JP2013122267A - 摩擦クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチカバー26とクラッチリフタープレート40との間にクラッチレリーズ機構4が設けられた摩擦クラッチ1において、クラッチレリーズ機構とクラッチ変位吸収機構とを分離して、クラッチをレリーズする際には、クラッチ変位吸収機構は固定され、クラッチレリーズ機構のみが動かされるようにして、クラッチレリーズ操作が軽く行われるようにし、クラッチ操作フィーリングを向上させようとするものである。
【解決手段】クラッチレバー45にて回動する前記クラッチリフタープレート40に、クラッチリフター機構43が設けられ、該クラッチリフター機構43と、クラッチカバー26に支持された支持軸27との間に、クラッチの変位を自動調整するクラッチ変位吸収機構5が設けられ、クラッチレリーズ操作の際に、前記支持軸27の回動を規制する支持軸回動規制機構48が設けられた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、摩擦クラッチにおいて、クラッチの摩擦板の磨耗あるいは熱膨張による摩擦板の厚さの変化によって生じるクラッチレリーズ機構の操作フィーリングの変化を解消して、操作フィーリングを適正に保つ手段に関するものである。
従来の技術においては、クラッチレリーズ機構によってクラッチをレリーズする際には、クラッチレリーズ機構と共にクラッチ変位吸収機構を動かす構造であったため(例えば、特許文献1参照。)、動かされる部品の点数が多く、且つ重くなっていたので、クラッチ操作フィーリングの更なる向上が求められていた。
特開2010−169167号公報
本発明は、クラッチレリーズ機構とクラッチ変位吸収機構とを分離して、クラッチをレリーズする際には、クラッチ変位吸収機構は固定され、クラッチレリーズ機構のみが動かされるようにして、クラッチレリーズ操作が軽く行われるようにし、クラッチ操作フィーリングを向上させようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
クラッチカバー(26)とクラッチリフタープレート(40)との間にクラッチレリーズ機構(4)が設けられた摩擦クラッチ(1)において、
クラッチレバー(45)にて回動する前記クラッチリフタープレート(40)に、クラッチリフター機構(43)が設けられ、該クラッチリフター機構(43)と、クラッチカバー(26)に支持された支持軸(27)との間に、クラッチの変位を自動調整するクラッチ変位吸収機構(5)が設けられたことを特徴とする摩擦クラッチ(1)に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の摩擦クラッチ(1)において、
前記クラッチレリーズ機構(4)は、前記クラッチリフタープレート(40)と、前記支持軸(27)に支持された固定カムプレート(25)との間に設けられ、前記クラッチ変位吸収機構(5)は前記固定カムプレート(25)と前記支持軸(27)とに跨って設けられることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の摩擦クラッチ(1)において、
前記クラッチ変位吸収機構(5)は、前記支持軸(27)の回動による前記固定カムプレート(25)の移動の調整を行なうバネ部材(34)と、クラッチレリーズ操作の際に、前記支持軸(27)の回動を規制する支持軸回動規制機構(48)が設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の摩擦クラッチ(1)において、
前記支持軸回動規制機構(48)は、前記支持軸(27)に一体に設けられた鍔部(28)とクラッチカバー(26)との間で規制を行なう構造であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の摩擦クラッチ(1)において、
