JP2013118983A - X線画像診断装置及びx線検出器の暗電流のオフセット補正方法 - Google Patents

X線画像診断装置及びx線検出器の暗電流のオフセット補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検査手技やオフセット補正モードの種類の違いを考慮してオフセット補正を行う。
【解決手段】検査手技の選択操作を受け付け(S1)、X線を用いた検査手技に対し、複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する順序を対応づけた判定順序データを参照し、選択された検査手技に対応する判定順序を設定し(S2)、前記判定順序に沿って、前記複数種類のオフセット補正モード毎の実行要否を判定し(S3〜S5)、判定において実行する必要があると判定されたオフセット補正モードによるオフセット補正処理を実行する(S6)。
【選択図】図4

Description

本発明は、X線画像診断装置及びX線検出器の暗電流のオフセット補正方法に係り、特に、X線検出器(以下、Flat Panel Detectorを略して「FPD」と記す。)を用いたX線画像診断装置におけるFPDのオフセット補正技術に関するものである。
X線画像診断装置は、X線CT装置やMRI装置や超音波診断装置等の他のモダリティと比較して、デジタル画像化の進展が遅れていたが、近年、X線画像データの蓄積・読出しが可能な記憶媒体の出現、並びに半導体X線検出素子を2次元アレイ状に形成したFPDの出現により、デジタル画像化の進展が加速されている。
FPDはX線蛍光体(シンチレータ)とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の半導体素子を組み合わせたX線検出素子を2次元平面上に複数個配列して構成されている。各X線検出素子には、X線照射によって発生したシンチレータの光に対応して半導体素子に流れる電流を積分することによってX線量を検出するX線検出回路が設けられている。
FPDを構成する半導体素子には、FPDの電源をオンすると、シンチレータへX線が入射しなくとも微弱な電流(暗電流という)が流れ、X線検出回路によって時間積分される。この状態でX線撮影が行われると、被検体を透過したX線の検出値と暗電流成分の積分値との合算値がFPDから読み出される。したがって、被検体の診断用画像を作成するためには、X線撮影時にFPDから出力された撮影画像から暗電流成分を取り除く必要がある。このFPDの撮影画像から暗電流成分を取り除く処理をオフセット補正という。
FPDの半導体素子に流れる暗電流は、X線撮影装置が設定されたX線室の温度環境や、半導体素子が発する熱等によりX線撮影の開始とともに変動する。このために、オフセット補正に用いる暗電流成分(以下、オフセット補正データと記す。)の収集動作がX線検査の進行とともに、X線撮影装置内で繰り返して行われる必要がある。
オフセット補正に用いる暗電流成分の取得方法として、特許文献1には、X線撮影が行われている期間はオフセット補正データの取得を行わずに、X線撮影が行われていない期間にオフセット補正データを取得する方式が開示されている。
特開2006−239101号公報
透視撮影用のFPDでは、撮影の種類(パルス撮影、連続撮影、binning)や、照射されるX線の特性(フレームレート、パルス時間)に応じた複数の検査手技において用いられるので、これら検査手技に応じたオフセット補正モードを行うことが望ましい。しかしながら、特許文献1には、検査手技や異なる種類のオフセット補正モードに関しての考慮がされていないという問題があった。
そこで、本発明は、検査手技やオフセット補正モードの種類の違いを考慮してオフセット補正を行うX線画像診断装置及びX線検出器の暗電流のオフセット補正方法を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、本発明に係るX線画像診断装置は、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出し、検出したX線の強度に応じた電気信号を出力するX線検出器と、前記電気信号に基づいて画像処理を行い、X線画像を生成する画像処理部と、前記X線を用いた検査手技の選択操作を受け付ける手技選択部と、前記X線検出器に蓄積される暗