JP2013122080A - スパッタリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象物表面にプラズマダメージを与えずに成膜速度、歩留まりを向上させるスパッタリング装置を提供することにある。
【解決手段】磁石装置30が形成する磁場の水平成分の大きさが、ターゲット12の表面で150G以上200G以下の範囲になり、かつ、配置台16の表面で20G以下になるように、ターゲット12と磁石装置30との間の距離やターゲット12と配置台16との間の距離を調整し、磁石装置30をターゲット装置15の裏面側に配置する。これにより、ターゲット12表面のプラズマ密度を低くするとともに、ターゲット12表面の密度を低くされたプラズマが配置台16表面に載置された処理対象物48表面に到達する割合が小さくなり、処理対象物48の表面に形成されるプラズマ密度を低くできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、全固体薄膜リチウム二次電池を製造するためのスパッタリング装置に係り、特に、全固体薄膜リチウム二次電池の固体電解質膜を形成するスパッタリング装置に関する。
現在、全固体薄膜リチウム二次電池には、窒素置換リン酸リチウム(LiPON)を用いた固体電解質膜が実用化されている。
LiPONを含有する固体電解質膜の製造装置及び製造方法は、下記特許文献1、2、3に記載されている。
特許文献1では、軟質電解質(例、重合体ゲル電解質)が、負極(例、金属リチウム)および/または正極(例、LiCoO2)を被覆する硬質電解質(LiPONを含む固体電解質)の間にある複合多層電解質について記載されている。
特許文献2では、プラズマダメージのない固体電解質膜を形成する観点から、スパッタリングする雰囲気の圧力に注目し、リン酸リチウム焼結体からなるターゲットに高周波電力を印加し、0.1〜1.0Paの圧力下、ターゲットをスパッタリングする方法が提案されている。また、この固体電解質膜を備えた薄膜固体リチウムイオン2次電池を製造する方法が提案されている。
特許文献3では、プラズマダメージのない固体電解質膜を形成する観点から、ターゲットの直径と配置台の直径との差の半分の大きさが、配置台の側面からグランド電位の防着板の側面までの最短距離よりも小さく、また、配置台の側面からグランド電位の防着板の側面までの最短距離が、配置台の上面の延長面から防着板の底面までの最短距離よりも小さくなるように、防着板及び配置台を配置するスパッタリング装置が示されている。この装置を用いて、スパッタリング法により、希ガス及び窒素ガスを供給して、固体電解質薄膜を形成し、得られた固体電解質薄膜を有する薄膜固体リチウムイオン2次電池を形成している。
特表2009−502011号公報 特開2009−187682号公報 特開2009−179867号公報
例えば上記のような方法で固体電解質のダメージを低下させても、成膜速度を向上させるために投入するRF電力を増加させると、ダメージが発生し、固体電解質膜の膜機能の低下や、内部応力の発生による膜剥がれが生じるという問題がある。
本発明者らは、RF電力を増大させたときに、固体電解質膜にダメージが発生するのは、固体電解質膜の表面でのプラズマ密度が高くなることが原因であることを見出した。
そして、その観点から、本願発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置されたターゲットと、前記ターゲット裏面に配置され、前記ターゲット表面にターゲット側磁界を形成する磁石装置と、前記ターゲットに対面して配置され、前記磁石装置によって表面に基板側磁界が形成される配置台とを有し、前記ターゲット側磁界の前記ターゲット表面に平行な成分は、150ガウス以上200ガウス以下の大きさにされ、前記基板側磁界の前記配置台表面に平行な成分は20ガウス以下の大きさにされたスパッタリング装置である。
また、本願発明は、前記ターゲットは、リチウム化合物であるスパッタリング装置である。
また、本願発明は、前記リチウム化合物は、Li3PO4であるスパッタリング装置である。
本発明によれば、ターゲット表面で磁石装置が形成する磁場の水平成分の大きさが150G以上200G以下の範囲にされており、その結果、ターゲット表面でプラズマ密度が低くなっている。
それに加え、磁石装置によって、配置台の表面上に形成される磁場の水平成分の大きさは、最大値が20G以下にされている。
