JP2013123311A - 電気車制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪とレールとの接線力(粘着力、摩擦力)がより高い状態でモータを駆動できる電気車制御装置を得る。
【解決手段】電気車制御装置は、モータトルク指令値取得部と、すべり速度算出部2と、第一の補正部42c、43と、第二の補正部41、42b、42c、43と、を備える。モータトルク指令値取得部は、車輪を駆動するモータの回転速度と操作入力に基づく入力指令値とに応じたモータトルク指令値を取得する。すべり速度算出部2は、車輪の回転速度と車両速度とに基づいて車輪のレールに対するすべり速度を算出する。第一の補正部42c、43は、取得されたモータトルク指令値を、算出されたすべり速度に応じて補正する。第二の補正部41、42b、42c、43は、取得されたモータトルク指令値を、モータのトルクの時間変化およびすべり速度の時間変化に応じて、すべり速度に対応したトルクの最大値に近付くよう補正する。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、電気車制御装置に関する。
従来、レールに対する車輪の空転を検知してモータのトルクを制御する電気車制御装置が知られている。
安岡 育雄、外5名、「誘導電動機個別駆動方式電気機関車の再粘着制御に関する実験的考察」、電気学会論文誌D、平成20年1月号、Vol.128、 No.1、 2008
この種の電気車制御装置では、車輪とレールとの接線力(粘着力、摩擦力)がより高い状態でモータを駆動できるのが望ましい。
本発明の実施形態にかかる電気車制御装置は、モータトルク指令値取得部と、すべり速度算出部と、第一の補正部と、第二の補正部と、を備える。モータトルク指令値取得部は、車輪を駆動するモータの回転速度と操作入力に基づく入力指令値とに応じたモータトルク指令値を取得する。すべり速度算出部は、車輪の回転速度と車両速度とに基づいて車輪のレールに対するすべり速度を算出する。第一の補正部は、取得されたモータトルク指令値を、算出されたすべり速度に応じて補正する。第二の補正部は、取得されたモータトルク指令値を、モータのトルクの時間変化およびすべり速度の時間変化に応じて、すべり速度に対応したトルクの最大値に近付くよう補正する。
図1は、実施形態にかかる電気車制御装置を含むシステムの一例が示されたブロック図である。 図2は、レールに対する車輪のすべり率とレールと車輪との粘着係数との関係の一例が示された図である。 図3は、実施形態にかかる電気車制御装置のすべり速度に対するトルク(指令値)の補正パターンならびにすべり速度とトルク(接線力)との特性の一例が示された図である。 図4は、第1実施形態にかかる電気車制御装置の概略構成の一例が示されたブロック図である。 図5は、第2実施形態にかかる電気車制御装置の概略構成の一例が示されたブロック図である。 図6は、第3実施形態にかかる電気車制御装置の概略構成の一例が示されたブロック図である。
以下の例示的な複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。
<第1実施形態>
図1に示される本実施形態にかかる電気車制御装置1は、鉄道車両の車輪(図示されず)を駆動するモータ20(一例としては、三相誘導電動機)を制御する。
発明者らの実験結果等から、車輪のレールに対するすべり率λと、車輪とレールとの間の粘着係数μとの間には、一例としては、図2に示されるような関係があることがわかっている。この図2から、粘着係数μが最大(極大、ピーク)となるすべり率λがあることが理解できる。すなわち、すべり率λが0と極大値(図2の例ではλ≒0.05)との間(粘着領域)では、すべり率λが増大するにつれて粘着係数μは増大する。一方、すべり率λが極大値より大きい状態(空転領域)では、すべり率λが増大するにつれて粘着係数μは減少する。
発明者らは、図2のような特性に着目し、モータ20のトルクTm(制御トルク、モータトルク指令値Tcf)を適宜に変化させることでより接線力(粘着力、摩擦力)の高い状態を得る新しい制御手法、すなわち、接線力が極大値により近いすべり速度Vs(すべり率)の状態が得られるように、モータ20のトルクTmを制御する制御手法、を想起するに至った。その概要について、図3を参照して説明する。図3の横軸はすべり速度Vs、縦軸はトルクTm,Ttである。図3には、車両が走行している状況におけるすべり速度Vsと接線力に基づくトルクTt(接線力に車輪の半径を乗じた値)との関係Cr(すべり速度−接線力特性、以降、特性Crと記す)、ならびに電気車制御装置1がトルクTmの制御に用いる関数Fvtの一例が、示されている。関数Fvtは、検出された(算出された)すべり速度Vsと、該すべり速度Vsに応じて電気車制御装置1が出力するモータトルク指令値Tcfに基づくトルクTmと、の関係を示している。関数Fvtは、本実施形態では、一例として、すべり速度Vsが増大するにつれてトルクTm(モータトルク指令値Tcf)が減少する単調減少関数(本実施形態では、一例として一次関数)として設定されている。
