JP2013114997A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】各セル間での電圧のバラツキを抑制しつつ、システムに必要な熱量を供給することができる燃料電池システムを供給する。
【解決手段】空気(酸素)と水素ガスとを電気化学反応させて発電する燃料電池2を備え、燃料電池2の発電効率を第1効率とする通常運転モードと、燃料電池2の発電効率を第1効率より低い第2効率とする低効率運転モードを切替可能に構成されている燃料電池システムにおいて、低効率運転モード時に、燃料電池2に供給する空気に、空気および水素ガスの双方以外のガスを混入させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて発電する燃料電池を備える燃料電池システムに関するものである。
従来、燃料電池システムに必要な熱量を供給するために、燃料電池に通常運転時よりも発電効率の低い運転(以下、低効率発電という)を行わせることで、燃料電池から放出される熱を増加させる燃料電池システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の従来技術によれば、燃料電池からの排熱を吸収する冷却水の温度を上昇させることができるので、燃料電池の暖機や燃料電池が搭載された燃料電池車両の車室内の暖房を行うことが可能となる。
具体的には、燃料電池で低効率発電を行う際には、空気のストイキ比を通常運転時より小さく設定する。これにより、水素と酸素との反応によって取り出せるエネルギーのうち、電力損失分(すなわち熱損失分)が積極的に増大されるため、燃料電池から放出される熱を増加させることができる。
特許4458126号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、空気のストイキ比を小さくして、燃料電池に供給される空気流量を低減すると、燃料電池を構成する各単セル(以下、セルともいう)に供給される空気の流量にバラツキが生じる。ここで、各セルに供給される空気流量にバラツキが生じることの要因としては、各セル間の固体差もあるが、それに加え、空気のストイキ比を小さくした場合、セルから生成水が排出され難くなるため、さらに各セルに供給される空気流量のバラツキが加速されることが知られている。
そして、各セル間で空気の分配にバラツキが生じると、供給される空気流量が少ないセルの電圧が低下するので、各セル間で電圧にバラツキが生じ、ひいては各セル間の発熱量にバラツキが生じる虞がある。
このような、各セル間で電圧および発熱量のバラツキが生じると、各セル間で寿命にバラツキが生じ、燃料電池スタック全体としての寿命(耐久性)が低下するという問題がある。
これに対し、空気のストイキ比を大きくして、各セルに供給される空気流量を増加させる手法が考えられる。これによれば、セル内に滞留した生成水を排出して、各セルに供給される空気流量のバラツキを低減することはできるが、空気のストイキ比を大きくしているので、低効率発電を行うことができない、すなわち通常運転になってしまい、システムに必要な熱量を供給することができない。
本発明は上記点に鑑みて、各セル間での電圧のバラツキを抑制しつつ、システムに必要な熱量を供給することができる燃料電池システムを供給することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて発電する燃料電池(2)を備え、燃料電池(2)の発電効率を第1効率とする通常運転モードと、燃料電池(2)の発電効率を第1効率より低い第2効率とする低効率運転モードを切替可能に構成されている燃料電池システムにおいて、低効率運転モード時に、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに、酸化剤ガスおよび燃料ガスの双方以外のガスを混入させることを特徴とする。
これによれば、低効率運転モード時に、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに、酸化剤ガスおよび燃料ガスの双方以外のガスを混入させることで、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスの流量を変えることなく、燃料電池(2)に供給するガスの総流量を増加させ、燃料電池(2)のセル(200)内に滞留した生成水を排出させることができる。これにより、各セル(2)に供給される酸化剤ガス流量のバラツキを低減できるので、各セル(200)間での電圧のバラツキを抑制できる。
このとき、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスの流量は増加しないので、低効率運転モードを維持することができ、システムに必要な熱量を供給することができる。
したがって、各セル(200)間での電圧のバラツキを抑制しつつ、システムに必要な熱量を供給することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池(2)から排出されるオフ酸化剤ガスの少なくとも一部を、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入可能な再循環流路(45)と、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるオフ酸化剤ガスの流量を制御する再循環量制御手段(46、70)とを備え、再循環量制御手段(46、70)は、低効率運転モード時に、オフ酸化剤ガスの少なくとも一部を燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させることを特徴とする。
これによれば、低効率運転モード時に、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに、酸化剤ガスおよび燃料ガスの双方以外のガスであるオフ酸化剤ガスを混入させる構成を、容易かつ確実に実現することが可能となる。
なお、本発明における「オフ酸化剤ガスの流量を制御する」とはオフ酸化剤ガスの流量を調整するだけを意味するものではなく、酸化剤ガスの流量をゼロにする、すなわち燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスにオフ酸化剤ガスを混入させないことも含む意味である。
