JP2013117401A - 洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロプレートの複数のウェル内で繰り返し実施する定量PCRにおいて、定量PCR解析実施後、次の定量PCRを実施するために必要な磁気ビーズの洗浄を一括して行う。
【解決手段】下端からマイクロプレート500のウェル内の洗浄液を吸引し、上端部の管口から排出する排出ノズル310の上端部の管口が下方を向くようにU字形にする。排出ノズル310は、洗浄液吸引部300の底壁部に固定されたノズルガイドと、ノズルガイド内に上下動可能に挿入され、内部を洗浄液が流通するノズル芯からなり、洗浄液注入部200に固定された細管を貫通してウェルに達する。
【選択図】図10

Description

本発明は、遺伝子解析の際に用いる洗浄装置に関する。
細胞内に発現している遺伝子を高精度に定量解析する方法として、定量PCR解析法が知られている。この方法は、例えば、遺伝子を鋳型としてcDNAを合成し、関心のある遺伝子に特異的な増幅用プローブセット及び検出用蛍光標識プローブを準備し、対象cDNAを増幅しながらその増幅量を検出用プローブで検出する技術である。この方法は、DNAチップなど他の検出方法と比較し、定量精度が良いことが特徴であるが、1つの解析試料について、1種類の遺伝子しか解析できないため、多種の遺伝子解析に課題があった。しかし、我々は、この課題を解決するため、細胞から得る遺伝子を鋳型とするcDNAライブラリを、磁気ビーズ等の微小担体上に合成し、そのcDNAライブラリを利用して、第一の遺伝子に関する定量PCRを実施、その後、洗浄して上記cDNAライブラリを第二、第三の遺伝子に関する定量解析に、繰り返し利用する遺伝子解析方法を開発した(特許文献1)。この技術により、細胞1個について、複数種類の遺伝子の定量解析を実現した(非特許文献1)。
一方、本発明に関わる他の背景技術として、特開2005−30769(特許文献2)がある。この技術は、洗浄装置の一般的構造を開示している。また、磁気ビーズを利用する排液装置として、特開2002−1092号公報(特許文献3)がある。
特開2007−319028号公報 特開2005−30769号公報 特開2002−1092号公報
Nature Methods 6, 503-506 (2009)
特許文献1に記載の技術は、定量PCR装置により遺伝子発現量を比較するため、一度に多数の試料について、並列に解析することができる。一般的な定量PCR装置は、96穴のマイクロプレート、あるいは384穴のマイクロプレートを用いており、そのウェル数だけ同時に定量PCR解析を実施することが可能である。ただし、一部のウェルには、濃度検定用のコントロール試料及び、目的に応じてネガティブコントロールを同時に評価するため、その分、評価可能な試料数は限られる。その結果、多数の試料について、複数種類の遺伝子の発現量を、定量的に解析することが実現されている。
しかし、複数の遺伝子について、繰り返し定量PCRを実施するためには、特許文献1に記載の通り、複数回の洗浄工程が必要となる。例えば、細胞から得る遺伝子を鋳型とするcDNAライブラリを磁気ビーズ等の微小担体(以下、簡単のため、単に磁気ビーズと記載する)上に合成し、その磁気ビーズのcDNAライブラリをマイクロプレートのウェルに分注した後には、定量PCRを実施するために、磁気ビーズの入ったウェル内のバッファーを、定量PCR測定用のバッファーに交換する必要がある。また、第一の遺伝子に関する定量PCRの実施後には、第二の遺伝子に関する定量PCRを実施するために、同様にバッファー交換が必要となる。以降、定量PCRを繰り返すためには、その都度、バッファー交換が必要となる。
これらのバッファー交換では、交換前のバッファーの残留を極力排除する必要がある。交換前のバッファーの残留は、定量PCR解析の結果に大きく影響を及ぼし、時には検定量の数倍の誤差を発生してしまう。また、バッファー交換には、磁気ビーズの流失等のリスクを伴うため、厳密で慎重な操作が求められる。また、外部からの遺伝子や他の物質の混入など、定量PCRの測定精度に大きく影響を与える物質の混入も防ぐ必要がある。これらのことから、このバッファー交換をウェル毎にマニュアルで実施するには、非常に多くの時間と厳密な操作が必要となり、煩雑な作業となっていた。また、作業の水準がそのまま解析精度に影響を与えるため、実験者の技量差が実験誤差に影響する問題が発生する。
この課題には、特許文献2に記載された技術を用い、マイクロプレートを一括で洗浄することが、解決につながると考えた。しかし、公知技術を用いた実験では、以下の課題が発生した。
(1) 前述の通り、定量PCRの繰り返しに際しての洗浄のため、複数回の熱サイクル工程から、マイクロプレートの熱変形(ねじれ、ゆがみ)が発生し、プレートの各ウェルの底面位置にばらつきが発生する。その結果、バッファーを完全に吸引することが出来ないウェルが発生した。
(2) バッファー吸引作業後に、排出ノズルからのバッファーの還流が、微少であるが発生した。その結果、続く定量PCR解析で、異常な背景発光の発生や、ポリメラーゼ伸長阻害が発生した。
