JP2013120163A - 液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法、及び、安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンの同時測定法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体クロマトグラフィーにより、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cを測定できる方法を提供する。また、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンとを同時測定できる方法を提供する。
【解決手段】炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法。
【選択図】なし
【解決手段】炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法、及び、安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンの同時測定法に関する。
液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定は、ヘモグロビンA1cを短時間で高精度に測定できるため、特に糖尿病患者のヘモグロビンA1c値の管理に用いられている。この用途では、再現性試験におけるヘモグロビンA1c値のCV値(%)が1%以下程度の精度が要求される。
液体クロマトグラフィーにより安定型ヘモグロビンA1cを短時間で再現性良く測定するための一般的な手段は、カラム充填剤粒子の粒径を小さくして均一にすることである。しかしながら、カラム充填剤粒子の粒径を小さくすると、測定系に生じる圧力値が高くなる。例えば、特許文献1には、平均粒径値が3〜4μmのカラム充填剤粒子を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法が開示されているが、特許文献1の技術を用いた測定系の圧力値は5MPa以上と高くなるため、耐圧性の高い液体クロマトグラフが必要となる。また、このような高圧状態で長期間使用した場合、配管の詰まりや、配管の接続部分の劣化による液漏れや、カラム寿命の短縮等を引き起こしやすい。
更に、測定系の圧力値は、液体クロマトグラフに用いられるフィルタの詰まりによっても変動する。フィルタは、通常、液体クロマトグラフの流路に設置され、測定試料や試薬類等から流路に混入する夾雑物を取り除く。例えば、特許文献2には、カラムのエンドフィッティング内に、ステンレス鋼繊維を積層して焼結した繊維焼結フィルタをフリットとして設置した液体クロマトグラフィー用カラムが開示されている。ステンレス焼結フィルタは最も一般的な液体クロマトグラフ用のフィルタであるが、血液等の生体試料を測定する場合には、血液中のタンパク質等がフィルタの表面に吸着するため測定系の圧力値が上昇しやすい。フィルタの詰まりによる測定系の圧力上昇は、上記に示した小さな粒径の充填剤を用いた高圧での測定と同様の問題を引き起こしやすい。また、フィルタへの非特異吸着により測定系の圧力値が変動して、クロマトグラムの変形を引き起こすため測定再現性が低下しやすい。
本発明は、液体クロマトグラフィーにより、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cを測定できる方法を提供する。また、本発明は、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンとを同時測定できる方法を提供する。
本発明者は、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定において、炭素数3以下のアルケンの重合体又は炭素数3以下のアルキル基を有するアクリル化合物の重合体を素材とするフィルタを用いること、及び一定の圧力範囲で測定を行うことにより、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cを測定できることを見出した。
本発明の第1の発明は、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
本発明の第2の発明は、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
本発明の第3の発明は、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタ、或いは、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
以下、第1の発明から詳述する。
本発明の第2の発明は、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
本発明の第3の発明は、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタ、或いは、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
以下、第1の発明から詳述する。
本発明の第1の発明は、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
第1の発明に用いるフィルタは、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体を素材とする。
炭素数2〜3のアルケンの重合体とは、エチレン又はプロピレンをモノマーとする重合体及び共重合体である。炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体とは、エチレン又はポリプロピレンをモノマーとする重合体の一部にハロゲン基を導入した重合体及び共重合体である。
炭素数2〜3のアルケンの重合体とは、エチレン又はプロピレンをモノマーとする重合体及び共重合体である。炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体とは、エチレン又はポリプロピレンをモノマーとする重合体の一部にハロゲン基を導入した重合体及び共重合体である。
炭素数2のアルケンの重合体としては、ポリエチレン、炭素数3のアルケンの重合体としてはポリプロピレン等が挙げられる。
炭素数2のハロゲン化アルケンの重合体としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
炭素数3のハロゲン化アルケンの重合体としては、ポリトリフルオロプロピレン等が挙げられる。
第1の発明に用いるフィルタは、これらの重合体の共重合体や混合物からなるものでもよい。
炭素数2のハロゲン化アルケンの重合体としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
炭素数3のハロゲン化アルケンの重合体としては、ポリトリフルオロプロピレン等が挙げられる。
第1の発明に用いるフィルタは、これらの重合体の共重合体や混合物からなるものでもよい。
炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体は、炭素数2〜3のアルケンを重合してアルケンの重合体を得た後、該アルケンの重合体にハロゲン基を導入して得られるものでもよいし、ハロゲン基を導入した炭素数2〜3のアルケンを重合して得られるものでもよい。
