイ25(図3参照)と、下板21と上板22の間に回動自在に支持され、先端部にセクターギア26aを備えたセクター26と、このセクター26の基端部に回動自在に連結され、検知体10の管先部材12に接続される連結リンク27(上記連結部材に相当する。)と、下板21と上板22の間に回転自在に支持され、セクターギア26aに噛み合う小歯車28a及び指針軸24の小歯車24aに噛み合う大歯車28bを含むアイドラ28と、指針軸24の先端部に固定された指針29とを有している。このように構成された表示機構20は、連結リンク27が移動すると、セクター26が回動して、アイドラ28を介して指針軸24がヒゲゼンマイ25の付勢に抗って回転するようになっている。
図5は本実施形態の圧力計に使用する連結リンクの概略平面図である。図5に示すように、表示機構20の連結リンク27は、一方向に伸びる板状部材であり、その表面27Aと背面27Bとが平坦に形成されている。この連結リンク27は一方の端部に先割れ二股部27aを、他方の端部に孔27bを有している。この先割れ二股部27aは平面視U字形であり、連結リンク27の長手方向の一端部において開口を備えるとともに表裏を貫通する切り欠き溝(上記係合部に相当する)を形成している。この切り欠き溝は管先部材12の狭窄部12bに対応する開口幅を備えている。したがって、連結リンク27の切り欠き溝に管先部材12の狭窄部12bをその開口端から差し込むことにより、連結リンク27を管先部材12の狭窄部12bに容易に係合させることができるようになっている。本実施形態では、狭窄部12bを上記切り欠き溝に挿入したときに、上記ヒゲゼンマイ25のばね力により管先部材12に連結リンク27が押し付けられることにより、上記切り欠き溝の後述する内奥部に狭窄部12bが回転可能に保持されるように構成している。
また、連結リンク27の先割れ二股部27aはその先端側に形成された一対の内縁271、272と、この奥側に続いて設けられた内底縁273を有している。この一対の内縁271、272は管先部材12の狭窄部12bに対応する間隔を空けて対向配置されており、先割れ二股部27a間の開口端から内奥部に向かって互いに平行又は略平行となるように伸びている。内底縁273は円弧状に湾曲している。この一対の内縁271、272は先割れ二股部27aの内奥部で内底縁273にそれぞれ接続しており、内底縁273を介して互いに連結されている。これらの構成により、上記切り欠き溝は、連結リンク27の先端に設けられる上記開口端から奥側へ伸び、最も奥側の内奥部で行き止まりとなる。なお、この切り欠き溝は上記管先部材12の凹溝状の狭窄部12bに係合する内縁を備えた係合部である。
ここで、連結リンク27に管先部材12を接続したとき、上記狭窄部12bは上記切り欠き溝のうち最も奥側の上記内底縁273に沿った内奥部に配置される。また、一対の内縁271、272は先割れ二股部27aの開口端と上記内奥部の間で折れ曲がり、これにより、上記切り欠き溝は開口端と内奥部との間に曲折部を有する形状を備える。具体的には、この先割れ二股部27aで構成される上記切り欠き溝は連結リンク27の長手方向に伸びる仮想軸線aから角度θ外れた方向(半径方向斜め内側)に屈折して開口している。これによって、連結リンク27の他端部が表示機構20のセクター26に回動可能に連結された状態でも、連結リンク27を図4に示す矢印のように半径方向外側から回動させることにより切り欠き溝に狭窄部12bを容易に嵌合させることができる。また、ブルドン管11の弾性変形によって管先部材12が移動しても、先割れ二股部27aの中から管先12の狭窄部12bが抜け難く、しかも、連結リンク27が管先部材12に対して位置ずれを生じ難くなっている。図5では、連結リンク27の先割れ二股部27aにより形成される切り欠き溝は仮想軸線aから30°外れた方向に開口している。
特に、この上記切り欠き溝の開口方向は、連結リンク27が上記のように管先部材12に接続されたときに、この接続部分におけるブルドン管11の接線方向とほぼ一致する、或いは、当該接線方向寄りの半径方向内側に斜めに向く方向となるように設定されている。これにより、ブルドン管11の先端に固定された管先部材12の狭窄部12bを連結リンク27の切り欠き溝に挿入する連結作業を容易に行うことができる。例えば、上述のように半径方向外側から連結リンク27を回動させて、狭窄部12bを上記切り欠き溝に挿入するとき、上記接線方向寄りではあるが半径方向内側に斜めに向く方向に切り欠き溝が開口しているため、ブルドン管11を多少弾性変形させるだけで容易に挿入できる。また、この切り欠き溝の開口方向は圧力変動時にブルドン管11の先端及び管先部材12が移動する動作方向である図5に示す方向Fとほぼ直交しているため、切り欠き溝の溝幅が狭窄部12bの幅と対応していれば、圧力計動作時における管先部材12と連結リンク27との連結部の位置ずれが抑制されるという利点もある。なお、本実施形態では、上記のように切り欠き溝が開口端と内奥部との間に曲折部を有すると同時に、当該曲折部の開口端側の開口方向がブルドン管11の接線方向寄りに設定されていることから、圧力計動作時における上記連結部の位置ずれがさらに低減されている。
