JP2013126922A - ガラス板の成形強化装置およびガラス板の製造方法 - Google Patents

ガラス板の成形強化装置およびガラス板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス板を搬送しながらその形状に合わせて高周波加熱および冷却をおこなうことができるガラス板の成形強化装置を提供する。
【解決手段】ガラス板の成形強化装置1Aは、ガラス板W2を基準面S上で搬送する搬送手段2と、湾曲形状に成形されたガラス板を加熱する加熱手段と、ガラス板の板厚方向の両面に冷却媒体を吹き付けてガラス板を冷却する冷却手段6とを備え、加熱手段は、ガラス板に高周波を印加してガラス板を加熱する電極16、17を有する電極部12と、電極に高周波電圧を印加する電源部13と、電極の基準面に対する距離を調節可能な電極配置調節手段14とを備え、冷却手段は、先端に開口24が設けられた複数のノズル30、31を有し、ガラス板の板厚方向の両面に開口を向けて配置されたノズル部25と、ノズルの開口から冷却媒体を排出させる排出手段とを備え、電極部と、ノズルおよび搬送手段とは電気的に絶縁されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス板の強度を高めるガラス板の成形強化装置およびガラス板の製造方法に関する。
近年、自動車等の車両窓用ガラスなどでガラス板を軽量化するために、板厚の薄いガラス板が用いられるようになっている。また一般的に、ガラス板は圧縮応力には強いが引張応力には弱いため、ガラス板の強度を高めることを目的として、たとえば、特許文献1に示すようなガラス板の強化方法が知られている。
このガラス板の強化方法は、ガラス板を、約900F〜約950F(約482℃〜約510℃)である軟化点近傍の温度に加熱する工程と、ガラス板に約0.1GHz〜約2.0GHzの無線周波エネルギー(高周波エネルギー)を加えて高周波誘電加熱(以下、「高周波加熱」と称する。)により約1150F〜約1250F(約621℃〜約677℃)である成形温度まで加熱するとともに、ガラス板の少なくとも1つの外面を冷却する工程とを有している。
特許文献1のガラス板の強化方法を実施するための装置では、ローラー(搬送手段)上で搬送されたガラス板は、加熱工程において赤外線ランプ等の加熱源により加熱される。そして、冷却工程において、ガラス板近くに設置された電極から無線周波エネルギーを加えてガラス板を内部より加熱する。これとともに、ガラス板の少なくとも1つの表面に対向して設けられたノズルの先端に設けられた開口から空気または圧縮空気を与えることにより、ガラス板の中心部と表面との間に温度差を生じさせている。
前述のように温度差が生じたガラス板には、表面側に引張応力、中心部側に圧縮応力が発生するが、ガラス板の温度が高いために応力が緩和されて板厚方向の応力分布が消滅(緩和)することが知られている。そして、このガラス板が急速に冷却されたときに、ガラス板の表面側に圧縮応力、中心部側に引張応力が残留する。
以上のように構成された強化ガラス板に曲げ応力を加えたときに、曲げた形状の外側となる表面が伸びるが、表面側に圧縮応力が残留しているためガラス板に引張応力が生じ難くなっている。また、ガラス板の内側の表面では圧縮応力が加わるが、ガラス板は圧縮応力には強いためガラス板が割れることはない。
このように、ガラス板内に一定の残留応力分布を生じさせることで、割れにくくしたガラス板が強化ガラス板である。
また、近年、ガラス板が用いられる製品及び意匠の多様化に伴い、様々な湾曲形状に成形した強化ガラス板が用いられるようになっている。湾曲した強化ガラス板を成形する装置の1つとして、ガラス板をローラー等で所定の方向に搬送しながら、ローラーハース炉で所望の温度まで加熱し、その後、ガラス板を搬送させながら所定の複数のローラーの形成する三次元湾曲形状によりガラス板を所望の湾曲形状に成形し、さらにガラス板の板厚方向に温度差を生じさせることによりガラス板を強化させるガラス板の成形強化装置が用いられている。
特表2006−500308号公報
しかし、前記のガラス板の成形強化装置では、ガラス板の搬送方向に直交する断面を見たときに、ガラス板の幅方向においてガラス板と電極との距離、および、ガラス板とノズルとの距離が、ガラス板の湾曲形状に応じて調節されていない。このため、幅方向の位置によりガラス板と電極およびノズルとの距離が異なり、ガラス板の強化能力が不均一となってガラス板を好適に強化処理できない問題がある。
高周波加熱を用いてガラス板を強化処理するにあたって、発明者らは以下の問題点があることを見出した。すなわち、高周波加熱を行うために電極に高周波電圧を印加すると、ガラス板自体も電位を持つため、より電位の低い点との間で放電が生じる。たとえば、電極とノズルとの間、電極とローラーとの間に放電が生じることがある。放電が生じると高周波加熱が行えなくなるため、電極に印加できる高周波電圧の上限は放電が生じない値に限定される。その結果、ガラス板の強化処理に必要な加熱能力を確保することが困難になる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、搬送手段が形成する基準面上を搬送されるガラス板が三次元状に湾曲した形状に成形されたガラス板であっても、ガラス板を搬送しながらその形状に合わせて高周波加熱および冷却をおこなうことができ、その際に高周波加熱用の電極から放電が生じるのを防止してガラス板を好適に強化処理することができるガラス板の成形強化装置およびガラス板の製造方法を提供する。