第1の発明に用いるフィルタは、公知の方法により加工したフィルタを用いることができる。例えば、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体を繊維状、膜状、シート状、ろ紙状等の薄膜状に加工したフィルタ、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体の繊維を不織布、織布、編み物状に加工したフィルタ、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体の繊維又は粉体を積層し圧縮等の方法により加工したフィルタ、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体の繊維又は粉体を積層して焼結したフィルタ等が挙げられる。
フィルタの形状は、溶離液等の液状試薬が流入する方向に面するろ過面が円状の円盤体、円柱体、円錐体等が好ましい。
フィルタの表面には凸部や凹部が設けられていてもよい。
フィルタの表面には凸部や凹部が設けられていてもよい。
フィルタのろ過面が円形の場合、直径の好ましい下限は0.5mm、好ましい上限は20mmである。フィルタの直径が0.5mm未満であると、フィルタが目詰まりを起こすことがある。フィルタの直径が20mmを超えると、フィルタ内で測定試料や移動相が拡散して分離性能が低下することがある。フィルタの直径のより好ましい下限は1mm、より好ましい上限は10mmである。
フィルタの厚さの好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は10mmである。厚さが0.1mm未満の場合、通液する液体中の夾雑物を充分に捕捉できないことがある。厚さが10mmを超える場合、測定試料や溶離液がフィルタ内で拡散して分離性能が低下し、測定再現性が低下する。より好ましい下限は0.2mm、より好ましい上限は5mmである。
フィルタの孔径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は20μmである。フィルタの孔径が0.1μm未満であると、フィルタが目詰まりを起こしやすくなったり、測定系の圧力上昇により測定再現性が低下したりすることがある。フィルタの孔径が20μmを超えると、通液する液体中の夾雑物を充分に捕捉できないことがある。フィルタの孔径のより好ましい下限は1μm、より好ましい上限は15μmである。
また、特開平2−262054号公報に開示されているように、孔径の異なる部分を内部に有するフィルタを用いてもよい。
また、特開平2−262054号公報に開示されているように、孔径の異なる部分を内部に有するフィルタを用いてもよい。
フィルタは、表面を処理した表面処理フィルタであってもよい。上記「表面」とは、測定試料が接触するフィルタの外表面及び内表面を含む。
表面処理フィルタは、ブロッキング処理フィルタ、シリコーン処理フィルタ等公知の処理方法によるフィルタが好ましい。これらの表面処理フィルタは、異なる複数種の表面処理を行った表面処理フィルタでもよい。
表面処理フィルタは、ブロッキング処理フィルタ、シリコーン処理フィルタ等公知の処理方法によるフィルタが好ましい。これらの表面処理フィルタは、異なる複数種の表面処理を行った表面処理フィルタでもよい。
第1の発明は、上記のフィルタを用いた液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
第1の発明に用いるフィルタは、液体クロマトグラフの流路上に設置する。特に、測定試料が通過する流路上に設置することが好ましい。第1の発明に用いるフィルタは、例えば、流路配管の途中に設置するラインフィルタ、分離用カラムの直前に設置するプレフィルタ、カラムのエンドフィッティング内で充填剤に接して設置されるフリット等、公知のフィルタの使用方法として用いることが好ましい。なかでも、プレフィルタ又はフリットとしての使用が好適である。
第1の発明に用いるフィルタは、液体クロマトグラフの流路上に設置する。特に、測定試料が通過する流路上に設置することが好ましい。第1の発明に用いるフィルタは、例えば、流路配管の途中に設置するラインフィルタ、分離用カラムの直前に設置するプレフィルタ、カラムのエンドフィッティング内で充填剤に接して設置されるフリット等、公知のフィルタの使用方法として用いることが好ましい。なかでも、プレフィルタ又はフリットとしての使用が好適である。
第1の発明では、測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する。本明細書において、「測定系に生じる圧力値(以下、単に圧力値ともいう)」とは、液体クロマトグラフの流路において、カラムを含む送液ポンプ以降の流路全体により発生する圧力値を意味する。例えば、送液ポンプとカラムとの間に接続した圧力計により測定できる値である。また、上述した「9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下」の圧力範囲を本発明の「圧力規定値」という。
圧力値を9.8×103Pa未満に設定した場合は、ヘモグロビン類の測定値の再現性が低下し測定時間が長くなる。また設定圧力値が非常に小さいため圧力値を安定させることが困難となる。圧力値を19.6×105Paを超える値に設定した場合は測定値の再現性が低下する。
第1の発明の液体クロマトグラフィーは、送液用ポンプ、分離用カラム、検出器、試料導入機構等を備えた公知の液体クロマトグラフに、上述したシリコーン処理フィルタを設置して行う。本発明に用いる液体クロマトグラフの例を示す構成図を図1に示す。
液体クロマトグラフィーに用いる溶離液としては、公知の塩化合物を含む緩衝液類や有機溶媒類を用いることが好ましい。例えば、有機酸、無機酸、及び、これらの塩類、アミノ酸類、グッドの緩衝液等が挙げられる。
上記有機酸は、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記無機酸は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられる。
上記アミノ酸類は、例えば、グリシン、タウリン、アルギニン等が挙げられる。
また、緩衝液には、他に一般に添加される物質、例えば、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物、カオトロピック化合物等を適宜添加してもよい。
上記有機酸は、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記無機酸は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられる。
上記アミノ酸類は、例えば、グリシン、タウリン、アルギニン等が挙げられる。
また、緩衝液には、他に一般に添加される物質、例えば、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物、カオトロピック化合物等を適宜添加してもよい。
安定型ヘモグロビンA1cの測定を行う際の緩衝液の塩濃度の好ましい下限は10mmol/L、好ましい上限は1000mmol/Lである。上記緩衝液の塩濃度が10mmol/L未満の場合、充分なイオン交換反応が行なわれずヘモグロビン類を分離することが困難となることがある。緩衝液の塩濃度が1000mmol/Lを超える場合、緩衝液中の塩が析出して液体クロマトグラフに悪影響を及ぼすことがある。
第1の発明により、安定型ヘモグロビンA1cを短時間で再現性良く測定できる。また、健常人血に含まれるその他のヘモグロビン類、例えば、ヘモグロビンA0、ヘモグロビンF(胎児性ヘモグロビン)、ヘモグロビンA2等を測定できる。また、一般に異常ヘモグロビンと呼ばれるヘモグロビン類、例えば、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE等を測定できる。
本発明の第2の発明は、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
