JP5821841B2 - ガラス板の強化方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板の強化方法及びその装置に関する。
従来、ガラス板を軟化点近くの温度まで加熱し、軟化点近くまで加熱されたガラス板の表面を急激に冷却することによって、ガラス板の強度を高めることが知られている。ガラス板は、厚さ方向の中心部とガラス板の表面との間の温度差を大きくすることでガラス板の表面により大きな圧縮応力を生じさせることができる。そのため、ガラス板の強度を高めたり、破損した時の破片(細片)を制御したりするためには、ガラス板の中心部と表面との温度差を大きくすることが有効である。
また、ガラス板の中心部と表面との温度差を大きくする手段として、特許文献1に記載された発明には、無線周波エネルギーを用いてガラス板を加熱する方法が開示されている。特許文献1には、ガラス板が間に配置されるように対になって設けられた供給電極及び受動電極によって、無線周波エネルギーを用いてガラス板を加熱するのと同時にガラス板の表面を冷却してガラス板の中心部と表面との温度差を大きくし、その後に急冷して強化ガラス板を製造する方法及び装置が記載されている。
特表2006−500308号公報
従来のガラス板の強化では、より高温まで加熱したガラス板を高い冷却能力で急冷して強化を行い、強化されたガラス板の強度等の物性を向上させていた。しかし、ガラス板の温度を上げると、ガラス表面に傷がついたり、歪みが入りやすくなったりする。また、空気などの気体を冷却媒体として用いて冷却能力を高めるには、冷却媒体の圧力又は風量を上げる必要があり、冷却初期の引っ張り応力によってガラス板が割れやすくなったり、装置が非常に大掛かりになったりするという問題がある。さらに、冷却媒体の圧力や風量を高めた冷却装置は、騒音が大きくなるなどの問題も生じる。
前記特許文献1記載の強化方法は、急冷前にガラス板を内部加熱して内部温度と表面温度との差を拡大し、その後に急冷して強化することにより、急冷中のガラス板のガラス板の中心部と表面との温度差を大きくして強化する方法である。前記特許文献1には、急冷前のガラス板の内部を選択的に加熱する方法として無線周波エネルギーによる誘電加熱(以下、「高周波加熱」と称する。)が使用されている。また、高周波加熱によりガラス板内部を加熱するとともに表面を冷却することにより、内部温度と表面温度の差をより大きくすることが記載されている。
しかし、特許文献1に記載の強化方法は、急冷前にガラス板の内部温度と表面温度の差を生じさせる工程を必要とし、従来の加熱工程と急冷工程とからなる強化方法と比較して装置が煩雑となる。
また、高周波加熱を用いてガラス板の内部を加熱するために電極をガラス板に近づけて高周波加熱の効率を高めることも考えられる。しかし、高周波加熱用の電極をガラス板に近付けすぎると、電極周辺で放電が生じてしまう。すなわち、高周波加熱を行うための電極に高周波電圧を印加すると、ガラス板自体も電位を持つため、例えば、引用文献1の態様においては、電極間の電位より電位の低い点との間で放電が発生する。
従って、特許文献1に記載のシステムでは、ガラス板を無線周波エネルギーで加熱するときに、例えば空気を吹き付けるためのノズルと電極との間や、ガラス板やガラス板を搬送するロールと電極との間などで放電が起こる可能性がある。放電が生じると、高周波加熱が行えなくなるため、印加できる高周波電圧の上限が放電を起こさない値に制限される。その結果、必要な加熱能力を確保することが困難となるという問題がある。
本発明は、ガラス板の表面と中心部との間により大きい温度差を生じさせることができるガラス板の強化方法を提供する。
また、本発明は上述の方法を達成するため、ガラス板内部からの発熱を用いてより効率的に所望の温度に制御できるガラス板の強化装置を提供する。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のガラス板の強化方法は、軟化点以下かつ徐冷点以上の表面温度にあるガラス板に冷却媒体を吹き付けて急冷することにより強化されたガラス板を製造する方法であって、前記ガラス板を急冷する前に、前記ガラス板の内部と表面との間に温度差を生じさせる急冷前工程を設け、前記急冷前工程の後、ガラス板全体の温度が歪点以下となるよりも前の段階において、前記ガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱しながら急冷する。
前記強化方法は、軟化点以下かつ強化点より低い強化点近傍以上の温度域にあるガラス板を加熱炉から取り出してから冷却媒体の吹き付けを開始するまでの間に前記選択的加熱を開始し、冷却媒体の吹き付け開始後に前記選択的加熱を終了してもよい。
前記冷却媒体の吹き付け開始時点またはその後に前記選択的加熱を開始してもよい。
本発明の他のガラス板の強化方法は、ガラス板の軟化点近くの温度まで前記ガラス板を予め加熱する加熱工程と、加熱された前記ガラス板の板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて急冷する急冷工程と、前記加熱工程と前記急冷工程との間において、前記ガラス板の内部と表面の間に温度差を生じさせる急冷前工程と少なくとも前記急冷工程中に、ガラス板の内部と表面の間に温度差が生じたガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱副工程と、を備え、前記内部加熱副工程の開始時点を前記急冷前工程の途中から前記急冷工程の途中までの間に設け、前記内部加熱副工程の終了時点を前記急冷工程の途中に設けることにより、前記急冷工程において前記ガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が強化点近傍のとき、前記ガラス板の板厚方向の表面の温度が徐冷点以下である状態を生じさせる。
また、前記内部加熱副工程において、内部加熱副工程開始時のガラス板の前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度及び表面の温度は必ずしも上昇する必要はなく、開始時より維持される又は低下してもよい。
前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度が強化点近傍のとき、前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度と表面の温度の差が100℃以上であってもよい。
前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度が強化点近傍のとき、前記ガラス板の板厚方向の表面の温度が歪点−20℃以下であってもよい。
前記内部加熱副工程において、内部加熱副工程開始時点のガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が、該内部加熱副工程におけるガラス板の最高温度であってもよい。
本発明の他のガラス板の強化方法は、ガラス板の軟化点近くの温度まで前記ガラス板を予め加熱する加熱工程と、加熱された前記ガラス板の板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて急冷する急冷工程と、前記加熱工程と前記急冷工程との間において、前記ガラス板の内部と表面の間に温度差を生じさせる急冷前工程と少なくとも前記急冷工程中に、ガラス板の内部と表面の間に温度差が生じたガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱副工程と、を備え、前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度をx℃とし、前記ガラス板の板厚方向の両方の表面うちいずれかの面の温度をy℃としたとき、前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度が620℃以上700℃以下であるときに、xとyとが一次式y=ax+b(a及びbは定数)を満たす関係にあり、且つ前記一次式における定数aが0.5以上0.65以下であり、さらに前記一次式における定数bが60以上180以下である状態を生じさせる。