前記バネ部材(34)は前記支持軸(27)の先端と前記固定カムプレート(25)の先端部の間に配置されることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の摩擦クラッチ(1)において、
前記支持軸(27)の前記クラッチカバー(26)側の端部と、前記クラッチカバー(26)との間に、ぜんまいバネ(50)が設けられたことを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
前記クラッチ変位吸収機構(5)が設けられているので、クラッチレリーズ操作のフィーリングが向上する。
請求項2の発明において、
クラッチレリーズ操作の際には、クラッチレリーズ機構(4)は、クラッチ変位吸収機構(5)とは独立に操作可能となるので、クラッチレリーズ操作が軽く、クラッチレリーズ操作のフィーリングが向上する。また、クラッチ変位吸収機構(5)を、コンパクトに構成することができる。
請求項3の発明において、
クラッチレリーズ操作の際には、クラッチ変位吸収機構(5)は支持軸回動規制機構(48)によって固定されるので、クラッチレリーズ機構(4)のみの操作となり、クラッチレリーズ操作が軽く行われ、クラッチレリーズ操作のフィーリングが向上する。また、簡易な構造によりクラッチの変位の吸収を行なうことができ、構造の簡略化とコストの低減が可能となる。
請求項4の発明において、
前記鍔部(28)によって前記支持軸(27)が受ける負荷を分散してクラッチカバー(26)にて受ける構造とされているので、前記支持軸(27)から受けるクラッチカバー(26)の負荷は低減されると共に、クラッチレリーズ操作時に、支持軸(27)を確実に固定することができる。
請求項5の発明において、
小さいバネ部材(34)によって、クラッチレリーズ操作終了時に、固定カムプレート(25)と支持軸(27)を元の位置へ戻すことができる。
請求項6の発明において、
ぜんまいバネ(50)によって、クラッチレリーズ操作終了時に、前記支持軸(27)と前記固定カムプレート(25)を容易に元の位置へ戻すことができる。
本発明の第1実施形態に係る摩擦クラッチの断面を後方から見た図である。 図1の摩擦クラッチの右半部の拡大断面図である。 クラッチレリーズ機構とクラッチ変位吸収機構の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る摩擦クラッチの断面を後方から見た図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る摩擦クラッチ1の断面を後方から見た図である。このクラッチは、鞍乗り型車両のパワーユニットのクランク軸(図示なし)から変速機のメイン軸2へ向かう回転動力伝達経路上に設置され、運転者の変速操作に応じて、接続解除および再接続されるものである。本実施形態では、クランク軸も変速機のメイン軸2も共に車両の左右方向に向けて配置され、摩擦クラッチがメイン軸の右端部に設けられているものを例として述べるが、これら部材の配置はこの例に限定されない。図1の左右方向は、車両の左右方向と一致している。上記摩擦クラッチ1は、クラッチ本体3とクラッチレリーズ機構4とクラッチ変位吸収機構5とからなっている。
図1の摩擦クラッチ1の左半部はクラッチ本体3である。クラッチ本体3において、変速機のメイン軸2には従動歯車6が、スリーブ7を介して上記メイン軸2に対して回転可能に遊嵌されている。従動歯車6には、クラッチアウタ8がリベット9によって固定されている。従動歯車6とクラッチアウタ8の間には緩衝部材10が設けられている。従動歯車6は、クランク軸に設けられた駆動歯車(図示なし)に噛合している。
メイン軸2には、クラッチインナ11が、スプライン12を介して、回転しないように装着されている。従動歯車6のボス部6aとクラッチインナ11のボス部11aとの間には環状部材13が介装され、クラッチインナ11の右端側は、ワッシャ14とナット15によって固定されている。即ち、クラッチインナ11は変速機のメイン軸2に対して固定されている。