電流のオフセット補正を、種類が異なる複数のオフセット補正モードにより実行するオフセット補正実行部と、前記検査手技に対し、前記複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する順序を対応づけた判定順序データを記憶する判定順序記憶部と、前記判定順序データを参照し、前記手技選択部により選択された検査手技に対応した判定順序に沿って、前記複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する判定部と、前記X線画像を表示する表示部と、を備え、前記オフセット補正実行部は、前記判定部による判定結果に基づいて各オフセット補正モードによるオフセット補正処理を実行する、ことを特徴とする。
また本発明に係るX線検出器の暗電流のオフセット補正方法は、X線源から照射されるX線を検出し、検出したX線の強度に応じた電気信号を出力するX線検出器に蓄積される暗電流のオフセット補正方法であって、前記X線を用いた検査手技の選択操作を受け付けるステップと、前記X線を用いた検査手技に対し、複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する順序を対応づけた判定順序データを参照し、前記選択された検査手技に対応する判定順序を設定するステップと、前記判定順序に沿って、前記複数種類のオフセット補正モード毎の実行要否を判定するステップと、前記判定において実行する必要があると判定されたオフセット補正モードによるオフセット補正処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、検査手技やオフセット補正モードの種類の違いを考慮してオフセット補正を行うX線画像診断装置及びX線検出器の暗電流のオフセット補正方法を提供することができる。その結果、選択された検査手技にとって、より優先度の高いオフセット補正モードから順に実行要否が判定することができ、優先度の高いオフセット補正が実行されないままX線画像を生成することによる画質の低下を抑制することができる。
本実施形態に係るX線画像診断装置の全体構成を示す図 オフセット補正処理部80の構成を示すブロック図 判定順序データ及び補正モードデータの一例を示す模式図であって、(a)は判定順序データを示し、(b)は補正モードデータを示す。 本実施形態の処理の流れを示すフローチャート 検査手技Aが選択された場合のオフセット補正モードの判定順序の一例を示す説明図 検査手技Bが選択された場合のオフセット補正モードの判定順序の一例を示す説明図 検査手技Cが選択された場合のオフセット補正モードの判定順序の一例を示す説明図
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。同一機能を有する構成及び同一の処理内容の手順には同一符号を付し、その説明の繰り返しを省略する。本実施形態では、被検体の静止画像からなるX線画像を取得する「撮影」、及び被検体の動画像からなるX線画像を取得する「透視」のどちらの検査にも用いられるX線画像診断装置に本発明を適用した場合を例に説明するが、「撮影」又は「透視」のどちらかのみを行うX線画像診断装置にも本発明を適用できる。
まず、図1に基づいて、本実施形態に係るX線画像診断装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るX線画像診断装置の全体構成を示す図である。
図1に示すX線画像診断装置1は、被検体2にX線を照射するX線源10と、被検体2に対するX線照射領域を設定する絞り装置11と、X線源10に電力供給を行なう高電圧発生器12と、X線源10に対向する位置に配置され、被検体2を透過したX線を検出するX線検出器20と、X線検出器20から出力されたX線信号に対して画像処理を行なう画像処理部30と、X線画像(透視画像を含む)を表示する表示部40と、上記各構成要素を制御する制御部50と、制御部50に対する指示の入力操作を行う操作部60と、被検体2を載置する寝台70と、を備えている。
X線源10は、高電圧発生器12から電力供給を受けてX線を発生させるX線管球を有する。また、X線源10には、特定のエネルギーのX線を選択的に透過させるX線フィルタなどを有していてもよい。