配置台に配置される基板の厚みは1mm以下であり、その厚みではターゲットの表面と基板の表面との間の距離と、ターゲットの表面と配置台の表面との間の距離との相違は小さく、いずれについても基板表面の磁場の水平成分の大きさも20G以下(0Gを含む)にされており、ターゲット表面に形成されたプラズマが、磁場によって配置台まで伸びる割合が小さくされており、ターゲット表面でのプラズマ密度が低くされたことと相俟って、配置台表面のプラズマ密度が低くなり、固体電解質膜は、プラズマダメージを与えずに高電力のスパッタリングで形成することができる。その結果、成膜速度と固体電解質膜の生産性が大幅に向上する。
(a):本発明のスパッタリング装置の構成を説明するための図 (b):本発明のスパッタリング装置の使用方法を説明するための図 (a)、(b)、(c)、(d):処理対象物、薄膜リチウム二次電池を説明するための図 (a)、(b):ターゲット表面の位置と、ターゲット表面上の磁場の水平成分の大きさとの関係を示すグラフ 投入したRF電力に対する成膜速度を示すグラフ 投入したRF電力に対する膜厚均一性を示すグラフ
<本発明のスパッタリング装置の構造>
本発明のスパッタリング装置の構造を説明する。
図1の符号2は、本発明のスパッタリング装置を示している。
このスパッタリング装置2は、真空槽11を有している。
真空槽11は容器状であり、その開口の縁上には、リング状の絶縁体17が配置されており、絶縁体17を介して、真空槽11の開口上にバッキングプレート13が配置されている。
バッキングプレート13の真空槽11の内部に向けられた表面には、ターゲット12が固定されている。
ターゲット12は、固体電解質膜を形成するための材料が板状に成形されて構成されており、ここではターゲット12はLi3PO4の焼結体で構成されている。
真空槽11の外部には真空排気装置19が配置されている。真空排気装置19は真空槽11に接続されており、真空排気装置19を動作させると、真空槽11の内部を真空排気できるように構成されている。
真空槽11の外部にはRF電源14が配置され、バッキングプレート13は、RF電源14に接続されている。バッキングプレート13と真空槽11との間は、絶縁体17によって絶縁されている。
真空槽11は接地電位に接続されており、RF電源14を起動すると、バッキングプレート13を介してターゲット12に高周波電力が印加される。
真空槽11の内部底面側には、上記磁石装置30が裏面に配置されたターゲット12と対向して配置台16が配置されている。配置台16の表面は平坦にされており、その表面には、成膜処理する基板状の処理対象物を載置できるようにされている。なお、配置台16は、絶縁体18を介して接地されている。
真空槽11の外部にはガス導入装置20が配置されており、真空槽11の内部には、防着板21が配置されている。
この防着板21は、ターゲット12と配置台16との間の空間であるスパッタリング空間を取り囲んでおり、ターゲット12の表面と、配置台16の表面とは、スパッタリング空間内に露出されている。
防着板21には導入口22が設けられており、ガス導入装置20が導入口22にガスを供給し、供給されたガスは、導入口22からスパッタリング空間に導入されるようになっている。ここでは、スパッタリングガス(ここでは窒素ガス)が直接導入される。
真空槽11内の真空排気と、スパッタリング空間へのスパッタリングガスの導入を継続しながら、ターゲット12に高周波電力を印加すると、ターゲット12表面にプラズマが形成され、ターゲット12がスパッタリングされる。
ターゲット装置15の裏面側には磁石装置30が配置されている。
磁石装置30は、N極がターゲット装置15の裏面側に向けられた第一磁石31と、S極がターゲット装置15の裏面側に向けられた第二磁石32とを有している。
第一磁石31のN極から出た磁力線はターゲット装置15を貫通し、ターゲット12の表面上で湾曲し、再びターゲット装置15を貫通して第二磁石32のS極に入るようになっており、ターゲット12の表面上には、磁石装置30によって湾曲する磁場が形成されている(ターゲット側磁界)。
ターゲット12表面のプラズマの密度は、ターゲット12表面に形成される磁場の強度うち、ターゲット12表面と平行な方向の成分である水平成分の大きさ(水平磁束密度)と密接した関係にあり、水平強度が大きいと、ターゲット12表面のプラズマ密度が高くなるが、水平強度が大きすぎると、プラズマ密度が高くなりすぎる。