(3) 一部、磁気ビーズの流失が発生した。
(4) 装置を繰り返し使用していると、排出ノズルの汚染に由来する異常な背景発光の発生や、ポリメラーゼ伸長阻害が発生した。
(5) 排出ノズルの磁化が発生した。
これらの問題のうち、マクロプレートの熱変形に対応した、排液ノズルの高さ調整技術が、特許文献3に開示されている。また、特許文献3は、磁気ビーズを用いた洗浄を具体的に開示している。
しかし、この開示技術では、排液ノズルのメンテナンス性の問題が解決されておらず、汚染に敏感な定量PCRでの利用が難しかった。これは、本発明の対象が、特許文献1及び非特許文献1に記載の通り、遺伝子数として、数コピーからの定量を目的とした解析であるため、高い精度の清浄が必要であり、排液の逆流やノズルの汚染のキャリーオーバーが重大な問題を発生することによる。また、特許文献3の構造では、我々の利用形態で必要な洗浄液の供給の余地が、空間的に得られない。特許文献2のように、洗浄液供給を実現しつつ、上下のゆがみを解消する技術が必要である。さらに、排液ノズルの簡便な交換、遺伝子レベルでの汚染を無くすための洗浄と、それに対応した構造や素材、排液の逆流などを完全に除去する対策などが必要である。
上記のうち特に重大な課題は、排出ノズルを通じて発生する、微少量のバッファーの還流であった。このバッファー還流の原因は、排出ノズルの廃液容器側のノズル先端にバッファーの液滴が付着し、それがノズルに還流することであった。そのため、排出ノズルの先端構造を、バッファーの付着液滴量が最小となる構造にする。具体的には、排出ノズルの先端をU字状に180度反転させることにより、先端を鉛直下向きに設計し、さらにその状態で付着する液滴の最大量が、ノズルの全容量を超えないように設計することにより、バッファーの環流を防止する。
また、排出ノズルの高さ位置調整機能を有することにより、定量PCRの繰り返し計測において、マイクロタイタプレートの熱変形が発生する場合でも、洗浄バッファーの残留の発生を防止した。さらに、廃液の接する排出ノズルの交換を簡便とする構造を実現することにより、排出ノズルの汚染や変形などが発生した場合に簡便に交換可能とした。
また、長期間の使用において、排出ノズルや廃液槽が汚染することについては、次亜塩素酸による流路の洗浄が有効であった。この場合、排出ノズルを耐食性のあるステンレス材で作製することが有効であった。また、排出ノズルの磁化を防止するために、オーステナイト系ステンレスの使用が有効であった。この両方の特性を有するものとして、ニッケルの他に、モリブデンを添加したオーステナイト系ステンレスを使用した。具体的には、SUS316及びSUS316Lが、好適であった。
本発明による洗浄装置は、マイクロプレートのウェル内の磁気ビーズを洗浄液で洗浄する洗浄装置であり、下端からウェル内の洗浄液を吸引し上端部の管口から排出する排出ノズルと、排出ノズルの上端部を内部に収容し、内部に陰圧を発生することのできる洗浄液吸引部と、を有し、排出ノズルの上端部の管口は下方を向いていることを特徴とする。
排出ノズルは、洗浄液吸引部の底壁部に固定されたノズルガイドと、ノズルガイド内に上下動可能に挿入され、内部を洗浄液が流通するノズル芯を備える。
また、洗浄液吸引部の下に配置された洗浄液注入部を有し、洗浄液注入部は、内部に洗浄液槽を有し、洗浄液槽に貯留された洗浄液を下方に吐出するノズルと、洗浄液槽の上壁部と底壁部に上下の端部を液密に固定された中空細管とを有し、排出ノズルは、中空細管を貫通するようにして配置されている。
また、本発明による洗浄装置は、内部に洗浄液槽を有し、洗浄液槽に貯留された洗浄液を下方に吐出するノズルと、洗浄液槽の上壁部と底壁部に上下端部を液密に固定された中空細管が設けられた洗浄液注入部と、洗浄液注入部の上に配置された洗浄液吸引部と、複数のウェルを備えるマイクロプレートを保持するマイクロプレートホルダと、を有し、洗浄液吸引部の内部には、下端から吸引した洗浄液を上端の管口から排出する排出ノズルの上端部が配置され、排出ノズルは、洗浄液吸引部の底壁部に固定されたノズルガイドと、ノズルガイド内に上下動可能に挿入され、内部を洗浄液が流通するノズル芯を備え、排出ノズルは、中空細管を貫通するようにして配置されており、排出ノズルの上端部の管口は下方を向いていることを特徴とする。
マイクロプレートホルダは、正方状に隣接する4つのウェルを一組として各組の中心位置に相当する裏面位置に磁石が配置され、ノズルガイドは上端部に切欠き部を有し、ノズル芯の上端部は切欠き部から側方に突出しており、ノズル芯の下端は開口面が上端部の突出方向と反対方向を向くように斜めにカットされており、一組のウェルに対応する4つの排出ノズルは、上端部がその中心方向に集合するように配置されて。
更に、ノズル芯を下方に押圧する弾性体が設けられている。