絞り装置11は、X線源10から発生したX線を遮蔽するX線遮蔽用鉛板を複数有し、複数のX線遮蔽用鉛板をそれぞれ移動することにより、被検体2に対するX線照射領域を決定する。
X線検出器20は、例えば、X線を検出する複数の検出素子が二次元アレイ状に配置されて構成されたフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下略して「FPD」と記す。)を用い、X線源10から照射されて被検体2を透過したX線の入射量に応じたX線信号を検出する機器である。
画像処理部30は、X線検出器20から出力されたX線信号を画像処理し、画像処理されたX線画像を出力する。画像処理には、例えば、ガンマ変換処理、階調変換処理、画像の拡大・縮小処理等が含まれる。
表示部40は、画像処理部30から出力されたX線画像を表示するもので、例えばCRTや液晶パネルを用いた画像表示装置を備える。
操作部60は、検査の開始の指示を入力する検査開始部61と、検査手技を選択する手技選択部62と、を備える。検査開始部61は、例えば、X線の曝射指示を入力するX線曝射ボタンやフットペダルを備えてもよい。検査開始部61からの指示入力が停止すると検査を中断・停止する。手技選択部62は、撮影の種類(パルス撮影、連続撮影、binning)や、照射されるX線の特性(フレームレート、パルス時間)に応じた複数の撮影モードを選択する装置であり、例えば、被検体2の検査部位と撮影/透視の種別とを組み合わせたプリセットメニューを表示部40に表示し、表示されたプリセットメニューから検査部位を選択することで、上記撮影の種類やX線の特性を選択できる装置として構成してもよいし、各撮影モードに応じた撮影条件の設定入力を行う装置として構成してもよい。その他、操作部60は、検査手技や撮影条件を規定するパラメータを入力したり、画像処理部30及び表示部40による画像処理・表示の条件を入力したりする入力装置、例えばマウス、キーボード、タッチパネルや各種ボタンを備える。
制御部50は、高電圧発生器12、X線検出器20、画像処理部30、表示部40及び操作部60と接続され、操作部60からの入力条件に従って、高電圧発生器12、X線検出器20、画像処理部30、及び表示部40の動作を制御する。また、制御部50は、X線検出器20の暗電流のオフセット補正を行うオフセット補正処理部80を備える。このオフセット補正処理部80は、複数種類のオフセット補正モードを用いて、X線検出器20のオフセット補正を行う。
次に、図2、3に基づいて、オフセット補正処理部80の構成及びオフセット補正処理に用いるデータについて説明する。図2は、オフセット補正処理部80の構成を示すブロック図である。図3は、判定順序データ及び補正モードデータの一例を示す模式図であって、(a)は判定順序データを示し、(b)は補正モードデータを示す。
図2に示すように、オフセット補正処理部80は、各検査手技に対し、複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する順序を対応づけた判定順序データを記憶する判定順序記憶部81と、補正順序データを参照し、手技選択部62により選択された検査手技に対応した順序で、複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する判定部82と、X線検出器20に蓄積される暗電流のオフセット補正を実行するオフセット補正実行部83と、判定部82による判定時刻や、オフセット補正の実施時刻を計測する計時部84と、各オフセット補正モードの最終実施時刻を記憶する最終実施時刻記憶部85と、表示部40にオフセット補正の実行状況を表示するオフセット補正状況表示制御部86と、を備える。上記各構成要素は、これらの機能を実現するためのプログラムと、そのプログラムと協働し、プログラムの機能を実現する演算・制御装置や記憶装置からなるハードウェアを用いて構成してもよいし、例えば計測部84を、RTC(Real Time Clockの略)を用いて構成するなど、専用回路により構成してもよく、各構成要素の機能を実現するものであればその装置構成は問わない。
