JP2013124323A - 転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受 - Google Patents

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和紀 中川
Yujiro Toda
雄次郎 戸田
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Abstract

【課題】高温高速回転で使用される転がり軸受の焼付き寿命を、更に延長する。
【解決手段】40℃における動粘度が15〜100mm/secである基油と、増ちょう剤としてジウレア化合物とを含有し、かつ、それぞれ下記(1)式で表される基油の溶解度パラメータと増ちょう剤の溶解度パラメータとの差が2.1〜3.3であることを特徴とする転がり軸受用グリース組成物。
δ=(E/V)1/2・・・(1)
(式中、Eは蒸発エネルギー、Vは溶媒のモル容量である。)
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受に関する。より詳細には、軸受温度が100℃を超えるような高温高速回転条件で使用される転がり軸受、並びにこのような転がり軸受に好適なグリース組成物に関する。
例えば、記録・再生装置や工作機械、電動モータ等の回転部に使用される転がり軸受は、より高速で回転されるようになってきており、100℃を超える高温になったり、グリースの飛散や流出による潤滑不足が起こり易く、早期に焼付き寿命に至ることが多い。このような問題に対して特許文献1、2では、特定の溶解度パラメータの基油を用いて増ちょう剤との親和性を高め、せん断を受けても過剰に軟化せず、飛散し難くすることで、長寿命化を図っている。
特開2001−123190号公報 特開2001−247885号公報
しかしながら、上記した機器や装置の更なる高速化は必至であり、転がり軸受にもより高温高速回転に耐え得ることが要求される。そこで本発明は、高温高速回転で使用される転がり軸受の焼付き寿命の更なる延長を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は下記を提供する。
(1)40℃における動粘度が15〜100mm/secである基油と、増ちょう剤としてジウレア化合物とを含有し、かつ、それぞれ下記(1)式で表される基油の溶解度パラメータと増ちょう剤の溶解度パラメータとの差が2.1〜3.3であることを特徴とする転がり軸受用グリース組成物。
δ=(E/V)1/2・・・(1)
(式中、Eは蒸発エネルギー、Vは溶媒のモル容量である。)
(2)前記増ちょう剤が下記一般式(A)で表されるジウレア化合物であることを特徴とする上記(1)記載の転がり軸受用グリース組成物。
Figure 2013124323
(式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基であり、2つのRは同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。Rは炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基である。)
(3)内輪と外輪との間に保持器を介して複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、上記(1)または(2)記載のグリース組成物が封入されていることを特徴とする転がり軸受。
本発明の転がり軸受用グリース組成物では、特定粘度の基油が高速回転下での油膜を形成しやすく、増ちょう剤のジウレア化合物も耐熱性に優れる。更に、基油の溶解度パラメータと増ちょう剤の溶解度パラメータとの差を2.1〜3.3の範囲としたことにより、高温で放置した場合でも長期間にわたり基油の分離が起こり、潤滑が長時間維持される。そのため、本発明の転がり軸受は、高温高速回転下でもより長寿命となる。
本発明の転がり軸受の一例である玉軸受を示す断面図である。 試験グリースを120℃で放置したときの放置時間と離油度との関係を示すグラフである。 試験グリースのΔδと焼付き寿命比との関係を示すグラフである。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
(転がり軸受用グリース組成物)
本発明の転がり軸受用グリース組成物(以下、単に「グリース組成物」という)の基油は、40℃における動粘度が15〜100mm/secの潤滑油を用いる。40℃における動粘度が15mm/sec未満になると高速回転下で油膜が形成し難くなり、100mm/secを超えると焼付きを起こしやすくなる。40℃における動粘度は、好ましくは20〜100mm/secである。
基油の種類には制限はないが、高速回転に伴う高温に耐え得るように耐熱性に優れる潤滑油が好ましく、炭化水素系油、エステル系油、エーテル系油が好ましい。炭化水素計油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのオリゴマー等のポリα−オレフィンまたはこれらの水素化物が挙げられる。エステル系油としては、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート等のジエステル油、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。これらの潤滑油は、それぞれ単独でもよく、2種以上を混合してもよい。また、混合する場合は、混合油として上記の動粘度となるように調整する。
増ちょう剤には、耐熱性に優れることからジウレア化合物を用いるが、トルク上昇による発熱を抑えるために増ちょう剤量を少なくすることが好ましく、中でも増ちょう性が良好な下記一般式(A)で表されるジウレア化合物が好ましい。
Figure 2013124323
式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基であり、2つのRは同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。また、Rは炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基である。
また、増ちょう剤は、グリース組成物の混和ちょう度がNLGI No.1〜3となるように配合量が調整される。
本発明では、それぞれ下記(1)式で表される基油の溶解度パラメータと増ちょう剤の溶解度パラメータとの差(Δδ)が2.1〜3.3となるように、基油及び増ちょう剤の組み合わせを規定する。Δδが2.1未満及び3.3超では、何れも離油度が小さく、早期に焼付き寿命に陥るようになる。好ましくは、Δδは3.0〜3.3である。(1)式において、Eは蒸発エネルギー(凝集エネルギー)、Vは溶媒のモル容積であり、単位は〔cal/cm1/2である。代表的な官能基のE及びVを表1に例示する。