本発明により、従来はウェルごと、マニュアルで実施していた洗浄バッファーによる磁気ビーズの洗浄を、マイクロプレートの全ウェルについて、一括で行うことができる。その所要時間は、一回の洗浄工程が約30秒程度であり、従来の1/10以下である。また、その際、洗浄バッファーの残留や逆流による汚染が生じないため、解析精度は劣化しない。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明による洗浄装置の全体構成例を示す概略正面図。 装置側面を示す概略図。 洗浄液注入部、洗浄液吸引部、及びマイクロプレートホルダの部分を示す概略図。 洗浄液注入部の断面模式図。 マイクロプレートホルダの上面図。 マイクロプレートホルダにマイクロプレートを装着した際の断面図。 洗浄液吸引部の排出ノズルの説明図。 洗浄液吸引部の説明図。 洗浄液吸引部の断面図。 洗浄液注入部、洗浄液吸引部、マイクロプレートホルダ、マイクロプレートを設置した場合の断面図。 排出ノズルに付着する液滴の説明図。 排出ノズルの端面に付着する液滴の説明図。 排出ノズルの高さ調整機能を説明する模式図。 洗浄液注入部と洗浄液吸引部の分解組立図。 細管の配置を説明する詳細模式図。 排出ノズルのノズル芯の交換方法を示す模式図。 ノズル芯の他の実施例を説明する図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下では、96穴のマイクロプレートの96個のウェルにそれぞれ収容された磁気ビーズを洗浄する洗浄装置について説明する。しかし、本発明は、384穴のマイクロプレートなど、他の形式のマイクロプレートにも当然に適用可能である。
図1は、本発明による洗浄装置の全体構成例を示す概略正面図である。本実施例では、装置本体100に、空気あるいは窒素等のガスの陽圧源211を、送気用チューブ212で接続して使用する。装置本体は、洗浄液注入部200、洗浄液吸引部300、マイクロプレート500を保持するマイクロプレートホルダ510、廃液タンク410、吸引ポンプ420などによって構成される。
洗浄液注入部200は、洗浄液注入用ノズル210を有する。また、洗浄液吸引部300は、排出ノズル310を有し、排出ノズル310の洗浄液排出端である上端部が洗浄液吸引部300の内部に収容されている。洗浄液注入部200と洗浄液吸引部300は、使用時には結合されて一体となっている。その一体構造は、マイクロプレート500の出し入れに伴い、上下動する必要があるため、昇降用アーム110が備えられている。なお、マイクロプレート500側に対して洗浄液注入部200と洗浄液吸引部300の一体構造を上下動させる構成にしてもよいし、洗浄液注入部200と洗浄液吸引部300の一体構造に対してマイクロプレート500側を上下動させるように構成してもよい。
マイクロプレート500は、マイクロプレートホルダ510に保持されるが、マイクロプレートホルダ510は、マイクロプレート500を装置本体100から出し入れするために、装置前面へ水平移動する機能を有する。そのためスライド装置520を有する。また、廃液401を回収する廃液タンク410と、廃液吸引のための吸引ポンプ420が備わっている。吸引ポンプ420を駆動させると、廃液タンク410の内部、洗浄液吸引部300の内部、及び排出ノズル310内が陰圧になる。各構成要素は、送気チューブ、送液チューブ、及び各種弁により接続している。
陽圧源211からの陽圧ガスは、電磁弁213と洗浄液の逆流を防ぐためのリザーバー214を介し、洗浄液注入部200に接続している。洗浄液注入部200は、それ以外に、洗浄液補充時など、必要に応じて開閉する空気口215と、使用後に残った洗浄液を排出する排出口216及びその開閉弁217を有する。
洗浄液吸引部300は、吸引ポンプ420を駆動させることにより、内部に陰圧を発生して排出ノズル310の下端からウェル内の洗浄液を吸引し、吸引した洗浄液を廃液タンク410に排出する機能を有し、本実施例では2種の排出口を有する。上部に設けられた排出口311は、主に空気を排出する。下部に設けられた排出口312は、廃液と空気の混合状態のものを排出する。これは、仮に排出口が下部の1つの場合、廃液を吸引ポンプ420で吸引する際に、下部の排出口が廃液で満たされ、廃液の流抵抗から、洗浄液吸引部300内への吸引力の作用が低下する場合があるためである。ただし、下部の排出口312を大きく設計する場合は、排出口を下部の1つとしてもよい。排出口が2つあるため、本実施例では、三方弁313を備える。開閉弁217と三方弁313の排出側はY字分岐314を介し、廃液タンク410に接続する。
図2は、装置側面を示す概略図である。簡略化のため、送液チューブ等は図示していない。装置は、前面の扉120が矢印121で示すように開閉できる。マイクロプレートホルダ510は、実線で示すように、扉120の開放により、矢印122で示すように装置前面(図2の左側)に引き出すことができ、マイクロプレート500の出し入れが行われる。破線で図示したマイクロプレートホルダ511は、洗浄実施時のマイクロプレートホルダ位置を示している。また、洗浄液注入部200には、洗浄液注入口221が設けられている。洗浄液注入部200への洗浄液の補充の際は、空気口215を開けることにより、洗浄液注入部200内の空気を逃がすことができ、洗浄液の補充が行い易くなる。