クラッチアウタ8には外側摩擦板16が、クラッチインナ11には内側摩擦板17が、それぞれ複数個づつ軸方向摺動可能に保持され、交互に重なった状態で配置されている。外側摩擦板16はクラッチアウタ8に対して相対回転不可能に保持され、内側摩擦板17はクラッチインナ11に対して相対回転不可能に保持されている。クラッチインナ11のボス部11aの外周に加圧プレート18が軸方向摺動可能に取りつけられている。加圧プレート18には複数の突出部18aが設けられ、クラッチインナ11に設けられた複数の貫通孔に挿通されて図の右方へ突出している。したがって、クラッチインナ11と加圧プレート18は、メイン軸2周りの回転方向へは一体的に回転する。この摩擦クラッチ1では、上記の交互に重ねて配置してある外側摩擦板16と内側摩擦板17は、加圧プレート18の外周の加圧部18bとクラッチインナ11の外周の受圧部11bとの間に挟まれている。
加圧プレート18の突出部18aの中心部には雌ネジが設けられ、そこに装着されるボルト19を介して、前記突出部18aの頂部を連結する円環状の連結プレート20が固定されている。クラッチインナ11の外周縁部のコーナーと連結プレート20の外周部のコーナーとの間に設けられた皿ばね型クラッチスプリング21が連結プレート20を右方へ押し、ボルト19と突出部18aを介して加圧プレート18を右方へ押している。クラッチスプリング21の付勢は、メイン軸2に固定されたクラッチインナ11を基点として、加圧プレート18を右方へ押す付勢であり、加圧プレート18の加圧部18bを、クラッチインナ11の受圧部11bの方へ押し、外側摩擦板16と内側摩擦板17とを圧迫してクラッチ1を接続している。上記連結プレート20の中央貫通孔にボールベアリング22が装着されている。ボールベアリング22は左方移動不可能に保持されている。以下の説明において、外側摩擦板16と内側摩擦板17とを総称して単に摩擦板23と呼ぶ。
図2は、図1の摩擦クラッチ1の右半部の拡大図であり、クラッチレリーズ機構4とクラッチ変位吸収機構5の断面を後方から見た図である。図3は、上記クラッチレリーズ機構4とクラッチ変位吸収機構5の分解斜視図である。クラッチレリーズ機構4とクラッチ変位吸収機構5とは固定カムプレート25を境界として接している。
以下の説明は、図2と図3とを参照しながら述べる。クラッチカバー26のボス部26aに、クラッチカバー26の内方に向けて支持軸27が回動可能に保持されている。支持軸27には直径の大きい鍔部28が一体に形成されている。支持軸27の左半部に、早ネジボルト29が形成されている。
固定カムプレート25が、上記支持軸27の左半部に支持されている。固定カムプレート25は円筒部25aと複数の固定カム部25bと係止凸部25cとを備えている。固定カム部25bはカム溝とその両脇の平板部とからなっている(図3)。上記円筒部25aの内側には早ネジナット30が形成されている。上記係止凸部25cはクラッチカバーに設けられた係止凹部26bに軸方向摺動可能に嵌装されている。上記係止凸部25cと係止凹部26bとによって、固定カムプレート25の係止部31が形成され固定カムプレート25の回動が規制されている。上記固定カムプレート25の「固定」の意味は、「回動しない」という意味である。なお、軸方向には後述のクラッチ変位吸収機構5の作用によって移動可能である。
上記早ネジナット30は、前記支持軸27の左半部の早ネジボルト29に噛合っている。この両者の噛合いで構成される機構を早ネジ機構32と呼ぶ。固定カムプレート25の円筒部25aの左端は、ネジ止めされた蓋部材33で覆われている。上記支持軸27の左端と上記蓋部材33の間にコイルばね34が装着されており、固定カムプレート25を左方へ、支持軸27を右方へ押している。支持軸の鍔部28とクラッチカバー26との間には摩擦円盤35と皿ばね36が装着されている。鍔部28と摩擦円盤35の周縁凸部35aとの間に皿ばね36の付勢力による微小隙間37が形成されている。クラッチ変位吸収機構5は、固定カムプレート25とクラッチカバー26とに挟まれた部材によって構成されている。また、クラッチ変位吸収機構5の一部をなす支持軸回動規制機構48が、鍔部28と摩擦円盤35と皿ばね36とによって構成されている。