判定順序記憶部81に記憶される判定順序データ81aには、検査手技と、オフセット補正モードの実行要否の判定順序と、が関連付けて記録されている。例えば、図3の(a)に示す補正順序データ81aでは、検査手技毎にモード番号1、2、3、4、5、6からなる6種類のオフセット補正について実行要否の判定順序が規定される。例えば「検査手技A」に対しては、「1、2、3、4、5、6」の判定順序が関係づけられて登録されている。同様に、「検査手技B」に対しては、「2、1、3、4、5、6」の判定順序が関係づけられて登録されている。また、「検査手技C」に対しては、「2、1、3、4、5、6」の判定順序が関係づけられて登録されている。
最終実施時刻記憶部85は、各オフセット補正データとその最終実施時刻とを記録した補正モードデータ85aを記憶する。
図3の(b)に示す補正モードデータ85aでは、更に、判定順序データ81aで使用する各オフセット補正モードの詳細も関連付けて記憶する。補正モードデータ85aには、オフセット補正モードのモード番号と、「撮影の種類」、X線の特性例として「フレームレート」及び「パルス照射時間」と、オフセット補正実行部83により最後にそのモードによるオフセット補正処理が行われた時刻である「最終実施時刻」と、撮影した画像のデータサイズを規定する「ビニング」と、が関連付けて記憶される。「最終実施時刻」の更新処理は、オフセット補正実行部83が実行終了時に行う。
補正モードデータ85aでは、「モード1」は、撮影の種類として「パルス(撮影)」、フレームレートは「fr1」、パルス照射時間は「p1」、最終実施時刻「t1」、ビニング「b1」が関連付けて記憶されている。「モード2」は、撮影の種類として「連続(撮影)」、フレームレート及びパルス照射時間はデータなし、最終実施時刻は「t2」、ビニング「b2」が関連付けて記憶されている。「モード3」は、撮影の種類として「単発(撮影)」、フレームレートは「fr2」、パルス照射時間は「p2」、最終実施時刻は「t3」、ビニング「b3」が関連付けて記憶されている。1つの検査手技には、その検査手技に適した複数のモードがあり、例えば頭部撮影用に検査手技(A)を作成したとすると、検査手技Aには頭部撮影に適した複数のモード番号、例えば1、2、3がある。そこで、検査手技Aに対応する判定要否の順序において、検査手技Aに適した補正モード1、2、3は、先頭に配置される。
上記判定順序データ81a及び補正モードデータ85aは一例に過ぎず、項目数やパラメータの種類、数などは適宜変更できる。
本実施形態は、検査手技に応じて複数種類のオフセット補正モードの実行要否の判定順序が設定され、それに基づいてオフセット補正モードの実行要否の判定を行う実施形態である。以下、図4乃至図7を用いて本実施形態の処理について説明する。図4は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。図5は、検査手技Aが選択された場合のオフセット補正モードの判定順序の一例を示す説明図である。図6は、検査手技Bが選択された場合のオフセット補正モードの判定順序の一例を示す説明図である。図7は、検査手技Cが選択された場合のオフセット補正モードの判定順序の一例を示す説明図である。以下、図4の各ステップ順に説明する。
(ステップS1)
検査開始に先立ち、被検体2を寝台70に載置する。次いで、ユーザは、操作部60の手技選択部62から検査手技を選択する(S1)。
(ステップS2)
判定部82は、オフセット補正順序記憶部81に記憶された判定順序データ81aを参照し、ステップS1で選択された検査手技に対応する判定順序を設定する(S2)。
(ステップS3)
判定部82は、ステップS2で設定したオフセット補正順序で、最初(1番目)に実行要否の判定対象とするオフセット補正モードを設定する(S3)。
(ステップS4)
ユーザが検査開始部61から撮影開始の指示を入力したか否かが判定され、肯定であればステップS2へ進み、否定であればステップS5へ進む(S4)。
(ステップS5)
判定部82は、最終実施時刻記憶部85の補正モードデータ85aを参照し、ステップS3で判定対象として設定されたオフセット補正モードの最終実施時刻を読み出す。次いで、判定部82は、計時部84を参照して現在時刻を取得し、上記最終実施時刻から現在時刻までの経過時間を算出する。次いで、その経過時間と予め定められた所定期間と比較することで、経過時間が所定時間よりも短いか否かを判定する。否定であればステップS3へ戻り、肯定であればステップS6へ進む(S5)。
(ステップS6)