図3は、上記実施例に示した洗浄装置のうち、洗浄液注入部200、洗浄液吸引部300、及びマイクロプレートホルダ510の部分を取り出して示した概略図である。上述のように、洗浄液注入部200には、弁213を介して、空気あるいは窒素等のガスの陽圧源211が接続する。洗浄液吸引部300には、廃液タンク410及び吸引ポンプ420が接続されている。マイクロプレートホルダ510は、マイクロプレート500の個々のウェルがそれぞれに割り当てられた洗浄液注入用ノズル210及び排出ノズル310の下方に位置するようにして、マイクロプレート500を保持する。
図4は、洗浄液注入部の断面模式図である。洗浄液注入部200は、洗浄液を貯留するための密封された空間である洗浄液槽230と、マイクロプレートの96個のウェルに一対一で対応するように配置された96本の洗浄溶液用注入ノズル210と、洗浄液吸引部300の排出ノズル310が貫通するための、96本の中空の細管250を有する。細管250は、洗浄液槽230の密封性に影響を与えないように、上端及び下端が洗浄液槽230の上壁部及び底壁部にそれぞれ液密に固定されている。細管250は、排出ノズル310の外径より大きい内径を有し、排出ノズル310が内部を貫通できる仕様とする。また、細管250は、マイクロプレートの各ウェルの中心上に位置する必要がある。
本実施例では、排出ノズルとして内径0.312mm、外径0.566mm、長さ70.5mmのものを用い、細管には内径1.36mm、外径1.66mm、長さ30mmのものを用いた。なお、排出ノズルの内径は、0.05mm〜0.5mmが好適である。内径が0.05mm未満の場合、埃などの異物が混入し、閉塞を起こす可能性が高くなる。また、内径が0.5mmより大きな細管では、空気の流抵抗が低くなるため、いずれかの排出ノズルによるウェルの洗浄液の吸引が完了し、空気が流通し始めた際に、他のウェルにまだ洗浄液が残っている場合に、その洗浄液の吸引力が落ちるという問題が生じる。ただし、吸引ポンプの性能が高ければ、内径0.5mm以上の細管を用いることも可能である。実際に我々の検討では、内径1mmの排出ノズルを用いた検討も実施し、ポンプ性能を上げることにより、吸引が完了することを確かめている。
洗浄液槽230に洗浄液を入れ、陽圧源211よりガスを注入すると、注入ノズル210より洗浄液が押し出される構造である。陽圧源211の圧力が一定になるようにすると、注入ノズル210より押し出される洗浄液の液量は、定圧吐出方式により、陽圧源211の弁213の開放時間に比例する。そのため、弁213の開放時間を制御することにより、洗浄液の注入量を簡単に制御できる。
次に、マイクロプレートホルダ510について説明する。図5は、マイクロプレートホルダ510の上面図である。本実施例では、マイクロプレートホルダ510は、96個の穴511を有し、マイクロプレートの96個のウェルを、その穴511に保持することが可能である。また、4つごとのウェルの組512について、その中央に磁気ビーズを収集するための磁石530を、合計24個有する。本実施例では、磁石530として、直径8mm、厚さ2.5mmの板状のネオジム磁石(N40)を用いた。仕様では、表面磁束密度は3000Gである。
図6は、マイクロプレート500を装着した状態での、マイクロプレートホルダ510の、斜め45°でウェルの中心を通る面(図5のA−A′)での断面図である。マイクロプレート500は、9mmピッチでウェルを有するため、図の断面では、ウェル間の距離dは、約12.7ミリである。530は、磁石である。マイクロプレートのウェル内の磁気ビーズは、磁石により、それぞれ541及び542の部分に収集・保持される。
次に、洗浄液吸引部300について説明する。まず、排出ノズル310について説明する。排出ノズル310は、2本の細管で構成される。図7は、その説明図である。
排出ノズルは、ノズル芯321と、ノズルガイド322の組で構成される。本実施例のノズルガイド322は、内径0.592mm、外径0.821mmで、図7(b)に示すように、上部に周方向の半分が切り掛けた切欠き部323を6mmの長さだけ有する。ノズル芯321は、図7(a)に示すように、排出側の上端部341がU字状に折り返された形状を有する。この構造は、その部分の管口342が、ほぼ垂直下方を向いていることが特徴であり、後述の「洗浄液の還流の防止」に重要である。また、もう一方の吸引側の先端343は、図示するように斜めになっている。これは、排出ノズルの先端が、ウェルの最低面に届く構造のため、直角の切り口にした場合、ウェルの底面に切り口が密着し、液の排出機能が低下する。そのため、先端がウェルの底面に達している状態で、液が通る空間を確保するために、ノズル芯321の下端343を斜めの切り口とすることが重要である。また、切り口の方向が、ノズル芯本体に対するU字形状の突出方向と逆方向であることは、後述の磁気ビーズの流失防止に有効である。本実施例では、ノズル芯の下端面が水平方向となす角度θが約15°のものを用いた。
