JP2013124933A - 物理量センサー、物理量センサーの製造方法、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の物理量センサー1は、絶縁基板2と、可動部33と、可動部33に設けられた可動電極部36と、絶縁基板2上に設けられ、かつ、可動電極部36に対向して配置された固定電極部38と、絶縁基板2に接合され、絶縁基板2との間に可動部33、可動電極部36および固定電極部38を収納する空間を形成する蓋部材5と、蓋部材5の外側にて絶縁基板2上に設けられた端子44〜46と、絶縁基板2上に設けられ、可動電極部36または固定電極部38と端子44〜46とを電気的に接続する配線41〜43と、蓋部材5の外側にて絶縁基板2上に設けられ、配線41〜44に電気的に接続された電極71〜73とを含む。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1に記載の物理量センサー素子は、単層の半導体基板、またはSOI基板を用い、固定電極および可動電極が、それぞれ櫛歯状をなすように並ぶ複数の電極指を有し、互いに噛み合うように配置されている。
本発明の物理量センサーは、ベース基板と、
前記ベース基板の上方に配置された可動部、前記可動部に設けられた可動電極部、および前記ベース基板上に設けられ前記可動電極部に対向して配置された固定電極部を含むセンサー部と、を備え、
前記ベース基板上には、
平面視で前記センサー部が設けられている領域の外側に設けられた端子と、
前記可動電極部または前記固定電極部と前記端子とを電気的に接続する配線と、
前記配線または前記端子に電気的に接続された電極と、が設けられていることを特徴とする。
このように構成された物理量センサーによれば、ベース基板上に固定電極部を形成しているので、可動電極部および固定電極部の各々に対し絶縁膜を埋め込んで絶縁分離する必要がなくなり製造効率が非常に良い。また、高価なSOI基板を用いる必要が無いので、製品コストを抑えることができる。
前記配線および前記端子は、前記凹部内に設けられ、
前記電極は、前記凹部の外側に設けられていることが好ましい。
これにより、配線および端子がベース基板の表面から突出するのを防止することができる。そのため、配線および端子と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止できる。また、電極を凹部の外側に設けることにより、物理量センサーの製造時において、ベース基板となる第1基板と、可動部、可動電極部および固定電極部を形成するための第2基板とを陽極接合により接合する際に、配線と第2基板とを電極を介して電気的に接続することができる。
前記電極は、当該部分を跨って前記凹部の外側へ延出されていることが好ましい。
これにより、凹部の深さを深くしても、電極および配線の損傷または断線を防止することができる。
これにより、物理量センサーの製造時において、ベース基板となる第1基板と、可動部、可動電極部および固定電極部を形成するための第2基板とを陽極接合により接合する際に、端子が第2基板に接触して端子を形成する電極材料がセンサー部側に拡散するのを確実に防止する事ができる。
前記可動部は、連結部を介して前記固定部に接続されていることが好ましい。
これにより、例えば連結部にバネ部材を用いれば可動部を変位可能に支持することができ、物理量センサーを実現することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記ベース基板はアルカリ金属イオンを含む材料で構成され、
前記固定電極部は半導体材料で構成され、
前記固定電極部は、前記ベース基板に対して陽極接合法により接合されていることが好ましい。
これにより、例えば、第1基板と第2基板とを陽極接合により接合してからエッチング処理を施せば、一括して可動部、可動電極部および固定電極部を形成することができるので製造効率の優れた物理量センサーを実現できる。
これにより、センサー部を保護することができる。
また、電極を蓋部材の外側に設けることにより、ベース基板と蓋部材との接合後であっても、必要に応じて、電極の少なくとも一部を除去することにより、配線の容量を調整することができる。その結果、この点でも、物理量センサーの高感度化を図ることができる。
前記電極を第2基板に接触させた状態で、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程と、
前記第2基板をエッチングすることにより、可動部と、前記可動部に設けられた可動電極部と、前記第1基板上に設けられ前記可動電極部に対向して配置された固定電極部とを含むセンサー部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーを備えたことを特徴とする。
これにより、上述の効果を備えた電子機器を実現できる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す斜視図、図2は、図1に示す物理量センサーを示す平面図、図3は、図2中のA−A線断面図、図4は、図3の部分拡大図(部分拡大断面図)、図5は、図2中のB−B線断面図、図6は、図5の部分拡大図(部分拡大断面図)、図7は、図2中のC−C線断面図である。