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の燃料電池システムにおいおて、さらに、酸化剤ガスを前記燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)と、酸化剤ガス供給流路(40)を流れる酸化剤ガスの流量に対する、再循環流路(45)を流れるオフ酸化剤ガスの流量の比である循環比を調整する循環比調整手段(46、70)とを備え、循環比調整手段(46、70)は、燃料電池(2)の温度が低い程、循環比を増加させることを特徴とする。
燃料電池(2)の温度が低い程、燃料電池(2)のセル(200)の内部に生成水が滞留し易い。このため、燃料電池(2)の温度が低い程、循環比を増加させることで、燃料電池(2)のセル(200)の内部に生成水が滞留し易い場合に、燃料電池(2)に供給される総ガス流量を増加させることができる。これにより、燃料電池(2)のセル(200)内に滞留した生成水をより確実に排出させることができるので、各セル(200)間での電圧のバラツキをより確実に抑制することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、酸化剤ガスを燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、再循環流路(45)は、酸化剤ガス供給流路(40)に接続されており、再循環量制御手段は、再循環流路(45)を流通するオフ酸化剤ガスの流量を調整する流量調整弁(46)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるオフ酸化剤ガスの流量を調整することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項2または3に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、酸化剤ガスを燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、再循環流路(45)は、酸化剤ガス供給流路(40)に接続されており、再循環量制御手段は、酸化剤ガス供給流路(40)における再循環流路(45)との接続点に設けられ、ノズルから酸化剤ガスを噴射することでオフ酸化剤ガスを吸引し、酸化剤ガスとオフ酸化剤ガスとを混合して吐出するエジェクタ(49)と、再循環流路(45)を流通するオフ酸化剤ガスの流量を調整する流量調整弁(46)とを有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、オフ酸化剤ガスの少なくとも一部を燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるとともに、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるオフ酸化剤ガスの流量を調整する構成を、容易かつ確実に実現することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項2または3に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、酸化剤ガスを燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、再循環流路(45)は、酸化剤ガス供給流路(40)に接続されており、再循環量制御手段は、酸化剤ガス供給流路(40)における再循環流路(45)との接続点に設けられ、通路面積を調整可能な可変ノズルから酸化剤ガスを噴射することでオフ酸化剤ガスを吸引し、酸化剤ガスとオフ酸化剤ガスとを混合して吐出するエジェクタ(49)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、再循環流路(45)を流通するオフ酸化剤ガスの流量を調整する流量調整弁を別途設けることなく、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるオフ酸化剤ガスの流量を調整することが可能となる。
また、請求項7に記載の発明では、請求項2または3に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、酸化剤ガスを燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、再循環流路(45)は、酸化剤ガス供給流路(45)に接続されており、再循環量制御手段は、オフ酸化剤ガスを再循環流路(45)に循環させる循環ポンプ(70)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、循環ポンプ(70)の作動量(オフ酸化剤ガス圧送能力)を調整することで、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるオフ酸化剤ガスの流量を調整することができる。なお、循環ポンプ(70)を停止させることで、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスにオフ酸化剤ガスを混入させないようにもできる。
したがって、オフ酸化剤ガスの少なくとも一部を燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるとともに、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに混入させるオフ酸化剤ガスの流量を調整する構成を、容易かつ確実に実現することが可能となる。
また、請求項8に記載の発明では、請求項2ないし7のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、再循環流路(45)には、気体と液体とを分離して液体を回収する気液分離器(72)が設けられていることを特徴とする。