また、排出ノズル310の素材は、磁化せず、耐食性・耐酸性に優れた素材である、ニッケルの他にモリブデンを添加したオーステナイト系ステンレスを使用した。具体的には、SUS316及びSUS316Lが好適であった。本実施例では、図7(c)に示すように、ノズルガイド322内にノズル芯321を挿入して、排出ノズル310とする。ノズル芯321のU字状の上端部341は、ノズルガイド322の切欠き部323によって向きが規制されて側方に突出する。また、ノズルガイド内面とノズル芯外面の間350は固定せず、スライド式に上下動が可能な状態とする。ただし、ノズルガイド内面とノズル芯外面間の気体の流動を防ぐために、シリコングリースや潤滑油等のシール材を充填する。洗浄液吸引部300は、この排出ノズル310を、マイクロプレート500の96個のウェルに一対一で対応するように、96本配置している。
図8は、洗浄液吸引部300の内部を上方から見た図である。排出ノズルの上端部341、すなわちU字部分は、図に四角の破線360で囲んで示す通り、それぞれの管口が互いに近づくようにして4本が集まるように配置される。この4つの管口が近づく位置は、先に述べたマイクロプレートホルダ510に固定された磁石530の鉛直方向上方位置に相当する。なお、破線501は、マイクロプレート500の各ウェルの位置を示している。この配置により、先に述べた排出ノズル310のノズル芯321の下端部343の斜めの切り口は、常に磁石530と反対の方向を向くことが分かる。磁気ビーズは磁石530側に収集されているため、磁石側にノズル芯321の切り口が位置すると、洗浄液を吸引する際に、磁気ビーズの流失が発生しやすい。しかし、本実施例のように、ウェル内の洗浄液が磁石の反対側から排出ノズルに吸引される構造とすることにより、磁気ビーズの流失を防ぐことができる。また、溝301は、排出ノズル310によって吸引されて上端のU字部分から出てくる廃液を、矢印の方向に流す溝である。この溝は、廃液の流れる方向に鉛直方向下向きに傾いており、廃液を排出しやすくしている。矢印は、廃液の流れる方向を示している。
図8の斜め方向B−B′における断面図を、図9に示す。まず、ノズルガイド322は、洗浄液吸引部300の底壁部に固定される。ノズルガイド322は、ノズル芯321の上端部341のU字形の突出部が4つのウェルの組の中心に向かうように、切欠き部323の向きを調整して固定される。排出ノズル310の上部には、バネ371やゴム等からなる弾性体を設置し、ノズル芯321を下方に押し出している。その限界は、切欠き部323の最下点にU字部分が到達している状態である。ノズル芯321の下端は、常にマイクロプレートのウェル内面の最低面に届くように設計されており、ウェルに到達した上で、ノズル芯321はウェルにより上方に押し上げられる。その際、バネ371により、その押し上げ量を吸収する。ノズル芯321はどこにも固定されていないため、ウェルの底面とバネ機構により、最適な位置に保持される。
この構造では、仮にノズル芯の内部が閉塞したり、ノズルが変形したりした場合、ノズル芯を交換すればよい。また、Oリング等も用いずに、上下動機能を具現化しているため、洗浄液吸引部300と排出ノズル310の接合部分での液漏れ等が発生しない。また、ノズル芯のU字部分の先端に位置する管口がノズルガイドの切欠きの最下点より上に来ないように、U字部分の頂点から先端管口までの部分の長さを十分長くすることにより、ノズル芯とノズルガイドの間に、廃液等が流入しない構造とすることが重要である。
次に、実際の装置の使用方法について説明する。図10は、洗浄液注入部200と、洗浄液吸引部300と、マイクロプレート500と、マイクロプレートホルダ510を設置した状態の装置断面図である。断面方向は、図9と同様に図8の線B−B′に沿う斜め45°の方向である。排出ノズル310の下端は、洗浄液注入部200に設置された細管を通り、マイクロプレート500のウェルに到達している。ウェル内の磁気ビーズは、磁石により、位置542に収集されている。この状態で判るとおり、排出ノズル310は、磁石530に近接する。そのため、一部のステンレス材など、磁化しやすい材料を排出ノズルとして用いた場合、排出ノズルが磁化するため、磁気ビーズがノズルに付着する問題が発生する。ステンレス材では、オーステナイト系ステンレスが磁化しにくい材料として有名であり、排出ノズルには、オーステナイト系ステンレスの使用が重要である。
図10の状態で、マイクロプレート500の各ウェルに洗浄液を注入し、一定時間保持した後、磁気ビーズを洗浄した洗浄液を、排出ノズル310により吸引してウェルより排出する。吸引は、洗浄液吸引部300に接続するポンプ420を駆動し、洗浄液吸引部300を陰圧とし、洗浄液を吸い上げることにより行う。洗浄液吸引部300に到達した洗浄液は、そのまま、接続する液管を通り、廃液タンク410に溜まる。本実施例では、洗浄液としてwashing buffer(0.1% Tween20,10mM Tris-HCl(pH8.0))を用いた。
