JP2013125855A - セラミック基板、電子デバイス及び電子機器と、電子デバイスの製造方法及びセラミック基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックからなる基材1と、前記基材1の一方の面側に形成された溝部11,21と、を備えている。前記溝部11,21の平面視による形状は帯状である。また、前記溝部11,21の底面13のうちの第1の底面13aと前記一方の面との間の距離は、前記溝部11,21の底面13であって前記第1の底面13aとは異なる位置にある第2の底面13bと前記一方の面との間の距離よりも大きい。溝部11,21の平面形状は帯状であり、溝部11,21の側面12は平面又は緩やかに湾曲した面となっている。この側面12は、セラミック基板10を分割した後は、分割後のセラミック基板の端面となる。
【選択図】図1
Description
レーザー光によるミシン目加工とは、焼成後のセラミック基板の表面にレーザー光を一定の間隔で照射してミシン目状の連続する孔を形成する方法のことである。このミシン目状の連続する孔をブレイクラインとして、セラミック基板を分割する。これにより、1枚のセラミック基板から、複数枚のセラミック基板を得る。
セラミック基板の端面に凹凸が残されると、この凹凸の凸部が他のセラミック基板や、他の部材、製造装置等と接触して欠けてしまう可能性がある。セラミック基板の端面が欠けてしまうと、基板自体の品質が損なわれてしまう。また、この欠けた片が、他のセラミック基板や、他の部材、製造装置などに付着して、工程環境を悪化させてしてしまう可能性がある。
また、上記のセラミック基板において、前記溝部が交差している交差領域を有し、前記交差領域の底面は、前記溝部が交差していない領域の底面よりも、前記表面との間の距離が大きいことを特徴としてもよい。
本発明の別の態様に係る電子デバイスは、上記のセラミック基板から分割して取得した基板と、電子部品と、を備えていることを特徴とする。ここで、本発明の「電子部品」としては、例えば、後述する圧電デバイス120が挙げられる。圧電デバイスには、その種類として、水晶の振動片等が含まれる。
本発明のさらに別の態様に係る電子デバイスの製造方法は、上記のセラミック基板に電子部品を搭載する工程と、前記電子部品を搭載した後に前記セラミック基板を分割する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様に係るセラミック基板の製造方法は、セラミック基板の表面にレーザーを照射して溝部を形成する方法であって、平面視による形状が直線部を含む側面を形成する側面形成工程と、底面に凹凸を形成する底面加工工程と、を備えていることを特徴とする。
即ち、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るセラミック基板は、セラミックからなる基材と、前記基材の一方の面側に形成された溝部と、を備え、前記溝部の平面視による形状は帯状であり、前記溝部の底面のうちの第1の底面と前記一方の面との間の距離は、前記溝部の底面であって前記第1の底面とは異なる位置にある第2の底面と前記一方の面との間の距離よりも大きいことを特徴とする。ここで、「帯状」とは、平面視で、溝部の幅方向の両側辺が、当該溝部の延設方向に沿って直線となっている形状のことである。
さらに、溝部の平面視による形状(以下、平面形状ともいう。)は帯状であり、溝部の側面は平面又は緩やかに湾曲した面となっている。この側面は、セラミック基板を分割した後は、分割後のセラミック基板の外周側面(即ち、端面)となる。分割後のセラミック基板の端面に凹凸を残さないようにすることができるため、凹凸を起点とする端面の割れ、欠けの発生を抑制することができる。端面が欠け難いため、セラミック基板の品質向上に寄与することができる。また、欠けたセラミック片が、他のセラミック基板や、他の部材、製造装置などに付着することを防ぐことができるので、工程環境の汚染を防止することができる。
また、上記のセラミック基板において、前記凹凸の形状は波状であることを特徴としてもよい。このような構成であれば、溝部の底面は縦断面視で波の形状(以下、波状ともいう。)となる。波状の底面は、例えば、レーザー加工で形成することができる。
本発明の別の態様に係る圧電デバイスは、上記のセラミック基板と、前記セラミック基板に取り付けられた圧電素子と、を備えていることを特徴とする。このような構成であれば、セラミック基板の端面が欠けにくい圧電デバイスを提供することができる。
(1)第1実施形態
(1.1)第1の構成例
図1(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係るセラミック基板100の構成例(第1の構成例)を示す平面図及び断面図である。
また、図1(a)において、第1の溝部11と第2の溝部21とで平面視で囲まれた領域(即ち、分割後のセラミック基板)の大きさは、例えば、各辺の長さL1、L2が1.5〜2.0mm程度である。次に、セラミック基板100の第2、第3の構成例をそれぞれ説明する。