オフセット補正実行部83は、X線検出器20に対し、ステップS3で判定対象として設定されたオフセット補正モードによるオフセット補正を実行する。そして、オフセット補正が終了すると、補正モードデータ85aの最終実施時刻を記録・更新する(S6)。その後、S3へ戻り、判定順序に従って、次のオフセット補正モードを判定対象として設定する。
(ステップS7)
オフセット補正状況表示制御部86は、表示部40にオフセット補正の実行状況を表示する(S7)。オフセット補正の実行状況の表示は、例えば、オフセット補正状況表示制御部86が、ステップS2で算出されたオフセット補正モードの順序に従って、全オフセット補正モードについて「実行済」、「実行中」、「未実行」を区別して表示してもよいし、全オフセット補正モードの実行が終わるまでに必要な時間を算出して表示してもよい。また、ステップS6で実行中のオフセット補正モードの終了までの時間を表示してもよい。なお、オフセット補正状況の表示は、必須ではない。すなわち、本ステップがなくても、オフセット補正モードの実行要否の判定を行うことはできる。
上記の処理による効果について図5を用いて説明する。
図5に示すように、検査手技Aの選択後の1回目のオフセット補正処理(図5では、「オフセット補正処理1」と記す。)が開始される。「検査手技A」が選択された場合、判定順序データ81aによれば、オフセット補正モードは、「1、2、3、4、5、6」の順序で実行要否が判定される。
よって、オフセット補正処理1では、まず、オフセット補正モード1の実行要否の判定がされる。そして、オフセット補正モード1が前回実施された時の時刻である最終実施時刻から所定時間、例えば10分以上経過していると、判定部82は、実行が必要と判断し、オフセット補正実行部83がオフセット補正モード1によるオフセット補正を実行する。
次に、判定部82は、オフセット補正モード2の実行要否の判定を行う。そして、オフセット補正モード2が前回実行された時の時刻である最終実施時刻から所定時間以上経過していると、オフセット補正モード2が実行要と判断され、このモードを用いたオフセット補正処理が実行される。
次に、オフセット補正順序に従えば、オフセット補正モード3が判定対象となるべきであるが、撮影処理1(検査手技Aに規定された撮影処理)が行われると、オフセット補正モード3についてはこの撮影処理1の前において判定対象とされない。
そして、撮影処理1が終わる。図5では、撮影処理1が終わった後も、検査手技Aが選択された状態が続行しているので(図5では、矢印Aの長さで検査手技Aの選択状態を示す)、再度、オフセット補正モードは、「1、2、3、4、5、6」の順序で実行要否が判定される。ここで、オフセット補正モード1は、前回のオフセット補正モード1の最終実施時刻から所定時間(上記の例では10分間)が経過していないので、実行不要と判定される。同様に、オフセット補正モード2は、前回のオフセット補正モード2の最終実施時刻から所定時間(上記の例では10分間)が経過していないので、実行不要と判定される。次に、実行要否の判定対象となるオフセット補正モード3は、最終実施時刻から所定時間(上記の例では10分間)が経過しているので実行される。オフセット補正モード4、5、6についても、検査手技Aが選択された状態が続行し、かつ、次の撮影処理や検査中断、終了がされなければ、順次、実行要否の判定がされ、その結果に基づいて実行又は不実行となる。図5では、オフセット補正モード4、5、6が実行要と判定され、その結果実行された場合を示している。その後、撮影処理2が実行される。
撮影処理2では、所定時間内に全てのオフセット補正モードによる補正処理が実行されるが、撮影処理1では、オフセット補正モード1、2のみ行った状態での撮影となる。しなしながら、複数種類あるオフセット補正モードのうち、検査手技に応じて実行の要否を判定する順序を決めているので、選択された検査手技にとって、より優先度が高い順にオフセット補正モードの実行要否、及びそれに伴う実行・不実行を行うことができる。その結果、連続する撮影処理の間隔が短く、全てのオフセット補正モードを実行する時間が確保できない場合でも、より優先度の高いオフセット補正モードを実行することで、暗電流成分による画質の低下を抑止し、X線画像の画像品質の向上に寄与することができる。
次に図6に基づいて、「検査手技B」が選択された場合を例に説明する。
図6の例では、「検査手技B」が選択される前に、検査手技Xの選択中(矢印Xが示す時間)のオフセット補正処理が行われ、オフセット補正モード2及び3が実行されているとする。
