JP2013126295A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータの冷却性能を向上できるとともにロータの外側に配置されている潤滑対象に供給される潤滑液の量を増加可能な回転電機を提供する。
【解決手段】同軸に配置された巻線ロータ11及び磁石ロータ12を備え、磁石ロータ12は、ロータコア17と、ロータコア17の軸線方向の両端部にそれぞれ設けられたエンドプレート18とを備えた回転電機1において、磁石ロータ12には、潤滑油Oと冷媒Cとが混合された混合油が内周側から供給され、エンドプレート18には、軸線方向の側面19bがロータコア17から離れた位置に設けられるとともに径方向の側面19aがロータコア17の側方に位置する凸部19が設けられ、凸部19には、混合油が溜まる貯溜部22と、径方向の側面19aを貫通する第1排出通路24と、貯溜部22と第1排出通路24との間に配置され、径方向の側面19aから径方向内側に突出する隔壁23とが設けられている。
【選択図】図3
【解決手段】同軸に配置された巻線ロータ11及び磁石ロータ12を備え、磁石ロータ12は、ロータコア17と、ロータコア17の軸線方向の両端部にそれぞれ設けられたエンドプレート18とを備えた回転電機1において、磁石ロータ12には、潤滑油Oと冷媒Cとが混合された混合油が内周側から供給され、エンドプレート18には、軸線方向の側面19bがロータコア17から離れた位置に設けられるとともに径方向の側面19aがロータコア17の側方に位置する凸部19が設けられ、凸部19には、混合油が溜まる貯溜部22と、径方向の側面19aを貫通する第1排出通路24と、貯溜部22と第1排出通路24との間に配置され、径方向の側面19aから径方向内側に突出する隔壁23とが設けられている。
【選択図】図3
Description
本発明は、第1ロータと、第1ロータの外周に第1ロータに対して相対回転可能に設けられた第2ロータと、第2ロータの外周に設けられたステータと、を備えた回転電機に関する。
第1ロータと、第1ロータの外周に同軸に設けられた第2ロータと、第2ロータの外周に第1ロータ及び第2ロータと同軸に設けられたステータとを備えた回転電機が知られている。このような回転電機において、第1ロータの内周に設けたオイル貯溜部材にオイルを貯溜して第1ロータを冷却するとともに、オイル貯溜部材に設けられたオイル噴出口からオイルを遠心力にて噴出させて第2ロータやステータに供給する回転電機が知られている(特許文献1参照)。また、歯車や軸受等の潤滑に使用される液体として、潤滑液と潤滑液よりも密度が高くかつ潤滑液に対して非相溶性の冷媒とが混合された複合流体が知られている(特許文献2参照)。
特許文献1に記載されているような回転電機に特許文献2の複合流体を使用した場合、オイル貯溜部材において複合流体が遠心力で潤滑液と冷媒とに分離するおそれがある。この場合には密度の高い冷媒が径方向外側に集まるため、オイル噴出孔からは潤滑液よりも冷媒が多く排出される。そのため、オイル貯溜部材における冷媒の割合が低下し、ロータの冷却性能が低下するおそれがある。また、オイル貯溜部材に潤滑液が多く残るので、ロータの外側に配置されている潤滑対象に供給される潤滑液の量が低下するおそれもある。
そこで、本発明は、ロータの冷却性能を向上できるとともにロータの外側に配置されている潤滑対象に供給される潤滑液の量を増加可能な回転電機を提供することを目的とする。
本発明の回転電機は、軸線回りに回転可能に設けられた第1ロータと、前記第1ロータの外周に前記第1ロータと同軸に配置されるとともに前記第1ロータに対して相対回転可能に設けられた第2ロータと、前記第2ロータの外周に前記第1ロータ及び前記第2ロータと同軸に設けられたステータと、を備え、前記第2ロータは、環状のロータコアと、前記ロータコアの軸線方向の両端部にそれぞれ設けられたエンドプレートと、を備えた回転電機において、前記第2ロータには、潤滑液と前記潤滑液より密度が高くかつ前記潤滑液に対して非相溶性の冷媒とを含む複合流体が内周側から供給され、前記エンドプレートには、軸線方向の側面が前記ロータコアから軸線方向に離れた位置に設けられるとともに、径方向の側面が前記ロータコアの内周面よりも径方向外側かつ前記ロータコアの側方に位置するように設けられた突出部が設けられ、前記突出部には、前記ロータコアが壁面の一部となり、かつ前記複合流体が溜まる貯溜部と、前記貯溜部よりも前記ロータコアから軸線方向に離れた位置に形成されて前記突出部の径方向の側面を貫通する排出通路と、前記貯溜部と前記排出通路との間に配置され、前記突出部の径方向の側面から径方向内側に突出する隔壁と、が設けられている(請求項1)。