ここで、本実施形態では、一例として、電気車制御装置1は、基本的には、関数Fvtに基づき、検出(算出)されたすべり速度Vsに応じてトルクTm(モータトルク指令値Tcf)を制御する(変化させる)。この場合、時間の経過とともに、すべり速度VsおよびトルクTmは、関数Fvtと特性Crとの交点P(動作点)の状態になる。具体的には、例えば、電気車制御装置1が、関数Fvtの一つである図3の関数Fvt1を用いてトルクTmを制御している状態では、時間の経過とともに、すべり速度VsおよびトルクTmは、関数Fvt1と特性Crとの交点P1の状態になる。図3上では、すべり速度VsおよびトルクTm(動作点)が、関数Fvt1上を移動して、交点P1に到達する。
さらに、本実施形態では、一例として、電気車制御装置1は、制御に用いる関数Fvtを変化させる(変更する)ことができる。関数Fvtが一例として上述された関数Fvt1とは異なる関数Fvt(図3の例では、Fvt2〜Fvt5)に変化した場合も、すべり速度Vsおよびモータ20のトルクTmは、関数Fvt1の場合と同様に推移する。具体的には、例えば、電気車制御装置1が、関数Fvt5を用いてモータ20のトルクTmを制御している状態では、時間の経過とともに、すべり速度VsおよびトルクTmは、関数Fvt5と特性Crとの交点P5(動作点)の状態になる。この場合も、図3上では、すべり速度VsおよびトルクTm(動作点)が、関数Fvt5上を移動して、交点P5に到達する。なお、図3には、複数の関数Fvt1〜Fvt5が例示されている。電気車制御装置1は、例えば、図3に示された複数の関数Fvt1〜Fvt5のうちいずれか一つを選択して制御に用いることができる。ただし、図3に示された複数の関数Fvtは、あくまで一例であって、電気車制御装置1は、これら以外の関数Fvtを制御に用いることもできるし、より多くの関数Fvtから一つを選択して制御に用いることもできるし、関数Fvtを連続的に変化させることもできる。また、本実施形態では、一例として、関数Fvtは、すべり速度Vsに対するトルクTmの傾き(ゲイン、すべり速度Vsに対するトルクTmの変化率)が一定のまま変化させる。すなわち、電気車制御装置1では、図3中で、関数Fvtが平行移動される。
そして、本実施形態では、一例として、電気車制御装置1は、動作点がトルクTtの極大値(最大値)に近い状態になるよう、すなわち、図3で特性Crと関数Fvtとの交点Pが特性Crの極大値に近い位置(図3の例では、点P3)になるように、関数Fvtを変化させる(変更する)。ここで、図3を参照すれば、粘着領域にある場合には、関数Fvtを、すべり速度Vsに対するトルクTmがより大きい関数Fvt、すなわち、図3でより右側(上側、右上側)に位置された関数Fvtに変化させれば(例えば、Fvt1→Fvt2、Fvt2→Fvt3等)、特性Crの極大値に近い交点Pに対応した状態が得られることがわかる。また、逆に、空転領域にある場合には、関数Fvtを、すべり速度Vsに対するトルクTmがより小さい関数Fvt、すなわち、図3でより左側(下側、左下側)に位置された関数Fvtに変化させれば(例えば、Fvt5→Fvt4、Fvt4→Fvt3等)、特性Crの極大値に近い交点Pに対応した状態が得られることがわかる。しかしながら、特性Crは種々の条件(例えば、レールの状態や、車輪の状態、気象条件等)で異なるため、電気車制御装置1は、走行状況に合致した特性Crを予め取得し難く、ひいては、トルクTtの極大値が得られる関数Fvtも予め取得し難い。
そこで、本実施形態では、一例として、電気車制御装置1は、トルクTm(モータトルク指令値Tcf)の制御に用いる関数Fvtを変化させることで、動作点(すべり速度VsおよびトルクTm,Ttの状態)、すなわち、図3における関数Fvtと特性Crとの交点P(図3の例ではP1〜P5)を変化させ、この変化に応じたパラメータの変化(時間変化)に基づいて、トルクTmを制御する。
(パターン1)
具体的には、例えば、電気車制御装置1が関数Fvtを変化させた際に、トルクTmが増加し、かつすべり速度Vsも増加した場合は、例えば、図3のP1→P2や、P2→P3に相当し、粘着領域にあると推定できる。この場合は、関数Fvtを図3のより右側(上側、右上側)に位置するように変化させることで、交点Pをピーク(交点P3)に近付けることができる。
(パターン2)
また、電気車制御装置1が関数Fvtを変化させた際に、トルクTmは増加したものの、すべり速度Vsが減少した場合は、例えば、図3のP5→P4や、P4→P3に相当し、空転領域にあると推定できる。この場合は、関数Fvtを図3のより左側(下側、左下側)に位置するように変化させることで、交点Pをピーク(交点P3)に近付けることができる。