燃料電池(2)から排出されたオフ酸化剤ガスには、生成水等の液体が含まれる場合がある。燃料電池(2)にオフ酸化剤ガスを循環供給する際に、当該液体が燃料電池(2)に流入すると、各セル(200)に供給される酸化剤ガス流量のバラツキを増大させる可能性がある。
これに対し、再循環流路(45)に気液分離器(72)を設けることで、オフ酸化剤ガスに含まれる液体を分離回収することができるので、液体が燃料電池(2)に流入することにより各セル(200)に供給される酸化剤ガス流量のバラツキが増大することを抑制できる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項2ないし7のいずれか1つの記載の燃料電池システムにおいて、さらに、燃料電池(2)から排出されるオフ酸化剤ガスが流通するオフ酸化剤ガス流路(41)を備え、オフ酸化剤ガス流路(41)の鉛直方向上方側に、再循環流路(45)の入口側が接続されていることを特徴とする。
これによれば、オフ酸化剤ガスに含まれる液体が再循環流路(45)に流入することを抑制できる。このため、液体が燃料電池(2)に流入することにより各セル(200)に供給される酸化剤ガス流量のバラツキが増大することを抑制できる。
また、請求項10に記載の発明では、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池(2)に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段(81)と、燃料電池(2)に供給する不活性ガスの流量を制御する不活性ガス流量制御手段(82)とを備え、不活性ガス量制御手段(82)は、低効率運転モード時に、不活性ガスを燃料電池(2)に供給することを特徴とする。
これによれば、低効率運転モード時に、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに、酸化剤ガスおよび燃料ガスの双方以外のガスである不活性ガスを混入させる構成を、容易かつ確実に実現することが可能となる。
なお、本発明における「不活性ガスの流量を制御する」とは、不活性ガスの流量を調整するだけを意味するものではなく、不活性ガスの流量をゼロにする、すなわち燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスに不活性ガスを混入させないことも含む意味である。
また、請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスの流量に対する、燃料電池(2)に供給する酸化剤ガスの流量および燃料電池(2)に供給する不活性ガスの流量の合計流量の比である供給ガス比を調整する供給ガス比調整手段(82)を備え、供給ガス比調整手段(82)は、燃料電池(2)の温度が低い程、供給ガス比を増加させることを特徴とする。
これによれば、燃料電池(2)のセル(200)の内部に生成水が滞留し易い場合に、燃料電池(2)に供給される総ガス流量を増加させることができる。これにより、燃料電池(2)のセル(200)内に滞留した生成水をより確実に排出させることができるので、各セル(200)間での電圧のバラツキをより確実に抑制することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの低効率運転モード時の制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 燃料電池2の温度とカソード循環比との関係を示す特性図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 第5実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 図8のA部拡大図である。 第6実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本第1実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。この燃料電池システム1は、電気自動車の一種である、いわゆる燃料電池車両に適用されており、車両走行用電動モータ等の電気負荷に電力を供給するものである。
図1に示すように、燃料電池システム1は、空気(酸化剤ガス)と水素(燃料ガス)との電気化学反応により電力を発生する燃料電池2を備えている。燃料電池2、水素極(以下、アノードという)と酸素極(以下、カソードという)とを備えた単セル200を、複数枚積層したスタック状に構成されている。
単セル200は、セパレータ、アノード、電解質膜、カソード、セパレータを順に重ね合わせて構成され、セパレータには水素ガス、空気の流路がそれぞれ設けられている。こうした流路は、積層して隣接する単セル200間で連通しており、外部から燃料電池2へ供給される水素ガスおよび空気は、各単セル200のアノード、カソードのそれぞれに行き渡る。なお、セパレータには、水素ガス、空気の他、燃料電池2を冷却するための冷却水の流路も設けられており、外部から供給された冷却水は燃料電池2内を循環している。
各単セル200内のアノードに供給された水素ガスは、アノードを構成する触媒層の触媒作用を受けて水素イオンを発生する。この水素イオンは、電解質膜をカソード側へ透過し、カソードに供給された空気中の酸素と反応する。この電気化学反応により、単セル200は発電する。燃料電池2は、こうした単セル200を複数直列に接続することで、高い電力を出力している。なお、本実施形態では、電解質膜に固体高分子膜を使用している。電解質膜は、所定範囲の湿潤状態で良好に作用する。
燃料電池2にて生じた直流の電力の一部は、第1インバータ(図示せず)を介して交流電流に変換されて車両走行用電動モータ21等の各種電気負荷に供給される。また、燃料電池2にて生じた直流の電力の一部は、DC/DCコンバータ(図示せず)によって昇降圧され、電力貯蔵手段である二次電池22に充電される。また、DC/DCコンバータによって昇降圧された電力の一部は、第2インバータ(図示せず)を介して交流電流に変換されて、後述する空気ポンプ42の空気ポンプ用電動モータ23に供給される。
なお、本実施形態の燃料電池車両は、減速時や降坂時に車両走行用電動モータ21等を用いて回生制動を行わせ、回生制動により得られる回生電力を二次電池22に蓄えられるようになっている。