本発明の回転電機では、複合流体が貯溜部において遠心力により潤滑液と冷媒とに分離される。この際、潤滑液よりも冷媒の方が密度が高いため、径方向外側に冷媒が集まり、径方向内側に潤滑液が集まる。そのため、貯溜部の複合流体が隔壁を乗り越えて排出通路に溢れる際には、冷媒よりも潤滑液が優先的に排出通路に流れ込む。そのため、排出通路からは冷媒よりも潤滑液が多く排出される。このように本発明の回転電機によれば、排出通路から排出される潤滑液の量を増加させることができるので、第2ロータの外側に配置されている潤滑対象に供給される潤滑液の量を増加させることができる。一方、貯溜部には潤滑液よりも冷媒の方が多く残る。貯溜部の壁面の一部はロータコアであるため、このように冷媒を多く残すことによりロータコアの冷却性能を向上させることができる。
本発明の回転電機の一形態において、前記突出部の径方向の側面の内周面のうち前記貯溜部を形成する部分には、前記ロータコアから軸線方向に離れるほど階段状に径方向外側に広がる複数の段部が設けられ、隣り合う段部の間には、前記突出部の径方向の側面から径方向内側に前記隔壁と同じ長さで突出する壁部が設けられていてもよい(請求項2)。この形態によれば、貯溜部を壁部にて段部毎に分割し、貯溜部に複数の貯溜槽を設けることができる。これら複数の貯溜槽は、ロータコアから離れるほど径方向外側に位置する。そのため、各貯溜槽において溢れた複合流体は、現在の貯溜槽に対して排出通路側の隣りの貯溜槽に移動する。この形態においても各貯溜槽では、複合流体が潤滑液と冷媒とに遠心分離される。そのため、冷媒よりも潤滑液の方が排出通路側の貯溜槽に優先的に移動する。従って、各貯溜槽における複合流体の潤滑液の割合は、ロータコアから離れるに従って徐々に大きくなる。この場合、排出通路の隣りにある貯溜槽において複合流体の潤滑液の割合が最も大きくなる。そのため、その貯溜槽から排出通路に排出される潤滑液の量を増加させることができる。これにより排出通路から排出される潤滑液の量をさらに増加させることができるので、潤滑対象に供給される潤滑液の量をさらに増加させることができる。
本発明の回転電機の一形態において、前記貯溜部は、前記ステータのコイルエンドの径方向内側に設けられ、前記突出部の径方向の側面のうち前記貯溜部を形成する部分には、前記突出部の径方向の側面を貫通するステータ冷却用排出通路が設けられていてもよい(請求項3)。上述したように貯溜部には冷媒が多く残っている。そのため、ステータ冷却用排出通路からは、潤滑液よりも冷媒が多く排出される。これによりステータのコイルエンドに供給される冷媒の量を増加させることができるので、ステータの冷却性能を向上させることができる。また、エンドプレートを通過する複合流体の量を増加させることができるので、第2ロータの冷却性能をさらに向上させることができる。
以上に説明したように、本発明の回転電機によれば、排出通路から排出される潤滑液の量を増加させることができる。そのため、ロータの外側に配置されている潤滑対象に供給される潤滑液の量を増加させることができる。また、貯溜部には潤滑液より冷媒が多く残るので、ロータコアの冷却性能を向上させることができる。
(第1の形態)
図1〜図3を参照して本発明の第1の形態に係る回転電機を説明する。図1及び図2は、いずれも回転電機としての複合モータ1Aの断面を示している。図1は図2のI−I線における断面を示し、図2は図1のII−II線における断面を示している。なお、図2では一部の図示を便宜上省略した。この複合モータ1Aは、車両に搭載され、走行用動力源である内燃機関と変速機との間の動力伝達経路中に組み込まれる。
図1〜図3を参照して本発明の第1の形態に係る回転電機を説明する。図1及び図2は、いずれも回転電機としての複合モータ1Aの断面を示している。図1は図2のI−I線における断面を示し、図2は図1のII−II線における断面を示している。なお、図2では一部の図示を便宜上省略した。この複合モータ1Aは、車両に搭載され、走行用動力源である内燃機関と変速機との間の動力伝達経路中に組み込まれる。