アクリル重合体はアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のアクリル構造又はメタクリル構造を有する化合物(以下、アクリル化合物ともいう)の重合体又は共重合体である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基は、炭素数1〜3のアルキル基の一部に置換基を導入したものである。置換基としては、アクリル重合体が有する炭素数1〜3のアルキル基に適度な親水性又は疎水性を付与できることから、ハロゲン基、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、グリシジル基、エステル基、カルボキシル基、スルホン酸基等が好ましい。なかでも、水酸基、エーテル基、ハロゲン基がより好ましい。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基は、炭素数1〜3のアルキル基の一部に置換基を導入したものである。置換基としては、アクリル重合体が有する炭素数1〜3のアルキル基に適度な親水性又は疎水性を付与できることから、ハロゲン基、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、グリシジル基、エステル基、カルボキシル基、スルホン酸基等が好ましい。なかでも、水酸基、エーテル基、ハロゲン基がより好ましい。
炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体としては、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ2、2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ2、3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、ポリトリフルオロエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第2の発明に用いるフィルタは、これらの重合体の共重合体や混合物からなるものでもよい。
置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体としては、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ2、2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ2、3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、ポリトリフルオロエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第2の発明に用いるフィルタは、これらの重合体の共重合体や混合物からなるものでもよい。
炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体は、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル化合物を重合して得られるものでもよいし、炭素数1〜3のアルキル基を有しないアクリル化合物を重合した後、アルキル基を導入して得られるものでもよい。
また、置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体は、置換基を含むアクリル化合物を重合して得られるものでもよいし、置換基を有しないアクリル化合物を重合した後、置換基を導入して得られるものでもよい。
また、置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体は、置換基を含むアクリル化合物を重合して得られるものでもよいし、置換基を有しないアクリル化合物を重合した後、置換基を導入して得られるものでもよい。
第2の発明に用いるフィルタを得る方法及びフィルタの仕様は、上記第1の発明に用いるフィルタと同様である。
第2の発明では、測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する。圧力値を9.8×103Pa未満に設定した場合は、設定圧力値が非常に小さいために圧力値を安定させることが困難となる。また、測定時間が長くなる場合がある。圧力値を19.6×105Paを超える値に設定した場合は再現性が低下する。
第2の発明に用いられる液体クロマトグラフは、第1の発明と同様である。また、第2発明に用いられる溶離液は、第1の発明と同様である。第2の発明により、第1の発明と同様に、安定型ヘモグロビンA1c、健常人血に含まれる他のヘモグロビン類、及び、一般に異常ヘモグロビンと呼ばれるヘモグロビン類を測定できる。
第3の発明は、炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタ、或いは、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法である。
以下、第1の発明の、炭素数2〜3のアルケンの重合体又は炭素数2〜3ハロゲン化アルケンの重合体をまとめて、単に「アルケン重合体」ともいう。また、第2の発明の、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体をまとめて、単に「アクリル重合体」ともいう。
以下、第1の発明の、炭素数2〜3のアルケンの重合体又は炭素数2〜3ハロゲン化アルケンの重合体をまとめて、単に「アルケン重合体」ともいう。また、第2の発明の、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体をまとめて、単に「アクリル重合体」ともいう。
第3の発明に用いるフィルタにおいて、ポリエーテルエーテルケトンとアルケン重合体、又は、ポリエーテルエーテルケトンとアクリル重合体との混合比率は、好ましくは1:9〜9:1である。より好ましくは2:8〜8:2であり、更に好ましくは3:7〜7:3である。
第3の発明に用いるフィルタとしては、ポリエーテルエーテルケトンとアルケン重合体、又は、ポリエーテルエーテルケトンとアクリル重合体を混合して公知の方法により加工したフィルタを用いることができる。例えば、ポリエーテルエーテルケトンとアルケン重合体の混合物、又は、ポリエーテルエーテルケトンとアクリル重合体の混合物を繊維状、膜状、シート状、ろ紙状等の薄膜状に加工したフィルタ、ポリエーテルエーテルケトンとアルケン重合体、又は、ポリエーテルエーテルケトンとアクリル重合体の繊維の混合物を不織布、織布、編み物状に加工したフィルタ、ポリエーテルエーテルケトンとアルケン重合体、又は、ポリエーテルエーテルケトンとアクリル重合体の繊維又は粉体の混合物を積層し圧縮等の方法により加工したフィルタ、ポリエーテルエーテルケトンとアルケン重合体、又は、ポリエーテルエーテルケトンとアクリル重合体の繊維又は粉体の混合物を積層して焼結したフィルタ等が挙げられる。
第3の発明のフィルタの仕様は、上記第1の発明のフィルタと同様である。
第3の発明に用いられる液体クロマトグラフは、第1の発明と同様である。また、第3発明に用いられる溶離液は、第1の発明と同様である。第3の発明により、第1の発明と同様に、安定型ヘモグロビンA1c、健常人血に含まれるヘモグロビン類、及び、一般に異常ヘモグロビンと呼ばれるヘモグロビン類を測定できる。
上述したように、本発明の第1の発明、第2の発明、第3の発明によれば、安定型ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビンを測定できる。本発明の第1の発明、第2の発明、又は、第3の発明を用いる安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンの同時測定法もまた、本発明の1つである。
