JP2013116807A - エレベータのホールドア装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】楔状のストッパ部材の差し込み操作を要することなくドアパネルを開放状態に維持でき、かつこの開放状態を容易に解除することも可能なエレベータのホールドア装置を提供する。
【解決手段】エレベータホールの、昇降路への出入り口に設けられたホールドアパネル12側に、ホールドアパネル12を戸閉位置にてロックするロックレバー24を有するロック機構17を設ける。ロック機構17は、乗りかごの着床に伴い係合するかごドア開閉機構側から戸開方向の駆動力を受けると、ロックレバー24をアンロック状態とし、ホールドアパネル12の戸開動作を許容する。ロックレバー24に連結されているアンロックレバー28は、ホールドアパネル12が所定の戸開位置へ移動すると、ロックレバー24がアンロック状態でない場合、ストッパーブロック29と係合してホールドアパネル12の自閉を係止する。アンロックレバー28とストッパーブロック29との係合が解除されるとホールドアパネル12は自閉可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、昇降路に通じる出入り口を開閉するエレベータのホールドア装置に関する。
エレベータの昇降路に通じるホールドア装置は、常に自閉しているのが通常である。しかし、保守作業時には、作業員が昇降路内に立ち入って、昇降路内のピット等の点検や、昇降路内に設けられた乗りかご上部の点検などを行うために、ホールドア装置を開放状態とする必要がある。このような場合、従来は、ホールドアパネルを手動で開放した後、開状態のドアパネルと敷居とのすき間に、楔状のストッパ部材を差込み、ホールドアパネルの自閉力に抗して開放状態を保持するのが一般的であった。
特開平5-116876号公報
しかし保守作業が一人保守で、たまたまストッパ部材を携行していなかった場合は、保守作業そのものに支障をきたすこととなる。また、楔状のストッパ部材を差込むと、差し込んだ敷居の溝に傷を付ける可能性が高く、敷居溝とはいえ意匠面を傷つけるリスクも存在する。
また、ピット作業などの場合、ホールドアを開き、ストッパ部材の差し込みにより開放状態にロックした後、ピットに下りるはしごに乗り換えるが、ホールドアを開状態のままにすると安全上のリスクが生じるため、ストッパ部材を取り外してホールドアを自閉させていた。このストッパ部材を取り外す作業は、ピットに下りるはしご上での不安定な作業となるため改善が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、楔状のストッパ部材の差し込み操作を要することなくドアパネルを開放状態に維持でき、かつこの開放状態を容易に解除することも可能なエレベータのホールドア装置を提供することにある。
本発明の実施の形態によるエレベータのホールドア装置は、エレベータホールの昇降路への出入り口にスライド可能に設けられ、常時前記出入り口を閉じる方向の自閉力を受けているホールドアパネルと、このホールドアパネル側に設けられ、このホールドアパネルを戸閉位置にてロックするロックレバーを有し、前起昇降路内を昇降する乗りかごの着床に伴いかごドア開閉機構側と係合し、このかごドア開閉機構側から戸開方向の駆動力を受けると前記ロックレバーをアンロック状態へ回動させて、前記ホールドアパネルの戸開動作を許容するロック機構と、前記ロックレバーに連結され、前記ホールドアパネルが所定の戸開位置へ移動すると、前記ロックレバーがアンロック状態でないことを条件に固定側に設けたストッパーブロックと係合して前記ホールドアパネルの自閉を係止し、前記ロックレバーがアンロック方向に操作されると、このストッパーブロックとの係合を解除して前記ホールドアパネルの自閉を可能とするアンロックレバーとを備えたことを特徴とする。