前記ガラス板は、ソーダライムガラスからなり、前記加熱工程において、高周波を前記ガラス板に印加して前記ガラス板を高周波加熱してもよい。
前記ガラス板は、金属イオンを含有するガラス板であって、前記加熱工程において、短波長赤外線を用いて前記ガラス板を加熱してもよい。
本発明のガラス板の強化装置は、加熱したガラス板を冷却して強化するガラス板の強化装置において、前記強化装置は、前記ガラス板をその板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて前記ガラス板を急冷する急冷手段と急冷中の前記ガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱手段と、前記ガラス板を搬送する搬送手段と、を備え、前記急冷手段は、少なくとも先端に開口が設けられた複数のノズルを有し、前記開口を前記両方の表面に向けて配置されたノズル部と、前記ノズル部の前記開口から前記冷却媒体を排出させる排出手段と、を備え、前記内部加熱手段は、少なくとも前記ガラス板に高周波電圧を印加して前記ガラス板を加熱するための電極部と、前記電極部に高周波電圧を印加させるための電源部と、を備え、前記電極部と、前記ノズル部及び前記搬送手段とは電気的に絶縁されている。
少なくとも前記ノズル部は、絶縁体によって形成され、前記搬送手段は、前記ガラス板の表面の少なくとも一部に接触して前記ガラス板を支持し、少なくとも前記ガラス板との接触部分が絶縁体からなる支持体を有してもよい。
また、前記開口のうち少なくとも1の開口は、前記複数の開口のうち他の開口に対して、前記搬送方向に沿う方向に離間して配置され、前記複数の開口を前記搬送方向から見たときに、隣接する開口が互いに重ならない位置に配置されてもよい。
さらに、前記電極において、前記ガラス板の搬送方向に対して直交する方向に複数設けられた給電部と、前記電源部に接続されると共に、前記給電部のそれぞれに接続された電極配線と、を有し、前記電極配線は、前記電源部から前記給電部までの距離が略等距離となるように形成されてもよい。
また、前記電極部に対して最も近接して配置された導体と前記電極部との間の距離は、前記電極間の距離よりも長くてもよい。
本発明のガラス板の強化方法によれば、ガラス板の表面と中心部との間により大きい温度差を生じさせることができる。また、本発明のガラス板の強化装置によれば、ガラス板自体の内部からの発熱を用いてより効率的に所望の温度まで加熱できる。よって本発明により、これまでは難しかった板厚の薄いガラス板や熱伝導率の高いガラス板を強化することが可能になる。
本発明の第1実施形態のガラス板の強化装置のガラス板の搬送方向に沿った断面を示す縦断面模式図である。 (A)は図1のA−A線における横断面模式図、(B)は図1のB−B線における横断面模式図である。 図1のC−C線における縦断面模式図である。 同強化装置の一部の構成を示す斜視図である。 (A)及び(B)は、同強化装置の使用時の動作及び冷却媒体の流れを示す模式図である。
(A)、(B)、(C)、及び(D)は本発明のガラス板の強化方法においてガラス板に生じる応力を説明するための模式図である。 本実施形態のガラス板の強化方法を説明するための工程説明図である。 本発明の他の態様の強化方法を示した工程説明図である。 本発明の他の態様の強化方法を示した工程説明図である。 ガラス板を強化するために最適な温度の関係を示すグラフである。 シミュレーションの手順を示すフローチャートである。
本発明において加熱とは、加熱対象物(ガラス板)にエネルギーを加えることによる発熱全般をさすこととし、予めガラス板全体を軟化点付近まで加熱する加熱炉(余熱手段)や、急冷前工程や急冷工程における内部加熱手段による加熱も含む。同時に、本発明の加熱は、必ずしも加熱対象物の表面や内部の温度を上昇させることに限定されない。例えば、一定の温度まで加熱された加熱対象物が冷却される過程でエネルギーを印加した場合に、冷却能力とエネルギーを印加したことによる発熱のバランスで温度が上昇する場合も下降する場合も含みうる。その結果として加熱対象物の温度低下が抑制され温度をほぼ等温に維持されることや、温度低下の速度を小さくなることも加熱に含むものとする。
また、本発明において内部加熱とは、加熱対象物自体が発熱することによる前述の加熱全般を指すこととし、加熱対象物からの発熱であれば、発熱する部位はその内側に限定されずその表面からの発熱であっても内部加熱に含むものとする。
また、本発明において、ガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する(以下内部加熱ともいう。)とは、ガラス板の厚さ方向の中心部とガラス板の表面との間の温度差を生じさせる、または、大きくすることを目的として板厚方向中心部近傍の温度が高くなるように高周波や短波長赤外線などの内部加熱手段等により、板厚方向中心部近傍を部分的及び/または高効率で加熱することをいう。
例えば、高周波加熱による誘電加熱を用いると、高温になるほど高効率で電磁波のエネルギーにより発熱する。ガラス板に高温の部分とそれに対し相対的に低温の部分とが存在すると、この誘電加熱により高温部分がより発熱し、高温部と低温部の温度差が拡大する。したがって、板厚方向中心部近傍(以下、単に内部ということもある。)が表面に対し相対的に高温であるガラス板を誘電加熱すると、内部と表面の温度差が拡大する。
なお、内部と表面がほぼ等しい状態にあるガラス板を誘電加熱するとガラス板全体が等しく加熱され、選択的な加熱とはならない。したがって、本発明において、内部を表面に対して選択的に加熱するとは、内部が表面よりも高温の状態にあるガラス板を誘電加熱することを意味する。
例えば、ソーダライムガラスからなる車両用安全ガラス用の通常の厚さ(1〜3.5mm)の場合、急冷を継続する時間は通常1分から3分程度である。この急冷において、本発明における高周波加熱を継続する時間は、装置の生産性等を考慮すると1〜10秒程度が好ましく、2〜6秒がさらに好ましい。高周波加熱のエネルギーが低い場合にはこれよりも長時間となってもよい。
また、本発明において、ガラス板の板厚方向中心部近傍とは選択的に加熱される部分をいう。冷却中のガラス板の2つの主表面の温度が等しい場合、板厚方向の幾何学的中心部分が最も高温である。2つの主表面の温度が異なる場合、最も高温の部分は板厚方向の幾何学的中心より高温側表面に近い部分が最も高温である。本発明における板厚方向中心部近傍とは板厚方向で最も高温の部分をいい、上記のように板厚方向の幾何学的中心とは異なる場合がある。
また、本発明において急冷とは前述の能動的な冷却手段を用いて、少なくとも放冷以上の冷却速度で予め所望の温度まで加熱されたガラス板を強化するために、冷却媒体をガラス板表面に吹き付けて急速に冷却することをいう。具体的には、加熱されたガラス板の表面に、例えば、ブロアや高圧気体による空冷、液冷、ミスト冷却、接触式の冷却等の能動的な冷却手段を用いて冷却対象物のガラス板の表面から急速に熱を除去することをいう。ガラス板の強化のために必要な冷却能は、ソーダライムガラスからなる通常の厚さ(1〜3.5mm)の場合、通常300〜500kcal/m2/hr/℃の冷却能を有する冷却手段が使用されている。その内でも、厚さが薄いガラス板ほど高い冷却能が必要である。また、厚さがさらに薄いガラス板や熱伝導率の高いガラスからなるガラス板の強化には、さらに高い冷却能を必要とすることがある。