δ=(E/V)1/2・・・(1)
Figure 2013124323
グリース組成物には、必要に応じて添加剤を添加してもよい。高速回転する転がり軸受では転動体と保持器との間の滑り、ころ軸受ではころと鍔との間の滑りにより摩耗が大きくなり、焼付きを起こしやすい。そこで、極圧剤を添加することにより、滑り条件下での摩耗を防止して焼付き寿命を延長させることができる。例えば、テトラフェニルジプロピレングリコールフォスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4´−イソプロピリデンフェニルフォスファイト、ジラウリルハイドロゲンフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、モノイソデシルホスフェート、トリフェニルフォスファイト等の無灰系亜リン酸エステル、トリフェニルホスホロチオネート等の無灰系チオリン酸エステル、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩等の無灰系ジチオカルバミン酸塩等を単独で、もしくは2種以上混合して添加することができる。また、添加量は、グリース組成物全量に対し0.1〜5質量%が好ましい。添加量が0.1質量%未満では必要な極圧性を得ることができず、5質量%を超えると反応性が高くなりすぎてグリースを劣化させたり、摩耗を促進するおそれがある。
その他にも、酸化防止剤や防錆剤、金属不活性化剤、油性剤等を添加することができる。これは何れも公知のもので構わない。
グリース組成物の調製方法にも制限はなく、基油中で増ちょう剤であるジウレア化合物を合成すればよく、その際極圧剤等の添加剤は基油に添加すればよい。
(転がり軸受)
転がり軸受の種類には制限はなく、ここでは図1に示す玉軸受を例示する。図示される玉軸受1は、内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の玉13を転動自在に保持したものであり、内輪10、外輪11及び玉13とで形成される軸受空間に上記のグリース組成物Gを充填し、更にシール14で封止している。このような玉軸受1では、グリース組成物Gにより、高速回転下で使用されても長寿命となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1)
40℃における動粘度が21mm/secのアルキルジフェニルエーテル油を基油に用い、その半量を入れた第1の容器にステアリルアミンを入れて140℃に加温して溶解させた。また、残り半量の基油を入れた第2の容器にジフェニルメタンジイソシアネートを入れて60〜70℃に加温して溶解させた。そして、第2の容器の内容物を第1の容器に加えて撹拌した。反応熱のため温度が上昇したが、約30分間撹拌を続けて反応を十分に行った後、昇温して180〜190℃で40分間保持した。そして、室温まで冷却した後、ロールミルで混練して試験グリースを得た。尚、添加剤については、無添加とした。
(実施例2、3及び比較例1、2)
基油及び増ちょう剤のアミン成分を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして基油中でジウレア化合物を合成して試験グリースとした。
上記で調製した各試験グリースにおいて、基油の溶解度パラメータ及びジウレア化合物の溶解度パラメータを(1)式に従い算出し、両者の差(Δδ)を求めた。表2に併記する。
Figure 2013124323
また、各試験グリースを用いて(1)離油度測定及び(2)軸受耐久試験を行った。
(1)離油度測定
JIS K2220に準じて、試験グリースを120℃の恒温槽に入れ、100時間ごと500時間までの離油度を測定した。結果を図2に示す。
(2)軸受耐久試験
呼び番号608ZZの深溝玉軸受に、試験グリースを軸受空間の30容積%となるように封止し、外輪温度100℃、内輪回転速度50000rpm(dmn70万)、アキシアル荷重5kgfの条件にて連続運転し、設定値よりも10℃温度上昇したときを焼付きと見做し、それまでの時間(焼付き寿命時間)を計測した。結果を図3に示すが、比較例1に対する相対値(焼付き寿命比)で示す。
図2に示すように、実施例1〜3では、時間が経過してもグリースから基油が離油し続けている。しかし、比較例1では約200時間、比較例2では約100時間経過したあたりで油分離しなくなっている。そのため、図3に示すように、実施例1〜3では比較例1、2の1.5〜2倍程度寿命が延びている。即ち、基油の溶解度パラメータと増ちょう剤の溶解度パラメータとの差(Δδ)を2.1〜3.3にすることで、高温高速下での焼付き寿命を大幅に延長できる。
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール
G グリース組成物

Claims (3)

  1. 40℃における動粘度が15〜100mm/secである基油と、増ちょう剤としてジウレア化合物とを含有し、かつ、それぞれ下記(1)式で表される基油の溶解度パラメータと増ちょう剤の溶解度パラメータとの差が2.1〜3.3であることを特徴とする転がり軸受用グリース組成物。
    δ=(E/V)1/2・・・(1)
    (式中、Eは蒸発エネルギー、Vは溶媒のモル容量である。)
  2. 前記増ちょう剤が下記一般式(A)で表されるジウレア化合物であることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受用グリース組成物。
    Figure 2013124323
    (式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基、シクロヘキシル基または炭素数7〜12のアルキルシクロヘキシル基であり、2つのRは同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。Rは炭素数6〜15の2価の芳香族環含有炭化水素基である。)
  3. 内輪と外輪との間に保持器を介して複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、請求項1または2記載のグリース組成物が封入されていることを特徴とする転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021246049A1 (ja) * 2020-06-05 2021-12-09 株式会社ジェイテクト グリース組成物および転がり軸受

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