(パターン3)
また、電気車制御装置1が関数Fvtを変化させた際に、トルクTmが減少し、かつすべり速度Vsも減少した場合は、例えば、図3のP3→P2や、P2→P1に相当し、粘着領域にあると推定できる。この場合は、関数Fvtを図3のより右側(上側、右上側)に位置するように変化させることで、交点Pをピーク(交点P3)に近付けることができる。
(パターン4)
また、電気車制御装置1が関数Fvtを変化させた際に、トルクTmは減少したものの、すべり速度Vsが増加した場合は、例えば、図3のP3→P4や、P4→P5に相当し、空転領域にあると推定できる。この場合は、関数Fvtを図3のより左側(下側、左下側)に位置するように変化させることで、交点Pをピーク(交点P3)に近付けることができる。
動作点(交点P)の変化の上述した各パターンは、トルクTmに対応した(トルクTmの変化に応じて変化する)第一パラメータの時間変化と、すべり速度Vsに対応した(すべり速度Vsの変化に応じて変化する)第二パラメータの時間変化と、によって、検出、識別、あるいは判別することができる。よって、本実施形態にかかる電気車制御装置1は、一例として、まず、最初のタイミング(変更タイミング)でモータトルク指令値Tcfを変更することで関数Fvtを変化させ(変更し)、これにより、動作点(交点P)を変化させる(ステップ1)。次のタイミング(変更タイミング)で、電気車制御装置1は、動作点(交点P)の変化によって生じた第一パラメータおよび第二パラメータの時間変化の上記四つのパターンに応じてモータトルク指令値Tcfを変更することで、関数Fvtを変化させる(ステップ2)。以降の変更タイミングでは、ステップ2が反復的に実行される。変更タイミングの時間間隔は、第一の補正部および第二の補正部がトルクTm(モータトルク指令値Tcf)を補正するタイミング(補正タイミング)の時間間隔より長く設定される。なお、本実施形態では、一例として、変更タイミングならびに補正タイミングともに、一定の時間間隔に設定されるが、これには限定されない。
上述した制御を実行する本実施形態にかかる電気車制御装置1は、一例として、図1に示されるように、すべり速度算出部2、モータトルク指令値取得部3、および補正部4を備える。また、インバータ制御回路5は、補正部4の出力としてのモータトルク指令値Tcfに基づいてインバータ10を制御し、ひいてはモータ20を制御する。また、インバータ10は、交流電力(一例としては三相交流)を出力する電力変換装置であって、一例としては、出力交流電力の実効電圧ならびに周波数を可変制御する所謂VVVFインバータである。インバータ制御回路5は、インバータ10に含まれる複数の半導体素子(例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)等)の動作(オンオフ)を制御する。
また、電気車制御装置1の、少なくとも、すべり速度算出部2、モータトルク指令値取得部3、および補正部4の各部は、一例としては、コンピュータのCPU(central processing unit、図示されず)がプログラム(ソフトウエア、アプリケーション)にしたがって動作することによって、実現される。プログラムや当該プログラムで用いられるデータ等は、コンピュータのHDD(hard disk drive)等の記憶部(図示されず)に記憶される(インストールされる)。
図1,4に示されるように、すべり速度算出部2は、車輪速度Vwから車両速度Vvを減算することで、すべり速度Vsを算出する。すべり速度Vsは、車輪とレールとの接触部分における速度である。車輪速度Vwは、一例として、モータ20によって駆動される車輪(動輪、駆動輪)の回転速度から算出することができる。また、車両速度Vvは、一例として、モータ20によって駆動されていない車輪(従輪、非駆動輪)の回転速度から算出することができる。また、電気機関車など、モータ20によって駆動されていない車輪を有さず、モータ20によって駆動される車輪を複数有する場合には、モータ20によって駆動される複数の車輪のうち最も回転速度が低い車輪、あるいは2番目に回転速度が低い車輪の回転速度から、車両速度Vvを算出する(代用する)ことができる。車輪の回転速度は、例えば、速度発電機(タコジェネレータ)によって検出することができるし、モータ20の回転速度からギヤ比を用いて算出(換算)することもできる。
図1,4に示されるように、モータトルク指令値取得部3は、入力指令値Cnとモータ20の回転速度Vmとに応じたモータトルク指令値Tcを取得する。入力指令値Cnは、例えばマスターコントローラ(マスコン)等の入力操作部6の操作者(運転士等)の操作入力に基づく値である。入力指令値Cnは、一例としては、ノッチの位置(段)を示す値である。モータトルク指令値Tcは、図4に例示されるような予め設定された回転速度Vmとモータトルク指令値Tcとの関係R(関数、テーブル等)に基づいて、回転速度Vmに応じた値として決定される。なお、関係Rは、例えば、入力指令値Cn毎に複数設定されており、モータトルク指令値取得部3は、入力指令値Cnに対応した関係Rに基づいて、回転速度Vmに応じたモータトルク指令値Tcを取得する。なお、モータトルク指令値Tcは、補正部4で補正される前の値である。