図1に示すように複合モータ1Aは、入力軸10と、第1ロータとしての巻線ロータ11と、第2ロータとしての磁石ロータ12と、ステータ13と、出力軸14とを備えている。巻線ロータ11、磁石ロータ12、及びステータ13は、ケース15内に収容されている。入力軸10は、不図示の内燃機関のクランク軸と連結されている。出力軸14は不図示の変速機の入力軸と連結されている。この図に示すように磁石ロータ12は、軸線Axの回りに回転可能なように一対のベアリングB1、B1を介してケース15に支持されている。入力軸10は、軸線Axの回りに回転可能なように一対のベアリングB2、B2を介して磁石ロータ12に支持されている。そのため、入力軸10と磁石ロータ12とは相対回転可能に設けられている。
図1に示すように巻線ロータ11は、内周に空間が形成されるように筒状に構成されている。巻線ロータ11の内径は、入力軸10の外径よりも大きい。巻線ロータ11は、入力軸10と同軸になるように入力軸10の外周に配置されている。入力軸10と巻線ロータ11とは連結部材16によって一体回転するように連結されている。このように巻線ロータ11と入力軸10とが連結されることにより、巻線ロータ11が軸線Axの回りに回転可能に設けられる。また、これにより巻線ロータ11と磁石ロータ12とが相互に相対回転可能になる。巻線ロータ11は複数のコイル11aを備えている。これら複数のコイル11aに所定の順番で電流を流すことにより、周方向に回転する回転磁界が発生する。
入力軸10の中心には、軸線方向に延びる供給通路10aが設けられている。また、入力軸10には、供給通路10aから径方向外側に延びて外周面に開口する複数の供給孔10bが設けられている。各供給孔10bは、巻線ロータ11のコイル11aのコイルエンドの径方向内側に位置するように設けられている。
ステータ13は円筒状をしている。ステータ13の内径は巻線ロータ11の外径及び磁石ロータ12の外径よりも大きい。ステータ13は、巻線ロータ11の径方向外側に巻線ロータ11と同軸になるように設けられている。ステータ13は、ケース15に回転不能に固定されている。ステータ13は複数のコイル13aを備えている。これら複数のコイル13aに所定の順番で電流を流すことにより、周方向に回転する回転磁界が発生する。
磁石ロータ12は、巻線ロータ11と同様に内周に空間が形成されるように構成されている。磁石ロータ12は、巻線ロータ11の外周かつステータ13の内周に巻線ロータ11及びステータ13と同軸になるように設けられている。また、磁石ロータ12は、巻線ロータ11との間及びステータ13との間にそれぞれ所定の隙間が生じるように設けられている。そのため、巻線ロータ11、磁石ロータ12、及びステータ13は、軸線方向から見た場合に内側から巻線ロータ11、磁石ロータ12、ステータ13の順番で同心円状になるように配置されている。
磁石ロータ12は、不図示の永久磁石を備えた環状のロータコア17と、ロータコア17の両端部にそれぞれ取り付けられたエンドプレート18とを備えている。エンドプレート18は、円筒状の小径部18aと、小径部18aの一端から径方向外側に延びるフランジ部18bと、フランジ部18bから小径部18aとは反対の方向、かつ軸線方向に延びる大径部18cとを備えている。大径部18cは小径部18aよりも径方向の大きさが大きい。この図に示すように磁石ロータ12は、小径部18aがベアリングB1を介してケース15に支持されている。
図2に示すように大径部18cには、突出部としての凸部19と凹部20とが周方向に交互に設けられている。図1に示すように凸部19の径方向の側面19aは、径方向の位置がロータコア17の外周とほぼ同じになるように設けられている。また、凸部19の軸線方向の側面19bは、ロータコア17から軸線方向に離れた位置に設けられている。一方、凹部20の径方向の側面20aは、径方向の位置がロータコア17の内周面とほぼ同じになるように設けられている。また、凹部20の軸線方向の側面20bはロータコア17と接するように設けられている。図2に示すように凸部19と凹部20との間には、これらを互いに区分する仕切り面21が設けられている。
図3は、図1において破線で囲んだ範囲Aを拡大して示している。この図に示したように凸部19には、貯溜部22と、隔壁23と、第1排出通路24とが設けられている。これらはロータコア17に近い側から貯溜部22、隔壁23、第1排出通路24の順番で軸線方向に配置されている。第1排出通路24は、径方向の側面19aを径方向に貫通している。第1排出通路24は、凸部19の内側においてロータコア17から軸線方向に最も離れた位置に設けられている。隔壁23は、径方向の側面19aから径方向内側に突出している。隔壁23は、軸線Axから隔壁23の径方向内側までの距離R2が軸線Axからロータコア17の内周面までの距離R1よりも大きくなるように設けられている。すなわち、隔壁23はロータコア17の内周面に達しない範囲で径方向内側に突出している。このように隔壁23が設けられることにより、ロータコア17、隔壁23、径方向の側面19a及び一対の仕切り面21にて貯溜部22が形成される。そのため、この図に示すようにロータコア17は貯溜部22の壁面の一部になる。図1に示すように貯溜部22は、ステータ13のコイル13aのコイルエンドの径方向内側に形成されている。