燃料電池2には、各単セル200に水素を供給するための水素供給配管30、および各単セルの内部に存する生成水や窒素を未反応水素と共に燃料電池2の外部に排出する水素排出配管31が接続されている。
水素供給配管30には、その最上流部に、高圧水素が充填された高圧水素タンク32a、32bが設けられている。高圧水素タンク32a、32bの水素出口側には、シャットバルブ33a、33bが設けられている。シャットバルブ33a、33bは、後述する制御装置6から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
水素供給配管30におけるシャットバルブ33a、33bと燃料電池2との間には、燃料電池2に供給される水素の圧力を所定の圧力に調整可能な水素調圧バルブ34が設けられている。水素調圧バルブ34は、後述する制御装置6から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
水素供給配管30におけるシャットバルブ33a、33bと水素調圧バルブ34との間には、水素循環用エジェクタ35が設けられている。水素排出配管31の出口側は、水素循環用エジェクタ35に接続されている。
水素循環用エジェクタ35は、水素タンク32a、32bから水素供給配管30上に供給された水素ガスの流れを駆動流として、燃料電池2から排出されたオフガス(アノードオフガス)を水素排出配管31内から吸い込み、オフガスを再度燃料電池2に循環する循環手段である。燃料電池2に供給された水素ガスは電気化学反応により消費されるが、その一部が消費されずに燃料電池2から排出される場合がある。水素循環用エジェクタ35によりオフガスを再度、燃料電池2へ供給することで、電気化学反応に使用されずに排出された水素を有効に利用している。
こうして燃料電池2に循環するオフガスは、電気化学反応により生成された生成水の影響などを受け、過剰な水分を含んでいることがある。水素排出配管31上には、気液分離器36が備えられており、オフガス中の過剰な水分を除去し、適切な状態のオフガスを水素循環用エジェクタ35の吸い込み側に供給している。気液分離器36には排水バルブ363が設けられ、気液分離器36と排水バルブ363とは排出配管364で接続されている。気液分離器36に溜まった水分は、排水バルブ363を開くことで、気液分離器36から排出される。
また、気液分離器36にはパージバルブ361が設けられ、パージバルブ361は後述する希釈器51と排出配管362で接続されている。水素供給配管30および水素排出配管31を循環する排ガスには、上記の水分に加え、燃料電池2のカソードから漏れ出した窒素などの不純物が含まれている場合がある。制御装置6は、パージバルブ361を所定のタイミングで開弁し、こうした不純物をオフガス(水素ガス)と共に、希釈器51へ排出している。
なお、水素供給配管30における水素調圧バルブ34と燃料電池2との間、および水素排出配管31における気液分離器36と水素循環用エジェクタ35との間には、それぞれ、各配管30、31内を流れる水素ガスの逆流を防止するチェックバルブ37、38が設けられている。また、水素排出配管31における燃料電池2と気液分離器36との間には、シャットバルブ39が設けられている。
また、燃料電池2には、各単セル200に空気を供給するための空気供給配管40、および各単セルの内部に存する生成水を空気と共に燃料電池2の外部に排出する空気排出配管41が接続されている。
空気供給配管40には、燃料電池2に空気を圧送して供給する圧送手段としての空気ポンプ42が設けられている。空気ポンプ42は、ポンプ室を形成するケーシング内に配置された羽根車を空気ポンプ用電動モータ23で駆動する電動式のポンプであり、制御装置6から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。また、空気供給配管40における空気ポンプ42と燃料電池2との間には、空気中の粉塵を取り除くエアフィルタ43が設けられている。
空気排出配管41には、燃料電池2の空気極側における空気の圧力(背圧)を所定の圧力に調整する空気調圧バルブ44が設けられている。空気調圧バルブ44は、制御装置6から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
空気排出配管41の出口側は希釈器51に接続されており、燃料電池2から排出されたオフガス(カソードオフガス)は、希釈器51内で上述の不純物および水素ガスを十分に希釈し、マフラ52を介して外部へ排出している。
また、空気排出配管41における空気調圧バルブ44の上流側には、燃料電池2から排出されたオフガスの少なくとも一部を、空気供給配管40における空気ポンプ42の入口側(上流側)に戻す空気循環配管45が接続されている。
空気循環配管45には、当該空気循環配管45を開閉する開閉バルブ46が設けられている。開閉バルブ46は制御装置6から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
開閉バルブ46を開弁すると、空気排出配管41から空気循環配管45にカソードオフガスが流入する。一方、開閉バルブ46を閉弁すると、空気排出配管41から空気循環配管45にカソードオフガスが流入しない、すなわち空気排出配管41から空気循環配管45に流入するカソードオフガスの流量がゼロになる。
したがって、開閉バルブ46を開閉することにより、空気循環配管45を流通するカソードオフガスの流量を調整して、燃料電池2に供給する空気に混入させるカソードオフガスの流量を制御することができる。このため、本実施形態の開閉バルブ46は、特許請求の範囲に記載された流量調整弁および再循環量制御手段に対応する。
なお、本実施形態では、空気供給配管40が酸化剤ガス供給流路を構成し、空気排出配管41がオフ酸化剤ガス流路を構成し、空気循環配管45が再循環流路を構成している。
以上の構成により水素ガスおよび空気の供給を受けた燃料電池2は、電気化学反応により発電する。電気化学反応は発熱反応であり、運転に伴って燃料電池2の温度は上昇する。本実施形態の燃料電池システム1は、冷却装置53を備え、冷却水を燃料電池2内に循環させることで、燃料電池2を冷却している。