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のガラス板の成形強化装置は、ガラス板を基準面上で搬送する搬送手段と、前記ガラス板を湾曲形状に成形する成形手段と、前記湾曲形状に成形された前記ガラス板を加熱する加熱手段と、前記ガラス板の板厚方向の両面に冷却媒体を吹き付けて前記ガラス板を冷却する冷却手段と、を備え、前記加熱手段は、少なくとも前記ガラス板に高周波を印加して前記ガラス板を加熱するための電極を有する電極部と、前記電極に高周波電圧を印加するための電源部と、前記電極の前記基準面に対する距離を調節可能な電極配置調節手段と、を備え、前記冷却手段は、先端に開口が設けられた複数のノズルを有し、前記ガラス板の板厚方向の両面に前記開口を向けて配置されたノズル部と、前記ノズルの前記開口から前記冷却媒体を排出させる排出手段と、を備え、前記電極部と、前記ノズルおよび前記搬送手段と、は電気的に絶縁されていることを特徴としている。
また、前記電極部は、前記ガラス板の板厚方向の一方側に配置された前記電極である供給電極と、前記ガラス板の板厚方向の他方側に配置された前記電極である受動電極とを備え、前記供給電極と前記ノズルは近接して配設され、前記ノズルは絶縁体によって形成されていることがより好ましい。
また、前記電極は、前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向に直交する方向に略直線状に複数配置され、前記電極配置調節手段は、それぞれの前記電極の前記基準面に対する距離を互いに独立して調節可能に構成されていることがより好ましい。
また、前記電極配置調節手段は、それぞれの前記電極部を、前記搬送方向に略直交する仮想平面上で、少なくとも所定の中心点回りに互いに独立して回動可能に支持していることがより好ましい。
また、前記電極部は、面状電極であり、前記ガラス板の前記湾曲形状に対応した面形状に変形可能であることがより好ましい。
また、前記搬送手段は、複数のローラーを有するローラーコンベアを備え、前記複数のローラーは前記基準面を形成し、前記ローラーを前記ガラス板の搬送位置に応じて上下移動させることにより前記基準面の少なくとも一部を湾曲させて所望の湾曲面を形成することがより好ましい。
また、前記搬送手段は、複数のローラーを有するローラーコンベアを備え、前記複数のローラーは前記基準面を形成し、前記ローラーが前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向にほぼ円筒輪郭形または回転対称錐形をなし前記基準面に所望の湾曲面を形成することがより好ましい。
また、前記複数の開口は、前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向に直交する方向に略直線状に並べて配置されて開口列をなし、前記排出手段は、前記冷却媒体を前記ノズル部に供給する風箱を有し、前記冷却手段は、前記ノズルの前記基準面に対する距離を調節可能なノズル配置調節手段を有し、前記ノズル部の前記開口が平面視において前記風箱に重なる位置に配置されていることがより好ましい。
また、前記ノズル部の複数の開口は、前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向から見たときに、隣接する前記開口が重ならない位置に配置されていることがより好ましい。
また、前記搬送手段は、前記ガラス板の表面の少なくとも一部に接触して前記ガラス板を支持し、少なくとも前記ガラス板との接触部分が絶縁体からなる支持体を有することがより好ましい。
また、前記電極部は、前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向に対して交差する方向に延びて形成された供給電極と、前記ガラス板に対して前記供給電極と反対側に前記供給電極と対向配置された受動電極と、前記供給電極および前記受動電極に前記交差する方向に間隔をおいて設けられた複数の給電点と、前記電源部に接続されるとともに、前記給電点のそれぞれに接続された電極配線と、を有し、前記電極配線は、前記供給電極と前記受動電極とのそれぞれに対して、前記電源部から前記給電点までの距離が略等距離となるように形成されていることがより好ましい。
また、前記電極部に対して最も近接して配置された導体と前記電極部との間の距離は、前記供給電極と前記受動電極との間の距離よりも長いことがより好ましい。
また、本発明のガラス板の製造方法は、上記のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置を用いることを特徴としている。
本発明のガラス板の成形強化装置およびガラス板の製造方法によれば、搬送手段が形成する基準面上を搬送されるガラス板が三次元状に湾曲した形状に成形されたガラス板であっても、ガラス板を搬送しながらその形状に合わせて高周波加熱および冷却をおこなうことができ、その際に高周波加熱用の電極から放電が生じるのを防止してガラス板を好適に強化処理することができるガラス板の成形強化装置およびガラス板の製造方法を提供する。
本発明の実施形態の強化装置の縦断面模式図である。 本発明の他の実施形態の強化装置の縦断面模式図である。 図2中におけるA1−A1断面の縦断面模式図である。 図3中におけるB部を拡大した縦断面模式図である。 図2における供給電極をA2方向から見た横断面模式図である。 本発明の強化装置の冷却手段における空気(冷却媒体)の流れを示す縦断面模式図である。 本発明の強化装置の電極付近の空気(冷却媒体)の流れを示す横断面模式図である。 本発明の電極及び電極配置調節手段の構成例を示す模式図である。 本発明の電極及び電極配置調節手段の他の構成例を示す模式図である。 本発明の実施形態の強化装置でガラス板が搬送される基準面の例を示す模式図である。 本発明の実施形態の強化装置でガラス板が搬送される基準面の他の例を示す模式図である。
以下、本発明に係るガラス板の成形強化装置(以下、「強化装置」と称する。)の実施形態を、図1から図11を参照しながら説明する。この強化装置は、加熱したガラス板を所望の湾曲形状に成形し、成形されたガラス板に空気などの冷却媒体を吹き付けて強化する装置である。