図1及び図2に示すように凹部20の径方向の側面20aには、径方向に貫通する第2排出通路25が設けられている。エンドプレート18は、複数の締結用ボルト26でロータコア17に固定されている。締結用ボルト26は、各凹部20に配置され、軸線方向にロータコア17を貫いてエンドプレート18をロータコア17に固定している。図1において右側に配置されているエンドプレート18の小径部18aには、出力軸14が一体回転するように連結されている。
この複合モータ1Aでは、巻線ロータ11及びステータ13の両方にコイルが設けられ、これらの両方で回転磁界を発生させることができる。そして、発生させた回転磁界で磁石ロータ12を回転させることができる。すなわち、複合モータ1Aは、巻線ロータ11及び磁石ロータ12で構成される第1モータ・ジェネレータと、ステータ13及び磁石ロータ12で構成される第2モータ・ジェネレータとを備えている。そして、複合モータ1Aは、これら2つのモータ・ジェネレータを適宜に利用して内燃機関の動力を変速機に伝達する。例えば、入力軸10が内燃機関によって回転駆動された場合は、巻線ロータ11のコイル11aで電気が発生して磁力が発生する。そのため、巻線ロータ11の回転に伴って磁石ロータ12も回転する。この際、磁石ロータ12は巻線ロータ11と同じ方向に回転する。そして、これにより出力軸14から変速機に回転が伝達される。また、複合モータ1Aでは、この際にコイル11aで発生した電気をインバータ等を介してステータ13のコイル13aに供給し、コイル13aで回転磁界を発生させることができる。そして、これにより磁石ロータ12を回転駆動することができる。このように複合モータ1Aでは、巻線ロータ11で発生した磁力及び電力の両方を利用して磁石ロータ12を駆動することができる。この場合、磁石ロータ12の駆動トルクを増幅させることができる。そのため、複合モータ1Aは周知のトルクコンバータと同様に機能する。
この複合モータ1Aでは、複合流体としての混合油を用いて各部の潤滑及び冷却を行う。混合油は、潤滑液としての潤滑油と、潤滑油よりも密度が高くかつ潤滑油に対して非相溶性(非溶解性)の冷媒とを混合したものである。なお、冷媒としては例えばフッ素系冷媒が使用される。図1及び図3を参照して複合モータ1Aにおける混合油の流れについて説明する。図1に示すように混合油は、不図示のポンプからまず入力軸10の供給通路10aに供給される。供給通路10aの混合油は、この図に矢印F1で示したように遠心力によって供給孔10bから磁石ロータ12の内部に供給される。この際、混合油は巻線ロータ11のコイル11aに掛かりこのコイル11aを冷却する。その後混合油は一部が第1排出通路24及び第2排出通路25から磁石ロータ12の外側に排出され、残りが貯溜部22に溜まる。
上述したように混合油は潤滑油と冷媒とを混合したものであり、冷媒の密度は潤滑油の密度より高い。そのため、図3に示すように貯溜部22に溜まった混合油は、遠心力により潤滑油Oと冷媒Cとに分離される。この際、図に示したように冷媒Cが径方向外側に集まり、径方向内側には潤滑油Oが集まる。そのため、この図に矢印F2で示したように貯溜部22の混合油が隔壁23を乗り越えて第1排出通路24に溢れる際には、冷媒Cよりも潤滑油Oが優先的に第1排出通路24に流れ込む。従って、第1排出通路24からは冷媒Cよりも潤滑油Oが多く排出される。そして、貯溜部22には潤滑油Oよりも冷媒Cが多く残る。第1排出通路24に流入した混合油は、矢印F3で示したように磁石ロータ12の外側に排出される。
各排出通路24、25から排出された混合油は、ステータ13のコイル13aに掛かりこのコイル13aを冷却する。その後、混合油は磁石ロータ12の外側に設けられているベアリングB1等の潤滑対象に供給され、それらを潤滑する。なお、潤滑対象を潤滑した後の混合油は回収され、ポンプにて再度供給通路10aに送られる。
