JP2013124756A - スラスト軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スラストカラー23を、その両側に配設された一対の軸受部24によって支持し、且つ、軸受部24は、複数の軸受パッド32と、軸受パッド32の背面32b側に配設された複数の上レべリングプレート34と複数の下レべリングプレート35とを有して成る軸受パッド32のレべリング機構とを備えた構成であるスラスト軸受装置22Aにおいて、下レべリングプレート34の背面35bに油圧ジャッキ31をそれぞれ設置して、スラストカラー23から隙間の油膜を介して軸受パッド32へかかるスラスト荷重を、上レべリングプレート34及び下レべリングプレート35を介して、油圧ジャッキ31で受ける構成とする。
【選択図】図4
Description
前記下レべリングプレートの背面に油圧ジャッキをそれぞれ設置して、前記スラストカラーから前記隙間の油膜を介して前記軸受パッドへかかるスラスト荷重を、前記上レべリングプレート及び前記下レべリングプレートを介して、前記油圧ジャッキで受ける構成としたことを特徴とする。
前記複数の軸受パッドのうちの少なくとも1つの軸受パッドの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段によって得られる前記の少なくとも1つの軸受パッドの検出温度に基づいて、前記油圧ジャッキのストロークを調整して前記軸受パッドの位置を調整することにより、前記隙間を調整する油圧ジャッキ制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記複数の軸受パッドのうちの2つの軸受パッドの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段によって得られる前記の2つの軸受パッドの検出温度と設定温度とを比較し、その結果、前記検出温度の何れか一方又は両方が設定温度以上であると判定した場合には、前記検出温度の差を算出して、この検出温度差と設定温度差とを比較し、その結果、前記検出温度差が前記設定温度差以上であると判定した場合には、前記油圧ジャッキのストロークを調整することによって前記複数の軸受パッドの傾斜調整を行う一方、前記検出温度差が前記設定温度差以上ではないと判定した場合には、前記油圧ジャッキのストロークを調整することによって前記複数の軸受パッドの位置を調整することにより、前記隙間を全体的に広くするように制御する油圧ジャッキ制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記回転軸の軸方向の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記変位量検出手段で検出された前記回転軸の軸方向の変位量が、設定変位量以上になったとき、前記可変絞り機構の絞り量を調整することにより、前記回転軸の軸方向の揺動を抑制する可変絞り機構制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
このため、レべリング機構では対応できない程にスラストカラーが大きく傾斜した場合でも、油圧ジャッキのストロークを調整して、各軸受パッドの軸方向の位置を調整する(軸受パッドをスラストカラーの傾斜に追従させる)ことにより、円周方向の各位置における隙間(油膜の厚さ)を均一にして、各軸受パッドのスラスト荷重の分担を均一することができる。即ち、スラストカラーの傾斜が小さいときには、レべリング機構による軸受パッドの傾斜調整(隙間調整)で対応し、スラストカラーの傾斜が大きいときには、油圧ジャッキによる軸受パッドの傾斜調整(隙間調整)で対応することができるため、スラストカラーの傾斜に対して幅広く適切に対応することができる。従って、軸受パッドの焼損を確実に防止することができ、スラスト軸受装置の健全性が向上する。
更には、スラストカラーの傾斜に対応した傾斜調整だけでなく、油圧ジャッキによってエンドプレー(隙間)の調整を行うことも可能である。即ち、組み立て後(回転軸にスラスト軸受装置を取り付け後)でも、油圧ジャッキによって隙間調整を行うことができる。このため、回転体を据付後に隙間調整が必要になった場合でも、容易に対応することができる。