図1に示すように、本実施形態の強化装置1は、ガラス板を基準面S上で搬送する搬送手段2と、ガラス板を加熱する加熱手段3と、ガラス板を湾曲形状に成形する成形手段5と、ガラス板を冷却する冷却手段6と、搬送手段2、加熱手段3、成形手段5および冷却手段6を制御する制御手段7とを備えている。加熱手段3は、ガラス板の軟化点近くの温度までガラス板を加熱する予熱手段4と、成形手段5により湾曲形状に形成されたガラス板をさらに加熱する高周波加熱手段8とからなる。
なお、本実施形態では、予熱手段4および成形手段5は同一の加熱炉内に配置されている。また、本実施形態では、ガラス板にソーダライムガラスが用いられる例を用いて説明するが、ガラス板は、ホウケイ酸塩ガラスや無アルカリガラス等、任意のガラス材料を用いることができる。
また、基準面とは、複数の搬送ローラーによって規定される面であり、搬送ローラーと搬送されるガラス板Gの下面との接触点の群を含む面と略一致する。また、以下基準面Sがほぼ水平面である場合の例を用いて説明するが、後述するように搬送方向や幅方向に湾曲したり、傾斜をもったりした曲面を基準面としてもよい。また、本実施形態では、搬送方向Xは基準面Sに平行、すなわち、水平面に平行に設定されている。また、幅方向Yは、基準面Sに平行であるとともに搬送方向Xに直交する。
搬送手段2は本実施形態ではローラーコンベアであり、ガラス板を搬送する搬送方向Xに平行に並べて回動可能に支持された複数のローラー(支持体)9と、ローラー9を駆動する不図示のローラー駆動モータとを有している。それぞれのローラー9は、幅方向Yに平行な軸線9a回りに回動可能に支持されている。ローラー9のうち少なくとも高周波加熱手段8に隣接して設けられるものは、セラミックス等の絶縁体で形成されていて、高周波加熱手段8に対して電気的に絶縁されている。ローラー9は、ガラス板の下面(表面)に接触することでガラス板を支持している。
また、搬送手段2は、ローラー駆動モータにより、複数のローラー9を、それぞれ所望のように、軸線9a回りに回転させたり、停止させたりすることで、ガラス板を搬送方向Xに搬送し、予熱手段4、成形手段5、高周波加熱手段8および冷却手段6の順で通過させることができる。
予熱手段4としては、本実施形態ではローラーハース炉が用いられている。予熱手段4は、平板状のガラス板W1を加熱する熱源部4aを有している。熱源部4aは、ガラス板W1をガラス板が成形可能な軟化点(たとえば、約720℃)近くの温度まで加熱することができる。なお、ここで言う軟化点近くの温度とは、少なくとも徐冷点(たとえば、約550℃)以上の温度のことを意味し、より詳しくは、徐冷点以上かつ軟化点以下の温度のことを意味する。
成形手段5は、プレスユニット5a等の公知の成形装置を有し、プレスユニット5aによりガラス板W1を湾曲したガラス板W2に成形する。このとき、ローラー9が停止および変形して下型(受け型)として機能してもよく、別途下型5bを備えてローラー9に代わりガラス板を支持してもよい。なお、本実施形態では、プレスユニット5aは、ガラス板W2の断面形状が所望の形状になるようにガラス板W1を湾曲させる。
図2の強化装置(ガラス板のの成形強化装置)1Aは、図1の強化装置1の成形手段5に代えて成形手段5’を備えている。成形手段5’は、成形手段5のプレスユニット5aに代わり搬送しながら効率的にガラス板を成形するためにローラーフォーミングユニット5cを備える。ローラーフォーミングユニット5cによる成形は、基準面Sに配設された複数のローラー9をガラス板の搬送方向Xの搬送位置に応じて搬送面Sに垂直に上下移動させることにより、所望の湾曲面を形成する。
図3は、図2におけるA1−A1断面の縦断面模式図である。図3に示すように、幅方向Yに複数配置された搬送ローラー9は、位置調節手段10によりそれぞれが独立して上下に移動可能に取り付けられ、ガラス板W2の搬送位置に合わせて移動し湾曲形状を形成する。
高周波加熱手段8は、ガラス板W2に高周波を印加してガラス板W2を加熱する電極部12と、電極16、17に高周波電圧を印加するための電源部13と、電極16、17の基準面Sに対する距離を調節可能な電極配置調節手段14とを有している。
電極部12は、ガラス板W2を挟むように対向して配置される一対の供給電極16と受動電極17からなり、金属等の導体で形成される。本実施形態では、図2および図3に示すように、搬送方向Xに5列、幅方向Yに3列と、並べて配置されている。
図3および図4に示すように、各電極部12は、ガラス板W2に対して上方に配置された供給電極16と、ガラス板W2に対して供給電極16と反対側に供給電極16と対向配置された受動電極17と、供給電極16および受動電極17に幅方向Yに間隔をおいて設けられた複数の給電点18と、電源部13に接続されるとともに、給電点18のそれぞれに接続された電極配線19とを有している。すなわち、前述の電極16、17のうちガラス板W2に対して上方(一方側)に配置されたものが供給電極16、下方(他方側)に配置されたものが受動電極17となっている。
図3に示すように、供給電極16は、平板状に形成され、基準面Sの上方に基準面Sに対して平行になるように配置されている。受動電極17は平板状に形成され、供給電極16に対向するように基準面Sの下方に配置されている。
なお、供給電極16および受動電極17の搬送方向Xにおける長さは、30mm程度に設定されていることが好ましい。
図4に示すように、給電点18は、供給電極16の上面に、本実施形態では2つ設けられている。電極配線19は、電源部13に接続される接続位置P1からそれぞれの給電点18までの電極配線19に沿った距離L1、L2が、略等しくなるように形成されている。
同様に、図3に示すように、給電点18は、受動電極17の下面に2つ設けられている。受動電極17に接続された電極配線19の構成は、供給電極16に接続された電極配線19の構成と同一なため、説明を省略する。
受動電極17には上述した放電の問題がないため、受動電極17に接続された電極配線19の配置態様は供給電極16に接続された電極配線19と同様である必要はないが、同様の態様で配置されてもよい。このため、受動電極17の近くにフレーム等の導電体が配置されていてもよい。