図1に示す物理量センサー1は、絶縁基板2と、この絶縁基板2に接合・支持された素子片(センサー部(基体))3と、素子片3に電気的に接続された導体パターン4と、素子片3を覆うように設けられた蓋部材5とを有する。
以下、物理量センサー1を構成する各部を順次詳細に説明する。
絶縁基板(ベース基板)2は、素子片3(センサー部)を支持する機能を有する。
この絶縁基板2は、板状をなし、その上面(一方の面)には、図2および図3に示すように、空洞部21が設けられている。この空洞部21は、絶縁基板2を平面視したときに、後述する素子片3の可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35を包含するように形成されていて、内底を有する。このような空洞部21は、素子片3の可動部33、可動電極部36、37および連結部34、35が絶縁基板2に接触するのを防止する逃げ部を構成する。これにより、素子片3の可動部33の変位を許容することができる。
また、絶縁基板2の上面には、前述した空洞部21の外側に、その外周に沿って、凹部22、23、24が設けられている。この凹部22、23、24内には、導体パターン4が配置されている。そして、この凹部22、23、24は、平面視で導体パターン4に対応した形状をなしている。具体的には、凹部22は、後述する導体パターン4の配線41および端子44に対応した形状をなし、凹部23は、後述する導体パターン4の配線42および端子45に対応した形状をなし、凹部24は、後述する導体パターン4の配線43および端子46に対応した形状をなす。
このような絶縁基板2の構成材料としては、具体的には、高抵抗なシリコン材料、ガラス材料を用いるのが好ましく、特に、素子片3がシリコン材料を主材料として構成されている場合、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス材料(例えば、パイレックスガラス(登録商標)のような硼珪酸ガラス)を用いるのが好ましい。これにより、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
素子片3は、固定部31、32と、可動部33と、連結部34、35と、可動電極部36、37と、固定電極部38、39とで構成されている。
このような素子片3は、例えば、加速度、角速度等の物理量の変化に応じて、可動部33および可動電極部36、37が、連結部34、35を弾性変形させながら、X軸方向(+X方向または−X方向)に変位する。このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の隙間、および、可動電極部37と固定電極部39との間の隙間の大きさがそれぞれ変化する。すなわち、このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の静電容量、および、可動電極部37と固定電極部39との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。したがって、これらの静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出することできる。
固定部31、32は、それぞれ、前述した絶縁基板2の上面に接合されている。具体的には、固定部31は、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して−X方向側(図中左側)の部分に接合され、また、固定部32は、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+X方向側(図中右側)の部分に接合されている。また、固定部31、32は、平面視したときに、それぞれ、空洞部21の外周縁を跨ぐように設けられている。
このような2つの固定部31、32の間には、可動部33が設けられている。本実施形態では、可動部33は、X軸方向に延びる長手形状をなしている。なお、可動部33の形状は、素子片3を構成する各部の形状、大きさ等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されない。
具体的に説明すると、連結部34は、2つの梁341、342で構成されている。そして、梁341、342は、それぞれ、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなしている。言い換えると、梁341、342は、それぞれ、Y軸方向に複数回(本実施形態では3回)折り返された形状をなしている。なお、各梁341、342の折り返し回数は、1回または2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
なお、連結部34、35は、可動部33を絶縁基板2に対して変位可能に支持するものであれば、上述したものに限定されず、例えば、可動部33の両端部から+Y方向および−Y方向にそれぞれ延出する1対の梁で構成されていてもよい。