図2は、セラミック基板100の構成例(第2の構成例)を示す断面図である。図2に示す第2の構成例において、図1(a)〜(c)に示した第1の構成例との違いは、溝部10の底面の縦断面形状にある。それ以外の点は第1の構成例と同じであり、溝部10の平面形状は図1(a)に示した通りである。
図2に示すように、この第2の構成例において、第1の溝部11の底面の縦断面形状は、ノコギリ刃状となっている。即ち、底面13の縦断面形状はX軸方向に複数の凹凸が連続して配置された形状となっており、凹凸の凹部と凸部とを結ぶ線は直線となっている。図示しないが、第2の溝部21の底面の縦断面形状も、第1の溝部11と同様に、ノコギリ刃状であってもよい。
図3は、セラミック基板100の構成例(第3の構成例)を示す断面図である。図3に示す第3の構成例において、図1(a)〜(c)に示した第1の構成例との違いは、第2の構成例と同様、溝部10の底面の縦断面形状にある。図3に示すように、この第3の構成例において、第1の溝部11の底面13の縦断面形状は、波と直線とを組み合わせた形状となっている。即ち、底面13の一部である底面13cは、その縦断面形状がX軸方向に沿う直線の形状となっている。
図示しないが、第2の溝部21の底面の縦断面形状も、第1の溝部11と同様に、波と直線とを組み合わせた形状であってもよい。また、第1の溝部11の底面の縦断面形状と、第2の溝部21の底面の縦断面形状は、その少なくとも一方が、ノコギリの刃と直線とを組み合わせた形状であってもよい。
本発明の第1実施形態(第1、第2、第3の構成例)によれば、基材1であって、第1の底面13aの下にある第1の部位1aは、第2の底面13bの下にある第2の部位1bよりも薄くて強度が小さい。即ち、第2の部位1bは、第1の部位1aよりも厚くて強度が大きい。第2の部位1bが存在することにより、セラミック基板100の強度を高く保持することができ、セラミック基板100が強度不足で意図せず割れてしまうことを防ぐことができる。
また、第3の構成例によれば、縦断面形状が直線の形状である底面13cの深さ(即ち、底面13cと基材1表面との間の距離)d3を、例えばd2<d3≦d1の範囲内で任意に調整することにより、セラミック基板100の強度(即ち、割れ易さであり、割れ難さでもある)を調整することができる。
本発明では、第1の溝部11と第2の溝部21とが交差する交差領域の底面を、溝部10であって第1の溝部11と第2の溝部21とが交差しない非交差領域の底面よりも深く形成してもよい。第2実施形態では、このような形態について、複数の例を挙げて説明する。
(2.1)第1の構成例
図5(a)及び(b)は、本発明の第2実施形態に係るセラミック基板200の構成例(第1の構成例)を示す平面図及び断面図である。
図5(a)及び(b)に示すように、このセラミック基板200において、第1の溝部11と第2の溝部21とが交差する交差領域の底面33は、第1の溝部11又は第2の溝部21であって互いに交差しない非交差領域の底面よりも、基材1表面から深い位置に形成されている。
また、本発明の第2実施形態では、図5(b)に示した交差領域の底面33と、第1実施形態で説明した各構成例とを組み合わせてもよい。
図6は、本発明の第2実施形態に係るセラミック基板200の構成例(第2の構成例)を示す断面図である。図6に示すように、第1の溝部11の底面13は、縦断面視で、X軸方向に沿って複数の凹凸が連続して配置された形状となっている。この連続する複数の凹凸の縦断面形状は、例えば波状となっている(又は、図3に示したノコギリ刃状であってもよい。)。また、第1の溝部11と第2の溝部21とが交差する交差領域の底面33は、溝部10の非交差領域にある何れの底面よりも、基材1表面から深い位置に形成されている。
本発明の第2実施形態によれば、セラミック基板200の強度に関し、交差領域の強度は非交差領域の強度よりも低く、交差領域は非交差領域よりも割れ易い。交差領域が割れやすくなっているため、交差領域を起点として非交差領域方向にクラックが進行し、非交差領域を割ることができる。このため、非交差領域が意図しない方向に割れたり、欠けたりすることを抑制できる。交差領域は、分割後のセラミック基板では角部に相当するため、角部のチッピングを抑制することができる。
また、第2の構成例によれば、上記の効果と第1実施形態の効果の両方を奏する。
(3)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態に係るセラミック基板の製造方法と、その製造方法に適した溝部形成装置について説明する。まず始めに、溝部形成装置の構成例について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る溝部形成装置300の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、この溝部形成装置300は、PC描画コントローラ301と、レーザー発振コントローラ302と、ガルバノコントローラ303と、レーザー発振器304と、加工ステージ305と、ステージコントローラ306と、装置電源307と、レーザー電源308と、ガルバノスキャナ310とを備えている。