なお、ここではガラス板W2の上側に供給電極16、下側に受動電極17を設ける例を示したが、本発明における電極16、17の配置はこれに限定されず、高周波が下から上に印加されるようにガラス板W2の下側に供給電極、上側に受動電極を設けてもよい。
また、供給電極16および受動電極17に設けられる給電点18の数に制限はなく、いくつでもよい。
1つの電極部12を構成する対となる供給電極16と受動電極17は、給電点18および電極配線19を介して電源部13に接続されている。各電源部13は、接続された供給電極16と受動電極17の対の間に印加させる高周波電圧を独立して調節することができるように構成されている。
幅方向Yに3つ並んだ電極部12は、電極列12Aを構成する。図2に示すように、本実施形態では、高周波加熱手段8は、搬送方向Xに5つの電極列12Aが並んだ構成を有している。
なお、電極列12Aあたりの幅方向Yに並べて配置される電極部12の数は、複数であればいくつでもよい。また、搬送方向Xに並べて配置される電極列12Aの数に制限はなくいくつでもよい。
図4に示すように、電極配置調節手段14は、本体部14bと、本体部14bに対してスライド可能とされた棒状の一対のラックギア14aと、を有している。それぞれのラックギア14aは、上下方向に延設されるとともに、一方の端部が本体部14b内に備えられた不図示のギア駆動モータの回転軸により駆動されることで、上下方向に移動可能となっている。
ラックギア14aは、セラミックスやPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等の絶縁体で形成されている。
基準面Sの上方に配置された電極配置調節手段14は、ラックギア14aが本体部14bに対して下方に位置するように配置されるとともに、それぞれのラックギア14aの他方の端部が供給電極16の上面に接続されている。そして、これら供給電極16に接続された電極配置調節手段14は、図3に示すように支持台20に固定されている。
基準面Sの下方に配置された電極配置調節手段14は、ラックギア14aが本体部14bに対して上方に位置するように配置されるとともに、それぞれのラックギア14aの他方の端部が受動電極17の下面に接続されている。そして、これら受動電極17に接続された電極配置調節手段14は、支持台21に固定されている。
以上のように、それぞれの電極配置調節手段14は、供給電極16および受動電極17を上下方向に移動させることで、供給電極16および受動電極17の基準面Sに対する距離を独立して調節することができるように構成されている。
そして、高周波加熱手段8は、ガラス板W2をガラス板W2の内部より加熱することができる。本実施形態では、電源部13は、27.12MHzの高周波電圧を電極部12へ印加する。
なお、電源部13において印加できる高周波電圧の周波数はこれに限られるものではない。本発明における高周波電圧の周波数は、実用的な電極電圧や加熱対象の誘電体損失などに基づいて適宜定めることができるが、1MHz〜100MHzとすることが好ましく、10〜50MHzがさらに好ましい。この範囲であれば、日本国内で法令により工業的に使用できる周波数で実施できる。高周波加熱における高周波電圧の周波数は、低ければ電極内の定在波長が長くなって均一な加熱に有利になり、周波数が高くなれば低い電圧で加熱することができ、放電し難くなる。
図2に示すように、冷却手段6は、先端に開口24が設けられた複数のノズル30、31を有し、ガラス板W2の板厚方向(上下方向)の両面に開口24を向けて配置されたノズル部25と、開口24から空気(冷却媒体)を排出させるチャンバーユニット(排出手段)26と、ノズル30、31の基準面Sに対する距離を調節可能なノズル配置調節手段27(図3参照)とを有して構成されている。
ノズル30、31は、ラックギア14aと同様の絶縁体で形成されていて、高周波加熱手段8に対して電気的に絶縁されている。ノズル30、31のうち、ノズル30はガラス板W2に対して上方に配置されていて、ノズル31は、ガラス板W2に対して下方に配置されている。
図2および図5に示すように、ノズル30は上下方向に延びる管状に形成され、ノズル30の下端部に開口24が形成されている。本実施形態では、ノズル30は、基準面Sに対して上方に、搬送方向Xに10列、幅方向Yに3列と、並べて配置されている。
ノズル31は上下方向に延びる管状に形成され、ノズル31の上端部に開口24が形成されている。ノズル31は、基準面Sに対して下方に、自身の開口24とノズル30の開口24とが対向するように並べて配置されている。
そして、上下方向に対向して対となるノズル30とノズル31が、幅方向Yに3つ並んでノズル列30Aを構成する。すなわち、本実施形態では、冷却手段6は、搬送方向Xに10個のノズル列30Aが並んだ構成を有している。
なお、1つのノズル列30Aを構成する3つのノズル30に形成された開口24、および3つのノズル31に形成された開口24により、開口列が構成される。
図2および図5に示すように、搬送方向Xに10個並んだノズル列30Aは、隣り合うノズル列30Aが組みになって5つの組を構成し、5つある電極列12Aをそれぞれ搬送方向Xに挟むように配置されている。
さらに、図5に示すように、それぞれのノズル30は、搬送方向Xから見たときに、搬送方向Xに隣接するノズル30の開口24が重ならない位置に配置されている。本実施形態においては、搬送方向Xに隣接するノズル30aの開口24とノズル30bの開口24とは搬送方向Xに重ならないが、間にノズル30bを挟んで搬送方向Xに隣り合うノズル30aの開口24とノズル30cの開口24とは搬送方向Xに重なるように構成されている。
供給電極16とノズル30、及び受動電極17とノズル31、はそれぞれ接触しない程度に近接して配設されている。なお、供給電極16とノズル30との間の最短距離L3(図5参照)は、1mm以上30mm以下に設定されていることが好ましい。