可動電極部36は、可動部33から+Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指361〜365を備えている。この可動電極指361、362、363、364、365は、―X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。同様に、可動電極部37は、可動部33から−Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指371〜375を備える。この可動電極指371、372、373、374、375は、―X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。
固定電極部38は、前述した可動電極部36の複数の可動電極指361〜365に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指381〜388を備える。このような複数の固定電極指381〜388の可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指381〜388は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延びている。
これにより、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375の厚さを厚くすることができる。また、これらの厚さを簡単かつ高精度に揃えることができる。このようなことから、物理量センサー1の高感度化を図ることができるとともに、物理量センサー1の耐衝撃性を向上させることができる。
すなわち、固定部31、32、可動部33、連結部34、35、複数の固定電極指381〜388、391〜398および複数の可動電極指361〜365、371〜375は、それぞれ、シリコンを主材料として構成されているのが好ましい。
また、素子片3を構成するシリコン材料には、リン、ボロン等の不純物がドープされているのが好ましい。これにより、素子片3の導電性を優れたものとすることができる。
このような素子片3(具体的には、前述した固定部31、32および各固定電極指381〜388、391〜398)と絶縁基板2との接合方法は、特に限定されないが、陽極接合法を用いるのが好ましい。これにより、固定部31、32および固定電極部38、39(各固定電極指381〜388、391〜398)を絶縁基板2に強固に接合することができる。そのため、物理量センサー1の耐衝撃性を向上させることができる。また、固定部31、32および固定電極部38、39(各固定電極指381〜388、391〜398)を絶縁基板2の所望の位置に高精度に接合することができる。そのため、物理量センサー素子である物理量センサー1の高感度化を図ることができる。この場合、前述したようにシリコンを主材料として素子片3を構成し、かつ、アルカリ金属イオンを含むガラス材料で絶縁基板2を構成する。
導体パターン4は、前述した絶縁基板2の上面(固定電極部38、39側の面)上に設けられている。
この導体パターン4は、配線41、42、43と、端子44、45、46と、電極71、72、73とで構成されている。
この配線41は、前述した絶縁基板2の空洞部21の外側に設けられ、空洞部21の外周に沿うように形成されている。そして、配線41の一端部は、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、端子44に接続されている。
また、配線42は、第2固定電極指である各固定電極指381、383、385、387および各固定電極指391、393、395、397と端子45とを電気的に接続する。
また、配線43は、各可動電極指361〜365および各可動電極指371〜375と端子46とを電気的に接続する。
このような配線41、42(第1配線および第2配線)が絶縁基板2の上面に設けられていることにより、配線41を介して第1固定電極指382、384、386、388と可動電極部36との間の静電容量および第1固定電極指392、394、396、398と可動電極部37との間の静電容量を測定するとともに、配線42を介して第2固定電極指381、383、385、387と可動電極部36との間の静電容量および第2固定電極指391、393、395、397と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。
また、配線41および端子44は、前述した絶縁基板2の凹部(第1凹部)22内に設けられ、配線42および端子45は、前述した絶縁基板2の凹部(第2凹部)23内に設けられ、配線43および端子46は、前述した絶縁基板2の凹部(第3凹部)24内に設けられている。これにより、配線41〜43が絶縁基板2の板面から突出するのを防止することができる。そのため、各固定電極指381〜388、391〜398と絶縁基板2との接合(固定)を確実なものとしつつ、固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続および固定電極指381、383、385、387、391、3933、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。同様に、固定部31と絶縁基板2との接合(固定)を確実なものとしつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