補正部4は、すべり速度算出部2で算出されたすべり速度Vsに応じて、モータトルク指令値取得部3で取得されたモータトルク指令値Tcを補正し、補正されたモータトルク指令値Tcfを出力する。すなわち、補正部4は、すべり速度Vsに応じて、モータトルク指令値Tcを、モータトルク指令値Tcfに補正する。
補正部4は、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、すべり速度補正値算出部41と、トルク補正値算出部42と、加算部43と、を備える。
トルク補正値算出部42は、フィルタ部42aと、加算部42bと、乗算部42cと、を備える。フィルタ部42aは、例えばローパスフィルタであり、すべり速度Vsの短周期の変動成分(高周波成分)を除去する。このフィルタ部42aによって、高周波成分による影響を減らすことができる。加算部42b(減算部)では、すべり速度Vsからすべり速度補正値ΔVsを減算する。乗算部42cは、加算部42bの出力結果に、係数G(ゲイン)を乗算する。よって、本実施形態では、一例として、トルク補正値算出部42で、次の式(1)で示されるトルク補正値ΔTc(補正量)が算出される。
(数1)
ΔTc=G・(Vs−ΔVs) ・・・(1)
加算部43は、モータトルク指令値Tcからトルク補正値ΔTcを減算して、モータトルク指令値Tcfを算出する。すなわち、本実施形態では、一例として、補正部4では、各補正タイミングで、次の式(2)で示されるモータトルク指令値Tcfが算出される。
(数2)
Tcf=Tc−ΔTc
=Tc−{G・(Vs−ΔVs)}
=−G・Vs+G・ΔVs+Tc
=Fvt(Vs) ・・・(2)
なお、式(2)に示された関数Fvt(Vs)はモータトルク指令値Tcfであり、図3に示された関数Fvtはモータ20のトルクTmであるので、これらは次元(ディメンジョン)が異なるが、すべり速度Vsに対する特性(変化)は同様である。
本実施形態では、上記式(2)において、(−G・Vs)の項の補正、すなわち、すべり速度Vsに応じた補正、より詳しくは、すべり速度Vsが大きいほどモータトルク指令値Tcfを小さくする補正を、第一の補正部が行う。本実施形態では、一例として、第一の補正部は、補正部4のうち、乗算部42cおよび加算部43を含む。この第一の補正部によって、図3の関数Fvt上での動作点の移動が実現される。
また、本実施形態では、上記式(2)において、(+G・ΔVs)の項の補正を、第二の補正部が行う。本実施形態では、一例として、第二の補正部は、補正部4のうち、すべり速度補正値算出部41および加算部42bを含む。また、この第二の補正部によって、図3の関数Fvtの変更が実現される。
すべり速度補正値算出部41は、本実施形態では、一例として、すべり速度補正値ΔVs(新たなすべり速度補正値ΔVs)を、モータトルク指令値Tcfおよびすべり速度補正値ΔVsに基づいて算出する。本実施形態では、モータトルク指令値Tcfは第一パラメータの一例であり、すべり速度補正値ΔVsは第二パラメータの一例である。すべり速度補正値算出部41は、変化率算出部41a,41b(微分部)と、乗算部41cと、符号検出部41dと、切替部41eと、積算部41fと、を有する。変化率算出部41aは、第一パラメータ(本実施形態では、一例としてモータトルク指令値Tcf)の時間変化率(時間変化)を算出する。また、変化率算出部41bは、第二パラメータ(本実施形態では、一例としてすべり速度補正値ΔVs)の時間変化率(時間変化)を算出する。なお、変化率算出部41a,41bでの時間変化率(時間変化)の演算には、過去のタイミングでの値が用いられる。よって、電気車制御装置1には、図示されない記憶部(RAM:random access memory、HDD:hard disk drive等)が設けられ、当該記憶部に、各パラメータの過去のタイミングでの値が記憶されている。また、変化率は、一例としては、現在より所定時間前から現在までの第一期間における値の平均値(第一平均値)または積算値(第一積算値)と、第一期間より前の第二期間における値の平均値(第二平均値)または積算値(第二積算値)との時間差分として算出される。積算値が用いられる場合、第一期間と第二期間の長さは同じである。このように、比較的長い期間における値(平均値あるいは積算値)を用いることで、値の短周期の変動成分(高周波成分)によって悪影響が生じるのを抑制しやすい。そして、乗算部41cは、変化率算出部41a,41bで算出された第一パラメータおよび第二パラメータの時間変化率を乗算する。符号検出部41dは、乗算部41cの出力結果としての数値の符号を検出する。
