JP2013124590A - ハニカム構造ユニット - Google Patents

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竹雄 小林
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Abstract

【課題】筒体とハニカム構造体からなるハニカム構造ユニットにおいて、ハニカム構造体の温度分布を均一化することができ、ハニカム構造体の温度勾配を小さくしてハニカム構造体の内部応力を抑制することのできるハニカム構造体を提供する。
【解決手段】筒体5と、筒体5に収容されて筒体5の軸心L方向に延びる複数のセル2からなるハニカム構造体3と、を備えたハニカム構造ユニット10であって、ハニカム構造体3は、軸心L方向に垂直な断面において、その軸心Lに対応する中心領域Cよりも外側の外周領域Eの熱伝導率が、中心領域Cの熱伝導率よりも高くなっている。外周領域Eは、相対的に高い気孔率を有する、相対的に熱伝導率の高い材料からなる、相対的に熱伝導率の高い繊維もしくは粒子をハニカム構造体の基材に混合する、相対的に熱伝導率の高い触媒コート層をハニカム構造体の基材表面に被覆する、のうち、少なくともいずれか一種から形成することができる。
【選択図】図2

Description

本発明はハニカム構造ユニットに関し、例えば排ガス浄化用のハニカム構造ユニットに関するものである。
従来から、内燃機関や燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中のスス等の微粒子(特にディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(DPF)等には、セラミックス製のハニカム構造体の表面に触媒金属(貴金属)からなる金属触媒が担持されてなる触媒コート層が被覆された排ガス浄化用触媒が用いられている。
ここで、一般にセラミックス製のハニカム構造体は多孔質体からなり、隔壁によって区画された流体流路となる複数のセルを有しており、隣接するセル同士の軸心方向で反対側となる端部が封止されている。
ハニカム構造体からなる排ガス浄化用触媒としては、ストレートフロー型やウォールフロー型の触媒が挙げられ、ウォールフロー型の触媒の一例として、たとえば上記するDPFが挙げられる。このDPFは、セルを区画するセル壁に形成された連続した細孔に排気ガスを通過させ、この細孔を通過できない排気ガス中のPMを当該細孔にて捕集することにより、排ガスを浄化するものである。このように、DPFは、排気ガスを浄化する際にその高温の排気ガスにより加熱されて高温となっている。
また、上記するDPFは、捕集したPMが堆積したままでは目詰まりの要因となるため、捕集したPMを定期的に除去する必要があり、その方法として、燃焼等によりPMを分解・除去する方法が適用されている。このようにPMを燃焼して除去する際にはハニカム構造体が加熱されるとともに、PMの分解(燃焼)時に生じた熱で更に燃焼が促進されるため、DPF内部には急激な温度上昇が発生し、DPFは更に高温となることが知られている。
図11(a)は、円形断面を有するハニカム構造体の内部を流過する排気ガスの流量分布を示したものであり、図11(b)は、円形断面を有する従来のハニカム構造体の軸心方向と垂直な断面における冷熱サイクル試験後の温度分布を示したものである。
図11(a)で示すように、ハニカム構造体の内部を流過する排気ガスの流量分布は、一般にその断面中心で極大となり、径方向外側へ向かって次第に減少し、その外縁近傍で急激に減少する。したがって、ハニカム構造体に供給される熱量もそれに応じて断面中心から径方向外側へ向かって減少する。
従来のハニカム構造体では、ハニカム構造体の基材全体が略均一な熱伝導率を有しているため、そのハニカム構造体に高温の排気ガスを流過させた場合には、図11(b)で示すように、ハニカム構造体の温度分布は一様ではなく、図11(a)で示す流量分布と同様、その断面中心から径方向外側へ向かって温度が低下し、その外縁近傍で温度勾配が最大となる。このようにハニカム構造体の内部で温度差が発生すると、その温度差に応じて内部で熱膨張量の差が発生し、その膨張量の差に起因してハニカム構造体に内部応力が発生する。特に、ハニカム構造体の外縁近傍では温度勾配が大きいことから、その外縁近傍における内部応力はその中心近傍と比較して相対的に大きくなる。
そこで、ハニカム構造体の温度分布を均一化して内部応力の発生を抑制することを目的としたハニカム構造ユニットが特許文献1、2に開示されている。