特に、第1配線である配線41上には、導電性を有する第1突起である複数の突起481および複数の突起482が設けられている。複数の突起481は、複数の第1固定電極指である固定電極指382、384、386、388に対応して設けられ複数の突起482は、複数の第1固定電極指である固定電極指392、394、396、398に対応して設けられている。
これにより、配線41と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続を行うことができる。
これにより、配線42と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指381、383、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。
また、図4および図6に示すように、配線41〜43上には、絶縁膜6が設けられている。また、前述した各突起471、472、481、482、50上には絶縁膜6が形成されておらず、各突起の表面が露出している。この絶縁膜6は、導体パターン4と素子片3との不本意な電気的接続(短絡)を防止する機能を有する。これにより、配線41、42と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)をより確実に防止しつつ、各第1固定電極指382、384、386、388、392、394、396、398と配線41との電気的接続および各第2固定電極指381、383、385、385、387、391、393、395、397と配線42との電気的接続を行うことができる。また、配線43と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)をより確実に防止しつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
以上説明したような配線41には、電極71が電気的に接続されている。同様に、配線42には、電極72が電気的に接続されている。また、配線43には、電極73が電気的に接続されている。これらの電極71、72、73は、それぞれ、蓋部材5の外側にて絶縁基板2上に設けられている。
また、図7に示すように、凹部22は、内側から外側に向けて深さが段階的に浅くなる部分223(階段状の壁面)を有する。そして、電極71は、配線41から当該部分223を跨って凹部22の外側へ延出している。これにより、凹部22の深さを深くしても、電極71および配線41の損傷または断線を防止することができる。
また、図示しないが、同様に、凹部22の端子44が設けられた部分の深さが凹部22の他の部分の深さよりも深い。また、凹部23の端子45が設けられた部分の深さが凹部23の他の部分の深さよりも深い。
蓋部材5は、前述した素子片3を保護する機能を有する。
この蓋部材5は、前述した絶縁基板2に接合され、絶縁基板2との間に素子片3を収納する空間を形成する。
具体的に説明すると、この蓋部材5は、板状をなし、その一方の面(下面)に凹部51が設けられている。この凹部51は、素子片3の可動部33および可動電極部36、37等の変位を許容するように形成されている。
蓋部材5と絶縁基板2との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤を用いた接合方法、陽極接合法、直接接合法等を用いることができる。
また、蓋部材5の構成材料としては、前述したような機能を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコン材料、ガラス材料等を好適に用いることができる。
次に、本発明の物理量センサーの製造方法を説明する。なお、以下では、前述した物理量センサー1を製造する場合の一例を説明する。
図8および図9は、それぞれ、図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための図、図10および図11は、それぞれ、図8(c)に示す工程(配線、接点、絶縁膜を形成する工程)を説明するための図、図12は、図8(d)に示す工程(配線、接点、絶縁膜を形成する工程)を説明するための図である。なお、図8および図9は、それぞれ、図1中のA−A線断面に対応する断面を示している。
物理量センサー1の製造方法は、第1基板である基板102上に導体パターン4を形成する工程と、電極71〜73を第2基板である基板103に接触させた状態で、基板102(102A)と基板103とを接合する工程と、基板103をエッチングすることにより素子片3を形成する工程とを含む。
なお、以下では、絶縁基板2がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、かつ、素子片3がシリコンで構成されている場合を例に説明する。
[1]
まず、図8(a)に示すように、第1基板である基板102を用意する。
この基板102は、後述する工程を経て絶縁基板2となるものである。
また、基板102は、アルカリ金属を含むガラス材料で構成されている。
次に、図8(b)に示すように、基板102の上面をエッチングすることにより、空洞部21および凹部22、23を形成する。このとき、図8(b)では図示しないが、上記エッチングにより凹部24も同時に形成する。これにより、空洞部21と凹部22〜24が形成された基板102Aを得る。