本発明では、炭素数3以下のアルケンの重合体、炭素数3以下のハロゲン化アルケンの重合体、炭素数3以下のアルキル基を有するアクリル化合物の重合体、又は、置換基を含む炭素数3以下のアルキル基を有するアクリル化合物の重合体を素材とするフィルタを用いる。更に、測定系の圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定することにより、安定型ヘモグロビンA1cを短時間で再現性良く測定できる液体クロマトグラフィーを提供できる。また、本発明によれば、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンとを同時測定できる方法を提供できる。
(製造例1)
製造例1〜3では、平均粒径の異なるヘモグロビン類測定用のカラム充填剤を調製した。
テトラエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体、新中村化学工業社製)50g、トリエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体、新中村化学工業社製)130g、及び、2−ヒドロキシ−1、3−ジメタクリロキシプロパン(架橋性単量体、新中村化学工業社製)20gの単量体混合物に、過酸化ベンゾイル(重合開始剤、キシダ化学社製)1.0gを混合して溶解し、5重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液2000mLに分散させた。
反応系を350rpmで撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温して1.2時間重合反応を行った。
次に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(親水性単量体、東亞合成社製)180g、及び、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(親水性単量体、日油社製)60g、メタノール100gを溶解したイオン交換水200mLを反応系に添加して、80℃で2時間重合反応を行った。得られた重合物を洗浄して、カラム充填剤を得た。
粒度分布測定装置(ナイコンプ社製、「アキュサイザー780」)により、平均粒径を測定した結果、4.1μmであった。
製造例1〜3では、平均粒径の異なるヘモグロビン類測定用のカラム充填剤を調製した。
テトラエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体、新中村化学工業社製)50g、トリエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体、新中村化学工業社製)130g、及び、2−ヒドロキシ−1、3−ジメタクリロキシプロパン(架橋性単量体、新中村化学工業社製)20gの単量体混合物に、過酸化ベンゾイル(重合開始剤、キシダ化学社製)1.0gを混合して溶解し、5重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液2000mLに分散させた。
反応系を350rpmで撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温して1.2時間重合反応を行った。
次に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(親水性単量体、東亞合成社製)180g、及び、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(親水性単量体、日油社製)60g、メタノール100gを溶解したイオン交換水200mLを反応系に添加して、80℃で2時間重合反応を行った。得られた重合物を洗浄して、カラム充填剤を得た。
粒度分布測定装置(ナイコンプ社製、「アキュサイザー780」)により、平均粒径を測定した結果、4.1μmであった。
(製造例2)
反応系の撹拌条件を300rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作してカラム充填剤を得た。製造例1と同様に平均粒径を測定した結果、6.9μmであった。
反応系の撹拌条件を300rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作してカラム充填剤を得た。製造例1と同様に平均粒径を測定した結果、6.9μmであった。
(製造例3)
反応系の撹拌条件を250rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作してカラム充填剤を得た。製造例1と同様に平均粒径を測定した結果、11.2μmであった。
反応系の撹拌条件を250rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作してカラム充填剤を得た。製造例1と同様に平均粒径を測定した結果、11.2μmであった。
(実施例1)
実施例1では、炭素数2のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエチレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例1では、炭素数2のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエチレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例2)
実施例2では、炭素数3のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリプロピレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例2では、炭素数3のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリプロピレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例3)
実施例3では、炭素数2のハロゲン化アルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリトリフルオロエチレンの粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例3では、炭素数2のハロゲン化アルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリトリフルオロエチレンの粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例4)
実施例4では、炭素数2のアルケン重合体と炭素数3のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
エチレン−プロピレン共重合体の粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例4では、炭素数2のアルケン重合体と炭素数3のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
エチレン−プロピレン共重合体の粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例5)