また、軸受パッドの背面に直接、油圧ジャッキを設けることも考えられるが、この場合には、組み立て時(回転軸にスラスト軸受装置を取り付けるとき)から、油圧ジャッキに作動油を供給しないと、隙間調整が難しく、組み立て作業に手間がかかる。これに対して、本発明のスラスト軸受装置では、下レべリングプレートの背面に油圧ジャッキを設けることにより、上レべリングプレートと下レべリングプレートとを有して成るレべリング機構も備えた構成になっているため、油圧ジャッキに作動油を供給しなくても、組み立て作業が容易である。
図1〜図5に基づき、本発明の実施の形態例1に係るスラスト軸受装置22Aについて説明する。
なお、本実施の形態例1ではピラー33を設けているが、これに限定するものでなく、ピラー33は設けず、軸受パッド32の凸部32cを、直接、上レべリングプレート34の表面34aに当接させた構造にしてもよい。
このため、レべリング機構では対応できない程にスラストカラー23が大きく傾斜した場合でも、油圧ジャッキ31のストロークを調整して、各軸受パッド32の軸方向の位置を調整する(軸受パッド32をスラストカラー23の傾斜に追従させる)ことにより、円周方向の各位置における隙間(油膜の厚さ)を均一にして、各軸受パッド32のスラスト荷重の分担を均一することができる。即ち、スラストカラー23の傾斜が小さいときには、レべリング機構による軸受パッド32の傾斜調整(隙間調整)で対応し、スラストカラー23の傾斜が大きいときには、油圧ジャッキ31による軸受パッド32の傾斜調整(隙間調整)で対応することができるため、スラストカラー23の傾斜に対して幅広く適切に対応することができる。従って、軸受パッド32の焼損を確実に防止することができ、スラスト軸受装置22Aの健全性が向上する。
更には、スラストカラー23の傾斜に対応した傾斜調整だけでなく、油圧ジャッキ31によってエンドプレー(隙間)の調整を行うことも可能である。即ち、組み立て後(回転軸21にスラスト軸受装置22Aを取り付け後)でも、油圧ジャッキ31によって隙間調整を行うことができる。このため、蒸気タービンやガスタービンのロータを据付後に隙間調整が必要になった場合でも、容易に対応することができる。
また、軸受パッドの背面に直接、油圧ジャッキを設けることも考えられるが、この場合には、組み立て時(回転軸にスラスト軸受装置を取り付けるとき)から、油圧ジャッキに作動油を供給しないと、隙間調整が難しく、組み立て作業に手間がかかる。これに対して、本実施の形態例1のスラスト軸受装置22Aでは、下レべリングプレート35の背面35bに油圧ジャッキ31を設けることにより、上レべリングプレート34と下レべリングプレート35とを有して成るレべリング機構も備えた構成になっているため、油圧ジャッキ31に作動油を供給しなくても、組み立て作業が容易である。
図6,図7及び図8に基づき、本発明の実施の形態例2に係るスラスト軸受装置22Bについて説明する。なお、本実施の形態例2のスラスト軸受装置22Bの全体構成の概要については上記実施の形態例1のスラスト軸受装置22A(図1,図2を参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、本実施の形態例2のスラスト軸受装置22Bにおいて上記実施の形態例1のスラスト軸受装置22A(図1〜図5を参照)と同様の部分については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
全ての軸受パッド32において、スラストカラー23の傾斜によって最も温度が高くなる(即ち最も隙間が狭くなる)軸受パッド32と、最も温度が低くなる(即ち最も隙間が広くなる)軸受パッド32は、スラスト軸受装置22Bの設計段階で予測することができる。図示例の場合には、最上部の軸受パッド32Aと最下部の軸受パッド32Bが、スラストカラー23の傾斜によって最も温度が高くなる(最も隙間が狭くなる)軸受パッドと最も温度が低くなる(最も隙間が広くなる)軸受パッドであると予測されるため、これらの軸受パッド32A,32Bに温度センサ61A,61Bを設置している。
即ち、スラストカラー23が軸方向の一方へ大きく傾斜した場合には、上の軸受パッド32Aの隙間は狭くなり、下の軸受パッド32Bの隙間は広くなるため、検出温度T1は上昇して設定温度T0以上になり、検出温度T2は低下する。スラストカラー23が軸方向の他方へ大きく傾斜した場合には、下の軸受パッド32Bの隙間は狭くなり、上の軸受パッド32Aの隙間は広くなるため、検出温度T2は上昇して設定温度T0以上になり、検出温度T1は低下する。
