JP2013119125A - 生地裁断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】素材生地Wを支持する生地テーブル2と、生地テーブル2の上方に設けられた裁断ヘッド3と、裁断ヘッド3を昇降、水平旋回、水平移動させるヘッド移動機構4と、素材生地Wから表示物を検出する検出部5とを有しており、検出部5は、素材生地Wに対し少なくとも表示物を直線状に横断する横断方向にわたって均一照度で照射する光源27と、光源27からの照射光が素材生地Wで反射することによる反射光を受光できる位置で横断方向に沿わせて複数の受光素子30を並設させるように設置されたラインセンサカメラ28とを有している。
【選択図】図1
Description
裁断プログラムは、パターン区画内でのパーツパターンの配置(輪郭座標)をパーツパターンの配置数だけ組み合わせた裁断データに、各種の裁断条件(回転刃の移動速度や送り速度等)を加えたものとして構成される。裁断データや裁断条件は、多種多様なものが予め、データベースに蓄積されており、その中から適合するものを読み込むようにする。すなわち、生地裁断装置は、これら裁断データや裁断条件を元に生成した裁断プログラムにしたがい、裁断ヘッドを移動動作させながら裁断を行うというものである。
そのため、補正を開始する時点では、生地テーブル(裁断作業を行う位置)上へ素材生地を搬入し、停止させた後、この素材生地の上方で2次元カメラをポイントマークの上部位置へ向けて移動させて、ポイントマークの読み取りを行わせる必要がある。
していた。このように、素材生地の広幅化と裁断作業の高能率化との間には、相反する問題が存在していた。
即ち、本発明に係る生地裁断装置は、表示物が表示された素材生地を広げた状態で支持する生地テーブルと、前記生地テーブルの上方に設けられて前記生地テーブル上の素材生地を裁断する裁断ヘッドと、前記裁断ヘッドを昇降、水平旋回、水平移動させるヘッド移動機構と、前記生地テーブル上の素材生地から表示物を検出する検出部と、を有しており、前記検出部は、前記素材生地に対し前記表示物を少なくとも直線状に横断する横断方向にわたって均一照度で照射する光源と、前記光源からの照射光が素材生地で反射することによる反射光を受光できる位置で前記横断方向に沿わせて複数の受光素子を並設させるように設置されたラインセンサカメラと、を有していることを特徴とする。
前記検出部の光源は、前記素材生地の直上で近接する低位部に配置されて且つ当該素材生地の表示物を前記横断方向全体にわたって照射できる長尺形に形成されており、前記検出部のラインセンサカメラは、前記光源から上方に離反した状態で前記素材生地の表示物を前記横断方向の画角内に収めることのできる高位部に配置されているものとするのがよい。
前記生地テーブルには、テーブル上の素材生地を搬送可能にする搬送機構が備えられており、当該搬送機構が停止して前記生地テーブル上で素材生地が停止支持されている状態で前記検出部の前記走行機構が前記ラインセンサカメラと光源とを走行させる構成とするのが好適である。
この場合、前記生地テーブルには、前記検出ゾーンを搬送方向の一次側とし前記裁断ゾーンを搬送方向の二次側として素材生地を搬送する搬送機構が備えられた構成とするのが好適である。
図1〜図5は、本発明に係る生地裁断装置1の第1実施形態を示している。この生地裁断装置1は、裁断の対象とする素材生地Wとして、広幅化されたもの(例えば、2000mm)についても、高能率で、且つ配置ズレや変形等のない適正な裁断が行えるようになっている。
パーツパターンHは、切り出そうとする生地パーツの形状を表示したものである。裁断コードCやポイントマークP1〜P8については後述する。なお、それぞれのパターン区画Lには、1着の衣類を構成するのに必要となる数(「1」を含む)のパーツパターンHをグループ化して、素材生地Wの幅方向で複数のグループ(図例ではHa,Hb,Hcの3着分とした)が分配状に配置されている。
まず、生地テーブル2について説明する。生地テーブル2は、素材生地Wを広げた状態で支持するところである。なお、少なくとも、1サイクル動作で裁断の対象とする領域(一つのパターン区画L)を支持することができればよいものとする。しかし、本実施形態において生地テーブル2は、素材生地Wを支持できる領域として、互いに隣接する裁断ゾーンと検出ゾーンとを有したものとしてある。そのため、本実施形態において生地テーブル2は、少なくとも二つのパターン区画Lを支持することのできる大きさで形成されたものとなっている。