レーザー発振器304は、レーザー光をガルバノスキャナ310に向けて出射する。レーザー発振器304の種類は、例えば、光励起方式YAGレーザー発振器である。
次に、セラミック基板の製造方法について説明する。ここでは、図7に示した溝部形成装置300を用いて、基材1の表面に溝部10を形成する場合について説明する。
図10(a)〜図11は、本発明の第3実施形態に係るセラミック基板の製造方法(第1の製造方法)を示す概念図である。図10(a)は平面図であり、図10(b)は断面図である。
まず始めに、図7に示した溝部形成装置300の加工ステージ305上に、(溝部が形成される前の)基材1を配置する。次に、レーザー発振器304からガルバノスキャナ310を介して、基材1の表面上にレーザー光を照射させる。ここでは、例えば、図9に示した1段目のガルバノミラー312、及び、2段目のガルバノミラー313がそれぞれレーザー光の入射角を変更させる。或いは、入射角の変更と並行して、ガルバノスキャナ310に対して加工ステージ305を相対的に移動させてもよい。このような操作により、図10(a)に示すように、レーザー光をX軸方向に沿って走査させる。これにより、図10(a)及び(b)に示すように、基材1の表面に平面形状が帯状である第1の溝部11´を形成する(以下、溝部形成工程という。)。
なお、本発明者は、上記の溝部形成工程に関し、基材1の表面に照射されるレーザー光のスポット径Lを11μmとし、パルス発振の周波数fを1E5Hzとし、レーザー光の移動速度vを50mm/secとして、実際に、レーザー光を基材1の表面に対して走査してみた。その結果、平面形状が帯状である第1の溝部11´が形成されることを確認した。また、第1の溝部11´の底面はほぼ平坦(即ち、基材1の表面とほぼ平行)であり、上記の条件では底面に凹凸は十分に形成されないことも確認した。
また、底面加工工程で、底面13´に形成される凹凸を大きな波状にする場合は、レーザー光のエネルギー(即ち、レーザー発振器304の出力)又は焦点位置、若しくはその両方を周期的に変更するとよい。これにより、基材1の表面において、レーザー光により加工される深さが変化するため、第1の溝部11´の底面13´を大きな波状(例えば、図1(b)に示した波状)に形成することができる。
(3.3)第2の製造方法
図12は、本発明の第3実施形態に係るセラミック基板の製造方法(第2の製造方法)を示す概念図である。
本発明の第3実施形態によれば、第1実施形態又は第2実施形態で示した第1の溝部11、第2の溝部21を基材1の表面にそれぞれ形成することができる。
(4)電子部品、電子機器
図4(a)に示したように、上記のセラミック基板100、200は、溝部10に沿って分割することにより、複数枚のセラミック基板110に個片化される。図4(b)に示すように、このセラミック基板110の表面に、水晶の振動片等の圧電素子(電子部品の一例)120を取り付けることにより、圧電デバイス(電子デバイスの一例)が形成される。なお、本発明において、圧電素子120の取り付けは、セラミック基板100を分割する前後の何れのタイミングで行ってもよい。圧電素子120の取り付けを何れのタイミングで行ったとしても、セラミック基板110の端面が欠けにくい圧電デバイスを提供することができる。
Claims (8)
- 平面視による形状が直線部を含む溝部を表面に備えているセラミック基板であって、
前記溝部の底面には凹凸を備えていることを特徴とするセラミック基板。 - 前記溝部が交差している交差領域を有し、
前記交差領域の底面は、前記溝部が交差していない領域の底面よりも、前記表面との間の距離が大きいことを特徴とする請求項1に記載のセラミック基板。 - 前記溝部の底面は、前記溝部の延設方向に凹凸が連続して配置されている形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミック基板。
- 請求項1から請求項3の何れか一項に記載のセラミック基板から分割して取得した基板と、
電子部品と、を備えていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項4に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1から請求項3の何れか一項に記載のセラミック基板に電子部品を搭載する工程と、
前記電子部品を搭載した後に前記セラミック基板を分割する工程と、を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載のセラミック基板から分割して取得した基板に電子部品を搭載する工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法
- セラミック基板の表面にレーザーを照射して溝部を形成する方法であって、
平面視による形状が直線部を含む側面を形成する側面形成工程と、
底面に凹凸を形成する底面加工工程と、を備えていることを特徴とするセラミック基板 の製造方法。
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