なお、本実施形態の燃料電池システム1は、送風機(図示せず)により送風された送風空気(空調用空気)と冷却水とを熱交換させて、送風空気を加熱するヒータコア(図示せず)を備えている。ヒータコアにて、冷却水の有する熱により送風空気を加熱することで、車室内の暖房を行うことができる。
次に、図2により、本実施形態の電気制御部について説明する。図2は、本第1実施形態に係る燃料電池システムの電気制御部を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置6は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
制御装置6の出力側には、各種シャットバルブ33a、33b、39、各種調圧バルブ34、44、空気ポンプ42、開閉バルブ46、パージバルブ361等が接続されている。
また、制御装置6の入力側には、燃料電池2の出力電流を検出する電流センサ24、燃料電池2の出力電圧を検出する電圧センサ25、燃料電池2から排出された酸素極側オフガスの温度を検出する空気温度センサ47、燃料電池2から排出された酸素極側オフガスの圧力を検出する圧力センサ48、燃料電池2から流出した冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ54、外気温度を検出する外気温センサ55等が接続されている。
なお、制御装置6は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。
ところで、本実施形態の燃料電池システム1は、通常運転モードと低効率運転モードの2つのモードが切替可能に構成されている。ここで、図3により、上記構成における本実施形態の燃料電池システムの低効率運転モード時の作動を説明する。図3は、本第1実施形態に係る燃料電池システム1の低効率運転モード時の制御処理を示すフローチャートである。この制御処理は、燃料電池システム1の運転モードが低効率運転モードに切り替えられるとスタートする。
まず、ステップS1では、低効率運転モード時の燃料電池2の目標動作点および目標動作点における酸素ストイキ比を算出し、ステップS2へ進む。ここで、燃料電池2の動作点とは、走行に必要とする電力量、および、暖機および車室内の暖房に必要な燃料電池2の発熱量の双方を満足させる燃料電池2の目標電圧値および目標電流値をいう。また、酸素ストイキ比とは、燃料電池で消費される酸素量に対する燃料電池に供給する酸素量の比である。
ステップS2では、上述した各種センサ群の検出信号を読み込み、燃料電池2の温度、燃料電池2の圧力および外気温度を取得して、ステップS3へ進む。具体的には、燃料電池2の温度としては、冷却水温度センサ54により検出された冷却水温度を用いることができる。また、燃料電池2の圧力としては、圧力センサ48により検出されたカソードオフガスの圧力を用いることができる。
ステップS3では、カソードオフガスに含まれる水蒸気量を算出し、ステップS4へ進む。このステップS3では、ステップS2で取得した燃料電池2の温度に基づいて、予め制御装置6に記憶された制御マップを参照して、カソードオフガスに含まれる水蒸気量を推定する。
ステップS4では、空気循環配管45を介して空気ポンプ42の入口側に戻されるカソードオフガス(以下、循環カソードオフガスという)の流量を算出し、ステップS5へ進む。このステップS4では、ステップS2で取得した燃料電池2の圧力に基づいて、予め制御装置6に記憶された制御マップを参照して、循環カソードオフガスの流量を推定する。
ステップS5では、外気から空気供給配管40を介して燃料電池2に流入する空気流量を算出し、ステップS6へ進む。このステップS5では、ステップS2で取得した外気温度に基づいて、予め制御装置6に記憶された制御マップを参照して、外気から流入する空気流量を推定する。
ステップS6では、ステップS1にて算出された酸素ストイキ比になるように、空気ポンプ42の空気吐出能力(具体的には、回転数(rpm))を決定する。このステップS6では、ステップS5で算出した外気から流入する空気流量等に基づいて、予め制御装置6に記憶されている制御マップを参照して、空気ポンプ42の回転数を決定する。また、続くステップS7では、開閉バルブ46を開弁することに決定する。
次に、ステップS8では、上述のステップS6、S7で決定された制御状態が得られるように、制御装置6より各種機器42、46に対して制御信号および制御電圧が出力される。これにより、ステップS1にて算出された酸素ストイキ比になるように空気ポンプ42が作動するとともに、開閉バルブ46が開弁されてカソードオフガスの一部が空気循環配管45を介して空気ポンプ42の入口側(吸入側)に戻される。このため、カソードオフガスの一部が再び燃料電池2に供給される。
次に、ステップS9では、低効率運転モードが終了したか否かが判定される。ステップS9にて低効率運転モードが終了していないと判定された場合は、ステップS1に戻る。一方、ステップS9にて低効率運転モードが終了したと判定された場合は、そのまま処理を終了する。
以上説明したように、低効率運転モード時に、燃料電池2に供給する空気に、空気および水素ガスの双方以外のガスであるカソードオフガスを混入させることで、燃料電池2に供給する空気(酸素)の流量を増加させることなく、燃料電池2に供給するガスの総流量を増加させ、燃料電池2の単セル200内に滞留した生成水を排出させることができる。これにより、各単セル200に供給される空気流量のバラツキを低減できるので、各単セル200間での電圧のバラツキを抑制できる。
このとき、燃料電池2に供給する空気(酸素)の流量は変わらないので、低効率運転モードを維持することができ、システムに必要な熱量を供給することができる。
したがって、各単セル200間での電圧のバラツキを抑制しつつ、システムに必要な熱量を供給することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、カソードオフガスを循環させるために空気循環用エジェクタを用いた点が異なるものである。図4は、本第2実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。