特許文献1に開示されているハニカム構造ユニットは、アルミノシリケート繊維、SiCウィスカとセラミック原料粉末を互いに焼結させて構成した繊維セラミック多孔体でハニカム構造体を形成したものである。
また、特許文献2に開示されているハニカム構造ユニットは、多孔質のセラミックスからなるハニカム基材の外周に形成された外周材層の外周面に、ハニカム基材よりも熱伝導率の小さいマット材を配設したものである。
特開平1−252588号公報 特開2009−85202号公報
特許文献1に開示されているハニカム構造ユニットによれば、アルミノシリケート繊維に加えて熱伝導性に優れたSiCウィスカを複合したことにより、ハニカム構造体の基材自体の熱伝導性を高めてハニカム構造体の外周領域へ伝熱される熱量を多くすることができ、ハニカム構造体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、特許文献2に開示されているハニカム構造ユニットによれば、外周材層の外周面に配されるマット材をハニカム基材よりも熱伝導率の小さい材料で形成することにより、マット材を介した外部との熱交換を抑制することができ、マット材の内部における温度勾配、特にハニカム基材の外周領域における温度勾配を小さくすることができ、ハニカム構造体の温度分布を均一化してハニカム基材の応力分布を小さくすることができる。
しかしながら、特許文献1に開示されているハニカム構造ユニットにおいては、ハニカム構造体の基材全体が均一な熱伝導率を有しているため、依然としてその中心部と外縁部で大きな温度差が発生しており、ハニカム構造体の内部応力を低減することができないといった課題がある。
また、特許文献2に開示されているハニカム構造ユニットにおいては、内部における温度勾配を小さくして耐熱衝撃性を向上させることができるものの、ハニカム基材よりも熱伝導率の小さい材料で形成されたマット材を外周材層の外周面に配設する必要があり、部品点数が増加してハニカム構造ユニットの製造コストが増加するといった課題がある。
本発明は上記する課題に鑑みてなされたものであり、筒体とハニカム構造体からなるハニカム構造ユニットにおいて、ハニカム構造体の温度分布を均一化することができ、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくしてハニカム構造体の内部応力を抑制することができるハニカム構造ユニットを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるハニカム構造ユニットは、筒体と、該筒体に収容されて該筒体の軸心方向に延びる複数のセルからなるハニカム構造体と、を備えたハニカム構造ユニットであって、前記ハニカム構造体は、前記軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域よりも外側の外周領域の熱伝導率が、前記中心領域の熱伝導率よりも高くなっているものである。
上記する形態によれば、ハニカム構造体の外周領域の熱伝導率がその中心領域と比較して相対的に高いことから、ハニカム構造体の中心領域に供給される熱をその外周領域へ伝熱させることができ、その中心領域の温度上昇を抑制してハニカム構造体の温度分布を略均一にすることができる。したがって、部品点数を増加させることなく、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくすることができ、ハニカム構造体の内部応力の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、前記筒体は円筒形状を呈しており、前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の半径の少なくとも2.8%の径方向幅を有し、且つ前記ハニカム構造体の前記断面における中心領域の少なくとも2倍の熱伝導率を有していることが好ましい。
ハニカム構造体の基材の熱伝導率を2倍にすると、一般にその基材強度やヤング率は約5%程度低下することが知られている。上記する形態によれば、ハニカム構造体の断面の半径の少なくとも2.8%の径方向幅を有する外周領域に対し、その熱伝導率をハニカム構造体の断面の中心領域の2倍とすることで、ハニカム構造体に生じる内部応力を約5%低減することができるため、上記するようなハニカム構造体の基材強度やヤング率の低下を効果的に解消することができる。