本発明の一実施の形態に係るエレベータのホールドア装置の正面図である。 図1の要部拡大図である。 本発明の一実施の形態におけるアンロックレバーとストッパーブロックとの戸開位置での係合状態を示す構成図である。 本発明の一実施の形態におけるアンロックレバーとストッパーブロックとが戸開位置で係合しない状態を示す構成図である。 本発明の一実施の形態におけるロックレバーにアンロックケーブルを取り付けた状態を示す正面図である。 本発明の他の実施の形態に係る2枚構成のドアパネルを用いたエレベータのホールドア装置の正面図である。 図6のA−A矢視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は片開きタイプのエレベータのホールドア装置11を示す。このホールドア装置11は、図示しない建物内の各階に設けられたエレベータホールの、昇降路への出入り口に設けられている。また、このホールドア装置11は、ホールドアパネル12、ハンガー13、敷居14、ハンガーレール15、ハンガーローラ16、ロック機構17、クローザ18、およびストッパ19を有している。
ホールドアパネル12は、その上部に一体に設けられたハンガー13及びハンガーローラ16を有し、これらによりホールドアパネル12側を構成している。このホールドアパネル12側は、ハンガーローラ16を介して水平方向のハンガーレール15上に移動可能に取り付けられている。なお、ハンガーレール15は、図示しない昇降路への出入り口の上辺部に設けられた支持枠21上に取り付けられている。
また、ホールドアパネル12の下辺部には、敷居14の溝部を摺動するシュー材22が取り付けられており、このシュー材22は敷居14の溝部から外れないようになっている。これらの構成により、ホールドアパネル12は、その面方向に沿ってスライド可能な構成であり、昇降路への出入り口を開閉する。
なお、図1においてホールドアパネル12は前記出入り口を閉じた戸閉位置にあり、図示左方向にホールドアパネル12が移動すると、前記出入り口を開いた戸開位置に到達するようになっている。
ロック機構17は、ロックレバー24、及びローラ25a,25bを有しており、支持枠側に設けられたレバー受け部26を係合可能に構成されている。このロック機構17は、ホールドアパネル12側のハンガー13に設けられている。すなわち、ロック機構17のロックレバー24には、ローラ25a,25bが取り付けられており、ローラ25aの軸部にてハンガー13に固定されている。このため、ロックレバー24は、ローラ25aの軸を中心として回動できるようになっている。このロックレバー24は、自重等により常時ロック位置に向う図示右回りに付勢されており、ロック位置において、支持枠21側に設けられたレバー受け部26と係合してホールドアパネル12を戸閉位置にてロックする。
このロック機構17は、昇降路内を昇降する乗りかごのかごドア開閉機構側と係合可能に構成されている。そして、後述するように、この図示しないかごドア開閉機構側の通称カミソリと呼ばれる部材との係合により、かごドア開閉機構側から戸開方向の駆動力を受けると、ローラ25bが図示左方に押され、ロックレバー24をアンロック方向(図示左回り)に回動させる。このため、レバー受け部26との係合によるロック状態から解放されたアンロック状態となり、かごドアに連動するホールドアパネル12の戸開を許容する。
クローザ18は、ホールドアパネル12に、常に戸閉方向(図示右方向)の自閉力を与えるものである。具体的には、例えばゼンマイ式のバネの力によりホールドアパネル12へ自閉力を与える。したがって、ホールドアパネル12は常時出入り口を閉じる方向の自閉力を受けている。なお、クローザ18としては、錘を利用した別の方式のものを用いてもよい。
また、ロックレバー24には、図2で拡大して示すように、アンロックレバー28が連結されている。このアンロックレバー28は、ハンガー13の、支持枠21と対向する面、すなわち、ロックレバー24が設けられた面とは反対側の面に配置され、ロックレバー24を枢支するローラ25aの軸に取り付けられており、このロックレバー24の回動に連動して同方向に回動する。また、このアンロックレバー28は、ロックレバー24をアンロック方向(図示左回り)に任意に回動操作できるように構成されている。
このアンロックレバー28は、ホールドアパネル12が図示左方に戸開動作し、所定の戸開位置(例えば、全開位置)に移動すると、ロックレバー24がアンロック状態でないことを条件に、図3で示すように、固定側に設けたストッパーブロック29と係合する。
ストッパーブロック29は、固定側である支持枠21に設けられており、図示右辺が右下がりに傾斜している。このため、ホールドアパネル12の戸開動作に伴うアンロックレバー28の図示左方への移動時、アンロックレバー28の下端部はこの傾斜した右辺と接合し、アンロックレバー28を押し上げ、ロックレバー24を図示左回りに回動させながらストッパーブロック29を乗り越える。その後、アンロックレバー28は、図3で示したように、ストッパーブロック29の図示左側に降下し、ホールドアパネル12の自閉力による戸閉動作を係止する。