図2に示すように、チャンバーユニット26は、空気を供給するブロア34と、ブロア34からの空気をノズル部25に導く送気部35とを有している。送気部35は、ブロア34からの空気を分配するための分配用ダクト36と、ノズル30の上方に配置され分配用ダクト36およびノズル30の上端部に連通する上部チャンバー(風箱)37と、ノズル31の下方に配置され分配用ダクト36およびノズル31の下端部に連通する下部チャンバー(風箱)38とを備えている。
上部チャンバー37および下部チャンバー38は、それぞれ搬送方向Xに5つずつ並べて配置されており、それぞれノズル30および31に冷却媒体としての空気を供給する。
1つの電極列12Aを搬送方向Xに挟むように配置されていた隣り合うノズル列30Aの組を構成するノズル30、31のうち、6つあるノズル30は1つの上部チャンバー37に連通し、6つあるノズル31は1つの下部チャンバー38に連通するように構成されている。
そして、図5に示すように、平面視においてノズル30の開口24および供給電極16が、上部チャンバー37に重なる位置に配置されている。
図3に示すように、ノズル配置調節手段27は、上部チャンバー37内および下部チャンバー38内に取り付けられている(下部チャンバー38に取り付けられたノズル配置調節手段27は不図示)。そして、ノズル配置調節手段27が有する不図示のノズル位置調節モータでノズル30を上下方向に移動させることで、それぞれのノズル30の開口24の基準面Sに対する距離を独立して調節可能に構成されている。
なお、ノズル配置調節手段27は、ノズル31も上下方向に移動させることができる。
供給電極16、受動電極17、ノズル30およびノズル31は、電極配置調節手段14およびノズル配置調節手段27により、それぞれが独立して基準面Sに対する距離を調節できる。
制御手段7は、ローラー駆動モータ、予熱手段4、成形手段5、電源部13、ギア駆動モータ、ブロア34およびノズル位置調節モータ(以下、「ローラー駆動モータ等」と称する。)に電気的に接続されている。そして、制御手段7は、ローラー駆動モータ等に電力を供給するとともに、不図示の入力装置から入力された情報に従って、ローラー駆動モータ等を制御することができる。
次に、以上のように構成された強化装置1Aを用いた本実施形態のガラス板の成形強化装置を用いたガラス板の製造方法について図2及び図3を用いて説明する。
まず、使用者は、入力装置から湾曲したガラス板W2の形状の情報を制御手段7に入力する。
制御手段7は、入力された情報に基づいて、電極配置調節手段14のギア駆動モータを駆動させることにより供給電極16および受動電極17を上下方向に移動させ、供給電極16および受動電極17を適切な位置に移動させる。具体的には、たとえば、それぞれの供給電極16からガラス板W2までの距離の最小値、および、それぞれの受動電極17からからガラス板W2までの距離の最小値が、所望の値になるように電極16、17の位置を調節する。
また、ノズル位置調節モータを駆動させることにより、ノズル30およびノズル31の位置を上記と同様に調節する。
平板状のガラス板W1は、搬送手段2のローラー駆動モータを駆動させることにより予熱手段4に搬送され、熱源部4aにより成形可能な温度まで加熱される。
つぎに、加熱されたガラス板W1は、成形手段5’に搬送され、ローラーフォーミングユニット5cにより搬送ローラー9を上下方向に移動することにより成形される。これにより湾曲したガラス板W2を得る。
ガラス板W2は、成形手段5’から高周波加熱手段8および冷却手段6側に搬送されるときに、供給電極16と受動電極17との間を搬送され、電源部13により供給電極16と受動電極17との間に印加された高周波電圧により適宜加熱され、ガラス板W2の温度が搬送方向Xの位置によらず所望の温度になるように加熱される。
高周波加熱はガラス板W2の板厚方向の全厚でガラス板W2を内部から発熱させるため、ガラス板W2は板厚方向の位置によらず所望の温度に加熱される。
また、ガラス板W2は、ガラス板W2に対向する位置にある電極部12で加熱されると同時に、駆動されたブロア34から送気部35を通ってノズル30の開口24およびノズル31の開口24からガラス板W2の板厚方向の両面に吹き付けられる空気により冷却される。
図6および図7に示すように、ノズル30は、その先端に一つの開口24を備え、搬送方向Xに見たときに、搬送方向Xに隣接するノズル30の開口24が重ならない位置に配置されている。このため、ノズル30から下方に吹き出した空気の一部は、空気の流線Fで示すように、ガラス板W2の上面に衝突した後、上部チャンバー37の間などを通して排気される。このとき、隣接するノズル30の位置が搬送方向Xから見て重ならないため、上部チャンバー37とガラス板W2との間の隣接するノズル30の中間付近などで、それぞれのノズル30から吹き出された空気がぶつかって流速が低下することを抑制できる。その結果、冷却効率が高まり、効率的にガラス板W2を強化することが可能になる。
ノズル31についても、ノズル30と同じ空気の流れが生じるが説明を省略する。
このように、板厚方向の全体にわたり高周波加熱で加熱され、表面側が空気で冷却されたガラス板W2には、中心部側の温度がより高く表面側の温度が低いという従来の強化法よりも大きな温度分布が生じる。この状態で、ガラス板W2の応力が緩和され、さらにガラス板W2が急速に冷却されると、ガラス板W2の表面側に圧縮応力、中心部側に引張応力が残留し、ガラス板W2の強度が高められる。
その結果、容易にガラス板を強化することができるとともに、従来の方法では強化が難しかった板厚の薄いガラス板や、熱伝導率の高いガラス板の強化が可能になった。
以上説明したように、本実施形態の強化装置1Aによれば、電極配置調節手段14で基準面Sに対する距離を調節させた電極16、17に電源部13から高周波電圧を印加して電極部12から発生する高周波をガラス板W2に作用させることで、ガラス板W2を加熱し、同時に、ノズル配置調節手段27で基準面Sに対する距離を調節させたノズル部25にチャンバーユニット26から空気を供給して開口24から空気を吹き出させることで、ガラス板W2の表面を冷却する。