一方、本明細書において、急冷よりも低い冷却速度でガラス板を冷却することを放冷という。例えば、高温のガラス板をガラス板の温度よりも低い温度の雰囲気においた場合にガラス板の温度が徐々に低下していく現象をいう。具体的には、例えば、加熱手段のない搬送装置上などでガラス板が搬送、待機されることによる温度低下などの不可避で受動的な温度低下などをいう。さらに、本発明において、放冷とは、上記急冷の場合と同様に冷却媒体をガラス板表面に吹き付けるなどの能動的手段で、急冷よりも遅い冷却速度で冷却することも意味する。能動的手段で放冷する場合、ガラス板を冷却する冷却能は上記急冷と比較して低い冷却能をもって冷却する。
また、本発明において冷却とは、前述の急冷や放冷も含めて従来のガラス板の強化方法における公知の冷却の方法や手段を包含するものとする。
また、本発明における急冷手段は、前述のように放冷以上の速度で急激に冷却対象の熱を除去することができる。また、急冷手段は、その冷却能力を小さく調節することで、急冷よりゆっくり熱を除去する通常の冷却や徐冷を行うための冷却手段として用いることも可能であり、急冷手段による冷却であっても急冷でない場合も含みうる。
以下、本発明の一実施形態のガラス板の強化装置1及びガラス板の強化方法の詳細について説明する。
まず、本実施形態のガラス板の強化装置(以下、単に「強化装置」と称する。)1について図1ないし図5を参照して説明する。図1は、強化装置1のガラス板の搬送方向に沿った断面を示す縦断面模式図である。図2(A)は、図1のA−A線における横断面模式図、図2(B)は図1のB−B線における横断面模式図である。図3は、図1のC−C線における縦断面模式図である。図4は、強化装置1における一部の構成を示す斜視図である。図5(A)及び図5(b)は、強化装置1の使用時の動作及び冷却媒体の流れを示す模式図である。
説明のため、図1から図5においては、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定める。X軸はガラス板Gの搬送方向と平行な軸線、Y軸は強化装置1の幅方向と平行な軸線、Z軸は搬送されるガラス板Gの面に垂直な軸線である。
また、本発明においてガラス板の内部とは、ガラス板の板厚方向におけるガラス板の内側全体を指し、ガラス板の中心部とは、ガラス板の板厚方向における中心を含む一定の厚さのある領域を指す。また、このときの領域の厚さは後述の測定方法で測定可能な範囲とする。
また、本発明において、軟化点とは、ガラス板のlogηの値が7.60[Log Poise]となる温度、強化点とは、ガラス板のlogηの値が9.4[Log Poise]となる温度、徐冷点とは、ガラス板のlogηの値が13.0[Log Poise]となる温度、歪点とは、ガラス板のlogηの値が14.5[Log Poise]となる温度を指すものとする。
また、搬送面とは、複数の搬送ロールの上面によって規定される面であり、搬送ロールと搬送されるガラス板Gの下面との接触点の群が形成する面と略一致する。
本実施形態の強化装置1は、加熱したガラス板Gを冷却して強化する。
図1に示すように、強化装置1は、ガラス板Gを搬送する搬送手段10と、ガラス板Gを加熱する加熱手段15と、加熱されたガラス板Gの板厚方向の両方の表面Gaに冷却媒体を吹き付けてガラス板Gを急冷する急冷手段40とを備える。
搬送手段10は、予め定められた搬送方向(本実施形態ではX軸方向)に向けてガラス板Gを搬送するものであり、ガラス板Gの表面Gaの少なくとも一部に接触してガラス板Gを支持する搬送ロール(支持体)13を有する。搬送ロール13は、図2(B)に示すように、中心軸線O1がY軸と平行(略平行を含む。以下同じ。)となるように、X軸方向に一定間隔おきに複数設けられている。
搬送ロール13は、図2(B)に示すように、回転軸13aと、回転軸13aの外周を覆うように形成された表面部13bとを有する。
回転軸13aの材料としては、例えば、スチール、ステンレス鋼、あるいはアルミニウム合金などを用いることができる。表面部13bは、絶縁性を有する材料からなる。例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やセラミックスなどを用いることができる。これにより、搬送ロール13は後述する電極部21と電気的に絶縁されている。
搬送ロール13は、図示しない駆動モータに連結されており、所定の速度で回転することでガラス板GをX軸方向に搬送する。
加熱手段15は、図1に示すように、加熱炉(予熱手段)16と、高周波加熱手段20とを備える。
加熱炉16は、ガスや電気などをエネルギー源として自身の内部を加熱する公知の構成を有し、搬送ロール13によって搬送されるガラス板Gを加熱する。
高周波加熱手段20は、高周波加熱によりガラス板Gを加熱するものであり、電極部21と、電源部35とを備える。
電極部21は、加熱炉16からガラス板Gが搬出される引き出し口付近に配置されており、図3に示すように、ガラス板Gの板厚方向の一方の表面側に配置された供給電極22と、ガラス板Gの板厚方向の他方の表面側に配置された受動電極28とを備える。
供給電極22は、図3に示すように、絶縁軸部23と、電極支持部24と、電極本体25とを有する。
絶縁軸部23は、絶縁性を有する材料、例えばアルミナを用いて円柱状に形成されている。絶縁軸部23は、電極支持部24に挿通されており、長手方向がY軸と平行となるように、電極を保持している。
電極支持部24は、図4に示すように、導電性を有する材料で中空円筒状に形成されている。電極支持部24の材料としては銅やステンレス鋼などを用いることができる。
電極支持部24は、電源部35の給電側と接続される給電部24aを有している。給電部24aは、電極支持部24の外面に、Y軸方向に所定の間隔をあけて2箇所配置されており、その位置は、電極支持部24の長手方向の長さをLとしたときに、電極支持部24の両方の端部からL/4だけ中央側に設定されている。
電極本体25は、板状の導電性部材であり、高周波電圧が印加される電極面22aを有する。電極本体25は、図3に示すように、搬送ロール13によって形成されるガラス板の搬送面に電極面22aが対向するように電極支持部24に取り付けられている。
図1に示すように、供給電極22は、電極配線29によって電源部35と接続されている。電極配線29は、図3に示すように、給電部24aに取り付けられる分岐配線29aと、分岐配線と電極部35とを接続する給電ケーブル29bとからなる。
分岐配線31は導電性の部材であり、図4に示すように、長手方向中央に設けられた供給点31aと、長手方向両端に形成された接続端子31bとを有しており、各接続端子31bは、電極支持部24の各給電部24aに電気的に接続されている。供給点31aと各接続端子31bとの距離は等しいため、電源部35から各給電部24aまでの電気的距離は略等距離となっている。
受動電極28の構造は、供給電極22とほぼ同様であり、絶縁軸部23、電極支持部24、及び電極本体25を有する。電極支持部24は、電極配線29によって電源部35の受動側と接続されており、図示しないアース(接地手段)とも接続されている。なお、説明の便宜のため、以下の説明では受動電極28の電極面を、電極面28aと称する。
受動電極28は、図3に示すように、電極面28aが供給電極22の電極面22aに正対する位置に配置されており、電極面22aと28aとの間でガラス板Gに高周波電圧が印加され、ガラス板Gが高周波加熱される。
図1に示すように、電源部35は3つ設けられており、電極部21のそれぞれと接続されている。このため、電極部21はそれぞれが独立して電力を調整できる。
本実施形態では、電源部35は、27.12MHzの高周波電圧を電極部21へ印加するが、印加される高周波電圧の周波数はこれに限られるものではない。本発明における高周波電圧の周波数は、実用的な電極電圧や加熱されるガラス板の誘電体損失などに基づいて適宜定めることができるが、1MHz〜100MHzとすることが好ましく、10〜50MHzがさらに好ましい。この範囲であれば、日本国内で法令により工業的に使用できる周波数で実施できるとともに、周波数の高い電磁波に比べて電磁波の遮蔽が容易になり設備の安全性が高まり、設計や維持が容易かつ安価になる。高周波加熱における高周波電圧の周波数は、低ければ、低電極内の定在波長が長くなって均一な加熱に有利になり、周波数が高くなれば低い電圧で加熱することができ、放電し難くなる。