クラッチリフタープレート40が固定カムプレート25の左端に設けられている。クラッチリフタープレート40は、円筒部40aと左端突出部40bと複数の可動カム部40cとガイド孔40dを備えている。可動カム部40cはカム溝とその両脇の平板部とからなっている(図3)。上記円筒部40aは前記固定カムプレート25の円筒部25aに、その外側から、周方向及び軸方向共に摺動可能に装着されている。左端突出部40bは前記連結プレート20のボールベアリング22の内輪の内孔に左方に向けて挿入されており、ボールベアリング22の内輪の端面はクラッチリフタープレート40の肩部に接している。前記固定カム部25bと可動カム部40cの対応するカム溝の間に、ボールリテーナ41で支持された複数のボール42が挟まれている。固定カムプレート25の円筒部25a外周に、ボールリテーナ抜け止めリング49が装着されている。クラッチレリーズ機構4は、クラッチリフタープレート40と固定カムプレート25とを両端部材としてこれらに挟まれた部材によって構成されている。クラッチレリーズ機構4の中において、クラッチリフター機構43が、上記固定カム部25bと可動カム部40cとボール42及びボールリテーナ41とによって形成されている。
クラッチ本体3は、長年使用していると、摩擦板23は表面が磨耗してくる。その結果クラッチインナ11の受圧部11bと加圧プレート18の加圧部18bとの間隔が狭まる。クラッチインナ11はメイン軸2に固定されているので軸方向へは動かないが、加圧プレート18はクラッチスプリング21の付勢力によって、軸方向右方へ移動し、連結プレート20とボールベアリング22とを右方へ押す。
また、クラッチ本体3は、使用時間が長く、断接が繰り返されると、摩擦熱が発生し、摩擦板23は熱膨張によって、厚さが厚くなる。その結果クラッチインナ11の受圧部11bと加圧プレート18の加圧部18bとの間隔が広がる。したがって、上記とは逆に、加圧プレート18はクラッチスプリング21の付勢力に抗して、軸方向左方へ移動し、連結プレート20とボールベアリング22も左方へ移動する。
もし、摩擦クラッチ1に、クラッチ変位吸収機構5が設けられていないとすれば、クラッチ1が接続されている時には、クラッチリフタープレート40の軸方向位置は変わらないので、摩擦板23が磨耗してくると、ボールベアリング22とクラッチリフタープレート40との間は圧接状態となる。この時クラッチレリーズ操作が行われると通常のクラッチレリーズに要する力の他に、上記圧接力を押し返す力が余分に必要となるので、クラッチペダルの踏力も大きい力が必要となる。
また、摩擦板23が熱膨張によって、厚さが厚くなると、ボールベアリング22とクラッチリフタープレート40との間に隙間が生じる。このため、クラッチペダル(図示なし)を踏んでからクラッチ切断までのクラッチリフタープレート40のストロークが大きくなるので、クラッチペダルの踏みストロークも大となり、クラッチが切りにくくなる。要するに上記何れの場合も、クラッチレリーズのフィーリングが変わる。実際には、前記摩擦板23の表面磨耗の影響と摩擦熱発生の影響の合成された影響によりフィーリングが変わる。
本実施形態のクラッチ変位吸収機構5は、上記摩擦板23の磨耗と熱膨張によってクラッチ本体に生じる変位によってクラッチレリーズ機構4に及ぼされる変位を吸収し、クラッチレリーズ操作時に生じるフィーリングの変化を無くす機構である。
本実施形態の摩擦クラッチ1においては、クラッチ本体3における、摩擦板23の磨耗又は熱膨張によって、加圧プレート18が軸方向の右方又は左方へ変位した時、連結プレート20とボールベアリング22も軸方向へ変位する。ボールベアリング22とクラッチリフタープレート40とボール42と固定カムプレート25は、右側からクラッチスプリング21によって押され、左側からコイルばね34によって押されているので、上記の変位の際には一体となって軸方向へ移動する。固定カムプレート25は係止部31の作用によって回動せず、軸方向へのみ移動する。この時、固定カムプレート25と支持軸27との間に設けられている早ネジ機構32によって、支持軸27は回動する。支持軸27の回動によって、ボールベアリング22とクラッチリフタープレート40との軸方向変位が吸収され、これによって、磨耗や熱膨張による摩擦板23の厚さ変化の影響は解消される。
