JP2013117433A - 多層フィルムの均質性の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも複数種の層を含む2層以上の多層構造を有する多層フィルムの複数箇所及び/または複数の該多層フィルムのそれぞれに、特定波長の光を照射し、前記特定波長の光の透過率を測定することで、多層フィルムの均質性を検査する。
【選択図】図1
Description
本発明における検査方法の適用対象として好ましい多層フィルムについて、下記に例示しながら説明する。下記の説明は、あくまで例示であり、対象の多層フィルムの素材、用途及び特性について、限定するものではない。
<検査装置>
検査対象となる多層フィルムの照射光に対する挙動は、例えば分光光度計により検出、測定することが可能である。分光光度計は、固体試料の透過率の測定が可能であり、測定可能な波長が、100〜2000nm、特に200〜1600(重水素+ハロゲン光源)、さらには350〜1600nm(ハロゲン光源)の、紫外可視近赤外分光光度計を選択することが好ましい。
<検査方法>
以下に、上記の多層フィルムを、上記の検査装置を用いて検査する方法を例示する。なお、下記の例示は、検査方法の理解のための記載であり、本発明は下記の検査方法のみに限定されるものではない。
〔検査方法1:特定波長透過率の測定による検査方法〕
まず、検査対象の多層フィルムについて、同種の基準多層フィルム(基準品)を準備する。基準品は、例えば10×10mm程度の小片であってもよく、断面観察、X線分析等で、所望の積層構造を有することが予め確認されているものが好ましい。図1〜3の検査装置のいずれか、または試料室を備えた分光光度計を用いて、基準品の透過スペクトルを計測する。なお、試料室を備えた分光光度計を用いれば、より精度の高い透過スペクトルを取得できるが、この場合、実際の検査に用いる装置とは異なる装置での測定となるため、測定波長の装置間差を減じることに留意する必要がる。透過スペクトルの波長範囲は、100〜2000nm、特に200〜1600(重水素+ハロゲン光源)、さらには350〜1600nm(ハロゲン光源)とすることが好ましい。得られた基準品の透過スペクトルより、透過率が最も低くなる、ピーク波長を検出する。好適には、このピーク波長を「特定波長」として、後述の製品における検査の照射光の波長として利用できる。
〔検査方法2:透過スペクトルの測定による検査方法〕
検査方法1と同様に、基準品を準備する。基準品の透過スペクトルを、製品検査を用いる吸光光度計を用いて測定する。同様に、製品についても透過スペクトルを測定し、得られた透過スペクトルについて、基準品の透過スペクトルとのピーク波長の差異、透過率の差異の両方を比較する。具体的には、製品のピーク波長wlについては、基準品のピーク波長WLに対して、wl(nm)=WL(nm)±100nm、より好ましくはwl(nm)=WL(nm)±90nm、さらに好ましくはwl(nm)=WL(nm)±80nmを基準ピーク範囲と設定することができる。また、製品の最低透過率tminについては、基準品の最低透過率をTminとして、tmin(%)=Tmin(%)±20%、より好ましくはtmin=Tmin±15%、さらに好ましくはtmin=Tmin±10%を基準透過率範囲として設定することができる。以上より、製品のピーク波長及び透過率が基準範囲内であれば、製品を「適」と判断することができる。これを多数箇所及び/または多数製品間で行うことにより、製品の均質性の検査が可能となる。
多層フィルムの実施例として、タイヤのインナーライナーとして使用可能な多層フィルムを使用した。ここで使用されるインナーライナーは下記のように製造されたものである。
(1)エラストマーペレットの製造
1,4−ブタンジオールとアジピン酸とを反応させることによって得られた1分子あたりの水酸基数が2.0であり、数平均分子量が1,000であるポリエステルジオール68.8質量%、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート27.5質量%、及び、1,4−ブタンジオール3.7質量%の混合物を、多軸スクリュー型押出機(ダイス温度260℃)で20分間溶融混練することによって、熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造した。この熱可塑性ポリウレタン樹脂を、エラストマーペレットとして用いた。
(2)バリア層形成用ペレットの製造
冷却装置及び揖梓機を有する重合槽に酢酸ビニル20,000質量部、メタノール2000質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を仕込み、撹拌しながら窒素置換後、エチレンを導入、内温60℃、エチレン圧力45kg/cm2に調節し、4時間、その温度及び圧力を保持、揖梓し重合させた。次いで、ソルビン酸10質量部(仕込み酢酸ビニルに対して0.05質量%)をメタノールに溶解し、1.5質量%溶液にして添加した。重合率は、仕込み酢酸ピニルに対して45%であった。この共重合反応液を追出に供給し、塔下部からのメタノール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂より除去した後、この共重合体の40のメタノール溶液を得た。
(3)多層フィルムの製造