実施例5では、炭素数2のアルケン重合体と炭素数2のハロゲン化アルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエチレンとポリテトラフルオロエチレンの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例5では、炭素数2のアルケン重合体と炭素数2のハロゲン化アルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエチレンとポリテトラフルオロエチレンの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例6)
実施例6では、炭素数1のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリメチルメタクリレートの粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例6では、炭素数1のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリメチルメタクリレートの粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例7)
実施例7では、置換基を含む炭素数2のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレートの粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例7では、置換基を含む炭素数2のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレートの粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例8)
実施例8では、炭素数1のアルキル基を有するアクリル重合体と、置換基を含む炭素数3のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
メチルメタクリレート−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体の粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例8では、炭素数1のアルキル基を有するアクリル重合体と、置換基を含む炭素数3のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
メチルメタクリレート−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体の粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例9)
実施例9では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数2のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリエチレンの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例9では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数2のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリエチレンの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(実施例10)
実施例10では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数1のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリメチルメタクリレートの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
実施例10では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数1のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリメチルメタクリレートの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例1)
比較例1では、金属を素材とするフィルタを調製した。
ステンレス鋼(SUS316)金属短繊維及びステンレス鋼(SUS316)金属微粉末を混合して得た焼結体を圧縮成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
比較例1では、金属を素材とするフィルタを調製した。
ステンレス鋼(SUS316)金属短繊維及びステンレス鋼(SUS316)金属微粉末を混合して得た焼結体を圧縮成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例2)
比較例2では、炭素数4のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリブチレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
比較例2では、炭素数4のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリブチレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例3)
比較例3では、炭素数6の芳香族重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリスチレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
比較例3では、炭素数6の芳香族重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリスチレン粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例4)
比較例4では、炭素数4のアルキル基を有するアクリル重合体素材とするフィルタを調製した。
ポリブチルメタクリレート粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
比較例4では、炭素数4のアルキル基を有するアクリル重合体素材とするフィルタを調製した。
ポリブチルメタクリレート粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例5)
比較例5では、置換基を含む炭素数4のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリ2−ヒドロキシブチルメタクリレート粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
比較例5では、置換基を含む炭素数4のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリ2−ヒドロキシブチルメタクリレート粉末を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例6)
比較例6では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数4のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリブチレンの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