また、外周領域の径方向幅を大きくすると中心領域から外周領域へ伝熱される熱量が多くなる一方で、外周領域の径方向幅を大きくし過ぎるとハニカム構造体の径方向の熱伝導率分布が略均一となり、従来構造と同様にハニカム構造体に温度分布が発生してしまう。そこで、ハニカム構造体の温度分布を均一化し、ハニカム構造体の内部応力を効果的に低減するためには、前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の半径の約11%の径方向幅を有することが好ましい。
また、外周領域の熱伝導率を高くすると中心領域から外周領域へ伝熱される熱量が多くなる一方で、内部応力の低下率は次第に減少するため、前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面における中心領域の3倍の熱伝導率を有していることが望ましい。
また、前記ハニカム構造体の熱伝導率は、その中心領域から径方向外側へ向かって連続的に高くなっていることが好ましい。
上記する形態によれば、ハニカム構造体の温度分布を径方向で連続的に変化させることができ、ハニカム構造体の温度勾配をより一層小さくすることができるため、ハニカム構造体の応力集中を効果的に抑制することができる。
ここで、前記外周領域は、相対的に高い気孔率を有する、相対的に熱伝導率の高い材料からなる、相対的に熱伝導率の高い繊維もしくは粒子をハニカム構造体の基材に混合する、相対的に熱伝導率の高い触媒コート層をハニカム構造体の基材表面に被覆する、のうち、少なくともいずれか一種からなるものである。
前記触媒コート層は、触媒を含有する金属酸化物のスラリーを層状に形成し、乾燥させ、焼成して製造されたものであってもよい。また、前記触媒コート層中の触媒金属(貴金属)としては、白金、ロジウム、パラジウムのうちの少なくともいずれか一種を適用することができる。また、前記触媒金属が担持されるマトリックス担体を形成する金属酸化物としては、ジルコニアとアルミナ、セリアとアルミナ、セリア−ジルコニアとアルミナ、の混合素材のうちのいずれか一種を適用することができる。
なお、上記するハニカム構造ユニットは、たとえば隣接するセル同士の軸心方向で反対側の端部を封止して排気ガスを浄化するために用いることができ、そのようなハニカム構造ユニットとしては、たとえば通電加熱型のものを挙げることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のハニカム構造ユニットによれば、筒体とハニカム構造体からなるハニカム構造ユニットにおいて、軸心方向に垂直な断面における外周領域の熱伝導率を中心領域の熱伝導率よりも高くする極めて簡易な構成を適用することで、ハニカム構造体の温度分布を均一化することができ、ハニカム構造体の温度勾配を小さくして内部応力の発生を抑制することができる。
本発明によるハニカム構造ユニットを模式的に示した斜視図である。 図1で示すハニカム構造ユニットのA−A矢視図である。 (a)は図1で示すハニカム構造体の径方向の熱伝導率分布の一例を模式的に示した図、(b)は図1で示すハニカム構造体の径方向の温度分布の一例を模式的に示した図である。 ハニカム構造体の気孔率と熱伝導率の関係を示した図である。 実施例3〜5の冷熱サイクル試験の結果を示した図であり、(a)はその中心領域と外周領域の外縁の温度差を時系列で示した図、(b)はその最大主応力を時系列で示した図である。 実施例6、7の冷熱サイクル試験の結果を示した図であり、(a)はその中心領域と外周領域の外縁の温度差を時系列で示した図、(b)はその最大主応力を時系列で示した図である。 実施例2、3、6の冷熱サイクル試験の所定時間における温度分布の結果を示した図である。 冷熱サイクル試験の所定時間における実施例2、3、6の比較例に対する温度差の比率を示した図である。 冷熱サイクル試験の所定時間における実施例1〜3、6の比較例に対する最大主応力の比率を示した図である。 実施例3〜5の比較例に対する最大主応力の減少率を示した図である。 (a)は、円形断面を有するハニカム構造体の内部を流過する排気ガスの流量分布を示した図、(b)は、円形断面の従来のハニカム構造体の軸心方向と垂直な断面における冷熱サイクル試験後の温度分布を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるハニカム構造ユニットを模式的に示した斜視図であり、図2は、図1で示すハニカム構造ユニットのA−A矢視図であり、図3(a)は、図1で示すハニカム構造体の径方向の熱伝導率分布の一例を模式的に示したものであり、図3(b)は、図1で示すハニカム構造体の径方向の温度分布の一例を模式的に示したものである。