図4及び図5に示すように、連結リンク27の孔27bは丸孔であり、連結リンク27の先割れ二股部27aに対して反対側の他端部に形成されており、表裏を貫通している。この孔27bにはリベットが挿入されており、このリベットを介して連結リンク27がセクター26の基端部(セクター26のセクターギア26aに対して反対側の端部)に回動自在に連結している。
次に、圧力計100のケース30について説明する。図1に示すように、上記ケース30はプラスチック等の合成樹脂からなり、中空の角筒状であり、上記検知体10と表示機構20を収容する内部空間を有している。ケース30の底部には図示しない底部開口が形成されている。そして、この底部開口を通して上記検知体10と表示機構20がケース30の中に収容されている。
同様に、ケース30の上部には表示用開口が形成されている。この表示用開口は円形であり、表示機構20の文字板23の外径より大きい内径を備えており、ケース30の中に収容された表示機構20の文字板23に対応する位置に設けられている。この表示用開口には透光性のカバー31が嵌め込まれている。したがって、ケース30の中に配置された表示機構20の文字板23と指針29をケース30の外からカバー31を通して視認できるようになっている。
図1及び図4に示すように、表示機構20は検知体10のブルドン管11の内側(ブルドン管11に取り囲まれる範囲内)に配置されており、サブベース15の表面15Aに取り付けられている。このとき、管先部材12の狭窄部12bは管先部材12の上端部(板部材15とは反対側の端部)に設けられており、検知体10における管先部材12の狭窄部12bの位置と、表示機構20における連結リンク27の位置とがサブベース15の位置から同一又は略同一の高さになるように表示機構20の一対の第1柱21A、21Bの長さが設定されている。これにより、セクター26の姿勢を保持した状態で連結リンク27と管先部材12とを連結でき、セクター26が傾斜してセクター26のセクターギア26aとアイドラ28の小歯車28aとの噛み合わせが外れてしまうことを防止できる。
この状態において、連結リンク27の先割れ二股部27aにより構成される切り欠き溝の中に管先部材12の狭窄部12bが差し込まれて、連結リンク27が管先部材12に回動自在に接続されており、検知体10と表示機構20が連結されている。これにより、ブルドン管11の弾性変形によって管先部材12が移動すると、これに伴って連結リンク27が移動して最終的に指針29を回転させる。
本実施形態では、連結リンク27の先割れ二股部27aにより形成される切り欠き溝はブルドン管11の接線方向寄りに向けて開口し、しかも、開口端と狭窄部12bが収容される内部との間で曲折部を有している。これにより、連結リンク27を管先部材12に容易に係合させることができるとともに、ブルドン管11の弾性変形時において連結リンク27と管先部材12との接続部を位置ずれし難くすることができ、圧力計100の組立作業の容易化と動作の高精度化とを両立できる。
また、表示機構20の可動構造部分はその一対の第1柱21A、21Bによってサブベース15から持ち上げられた位置に配置されており、表示機構20とサブベース15との間に空間が設けられている。この空間内に検知体10のブッシュ16が配置されている。したがって、ブッシュ16は表示機構20の下側に配置されている。言い換えると、ブッシュ16は表示機構20とサブベース15の間に配置されている。これにより、圧力計100を小型に構成できる。すなわち、圧力計100の平面範囲をコンパクトに構成できるとともに、圧力計100の厚みを低減できる。なお、本実施形態ではブッシュ16が指針軸24の軸線上に配置されている。
検知体10と表示機構20はケース30の底部開口からケース30の中に収容されている。ここで、図1に示すように、検知体10のベース17には一対の爪部17b、17cが互いに斜向かいになるようにベース17の表面17Aから突出しており、ケース30には一対の掛止片30b、30cが互いに斜向かいになるようにケース30の底部側の外周部に形成されている。これら一対の爪部17b、17cと一対の掛止片30b、30dとは互いに対応する位置に設けられているとともに、互いに係合可能に構成されている。したがって、検知体10と表示機構20をケース30の中に挿入すると、ベース17の一対の爪部17b、17cがケース30の一対の掛止片30b、30dに係合して、検知体10のベース17とケース30が連結される。図1では一対の爪部17b、17cはベース17の左上の角部と右下の角部とに形成されているとともに、一対の掛止片30b、30cはケース30の左上の角部と右下の角部とに形成されている。