この生地テーブル2には搬送機構6が備えられており、検出ゾーンを搬送方向の一次側とし、裁断ゾーンを搬送方向の二次側とする向き(図1の右側から左側へ向く方向)で、当該生地テーブル2の上面に支持した素材生地Wを、乗り換え無しのまま搬送できるようになっている。
すなわち、このベルトコンベア8の上張り部8aが生地テーブル2を形成しているものである。
吸引ヘッド10は、可撓性ホース13を介して真空発生装置やブロワー等の吸引装置14と接続されている。そのため、この吸引装置14を作動させることで、生地テーブル2上のエアをテーブル面下方へ吸引して、生地テーブル2上の素材生地Wをテーブル面に吸着保持させることができる。これにより、裁断ヘッド3による素材生地Wの裁断を、容易且つ確実に行えるようにする。
次に、前記した生地テーブル2の裁断ゾーンに対応して設けられている裁断ヘッド3及びヘッド移動機構4について説明する。
送り部21は、生地テーブル2の搬送機構6(ベルトコンベア8)による搬送方向に平行な方向(X方向に同じ)か、このX方向に対して水平面内で直交する方向(Y方向に同じ)のうちいずれか一方、又はX方向とY方向とを適宜組み合わせた斜め方向へ向けて裁断ヘッド3を水平移動させる。
昇降部23は、回転刃20の下端が生地テーブル2上の素材生地Wに接触する高さとその上方へ待避する高さとの間で裁断ヘッド3を昇降させる。
ポイントマークP1〜P8など)を検出するところである。
この検出部5は、生地テーブル2の上面に近い高さに保持された光源27と、この光源27から上方へ分離して設けられたラインセンサカメラ28とを有している。またこの検出部5は、これら光源27とラインセンサカメラ28とを互いに一体の位置関係に保持させたまま、素材生地Wの上方で走行させるための走行機構29を具備している。すなわち、この検出部5では、光源27とラインセンサカメラ28とを走行させながら、素材生地Wの表示物を検出する構成となっている。
なお、光源27をレーザー方式とする場合は、光源27を素材生地Wの上方に離れた高位部へ設けるようにすればよい。
このラインセンサカメラ28は、受光素子30の並びを前記した横断方向(即ち、素材生地Wの幅方向=Y方向)に沿わせるようにして設置されており、且つ、素材生地Wの表示物を前記横断方向の画角θ内に収めることのできる高位部に配置されている。
走行機構29は、光源27を上記した低位部で一定高さを保持させつつ走行させる光源駆動部37と、ラインセンサカメラ28を上記した高位部で一定高さを保持させつつ走行させるカメラ駆動部38と、これら両駆動部37,38を同期動作させる同期部39とを有している。
を互いに同一速度で走行させる必要がある。そのため、光源駆動部37の駆動源やカメラ駆動部38の駆動源には、ステッピングモータやサーボモータ等の高精度の駆動制御が可能なモータを採用してある。
また、ラインセンサカメラ28による検出動作(各受光素子30による走査)は、ラインセンサカメラ28の走行信号(エンコーダにより検出して得られる出力)を基準に同調させる必要がある。そのために、特に、カメラ駆動部38によるラインセンサカメラ28の走行駆動には、走行振動や揺れなどを排除した安定走行が要求される。そこで本実施形態では、頑丈なフレーム構造体40を構築すると共に、このフレーム構造体40に対してリニアガイドなどの直線案内手段41を介して、ラインセンサカメラ28が円滑に移動するように保持させてある。
なお、フレーム構造体40は、生地テーブル2などの振動がラインセンサカメラ28の走行に伝わらないようにするのが好適とされる。そのため、支柱42は、生地テーブル2と非接触状態にして立設させるか、又は適宜の緩衝材を介して生地テーブル2と接合して立設させるとよい。
なお、光源駆動部37やカメラ駆動部38は、互いに共通する駆動源を用いる構造として、この駆動源から、チェーンやベルトなどの巻掛け伝動機構、又は歯車伝動機構で駆動を分配させるようにすることもできる。この場合、同期部39は、巻掛け伝動機構や歯車伝動機構などの機械的要素で構成されるものとなる。
素材生地Wに表示された表示物(パーツパターンH、裁断コードC、ポイントマークP1〜P8など)のうち、裁断コードCは、パターン区画LからパーツパターンHを切り出すための裁断プログラムを指示するものである。
裁断データや裁断条件は、生地裁断装置1に備えられるデータベースに対して多種多様なものが予め蓄積されており、その中から裁断コードCによって指示されたものを読み出して、組み合わせるようにする。