図1で示すハニカム構造ユニット10は、円筒状の筒体5と、筒体5に収容されて隔壁1により区画された筒体5の軸心L方向に延びる複数のセル2からなるハニカム構造体3と、を備えている。また、ハニカム構造体3の基材表面上には不図示の触媒コート層が積層されている。
ここで、ハニカム構造体3は、たとえば、アルミナ、ジルコニア、コーディエライト、チタニア、炭化珪素、窒化珪素などのうちのいずれか一種を主成分とする多孔質のセラミックスから形成される。また、ハニカム構造体3を構成するセル2の断面形状としては適宜の断面形状を適用することができ、図2で示すような正六角形のほか、たとえば正方形などの多角形状を適用することができる。また、筒体5は円筒状のほか、たとえば多角柱状等であってもよい。
また、触媒コート層は、マトリックス担体を形成する金属酸化物、より具体的には、ジルコニアとアルミナ、セリアとアルミナ、セリア−ジルコニアとアルミナ、の混合素材のうちのいずれか一種に対して、白金、ロジウム、パラジウムのうちの少なくともいずれか一種の貴金属(金属触媒)が担持されたものである。
ここで、ハニカム構造体3は、図2で示すハニカム構造ユニット10の軸心L方向に垂直な断面において、その軸心Lに対応する中心領域Cよりも外側の外周領域Eの熱伝導率が中心領域Cの熱伝導率よりも相対的に高くなっている。なお、外周領域Eとは、ハニカム構造体10の軸心L方向に垂直な断面のうち径方向外側の領域であって、その断面半径Rに対して径方向幅Wを有する領域である。
具体的には、図3(a)で示すように、ハニカム構造体3は、上記外周領域Eが中心領域Cの熱伝導率の約2倍以上の熱伝導率を有している。また、ハニカム構造体3の熱伝導率は、その中心領域Cから径方向外側へ向かって連続的に高くなっており、図示するように径方向でその熱伝導率を調整することによって、図3(b)で示すような温度分布を得ることができる。図3(b)で示す一例においては、ハニカム構造体3の中心領域Cと外周領域Eの外縁との温度差がtとなり、たとえば図11(b)で示す従来構造と比較してハニカム構造体3全体で温度分布を略均一化することができ、ハニカム構造体3の温度勾配、特に外周領域Eにおける温度勾配を小さくして、ハニカム構造体3に発生し得る内部応力を低減することができる。
なお、図3(a)で示すような熱伝導率分布を形成する方法としては、たとえばハニカム構造体3の内部の気孔率を部位毎に変更する方法や、ハニカム構造体3の一部を熱伝導率の高い材料で形成する方法、熱伝導率の高い繊維もしくは粒子をハニカム構造体3の基材の一部に混合する方法、熱伝導率の高い触媒コート層をハニカム構造体3の基材の一部に被覆する方法などを挙げることができる。
図4は、ハニカム構造体の気孔率と熱伝導率の関係の一例を示した図であり、気孔率が37%のときの熱伝導率を1としたときの気孔率と熱伝導率の関係を示した図である。
ハニカム構造体3の内部の気孔率を大きくすると、ハニカム構造体3のセル2を流れる粒子の接触が減少するため、その熱伝導率は気孔率の増加に伴って略線形的に減少する。したがって、たとえばハニカム構造体3の中心領域Cの気孔率を大きくし、その外周領域Eの気孔率を小さくすることで、たとえば図3(a)で示すような熱伝導率分布を容易に形成することができる。
なお、上記するハニカム構造ユニット10は、たとえば隣接するセル2同士の軸心L方向で反対側の端部を封止し、排気ガス浄化用の触媒として用いることができる。また、低温時に電力の供給を受けて加熱される通電加熱型の触媒とした場合であっても、上記する構成を適用することで、ハニカム構造体3の基材の温度分布を均一化し、基材に発生し得る内部応力を効果的に低減することができる。
[検査用試料の外周領域の幅寸法と熱伝導率による効果の検証とその結果]
本発明者等は、相対的に熱伝導率の高い外周領域の径方向の幅寸法Wと熱伝導率の異なる8種類の検査用試料(実施例1〜7、比較例)を作製し、それぞれの試料に対して冷熱サイクル試験を実施した。なお、本検証では、図1で示す断面円形のセラミックスからなるハニカム構造体3を有するハニカム構造ユニット10と同様の構成を備えた検査用試料を使用した。また、検査用試料の軸心方向に垂直な断面の半径Rは46.5mmであった。
表1は、実施例1〜7の外周領域Eの径方向幅Wと中心領域の熱伝導率に対する熱伝導率の割合をそれぞれ示したものである。なお、比較例は、従来構造と同等にハニカム構造体全体で均一な熱伝導率を有している。