摩擦クラッチ1の下方のクラッチペダル軸44(図1)にクラッチレバー45がスプライン46を介して固定されている。クラッチペダル軸44の左端にはクラッチペダル(図示なし)が固定されている。クラッチレバー45の上端にはピン47が取付けられている。このピン47は、前記クラッチリフタープレート40のガイド孔40dに移動可能に嵌合している。
クラッチレリーズ操作としてクラッチペダルが踏まれると、クラッチペダル軸44とクラッチレバー45が回動し、前記ピン47とガイド孔40dを介してクラッチリフタープレート40が回動する。このときクラッチリフター機構において、固定カム部25bと可動カム部40cの軸方向の対応位置がずれるので、ボール42はカム溝から外れ、カム溝の外の平板部へ移動し、クラッチリフタープレート40は左へ、固定カムプレート25は右へ移動し、両者の間隔が広がる。
支持軸27が回動すれば、固定カムプレート25の移動も吸収されてしまうので、クラッチレリーズが出来なくなる。支持軸回動規制機構48はクラッチ変位吸収機構5の一部として設けられているもので、クラッチレリーズの際に、クラッチ変位吸収機構5の機能を一時停止する機構である。支持軸回動規制機構48は支持軸27に一体に設けられた鍔部28と、鍔部とクラッチカバー26との間に装着された摩擦円盤35と、鍔部28と摩擦円盤35との間に装着された皿ばね36とからなっている。上記摩擦円盤35は周縁凸部35aを備えている。
クラッチレリーズの際の固定カムプレート25の右方移動は一瞬であるので、支持軸27は回動する暇も無く、固定カムプレートに押されて右方へ僅かに移動する。この時、支持軸回動規制機構48では、皿ばね36の付勢力に抗して鍔部28が右方へ移動し、微小隙間37が無くなり、鍔部28と摩擦円盤35の周縁凸部35aとが圧接され、鍔部28及び支持軸27が回動不能に固定される。これに伴って固定カムプレート25は軸方向移動不可能に固定される。固定カムプレート25が軸方向に固定されることによって、クラッチレリーズ操作が可能になる。
クラッチレリーズ操作によって、クラッチリフタープレート40の左端突出部40bが、ボールベアリング22と連結プレート20とを介して、皿ばね型クラッチスプリング21の付勢力に抗して、加圧プレート18を左方へ押した時、摩擦クラッチ1はレリーズされる。
クラッチ摩擦板23の磨耗は年月単位の変化であり、熱膨張は時間単位の変化であるが、クラッチレリーズ操作は秒単位の変化である。クラッチレリーズの初期に固定カムプレートは軸方向に僅かに移動するが、クラッチレリーズ操作時の固定カムプレート25の動きは前記の変位吸収時の固定カムプレート25の動きに比して、はるかに素早い動きであるので、支持軸27は、ほとんど回動する暇も無く回動不能に固定され、これによって固定カムプレート25は軸方向移動不可能に固定されるので、クラッチレリーズ操作が可能になるのである。
クラッチレリーズ操作を終わり、クラッチ再接続のために、クラッチペダルの踏み込みが解除されると、クラッチリフタープレート40は回動し、元の位置へ戻る。クラッチリフター機構において、ボール42は再び可動カム部40cと固定カム部25bのカム溝の中へ収まる。クラッチリフタープレート40はクラッチ本体3側から右方へ押される。固定カムプレート25はコイルばね34によって左方へ押されている。クラッチリフタープレート40と固定カムプレート25との間隔が狭まる。固定カムプレート25が左方へ移動するので、微小隙間37が開き、支持軸回動規制機構48は規制が解除される。結局、クラッチが再接続されると、摩擦クラッチ1の全体、即ちクラッチ本体3、クラッチレリーズ機構4、及びクラッチ変位吸収機構5の各部材は、すべてクラッチレリーズ前の位置に戻る。