洗浄液注入の陽圧を約0.12MPa、洗浄液注入時間を約5秒とすると、約100μLの洗浄溶液を、マイクロプレートの各ウェルに注入することができる。この状態で、約60秒保持した後、吸引ポンプ420を駆動すると、洗浄液吸引部300が陰圧条件となるため、ウェル内の洗浄液が排出ノズル310により吸い上げられる。吸い上げられた洗浄液は、そのまま吸引ポンプの力により、最終的には廃液タンク410に廃棄される。この一連の動作を繰り返すことにより、磁気ビーズの洗浄が実施できる。通常、1回の定量PCRを実施後、次の定量PCRを実施するための洗浄は、上記工程を3回実施すればよい。また、必要により、洗浄液の注入量を、3回目の洗浄時のみ、約120μLとすることにより、高い洗浄性能を確保することも有効である。
ここで重要なのは、吸引した洗浄液の一部が、排出ノズル310に液滴として付着する事象が発生することである。この排出ノズル310に付着した液滴が、吸引終了後に排出ノズル310を通ってマイクロプレートのウェルにまで逆流することが、そう多くない頻度ではあるが、発生する。廃液には、定量PCRにて用いた蛍光標識や、その他、次回の定量PCR解析の精度に著しく影響を与える物質が含まれており、逆流の影響は多大である。また、逆流量は微量であるため、目視できない場合が多く、次回の定量PCRの数値自身の信頼度を低下させる。そのため逆流防止が重要である。
逆流の要因となる液滴の付着は、付着する場所の大きさや濡れ性や、洗浄液自身の表面張力により変わる。本実施例で排出ノズルに用いているステンレス材の場合、一般的に濡れ角は80度程度であり、液滴が付着しやすい。また、界面活性剤であるTween20を0.1%有する洗浄液の表面張力は、およそ40dyn/cmと仮定できる(水の表面張力は、約72dyn/cm、25℃時)。
ここで、排出ノズルの上端が垂直下向きに折り返しておらず、鉛直方向上向きや横向きの場合、液滴の付着する領域は、排出ノズルの先端から、ノズルの表面全体に及ぶため、大きい液滴が発生する可能性がある。図11(a)は排出ノズルの上端が鉛直方向上向きの場合に、排出ノズルに付着した液滴601の例を示し、図11(b)は排出ノズルの上端が横向きの場合に、排出ノズルに付着した液滴602の例を示す。このように、排出ノズルの上端が鉛直方向上向きや横向きの場合、ノズルの側面に液滴の付着しうる大きな領域が存在することになる。そのため、ノズルに対して大きな液滴が付着しうる。これらの大きな液滴の還流が発生すると、ウェルの汚染が発生する。
一方、本実施例のように、ノズル芯の先端を鉛直方向下向きに折り返した構造とすると、液滴の付着する表面は、ノズル管の断面だけである。図12(a)及び図12(b)により説明する。図12(a)は、ノズル芯の先端を下から見た模式図、図12(b)は横からみた模式図である。今回、用いているノズル芯321は、内径が0.312mm、外径が0.566mmであることから、肉厚は約0.127mmである。ここで、液滴の付着のメカニズムを考慮すると、本実施例で想定される最大の液滴量は、以下のように考えられる。まず、排出ノズルの管内381は吸引ポンプにより吸引されているため、洗浄液がなくなった後は、空気が通じることになる。そのため、液滴は、ノズル全体に渡って液滴として付着することは出来ないため、ノズルの肉厚部分382に付着することが精々である。したがって、付着する液滴量は、肉厚の数値である0.127mmについて、0.127mmを直径(半径r=0.0635mm)とする円に付着可能な液滴603と考えることが出来る。
付着して、安定に存在しうる液滴とは、液滴の重力より、液滴と表面とで発生する吸着力が勝っている条件が成り立つ場合である。半径rにおいて、液滴に作用する吸着力Fは、液滴の表面張力をSとすると、
F=2πrS (1)
であるため、約1.60dynである。単純化のため、洗浄液の比重を1とすると、この吸引力が発揮される際に維持される液滴量の最大は、約1.63μLとなる。そこで、1本の排出ノズルに逆流する洗浄液の最大量が1.63μLであると想定できるため、排出ノズルの容積を、それ以上のもので設計すれば、仮に液滴の逆流が発生しても、その液滴の総量がノズル内に収まるため、ノズルの下端からの流出が生じない。つまり、逆流による汚染を防ぐことが可能となる。本実施例では、排出ノズルの内径が0.312mmであるため、長さを約21.3mm以上とすれば、逆流による汚染を防ぐことができる。
式(1)から得られるとおり、液滴の付着が可能な面積が、そのまま、最大の液滴量となる。このように、液滴の付着が可能な面積を小さくする構造及び設計が重要である。
以上の通り、液滴の逆流を防ぐ構造により、解析精度の劣化を招かない洗浄が実現できるが、装置の使用に伴い、排出ノズルの汚染が問題となる場合がある。具体的には、排出ノズルの閉塞により、排出力の低下や完全な目詰まり等が発生することがある。その対策として、エタノール等の有機溶媒を用いた定期的な洗浄を実施することが有効である。しかし、有機溶媒を用いた洗浄では、一部、閉塞を引き起こす場合があることがわかった。これは、閉塞の要因となる物質が一部の油脂などの場合など、有機溶媒により硬化する場合が見られるためである。そこで、次亜塩素酸を用いた洗浄を実施することにより、排出ノズルの閉塞を防ぐことが可能であることが判った。ただし、次亜塩素酸は、塩素が多量に含まれる酸であるため、SUS304等のステンレス材は、耐久性に劣る。このような場合、ニッケルの他にモリブデン等を添加し、耐酸性を強化した材料の活用が有効である。本実施例では、SUS316或いは、SUS316Lが好適であった。こうして、排出ノズ310ルや廃液槽230を、定期的に次亜塩素酸で洗浄することにより、汚染の拡大を防御できる。
