JP2014002948A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の劣化を適切に抑制できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】ECU51は、バッテリ44の充電割合が所定値よりも大きい状態、及び、燃料電池10が搭載された移動体が停止した状態、のうち少なくともいずれかを検知した場合、コンプレッサ21を駆動しつつSTKバイパス流路弁25を開弁することで、STKバイパス流路c1,c2を介して希釈器28にカソードガスを流入させ、循環ポンプ23を駆動することで、戻り流路b1〜b3を介してカソード流路11にカソードオフガスを流入させつつ、燃料電池10の発電電圧が所定値になるように制御し、カソード流路11を通流するカソードガスの流量を調整することで、燃料電池10の発電電流を減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリを備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池は、その出力インピーダンスにより、発電電流が小さくなるにつれて発電電圧(出力電圧)が高くなる特性を示す。なお、発電電圧が高くなって所定の臨界電圧を超えると、燃料電池を構成する単セルの腐食や性能劣化が起こる可能性が高くなる。したがって、燃料電池への負荷要求が小さい場合、当該負荷要求に応じて発電電流を抑制しつつ、過電圧による単セルの劣化を防止する必要がある。
従来、燃料電池への負荷要求が小さい場合、燃料電池のエアストイキ(反応に供する空気量に対する、供給空気量)を低下させて低効率発電を行っていた。
例えば、特許文献1には、低効率発電を行う際、カソードに発生する水素量を推定し、カソード排出ガスの希釈量を前記ガス量に基づいて調整することが記載されている。
また、特許文献2には、低電力制御を行う際、燃料電池の空気入口に供給する空気の量を低下させるとともに、スイッチを切り替えて燃料電池と補助負荷とを接続することが記載されている。
特許第4868251号公報 特表2012−504848号公報
特許文献1に記載の技術では、低効率発電を行う際にカソード側でポンピング水素が生じることも考慮して水素量を推定し、当該水素量に基づいてカソード排出ガスの希釈量を調整している。ここで、「ポンピング水素」とは、カソードガスの供給が不足している場合、アノード側から移動してくる水素イオンと電子とが再結合して生成される水素分子を意味している。
しかしながら、ポンピング水素が発生すると、燃料電池のカソード面内で未反応の酸素と水素とが混在した状態になって互いに反応し、単セルを劣化させるという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、燃料電池に供給する空気の量を低下させるために、コンプレッサの吐出量を非常に小さくする(例えば、コンプレッサの最低流量以下にする)必要がある。その場合、コンプレッサの吐出量を適切に制御できなくなり、発電が不安定になるという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、補助負荷を設置する必要があるため、燃料電池システムの構成が複雑になるとともに、コストがかかるという問題もある。
そこで、本発明は、燃料電池の劣化を適切に抑制できる燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、移動体に搭載されるとともに、アノード流路にアノードガスが供給され、カソード流路にカソードガスが供給されて発電する燃料電池と、前記カソード流路の流入口に接続されるカソードガス供給流路と、前記カソード流路の流出口に接続されるカソードオフガス排出流路と、前記カソードガス供給流路と前記カソードオフガス排出流路とに接続され、カソードオフガスが前記カソード流路に戻るように設けられる戻り流路と、前記戻り流路に設けられる循環ポンプと、前記戻り流路との接続箇所よりも下流側の前記カソードオフガス排出流路に設けられる希釈器と、前記カソードガス供給流路を介し、前記カソード流路の流入口に向けてカソードガスを送出するカソードガス送出手段と、前記カソードガス送出手段から送出されるカソードガスが、前記燃料電池をバイパスして前記希釈器に流入するように設けられるバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられるバイパス流路弁と、前記燃料電池の負荷に対して放電可能であると共に、前記燃料電池から充電可能なバッテリと、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記バッテリの充電割合が所定値よりも大きい状態、及び、前記移動体が停止した状態、のうち少なくともいずれかを検知した場合、前記カソードガス送出手段を駆動しつつ前記バイパス流路弁を開弁することで、前記バイパス流路を介して前記希釈器にカソードガスを流入させ、前記循環ポンプを駆動することで、前記戻り流路を介して前記カソード流路にカソードオフガスを流入させつつ、前記燃料電池の発電電圧が所定値になるように制御し、前記カソード流路を通流するカソードガスの流量を調整することで、前記燃料電池の発電電流を前記検知時より減少させることを特徴とする。
かかる構成によれば、バッテリの充電割合が所定値よりも大きい状態、及び、移動体が停止した状態、のうち少なくともいずれかを検知した場合、制御手段は、カソードガス送出手段を駆動しつつバイパス流路弁を開弁する。したがって、カソードガス送出手段によって送出されたカソードガスがバイパス流路を介して希釈器に流入することで、希釈器内のアノードガスを希釈できる。
また、前記状態を検知した場合、制御手段は、循環ポンプを駆動する。したがって、戻り流路を介してカソード流路にカソードオフガスを流入させつつ、燃料電池の発電電圧が所定値になるように制御できる。
さらに、前記状態を検知した場合、制御手段は、カソード流路を通流するカソードガスの流量を調整することで、燃料電池の発電電流を前記検知時よりも減少させる。したがって、余分な電力を消費するための補助負荷を設置することなく、前記状態(バッテリの充電状態や移動体の停止状態)に適切に対応できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池が備える複数の単セルの電圧をそれぞれ検出するセル電圧検出手段を備え、前記制御手段は、前記検知後、前記セル電圧検出手段によって検出されるセル電圧の最低値が所定値以下である場合、前記循環ポンプの回転速度を増加させることが好ましい。