以上に説明したようにこの複合モータ1Aによれば、第1排出通路24から排出される潤滑油Oの量を増加できる。そのため、ベアリングB1等の磁石ロータ12の外側にある潤滑対象に供給される潤滑油Oの量を増加できる。これにより、これらの潤滑対象の焼付きや異常磨耗を抑制できるので、耐久性を向上させることができる。また、貯溜部22には潤滑油Oよりも冷媒Cが多く残るので、ロータコア17の冷却性能を向上させることができる。これにより複合モータ1Aを高効率化したり小型化したりできる。
(第2の形態)
図4を参照して本発明の第2の形態に係る回転電機を説明する。図4は、この形態に係る回転電機としての複合モータ1Bの一部を拡大して示している。この形態では、第1排出通路24に加えてステータ冷却用排出通路としての第3排出通路30が凸部19の径方向の側面19aに設けられている点が第1の形態と異なる。この図では1つの凸部19のみを示したが、他の凸部19も同様に構成されている。なお、それ以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、この形態において第1の形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4を参照して本発明の第2の形態に係る回転電機を説明する。図4は、この形態に係る回転電機としての複合モータ1Bの一部を拡大して示している。この形態では、第1排出通路24に加えてステータ冷却用排出通路としての第3排出通路30が凸部19の径方向の側面19aに設けられている点が第1の形態と異なる。この図では1つの凸部19のみを示したが、他の凸部19も同様に構成されている。なお、それ以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、この形態において第1の形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
第3排出通路30は、凸部19の径方向の側面19aのうち貯溜部22を形成する部分に設けられている。第3排出通路30は、その径方向の側面19aを径方向に貫通している。そのため、この図に示すように第3排出通路30は、ステータ13のコイル13aのコイルエンドの径方向内側に設けられている。上述したように貯溜部22に溜まった混合油は潤滑油Oと冷媒Cとに遠心分離され、径方向外側には冷媒Cが集まる。そのため、第3排出通路30からは潤滑油Oよりも冷媒Cが多く排出される。この図に矢印F4で示したように第3排出通路30から排出された混合油はステータ13のコイル13aに掛かり、このコイル13aを冷却する。
この第2の形態によれば、凸部19の径方向の側面19aのうち貯溜部22を形成する部分に第3排出通路30を設けたので、ステータ13のコイル13aに掛かる冷媒Cの量を増加させることができる。これによりステータ13の冷却性能を向上させることができる。そのため、複合モータ1Bを高効率化したり小型化したりできる。また、磁石ロータ12のエンドプレート18を通過する混合油の量を増加させることができるので、磁石ロータ12の冷却性能も向上させることができる。
(第3の形態)
図5及び図6を参照して本発明の第3の形態に係る回転電機を説明する。図5は、この形態に係る回転電機としての複合モータ1Cの一部を拡大して示している。また、図6は図5の破線で囲んだ範囲を拡大して示している。この形態では、貯溜部22が軸線方向に3つに分割されて貯溜部22に第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b及び第3貯溜槽22cが設けられている点が第1の形態と異なる。この図では1つの凸部19のみを示したが、他の凸部19も同様に構成されている。なお、この形態でも凸部19以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、この形態において第1の形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5及び図6を参照して本発明の第3の形態に係る回転電機を説明する。図5は、この形態に係る回転電機としての複合モータ1Cの一部を拡大して示している。また、図6は図5の破線で囲んだ範囲を拡大して示している。この形態では、貯溜部22が軸線方向に3つに分割されて貯溜部22に第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b及び第3貯溜槽22cが設けられている点が第1の形態と異なる。この図では1つの凸部19のみを示したが、他の凸部19も同様に構成されている。なお、この形態でも凸部19以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、この形態において第1の形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