なお、マスクとして、例えば、グレースケールマスクを用いることにより、空洞部21と凹部22〜24(深さの異なる複数の凹部)を一括形成してもよい。
次に、図8(c)に示すように、基板102Aの上面上に、導体パターン4を形成する。その後、図8(c)では図示しないが、絶縁膜106Aを形成する。
ここで、絶縁膜106Aは、後述する個片化を経て絶縁膜6となるものである。
以下、図10および図11に基づき、導体パターン4および絶縁膜106Aの形成について詳述する。なお、図10では、基板102Aの固定電極指391との接合部近傍における導体パターン4および絶縁膜106Aの形成を代表的に図示している。また、図11では、導体パターン4の端子44、電極71および絶縁膜106Aの形成を代表的に図示している。
また、このとき、図11(a)に示すように、電極71を配線41と一体的に形成する。また、図11では図示しないが、電極72を配線42と一体的に形成し、また、電極73を配線43と一体的に形成する。
また、このとき、図11(b)に示すように、突起472の形成と同時に、配線41上に端子44を形成する。また、図11では図示しないが、突起472の形成と同時に、配線42上に端子45を形成し、また、配線43上に端子46を形成する。
次に、図10(d)および図11(d)に示すように、絶縁膜106の各突起472、端子44および電極71に対応する部分を除去する。また、図10(d)、図11(d)では図示しないが、絶縁膜106の各突起471、突起50、端子45、46および電極72、73に対応する部分も除去する。これにより、端子44〜46および電極71〜73を露出させるとともに、各突起471、472、50が貫通する絶縁膜106Aが得られる。
以上のようにして、導体パターン4および絶縁膜106Aが得られる。
次に、図8(d)に示すように、基板102Aの上面に、第2基板である基板103を陽極接合法により接合する。これにより、基板103と各突起471、472、50とが接続される。
このとき、図12に示すように、電極71が、基板102Aと基板103との間に介在し、基板102Aおよび基板103の双方に接触している。これにより、基板102Aと基板103とが電極71を介して電気的に接続されている。また、図示しないが、電極71と同様に、電極72、73も、基板102Aと基板103との間に介在し、基板102Aおよび基板103の双方に接触している。
また、基板103は、シリコン基板である。
また、基板103の厚さは、素子片3の厚さよりも厚くなっている。これにより、基板103の取り扱い性を向上させることができる。なお、基板103の厚さが素子片3の厚さと同じであってもよい。この場合、後述する薄肉化工程[5]を省略すればよい。
次に、基板103を薄肉化して、図8(e)に示すように、基板103Aを得る。
この薄肉化は、基板103Aの厚さが素子片3の厚さと同じになるように行われる。
また、基板103の薄肉化方法は、特に限定されないが、例えば、CMP法、ドライポリッシュ法を好適に用いることができる。
次に、基板103Aをエッチングすることにより、図9(a)に示すように、素子片3を得る。
[7]
次に、図9(b)に示すように、基板102Aの上面に、凹部51を有する蓋部材105を接合する。これにより、基板102Aと蓋部材105とが素子片3を収納するようにして接合された接合体101が得られる。
この蓋部材105は、後述する個片化を経て蓋部材5となるものである。
[8]
次に、接合体101を個片化(ダイシング)することにより、図9(c)に示すように、物理量センサー1が得られる。
次に、本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す断面図、図14は、図13に示す物理量センサーの電極を説明するための断面図である。
本実施形態にかかる物理量センサーは、固定電極部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図13、14では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
この絶縁基板2Aの上面には、図14に示すように、配線41、42、43および端子44、45、46に対応した平面視形状をなす凹部22A、23A、24Aが設けられている。
また、図14に示すように、凹部22Aは、内側から外側に向けて深さが連続的に浅くなる部分223A(傾斜した壁面)を有する。そして、電極71は、配線41から当該部分223Aを跨って凹部22Aの外側へ延出している。これにより、凹部22Aの深さを深くしても、電極71および配線41の損傷または断線を防止することができる。
以上説明したような第2実施形態に係る物理量センサー1Aによっても、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様、高感度化、製造効率の改善、低コスト化、高信頼性化の少なくとも1つを実現することができる。
次に、図15に基づいて、本発明の物理量センサーの変形例を説明する。
図15は、本発明の物理量センサーの変形例を示す模式図である。
図15に示す物理量センサー200は、前述した物理量センサー1と、物理量センサー1に電気的に接続された電子部品201とを有する。