電極部12から発生する高周波はガラス板W2の板厚方向の表面側だけでなく全厚でガラス板W2を内部から発熱させるため、ガラス板W2は板厚方向の位置によらず高周波加熱で加熱される。一方で、空気による冷却はガラス板W2の表面に対して行われる。このため、ガラス板W2には、中心部側の温度が高く表面側の温度が低いという温度分布が生じる。さらに、電極部12およびノズル部25の基準面Sに対する距離がそれぞれ調節されているため、ガラス板W2の加熱と冷却が幅方向Yにわたり均一または所望の分布をもって行われる。
この状態で歪点以上の温度に保持されたガラス板W2は内部に発生した応力が緩和され、その後、ガラス板W2が急速に冷却されることで、ガラス板W2の表面に圧縮応力、板厚方向の中心部に引張の残留応力が発生し、ガラス板W2の強度が高められる。
前述のように本発明は、電極配置調節手段14で電極部12の位置を、ノズル配置調節手段27でノズル部25の位置をそれぞれ調節することができ、ガラス板の湾曲形状に合わせてガラス板と電極との距離、およびガラス板とノズルとの距離が調節できる。その結果、電極及びノズル配置の調節手段を備えない従来のガラス板の成形強化装置とは異なり、湾曲したガラス板W2であっても幅方向Yにおける位置によらず好適に強化処理することができる。
なお、前述の態様では、電極配置調節手段14はモータにより上下に駆動する例を示したが、電極配置およびノズル配置の調節手段はこれに限定されず、手動、油圧、空圧など周知の様々な調節手段を採用することができる。
さらに、高周波加熱手段8の電極部12とノズル部25、および、電極部12とローラー9、は電気的に絶縁されているため、高周波加熱手段8の電極部12と、ノズル部25およびローラー9との間で放電が生じるのを防止し、ガラス板W2を安定して高周波加熱することができる。
供給電極16とノズル30とは近接して配設され、ノズル30は絶縁体によって形成されている。これにより、供給電極16とノズル30との間で放電が生じるのを防止すると同時に、近接した位置で加熱と冷却を行うことができる。その結果、ガラス板W2の板厚方向の温度差を大きくして、ガラス板W2をより好適に強化処理することができる。
電極配置調節手段14は、幅方向Yにそって複数配置され、それぞれの電極16、17の基準面Sに対する距離を互いに独立して調節可能に構成されている。このため、ガラス板W2のように、加熱するガラス板が幅方向Yに湾曲している場合であっても、たとえば、電極16、17からガラス板W2までの距離の最小値が幅方向Yの位置によらず所望の値になるように調節することができる。そのため、幅方向Yにおいてガラス板W2をより均一に加熱したり、所望の温度差を付けて加熱したりすることができる。
電極部12は図7に示すように、搬送方向X及び幅方向Yに複数配置される、たとえば、本実施例においては搬送方向Xに5列、幅方向Yに3列となるよう配置されている。このため、ガラス板W2に搬送方向Xに温度差が生じたとき等に、ガラス板W2に与える熱量を搬送方向Xで調節することができる。
また、電源部13は、それぞれの電極部12に印加させる高周波を独立して調節可能に構成されているため、ガラス板W2に与える熱量を搬送方向Xおよび幅方向Yの位置に応じて正確に調節することができる。
また、図6に示したように、ノズル30の開口24から下方に吹き出した空気は、主にガラス板W2の上面に衝突した後でガラス板W2に沿って水平方向に流れてから上方に向かい排気される。このため、開口24の位置と空気が上方に向かう位置とは平面視においてずれている。このとき、図5に示したように、ノズル30の開口24が上部チャンバー37に重なる位置に配置することで、ガラスを冷却した後の空気を排出するための空間が確保され空気の流れが上部チャンバー37の影響を受けて流れにくくなるのを防止することができる。
また、供給電極16および上部チャンバー37が配置された位置では、開口24から吹き出して上方に向かう空気の流れが遮られる。このため、平面視において、供給電極16を上部チャンバー37に重なる位置に配置することで、開口24から下方に吹き出しガラス板W2に衝突して上方に向かう空気の流れを供給電極16と上部チャンバー37が遮るのを抑えることができる。
なお、下部チャンバー38、ノズル31、および受動電極17についても同様の効果が得られるが、詳細な説明は省略する。
搬送方向Xの一方側から他方側に見たときに、搬送方向Xに隣接するノズル部25の開口24が重ならない位置に配置されているため、搬送方向Xに隣接する開口24から吹き出した空気同士が衝突して流れにくくなることを防止して、ガラス板W2を効率よく冷却することができる。
さらに、搬送手段2は、絶縁体で形成されガラス板W2を支持するローラー9を有する。したがって、電極16、17と、ガラス板W2およびローラー9との間で放電が生じるのを防止し、ガラス板W2を安定して高周波加熱することができる。
図4に示した電極配線19は、電源部13に接続される接続位置P1から給電点18までの電極配線19に沿った距離L1、L2が、略等しくなるように形成されている。これにより、供給電極16におけるそれぞれの給電点18での高周波の電圧や位相等の条件が一致する。したがって、電極部12とガラス板W2との間で放電が生じるのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、電極配置調節手段14が電極16、17を上下に鉛直方向で移動させることで、電極16、17の基準面Sに対する距離を調節するように構成されていた。しかし、図8に示すように、各電極配置調節手段41が、電極16、17を鉛直方向に移動させるだけでなく、搬送方向Xに直交する仮想平面T上で、対となる電極16、17を共通の中心点41a回りに回動可能に支持するようにそれぞれ構成してもよく、電極16、17それぞれが異なる中心を基準に回動可能に構成されてもよい。