この形態では、図6に示すように凸部19の径方向の側面19aの内周面のうち貯溜部22を形成する部分(以下、貯溜部の底部と称することがある。)が階段状に形成されている。貯溜部22の底部は、ロータコア17から離れるほど径方向外側に広がるように形成されている。これにより貯溜部22の底部には、3つの段部41、42、43が設けられる。隣り合う段部の間には、径方向の側面19aから径方向内側に突出する壁部44、45が設けられている。この図に示すように各壁部44、45は、隔壁23と同様に軸線Axから各壁部44、45の径方向内側までの距離R3、R4が軸線Axからロータコア17の内周面までの距離R1よりも大きくなるように設けられている。また、隔壁23及び壁部44、45は、径方向の側面19aから突出する長さがいずれも同じになるように設けられている。このように壁部44、45が設けられることにより、貯溜部22にロータコア17側から順に第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b及び第3貯溜槽22cが設けられる。そして、この図に示すように第2貯溜槽22bは第1貯溜槽22aよりも径方向外側に位置し、第3貯溜槽22cは第2貯溜槽22bよりも径方向外側に位置する。
次にこの形態の複合モータ1Cにおける混合油の流れについて説明する。この形態においても図5に矢印F1で示したように入力軸10の供給孔10bから磁石ロータ12の内部に混合油が供給される。混合油の一部は第1排出通路24及び第2排出通路25を介して磁石ロータ12の外側に排出され、残りの混合油が第1〜第3貯溜槽22a〜22cに溜まる。
この形態においても第1〜第3貯溜槽22a〜22cに溜まった混合油は、潤滑油Oと冷媒Cとに遠心分離される。上述したように第1〜第3貯溜槽22a〜22cはロータコア17から離れるほど径方向外側に位置しているため、矢印F5、F6で示したように第1貯溜槽22aから溢れた混合油は第2貯溜槽22bに、第2貯溜槽22bから溢れた混合油は第3貯溜槽22cにそれぞれ移動する。この際、第1貯溜槽22aから第2貯溜槽22bには冷媒Cより潤滑油Oが多く移動する。同様に第2貯溜槽22bから第3貯溜槽22cにも冷媒Cより潤滑油Oが多く移動する。このように冷媒Cよりも潤滑油Oの方が第1排出通路24側に優先的に移動するため、この図に示すように第1貯溜槽22aに冷媒Cが最も多く残り、第2貯溜槽22b、第3貯溜槽22cの順に残る冷媒Cの量が減少する。一方、潤滑油Oの量は、第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b、第3貯溜槽22cの順に多くなる。そのため、混合油における潤滑油Oの割合は第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b、第3貯溜槽22cの順番で大きくなる。従って、第3貯溜槽22cから第1排出通路24に排出される潤滑油Oの量をさらに増加させることができる。また、このように混合油を移動させることにより、第2貯溜槽22b及び第3貯溜槽22cの混合油を攪拌することができる。
第3貯溜槽22cから溢れた混合油は第1排出通路24に流れ込み、矢印F3で示したように磁石ロータ12の外側に排出される。なお、磁石ロータ12の外側に排出された混合油は、上述した形態と同様にステータ13のコイル13aを冷却し、その後ベアリングB1等の潤滑対象に供給されてそれらを潤滑する。
以上に説明したように、この形態によれば第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b、第3貯溜槽22cの順に混合油を移動させることにより、混合油における潤滑油Oの割合を徐々に大きくすることができる。そのため、第1排出通路24から磁石ロータ12の外側に排出される潤滑油Oの量をさらに増加させることができる。従って、ベアリングB1等の潤滑対象の焼付きや異常磨耗をさらに抑制できる。
(第4の形態)