P3及びP2,P4は、素材生地Wの幅方向に離れて配置されている。
これらのポイントマークP1〜P8は、各グループ(パーツパターンHa,Hb,Hc)の配置や配置に要する広さを特定するうえで有益に用いることができる。また、パターン区画Lとしての全体的な広さや配置を特定するうえでも有益に用いることができる。
これらポイントマークP1〜P8は、捺染以外の方法(例えば、素材生地W自体の編組織を部分的に異ならせたり凹凸や孔を設けたり、或いは接着剤やシール等の付着物を付着したりする方法)で表示させてもよい。
素材生地Wが、生地ロールR(図1参照)から生地テーブル2上へ巻き出されるに際し、素材生地Wのうち、巻出方向において先頭のパターン区画Lが生地テーブル2の検出ゾーン内に収まるようになると、生地テーブル2の搬送機構6は一旦停止する。このとき、生地テーブル2の裁断ゾーンには、まだ素材生地Wが供給されていない状態にある。
また、光源27及びラインセンサカメラ28の走行中には、光源27による素材生地Wへの照射と、ラインセンサカメラ28による反射光の検出とを実行させ、検出ゾーン内のパターン区画Lから全ての表示物を読み取らせる。
表示物の読み取りは、イメージマッチング法によって行えばよい。イメージマッチング法は、イメージデータとして検出したデータを、予め記憶しているイメージデータ(マスターパターン)とマッチングさせることで、関連する所定の座標(イメージの中心点等)として読み出す判別方法を言う。
それらの結果として、パーツパターンHaを含むグループ(1着分)について、4つに区割りした各小区画ごとに縦横の伸縮率を求めたことになる。このようにして、以下、パーツパターンHb及びHcを含む各グループ(それぞれ1着分)についても、4つに区割りした各小区画ごとに縦横の伸縮率を求める。
次に、生地テーブル2の搬送機構6を作動させて、検出ゾーンで停止していたパターン区画L(裁断プログラムを生成し且つ補正して裁断準備が整ったパターン区画L)を生地テーブル2の裁断ゾーンへ向けて移動させる。このパターン区画Lが裁断ゾーンに到達し、収まったときに、生地テーブル2の搬送機構6を停止させる(図1の状態とする)。当然に、搬送機構6の作動時には生地ロールRから生地テーブル2上へ素材生地Wが巻き出されるようになるので、検出ゾーンには、後のサイクルで裁断を行うパターン区画Lが搬入され、停止することになる。
この裁断が行われているとき、検出部5が走行機構29(光源駆動部37、カメラ駆動部38及び同期部39)を作動させ、光源27とラインセンサカメラ28とを同一方向及び同一速度で一体走行させる。
裁断ゾーンでの裁断及び検出ゾーンでの検出が完了すると、生地テーブル2の搬送機構6が作動し、切り出された生地パーツや切り滓を生地テーブル2から搬出する。これによって1サイクル動作が終了する。
以上、詳説したところから明らかなように、本発明に係る生地裁断装置1では、生地テーブル2によって停止状態に支持された素材生地Wに対し、その上方でラインセンサカメ
ラ28を1回走行させるだけの短い時間内に、素材生地Wの表示物(パーツパターンH、裁断コードC、ポイントマークP1〜P8など)を一気に検出(読み取り)することができる。
これらのことから、本発明に係る生地裁断装置1では、素材生地Wのパターン区画LからパーツパターンH(Ha,Hb,Hcなど)の輪郭に一致又は沿わせて生地パーツを切り出すサイクル動作につき、そのサイクルタイムの時間短縮化(高能率化)が図れることになる。
従って、素材生地Wの広幅化を採り入れて、裁断作業の1サイクル内で多くの生地パーツを切り出すことができるようになり、その結果、裁断作業の高能率化が可能である。言うまでもなく、広幅の素材生地Wであっても、パーツパターンHの配置ズレや変形に対する補正処理は短時間で行えるので、この補正処理が裁断作業全体のサイクルタイムへ悪影響を及ぼすことはない。
例えば、素材生地Wの生地質や厚さ等は何ら限定されるものではなく、天然素材でも合繊素材でもよいし、場合によっては不織布等としてもよい。また広幅サイズであるか標準サイズであるかについても限定されない。
裁断コードCを用いて裁断プログラムを生成させることは限定されるものではなく、裁断コードCを表示させない場合や、別の目的で裁断コードCを表示させる場合も含むものとする。またポイントマークP1〜P8を用いて裁断プログラムを補正することは限定されるものではなく、補正を行わない場合も含むものとする。