ここで、符号検出部41dでの出力結果としての符号について説明する。本実施形態での第一パラメータとしてのモータトルク指令値Tcfは、トルクTmの増減に応じて増減する。また、本実施形態での第二パラメータとしてのすべり速度補正値ΔVsは、すべり速度Vsの増減に応じて増減する。なお、第二パラメータとしてのすべり速度補正値ΔVsが増加すると、図3中で関数Fvtは右側(上側、右上側)に移動し、すべり速度補正値ΔVsが減少すると、図3中で関数Fvtは左側(下側、左下側)に移動する。
したがって、上述したパターン1の場合、すなわち、関数Fvtを変化させた際に、トルクTmが増加し、かつすべり速度Vsも増加する場合は、第一パラメータとしてのモータトルク指令値Tcfの時間変化率の符号は(+)、第二パラメータとしてのすべり速度補正値ΔVsの時間変化率の符号は(+)となり、この場合の符号検出部41dの検出結果は、+となる。
また、上述したパターン2の場合、すなわち、関数Fvtを変化させた際に、トルクTmが増加し、かつすべり速度Vsが減少する場合は、第一パラメータとしてのモータトルク指令値Tcfの時間変化率の符号は(+)、第二パラメータとしてのすべり速度補正値ΔVsの時間変化率の符号は(−)となり、この場合の符号検出部41dの検出結果は、(−)となる。
また、上述したパターン3の場合、すなわち、関数Fvtを変化させた際に、トルクTmが減少し、かつすべり速度Vsも減少する場合は、第一パラメータとしてのモータトルク指令値Tcfの時間変化率の符号は(−)、第二パラメータとしてのすべり速度補正値ΔVsの時間変化率の符号は(−)となり、この場合の符号検出部41dの検出結果は、(+)となる。
また、上述したパターン4の場合、すなわち、関数Fvtを変化させた際に、トルクTmが減少し、かつすべり速度Vsが増加する場合は、第一パラメータとしてのモータトルク指令値Tcfの時間変化率の符号は(−)、第二パラメータとしてのすべり速度補正値ΔVsの時間変化率の符号は(+)となり、この場合の符号検出部41dの検出結果は、(−)となる。
上述したように、パターン1およびパターン3の場合は、粘着領域であり、パターン2およびパターン4の場合は、空転領域である。そして、符号検出部41dにおける検出結果としての符号は、上述したように、粘着領域であるパターン1およびパターン3の場合は、(+)であり、空転領域であるパターン2およびパターン4の場合は、(−)である。このように、符号検出部41dでの符号の検出結果(に対応した出力)によって、粘着領域にあるか、空転領域にあるかを検出(判別、識別)することができる。すなわち、本実施形態では、一例として、変化率算出部41a,41bや、乗算部41c、符号検出部41d等によって、粘着領域にあるか空転領域にあるかを判別する領域判別部が構成されていると言うことができる。
切替部41eは、符号検出部41dでの検出結果が(+)である場合、すなわち、粘着領域であるパターン1およびパターン3の場合には、すべり速度補正値ΔVsの増分(+d)を出力し、符号検出部41dでの検出結果が(−)である場合、すなわち、空転領域であるパターン2およびパターン4の場合には、すべり速度補正値ΔVsの増分(−d)を出力する。
積算部41f(積分部)は、切替部41eの切り替えに応じて出力された増分(+dまたは−d)を、その前の変更タイミングまでの増分(+dまたは−d)の積算値(直前の変更タイミングでのすべり速度補正値ΔVsの値)に加算する。上述した記憶部には、その前のタイミングまでの増分(+dまたは−d)の積算値(直前の変更タイミングでのすべり速度補正値ΔVsの値)が記憶されている。
上述した構成では、粘着領域であるパターン1およびパターン3の場合は、すべり速度補正値ΔVsが(+d)増大する。よって、本実施形態では、第二の補正部の演算によって、図3中で、関数Fvtを右側(上側、右上側)へ移動させることができ、ひいては、第一の補正部の演算によって、特性Crの極大値に近い関数Fvtと特性Crとの交点P(動作点)に対応した動作状態、すなわち、接線力が極大値により近いすべり速度Vs(すべり率)の状態を得ることができる。
一方、上述した構成では、空転領域であるパターン2およびパターン4の場合には、すべり速度補正値ΔVsが(+d)減少する((−d)増大する)。よって、本実施形態では、第二の補正部の演算によって、図3中で、関数Fvtを左側(下側、左下側)へ移動させることができ、ひいては、第一の補正部の演算によって、特性Crの極大値に近い関数Fvtと特性Crとの交点P(動作点)に対応した動作状態、すなわち、接線力が極大値により近いすべり速度Vs(すべり率)の状態を得ることができる。なお、増分(+dまたは−d)の大きさ(絶対値、|d|)は、本実施形態では、一例として、一定値であり、適宜に設定される。