Figure 2013124590
図5は、実施例3〜5の冷熱サイクル試験の結果、すなわち外周領域の径方向幅Wが5.0mmの場合の熱伝導率による効果を検証した結果を示したものである。図5(a)は、実施例3〜5の試料の中心領域Cと外周領域Eの外縁の温度差、図5(b)は、実施例3〜5の試料における最大主応力をそれぞれ時系列で示したものである。なお、比較のために図5には比較例の冷熱サイクル試験の結果をともに示している。
図5(a)で示すように、実施例3〜5の全ての試料において、比較例よりも試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が減少したことが確認された。また、実施例4(熱伝導率が3倍)では、冷熱サイクル試験全体に亘って実施例3(熱伝導率が2倍)よりも試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が減少したことが確認された。一方で、実施例5(熱伝導率が4倍)では、約6sまでは実施例4よりも試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が減少したものの、その後実施例4よりも温度差が増加し、約10s以降では実施例3よりも温度差が増加したことが確認された。
また、図5(b)で示すように、実施例3〜5の全ての試料において、比較例よりも試料における最大主応力が減少したことが確認された。また、実施例3〜5の結果から、熱伝導率の増加に伴って最大主応力が減少したことが確認された。ここで、実施例3〜5と比較例の最大主応力の極大値は、それぞれ5.03MPa、4.53MPa、4.28MPa、6.17MPaであった。したがって、実施例3〜5は、比較例に対してそれぞれ18.5%、26.6%、30.6%最大主応力が減少したことが実証された。
図6は、実施例6、7の冷熱サイクル試験の結果、すなわち外周領域の径方向幅Wが10.0mmの場合の熱伝導率による効果を検証した結果を示したものである。図6(a)は、実施例6、7の試料の中心領域Cと外周領域Eの外縁の温度差、図6(b)は、実施例6、7の試料における最大主応力をそれぞれ時系列で示したものである。なお、比較のために図6には比較例の冷熱サイクル試験の結果をともに示している。
図6(a)で示すように、実施例6、7の試料において、比較例よりも試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が減少したことが確認された。また、実施例7(熱伝導率が3倍)では、冷熱サイクル試験全体に亘って実施例6(熱伝導率が2倍)よりも試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が減少したことが確認された。
また、図6(b)で示すように、実施例6、7の試料において、比較例よりも試料における最大主応力が減少したことが確認された。ここで、実施例6、7の最大主応力の極大値はそれぞれ5.70MPa、5.48MPaであったため、実施例6、7は、比較例に対してそれぞれ7.6%、11.2%最大主応力が減少したことが実証された。
次に、図7は、実施例2、3、6の冷熱サイクル試験の所定時間における温度分布を示したものであり、図8は、その時間における実施例2、3、6の比較例に対する温度差の比率を示したものであり、図9は、その時間における実施例1〜3、6の比較例に対する最大主応力の比率を示したものである。すなわち、図7〜図9は、外周領域Eの熱伝導率が中心領域Cの熱伝導率の2倍の場合の径方向幅Wの効果を検証した結果を示したものである。
図7および図8で示すように、実施例2、3の試料では、比較例よりも試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が減少したことが確認された。特に、実施例3(径方向幅Wが5.0mm、断面半径Rの11%の径方向幅W)は、試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が最小となり、試料全体に亘って温度分布がより均一となったことから、図9で示すように、試料の最大主応力が最小となることが実証された。
また、図7および図8で示すように、実施例6の試料では、試料の中心領域Cの軸心部と外周領域Eの外縁の温度差が比較例と同等であることが確認されたものの、図7で示すように、外周領域Eにおける温度勾配は比較例と比較して小さくなることが確認された。したがって、図9で示すように、実施例6の試料の最大主応力は比較例よりも約5%減少したことが実証された。