上記構成において、まず、通常の乗りかご着床に伴うホールドア装置11の開閉動作を説明する。
ホールドア装置11は、常時、図1及び図2で示すように、ホールドアパネル12側に設けられたロックレバー24が、レバー受け26と係合しており、ホールドアパネル12は戸閉状態にロックされている。図示しない昇降路内の乗りかごが、エレベータホールに着床すると、図示しないかご側ドア機構に設けられた通称カミソリと呼ばれる縦向きの板状係合部材(以下、カミソリとして説明する)が、ローラ25bの図示右方に上下方向から侵入し、係合状態となる。この状態でかご側ドア機構が乗りかご側のドアを開操作すると、これに伴ってカミソリも同方向(図示左方向)へ移動して、ローラ25bを左方に押し、ロックレバー24をローラ25aの軸を中心にアンロック方向(図示左回り)に回動させる。
ロックレバー24がアンロック方向に所定角度回動し、レバー受け26との係合が解除されたアンロック状態になると、カミソリはローラ25aの外周とも接するので、ロックレバー24はこのアンロック状態に保持される。そして、カミソリの図示左方への移動に伴い、ローラ25aの軸が取り付けられているハンガー13及びこれと一体のホールドアパネル12も図示左方に移動して戸開動作する。
この戸開動作時、図4で示すようにカミソリ(二点鎖線Xで図示)はローラ25a,25bの外周と接し、これらを図示左方へ押し続けているため、ロックレバー24はアンロック状態を維持し、これと連動するアンロックレバー28も図示のように上昇位置にある。このため、図4で示す所定の戸開位置(例えば、全開位置)に達しても、アンロックレバー28がストッパーブロック29と係合することはない。
このように、アンロックレバー28がストッパーブロック29と係合していないので、その後、図示しない乗りかご側のドア開閉機構が戸閉動作し、カミソリXが図示右方向に移動すると、ホールドアパネル12は、図1で示したクローザ18から生じる自閉力により図示右方向に移動して戸閉動作する。そして全閉位置に達すると、カミソリXがローラ25bの外周から離れるため、ロックレバー24がロック方向(図示右回り)に回動し、図1及び図2で示したようにレバー受け26と係合して、ドアパネル12を全閉位置にロックする。
次に、昇降路内の点検などのために、乗りかごの非着床時に、ホールドア装置11を開閉させる場合を説明する。
ホールドア装置11では、図1及び図2で示すように、常時、ロックレバー24がレバー受け26と係合して、ホールドアパネル12を戸閉状態にロックしているので、手動によりロックレバー24をアンロック方向(図示左回り)に回動させる。このようにしてロックレバー24を、レバー受け26との係合が解除されたアンロック状態にした後、手動によりホールドアパネル12を図示左方に移動させ、戸開動作させる。
この戸開動作時、ロックレバー24は、自重により上述したアンロック状態からロック状態と同じ状態に復帰する。このため、図3で示すように所定の戸開位置(例えば,全開位置)に達すると、アンロックレバー28はストッパーブロック29と係合し、以後の戸閉動作を係止する。すなわち、ホールドアパネル12を手動で図示左方に戸開動作させると、上述のようにロックレバー24は自重により通常のロック状態へ復帰しているので、所定の戸開位置近くにてアンロックレバー28の下端部がストッパーブロック29の傾斜右辺と接合する。そして、ホールドアパネル12が図示左方への移動を継続することで、アンロックレバー28は傾斜した右辺に沿って押し上げられ、最終的にはこのストッパーブロック29を乗り越える。その後、アンロックレバー28は、図3で示したように、ストッパーブロック29の図示左側に降下し、その後のホールドアパネル12の自閉力による戸閉動作を係止する。
このように、昇降路内の保守点検などのためホールドア装置11を戸開する場合は、作業員が手動操作によりロックレバー24をアンロック状態へ回動させ、レバー受け26との係合を解除した後、ホールドアパネル12を戸開方向に手動で移動させることで容易に開放させることができる。そして、ホールドアパネル12が所定の戸開位置に達すると、アンロックレバー28がストッパーブロック29と自動的に係合するので、その後の、ホールドアパネル12の自閉力による戸閉動作を係止することができる。