比較例6では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数4のアルケン重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリブチレンの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
(比較例7)
比較例7では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数4のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリブチルメタクリレートの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
以上の実施例及び比較例のフィルタの素材と炭素数(アルキルを有するアクリル重合体及び置換基を含むアルキル基を有するアクリル重合体については、アルキル基の炭素数)を表1に示す。
比較例7では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素数4のアルキル基を有するアクリル重合体を素材とするフィルタを調製した。
ポリエーテルエーテルケトンとポリブチルメタクリレートの粉末を1:1の比率で混合した混合物を焼結成型して連続多孔質体を作製し、直径4mm、厚さが1.5mmの円柱状のフィルタを調製した。
以上の実施例及び比較例のフィルタの素材と炭素数(アルキルを有するアクリル重合体及び置換基を含むアルキル基を有するアクリル重合体については、アルキル基の炭素数)を表1に示す。
(評価)
実施例及び比較例で得られたフィルタを用いて評価を行った。
実施例及び比較例で得られたフィルタを用いて評価を行った。
(1)ヘモグロビン類測定用カラムの調製
製造例1〜3で得られたカラム充填剤をカラムに充填して、ヘモグロビン類測定用カラムを調製した。
製造例1〜3で得られた各カラム充填剤0.8gを、50mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)30mLに添加して撹拌した後、5分間超音波処理して充填剤スラリーを調製した。長さ30mm、内径4.6mmのエンプティカラム(巴製作所社製)を接続した容量30mLのカラム充填用パッカー(アズワン社製)にスラリー全量を注入した。パッカーに送液ポンプ(GLサイエンス社製、「PU−614」)を接続し、20MPaの圧力で充填してヘモグロビン類測定用カラムを得た。
製造例1〜3で得られたカラム充填剤をカラムに充填して、ヘモグロビン類測定用カラムを調製した。
製造例1〜3で得られた各カラム充填剤0.8gを、50mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)30mLに添加して撹拌した後、5分間超音波処理して充填剤スラリーを調製した。長さ30mm、内径4.6mmのエンプティカラム(巴製作所社製)を接続した容量30mLのカラム充填用パッカー(アズワン社製)にスラリー全量を注入した。パッカーに送液ポンプ(GLサイエンス社製、「PU−614」)を接続し、20MPaの圧力で充填してヘモグロビン類測定用カラムを得た。
(2)測定条件
図1の液体クロマトグラフ1に、上記「(1)ヘモグロビン類測定用カラムの調製」で得られたヘモグロビン類測定用カラムを接続した(図1の7)。また、実施例及び比較例のフィルタを、インジェクションバルブ5と分離用カラム7の間に接続した(図1の6)。圧力値は、送液ポンプ3とインジェクションバルブ5の間に圧力計4(長野計器社製、「デジタル圧力計GC61」)を接続して測定した。測定条件を表2に示す。
図1の液体クロマトグラフ1に、上記「(1)ヘモグロビン類測定用カラムの調製」で得られたヘモグロビン類測定用カラムを接続した(図1の7)。また、実施例及び比較例のフィルタを、インジェクションバルブ5と分離用カラム7の間に接続した(図1の6)。圧力値は、送液ポンプ3とインジェクションバルブ5の間に圧力計4(長野計器社製、「デジタル圧力計GC61」)を接続して測定した。測定条件を表2に示す。
(3)安定型ヘモグロビンA1cの測定
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び実施例と比較例のフィルタを用いて健常人血液中の安定型ヘモグロビンA1cを測定した。
測定試料は、フッ化ナトリウム入り採血管で採血したヒト健常人血液を、0.05%のTritonX−100(シグマアルドリッチジャパン社製)を含むリン酸緩衝液(pH6.7)により120倍に溶血希釈したものを用いた。
表2の測定条件における測定系の圧力値を表1に示す。いずれの実施例及び比較例のフィルタを用いた場合も、圧力値は本発明の圧力規定値内であった。
実施例1のフィルタを用いた場合に得られたクロマトグラムを図2に示す。実施例1のフィルタを用いた場合、1分以内で安定型ヘモグロビンA1c(ピーク21)が他のヘモグロビン類から良好に分離できた。実施例2〜10のフィルタを用いた場合のクロマトグラムも実施例1と同様に、安定型ヘモグロビンA1cが良好に分離できた。
比較例1のステンレス製フィルタを用いた場合に得られたクロマトグラムを図3に示す。比較例1のステンレス製フィルタを用いた場合、安定型ヘモグロビンA1cと他のヘモグロビン類との分離は、実施例1のフィルタを用いた場合のクロマトグラムに比較して不良であった。比較例2〜7のフィルタを用いた場合のクロマトグラムも比較例1と同様に、実施例1のフィルタを用いた場合のクロマトグラムと比較して不良であった。
上記の健常人血試料を連続して20回測定して同時再現性試験を実施した。安定型ヘモグロビンA1c値のCV値を表1に示す。実施例ではCV値が1%以下と良好であった。比較例はCV値が不良であった。
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び実施例と比較例のフィルタを用いて健常人血液中の安定型ヘモグロビンA1cを測定した。
測定試料は、フッ化ナトリウム入り採血管で採血したヒト健常人血液を、0.05%のTritonX−100(シグマアルドリッチジャパン社製)を含むリン酸緩衝液(pH6.7)により120倍に溶血希釈したものを用いた。
表2の測定条件における測定系の圧力値を表1に示す。いずれの実施例及び比較例のフィルタを用いた場合も、圧力値は本発明の圧力規定値内であった。
実施例1のフィルタを用いた場合に得られたクロマトグラムを図2に示す。実施例1のフィルタを用いた場合、1分以内で安定型ヘモグロビンA1c(ピーク21)が他のヘモグロビン類から良好に分離できた。実施例2〜10のフィルタを用いた場合のクロマトグラムも実施例1と同様に、安定型ヘモグロビンA1cが良好に分離できた。
比較例1のステンレス製フィルタを用いた場合に得られたクロマトグラムを図3に示す。比較例1のステンレス製フィルタを用いた場合、安定型ヘモグロビンA1cと他のヘモグロビン類との分離は、実施例1のフィルタを用いた場合のクロマトグラムに比較して不良であった。比較例2〜7のフィルタを用いた場合のクロマトグラムも比較例1と同様に、実施例1のフィルタを用いた場合のクロマトグラムと比較して不良であった。
上記の健常人血試料を連続して20回測定して同時再現性試験を実施した。安定型ヘモグロビンA1c値のCV値を表1に示す。実施例ではCV値が1%以下と良好であった。比較例はCV値が不良であった。
(4)修飾ヘモグロビン類の測定
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び、実施例と比較例のフィルタを用いて、人為的に調製した修飾ヘモグロビン類を上記の測定条件で測定した。
修飾ヘモグロビン類を含む試料として、不安定型ヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を公知の方法により調製した。