図1に示すように、急冷手段40は、搬送されるガラス板Gの板厚方向両側に配置されており、チャンバーユニット(排出手段)43と、ノズル部50、60とをそれぞれ複数備えている。本実施形態の急冷手段は、冷却媒体として空気を使用する。
チャンバーユニット43は、Y軸方向に延びた箱状の上部チャンバー41と下部チャンバー42とを有し、X方向に所定間隔をおいて列設されている。上部チャンバー41は、上述の搬送面に対向する下面から搬送面に向かって延設されたノズル部50を有する。下部チャンバー42は、搬送面に対向する上面から搬送面に向かって延設されたノズル部60を有する。
上部チャンバー41と下部チャンバー42は、図示しない空気排気手段によって内部に空気を蓄えることができる容器形状になっている(図3参照)。
上述の電極部21は、上部チャンバー41と下部チャンバー42との間に配置されている。また、上述の搬送ロール13は、隣接する下部チャンバー42の間に配置されている。
図2(A)及び図2(B)に示すように、ノズル部50、60は、筒状に形成された複数のノズル51、61を備える。上部チャンバー41に取り付けられたノズル部50は、下側に向けられた開口51aが先端に形成された8つのノズル51を有する。下部チャンバー42に取り付けられたノズル部60は、上側に向けられた開口61aが先端に形成された8つのノズル61を有する。ノズル部50、60の各ノズルは、Y軸方向に等間隔にノズルが4つ並んだ二列のノズル列52、53、及びノズル列62、63を形成している。なお、各ノズル部におけるノズルの数やノズル列の数は一例であり、適宜設定されてよい。
ノズル部50、60の複数の開口51a、61aは、X軸方向から見たときに隣接するノズル列の開口同士が互いに重ならない位置に配置されている。
ノズル部50、60に設けられたノズル51、61のうち、少なくとも供給電極22側のノズル51は、絶縁性を有する材質で形成されており、ノズル部50が電極部21と電気的に絶縁されている。絶縁性材料としては、PPS樹脂やセラミックスなどを用いることができる。
本実施形態においては、ノズル部50、60のそれぞれのノズル51、61が絶縁性材料で形成され、ノズル部50、60の両方が電極部21と絶縁されている。
図5(A)及び図5(B)に示すように、上記のような構造の急冷手段40においては、チャンバーユニット43のノズル51、61の開口51a、61aから排出された冷却媒体としての空気5は、ガラス板Gの両方の表面Gaに吹き付けられ、表面Gaを冷却する。吹き付けられた空気5は、ガラス板Gから熱を奪いながら表面Gaに沿って移動し、列設されたチャンバーユニット43の間等から排出される。
このとき、図5(B)に一部拡大して示すように、隣接するノズル列の開口51a、61aがX方向から見てお互いに重ならないように配置されているため、開口51a(及び61a)から排出されてX軸に平行に進む空気5同士が衝突して流速が落ちたり、滞留したりすることを防止でき、冷却効率を高めることができる。
次に、本実施形態のガラス板の強化方法(以下、単に「強化方法」と称する。)について、図6ないし図8を参照して説明する。なお、以下の説明における温度条件等は、ガラス板Gとしてソーダライムガラス(軟化点730℃、強化点657℃、徐冷点550℃、歪点520℃、厚さ2.8mm)を用いた場合の例である。
図6(A)、図6(B)、図6(C)、及び図6(D)は、一般的なガラス板の強化方法においてガラス板Gに生じる応力を示す縦断面模式図である。また、図7は、本実施形態の強化方法の工程を説明するための工程説明図である。なお、図6において、図の中央を示す一点鎖線へ向かう矢印は圧縮応力、逆向きの矢印は引張応力を示し、バツ印を付加した破線は緩和した応力を示す。
まず、本実施形態の強化方法においてガラス板を強化するメカニズムについて図6(A)から図6(D)を参照して説明する。
まず、ガラス板Gを均一に加熱する。すると、ガラス板Gは一様に膨張されるので、ガラス板Gの板厚方向(図における上下方向)の両側の表面Gaとガラス板Gの板厚方向の中心部Gbとの間では圧縮応力あるいは引っ張り応力は発生しない(図6(A)参照)。
次に、図6(B)に示すように、ガラス板Gの表面Gaを冷却する。このとき、ガラス板Gの表面Gaの位置P1において、表面Gaが冷却されることで収縮しようとするが、中心部Gbはまだ冷却されていないため収縮しないので、表面Gaと中心部Gbの膨張率の差によって表面Gaには引っ張り応力が発生する。一方で、ガラス板Gの中心部Gbは、ガラス板Gの中心部Gbの位置P2において表面Gaが膨張しないので、中心部Gbには圧縮応力が発生する。
次に、上述のように、ガラス板Gの表面Gaと中心部Gbとの間に温度差を生じさせたまま、ガラス板Gを歪点以上の温度の状態を維持すると、図6(C)に示すように、ガラス板Gの表面Gaと中心部Gbとに温度差が生じたままの状態で発生した応力は緩和される(応力緩和)。
最後に、応力緩和されたガラス板Gを板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて急冷して強化する。常温まで急冷されたガラス板Gは、より温度の高い中心部Gbが表面Gaよりも収縮が大きくなり永久歪みが残る。その結果、図6(B)に示す圧縮応力と引っ張り応力との関係は、図6(D)に示すように逆転し、ガラス板Gの表面Gaに圧縮応力、中心部Gbに引っ張り応力が残留し、物理的に強化された強化ガラス板G1を得る。
続いて、本実施形態の強化方法の各工程について説明する。
図7は、本強化方法の工程を示す工程説明図で、横軸は時間を示し、縦軸はガラス板Gの温度を示す。また、ガラス板Gの表面Ga及び中心部Gbの温度を併せて図7に示す。
図7に示すように、本強化方法は、加熱工程と、急冷前工程、急冷工程と、少なくとも前記急冷工程中にガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱副工程とを備えている。
図7において、縦軸はガラス板の温度、横軸は時間を示し、2本の実線は上側がガラス板の中心部の温度、下側がガラス板の表面温度を示す。また、時間tは、加熱工程を開始した時間である。また、時間tは、急冷前工程を開始した時間、時間tは高周波などでガラス板の内部から加熱を開始した時間、時間tは、ガラス板の内部から加熱を終了した時間、時間tは、急冷工程を開始した時間、である。図7に示した実施形態では時間tと時間tはほぼ同時、すなわち、内部加熱副工程の開始時点が急冷開始時点とほぼ同時である。
まず、加熱工程では、ガラス板Gを軟化点近くの温度(所定の加熱炉引き出し口付近での温度T)まで加熱する。具体的には、軟化点よりも低く、かつ徐冷点より高い温度まで加熱炉16を用いてガラス板Gを加熱する。例えばソーダライムガラスの場合には、ガラス板Gを650℃まで加熱する。
続く急冷工程では、ガラス板Gの板厚方向の両方の表面Gaに冷却媒体が吹き付けられて冷却される。その結果、例えば時間tにおいて、ガラス板Gの中心部Gbの温度は所定の引き出し温度Tよりも低い温度Tまで冷却される。同時に、ガラス板Gの表面Gaの温度はガラス板Gの中心部Gbの温度よりさらに低い温度Tまで冷却され、ガラス板Gの表面Gaと中心部Gbとの間に温度差が生じる。
続いて、時間tから時間tの間の内部加熱副工程では、上述のように冷却媒体を用いた冷却が継続されつつ、ガラス板Gの内部からの発熱によりガラス板Gが加熱される。内部加熱副工程を行うことにより、時間tにおけるガラス板Gの表面Gaと中心部Gbとの温度差は、内部加熱副工程を開始した時間tにおける温度差よりも大きくなる。これにより、時間t以降の少なくとも一時点において、従来の強化方法ではほぼ実現不可能な温度差がガラス板Gに生じる。例えば、時間tにおいて、ガラス板Gの板厚方向の中心部Gbの温度Tが強化点近傍であり、かつ板厚方向の表面Gaの温度Tを徐冷点以下である状態とすることも可能である。ここでは、時間tにおいてガラス板の中心部の温度と表面温度の温度差が最大になる例を示したが、温度差が最大になる時点は時間tのみに限定されず、冷却能力、ガラス板の熱伝導率などにより時間tの前後に適宜変化してもよい。また、内部加熱副工程においてガラス板の中心部の温度は上昇してもよく、中心部の温度を維持、又は温度低下速度を軽減するだけでも表面温度の温度差が十分得られれば本発明の効果をなんら損するものではない。