図4に示すように、空気供給配管40におけるエアフィルタ43と燃料電池2との間には、空気循環用エジェクタ49が設けられている。また、空気循環配管45の出口側は、空気循環用エジェクタ49に接続されている。すなわち、空気供給配管40と空気循環配管45との接続点に、空気循環用エジェクタ49が設けられている。
空気循環用エジェクタ49は、空気ポンプ42から空気供給配管40上に供給された空気の流れを駆動流として、燃料電池2から排出されたカソードオフガスの少なくとも一部を空気排出配管41内から空気循環配管45を介して吸い込み、カソードオフガスを再度燃料電池2に循環する循環手段である。空気循環用エジェクタ49は、通路面積が固定された固定ノズル(図示せず)から空気を噴射することでカソードオフガスを吸引し、空気とカソードオフガスとを混合して吐出する。
空気循環配管45には開閉バルブ46が設けられており、この開閉バルブ46を開弁することにより、空気循環用エジェクタ49にカソードオフガスを流入させて、カソードオフガスを燃料電池2に再度流入させることができる。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得つつ、カソードオフガスの少なくとも一部を燃料電池2に供給する空気に混入させる構成を、容易かつ確実に実現することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図5および図6に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態と比較して、カソードオフガスを循環させるために空気循環用ポンプを用いた点が異なるものである。図5は、本第3実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。
図5に示すように、空気循環配管45の出口側は、空気供給配管40におけるエアフィルタ43と燃料電池2との間に接続されている。空気循環配管45には、カソードオフガスを再度燃料電池2に循環させるための空気循環用ポンプ70が設けられている。また、空気循環配管45における空気循環用ポンプ70に入口側(上流側)には、空気循環配管45内を流れるカソードオフガスの逆流を防止するチェックバルブ71が設けられている。
空気循環用ポンプ70は、ポンプ室を形成するケーシング内に配置された羽根車を電動モータで駆動する電動式のポンプであり、制御装置6から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。したがって、空気循環用ポンプ70の回転数を制御することにより、燃料電池2に再循環させるカソードオフガスの流量を制御して、後述するカソード循環比を調整することができる。このため、本実施形態の空気循環用ポンプ(循環ポンプ)70は、特許請求の範囲に記載された再循環量制御手段および循環比調整手段に対応する。
図6は、燃料電池2の温度とカソード循環比との関係を示す特性図である。カソード循環比とは、空気供給配管40内を流れる空気流量に対する、空気供給配管40内を流れる空気流量および空気循環配管45内を流れるカソードオフガス流量の合計流量の比のことをいう。すなわち、空気供給配管40内を流れる空気流量および空気循環配管45内を流れるカソードオフガス流量の合計流量を、空気供給配管40内を流れる空気流量で割った値をカソード循環比という。
燃料電池2の温度が低い程、燃料電池2のスタックの内部(単セル200の内部)に生成水が滞留し易い。このため、本実施形態では、図6に示すように、燃料電池2の温度が低い程、カソード循環比を増加させて、燃料電池2に供給される総ガス流量を増加させている。これにより、燃料電池2の単セル200の内部に生成水が滞留し易い場合に、燃料電池2の単セル200内に滞留した生成水をより確実に排出させることができるので、各単セル200間での電圧のバラツキをより確実に抑制することが可能となる。
また、燃料電池2の電流が小さい程、空気供給配管40内を流れる空気流量、すなわち空気ポンプ42により圧送される空気流量自体が少なくなり、燃料電池2のスタックの内部(単セル200の内部)に滞留した生成水が排出され難い。このため、本実施形態では、燃料電池2の電流が小さい程、カソード循環比を増加させて、燃料電池2に供給される総ガス流量を増加させている。これにより、燃料電池2の単セル200の内部に滞留した生成水が排出され難い場合に、燃料電池2の単セル200内に滞留した生成水をより確実に排出させることができるので、各単セル200間での電圧のバラツキをより確実に抑制することが可能となる。
本実施形態によれば、空気循環用ポンプ70の作動量(カソードオフガス圧送能力)を調整することで、燃料電池2に供給する空気に混入させるカソードオフガスの流量を調整することができる。なお、空気循環用ポンプ70を停止させることで、燃料電池2に供給する空気にカソードオフガスを混入させないようにもできる。
したがって、カソードオフガスの少なくとも一部を燃料電池2に供給する空気に混入させるとともに、燃料電池2に供給する空気に混入させるカソードオフガスの流量を調整する構成を、容易かつ確実に実現することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態と比較して、空気循環配管に気液分離器を設けた点が異なるものである。図7は、本第4実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。
図7に示すように、空気循環配管45上には、気液分離器72が備えられており、カソードオフガス中の過剰な水分を除去し、適切な状態のカソードオフガスを空気ポンプ42の入口側に供給している。
本実施形態によれば、空気循環配管45上に気液分離器72を設けることで、カソードオフガスに含まれる液体を分離回収することができるので、液体が燃料電池2に流入することにより各単セル200に供給される空気流量のバラツキが増大することを抑制できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図8および図9に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第1実施形態と比較して、空気排出配管41と空気循環配管45との接続部の構成が異なるものである。図8は本第5実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図、図9は図8のA部拡大図である。