エラストマーペレット及びバリア層用ペレットは、それぞれのペレットを構成する樹脂組成物によって交互にエラストマー層が17層及びバリア層が16層の多層構造体(インナーライナー)が形成されるように、フィードブロックにて共押出機に210℃の溶融状態として供給し、共押出を行い合流させることによって、多層積層体(インナーライナー)とした。合流する2つのペレットの溶融物は、フィードブロック内にて各層流路を表面側から中央側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させることにより、押出された多層構造体の各層の厚みが均一になるように押出された。このようにして得られた計33層からなる積層体を、表面温度25℃に保たれ静電印加したキャスティングドラム上で急冷固化した。急冷固化して得られたキャストフィルムを離型紙上に圧着し巻取りを行った。なお、2つのペレットの溶融物が合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約4分となるように流路形状及び総吐出量を設定した。上記の製造方法により、幅30cm、長さ10m、厚さ約50μmの多層フィルムを得た。
〔透過スペクトルの測定〕
上記の多層フィルムについて、ある長手位置で幅方向に外側から6cmおきに20mm×20mmの小片を切り出し、計3枚の小片(試験片1〜3)を得た。また、別途製造した2枚のフィルム(フィルム2、フィルム3)について、同様にそれぞれ小片3枚を切り出した(試験片4〜6、試験片7〜9)。合計9枚の小片について、以下の条件で透過スペクトルの測定を行った。
・光源:重水素・タングステンランプ
〔断面観察〕
フィルム片1〜3の試験片1〜9について、側端面をSEM(Keyence社製、VE8800)を用いて拡大観察した。側端面観察(製品の断面観察)により、試験片1は、製品として適した均質な多層構造を有することを確認した。試験片1の側端面拡大観察結果を基準として、試験片2〜9について、その側端面拡大観察の結果を下記のように評価した。
×:試験片1と比して、3層以上の厚みが異なる、または1〜2層の厚みが大きく異なる。
〔試験結果〕
試験片は720nm付近に特徴的な吸収を示したことから、720nm付近の最小透過率を測定した。フィルム1(試験片2,3)は透過率が40〜48%となり、側端面拡大観察結果がすべて○となった。フィルム2(試験片4〜6)は透過率が60%以上であり、×から△となった。フィルム3(試験片7〜9)は透過率が55〜60%となり、△〜○となった。
Claims (10)
- 少なくとも複数種の層を含む2層以上の多層構造を有する多層フィルムの複数箇所及び/または複数の該多層フィルムのそれぞれに、特定波長の光を照射し、前記特定波長の光の透過率を測定することを特徴とする、多層フィルムの均質性の検査方法。
- 少なくとも複数種の層を含む2層以上の多層構造を有する多層フィルムの複数箇所及び/または複数の該多層フィルムのそれぞれに光を照射し、特定の波長範囲の透過スペクトルを測定することを特徴とする、多層フィルムの均質性の検査方法。
- 前記多層フィルムを構成する多層構造が、少なくとも5層以上よりなり、互いに異なる屈折率を有する複数種の層の繰り返し積層構造を有する、請求項1または2に記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 前記多層フィルムを構成する複数種の層が、それぞれ異なる屈折率を有する高分子材料を有する、請求項3記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 前記多層フィルムの、互いに隣接する層間の屈折率の差異が0.01以上である、請求項3または4に記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 予め前記多層フィルムと同種の基準品の透過スペクトルを測定し、該透過スペクトルで透過率が一定以下となる特定の波長を前記特定波長とする、請求項1に記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 予め前記基準品の特定波長における透過率に基づいて基準透過率範囲を決定する、請求項6記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 前記基準品の特定波長における透過率が60%以下である、請求項7記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 前記多層フィルムを構成する層のうち、少なくとも1層は空気バリア性に優れたバリア層であり、前記バリア層は、20℃、65%RHでの空気透過係数が、9×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下の高分子材料を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
- 前記多層フィルムがタイヤの内面に配置するインナーライナーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層フィルムの均質性の検査方法。
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Citations (4)
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JPH1082866A (ja) * | 1996-04-18 | 1998-03-31 | Sick Ag | オプトエレクトロニクセンサ |
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2011
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