時間t以降、内部からの加熱を伴わない急冷工程が継続され、ガラス板全体が常温まで冷却強化されたところで本強化方法は終了する。
内部加熱副工程におけるガラス板Gを内部からの発熱により加熱する方法としては、例えば高周波加熱や、短波長赤外線を用いた加熱が挙げられる。このうち高周波加熱については、温度が高いガラス板は温度が低いガラス板よりも誘電体損失が大きくなるためより多く発熱するという特性を有する。したがって、急冷工程における時間tのように、ガラス板Gの表面Gaと中心部Gbとの間に温度差が生じて中心部Gbの方が表面Gaよりも高温であるときには、中心部Gbの方が表面Gaよりも加熱されやすいため、表面Gaと中心部Gbとの間により大きい温度差を生じさせることができるという利点がある。
なお、短波長赤外線を用いた加熱の詳細については後述する。
本実施形態の強化方法によれば、急冷工程中に内部加熱副工程が行われることにより、ガラス板Gの表面Gaと中心部Gbとの間の温度差をより大きくできる。これにより、応力緩和を経て常温になったガラス板の表面の圧縮応力をより大きくできるので、強度がより高められたガラス板を製造することができる。さらに、従来では強化することが難しかった板厚の薄いガラス板や熱伝導率の高いガラス板を強化することが可能になる。また、このとき車両用の安全ガラス板として好適な破砕時の細片を実現する。
また、急冷前工程でガラス板Gが所定時間冷却された後に内部加熱副工程が行われるため、加熱工程での引き出し温度を下げることが可能になる。その結果、引き出し時のガラスの粘性が下がりすぎないので、ガラス板Gの歪みを減少させ、表面品質を向上させることができる。
また、急冷工程の開始タイミングを遅らせることができるため、ガラス板表面の冷却による初期引っ張り応力による割れを防止できる。
また、上述した本実施形態の強化装置1によれば、加熱手段15が加熱炉16と高周波加熱手段20とを備えているため、本発明の強化方法における加熱工程及び内部加熱副工程を好適に実行することができる。
また、電極部21と、ノズル部50、60及び搬送手段10の搬送ロール13とが電気的に絶縁されているので、一対の電極面22a、28aの間の距離よりも近い距離には導体が露出されておらず、電極部21から放電が起こる可能性が低減される。その結果、一対の電極面22a、28aの間における電界強度を高めるために高周波電圧をより高めることができる。これにより、放電を防ぎつつガラス板Gを内部からの発熱を用いてより効率的に所望の温度まで加熱できる。
また、ノズル部50、60及び搬送ロール13の表面部13bが絶縁体からなるため、電極部21とノズル部50、60及び搬送ロール13とをより近接して配置することができる。その結果、加熱効率および冷却効率をさらに高めて内部加熱副工程を好適に実行することができる。
また、ノズル部50、60においては、X軸方向において電極部21が間に位置するようにノズル列52、53、62、63が配置され、ノズル51、61の開口51a、61aを搬送方向(X軸方向)から見たときに隣接する開口51a、61aは、互いに重ならない位置に配置されている。このため、ノズル51、61の開口51a、61aから排出された空気5は、相互に干渉、衝突して滞留し難くなり速やかに排出される。その結果、ガラス板Gの表面Gaにおける空気5の流速を高めることができ、ガラス板の表面をすばやく冷却することができる。
さらに、電極配線29が、電源部35から各給電部24aまでの距離が略等距離になるように、電源部35と各給電部24aとを接続しているので、電極本体25において均等に電圧を印加することができる。このため、電極面22a、28aによって規定される空間における電界の強度が偏ることを軽減できる。
なお、本実施形態の強化方法について、上述の図7の説明では、急冷工程中に内部加熱副工程が行われるという形で説明したが、時間tと時間tとの間が、加熱されたガラス板を、予備的な冷却手段などを用いて冷却する急冷前工程であり、時間tと時間tとの間がガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱工程であり、時間t以降を、内部加熱工程の後に前記ガラス板を急冷する急冷工程であると捉えることも可能である。このように捉えても本発明の強化方法の作用効果が何ら変化するものではない。
図7の態様においては内部加熱工程において、ガラス板内部からの加熱開始と同時に急冷手段によってガラス板の急冷を開始している例を示した。しかし、内部加熱の開始時点は急冷前工程の途中にあってもよく、急冷開始後にあってもよい。図8は、図7と同様の本強化方法の工程を示す工程説明図であり、内部加熱の開始時点が急冷前工程の途中にある場合を示す。図9も同様に本強化方法の工程を示す工程説明図であり、内部加熱の開始時点が急冷開始後(すなわち、急冷工程の途中)にある場合を示す。
また、図8に示すように、内部加熱副工程の時間tと時間tとの間におけるガラス板の板厚方向の中心部の温度と表面の温度は、必ずしも上昇する必要はなく、図8のT3(T4)のようにほぼ同じ温度に維持されてもよい。また、内部加熱副工程は、t4より前の急冷前工程で開始されてもよい。さらに、図9に示すように、T4からT3のように、内部加熱副工程中においてガラス板の温度は、特に、ガラス板中心部の温度は徐々に低下してもよい。
本発明において、急冷工程とは前記急冷のために冷却媒体を吹き付ける時点より始まり、該冷却媒体の吹き付けを終了するまでの工程をいう。加熱工程とはガラス板を急冷により強化することのできる温度まで加熱する工程をいう。急冷前工程とはガラス板が加熱工程終了時点から急冷工程における冷却媒体を吹き付ける時点までの段階をいう。
急冷前工程以降ガラス板の表面温度は低下し、ガラス板の表面温度は急冷前工程が始まる時点でそれ以降の工程(急冷工程を含む)における最高温度を示す。急冷前工程においてガラス板の温度を維持するためまたはガラス板の温度低下の速度を遅くするために、ガラス板を加熱してもよい。しかし、急冷前工程においてガラス板の表面温度が上昇することはないものとする。
急冷前工程において加熱されたガラス板に曲げ成形等の成形が施されてもよいが、その場合もガラス板の表面温度が上昇することはないものとする。加熱炉を出たガラス板が再度加熱されて表面温度が上昇する場合、その再度の加熱を行う工程は本発明における加熱工程とみなす。例えば、加熱されたガラス板が成形され、その後強化のために必要な温度にまで再度加熱される場合は、その成形後にガラス板を加熱する工程を本発明における加熱工程とみなす。
本発明における内部加熱(工程)は、急冷前工程の途中から急冷工程の途中までの間に開始され、急冷工程の途中で終了する。急冷前工程の途中とは、ガラス板の内部と表面の間に温度差が生じ、選択的な内部加熱が可能となった時点以降を意味する。内部加熱は急冷と同時に開始してもよく、急冷開始後に開始してもよい。少なくとも急冷開始後はガラス板の内部と表面の間に温度差が生じ、選択的な内部加熱が可能である。通常の場合、能動的な放冷を実施しなくても急冷前工程の放冷により急冷開始時点で選択的な内部加熱が可能である。その場合、可能であればさらに急冷開始時点前に内部加熱を開始することもできる。急冷開始時点でガラス板の内部と表面との間に充分な温度差が生じない場合は、急冷前工程で能動的な放冷を行うことが好ましい。また、急冷前工程で能動的な放冷を行う場合、可能であれば急冷開始時点前に内部加熱を開始することもできる。
内部加熱の終了は急冷工程の途中の時点であり、このことは、本発明において内部加熱は、その開始時点に係わらず、少なくとも急冷中に行われることを意味する。