試料Lは、健常人血にグルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血にアセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血にシアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
分離性能は、修飾ヘモグロビン類を含む試料(試料L、試料A、試料C)のヘモグロビンA1c値から、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血(非修飾品)のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより評価した。結果を表1に示す。
実施例のフィルタを用いた場合のΔ値は0.2%未満であり、修飾ヘモグロビン類が含まれる試料においても、正確にヘモグロビンA1cを測定できた。比較例のフィルタを用いた場合はΔ値が0.3%以上であり、修飾ヘモグロビン類の影響を受けて正確なヘモグロビンA1cの測定ができなかった。
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び、実施例と比較例のフィルタを用いて、人為的に調製した修飾ヘモグロビン類を上記の測定条件で測定した。
修飾ヘモグロビン類を含む試料として、不安定型ヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を公知の方法により調製した。
試料Lは、健常人血にグルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血にアセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血にシアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
分離性能は、修飾ヘモグロビン類を含む試料(試料L、試料A、試料C)のヘモグロビンA1c値から、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血(非修飾品)のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより評価した。結果を表1に示す。
実施例のフィルタを用いた場合のΔ値は0.2%未満であり、修飾ヘモグロビン類が含まれる試料においても、正確にヘモグロビンA1cを測定できた。比較例のフィルタを用いた場合はΔ値が0.3%以上であり、修飾ヘモグロビン類の影響を受けて正確なヘモグロビンA1cの測定ができなかった。
(5)異常ヘモグロビン類の測定
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び、実施例と比較例のフィルタを用いて、異常ヘモグロビンのヘモグロビンS及びヘモグロビンCを含む試料(ヘレナ研究所社製、「AFSCヘモコントロール」)を測定した。
実施例1のフィルタを用いた場合(図4)はヘモグロビンS及びヘモグロビンCを良好に分離できた。実施例2〜10のフィルタを用いた場合も実施例1と同様に良好な分離が得られた。比較例1のフィルタを用いた場合(図5)はヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離できなかった。比較例2〜7のフィルタを用いた場合も比較例1と同様、良好な分離は得られなかった。
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び、実施例と比較例のフィルタを用いて、異常ヘモグロビンのヘモグロビンS及びヘモグロビンCを含む試料(ヘレナ研究所社製、「AFSCヘモコントロール」)を測定した。
実施例1のフィルタを用いた場合(図4)はヘモグロビンS及びヘモグロビンCを良好に分離できた。実施例2〜10のフィルタを用いた場合も実施例1と同様に良好な分離が得られた。比較例1のフィルタを用いた場合(図5)はヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離できなかった。比較例2〜7のフィルタを用いた場合も比較例1と同様、良好な分離は得られなかった。
(6)ヘモグロビンA2の測定
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び、実施例と比較例のフィルタを用いて、ヘモグロビンA2を含む試料(バイオラッド社製「A2コントロールレベル2」)を測定した。
実施例1のフィルタを用いた場合(図6)はヘモグロビンA2を良好に分離できた。実施例2〜10のフィルタを用いた場合も実施例1と同様に良好な分離が得られた。
比較例1のフィルタを用いた場合(図7)はヘモグロビンA2を分離できなかった。比較例2〜7のフィルタを用いた場合も比較例1と同様、良好な分離は得られなかった。
製造例1の充填剤を用いたカラム、及び、実施例と比較例のフィルタを用いて、ヘモグロビンA2を含む試料(バイオラッド社製「A2コントロールレベル2」)を測定した。
実施例1のフィルタを用いた場合(図6)はヘモグロビンA2を良好に分離できた。実施例2〜10のフィルタを用いた場合も実施例1と同様に良好な分離が得られた。
比較例1のフィルタを用いた場合(図7)はヘモグロビンA2を分離できなかった。比較例2〜7のフィルタを用いた場合も比較例1と同様、良好な分離は得られなかった。
(7)圧力値の同時再現性への影響評価
充填剤の粒径及び測定時の流速を変えて、測定系の圧力値を変化させて同時再現性試験を行った。これらの評価に用いた測定例1〜24を表3に示す。
充填剤の粒径及び測定時の流速を変えて、測定系の圧力値を変化させて同時再現性試験を行った。これらの評価に用いた測定例1〜24を表3に示す。
測定例1〜3は、粒径の異なる製造例1〜3の充填剤を用いたカラム、及び、実施例1のフィルタを用いて同時再現性試験を行った例である。平均圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の関係を図8に示す。
本発明の圧力規定値の範囲内においてCV値が良好であった。実施例1のフィルタを用いた場合でも、圧力規定値外ではCV値が悪化した。
同様に、測定例4〜6では実施例3のフィルタ、測定例7〜9では実施例6のフィルタ、測定例10〜12では実施例9のフィルタを用いて同時再現性を行った。平均圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の関係を、それぞれ図9〜11に示す。実施例3、実施例6、実施例9のフィルタを用いた場合も実施例1のフィルタを用いた場合と同様の挙動を示した。
本発明の圧力規定値の範囲内においてCV値が良好であった。実施例1のフィルタを用いた場合でも、圧力規定値外ではCV値が悪化した。
同様に、測定例4〜6では実施例3のフィルタ、測定例7〜9では実施例6のフィルタ、測定例10〜12では実施例9のフィルタを用いて同時再現性を行った。平均圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の関係を、それぞれ図9〜11に示す。実施例3、実施例6、実施例9のフィルタを用いた場合も実施例1のフィルタを用いた場合と同様の挙動を示した。
測定例13〜15は、粒径の異なる製造例1〜3の充填剤を用いたカラム、及び、比較例1のフィルタを用いて同時再現性試験を行った例である。平均圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の関係を図12に示す。比較例1のフィルタを用いた場合、CV値は悪く、圧力規定値内で再現性が向上する挙動は認められなかった。