検出部5の光源27は、素材生地Wの表示物に対して強力で均一な照度を付与できることを必要条件として、大型の照明器具の使用、素材生地Wから上方へ大きく離れた高位部への配置、固定的(非移動)な設置などを行うようにしてもよい。
断方向に複数設けてもよい。このようにすることで、受光素子30の並び数が少ない小型のカメラを複数台、連結して配置する構造を採用可能となり、低コスト化を図ることができる。
生地テーブル2は、吸引によって素材生地Wを停止状態に保持させる構成とすることが限定されるものではなく、吸引機構を備えないものであってもよい。
素材生地Wの各パターン区画L、又は幅方向で分配状に配置される各グループに対し、衣類の購入者による選出順などにしたがい、異なるパーツパターンHが表示されているものとしてもよい。この場合、パターン区画Lごと、グループごとに異なる裁断プログラムを指示するように、各別の裁断コードCを表示しておけばよい。
2 生地テーブル
3 裁断ヘッド
4 ヘッド移動機構
5 検出部
6 搬送機構
8 ベルトコンベア
8a 上張り部
8b 下張り部
9 ベルト駆動部
10 吸引ヘッド
12 吸引部移動機構
13 可撓性ホース
14 吸引装置
20 回転刃
21 送り部
22 旋回部
23 昇降部
27 光源
28 ラインセンサカメラ
29 走行機構
30 受光素子
31 広角レンズ
37 光源駆動部
38 カメラ駆動部
39 同期部
40 フレーム構造体
41 直線案内手段
42 支柱
43 横材
θ 画角
C 裁断コード
D 区画線
H(Ha,Hb,Hc) パーツパターン
L パターン区画
P1〜P8 ポイントマーク
R 生地ロール
S 検出領域
W 素材生地
Claims (7)
- 表示物が表示された素材生地を広げた状態で支持する生地テーブルと、
前記生地テーブルの上方に設けられて前記生地テーブル上の素材生地を裁断する裁断ヘッドと、
前記裁断ヘッドを昇降、水平旋回、水平移動させるヘッド移動機構と、
前記生地テーブル上の素材生地から表示物を検出する検出部と、を有しており、
前記検出部は、
前記素材生地に対し前記表示物を少なくとも直線状に横断する横断方向にわたって均一照度で照射する光源と、
前記光源からの照射光が素材生地で反射することによる反射光を受光できる位置で前記横断方向に沿わせて複数の受光素子を並設させるように設置されたラインセンサカメラと、
を有していることを特徴とする生地裁断装置。 - 前記検出部のラインセンサカメラは、前記反射光を前記受光素子の並び全体にわたりオーバーラップの出ない単一の画角として受光可能にする構成であることを特徴とする請求項1記載の生地裁断装置。
- 前記検出部の光源は、前記素材生地の直上で近接する低位部に配置されて且つ当該素材生地の表示物を前記横断方向全体にわたって照射できる長尺形に形成されており、
前記検出部のラインセンサカメラは、前記光源から上方に離反した状態で前記素材生地の表示物を前記横断方向の画角内に収めることのできる高位部に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の生地裁断装置。 - 前記検出部は、前記光源と前記ラインセンサカメラとを同一方向及び同一速度で一体走行させる走行機構を具備しており、この走行機構により光源及びラインセンサカメラが走行中に素材生地の表示物を検出可能な構成となっていることを特徴とする請求項3記載の生地裁断装置。
- 前記生地テーブルには、テーブル上の素材生地を搬送可能にする搬送機構が備えられており、当該搬送機構が停止して前記生地テーブル上で素材生地が停止支持されている状態で前記検出部の前記走行機構が前記ラインセンサカメラと光源とを走行させる構成となっていることを特徴とする請求項4記載の生地裁断装置。
- 前記生地テーブルは、前記裁断ヘッドが前記ヘッド移動機構によって移動可能とされる裁断ゾーンと、この裁断ゾーンに隣接して設けられた検出ゾーンとを有しており、
前記検出ゾーンに対応して前記検出部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の生地裁断装置。 - 前記生地テーブルには、前記検出ゾーンを搬送方向の一次側とし前記裁断ゾーンを搬送方向の二次側として素材生地を搬送する搬送機構が備えられていることを特徴とする請求項6記載の生地裁断装置。
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