本発明のスパッタリング装置2では、ターゲット12表面での水平強度が、150G(150ガウス)以上200G以下の範囲に入るように、磁石装置30の強度の値と、磁石装置30とターゲット12表面との距離の値とが設定されており、その範囲の水平強度にされることにより、ターゲット12表面のプラズマ密度が、150Gよりも高い場合に比べて低くなる。そして、後述するように配置台16表面での磁場の水平成分の大きさを20G以下(0Gを含む)にすることにより、本発明ではターゲット12表面のプラズマ密度を、それ以上低くしなくても、処理対象物の表面上で形成されるプラズマの密度を低くすることができる。
磁石装置30の一例として、SUS430の台板に20mm×10mm×20mmのサイズのネオジム磁石を複数配置した磁石装置30を、ターゲット装置15の裏面側に配置し、ターゲット12表面での磁場強度を測定したところ、ターゲット12表面の位置と、水平成分の大きさとの関係の測定結果は、図3(a)、(b)の符号A、Dで示す曲線上の測定値a、dでそれぞれ示される。
図3(a)、(b)の縦軸は、ターゲット12表面上での水平成分の大きさを表し、横軸はターゲット12の中心から、ターゲット12表面に沿った方向の距離を表しており、同図(a)と同図(b)とは、互いに直交する方向に沿った距離を示している。
この磁石装置30が形成するターゲット12表面の磁場の水平成分の最大値は150Gである。
他の磁石をターゲット12裏面に配置した場合の水平成分の大きさとの関係の測定結果を、同図(a)、(b)の曲線B、E上の測定値b、eと、曲線C、F上の測定値c、fで示す。
最大値が、200Gより大きい磁石と、150Gよりも大きい磁石である。
配置台16に配置された基板の表面と、ターゲット12の表面とは平行になるようにされており、本発明のスパッタリング装置2は、磁石装置30の強度と、磁石装置30と配置台16との距離の値を適切な値に設定することにより、配置台16表面の水平成分の大きさが、20G以下になり、且つ、1mmの厚みの処理対象物を配置台16表面に載置した場合にも、磁石装置30が形成する磁場(基板側磁界)の水平成分の大きさが、処理対象物表面で20G以下になるようにされている。
この構成により、ターゲット12の表面上のプラズマが、配置台16の表面に伸びる割合が小さくなり、処理対象物表面でのプラズマ密度が低くなり、プラズマによるダメージが少なくなる。
なお、磁石からの磁場強度は距離の二乗に反比例するので、ターゲット12と処理対象物との間のターゲット基板距離LTSと、磁石とターゲット12との間の磁石ターゲット距離LTMと、ターゲット12の表面上での磁場の水平成分の大きさであるターゲット側水平強度Btと、処理対象物表面での磁場の水平成分の大きさである基板側水平強度Bsとは、下記(1)式、
TS=(Bt/Bs1/2×LTM ……(1)
の関係がある。
(1)式により、例えば、ターゲット側水平強度Btが150Gのときに、ターゲット基板距離LTSを120mmにすると、上記ターゲットの厚みでは、基板側水平強度Bsは20G以下になる。
ターゲット12の表面から放出されたスパッタリング粒子のうち、真空槽11の壁面方向に飛行する粒子は、防着板21に付着し、真空槽11の内部壁面には付着しないようにされている。
<成膜前の処理対象物>
本発明のスパッタリング装置2を用いて、上述した成膜処理される処理対象物について説明する。
処理対象物はガラス基板を有しており、ガラス基板上に複数の薄膜リチウム二次電池を形成するために、各薄膜リチウム二次電池を形成する領域がガラス基板上に複数設けられている。これらの領域のうち、一つの領域の断面図を図2(a)の符号48に示す。
各領域内のガラス基板40上には、正極集電体膜41と負極集電体膜42とが離間して形成されている。正極集電体膜41と負極集電体膜42にはそれぞれ、例えばAl膜、Ti膜、Pt膜などの導電膜を用いることができる。
正極集電体膜41の表面には、正極膜43が形成されている。正極膜43は、リチウムを含み、例えばLiCoO2、LiNiO2膜やLiMn24膜などである。正極膜43は、リチウムの挿入と、挿入されたリチウムの脱離が可能な構造の膜が用いられる。
<処理対象物表面の成膜工程>
この処理対象物48の正極膜43の表面に、本発明のスパッタリング装置2を用いて成膜する工程を説明する。
図1(b)を参照し、真空槽11の内部を真空排気装置19によって真空排気し、真空雰囲気を維持した状態で、処理対象物48を真空槽11内に搬入する。
処理対象物48の表面のうち、正極集電体膜41や負極集電体膜42が形成されていない方の表面を配置台16表面に向けて配置台16上に配置する。