図13は、排出ノズルの高さ調整機能を説明する模式図である。304及び305は、それぞれ、洗浄液吸引部300の上壁部及び底壁部を示している。洗浄液吸引部の下に位置する洗浄液注入部は、図示を省略している。ノズルガイド322は、洗浄液吸引部300の底壁部305と結合しており、ノズルガイド322内にノズル芯321がスライド可能に差し込まれている。ノズルガイド322の切欠き部323は、バネ押さえ372の下部の穴に挿入され、バネ押さえ372は、バネ371を洗浄液吸引部の上壁部304に設けられたバネ受け穴375の中央に押し付けている。バネ受け穴375の内径は、バネ押さえ372の外径より大きい。
図13(a)に示すように、マイクロプレートのウェル505がノズル芯321の先端に接していない場合、バネ371の反発力により、ノズル芯321は、ノズルガイド322の切欠き部323の最下部まで押し付けられている。しかし、図13(b)のように、マイクロプレートのウェル505が上昇し、ノズル芯321の最下点位置で接し、さらに図中の距離Lだけノズル芯321を上側に押し上げる場合、ノズル芯321は上昇し、その結果、バネ押さえ372を距離L分だけ上昇させる。この際、ノズルガイド322は移動する必要が無く、ノズル芯321の上昇だけで、ウェル505の押し付け分を吸収できる。これが、マイクロプレートにおけるウェル底部の上下のバラツキを吸収する排出ノズル310の高さ調節機能である。
図14(a)は、図10に示した状態から、洗浄液吸引部300を上方に引き離した状態を示す図である。本実施例では、洗浄液注入部200と洗浄液吸引部300を簡単に分離できる構造としたため、片方に不具合が発生した際のメンテナンスが簡便になる。特に、洗浄液吸引部300は汚染が発生しやすいため、洗浄液吸引部300だけを複数準備し、必要に応じて入れ替える等の使用方法が有効である。
また、図14(b)に示すように、洗浄液注入部200は底壁部205と上壁部204に分離でき、洗浄液吸引部300は底壁部305と上壁部304に分離できるため、ゴミの混入や洗浄液内成分の析出など、内部において不具合が発生した場合のメンテナンスも簡便である。特に、洗浄液注入部200内のメンテナンスを実施する場合、洗浄液吸引部300と吸引ノズル310を外して、その後に上壁部204を外すことにより、洗浄液吸引部300から生じる可能性のある汚染された廃液の混入を、極力防ぐことができる。
図15は、本実施例の細管の配置を説明する詳細模式図である。ただし、図面の明確化のため、横方向に2倍拡大して図示した。底壁部205と上壁部204を有する洗浄液注入部200と、底壁部305と上壁部304を有する洗浄液吸引部300が図示されている。洗浄液注入部200の洗浄液注入ノズル210と細管250は、注入管ユニット240で一体化されており、洗浄液注入部200の底壁部205に設けられた穴に挿入され、固定されている。また、洗浄液注入部200の底壁部205と上壁部204が組み立てられることにより、細管250と上壁部204が結合し、洗浄液槽230が気密化する。なお、注入ノズル210や細管250に閉塞などの不具合が発生した場合は、注入管ユニット240を交換することにより解消できる。洗浄液吸引部300は、排出ノズル310のうち、ノズルガイド322が底壁部305に結合している。ノズル芯321は、ノズルガイド322内を上下動自在に貫通している。この排出ノズル310は、洗浄液注入部200に固定された細管250を貫通している。そのため、図中のAの部分は、3本の管で構成されていることがわかる。3本の管のうち外側の細管250は洗浄液注入部200に固定され、真ん中に位置するノズルガイド322は洗浄液吸引部300の底壁部305に固定されている。そして、一番内側に位置するノズル芯321は、上端部にバネによる押圧力を受けながら、ノズルガイド322中を上下にスライド可能になっている。
図16は、排出ノズルのノズル芯の交換方法を示す模式図である。ノズル芯321は、異物の吸い込みや洗浄液内成分などの物質の析出などで、閉塞する可能性がある。その場合、図のように、洗浄液吸引部300の上壁部304を開けることにより、ノズル芯321を交換することが可能である。ノズル芯321は、ノズルガイド322とバネ押さえ372により挟まれており、バネ371及びバネ押さえ372を外すことにより、ノズルガイド322から簡単に抜き出すことかできる。また、新しいノズル芯321を挿入後、バネ押さえ372及びバネ371を設置し、上壁部304を装着すれば、すぐに利用を再開できる。このように、排出ノズルの交換を簡便に実施できるため、定期的な排出ノズルの交換が可能となる。