図4は本発明の第2実施形態に係る摩擦クラッチ1の断面を後方から見た図である。第2実施形態においては、第1実施形態と同じ機能の部材には同じ名称と同じ符号を付して説明する。クラッチ本体3とクラッチレリーズ機構4とクラッチ変位吸収機構5の構成と作用は第1実施形態と略同じであるが、第2実施形態では、クラッチ変位吸収機構5の一部が第1実施形態と相違している。相違点は、第1実施形態における固定カムプレート25の左端部の蓋部材33とコイルばね34が取り除かれ、代わりに、第2実施形態では支持軸27の右端部とクラッチカバー26の間にぜんまいバネ50が設けられた点である。
クラッチ本体3の摩擦板23の磨耗あるいは熱膨張によって、クラッチ本体3側の変位によって、クラッチリフタープレート40の変位が生じると、固定カムプレート25も軸方向に移動する。固定カムプレート25の軸方向移動に伴って、固定カムプレート25と支持軸27との間の早ネジ機構32により、支持軸27はぜんまいバネ50の付勢力に応じて回動する。即ち支持軸27の回動によって、ボールベアリング22の変位によるクラッチリフタープレート40の変位が吸収される。
クラッチレリーズ操作としてクラッチペダルが踏まれると、クラッチペダル軸44とクラッチレバー45が回動し、前記ピン47とガイド孔40dを介してクラッチリフタープレート40が回動する。このときクラッチリフター機構43において、固定カム部25bと可動カム部40cの軸方向の対応位置がずれるので、ボール42はカム溝から外れ、カム溝の外の平板部へ移動し、クラッチリフタープレート40と固定カムプレート25との間隔が広がる。クラッチリフタープレート40と固定カムプレート25との間隔が広がると、支持軸27が右方へ押され、鍔部28が右方へ移動し、微小隙間37が無くなり、鍔部28と摩擦円盤35の周縁凸部35aとが圧接され、支持軸の回動が規制される。クラッチ本体3側では、クラッチリフタープレート40の左端突出部40bが、ボールベアリング22と連結プレート20とを介して加圧プレート18を左方へ押し、摩擦クラッチ1はレリーズされる。
クラッチ再接続のためにクラッチレリーズ操作を終わる時には、クラッチペダルの踏み込みが解除される。この時、クラッチリフタープレート40は回動し、元の位置へ戻り、ボール42は再び可動カム部40cと固定カム部25bのカム溝の中へ収まる。クラッチリフタープレート40はクラッチ本体3側から右方へ押される。ぜんまいバネ50は、その付勢力によって、支持軸27を回動させ、固定カムプレート25を、左方へ押す。結局、クラッチが再接続されると、摩擦クラッチ1の全体、即ちクラッチ本体3、クラッチレリーズ機構4、及びクラッチ変位吸収機構5の各部材は、すべてクラッチレリーズが行われる前の位置に戻る。以上によって、第2実施形態のぜんまいバネ50も、第1実施形態のコイルばね34と同様に機能する。
以上詳述したように、上記実施形態においては次のような効果がもたらされる。
(1)上記実施形態では、クラッチカバー26とクラッチリフタープレート40との間にクラッチレリーズ機構4が設けられ、前記クラッチリフタープレート40に、クラッチリフター機構43が設けられ、該クラッチリフター機構43と、クラッチカバー26に支持された支持軸27との間に、クラッチの変位を自動調整するクラッチ変位吸収機構5が設けられているので、クラッチレリーズ操作のフィーリングが向上する。
(2)前記クラッチレリーズ機構4は、前記クラッチリフタープレート40と、固定カムプレート25との間に設けられ、前記クラッチ変位吸収機構5は前記固定カムプレート25と前記支持軸27とに跨って設けられている。したがって、クラッチレリーズ操作の際には、クラッチレリーズ機構4は、クラッチ変位吸収機構5とは独立に操作可能となるので、クラッチレリーズ操作が軽く、クラッチレリーズ操作のフィーリングが向上する。また、クラッチ変位吸収機構5を、コンパクトに構成することができる。