同様に、測定例16〜18は比較例2のフィルタ、測定例19〜21は比較例4のフィルタ、測定例22〜24は比較例6のフィルタを用いて同時再現性を行った。平均圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の関係を、それぞれ図12〜15に示す。比較例2、比較例4、比較例6のフィルタを用いた場合も比較例1のフィルタを用いた場合と同様の挙動を示した。
以上から、本発明に用いるフィルタを用い、かつ、圧力値を本発明の規定圧力範囲内とした場合に、安定型ヘモグロビンA1c値の測定再現性が向上することが確認できた。
同様に、測定例16〜18は比較例2のフィルタ、測定例19〜21は比較例4のフィルタ、測定例22〜24は比較例6のフィルタを用いて同時再現性を行った。平均圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の関係を、それぞれ図12〜15に示す。比較例2、比較例4、比較例6のフィルタを用いた場合も比較例1のフィルタを用いた場合と同様の挙動を示した。
以上から、本発明に用いるフィルタを用い、かつ、圧力値を本発明の規定圧力範囲内とした場合に、安定型ヘモグロビンA1c値の測定再現性が向上することが確認できた。
(8)繰り返し測定の影響評価
上記「(7)圧力値の同時再現性への影響評価」で用いた測定例の内、製造例1の充填剤を用いた例(測定例1、4、7、10、13、16、19、22)を用いて、健常人血液試料を合計3000回測定した際の圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値の再現性の推移を確認した。200回の測定毎に同時再現性試験を実施した時の安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の推移を図16及び図17に示す。
実施例のフィルタを用いた場合を示した図16では3000回の測定期間中に良好なCV値を維持した。比較例のフィルタを用いた場合を示した図17では、初期よりCV値が悪く、約1500回の測定でCV値が更に悪化した。
上記「(7)圧力値の同時再現性への影響評価」で用いた測定例の内、製造例1の充填剤を用いた例(測定例1、4、7、10、13、16、19、22)を用いて、健常人血液試料を合計3000回測定した際の圧力値と安定型ヘモグロビンA1c値の再現性の推移を確認した。200回の測定毎に同時再現性試験を実施した時の安定型ヘモグロビンA1c値のCV値の推移を図16及び図17に示す。
実施例のフィルタを用いた場合を示した図16では3000回の測定期間中に良好なCV値を維持した。比較例のフィルタを用いた場合を示した図17では、初期よりCV値が悪く、約1500回の測定でCV値が更に悪化した。
本発明によれば、ヘモグロビン類を短時間で再現性良く測定できる液体クロマトグラフィーを提供できる。また、本発明によれば、短時間で再現性良く安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンとを同時測定できる方法を提供できる。
1 液体クロマトグラフ
2 溶離液切替バルブ
3 送液ポンプ
4 圧力計
5 インジェクションバルブ
6 プレフィルタ
7 分離用カラム
8 検出器
9 溶離液
10 オートサンプラ
11 廃液容器
21 安定型ヘモグロビンA1c
22 ヘモグロビンA0
23 ヘモグロビンF(胎児性Hb)
24 ヘモグロビンS
25 ヘモグロビンC
26 ヘモグロビンA2
2 溶離液切替バルブ
3 送液ポンプ
4 圧力計
5 インジェクションバルブ
6 プレフィルタ
7 分離用カラム
8 検出器
9 溶離液
10 オートサンプラ
11 廃液容器
21 安定型ヘモグロビンA1c
22 ヘモグロビンA0
23 ヘモグロビンF(胎児性Hb)
24 ヘモグロビンS
25 ヘモグロビンC
26 ヘモグロビンA2
Claims (4)
- 炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、
該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、
液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法。 - 炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体からなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、
該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、
液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法。 - 炭素数2〜3のアルケンの重合体及び/又は炭素数2〜3のハロゲン化アルケンの重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタ、或いは、炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体及び/又は置換基を含む炭素数1〜3のアルキル基を有するアクリル重合体とポリエーテルエーテルケトンとからなるフィルタを液体クロマトグラフの流路上に設置し、
該液体クロマトグラフの測定系に生じる圧力値を9.8×103Pa以上、19.6×105Pa以下に設定する、
液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法。 - 請求項1、2又は3記載の液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法を用いる安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンの同時測定法。
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JP2011269280A JP2013120163A (ja) | 2011-12-08 | 2011-12-08 | 液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法、及び、安定型ヘモグロビンA1cと異常ヘモグロビンの同時測定法 |
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JP (1) | JP2013120163A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH055730A (ja) * | 1990-11-30 | 1993-01-14 | Hitachi Ltd | 液体クロマトグラフ装置 |
JP2000081424A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-03-21 | Sekisui Chem Co Ltd | 液体クロマトグラフィー用フィルター、液体クロマトグラフィー用カラム及びヘモグロビン類の測定方法 |
JP2000275231A (ja) * | 1999-03-24 | 2000-10-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 液体クロマトグラフィー用充填剤及びそれを用いた測定方法 |
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-
2011
- 2011-12-08 JP JP2011269280A patent/JP2013120163A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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