電子部品201は、例えば集積回路素子(IC)であり、物理量センサー1を駆動する機能を有する。この電子部品201に角速度検出回路や加速度検出回路を形成することにより物理量センサー200をジャイロセンサーや加速度センサーとして構成することができる。
このような物理量センサー200は、感度および耐衝撃性の優れた物理量センサー1を備えるので、優れた信頼性を有する。
次に、本発明の電子機器を説明する。
図16は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー1が内蔵されている。
この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部が配置されている。
このような携帯電話機1200には、物理量センサー1が内蔵されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このような電子機器は、高感および耐衝撃性に優れた物理量センサー1を備えるので、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の電子機器は、図16のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図17の携帯電話機、図18のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
例えば、固定電極部は、櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指の少なくとも1つの固定電極指がその他の固定電極指に対して絶縁基板上で分離していれば、前述した実施形態に限定されない。
また、可動部をY軸方向に変位させるように構成してもよいし、可動部をX軸に平行な軸線まわりに回動させるように構成してもよい。この場合、可動電極指と固定電極指との対向面積の変化による静電容量変化に基づいて物理量を検出すればよい。
また、前述した実施形態では、固定電極部および可動電極部がそれぞれ櫛歯形状をなす場合を例に説明したが、固定電極部および可動電極部の形状は、それぞれ、これに限定されない。例えば、固定電極部および可動電極部の形状は、それぞれ、板状またはシート状をなしていてもよい。この場合、例えば、固定電極部は、可動電極部の板面に対向するように配置すればよい。
また、可動電極部および固定電極部は、可動部の回動中心軸に対して片側にのみ設けられていてもよい。
Claims (9)
- ベース基板と、
前記ベース基板の上方に配置された可動部、前記可動部に設けられた可動電極部、および前記ベース基板上に設けられ前記可動電極部に対向して配置された固定電極部を含むセンサー部と、を備え、
前記ベース基板上には、
平面視で前記センサー部が設けられている領域の外側に設けられた端子と、
前記可動電極部または前記固定電極部と前記端子とを電気的に接続する配線と、
前記配線または前記端子に電気的に接続された電極と、が設けられていることを特徴とする物理量センサー。 - 前記ベース基板には、凹部が設けられ、
前記配線および前記端子は、前記凹部内に設けられ、
前記電極は、前記凹部の外側に設けられている請求項1に記載の物理量センサー。 - 前記凹部の断面形状は、深さが段階的または連続的に浅くなる部分を有し、
前記電極は、当該部分を跨って前記凹部の外側へ延出されている請求項2に記載の物理量センサー。 - 前記端子が配置された前記凹部は、前記配線が配置された前記凹部よりも深い請求項3に記載の物理量センサー。
- 前記ベース基板には固定部が設けられ、
前記可動部は、連結部を介して前記固定部に接続されている請求項1ないし4のいずれか一項に記載の物理量センサー。 - 前記ベース基板はアルカリ金属イオンを含む材料で構成され、
前記固定電極部は半導体材料で構成され、
前記固定電極部は、前記ベース基板に対して陽極接合法により接合されている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の物理量センサー。 - 前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記センサー部を収納する空間を形成する蓋部材を備えた請求項1ないし6のいずれか一項に記載の物理量センサー。
- 第1基板上に、配線と、前記配線に電気的に接続された電極とを形成する工程と、
前記電極を第2基板に接触させた状態で、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程と、
前記第2基板をエッチングすることにより、可動部と、前記可動部に設けられた可動電極部と、前記第1基板上に設けられ前記可動電極部に対向して配置された固定電極部とを含むセンサー部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする物理量センサーの製造方法。 - 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の物理量センサーを備えたことを特徴とする電子機器。
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