これらの場合、検出温度T1と検出温度T2の温度差ΔTは大きくなる。従って、温度差ΔTが設定温度差ΔT0以上であれば、スラストカラー23が大きく傾斜したことが原因で軸受パッド温度が上昇したと推定することができる。
この場合、検出温度T1と検出温度T2の温度差ΔTは小さい。従って、温度差ΔTが設定温度差ΔT0よりも小さければ、スラストカラー23が大きく傾斜したことが原因ではなく、エンドプレーの調節不足により隙間が全体的に狭すぎることが原因で軸受パッド温度が上昇したと推定することができる。
例えば、検出温度T1が設定温度T0以上(T1≧T0)になった場合(即ち検出温度T1の方が検出温度T2よりも高くなった場合)には、温度が高くなった軸受パッド32Aに近い方の油圧ジャッキ31のストロークは短くし、温度が低くなった軸受パッド32Bに近い方の油圧ジャッキ31のストロークは長くする。その結果、軸受パッド32Aやこれに近い方の軸受パッド32はスラストカラー23から離れ、軸受パッド32Bやこれに近い方の軸受パッド32はスラストカラー23に近づく。その結果、軸受パッド32がスラストカラー23の傾斜に追従するため、円周方向の各位置における隙間(油膜の厚さ)が均一になり、各軸受パッド32のスラスト荷重の分担が均一になる。
逆に、検出温度T2が設定温度T0以上(T2≧T0)になった場合(即ち検出温度T2の方が検出温度T1よりも高くなった場合)には、温度が高くなった軸受パッド32Bに近い方の油圧ジャッキ31のストロークは短くし、温度が低くなった軸受パッド32Aに近い方の油圧ジャッキ31のストロークは長くする。その結果、軸受パッド32Bやこれに近い方の軸受パッド32はスラストカラー23から離れ、軸受パッド32Aやこれに近い方の軸受パッド32はスラストカラー23に近づく。その結果、軸受パッド32がスラストカラー23の傾斜に追従するため、円周方向の各位置における隙間(油膜の厚さ)が均一になり、各軸受パッド32のスラスト荷重の分担が均一になる。
この場合、制御装置62では、例えば、温度センサによって得られる3つ以上の軸受パッド32の検出温度Tのうちの何れか2つの検出温度T1,T2を選定して、これらの検出温度T1,T2と設定温度T0とを比較し、その結果、検出温度T1,T2の何れか一方又は両方が設定温度T0以上(T1≧T0又はT2≧T0、或いは、T1≧T0及びT2≧T0)であると判定した場合には、検出温度T1,T2の差ΔT(絶対値)を算出して、この検出温度差ΔTと設定温度差ΔT0とを比較し、その結果、検出温度差ΔTが設定温度差ΔT0以上(ΔT≧ΔT0)であると判定した場合には、油圧ジャッキ31のストロークを調整することによって複数(図示例では8個)の軸受パッド32の傾斜調整を行う一方、検出温度差ΔTが設定温度差ΔT0以上ではない(ΔT<ΔT0)と判定した場合には、油圧ジャッキ31のストロークを調整(短く)することによって複数(図示例では8個)の軸受パッド32の位置を調整することにより隙間を全体的に広くする(エンドプレー調整)ように制御すればよい。
例えば、スラストカラー23の傾斜によって最上部の軸受パッド32Aの温度が最も高くなることが予測できる場合には、この軸受パッド32Aに温度センサ61Aを設置するだけでもよい。この場合のスラスト軸受装置は、軸受パッド32Aの温度T1を検出する温度センサ61A(温度検出手段)と、この温度センサ61Aによって得られる軸受パッド32Aの検出温度T1に基づいて、油圧ジャッキ31のストロークを調整して軸受パッド32の位置を調整することにより、隙間を調整する制御装置62(油圧ジャッキ制御手段)とを備えた構成となる。この場合、例えば、温度センサ61Aの検出温度T1と設定温度T0とを比較し、その結果、検出温度T1が設定温度T0以上(T1≧T0)であると判定したとき、油圧ジャッキ31のストロークを調整して隙間を調整する(即ち軸受パッド32の傾斜調整行う、又は、隙間を広げるようにエンドプレー調整を行う)ように制御することができる。