電極配置調節手段41は、たとえば、本実施形態の電極配置調節手段14のギア駆動モータと、対となる供給電極16および受動電極17を共通の中心点41a回りに回動させる不図示の電極回動モータとを有してもよい。
電極配置調節手段41をこのように構成することで、供給電極16とガラス板W2との距離を幅方向Yの位置によらずよりほぼ一定にすることができる。また、対となる供給電極16および受動電極17が共通の中心点回りに回動しない場合に比べて、供給電極16と受動電極17とが対向する範囲を広げることができる。これにより、湾曲したガラス板W2を幅方向Yの位置によらず均一に加熱できる。さらに、供給電極16とガラス板W2との間の距離のバラツキが小さくなるため、放電が生じるのを防止することができる。
さらに、図9に示すように、電極部44を構成する供給電極(電極)45および受動電極(電極)46が、それぞれ面状電極であり、ガラス板W2の湾曲形状に対応した面形状に変形可能な電極で構成されてもよい。
ガラス板W2の湾曲形状に対応した面形状とは、たとえば、ガラス板W2の上面と供給電極45の下面との距離が幅方向Yの位置によらずほぼ一定の距離L5になるような形状である。供給電極45には、たとえば、電極配置調節手段14に支持されて上下方向に延びるとともに幅方向Yに複数並べて配置された不図示の支持部材の先端が固定され、それぞれの支持部材の基端側は不図示の支持部材移動モータにより上下方向に互いに独立して移動可能とされている。このように構成することで、供給電極45をガラス板W2に対応した面形状に変形可能な構成とすることができる。また、受動電極46についても同様の構成とすることができる。
電極部44をこのように構成することで、ガラス板W2を幅方向Yの位置によらず均一に加熱することができる。さらに、供給電極45および受動電極46とガラス板W2との間の距離の差が小さくなるため、放電が生じるのを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更等も含まれる。
たとえば、前述の実施形態では、ガラス板W1を予熱手段4で加熱してから成形手段5’で成形した。しかし、強化装置1Aに予熱手段4を備えずに、ガラス板W1を、まず高周波加熱手段8で加熱してから加熱されたガラス板W1を搬送手段2で搬送方向Xと逆方向に搬送し、成形手段5’で成形してもよい。
また、前述の実施形態では、電極16と、絶縁体で形成されたノズル30や搬送手段2のローラー9とは近接して配設されていた。一方で、電極と、ノズルやローラー等の電極部周辺の機構との間に十分な距離を取ることにより電極との放電を防止してもよい。電極部と、電極部に最も近接して配置された導体との距離が、供給電極と受動電極の距離よりも長ければ、不要の放電を低減できるためである。たとえば、電極16とノズル30との間の最短距離L3(図5参照)は、供給電極16と受動電極17との距離(供給電極16と受動電極17との間の距離が調節可能な場合には、電極16、17間の設定可能な最長距離)よりも、長く設定されていることが好ましく、3倍以上であればノズル30を絶縁体で形成しなくても放電することが無くなる。
このように構成することで、電極16とノズル30との間で放電が生じるのをより確実に防止することができる。
また、前述の実施形態では、供給電極16および受動電極17の上下方向の位置、および、ノズル30の開口24とノズル31の開口24の上下方向の位置を使用者が手動で調節し、これらの位置をネジで締め付ける等により固定してもよい。
さらに、前記実施形態では、基準面Sが水平面に平行な平面であるとしたが、基準面S1は、たとえば図10に示すように搬送方向Xの下流側に向かうにしたがって上方に一次元の曲率を持った湾曲するような円筒輪郭形の曲面であってもよく、さらに図11に示すように、基準面S2は、二次元の曲率を持った回転対称錐形の曲面であってもよい。これらの基準面を持つ搬送手段を用いると、ガラス板の通過に合わせて個々のローラーおよび高周波加熱用の電極を移動することなく、基準面上を移動させながらガラス板の自重により所望の湾曲形状に形成することができる。
また、上述の実施形態では冷却媒体の例としてブロアなどにより排出される空気が用いられる例について説明したが、より圧力を高めた圧縮空気を用いて冷却をおこなってもよい。また、冷却媒体は空気に限られるものではない。すなわち、冷却媒体は流体であればよく、液体、気体、あるいは液体と気体との混合物、などを適宜採用することができる。また、冷却媒体の組成についても特に限定されるものではなく、空気以外にも、窒素、二酸化炭素、などを用いることができる。
また、本発明はガラス板の表面と中心部の温度差を大きくすることが可能となるためより板厚の薄いガラス板を好適に強化することができ、このように強化されたガラス板は、車両窓用安全ガラス板として好適に用いることができる。
例えば、本発明の製造方法及び強化装置によれば、板厚が2.8mm以下のガラス板を効率よく強化することができる。2.8mmのガラス板は、従来の成形方法で容易に生産できるため、既存の生産設備への適用が容易で効率的に板厚の薄い強化ガラス板の生産ができる。
また、本発明により2.5mm以下、あるいは2.0mm以下の強化ガラス板の生産が可能になり、これまで生産が難しかった板厚の薄い車両窓用安全ガラス板の生産を実現する。その結果、自動車など車両の軽量化に寄与し、車両の燃費が向上する。
また、ガラス板の板厚を薄くすることでガラス板の生産に必要な原料も減少するため、ガラス板生産時に必要なエネルギーも節約でき環境にやさしい強化ガラス板の提供が可能になる。
1、1A 強化装置(ガラス板の成形強化装置)
2 搬送手段
3 加熱手段
5、5’ 成形手段
6 冷却手段
9 ローラー(支持体)
12、44 電極部
13 電源部
14、41 電極配置調節手段
16、45 供給電極(電極)
17、46 受動電極(電極)
18 給電点
19 電極配線
24 開口
25 ノズル部
26 チャンバーユニット(排出手段)
27 ノズル配置調節手段
30、31 ノズル
37 上部チャンバー(風箱)