図7を参照して本発明の第4の形態に係る回転電機を説明する。図7は、この形態に係る回転電機としての複合モータ1Dの一部を拡大して示している。この図では1つの凸部19のみを示したが、他の凸部19も同様に構成されている。この形態においても凸部19以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、この形態において上述した各形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図7を参照して本発明の第4の形態に係る回転電機を説明する。図7は、この形態に係る回転電機としての複合モータ1Dの一部を拡大して示している。この図では1つの凸部19のみを示したが、他の凸部19も同様に構成されている。この形態においても凸部19以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、この形態において上述した各形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
この形態でも、貯溜部22が軸線方向に3つに分割されて貯溜部22に第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b及び第3貯溜槽22cが設けられている。なお、これらは第3の形態と同様に設けられているため、詳細な説明を省略する。この形態では、各貯溜部22a、22b、22cの底部にそれぞれ排出通路51、52、53が設けられている。各排出通路51、52、53は、凸部19の径方向の側面19aを径方向に貫通している。この図に示すように各排出通路51、52、53は、ステータ13のコイル13aの径方向内側に配置されている。そのため、これらの排出通路51、52、53から排出された混合油は、そのコイル13aに掛かってコイル13aを冷却する。そのため、これらの排出通路51、52、53が本発明のステータ冷却用排出通路に相当する。
各貯溜部22a、22b、22cに溜まっている混合油の潤滑油Oの割合は、第1貯溜槽22a、第2貯溜槽22b、第3貯溜槽22cの順番で大きくなる。そのため、第1貯溜槽22aの排出通路51からは、潤滑油Oよりも冷媒Cが多く排出される。そして、第2貯溜槽22bの排出通路52、第3貯溜槽22cの排出通路53、第1排出通路24の順番で徐々に排出される冷媒Cの量が減少する。このようにこの形態では、各排出通路から排出される混合油の冷媒Cの割合はロータコア17から離れるほど小さくなる。一方、各排出通路から排出される潤滑油の量は第1貯溜槽22aの排出通路51、第2貯溜槽22bの排出通路52、第3貯溜槽22cの排出通路53、第1排出通路24の順番で増加する。そのため、第1排出通路24からは冷媒Cよりも潤滑油Oが多く排出される。
この形態によれば、第1貯溜槽22a〜第3貯溜槽22cの排出通路51、52、53から排出された混合油をステータ13のコイル13aに掛けることができる。これらの排出通路51、52、53からは潤滑油Oよりも冷媒Cが多く排出されるので、ステータ13の冷却性能を向上させることができる。そのため、複合モータ1Dを高効率化したり小型化したりできる。また、磁石ロータ12のエンドプレート18を通過する混合油の量を増加させることができるので、磁石ロータ12の冷却性能も向上させることができる。
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、第3の形態又は第4の形態において貯溜部を分割する個数は3つに限定されない。2つに分割してもよいし、4つ以上に分割してもよい。本発明の回転電機は、車両以外の種々の装置に組み込んで使用してよい。また、装置に組み込まずに単独で使用してもよい。
1A、1B、1C、1D 複合モータ(回転電機)
11 巻線ロータ(第1ロータ)
12 磁石ロータ(第2ロータ)
17 ロータコア
18 エンドプレート
19 凸部(突出部)
19a 凸部の径方向の側面
19b 凸部の軸線方向の側面
22 貯溜部
23 隔壁
24 第1排出通路
30 第3排出通路(ステータ冷却用排出通路)
41、42、43 段部
44、45 壁部
51 第1貯溜槽の排出通路(ステータ冷却用排出通路)
52 第2貯溜槽の排出通路(ステータ冷却用排出通路)
53 第3貯溜槽の排出通路(ステータ冷却用排出通路)
Ax 軸線
C 冷媒
O 潤滑油(潤滑液)
11 巻線ロータ(第1ロータ)
12 磁石ロータ(第2ロータ)
17 ロータコア
18 エンドプレート
19 凸部(突出部)
19a 凸部の径方向の側面
19b 凸部の軸線方向の側面
22 貯溜部
23 隔壁
24 第1排出通路