内部加熱のない急冷において、ガラス板の表面温度は、当初表面温度と冷却媒体の温度との差が大きいことより急速に低下し、その後表面温度が低下するに従い表面温度と冷却媒体の温度との差が小さくなり温度低下の速度が低下していく。一方、ガラス板の内部温度は、内部から表面への熱伝導率が低いことより、内部温度の温度低下の速度が小さく、急冷当初は内部温度と表面温度の差が時間とともに拡大する。しかし、その後表面温度の低下速度が低下して、その表面温度の低下速度と内部から表面への熱伝導による内部温度の低下速度との差が小さくなり、表面温度と内部温度の差が時間とともに縮小していく。表面温度と内部温度の差が最大となる時点は急冷工程中にあり、その差が最大となる時点とガラスの強化点、徐冷点、歪点との関係が、ガラス板の強化が生じる要因となる。
急冷の際に内部加熱を行う本発明においては、内部加熱されている最中であっても急冷中のガラス板の表面温度は低下する。内部加熱がない場合に比較して、急冷中に内部加熱されているガラス板の表面温度の低下速度が遅くなることはあっても、表面温度が変化しないないしは上昇するということはない。一方、前記のように、その際の内部温度は、内部加熱がない場合に比較して、温度低下の速度が低下し、また温度が維持される場合や温度が上昇する場合もある。内部温度の温度低下の速度が低下する場合であっても、表面温度の低下速度に比較すればその低下速度は遅い。したがって、内部加熱により、急冷中のガラス板の表面温度と内部温度との差の最大値は、内部加熱がない場合に比較して大きくなる。これにより、強化するための冷却能を大きくすることなく、また、強化のためにガラス板を高い温度に加熱することなく、効率的に強化を行うことが可能となる。また、従来は強化が困難であった薄いガラス板や熱伝導率の高いガラスからなるガラス板の強化を容易に行うことができる。
内部加熱副工程では、冷却されつつあるガラス板の内部が選択的に加熱されている場合、内部の温度は、上昇しても、低下しても、維持されていてもよい。冷却により内部から持ち出される単位時間当たりの熱エネルギーを−Ec、加熱により内部に加えられる単位時間当たりの熱エネルギーを+Esとすると(仮に表面部分には熱エネルギーが加わらないとする)、(−Ec+Es)の値が負であれば内部の温度は低下する(ただし、+Es=0の場合よりも温度低下速度は小さい)。(−Ec+Es)の値が0であれば内部の温度は維持され、正であれば内部の温度は上昇する。
上記−Ecは高温の内部から低温の表面に熱伝導で持ち出される熱エネルギーであり、内部と表面の温度差が大きいほど多くの熱エネルギーが持ち出される。+Esは電磁波により加えられるエネルギーに由来し、たとえ電磁波エネルギーが一定であっても内部温度が高いほどより多く吸収されることより+Esの値は大きくなり、逆に、内部温度が低下すると+Esの値は小さくなる。このように、−Ecと+Esの値はいずれも内部と表面の温度変化により変化することより、(−Ec+Es)の値は通常一定ではない。
以上のように本発明の強化方法において、ガラスの軟化点近くの温度まで加熱されたガラス板が冷却される過程で、エネルギーを印加し温度低下を抑制することで内部温度を維持することや、内部温度の温度低下の速度を小さくする態様を含む。このようなガラス板の中心部の温度が上昇しない態様においても、ガラス板の表面と中心部との間により大きい温度差を生じさせるとの本発明の効果は前述の態様と同様に達成される。
また、加熱手段に前述の高周波加熱を用いた場合は中心部Gbの方が表面Gaよりも加熱されやすいという特性により、内部加熱副工程において温度の高い部位がより高効率で加熱されさらにガラス板厚方向での温度差が大きくなるという効果も同様に得ることができる。
なお、本発明における急冷前工程では予備的な冷却手段等を用いて能動的にガラス板を冷却してもよく、放冷時間を設けるなど受動的かつ意図的な冷却を含んでもよい。さらに、搬送中などに生じる不可避で受動的な温度低下を利用してもよい。
本発明の強化方法では、ガラス板の板厚方向の中心部の温度が強化点近傍のとき、ガラス板の板厚方向の中心部の温度と表面の温度の差が100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であれば、あるいは、ガラス板の板厚方向の表面の温度が歪点−20℃以下であれば、さらに大きい温度差を生じさせることができ、より板厚の薄いガラス板や熱伝導率の高いガラス板を強化することが可能になる。また、前述の温度差が100℃以下であっても他の強化方法と組み合わせることで所望の効果を得ることも可能である。
高周波誘電加熱を開始する際のガラス板の中心部の温度は強化点近傍であることが望ましい。強化点近傍とはガラス板のlogηの値が9.4±1.2[Log Poise]となる温度が好ましく、logηの値が9.4±0.8[Log Poise]がさらに好ましい。前述の範囲よりlogηの値が小さいとガラスが柔らかくなり、形状の保持が難しくなったり、歪が残ったりする。logηの値が大きいとガラスが固くなり、初期冷却の一時ひずみで割れやすくなったり、強化ガラスに入る残留応力が小さくなったりする。
以下、本発明の強化方法において、ガラス板の表面の温度と中心部の温度との最適な関係について説明する。
図10は、ガラス板を強化するために最適な温度の関係を示すグラフである。
図10に示すように、本実施形態の強化方法では、ガラス板の表面と中心部の温度差の最大になったときの温度が、一次式y=ax+b(xは中心部の温度、yは表面の温度、a、bは定数)を満たしていることが好ましい。
上記定数aの値は0.5〜0.65が好ましく、0.5近傍がさらに好ましい。また、上記定数bの値は60〜180が好ましい。
なお、ガラス板を強化するときの温度について、例えば図10に示すように、中心部の温度は、最小値TCから最大値TDまでの間がさらに好ましい。この場合、点PE、PF、PG、PHで囲まれた領域A2にガラス板の中心部温度と表面温度の組み合わせを示す点Pbが収まっていればよい。このときのTCは620℃以上、TDは700℃以下が好ましく、さらに、PGを定める表面温度TBは490℃以下であることがさらに好ましい。
以上のように、本発明の急冷工程において必要なガラス板の板厚方向中心部近傍の温度及び表面の温度の組み合わせ条件および温度差を求めることができる。例えば、自動車などに用いられる車両用安全ガラスに用いられるソーダライムガラスでは、ガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が強化点近傍のときのガラス板の表面温度は徐冷点以下が好ましく、490℃以下がさらに好ましい。
次に、本発明の強化方法の妥当性を検証するため、コンピュータシミュレーションを行ったので、その詳細について説明する。本シミュレーションは、板厚2.0〜2.8mmのガラス板に対して一般的な風冷処理を施すとともに、ガラス板が所定の表面温度と中心温度になったときに高周波加熱を併用して加熱したものであり、少なくとも表面温度が軟化点以下で、中心部の温度強化点近傍となるように加熱した。
シミュレーションの条件は、加熱炉からガラス板を取り出し後の高周波加熱開始までの時間は例1〜3でそれぞれ、3.4秒、4.6秒、5.3秒であり、急冷開始までの時間はいずれも2秒である。また、高周波加熱の印加時間は2秒、急冷時間は98秒とする。このときの結果を表1に示す。
Figure 0005821841