したがって、従来のように、開状態のドアパネルと敷居とのすき間に、楔状のストッパ部材を差込む必要はなく、したがって、楔状のストッパ部材で敷居部分を傷つけたりすることなく、容易にホールドアパネル12を自閉力に抗して開放状態に保持することができる。なお、ホールドアパネル12を閉じる場合は、アンロックレバー28とストッパーブロック29との係合を手動で解除すればよく、ホールドアパネル12は自閉力により全閉位置まで戸閉しロック状態となる。
図5で示す実施の形態では、ロックレバー24及びアンロックレバー28をアンロック方向に回動操作するためのアンロックケーブル31を取り付けている。このアンロックケーブル31は、その一端がロックレバー24に連結しており、他端はこのロックレバー24を擁するホールドアパネル12面に向って下降配置されている。そして、このアンロックケーブル31の他端を引操作することにより、ロックレバー24を及びアンロックレバー28をアンロック方向に回動させ、ストッパーブロック29との係合を解除することにより、ホールドアパネル12を自閉力により戸閉させることができる。
このように構成すると、例えば、最下階床のホールドア装置11では、ピット作業などの場合、ホールドアパネル12を手動で開き、前述したアンロックレバー28とストッパーブロック29との係合によりホールドアパネル12を開放状態に保ったまま、作業員はピットに下りるはしごに乗り換える。このとき、ホールドアを開状態のままにすると安全上のリスクが生じるため、アンロックレバー28とストッパーブロック29との係合を解除してホールドアパネル12を自閉させる必要がある。この場合、作業員はピットに下りるはしご上での不安定な状態であるが、ホールドアパネル12面に向って下降配置されているアンロックケーブル31の下端を引操作するだけの簡単な操作により、ホールドアパネル12を自閉力により戸閉させることができる。したがって、操作の容易性及び作業の安全性が向上する。このような構成は、最下階のピットに通じるホールドア装置に適用すると特に効果的である。
上記実施の形態は、ホールドアパネル12が1枚構成の片開きであったが、出入り口の面積に応じて、片側1枚の両開きとしたり、片側2枚構成の片開き、或いは片側2枚構成の両開きとしてもよい。このうち、片側2枚構成の片開きのホールドア装置の実施形態を、図6及び図7を用いて説明する。なお、前述の実施の形態で説明した構成用品と同等の機能を有するものに対しては同じ符号を付して説明を行う。
このホールドア装置111は、図示しない出入り口の出入り方向に対して前後に配置された2枚のホールドアパネル12A,12B、ハンガー13A,13B、ハンガーレール15A,15B、ハンガーローラ16A,16Bを有している。
ホールドアパネル12A,12Bは、その上部に一体に設けられたハンガー13,13B及びハンガーローラ16A,16Bを介して、支持枠21上に水平方向に設けられたハンガーレール15A,15Bに移動可能に取り付けられている。また、ホールドアパネル12A,12Bの下辺部には、図示しないが前述の実施の形態と同じく敷居の溝部を摺動するシュー材が取り付けられており、これらの構成により、ホールドアパネル12A,12Bは、その面方向に沿ってスライド可能に構成され、昇降路への出入り口を開閉する。
ここで、図6はホールドアパネル12A,12Bが前記出入り口を閉じた戸閉位置にある。すなわち、ホールドアパネル12A,12Bは、戸閉動作により図6で示すように平面方向に展開する。これに対し、ホールドアパネル12A,12Bが戸開動作により図示左方向に移動すると、これらホールドアパネル12A,12Bは全開位置にて2枚重ね状となるように縮退し、前記出入り口を開放する。
また、これらホールドアパネル12A,12Bは、それらの上部に構成された動滑車構成の周知の連結機構41により相互に連結されている。そして、この連結機構41により、戸閉動作方向前方のパネル12Aは戸閉動作方向後方のパネル12Bに対し倍の速度で開閉する。したがって、戸閉動作方向前方のパネル12Aを以後高速パネルと呼び、戸閉動作方向後方のパネル12Bを以後低速パネルと呼ぶ。