30 第3排出通路(ステータ冷却用排出通路)
41、42、43 段部
44、45 壁部
51 第1貯溜槽の排出通路(ステータ冷却用排出通路)
52 第2貯溜槽の排出通路(ステータ冷却用排出通路)
53 第3貯溜槽の排出通路(ステータ冷却用排出通路)
Ax 軸線
C 冷媒
O 潤滑油(潤滑液)
Claims (3)
- 軸線回りに回転可能に設けられた第1ロータと、前記第1ロータの外周に前記第1ロータと同軸に配置されるとともに前記第1ロータに対して相対回転可能に設けられた第2ロータと、前記第2ロータの外周に前記第1ロータ及び前記第2ロータと同軸に設けられたステータと、を備え、
前記第2ロータは、環状のロータコアと、前記ロータコアの軸線方向の両端部にそれぞれ設けられたエンドプレートと、を備えた回転電機において、
前記第2ロータには、潤滑液と前記潤滑液より密度が高くかつ前記潤滑液に対して非相溶性の冷媒とを含む複合流体が内周側から供給され、
前記エンドプレートには、軸線方向の側面が前記ロータコアから軸線方向に離れた位置に設けられるとともに、径方向の側面が前記ロータコアの内周面よりも径方向外側かつ前記ロータコアの側方に位置するように設けられた突出部が設けられ、
前記突出部には、前記ロータコアが壁面の一部となり、かつ前記複合流体が溜まる貯溜部と、前記貯溜部よりも前記ロータコアから軸線方向に離れた位置に形成されて前記突出部の径方向の側面を貫通する排出通路と、前記貯溜部と前記排出通路との間に配置され、前記突出部の径方向の側面から径方向内側に突出する隔壁と、が設けられている回転電機。 - 前記突出部の径方向の側面の内周面のうち前記貯溜部を形成する部分には、前記ロータコアから軸線方向に離れるほど階段状に径方向外側に広がる複数の段部が設けられ、
隣り合う段部の間には、前記突出部の径方向の側面から径方向内側に前記隔壁と同じ長さで突出する壁部が設けられている請求項1に記載の回転電機。 - 前記貯溜部は、前記ステータのコイルエンドの径方向内側に設けられ、
前記突出部の径方向の側面のうち前記貯溜部を形成する部分には、前記突出部の径方向の側面を貫通するステータ冷却用排出通路が設けられている請求項1又は2に記載の回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011273471A JP2013126295A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011273471A JP2013126295A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013126295A true JP2013126295A (ja) | 2013-06-24 |
Family
ID=48777248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011273471A Pending JP2013126295A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013126295A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016009770A1 (ja) * | 2014-07-16 | 2016-01-21 | 株式会社豊田自動織機 | ロータ |
CN110098696A (zh) * | 2018-01-30 | 2019-08-06 | 本田技研工业株式会社 | 定子冷却结构及旋转电机 |
-
2011
- 2011-12-14 JP JP2011273471A patent/JP2013126295A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016009770A1 (ja) * | 2014-07-16 | 2016-01-21 | 株式会社豊田自動織機 | ロータ |
CN110098696A (zh) * | 2018-01-30 | 2019-08-06 | 本田技研工业株式会社 | 定子冷却结构及旋转电机 |
JP2019134547A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 本田技研工業株式会社 | ステータ冷却構造および回転電機 |
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