図9に基づき、本発明の実施の形態例3に係るスラスト軸受装置22Cについて説明する。なお、本実施の形態例3のスラスト軸受装置22Cの全体構成の概要については上記実施の形態例1,2のスラスト軸受装置22A,22B(図1,図2を参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、本実施の形態例3のスラスト軸受装置22Cにおいて上記実施の形態例1,2のスラスト軸受装置22A,22B(図1〜図8を参照)と同様の部分については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、上記実施の形態例1〜3では8個の軸受パッドを有するスラスト軸受装置の例を示したが、勿論、これに限定するもではなく、本発明は8個以外の個数(例えば6個、10個、12個など)の軸受パッドを有するスラスト軸受装置にも適用することができる。
21a 外周面
21b 端面
22A,22B,22C スラスト軸受装置
23 スラストカラー
23a 側面
24 軸受部
31 油圧ジャッキ
31a 本体
31b ロッド
31b−1 先端面
32,32A,32B 軸受パッド
32a 表面
32b 背面
32c 凸部
33 ピラー
33a 表面
33b 背面
33c 凸部
34 上レべリングプレート
34a 表面
34b 凹部
34c 端部
35 下レべリングプレート
35a 端部
35b 背面
36 給油片
36a 給油孔
41 ハウジング
41a 裏蓋
51 タンク
52 作動油
53 油圧ポンプ
54 リリーフバルブ
55 供給ライン
55a 分岐ライン
56 制御装置
61A,61B 温度センサ
62 制御装置
71 変位センサ
72 可変絞り機構
Claims (4)
- 回転体の回転軸の外周面に突設された円盤状のスラストカラーを、前記スラストカラーの両側に配設された一対の軸受部によって支持し、且つ、前記軸受部は、前記回転軸の円周方向に配列されて前記スラストカラーの側面に隙間を介して対向している複数の軸受パッドと、前記軸受パッドの背面側に配設された複数の上レべリングプレートと複数の下レべリングプレートとを有して成る前記軸受パッドのレべリング機構とを備えた構成であるスラスト軸受装置において、
前記下レべリングプレートの背面に油圧ジャッキをそれぞれ設置して、前記スラストカラーから前記隙間の油膜を介して前記軸受パッドへかかるスラスト荷重を、前記上レべリングプレート及び前記下レべリングプレートを介して、前記油圧ジャッキで受ける構成としたことを特徴とするスラスト軸受装置。 - 請求項1に記載のスラスト軸受装置において、
前記複数の軸受パッドのうちの少なくとも1つの軸受パッドの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段によって得られる前記の少なくとも1つの軸受パッドの検出温度に基づいて、前記油圧ジャッキのストロークを調整して前記軸受パッドの位置を調整することにより、前記隙間を調整する油圧ジャッキ制御手段と、
を備えたことを特徴とするスラスト軸受装置。 - 請求項1に記載のスラスト軸受装置において、
前記複数の軸受パッドのうちの2つの軸受パッドの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段によって得られる前記の2つの軸受パッドの検出温度と設定温度とを比較し、その結果、前記検出温度の何れか一方又は両方が設定温度以上であると判定した場合には、前記検出温度の差を算出して、この検出温度差と設定温度差とを比較し、その結果、前記検出温度差が前記設定温度差以上であると判定した場合には、前記油圧ジャッキのストロークを調整することによって前記複数の軸受パッドの傾斜調整を行う一方、前記検出温度差が前記設定温度差以上ではないと判定した場合には、前記油圧ジャッキのストロークを調整することによって前記複数の軸受パッドの位置を調整することにより、前記隙間を全体的に広くするように制御する油圧ジャッキ制御手段と、
を備えたことを特徴とするスラスト軸受装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のスラスト軸受装置において、
前記油圧ジャッキへ作動油を供給する油圧系統の供給ラインに設けた可変絞り機構と、
前記回転軸の軸方向の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記変位量検出手段で検出される前記回転軸の軸方向の変位量が設定変位量以上になったとき、前記可変絞り機構の絞り量を調整することにより、前記回転軸の軸方向の揺動を抑制する可変絞り機構制御手段と、
を備えたことを特徴とするスラスト軸受装置。
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