一方、上記の強化ガラス製造のシミュレーションの手法は、ナラヤナスワミー(Narayanaswamy O. S., Journal of the American Ceramics Society, Vol.61, No.3-4 (1978), 146-152.)が提案したシミュレーション技術に基づいている。ナラヤナスワミーが提案したガラス板強化シミュレーションは、図11に示すように、ガラス板の板厚、初期温度、冷却の強さ、ガラス板の熱物性値および粘弾性物性値を入力条件とし(ステップS1)、冷却中のガラス板の板厚方向の温度分布および熱粘弾性応力分布の時間変化を計算し(ステップS2、S3)、最終的にガラス板が固化した後に得られる強化ガラス板の板厚方向残留応力分布を求める(ステップS4、S5)手法である。なお、本実施例においては、ステップS2において、高周波加熱の影響を考慮した上で、ナラヤナスワミーの手法に基づいて下記温度計算式から板厚方向のガラス板の温度分布を計算している。計算方法には差分法を使用している。また、計算領域は1次元空間である。
〔温度計算式〕
Figure 0005821841
ここでρ、C、λはそれぞれガラス板の密度、比熱、熱伝導率でTはガラス板の温度、t、xはそれぞれ時間および板厚方向の座標を示している。この温度計算式中のQが高周波加熱による単位体積、単位時間あたり発熱量を表しており、次式から得られる単位体積あたり熱となって消費される電力Pから求められる。
〔高周波誘電加熱式〕
Figure 0005821841
ここでεr、tanδはそれぞれガラス板の誘電率および誘電体損失角である。ステップS3のガラス熱粘弾性応力計算、およびステップS5の板厚方向残留応力分布計算では、ナラヤナスワミーの手法に基づいて、以下の一連の方程式群を解くことにより熱粘弾性応力を算出している。
〔仮想温度計算式〕
Figure 0005821841
式中の仮想温度Tはガラスの分子構造を表現するパラメータであり、Mは構造が緩和する挙動を表現する関数で、ξは換算時間である。換算時間は次式で計算される。
〔換算時間計算式〕
Figure 0005821841
ここでτは緩和時間でτrefは代表温度における緩和時間を意味する。以上の式から得られた値に基づいて、冷却中のガラス板における板厚方向熱粘弾性応力σは次式から計算される。
〔熱粘弾性応力計算式〕
Figure 0005821841
ここでRは等方応力の緩和、Eおよびνはガラスのヤング率およびポアソン比、βおよびβは液体状態のガラスの線膨張係数および固化したガラスの線膨張係数をそれぞれ表している。
なお、表1の温度は、冷却と高周波加熱を適用した際に表面温度と中心部の温度の差がほぼ最大になった時点での値を意味し、図9に示すように表面温度と中心部の温度は、それぞれ表面温度と中心部の温度の差が最大になったときのガラス板の表面温度と中心部の温度をそれぞれ意味している。表面応力は、強化終了後のガラス板表面の圧縮応力値で100MPa以上であれば十分な強化度が得られた(表1において「強化OK」と表示)と判断している。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の実施形態では、ガラス板としてソーダライムガラスを用いた例を示した。ソーダライムNa、Li、Kなどのアルカリ成分が増えると誘電体損失が増加し、高周波加熱により効率的に加熱することができる。これに限らず、例えば金属イオンを含有してなるガラス板を強化する場合にも本発明を適用することができる。ガラス板が含有する金属イオンは、V4+、Fe2+、Cu2+などが好ましい。
このようなガラス板では、上述した短波長赤外線を用いて内部加熱を行なってもよい。なお、本願でいう短波長赤外線とは、近赤外線とも呼ばれ、およそ0.7〜2.5μmの可視光(赤)に近い電磁波をさし、ガラス板の加熱には特に1.2μm程度の波長が好ましい。ガラス板に含有される金属イオンは短波長赤外線の波長により適宜選択可能であり、このときそれぞれV4+は1.1μm、Fe2+は1.0μm、Cu2+は0.8μmの波長を吸収する。
また、上述の実施形態では、少なくとも搬送ロール13の表面部13bとノズル部50、60を絶縁体によって形成することによって電極部21に対して電気的に絶縁していたが、放電を抑制するための構成はこれに限定されない。
例えば、ノズル部50等の電極部周辺の部材が導体で形成される場合、ノズル部50と電極部21との間の最短距離を、供給電極22と受動電極28との間の最短距離(すなわち図3に示す電極面22aと電極面28aとの間の距離d1)よりも長くすることにより電気的絶縁が行われてもよい。電極に最も近接して配置された導体との距離が、電極の距離よりも長いことにより、不要の放電を低減できるためである。電極部周辺の部材と電極部との間の最短距離が長いほど放電を起こしにくく、電極間距離の3倍以上であれば電極部周辺の部材を絶縁体としなくても放電を好適に抑制することができる。したがって、強化装置1の場合であれば、供給電極22の電極面22aから距離d1の3倍を半径とする範囲に導体からなる部品や部材を配置しなければよい。
また、上述の実施形態では、高周波加熱手段20の電極として供給電極と受動電極を備える高周波加熱手段の例を示したが、高周波加熱手段20の構成はこれに限定されず、他の公知の電極及び電源等の加熱手段の構成を採用することができる。
また、上述の実施形態では、強化装置1は加熱炉16を備える例を説明したが、強化装置1は加熱炉16などの予熱手段を備えていなくてもよい。この場合、高周波加熱手段20によってガラス板を加熱することができるので、高周波加熱手段20で加熱工程を行うことにより、上述の強化装置1と同様の効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では、搬送ロール13のうち表面部13bが絶縁性を有する材質である例を示したが、これに限らず、搬送ロール13全体が絶縁性を有する材質で形成されても構わない。
また、上述の実施形態の急冷手段では冷却媒体の例としてブロアなどにより排出される空気が用いられる例について説明したが、より圧力を高めた圧縮空気を用いて冷却をおこなってもよい。また、冷却媒体は空気に限られるものではない。すなわち、冷却手段40には、公知の冷却手段を適用することができ、例えば、冷却媒体は流体であればよく、液体、気体、あるいは液体と気体との混合物、などを適宜採用することができる。また、冷却媒体の組成についても特に限定されるものではなく、空気以外にも、窒素、二酸化炭素、などを用いることができる。
また、急冷手段は、その冷却能力を小さく調節することでゆっくり熱を除去する通常の冷却や徐冷を行うための冷却手段として用いることも可能である。
また、上述の実施形態では、ガラス板を平板な板状のまま特に曲げ加工などせずに強化する例を示したが、本発明の強化方法はこれに限らず、例えばガラス板を強化する前にガラス板に対して曲げ加工などを施す成形工程を備えてもよい。
この場合、成形工程は、ガラス板の軟化点近くの温度にガラス板を加熱してガラス板を軟化させ、このガラス板を所定の形状の成形型に沿わせることで成形型の形状をガラス板にプレスし、プレスされたガラス板を軟化点以下で且つ徐冷点以上の温度まで冷却する工程であってもよい。これにより、本発明のガラス板の強化方法は、平板なガラス板ばかりでなく湾曲形状の車両用安全ガラス板にも適用することができる。これにより、少ないエネルギーで効率よく所望の車両用安全ガラス板を提供することができる。
また、本発明はガラス板の表面と中心部の温度差を大きくすることが可能となるためより板厚の薄いガラス板を好適に強化することができ、このように強化されたガラス板は、車両窓用安全ガラス板として好適に用いることができる。
例えば、本発明の強化方法及び強化装置によれば、板厚が2.8mm以下のガラス板を効率よく強化することができる。本発明で強化されたガラス板の板厚が2.5mmまでのガラス板であれば、従来の成形方法で容易に生産できるため、既存の生産設備への適用が容易で効率的に板厚の薄い強化ガラス板の生産ができ、2.8mm以上の板厚のガラス板であればより既存の生産設備への適用性が高まる。
また、本発明により2.5mm以下、あるいは2.0mm以下の強化ガラス板の生産が可能になり、これまで強化に必要なガラス板の中心部と表面の温度差をつけることができず生産が難しかった板厚の薄い車両窓用安全ガラス板の生産を実現する。その結果、自動車など車両の軽量化に寄与し、車両の燃費が向上する。