その後、「検査手技B」が選択されたとする。「検査手技B」の選択中(矢印Bが示す時間)は、判定順序データ81aによれば、オフセット補正モードは、「2、1、3、4、5、6」の順序で実行要否が判定される。
よって、判定部82は、まずオフセット補正モード2について実行要否を判定する。オフセット補正モード2は、矢印Xの終了間際に実行されており、最終実施時刻から所定時間が経過していないため、実行不要と判定される。
2番目に、判定部82は、オフセット補正モード1について実行要否を判定する。オフセット補正モード1は、最終実施時刻から判定時刻までに所定時間が経過しているため、実行要と判定される。その結果、オフセット補正モード1による暗電流のオフセット補正が実行される。
3番目に、判定部82は、オフセット補正モード3について実行要否を判定する。オフセット補正モード3も、矢印Xの終了間際に実行されており、その時刻から所定時間が経過していないため、実行不要と判定される。
以後、オフセット補正モード4、5、6の順に実行要否の判定がされる。その結果、各モードの最終実施時刻から判定時刻までの経過時間が所定時間以上であるので、実行要と判定され、各オフセット補正モード4、5、6による暗電流のオフセット補正が実行される。その後、検査手技Bにより規定された撮影処理が行われる。この撮影処理では、所定時間内に全てのオフセット補正モードが実行された状態で、撮影を行うことができる。
次に図7に基づいて、「検査手技C」が選択された場合を例に説明する。「検査手技C」が選択された場合、判定順序データ81aによれば、オフセット補正モードは、「4、2、3、1、5、6」の順序で実行要否が判定される。そこで、図7では、「検査手技C」が選択されると、オフセット補正処理1では、オフセット補正モード4、2の順で実行要否の判定がされる。この直後に撮影処理1(検査手技Cに規定された撮影処理)が行われると、オフセット補正処理1では、オフセット補正モード3以降の実行要否の判定は行われない。
撮影処理の終了後、オフセット補正処理2が実行される。オフセット補正処理2は、検査手技Cの選択中(矢印Cが示す時間中)に行われるので、各オフセット補正モードは、「4、2、3、1、5、6」の順序で実行要否が判定される。ここで、オフセット補正モード4、2は、撮影処理の直前に実行されており、最終実施時刻からの経過時間が所定時間未満なので、オフセット補正処理2では実行不要と判定される。
次にオフセット補正モード3の実行要否の判定がされ、実行要と判定された結果、モード3によるオフセット補正処理が実行される。この直後、検査手技Cの選択状態が解除になる(矢印Cが終了する)と、オフセット補正モード1、5、6は判定対象とならない。
なお、検査手技Cの選択状態が解除後、新たな検査手技が選択されず、X線画像診断装置1が待機状態となった場合には、次の検査に備えて、やり残したオフセット補正モード1、5、6の順に実行要否の判定を行い、必要であれば実行を行ってもよい。
更に、X線画像診断装置1が待機状態となった場合には、次の検査に備えて、オフセット補正を随時行ってもよい。この場合、直近で設定されたオフセット補正モードの順序に沿って、オフセット補正モードの実行要否を判定してもよい。図7の例では、検査手技Cに対応するオフセット補正モードの順序を、待機状態における判定順序として流用する。または、待機状態におけるオフセット補正モードの判定順序を予め定めておき、直近の検査手技(図7では検査手技C)が終了すると、待機状態用の判定順序に切り変わるように構成されてもよい。
本実施形態によれば、X線撮影と次のX線撮影の間隔が短い場合、全オフセット補正モードのオフセット補正処理を行うことはできないという事態が起こりうるが、検査手技に応じて複数あるオフセット補正モードの実行要否の判定順序を決めておくことにより、より優先順位の高いオフセット補正モードから実行することができる。
上記実施形態では、実行要否の判定に最終実施時刻からの経過時間を用いたが、X線検出器の温度を計測する温度測定部を備え、温度変化又はX線検出器の温度が閾値を超えるとオフセット補正を実行すると判定してもよい。
その他の実施形態として、表示部40にオフセット補正データの判定順序を表示し、操作部60からのユーザが適宜判定順序を編集できるように構成しても良い。