ロックレバー24及びアンロックレバー28は、戸閉動作方向前方に位置する高速パネル12A側のハンガー13Aに設置され、ストッパーブロック29は、所定の戸開状態において固定側として機能する低速パネル12B側のハンガー13Bに設置されている。すなわち、高速パネル12A側と支持枠21との間には低速パネル12B側の構成部品が存在するため、ストッパーブロック29を前記実施の形態のように支持枠21に取り付けることができない。このため、ストッパーブロック29を、所定の戸開状態において固定側として機能する低速パネル12B側のハンガー13Bに設置している。
なお、ロックレバー24には、アンロックレバー28が連結されている。すなわち、このアンロックレバー28は、ロックレバー24を回動可能に枢支するローラ25aの軸に取り付けられ、ロックレバー24に連動して同方向に回動する。また、このアンロックレバー28は、ロックレバー24をアンロック方向(図示左回り)に任意に回動操作できるように構成されている。そして、このアンロックレバー28は、ホールドアパネル12A,12Bが図示左方に戸開動作し、所定の開位置(例えば、全開位置)に移動すると、ロックレバー24がアンロック状態でないことを条件に固定側となる低速パネル12B側のハンガー13Bに設けられたストッパーブロック29と係合する。
このような2枚構成のホールドア装置111について、まず、通常の乗りかご着床に伴う開閉動作について説明する。
ホールドア装置111では、図6で示すように、高速パネル12A側に設けられたロックレバー24が常時、レバー受け26と係合しており、戸閉状態にロックされている。図示しない昇降路内の乗りかごがエレベータホールに着床すると、かご側ドア機構に設けられたカミソリが、ローラ25bの図示右方に上下方向から侵入する。この状態でかご側ドア機構が乗りかご側のドアを開操作し、カミソリが開方向(図示左方向)へ移動すると、ローラ25bを左方に押し、ロックレバー24をアンロック方向(図示左回り)に回動させる。
このようにしてロックレバー24がレバー受け26との係合が解除されたアンロック状態になると、このアンロック状態を維持して、カミソリの図示左方への移動に伴い、ハンガー13A及びこれと一体の高速パネル12Aも図示左方に移動する。このとき、高速パネル12Aと連結機構41を介して連結する低速パネル12Bは、連結機構41の動滑車構成により、高速パネル12Aの1/2の速度で同方向に移動する。
この戸開動作時、図4で説明したように、ロックレバー24はアンロック状態を維持し、これと連動するアンロックレバー28も図示のように上昇位置にある。このため、ホールドアパネル12A,12Bが所定の戸開位置(例えば、全開位置)に達し、アンロックレバー28がストッパーブロック29との係合位置に達しても、これら両者が係合することはない。このため、乗りかご側のドア開閉機構が戸閉動作し、カミソリXが図示右方向に移動すると、ホールドアパネル12A,12Bは、図示しないクローザの自閉力により戸閉動作する。そして全閉位置に達すると、図6で示すように、再びロックレバー24がレバー受け26と係合して、ホールドアパネル12A,12Bを全閉位置にロックする。
次に、昇降路内の点検などのために、乗りかごの非着床時に、ホールドア装置を開閉させる場合を説明する。
この場合、まず、手動によりロックレバー24をローラ25aの軸を中心にアンロック方向に回動させ、レバー受け26との係合を解除し、アンロック状態にした後、手動によりホールドアパネル12Aを図示左方に移動させ、戸開動作させる。このときも、高速パネル12Aと連結機構41を介して連結する低速パネル12Bは、連結機構41の動滑車構成により、高速パネル12Aの1/2の速度で同方向に移動する。
この戸開動作時、ロックレバー24は、自重により、通常のロック状態と同じ状態に復帰しているので、図3で説明したように、所定の戸開位置(例えば,全開位置)に達し、ホールドアパネル12A,12Bが2枚重ね状態になると、アンロックレバー28はストッパーブロック29との係合位置に達し、これら両者は係合する。そして、その後のホールドアパネル12A,12Bの自閉力による戸閉動作を係止する。すなわち、アンロックレバー28を擁する高速パネル12A側と、ストッパーブロック29を擁する低速パネル12B側とは、動滑車構成の連結機構41により互いに同じ速度で移動することができない。このため、アンロックレバー28とストッパーブロック29とが係合している状態では、高速パネル12Aが図示しないクローザにより戸閉方向の力を受けても、低速パネル12Bが同じ速度で移動できないため、これら高速パネル12A及び低速パネル12Bは、この係合状態のまま移動せず、自閉力による戸閉動作が係止される。