(3)前記クラッチ変位吸収機構5は、前記支持軸27の回動による前記固定カムプレート25の移動の調整を行なうコイルばね34と、クラッチレリーズ操作の際に、前記支持軸27の回動を規制する支持軸回動規制機構48が設けられている。したがって、クラッチレリーズ操作の際には、クラッチ変位吸収機構5は支持軸回動規制機構48によって固定されるので、クラッチリフター機構43のみの操作となり、クラッチレリーズ操作が軽く行われ、クラッチレリーズ操作のフィーリングが向上する。また、簡易な構造によりクラッチの変位の吸収を行なうことができ、構造の簡略化とコストの低減が可能となる。
(4)前記支持軸回動規制機構48は、前記支持軸27に一体に設けられた鍔部28とクラッチカバー26との間で規制を行なう構造である。前記鍔部28によって前記支持軸27が受ける負荷を分散してクラッチカバー26にて受ける構造とされているので、前記支持軸27から受けるクラッチカバー26の負荷は低減されると共に、クラッチレリーズ操作時に、支持軸27を確実に固定することができる。
(5)第1実施形態の摩擦クラッチ1においては、前記コイルばね34は前記支持軸27の先端と前記固定カムプレート25の先端部の間に配置されている。小さいコイルばね34によって、クラッチレリーズ操作終了時に、固定カムプレート25と支持軸27を元の位置へ戻すことができる。
(6)第2実施形態の摩擦クラッチ1においては、前記支持軸27の前記クラッチカバー26側の端部と、前記クラッチカバー26との間に、ぜんまいバネ50が設けられている。ぜんまいバネ50によって、クラッチ変位の吸収が可能になるとともに、クラッチレリーズ操作終了時に、前記支持軸27と前記固定カムプレート25を容易に元の位置へ戻すことができる。
1…摩擦クラッチ、4…クラッチレリーズ機構、5…クラッチ変位吸収機構、25…固定カムプレート、26…クラッチカバー、27…支持軸、28…鍔部、34…コイルばね、40…クラッチリフタープレート、43…クラッチリフター機構、45…クラッチレバー、48…支持軸回動規制機構、50…ぜんまいバネ

Claims (6)

  1. クラッチカバー(26)とクラッチリフタープレート(40)との間にクラッチレリーズ機構(4)が設けられた摩擦クラッチ(1)において、
    クラッチレバー(45)にて回動する前記クラッチリフタープレート(40)に、クラッチリフター機構(43)が設けられ、該クラッチリフター機構(43)と、クラッチカバー(26)に支持された支持軸(27)との間に、クラッチの変位を自動調整するクラッチ変位吸収機構(5)が設けられたことを特徴とする摩擦クラッチ(1)。
  2. 前記クラッチレリーズ機構(4)は、前記クラッチリフタープレート(40)と、前記支持軸(27)に支持された固定カムプレート(25)との間に設けられ、前記クラッチ変位吸収機構(5)は前記固定カムプレート(25)と前記支持軸(27)とに跨って設けられることを特徴とする請求項1に記載の摩擦クラッチ(1)。
  3. 前記クラッチ変位吸収機構(5)は、前記支持軸(27)の回動による前記固定カムプレート(25)の移動の調整を行なうバネ部材(34)と、クラッチレリーズ操作の際に、前記支持軸(27)の回動を規制する支持軸回動規制機構(48)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の摩擦クラッチ(1)。
  4. 前記支持軸回動規制機構(48)は、前記支持軸(27)に一体に設けられた鍔部(28)とクラッチカバー(26)との間で規制を行なう構造であることを特徴とする請求項3に記載の摩擦クラッチ(1)。
  5. 前記バネ部材(34)は前記支持軸(27)の先端と前記固定カムプレート(25)の先端部の間に配置されることを特徴とする請求項4に記載の摩擦クラッチ(1)。
  6. 前記支持軸(27)の前記クラッチカバー(26)側の端部と、前記クラッチカバー(26)との間に、ぜんまいバネ(50)が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の摩擦クラッチ(1)。
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