図17は、ノズル芯の他の実施例を説明する図である。ノズル芯の管口342は、例えば図17(a)や図17(b)に示すように、切り口の面を水平方向から角度φだけ傾けて斜めにすることも可能である。この場合、液滴の発生に関わる部分の面積を小さくすることができる。また、U字折り返しの半径Rの最小値としては、ノズル芯321の直径程度とすることも可能である。最大値は、本実施例の9mmピッチの反応ウェルを有するマイクロプレートへの応用の場合、斜めに隣接するウェルのノズル芯と干渉しないように設計することが必要である。具体的には、約3mmが最大となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100 装置本体
110 昇降用アーム
200 洗浄液注入部
210 洗浄液注入ノズル
211 陽圧源
240 注入管ユニット
250 細管
300 洗浄液吸引部
310 排出ノズル
321 ノズル芯
322 ノズルガイド
323 切欠き部
371 バネ
372 バネ押さえ
410 廃液タンク
420 吸引ポンプ
500 マイクロプレート
505 ウェル
510 マイクロプレートホルダ
530 磁石
603 液滴

Claims (12)

  1. マイクロプレートのウェル内の磁気ビーズを洗浄液で洗浄する洗浄装置において、
    下端から前記ウェル内の洗浄液を吸引し上端部の管口から排出する排出ノズルと、
    前記排出ノズルの上端部を内部に収容し、前記内部に陰圧を発生することのできる洗浄液吸引部と、を有し、
    前記排出ノズルの前記上端部の管口は下方を向いていることを特徴とする洗浄装置。
  2. 請求項1記載の洗浄装置において、
    前記排出ノズルは、前記洗浄液吸引部の底壁部に固定されたノズルガイドと、前記ノズルガイド内に上下動可能に挿入され、内部を洗浄液が流通するノズル芯を備えることを特徴とする洗浄装置。
  3. 請求項1記載の洗浄装置において、
    前記排出ノズルは、内径が0.05mm〜0.5mmであることを特徴とする洗浄装置。
  4. 請求項1記載の洗浄装置において、
    前記排出ノズルは、モリブデンが添加されたオーステナイト系ステンレスからなることを特徴とする洗浄装置。
  5. 請求項2記載の洗浄装置において、
    前記洗浄液吸引部の下に配置された洗浄液注入部を有し、
    前記洗浄液注入部は、内部に洗浄液槽を有し、前記洗浄液槽に貯留された洗浄液を下方に吐出するノズルと、前記洗浄液槽の上壁部と底壁部に上下の端部を液密に固定された中空細管とを有し、
    前記排出ノズルは、前記中空細管を貫通するようにして配置されていることを特徴とする洗浄装置。
  6. 請求項2記載の洗浄装置において、
    前記ノズルガイドは上端部に切欠き部を有し、前記ノズル芯の上端部は前記切欠き部から側方に突出していることを特徴とする洗浄装置。
  7. 請求項2記載の洗浄装置において、
    前記ノズル芯を下方に押圧する弾性体が設けられていることを特徴とする洗浄装置。
  8. 内部に洗浄液槽を有し、前記洗浄液槽に貯留された洗浄液を下方に吐出するノズルと、前記洗浄液槽の上壁部と底壁部に上下の端部を液密に固定された中空細管が設けられた洗浄液注入部と、
    前記洗浄液注入部の上に配置された洗浄液吸引部と、
    複数のウェルを備えるマイクロプレートを保持するマイクロプレートホルダと、を有し、
    前記洗浄液吸引部は内部に、下端から吸引した洗浄液を上端の管口から排出する排出ノズルの上端部を収容し、
    前記排出ノズルは、前記洗浄液吸引部の底壁部に固定されたノズルガイドと、前記ノズルガイド内に上下動可能に挿入され、内部を洗浄液が流通するノズル芯を備え、
    前記排出ノズルは、前記中空細管を貫通するようにして配置されており、
    前記排出ノズルの前記上端部の管口は下方を向いていることを特徴とする洗浄装置。
  9. 請求項8記載の洗浄装置において、
    前記マイクロプレートホルダは、正方状に隣接する4つのウェルを一組として各組の中心位置に相当する裏面位置に磁石が配置され、
    前記ノズルガイドは上端部に切欠き部を有し、前記ノズル芯の上端部は前記切欠き部から側方に突出しており、
    前記ノズル芯の下端は開口面が前記上端部の突出方向と反対方向を向くように斜めにカットされており、
    前記一組のウェルに対応する4つの排出ノズルは、上端部がその中心方向に集合するように配置されていることを特徴とする洗浄装置。
  10. 請求項8記載の洗浄装置において、
    前記ノズル芯を下方に押圧する弾性体が設けられていることを特徴とする洗浄装置。
  11. 請求項8記載の洗浄装置において、
    前記排出ノズルは、内径が0.05mm〜0.5mmであることを特徴とする洗浄装置。
  12. 請求項8記載の洗浄装置において、
    前記洗浄液注入部に弁を介して陽圧源が接続され、
    前記洗浄液吸引部に廃液タンクを介して吸引ポンプが接続されていることを特徴とする洗浄装置。
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