真空槽11の内部には、スパッタリング粒子を通過させる開口部471と、スパッタリング粒子を遮蔽する遮蔽部472とを有するマスク47が予め配置されており、マスク47と処理対象物48との位置合わせをした後、マスク47と処理対象物48表面とを互いに密着させ、マスク47の開口部471が、処理対象物48上の各薄膜リチウム二次電池を形成する領域であって、正極膜43を含む領域に配置させる。この状態の、各領域のうちの一つの領域の断面図を図2(b)に示す。
磁石装置30は、ターゲット12の表面と平行な平面内をターゲット12の表面に対して相対的に移動するようになっている。
ターゲット12のスパッタリング中には、ターゲット12の表面の広い領域を、磁石装置30が形成する磁場がターゲット12の表面と平行に回転移動するようにし、ターゲット12の表面の広い領域をスパッタリングする。
磁石装置30を移動させながら、導入口22からスパッタリング空間に、スパッタリングガス(ここでは窒素ガス)を導入し、スパッタリング空間の圧力が所定圧力に達したら、RF電源14によってターゲット12に高周波電力を印加し、ターゲット12の表面上に、プラズマを発生させ、ターゲット12をスパッタリングすると、マスク47の開口部471の底面に露出する正極膜43上には、図2(c)に示すように、ターゲット12の構成材料であるLi3PO4と、スパッタリングガスである窒素ガスとが反応したLiPONからなる固体電解質膜44が形成される。
上述したように、この固体電解質膜44にはプラズマによるダメージは発生しない。
固体電解質膜44の膜厚が所定の値に達したら、スパッタリングガスの導入と、高周波電力の印加とを停止し、マスク47を固体電解質膜44が形成された処理対象物48から離間させ、処理対象物48を真空槽11の外部に搬出し、固体電解質膜44の表面に負極膜を形成し、更に、負極膜の表面に、保護膜を形成する。
次いで、処理対象物の、薄膜リチウム二次電池が形成された領域間を切断し、領域毎に分離させると、分離された複数の薄膜リチウム二次電池が得られる。
図2(d)の符号49は、個別分離された複数個の薄膜リチウム二次電池のうちの、一個の薄膜リチウム二次電池を示している。
同図(d)の符号45は負極膜を示しており、負極膜45は、正極集電体膜41と正極膜43とは絶縁された状態で負極集電体膜42に接触し、負極膜45は負極集電体膜42に電気的に接続されている。この負極膜45は金属リチウム膜である。
固体電解質膜44は、上述したようにLiPON膜であり、リチウムを含有し、固体電解質膜44中をリチウムイオンが移動できる。
なお、薄膜リチウム二次電池49に放電させるときは、正極集電体膜41と負極集電体膜42とを負荷を介して電気的に接続させ、負極膜45の金属リチウムをリチウムイオンにして固体電解質膜44中に拡散させ、金属リチウムをリチウムイオンにした際の負極膜45に残る電子を、負極集電体膜42と負荷を通して正極集電体膜41へ移動させ、他方、固体電解質膜44中のリチウムイオンを正極膜43に移動させて正極膜43中でリチウムにする。
放電した薄膜リチウム二次電池49を充電するときは、正極集電体膜41に正電位を印加し、負極集電体膜42に負電位を印加し、正極膜43中のリチウムをリチウムイオンにさせてリチウムイオンを固体電解質膜44中に移動させ、固体電解質膜44中のリチウムイオンを負極膜45に移動させ、負極膜45上で金属リチウムにする。
<成膜速度、膜厚均一性、膜剥離、インピーダンス、歩留まり>
ターゲット表面上での磁場の水平強度を150Gにして処理対象物表面の水平強度を20G以下にした本発明条件と、ターゲット表面上の水平強度を300Gにして処理対象物表面の水平強度を20Gより大きくした比較条件とで、ガラス基板上と、ガラス基板上に形成された下部電極(Pt/Ti)上とに、LiPON膜から成る固体電解質膜を形成した。
下部電極上の固体電解質膜の表面には、上部電極(Pt)を形成した。
ガラス基板の面積は140mm×140mm、ガラス基板の厚みは0.5mm、スパッタリングガスは窒素ガス、スパッタリング空間の圧力は0.3Pa(流量は23sccm)、ターゲットに印加した交流電圧の周波数は13.56MHzである。
ガラス基板上の固体電解質膜は、ターゲットへの投入電力が2kWと4kWで形成されており、接触式粗さ計によって、固体電解質膜上の複数箇所で固体電解質膜の膜厚をそれぞれ測定し、測定結果から、成膜速度と膜厚均一性とを求めた。
投入したRF電力と成膜速度との関係を図4に示し、投入したRF電力と膜厚均一性との関係を図5に示す。