また、ケース30には一対の孔30f、30gがその上部から底部まで貫通するように形成されており、検知体10のサブベース15には一対の切り欠き15f、15gが表面15Aから背面15Bまで貫通するように形成されており、検知体10のベース17には一対の孔17f、17gが表面17Aから背面17Bまで貫通するように形成されている。一対の孔30f、30gと一対の孔17f、17gは丸孔であり、一対の切り欠き15f、15gは内部が円弧状に湾曲している。これら一対の孔30f、30gと一対の切り欠き15f、15gと一対の孔17f、17gはケース30とサブベース15とベース17の積層方向に互いに一致するように配列されている。これにより、これら一対の孔30f、30gと一対の切り欠き15f、15gと一対の孔17f、17gは一対のねじやボルトを連続して挿通させることができるようになっている。
なお、図1では一対の孔30f、30gと一対の切り欠き15f、15gと一対の孔17f、17gとはそれぞれ互いに斜向かいに設けられており、一対の孔30f、30gはケース30の右上の角部と左下の角部に形成されており、一対の切り欠き15f、15gはサブベース15の右上の角部と左下の角部に形成されており、一対の孔17f、17gはベース17の右上の角部と左下の角部に形成されている。
図6は本実施形態の圧力計を圧力調整弁に取り付けた状態を示す概略縦断面図である。図6に示すように、上述のように構成された圧力計100は例えば圧力調整弁200に取り付けて使用される。具体的には、圧力計100の段付き孔10aの中にOリング40を挿入して、このOリング40を介してベース17の背面17Bを圧力調整弁200の検出口200aが開口する外側面に当接した状態で、一対のねじ201、202をケース30の一対の孔30f、30gに挿入して、サブベース15の一対の切り欠き15f、15gとベース17の一対の孔17f、17gとを順次挿通させて圧力調整弁200の図示しないねじ孔にねじ込むこと等により、圧力計100が圧力調整弁200に固定される。これにより、圧力調整弁200の空気や水や油等の流体の圧力は、圧力計100の段付き孔10aに取り付けられたブッシュ16の接続口からその内部の接続路及び導管14内を通して圧力計100の検知体10により検出されるとともに、圧力計100の表示機構20により表示される。
この状態において、Oリング40はブッシュ16の鍔部16aの外面(接続口の開口縁)16Aと、これに対向する圧力調整弁200の検出口200aの周囲の平坦な検出接続面200Aとの間に圧接されており、圧力調整弁200と圧力計100の間の圧力検出経路の気密性が確保されている。これにより、圧力調整弁200と圧力計100との間からの流体漏れを防止できる。このとき、Oリング40に囲まれる内側に半田付け等の接続箇所が存在しないので、当該接続箇所の封止不良によって圧力検出経路から外部への流体漏れを防止できる。また、Oリング40はブッシュ16の鍔部16aを押圧して段付き孔10aの段差面(サブベース15の背面15B)に圧接させており、ブッシュ16の鍔部16aが段付き孔10aの開口縁(サブベース15の貫通孔15aの開口縁)とブッシュ16の本体部の外周との間の隙間をブッシュ16の本体部の全周に亘って気密に封止しているので、流体が圧力検出経路から外部に漏れたとしても、段付き孔10aの開口縁とブッシュ16の本体部の外周との間の隙間を通ってサブベース15の表面15A側の圧力計の内部に浸入してしまうことを防止できる。
本実施形態においては、ブルドン管11の先端11aを管先部材12の凹部12aに差し込んで、凹部12aの内周面12Aがブルドン管11の先端11aを全周にわたりその外周に沿って周回状に取り囲むとともに、凹部12aの底面12Bがブルドン管11の先端11aの端面を完全に覆うように、管先部材12の凹部12aがブルドン管11の先端11aを包み込んだ状態で封止されているので、封止作業の容易化、管先部材12の位置ずれの低減、封止不良の抑制などを図ることができる。特に、管先部材12のブルドン管11に対する位置ずれが低減できるため、表示機構20との接続時における接続位置の調整作業を不要とすることができるから、組み立て作業の容易化も図ることができる。
また、上記のように管先部材12のブルドン管11に対する固定位置がばらつきにくいため、管先部材12に凹溝状の狭窄部12bを設け、この狭窄部12bを連結リンク27に連結することが可能になった。したがって、従来のように管先部材に突出するレバー部を設ける必要がなく、管先部材12の形状を簡易に構成でき、しかも1部品として構成できるので、結果として、封止作業の容易化や封止不良の抑制効果をさらに高めることができた。また、連結リンク12の上記切り欠き溝を備えた係合部を設けて管先部材12の狭窄部12bに直接係合させることにより、リベットなどを介して連結する構造も不要になり、連結作業の容易化、部品点数の削減も可能になり、全体として製造コストの大幅な低減を実現できた。