38 下部チャンバー(風箱)
41a 中心点
L1、L2 距離
L3 最短距離
S、S1、S2 基準面
T 仮想平面
W1、W2 ガラス板
X 搬送方向

Claims (13)

  1. ガラス板を基準面上で搬送する搬送手段と、
    前記ガラス板を湾曲形状に成形する成形手段と、
    前記湾曲形状に成形された前記ガラス板を加熱する加熱手段と、
    前記ガラス板の板厚方向の両面に冷却媒体を吹き付けて前記ガラス板を冷却する冷却手段と、
    を備え、
    前記加熱手段は、少なくとも
    前記ガラス板に高周波を印加して前記ガラス板を加熱するための電極を有する電極部と、
    前記電極に高周波電圧を印加するための電源部と、
    前記電極の前記基準面に対する距離を調節可能な電極配置調節手段と、
    を備え、
    前記冷却手段は、
    先端に開口が設けられた複数のノズルを有し、前記ガラス板の板厚方向の両面に前記開口を向けて配置されたノズル部と、
    前記ノズルの前記開口から前記冷却媒体を排出させる排出手段と、
    を備え、
    前記電極部と、前記ノズルおよび前記搬送手段と、は電気的に絶縁されている、ガラス板の成形強化装置。
  2. 前記電極部は、
    前記ガラス板の板厚方向の一方側に配置された前記電極である供給電極と、
    前記ガラス板の板厚方向の他方側に配置された前記電極である受動電極とを備え、
    前記供給電極と前記ノズルは近接して配設され、
    前記ノズルは絶縁体によって形成されている、請求項1に記載のガラス板の成形強化装置。
  3. 前記電極部は、前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向に直交する方向に略直線状に複数配置され、
    前記電極配置調節手段は、それぞれの前記電極の前記基準面に対する距離を互いに独立して調節可能に構成されている、請求項1または2に記載のガラス板の成形強化装置。
  4. 前記電極配置調節手段は、それぞれの前記電極部を、前記搬送方向に略直交する仮想平面上で、少なくとも所定の中心点回りに互いに独立して回動可能に支持している、請求項3に記載のガラス板の成形強化装置。
  5. 前記電極部は、面状電極であり、前記ガラス板の前記湾曲形状に対応した面形状に変形可能である、請求項1または2に記載のガラス板の成形強化装置。
  6. 前記搬送手段は、複数のローラーを有するローラーコンベアを備え、
    前記複数のローラーは前記基準面を形成し、
    前記ローラーを前記ガラス板の搬送位置に応じて上下移動させることにより前記基準面の少なくとも一部を湾曲させて所望の湾曲面を形成する、請求項1から5のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  7. 前記搬送手段は、複数のローラーを有するローラーコンベアを備え、
    前記複数のローラーは前記基準面を形成し、
    前記ローラーが前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向にほぼ円筒輪郭形または回転対称錐形をなし前記基準面に所望の湾曲面を形成する、請求項1から5のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  8. 前記複数の開口は、前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向に直交する方向に略直線状に並べて配置されて開口列をなし、
    前記排出手段は、前記冷却媒体を前記ノズル部に供給する風箱を有し、
    前記冷却手段は、前記ノズルの前記基準面に対する距離を調節可能なノズル配置調節手段を有し、
    前記ノズル部の前記開口が平面視において前記風箱に重なる位置に配置されている、請求項1から7のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  9. 前記ノズル部の複数の開口は、
    前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向から見たときに、隣接する前記開口が重ならない位置に配置されている、請求項1から8のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  10. 前記搬送手段は、前記ガラス板の表面の少なくとも一部に接触して前記ガラス板を支持し、少なくとも前記ガラス板との接触部分が絶縁体からなる支持体を有する、請求項1から9のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  11. 前記電極部は、
    前記搬送手段による前記ガラス板の搬送方向に対して交差する方向に延びて形成された供給電極と、
    前記ガラス板に対して前記供給電極と反対側に前記供給電極と対向配置された受動電極と、
    前記供給電極および前記受動電極に前記交差する方向に間隔をおいて設けられた複数の給電点と、
    前記電源部に接続されるとともに、前記給電点のそれぞれに接続された電極配線と、
    を有し、
    前記電極配線は、前記供給電極と前記受動電極とのそれぞれに対して、前記電源部から前記給電点までの距離が略等距離となるように形成されている、請求項1から10のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  12. 前記電極部に対して最も近接して配置された導体と前記電極部との間の距離は、前記供給電極と前記受動電極との間の距離よりも長い、請求項1から11のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のガラス板の成形強化装置を用いたガラス板の製造方法。
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