本実施形態では、一例として、第二の補正部は、すべり速度補正値ΔVsを増分(+dまたは−d、変更量)の分だけ変化させている(変更している)。これに伴って、トルク補正値ΔTcは、増分(+G・dまたは−G・d)の分だけ変化している。すなわち、第二の補正部は、トルク補正値ΔTc(補正量)を増分(+G・dまたは−G・d、変更量)の分だけ変化させている(変更している)と言うことができる。
また、すべり速度補正値算出部41は、補正部4での第一の補正部および第二の補正部による補正タイミング(例えば、1ms間隔)に比べて長い時間間隔の変更タイミング(例えば、1s間隔)ですべり速度補正値ΔVsを変化させる(変更する)。そして、補正部4では、次の変更タイミングですべり速度補正値ΔVsが算出されるまでの間は、前の変更タイミングでのすべり速度補正値ΔVsの値が保持され(維持され)、補正にかかる演算に用いられる。よって、電気車制御装置1には、図示されない記憶部(RAM:random access memory、HDD:hard disk drive等)が設けられ、当該記憶部に、前の変更タイミングでのすべり速度補正値ΔVsの値が記憶されている。
以上説明したように、本実施形態にかかる電気車制御装置1は、一例として、第一の補正部(乗算部42c、および加算部43)と、第二の補正部(すべり速度補正値算出部41、加算部42b、乗算部42c、および加算部43)と、を有して、モータトルク指令値取得部3で取得されたモータトルク指令値Tcを補正して、補正されたモータトルク指令値Tcfを得る補正部4、を備えた。第一の補正部は、取得されたモータトルク指令値Tcを、算出されたすべり速度Vsに応じて補正する。第二の補正部は、取得されたモータトルク指令値Tcを、モータ20のトルクTmの時間変化およびすべり速度Vsの時間変化に応じて、すべり速度Vsに対応したトルクTtの最大値に近付くよう補正する。よって、本実施形態によれば、一例としては、より高い粘着係数μが得られるすべり率λ(すべり速度Vs)の状態でモータ20が駆動されやすい。よって、一例としては、車両をより高い駆動力で駆動することができる。
また、本実施形態では、一例として、第二の補正部は、すべり速度Vsが大きくなるほどトルクTtが大きくなる状態(すなわち、粘着領域)では、モータトルク指令値Tcfを増大させ、すべり速度Vsが大きくなるほどトルクTtが小さくなる状態(すなわち、空転領域)では、モータトルク指令値Tcfを減少させる。よって、本実施形態によれば、一例としては、車輪の粘着および空転の状況に応じてモータトルク指令値Tcfの増大および減少を切り替えることができる。よって、一例としては、より迅速にあるいはより確実に、より高い粘着係数μが得られるすべり率λ(すべり速度Vs)の状態が得られやすい。
また、本実施形態では、一例として、第二の補正部は、モータトルク指令値Tcを補正する時間間隔より長い時間間隔でモータトルク指令値Tcの補正量としてのトルク補正値ΔTcを変更するとともに、補正する各タイミングでモータトルク指令値Tcの補正量としてのトルク補正値ΔTcを前回変更したタイミングに比べて一定量(|G・d|)増加または減少させる。よって、本実施形態によれば、一例としては、モータトルク指令値Tcの補正(補正されたモータトルク指令値Tcfの取得)にかかる演算が、より容易にあるいはより迅速に実行されやすい。
また、本実施形態では、一例として、第二の補正部は、トルクTmの変化に対応して変化する第一パラメータ(本実施形態では、一例としてモータトルク指令値Tcf)の時間変化率の符号と、すべり速度Vsの変化に対応して変化する第二パラメータ(本実施形態では、一例としてすべり速度補正値ΔVs)の時間変化率の符号と、に応じてモータトルク指令値Tcを補正する。よって、本実施形態によれば、一例としては、粘着領域および空転領域に応じたモータトルク指令値Tcの補正量としてのトルク補正値ΔTcの増加あるいは減少を決定する演算、ひいては、モータトルク指令値Tcの補正(補正されたモータトルク指令値Tcfの取得)にかかる演算が、より容易にあるいはより迅速に実行されやすい。
また、本実施形態では、一例として、第二パラメータはすべり速度補正値ΔVsである。よって、本実施形態によれば、一例としては、不要な変動成分が比較的少ないすべり速度補正値ΔVsによって、モータトルク指令値Tcの補正(補正されたモータトルク指令値Tcfの取得)にかかる演算、ひいては、モータトルク指令値Tcの補正(補正されたモータトルク指令値Tcfの取得)にかかる演算が、より精度良くあるいはより迅速に実行されやすい。
<第2実施形態>
図5に示される本実施形態にかかる補正部4A(すべり速度補正値算出部41A)は、第一パラメータとしてすべり速度Vsを用いる点が、上記第1実施形態にかかる補正部4(すべり速度補正値算出部41)と相違している。この点を除き、第2実施形態にかかる補正部4Aは、上記第1実施形態にかかる補正部4と同じである。補正部4Aは、第1実施形態にかかる電気車制御装置1の補正部4に替えることができる。本実施形態では、すべり速度補正値算出部41A、加算部42b、乗算部42c、および加算部43が、第二補正部の一例である。