図8および図9に示すように、空気循環配管45の入口側は、空気排出配管41の鉛直方向上側に接続されている。このため、空気排出配管41の鉛直方向上側からカソードオフガスが空気循環配管45へ流入する。
カソードオフガスに含まれる液体は、重力により空気排出配管41の鉛直方向下側に滞留するので、空気排出配管41の鉛直方向上側からカソードオフガスを空気循環配管45へ流入させることで、液体が空気循環配管45内に流入することを抑制できる。
このとき、気液分離器を別途設ける必要がないので、簡易な構成で、液体が燃料電池2に流入することにより各単セル200に供給される酸化剤ガス流量のバラツキが増大することを抑制できる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図10に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第1実施形態と比較して、燃料電池2に窒素ガスを供給可能に構成されている点が異なるものである。図10は、本第6実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。
図10に示すように、空気供給配管40におけるエアフィルタ43と燃料電池2との間には、燃料電池2の各単セル200に不活性ガスである窒素ガスを供給するための窒素供給配管80が接続されている。
窒素供給配管80には、その最上流部に、窒素ガスが充填された窒素タンク81が設けられている。窒素タンク81の窒素出口側には、シャットバルブ82が設けられている。シャットバルブ82は、制御装置6から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。本実施形態では、燃料電池2の運転モードが低効率運転モードの際に、シャットバルブ82を開弁し、空気供給配管40を介して燃料電池2に窒素ガスを供給している。
シャットバルブ82を開弁すると、窒素タンク81から空気供給配管40に窒素ガスが流入する。一方、シャットバルブ82を閉弁すると、窒素タンク81から空気供給配管40に窒素ガスが流入しない、すなわち窒素タンク81から空気供給配管40に流入する窒素ガスの流量がゼロになる。
したがって、シャットバルブ82を開閉することにより、燃料電池2に供給する空気に混入させる窒素ガスの流量を制御することができる、すなわち後述する供給ガス比を調整することができる。このため、本実施形態のシャットバルブ82は、特許請求の範囲に記載された不活性ガス流量制御手段および供給ガス非調整手段に対応する。なお、本実施形態の窒素タンク81は、特許請求の範囲に記載された不活性ガス供給手段に対応する。
ここで、供給ガス比とは、燃料電池2に供給する空気流量に対する、燃料電池2に供給する空気流量および燃料電池2に供給する窒素ガス流量の合計流量の比のことをいう。すなわち、燃料電池2に供給する空気流量および燃料電池2に供給する窒素ガス流量の合計流量を、燃料電池2に供給する空気流量で割った値を供給ガス比という。
燃料電池2の温度が低い程、燃料電池2のスタックの内部(単セル200の内部)に生成水が滞留し易い。このため、本実施形態では、燃料電池2の温度が低い程、供給ガス比を増加させて、燃料電池2に供給される総ガス流量を増加させている。これにより、燃料電池2の単セル200の内部に生成水が滞留し易い場合に、燃料電池2の単セル200内に滞留した生成水をより確実に排出させることができるので、各単セル200間での電圧のバラツキをより確実に抑制することが可能となる。
また、燃料電池2の電流が小さい程、空気供給配管40内を流れる空気流量、すなわち空気ポンプ42により圧送される空気流量自体が少なくなる。このため、本実施形態では、燃料電池2の電流が小さい程、供給ガス比を増加させて、燃料電池2に供給される総ガス流量を増加させている。これにより、燃料電池2の単セル200の内部に滞留した生成水が排出され難い場合に、燃料電池2の単セル200内に滞留した生成水をより確実に排出させることができるので、各単セル200間での電圧のバラツキをより確実に抑制することが可能となる。
本実施形態では、燃料電池2の運転モードが低効率運転モードの際に、シャットバルブ82を開弁し、空気供給配管40を介して燃料電池2に窒素ガスを供給している。これによれば、低効率運転モード時に、燃料電池2に供給する空気に、酸化剤ガスおよび燃料ガスの双方以外のガスである窒素ガスを混入させることができるので、燃料電池2に供給する空気(酸素)の流量を変えることなく、燃料電池2に供給するガスの総流量を増加させ、燃料電池2の単セル200内に滞留した生成水を排出させることができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上記第1、第2実施形態では、空気循環配管45に開閉バルブ46を設けた例について説明したが、これに限らず、空気循環配管45に、当該空気循環配管45内を流通するカソードオフガスの流量を調整する流量調整バルブを設けてもよい。これによれば、燃料電池2に供給する空気に混入させるカソードオフガスの流量を調整することが可能となる。
(2)上記第2実施形態では、空気循環用エジェクタ49として、通路面積が固定された固定ノズル(図示せず)を有するエジェクタを採用した例について説明したが、これに限らず、通路面積を調整可能な可変ノズルを有するエジェクタを採用してもよい。この場合、開閉バルブ46を廃止することができるので、部品点数を低減しつつ、燃料電池2に供給する空気に混入させるカソードオフガスの流量を調整することが可能となる。
2 燃料電池
40 空気供給配管(酸化剤ガス供給流路)
41 空気排出配管(オフ酸化剤ガス流路)
45 空気循環配管(再循環流路)
46 開閉バルブ(流量調整弁、再循環量制御手段、循環比調整手段)
70 空気循環用ポンプ(循環ポンプ、再循環量制御手段、循環比調整手段)
72 気液分離器
81 窒素タンク(不活性ガス供給手段)
82 シャットバルブ(不活性ガス流量制御手段、供給ガス比調整手段)