さらに、この実施形態においては、支柱13の凹部13aにブルドン管11の基端11bが差し込まれ、凹部13aによってブルドン管11の基端11bが全周にわたり包みこまれた状態で封止されているので、ブルドン管11の基端11bを支柱13に高精度に取り付けることができるとともに、当該取り付け部分における封止不良の発生をも低減することができる。
尚、上記実施形態の圧力計100は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態において、ブルドン管11と管先部材12、ブルドン管11と支柱13、支柱13と導管14、および導管14とブッシュ16はそれぞれ半田付けによって固定されているが、ろう付けでもよいし、溶接でもよい。
また、上記実施形態では、ブルドン管11、管先部材12、支柱13、導管14、サブベース15及びブッシュ16の主要構成体を比較的自由な組み立て手順で組み立てることができる。例えば、ブルドン管11、管先部材12及び支柱13を連結固定して第1組立体として構成するとともに、サブベース15及びブッシュ16を固定して第2組立体として構成し、第1組立体と第2組立体のいずれか一方に導管14を接続し、その後、他方に導管14を接続してもよい。
また、圧力計には、医療器具などに用いる場合など、圧力検出経路内の清浄性が要求される場合がある。例えば、カテーテルによる薬剤(造影剤など)の投入経路の圧力測定を行う場合には、圧力検出経路内で発生した異物(例えば真鍮の錆など)が混入しないように配慮する必要がある。このような場合には、ブルドン管11、管先部材12、支柱13、導管14、ブッシュ16の内面にアクリル樹脂などのコーティング層を形成する。このとき、例えば、管先部材12の封止固定を行う前に、ブルドン管11、支柱13、導管14及びブッシュ16を予め組み立て、これらの圧力検出経路を構成する部分の内面に上記圧力検出経路に沿ってスプレー法や浸漬法などによってコーティング層を形成し、最後に、別に内面コーティングを施した管先部材12を固定することができる。なお、コーティング層は圧力検出経路を構成する部分の内面の全てに行う必要はない。例えばステンレス鋼で形成された部品には施さないなど、真鍮のような異物が生じやすい素材で構成される部品だけに限定して施してもよい。
50、100…圧力計、10…検知体、10a…段付き孔、11、51…ブルドン管、11a…先端、11b…基端、12、52…管先部材、12a、13a…凹部、12b…狭窄部、12A、13A…内周面、12B、13B…底面、13、55A、55B…支柱、13b、15d、15e、16b、17f、17g、27b、30f、30g…孔、14…導管、15…サブベース、15a、17a…貫通孔、15f、15g…切り欠き、15A、17A、27A…表面、15B、17B、27B…背面、16…ブッシュ、16a…鍔部、16A…外面、17…ベース、17b、17c…爪部、17d、17e…突起、20…表示機構、21…下板、21A、21B…第1柱、22…上板、22A、22B…第2柱、23…文字板、24、57…指針軸、24a、28a…小歯車、25、57b…ヒゲゼンマイ、26、58…セクター、26a、58a…セクターギア、27、59…連結リンク、27a…先割れ二股部、271、272…内縁、273…内底縁、28…アイドラ、28b…大歯車、29…指針、30…ケース、30b、30c…掛止爪、31…カバー、40…Oリング、52a…レバー部、53…フレーム、54…固定板、56…取付板、57a…歯車、59A、59B…リベット、200…圧力調整弁、200a…検出口、200A…検出接続面、201、202…ねじ、A…矢印、a…仮想軸線、θ…角度、F方向

Claims (4)

  1. 流体の圧力を検出する検知体と、該検知体に連結されて前記検知体の検出結果を表示する表示機構とを有する圧力計であって、
    前記検知体は両端が開口した平面視C字状の中空のブルドン管と、前記表示機構に接続されるとともに、閉鎖された底を一体に備えた凹部を含む管先部材とを有し、
    前記ブルドン管の先端が前記凹部内に差し込まれて全周にわたり前記凹部に包み込まれた状態で封止されていることを特徴とする圧力計。
  2. 前記管先部材は外面上に狭窄部を有し、前記狭窄部は前記表示機構に設けられた連結部材の係合部に係合していることを特徴とする請求項1に記載の圧力計。
  3. 前記係合部は、前記狭窄部を挿入可能に構成され、前記連結部材の先端に開口端を備えるとともに圧力変動時の前記管先部材の動作方向とは異なる開口方向を有する切り欠き溝で構成されることを特徴とする請求項2に記載の圧力計。
  4. 前記切り欠き溝は前記開口端と前記狭窄部が保持される内奥部との間に曲折部を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力計。
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