すなわち、本実施形態では、変化率算出部41bは、すべり速度Vsの時間変化率を算出する。また、変化率算出部41bの前段には、フィルタ部41gが設けられている。フィルタ部41gは、例えばローパスフィルタであり、すべり速度Vsの短周期の変動成分(高周波成分)を除去する。このフィルタ部41gによって、高周波成分による影響を減らすことができる。
上述したように、すべり速度Vsの時間変化率は、すべり速度補正値ΔVsの増減に伴って増減する。よって、本実施形態にかかる補正部4Aも、上記第1実施形態にかかる補正部4と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
図6に示される本実施形態にかかる補正部4B(すべり速度補正値算出部41B)は、符号検出部41d、切替部41e、および積算部41fに替えて、乗算部41hおよびフィルタ部41iを有する点が、上記第2実施形態にかかる補正部4A(すべり速度補正値算出部41A)と相違している。この点を除き、第3実施形態にかかる補正部4Bは、上記第2実施形態にかかる補正部4Aと同じである。補正部4Bは、第1実施形態にかかる電気車制御装置1の補正部4に替えることができる。本実施形態では、すべり速度補正値算出部41B、加算部42b、乗算部42c、および加算部43が、第二の補正部の一例である。
すなわち、本実施形態では、乗算部41cで第一パラメータの時間変化率(時間変化)および第二パラメータの時間変化率(時間変化)が乗算された値に、乗算部41hでさらに係数kが乗算され、さらに、フィルタ部41iで高周波成分が除去されることで、すべり速度補正値ΔVsが算出されている。図3において関数Fvtを移動させた場合の第一パラメータの時間変化率は、関数Fvtの移動前および移動後の二つの交点P(動作点)間のすべり速度Vsの差分に対応して増減する。また、図3において関数Fvtを移動させた場合の第二パラメータの時間変化率は、関数Fvtの移動前および移動後の二つの交点P間のトルクTt,Tmの差分に対応して増減する。ここで、図3に示されるように、特性Crでは、すべり速度Vsに対するトルクTt,Tmの変化率は、すべり速度Vsが極大値から離れるほど大きい。よって、乗算部41cで第一パラメータの時間変化率と第二パラメータの時間変化率とが乗算された値の大きさ(絶対値)は、交点Pが極大値から離れるほど大きく、交点Pが極大値に近いほど小さくなる。また、乗算部41cで第一パラメータの時間変化率と第二パラメータの時間変化率とが乗算された値の符号は、上記第1および第2実施形態と同様であって、上記パターン1およびパターン3の場合(粘着領域)は(+)となり、パターン2およびパターン4(空転領域)の場合は(−)となる。したがって、本実施形態のように、乗算部41cで第一パラメータの時間変化率と第二パラメータの時間変化率とが乗算された値に、乗算部41hで適宜な大きさの係数kが乗算されることで、極大値(交点P3)から遠い交点P(動作点)であるほど、関数Fvtの移動量がより大きくなるすべり速度補正値ΔVsを得ることができる。このように、本実施形態では、一例として、第二の補正部による演算中の変更タイミングにおける前の変更タイミングに対するすべり速度補正値ΔVsの変更量(δVsとする)、ひいては、第二の補正部によるトルク補正値ΔTcの変更量(δVs・G)を、各変更タイミングで変化させることができる。なお、関数Fvtの移動の方向は、粘着領域では右側(上側、右上側)、空転領域では左側(下側、左下側)である点は、上記第1および第2実施形態と同じである。なお、変更量δVsとして、第二パラメータの時間変化率に対する第一パラメータの時間変化率に対応した他の値を用いることができるし、ゲインも適宜に設定することができる。
以上の本実施形態によれば、一例として、第二の補正部は、モータトルク指令値Tcを補正する時間間隔より長い時間間隔でモータトルク指令値Tcの補正量としてのトルク補正値ΔTcの変更量(δVs・G)を変更するとともに、変更する各タイミングでの変更量(δVs・G)を、すべり速度Vsの時間変化に対するモータ20のトルクTmの時間変化が大きいほど大きくする。よって、本実施形態によれば、一例としては、より迅速にあるいはより精度良く、トルクTtの極大値に近いすべり速度Vsに対応したトルクTmが得られやすくなる。また、本実施形態によれば、一例としては、図3において、関数Fvtが極大値を跨いで移動するような状態、すなわち、粘着領域と空転領域の間を交互に行き来するような状態となるのが抑制されやすい。