Claims (11)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて発電する燃料電池(2)を備え、
    前記燃料電池(2)の発電効率を第1効率とする通常運転モードと、前記燃料電池(2)の発電効率を前記第1効率より低い第2効率とする低効率運転モードを切替可能に構成されている燃料電池システムであって、
    前記低効率運転モード時に、前記燃料電池(2)に供給する前記酸化剤ガスに、前記酸化剤ガスおよび前記燃料ガスの双方以外のガスを混入させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池(2)から排出されるオフ酸化剤ガスの少なくとも一部を、前記燃料電池(2)に供給する前記酸化剤ガスに混入可能な再循環流路(45)と、
    前記燃料電池(2)に供給する前記酸化剤ガスに混入させる前記オフ酸化剤ガスの流量を制御する再循環量制御手段(46、70)とを備え、
    前記再循環量制御手段(46、70)は、前記低効率運転モード時に、前記オフ酸化剤ガスの少なくとも一部を前記燃料電池(2)に供給する前記酸化剤ガスに混入させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. さらに、前記酸化剤ガスを前記燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)と、
    前記酸化剤ガス供給流路(40)を流れる酸化剤ガスの流量に対する、前記再循環流路(45)を流れる前記オフ酸化剤ガスの流量の比である循環比を調整する循環比調整手段(46、70)とを備え、
    前記循環比調整手段(46、70)は、前記燃料電池(2)の温度が低い程、前記循環比を増加させることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. さらに、前記酸化剤ガスを前記燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、
    前記再循環流路(45)は、前記酸化剤ガス供給流路(40)に接続されており、
    前記再循環量制御手段は、前記再循環流路(45)を流通する前記オフ酸化剤ガスの流量を調整する流量調整弁(46)を有して構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
  5. さらに、前記酸化剤ガスを前記燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、
    前記再循環流路(45)は、前記酸化剤ガス供給流路(40)に接続されており、
    前記再循環量制御手段は、
    前記酸化剤ガス供給流路(40)における前記再循環流路(45)との接続点に設けられ、ノズルから前記酸化剤ガスを噴射することで前記オフ酸化剤ガスを吸引し、前記酸化剤ガスと前記オフ酸化剤ガスとを混合して吐出するエジェクタ(49)と、
    前記再循環流路(45)を流通する前記オフ酸化剤ガスの流量を調整する流量調整弁(46)とを有して構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
  6. さらに、前記酸化剤ガスを前記燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、
    前記再循環流路(45)は、前記酸化剤ガス供給流路(40)に接続されており、
    前記再循環量制御手段は、前記酸化剤ガス供給流路(40)における前記再循環流路(45)との接続点に設けられ、通路面積を調整可能な可変ノズルから前記酸化剤ガスを噴射することで前記オフ酸化剤ガスを吸引し、前記酸化剤ガスと前記オフ酸化剤ガスとを混合して吐出するエジェクタ(49)を有して構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
  7. さらに、前記酸化剤ガスを前記燃料電池(2)に供給する酸化剤ガス供給流路(40)を備え、
    前記再循環流路(45)は、前記酸化剤ガス供給流路(45)に接続されており、
    前記再循環量制御手段は、前記オフ酸化剤ガスを前記再循環流路(45)に循環させる循環ポンプ(70)を有して構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
  8. 前記再循環流路(45)には、気体と液体とを分離して前記液体を回収する気液分離器(72)が設けられていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  9. さらに、前記燃料電池(2)から排出される前記オフ酸化剤ガスが流通するオフ酸化剤ガス流路(41)を備え、
    前記オフ酸化剤ガス流路(41)の鉛直方向上方側に、前記再循環流路(45)の入口側が接続されていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つの記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池(2)に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段(81)と、
    前記燃料電池(2)に供給する前記不活性ガスの流量を制御する不活性ガス流量制御手段(82)とを備え、
    前記不活性ガス量制御手段(82)は、前記低効率運転モード時に、前記不活性ガスを前記燃料電池(2)に供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池(2)に供給する前記酸化剤ガスの流量に対する、前記燃料電池(2)に供給する前記酸化剤ガスの流量および前記燃料電池(2)に供給する前記不活性ガスの流量の合計流量の比である供給ガス比を調整する供給ガス比調整手段(82)を備え、
    前記供給ガス比調整手段(82)は、前記燃料電池(2)の温度が低い程、前記供給ガス比を増加させることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
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