ここで、検査用試料の基材の熱伝導率を2倍にすると、その基材強度やヤング率が約5%低下することが本発明者等によって確認されている。実施例1の試料では、図9で示すように、外周領域Eの径方向幅Wを1.3mm(断面半径Rに対して2.8%の径方向幅W)とすることで、試料の最大主応力を比較例よりも約5%減少させることができることが確認された。したがって、外周領域Eの熱伝導率が中心領域Cの熱伝導率の2倍である場合には、外周領域Eの径方向幅Wを少なくとも1.3mmに設定することにより、熱伝導率の増加に起因する基材強度やヤング率の低下を解消できることが実証された。
図10は、実施例3〜5の比較例に対する最大主応力の減少率、すなわち外周領域の径方向幅Wが5.0mmの場合の熱伝導率と比較例に対する最大主応力の減少率との関係を示したものである。
図10および表1で示すように、熱伝導率の増加に伴って試料の最大主応力は減少するものの、外周領域の熱伝導率が中心領域の3倍近傍で変曲点を迎え、外周領域の熱伝導率が中心領域の3倍以上となると最大主応力の低下率が次第に減少することが実証された。
この実験結果より、検査用試料の外周領域の径方向幅を断面半径のすくなくとも2.8%とし、その熱伝導率を中心領域の熱伝導率の少なくとも2倍とすることで、試料の内部応力の発生を効果的に抑制できることが実証された。また、検査用試料の外周領域の径方向幅を断面半径の11%とし、その熱伝導率を中心領域の熱伝導率の3倍とすることで、試料の温度分布をより均一化し、試料の内部応力をより一層低減できることが実証された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…隔壁、2…セル、3…ハニカム構造体、5…筒体、10…ハニカム構造ユニット、C…ハニカム構造体の中心領域、E…ハニカム構造体の外周領域、L…ハニカム構造ユニットの軸心、R…ハニカム構造体の半径、W…外周領域の径方向の幅

Claims (8)

  1. 筒体と、該筒体に収容されて該筒体の軸心方向に延びる複数のセルからなるハニカム構造体と、を備えたハニカム構造ユニットであって、
    前記ハニカム構造体は、前記軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域よりも外側の外周領域の熱伝導率が、前記中心領域の熱伝導率よりも高くなっているハニカム構造ユニット。
  2. 前記筒体は円筒形状を呈しており、
    前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の半径の少なくとも2.8%の径方向幅を有し、且つ前記ハニカム構造体の前記断面における中心領域の少なくとも2倍の熱伝導率を有している請求項1に記載のハニカム構造ユニット。
  3. 前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の半径の11%の径方向幅を有している請求項2に記載のハニカム構造ユニット。
  4. 前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面における中心領域の3倍の熱伝導率を有している請求項2または3に記載のハニカム構造ユニット。
  5. 前記ハニカム構造体の熱伝導率が、その中心領域から径方向外側へ向かって連続的に高くなっている請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造ユニット。
  6. 前記外周領域は、相対的に高い気孔率を有する、相対的に熱伝導率の高い材料からなる、相対的に熱伝導率の高い繊維もしくは粒子をハニカム構造体の基材に混合する、相対的に熱伝導率の高い触媒コート層をハニカム構造体の基材表面に被覆する、のうち、少なくともいずれか一種からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造ユニット。
  7. 前記ハニカム構造ユニットは排気ガスを浄化するためのものである請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造ユニット。
  8. 前記ハニカム構造ユニットは通電加熱型のものである請求項7に記載のハニカム構造ユニット。
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