図4、5のグラフは、横軸が投入したRF電力であり、図4の縦軸は成膜速度、図5の縦軸は膜厚均一性である。投入したRF電力が4kWで本発明条件のとき、成膜速度は26nm/分、膜厚均一性は±5%であった。
本発明の条件で形成された固体電解質膜の表面には膜剥離は観察されなかったが、比較条件で形成された固体電解質膜の表面には膜剥離が観察された。
下部電極上の固体電解質膜は、ターゲットへの投入電力が4kWで形成されており、その表面に上部電極を形成して得たサンプル1、2には、下部電極と上部電極との間に周波数1kHzの交流電圧を印加し、インピーダンスをそれぞれ測定した。
インピーダンスの測定結果と、インピーダンスの測定結果から算出した歩留まりとを、下記表1に記載する。
Figure 2013122080
サンプル1のインピーダンスは30.6Ωであり、サンプル2より低く、サンプル1の歩留まりは100%である。
<負極膜形成後の膜剥がれ>
負極膜形成後の膜剥がれの有無を見るために、ターゲット表面で水平強度が、150G以上200G以下である本発明の範囲内にある第一の磁石装置と、200Gよりも大きく、本発明の範囲外にある第二の磁石装置とを用いて、処理対象物の表面に固体電解質膜を形成して処理対象物の表面を撮影し、次いで、固体電解質膜の表面に金属リチウムからなる負極膜を形成し、処理対象物の表面を撮影し、第一、第二の磁石装置を用いたときの表面を観察した。
第一の磁石装置を用いたときは、固体電解質膜は、スパッタリング圧力を、0.3Paと、0.5Paとにし、各圧力で、RF電力を2kW、3kW、4kWとして形成し、固体電解質の表面と、固体電解質膜上に形成した負極膜の表面を観察したところ、固体電解質膜の剥離と負極膜の剥離とは観察されなかった。
第二の磁石装置を用いたときは、固体電解質膜は、スパッタリング圧力を0.3Paにし、RF電力を2kW、4kWにして形成し、その固体電解質膜上に負極膜を形成した後の状態で表面を観察したところ、下部電極である正極膜からの固体電解質の膜剥がれが見られた。
第一の磁石装置は、図3(a)の曲線Aと図3(b)の曲線Dが示す磁界を形成する磁石であり、第二の磁石装置は、図3(a)の曲線Cと図3(b)の曲線Fに示す磁界を形成する磁石である。
ターゲットは直径300mmで厚み5mmのLi3PO4、ターゲットと処理対象物との間の距離は120mmである。
成膜条件は、スパッタリングガスは窒素ガス、RF電力の周波数は13.56MHzである。なお、固体電解質膜を形成した処理対象物は、ガラス基板40に替えてマイカ基板が用いられている他は、図2(a)に示された処理対象物である。
<薄膜リチウム二次電池のインピーダンスと歩留まり>
上述した第一の磁石装置と同じ磁石装置を用い、固体電解質膜の成膜条件を変えてガラス基板40に替えてマイカ基板を用いた他は、図2(d)と同じ薄膜リチウム電池を複数個作製し、各リチウム二次電池を充放電させた後、リチウム二次電池のインピーダンスを測定した。
また、各二次電池の放電容量を測定し、放電容量が500μAh未満を良品としたときの歩留まりを求めた。
インピーダンスの測定結果と歩留まりを下記表2に示す。
Figure 2013122080
固体電解質膜の形成条件は、ターゲット12は直径300mmで厚み5mmのLi3PO4、ターゲット12と処理対象物との間の距離は120mm、スパッタリングガスは窒素ガス、RF電力の周波数は13.56MHzである。
インピーダンスの測定周波数は1kHzである。
2……スパッタリング装置
11……真空槽
12……ターゲット
16……配置台
30……磁石装置
48……処理対象物
49……薄膜リチウム二次電池

Claims (3)

  1. 真空槽と、
    前記真空槽内に配置されたターゲットと、
    前記ターゲット裏面に配置され、前記ターゲット表面にターゲット側磁界を形成する磁石装置と、
    前記ターゲットに対面して配置され、前記磁石装置によって表面に基板側磁界が形成される配置台とを有し、
    前記ターゲット側磁界の前記ターゲット表面に平行な成分は、150ガウス以上200ガウス以下の大きさにされ、前記基板側磁界の前記配置台表面に平行な成分は20ガウス以下の大きさにされたスパッタリング装置。
  2. 前記ターゲットは、リチウム化合物である請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記リチウム化合物は、Li3PO4である請求項2記載のスパッタリング装置。
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