また、ガラス板の板厚を薄くすることでガラス板の生産に必要な原料も減少するため、ガラス板生産時に必要なエネルギーも節約でき環境にやさしい強化ガラス板の提供が可能になる。
また、本発明は、車両窓用安全ガラス板のみに限定されず、建築用、ディブプレイ用などの分野に適用すれば、従来よりも薄い強化ガラスや割れ難いガラス板を提供することができる。
なお、2010年3月30日に出願された日本特許出願2010−079664号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1 ガラス板の強化装置
5 空気(冷却媒体)
10 搬送手段
13 搬送ロール(支持体)
15 加熱手段
21 電極部
22 供給電極
24a 給電部
28 受動電極
29 電極配線
35 電源部
40 急冷手段
43 チャンバーユニット(排出手段)
50、60 ノズル部
51、61 ノズル
51a、61a 開口
G ガラス板
Ga 表面
Gb 中心部

Claims (15)

  1. 軟化点以下かつ徐冷点以上の表面温度にあるガラス板に冷却媒体を吹き付けて急冷することにより強化されたガラス板を製造する方法であって、
    前記ガラス板を急冷する前に、前記ガラス板の内部と表面との間に温度差を生じさせる急冷前工程を設け、
    前記急冷前工程の後、ガラス板全体の温度が歪点以下となるよりも前の段階において、前記ガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱しながら急冷することを特徴とするガラス板の強化方法。
  2. 軟化点以下かつ強化点より低い強化点近傍以上の温度域にあるガラス板を加熱炉から取り出してから冷却媒体の吹き付けを開始するまでの間に前記選択的加熱を開始し、冷却媒体の吹き付け開始後に前記選択的加熱を終了する、請求項1に記載のガラス板の強化方法。
  3. 冷却媒体の吹き付け開始時点またはその後に前記選択的加熱を開始する、請求項1に記載のガラス板の強化方法。
  4. ガラス板の軟化点近くの温度まで前記ガラス板を予め加熱する加熱工程と、
    加熱された前記ガラス板の板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて急冷する急冷工程と、
    前記加熱工程と前記急冷工程との間において、前記ガラス板の内部と表面の間に温度差を生じさせる急冷前工程と
    少なくとも前記急冷工程中に、ガラス板の内部と表面の間に温度差が生じたガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱副工程と、を備え、
    前記内部加熱副工程の開始時点を前記急冷前工程の途中から前記急冷工程の途中までの間に設け、前記内部加熱副工程の終了時点を前記急冷工程の途中に設けることにより、
    前記急冷工程において前記ガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が強化点近傍のとき、前記ガラス板の板厚方向の表面の温度が徐冷点以下である状態を生じさせる、
    ガラス板の強化方法。
  5. 前記ガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が強化点近傍のとき、前記ガラス板の板厚方向中心部近傍の温度と表面の温度の差が100℃以上である、請求項4に記載のガラス板の強化方法。
  6. 前記ガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が強化点近傍のとき、前記ガラス板の板厚方向の表面の温度が歪点−20℃以下である、請求項4または5に記載のガラス板の強化方法。
  7. 前記内部加熱副工程において、内部加熱副工程開始時点のガラス板の板厚方向中心部近傍の温度が、該内部加熱副工程におけるガラス板の最高温度である、請求項4〜6のいずれかに記載のガラス板の強化方法。
  8. ガラス板の軟化点近くの温度まで前記ガラス板を予め加熱する加熱工程と、
    加熱された前記ガラス板の板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて急冷する急冷工程と、
    前記加熱工程と前記急冷工程との間において、前記ガラス板の内部と表面の間に温度差を生じさせる急冷前工程と
    少なくとも前記急冷工程中に、ガラス板の内部と表面の間に温度差が生じたガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱副工程と、を備え、
    前記急冷前工程以降において、
    前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度をx℃とし、前記ガラス板の板厚方向の両方の表面のうちいずれかの面の温度をy℃としたとき、
    前記ガラス板の板厚方向の中心部の温度が620℃以上700℃以下であるときに、xとyとが一次式y=ax+b(aおよびbは定数)を満たす関係にあり、且つ前記一次式における定数aが0.5以上0.65以下であり、さらに前記一次式における定数bが60以上180以下である状態を生じさせる、ガラス板の強化方法。
  9. 前記ガラス板は、ソーダライムガラスからなり、
    前記内部加熱副工程において、高周波を前記ガラス板に印加して前記ガラス板を高周波加熱する、請求項1〜8のいずれかに記載のガラス板の強化方法。
  10. 前記ガラス板は、金属イオンを含有するガラス板であって、
    前記内部加熱副工程において、短波長赤外線を用いて前記ガラス板を加熱する、請求項1〜8のいずれかに記載のガラス板の強化方法。
  11. 加熱したガラス板を冷却して強化するガラス板の強化装置において、
    前記強化装置は、
    前記ガラス板をその板厚方向の両方の表面に冷却媒体を吹き付けて前記ガラス板を急冷する急冷手段と
    急冷中の前記ガラス板の板厚方向中心部近傍を表面に対して選択的に加熱する内部加熱手段と、
    前記ガラス板を搬送する搬送手段と、
    を備え、
    前記急冷手段は、少なくとも
    先端に開口が設けられた複数のノズルを有し、前記開口を前記両方の表面に向けて配置されたノズル部と、
    前記ノズル部の前記開口から前記冷却媒体を排出させる排出手段と、
    を備え、
    前記内部加熱手段は、少なくとも
    前記ガラス板に高周波電圧を印加して前記ガラス板を加熱するための電極部と、
    前記電極部に高周波電圧を印加させるための電源部と、
    を備え、
    前記電極部と、前記ノズル部及び前記搬送手段とは電気的に絶縁されている、ガラス板の強化装置。
  12. 少なくとも前記ノズル部は、絶縁体によって形成され、
    前記搬送手段は、前記ガラス板の表面の少なくとも一部に接触して前記ガラス板を支持し、少なくとも前記ガラス板との接触部分が絶縁体からなる支持体を有する、請求項11に記載のガラス板の強化装置。
  13. 前記ノズル部の複数の開口のうち少なくとも1の開口は、前記複数の開口のうち他の開口に対して、前記搬送方向に沿う方向に離間して配置され、
    前記複数の開口を前記搬送方向から見たときに、隣接する開口が互いに重ならない位置に配置されている、請求項11または12に記載のガラス板の強化装置。
  14. 前記電極において、前記ガラス板の搬送方向に対して直交する方向に複数設けられた給電部と、
    前記電源部に接続されると共に、前記給電部のそれぞれに接続された電極配線と、
    を有し、
    前記電極配線は、前記電源部から前記給電部までの距離が略等距離となるように形成されている、請求項11〜13のいずれかに記載のガラス板の強化装置。
  15. 前記電極部に対して最も近接して配置された導体と前記電極部との間の距離は、前記電極間の距離よりも長い、請求項11〜14のいずれかに記載のガラス板の強化装置。
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