また、本実施形態では、一例として、第二の補正部は、トルクTmの変化に対応して変化する第一パラメータ(本実施形態では、一例としてモータトルク指令値Tcf)の時間変化率の値と、すべり速度Vsの変化に対応して変化する第二パラメータ(本実施形態では、一例としてすべり速度Vs)の時間変化率の値と、に応じてモータトルク指令値Tcを補正する。よって、モータトルク指令値Tcの補正量としてのトルク補正値ΔTcの変更量(δVs・G)を変更する演算が、ひいては、モータトルク指令値Tcを補正する演算が、より容易にあるいはより迅速に実行されやすい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第一パラメータは、モータのトルクTmの変化に対応して変化する物理量であればよく、上記実施形態で用いられたモータトルク指令値Tcf以外の物理量とすることができる。一例としては、図1に示されるように、電流センサ21で測定した電流値Ir、ひいてはこの電流値Irに基づいて算出されたトルクTrを、第一パラメータとすることができる。また、第二パラメータは、すべり速度の変化に対応して変化する物理量であればよく、第二パラメータを、上記実施形態で用いられたすべり速度補正値ΔVsやすべり速度Vs以外の物理量とすることができる。また、例えば、モータの回転速度(回転数)を用いて車輪速度を算出し、複数のモータの回転速度を用いて車両速度の代用速度を算出し、それらの差分からすべり速度を算出することができる。また、第一パラメータや第二パラメータ以外のパラメータや、補正部等の各構成要素の構成、各構成要素における演算等も、請求の範囲に記載された発明の技術的特徴および技術的思想と同等の範囲で適宜に変更することができる。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、第一パラメータの時間変化率と第二パラメータの時間変化率とを乗算した値の符号によって、粘着領域と空転領域とを区別したが、これには限定されず、第一パラメータの時間変化率の符号と、第二パラメータの時間変化率の符号との組み合わせによって、上記パターン1〜4に対応した制御が実行されてもよい。
1…電気車制御装置、2…すべり速度算出部、3…モータトルク指令値取得部、4,4A,4B…補正部、20…モータ、41,41A,41B…すべり速度補正値算出部(第二の補正部)、42b…加算部(第二の補正部)、42c…乗算部(第一の補正部、第二の補正部)、43…加算部(第一の補正部、第二の補正部)、Cn…入力指令値、Tc,Tcf…モータトルク指令値、Tm,Tt…トルク、Vm…(モータの)回転速度、Vs…すべり速度、Vv…車両速度、Vw…車輪速度(車輪の)回転速度、ΔTc…補正量。

Claims (6)

  1. 車輪を駆動するモータの回転速度と操作入力に基づく入力指令値とに応じたモータトルク指令値を取得するモータトルク指令値取得部と、
    車輪の回転速度と車両速度とに基づいて車輪のレールに対するすべり速度を算出するすべり速度算出部と、
    前記取得されたモータトルク指令値を、前記算出されたすべり速度に応じて補正する第一の補正部と、
    前記取得されたモータトルク指令値を、前記モータのトルクの時間変化および前記すべり速度の時間変化に応じて、前記すべり速度に対応した前記トルクの最大値に近付くよう補正する第二の補正部と、
    を備えた電気車制御装置。
  2. 前記第二の補正部は、前記すべり速度が大きくなるほど前記トルクが大きくなる状態では、前記モータトルク指令値を増大させ、前記すべり速度が大きくなるほど前記トルクが小さくなる状態では、前記モータトルク指令値を減少させる、請求項1に記載の電気車制御装置。
  3. 前記第二の補正部は、前記モータトルク指令値を補正する時間間隔より長い時間間隔で前記モータトルク指令値の補正量を変更するとともに、変更する各タイミングで前記モータトルク指令値の補正量を前回変更したタイミングに比べて一定量増加または減少させる、請求項2に記載の電気車制御装置。
  4. 前記第二の補正部は、前記トルクの変化に対応して変化する第一パラメータの時間変化率の符号と、前記すべり速度の変化に対応して変化する第二パラメータの時間変化率の符号と、に応じて前記モータトルク指令値を補正する、請求項2または3に記載の電気車制御装置。
  5. 前記第二の補正部は、前記モータトルク指令値を補正する時間間隔より長い時間間隔で前記モータトルク指令値の補正量を変更するとともに、変更する各タイミングでの前記補正量の変更量を前記すべり速度の時間変化に対する前記モータのトルクの時間変化が大きいほどより大きく増加または減少させる、請求項2に記載の電気車制御装置。
  6. 前記第二の補正部は、前記トルクの変化に対応して変化する第一パラメータの時間変化率の値と、前記すべり速度の変化に対応して変化する第二パラメータの時間変化率の値と、に応じて前記モータトルク指令値を補正する、請求項2または5に記載の電気車制御装置。
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