また、補正モードデータ85aに各補正モードの使用頻度を記憶し、その使用頻度が相対的に高いオフセット補正モードが、判定順序データ81aに登録された判定順序データにおいて相対的に早い順番になるように、判定順序データを変更する判定順序編集部を更に備えても良い。例えば、デフォルトでは判定順序データ81aの検査手技Aの補正要否の判定順序が「1,2,3,4,5,6」と規定されていたとする。ここで、補正モード2と補正モード3との使用頻度を比べると、補正モード3の使用頻度が補正モード2よりも相対的に高いとする。この場合、判定順序編集部は、判定順序データ81aの検査手技Aの補正要否の判定順序「1,2,3,4,5,6」を、より使用頻度が高いものから順に判定要否が行えるように「1,3,2,4,5,6」に変更してもよい。
1:X線画像診断装置、2:被検体、10:X線源、11:絞り装置、12:高電圧発生器、20:X線検出器、30:画像処理部、40:表示部、50:制御部、60:操作部、70:寝台

Claims (5)

  1. X線源と、
    前記X線源から照射されるX線を検出し、検出したX線の強度に応じた電気信号を出力するX線検出器と、
    前記電気信号に基づいて画像処理を行い、X線画像を生成する画像処理部と、
    前記X線を用いた検査手技の選択操作を受け付ける手技選択部と、
    前記X線検出器に蓄積される暗電流のオフセット補正を、種類が異なる複数のオフセット補正モードにより実行するオフセット補正実行部と、
    前記検査手技に対し、前記複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する順序を対応づけた判定順序データを記憶する判定順序記憶部と、
    前記判定順序データを参照し、前記手技選択部により選択された検査手技に対応した判定順序に沿って、前記複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する判定部と、
    前記X線画像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記オフセット補正実行部は、前記判定部による判定結果に基づいて各オフセット補正モードによるオフセット補正処理を実行する、
    ことを特徴とするX線画像診断装置。
  2. 前記複数種類のオフセット補正モードに含まれる各オフセット補正モードの最終実施時刻を記憶する最終実施時刻記憶部を更に備え、
    前記判定部は、前記最終実施時刻記憶部を参照し、各オフセット補正モードの最終実施時刻から判定時刻までの経過時間を算出し、当該経過時間が予め定められた所定時間を経過している場合に、そのオフセット補正モードの実行が必要であると判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
  3. 前記オフセット補正実行部によるオフセット補正の実行状況を、前記表示部に表示するオフセット補正状況表示制御部を更に備える、
    ことを特徴する請求項1又は2に記載のX線画像診断装置。
  4. 前記オフセット補正モードごとの使用頻度を記憶する使用頻度記憶部と、
    前記使用頻度が相対的に高いオフセット補正モードが、前記判定順序データにおいて相対的に早い順番になるように前記判定順序データを変更する判定順序編集部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のX線画像診断装置。
  5. X線源から照射されるX線を検出し、検出したX線の強度に応じた電気信号を出力するX線検出器に蓄積される暗電流のオフセット補正方法であって、
    前記X線を用いた検査手技の選択操作を受け付けるステップと、
    前記X線を用いた検査手技に対し、複数種類のオフセット補正モードの実行要否を判定する順序を対応づけた判定順序データを参照し、前記選択された検査手技に対応する判定順序を設定するステップと、
    前記判定順序に沿って、前記複数種類のオフセット補正モード毎の実行要否を判定するステップと、
    前記判定において実行する必要があると判定されたオフセット補正モードによるオフセット補正処理を実行するステップと、
    を含むことを特徴とするX線検出器の暗電流のオフセット補正方法。
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