このように、昇降路内の保守点検時などのため戸開する場合は、作業員が手動操作によりロックレバー24をアンロック方向に回動させ、レバー受け26との係合を解除した後、ホールドアパネル12A,12Bを戸開方向に手動で移動させることで容易に開放させることができる。そして、ホールドアパネル12A,12Bが所定の戸開位置に達すると、アンロックレバー28がストッパーブロック29と自動的に係合するので、その後の、ホールドアパネル12A,12Bの自閉力による戸閉動作を係止することができる。
したがって、従来のように、開状態のドアパネルと敷居とのすき間に、楔状のストッパ部材を差込む必要はなく、したがって、楔状のストッパ部材で敷居部分を傷つけたりすることなく、容易にホールドアパネル12を自閉力に抗して開放状態に保持することができる。なお、ホールドアパネル12A,12Bを閉じる場合は、アンロックレバー28とストッパーブロック29との係合を手動で解除すればよく、ホールドアパネル12A,12Bは自閉力により全閉位置まで戸閉しロック状態となる。
上記各実施の形態は、ホールドアパネル12が1枚構成の片開き、及び片側2枚構成の片開きであったが、前述のように、片側1枚の両開きとしたり、片側2枚構成の両開きとしてもよいことは勿論である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
12,12A,12B・・・ホールドアパネル
17・・・ロック機構
21・・・支持枠
24・・・ロックレバー
28・・・アンロックレバー
29・・・ストッパーブロック
31・・・アンロックケーブル
41・・・連結機構
X・・・かごドア開閉機構側の係合板(カミソリ)

Claims (4)

  1. エレベータホールの、昇降路への出入り口にスライド可能に設けられ、常時前記出入り口を閉じる方向の自閉力を受けているホールドアパネルと、
    このホールドアパネル側に設けられ、このホールドアパネルを戸閉位置にてロックするロックレバーを有し、前起昇降路内を昇降する乗りかごの着床に伴いかごドア開閉機構側と係合し、このかごドア開閉機構側から戸開方向の駆動力を受けると前記ロックレバーをアンロック状態へ回動させて、前記ホールドアパネルの戸開動作を許容するロック機構と、
    前記ロックレバーに連結され、前記ホールドアパネルが所定の戸開位置へ移動すると、前記ロックレバーがアンロック状態でないことを条件に固定側に設けたストッパーブロックと係合して前記ホールドアパネルの自閉を係止し、前記ロックレバーがアンロック方向に操作されると、このストッパーブロックとの係合を解除して前記ホールドアパネルの自閉を可能とするアンロックレバーと、
    を備えたことを特徴とするエレベータのホールドア装置。
  2. 前記ホールドアパネルは、戸閉動作により平面方向に展開し、戸開動作により2枚重ね状に縮退する2枚構成であり、その戸閉動作方向前方のパネルは戸閉動作方向後方のパネルに対し倍の速度で開閉するように連結されており、前記ロックレバー及びアンロックレバーは、前記戸閉動作方向前方のパネル側に設置され、ストッパーブロックは、所定の戸開位置において固定側として機能する前記戸開方向後方のパネル側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのホールドア装置。
  3. 一端が前記ロックレバーに連結し、他端はこのロックレバーが設けられたホールドアパネルに向って下降配置され、他端を引操作することにより前記ロックレバーを前記アンロック方向に回動させるアンロックケーブルを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのホールドア装置。
  4. 前記ホールドアパネルは、昇降路のピットに通じる出入り口を開閉するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエレベータのホールドア装置。
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