かかる構成によれば、セル電圧検出手段によって検出されるセル電圧の最低値が所定値以下である場合、制御手段が循環ポンプの回転速度を増加させる。したがって、カソード流路の差圧を上昇させて排水性を向上させ、セル電圧を回復(上昇)することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記カソードオフガス排出流路において、前記戻り流路との接続箇所と、前記バイパス流路との接続箇所と、の間に設けられる背圧弁を備え、前記制御手段は、前記背圧弁の開度を調整することで、前記カソード流路を通流するカソードガスの流量を調整し、前記燃料電池の発電電流を前記検知時よりも減少させることが好ましい。
かかる構成によれば、背圧弁の開度に応じた流量のカソードガスがカソード流路に供給され、当該カソードガスの流量に応じて電荷が生成される。つまり、背圧弁の開度を調整することで、燃料電池の発電電流を前記検知時よりも減少させることができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記検知後、前記セル電圧検出手段によって検出されるセル電圧の最高値が所定値以下となるように前記背圧弁の開度を調整することが好ましい。
かかる構成によれば、背圧弁の開度を調整することによって、セル電圧の最高値を所定値以下に抑えることができる。したがって、過電圧による単セルの劣化を防止できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の発電電圧が所定値になるように制御するとともに、前記燃料電池の発電電流を減少させた後、前記バッテリの充電割合が所定値以下になるか、又は、前記移動体の走行を開始する場合、前記制御手段は、前記バイパス流路弁を閉弁するとともに、前記循環ポンプを停止させることが好ましい。
かかる構成によれば、バッテリの充電割合が所定値以下になるか、又は、移動体の走行を開始する場合、バイパス流路弁を閉弁し、循環ポンプを停止して通常の制御に戻すことができる。
本発明によれば、燃料電池の劣化を適切に抑制できる燃料電池システムを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池システムの通常制御及びIV可変制御を行う際のタイムチャートであり、(a)はコンプレッサの回転速度、(b)は背圧弁の開度、(c)循環ポンプのオン/オフ、(d)はSTKバイパス流路弁の開閉状態、(e)はDILアシスト流路弁の開閉状態を示している。 燃料電池システムの通常制御及びIV可変制御を行う際のタイムチャートであり、(a)は遮断弁の開閉状態、(b)はインジェクタのオン/オフ、(c)はコンタクタのオン/オフ、(d)は燃料電池の発電電圧、(e)は燃料電池の発電電流を示している。 燃料電池システムのIV可変制御処理の流れを示すフローチャートである。 燃料電池システムのIV可変制御処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は燃料電池の電圧低下幅及びEGR循環量の時間的変化を示すグラフであり、(b)は燃料電池のセル電圧標準偏差及びEGR循環量の時間的変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムのIV可変制御処理の流れを示すフローチャートである。 燃料電池システムのIV可変制御処理の流れを示すフローチャートである。
本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
以下、燃料電池システムが燃料電池自動車に搭載される場合について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、船舶、航空機などの移動体にも適用できる。
≪第1実施形態≫
<燃料電池システムの構成>
図1に示す燃料電池システム1は、燃料電池10と、燃料電池10のアノードに対して水素(アノードガス)を供給するアノード系と、燃料電池10のカソードに対して酸素を含む空気(カソードガス)を供給するカソード系と、燃料電池10の発電電力を消費する電力消費系と、これらを制御するECU51と、を備えている。
(1.燃料電池)
燃料電池10は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を一対の導電性のセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セル(図示せず)を複数積層して構成されている。なお、複数の前記単セルは、電気的に直列で接続されている。
燃料電池10の各セパレータには、それぞれの膜/電極接合体の全面に水素又は酸素を供給するための溝及び貫通孔が形成されており、これらの溝及び貫通孔がカソード流路11、アノード流路12として機能している。なお、セパレータには、燃料電池10を冷却するための冷媒(例えば、エチレングリコールを含む水)を通流させる冷媒流路(図示せず)も形成されている。
燃料電池10では、アノード流路12を介して水素が供給されると、(式1)の電極反応が起こり、カソード流路11を介して酸素を含む空気が供給されると、(式2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差(Open Circuit Voltage:OCV)が発生する。
2H→4H+4e・・・(式1)
+4H+4e→2HO・・・(式2)
(2.カソード系)
カソード系は、コンプレッサ21と、加湿器22と、循環ポンプ23と、背圧弁24と、STK(Stack)バイパス流路弁25と、オリフィス26と、DIL(Diluter)アシスト流路弁27と、希釈器28と、を備えている。
コンプレッサ21(カソードガス送出手段)は、吸入側が配管a1を介して系外(車外)と連通し、吐出側が配管a2を介して加湿器22に接続されている。コンプレッサ21は、ECU51からの指令に従って内部の羽根車(図示せず)を回転させることにより、系外から空気を吸引・圧縮し、カソードガス供給流路を介しカソード流路11の流入口に向けて送出するものである。
なお、「カソードガス供給流路」は、配管a1〜a3を含んで構成され、カソード流路11の流入口に接続されている。
加湿器22は、カソード流路11に向かうカソードガスを加湿するものであり、配管a3を介してカソード流路11の流入口に接続されている。加湿器22は、配管a2を介して流入する低湿潤の空気(カソードガス)と、配管a4を介して流入する高湿潤のカソードオフガスとの間で、中空糸膜(図示せず)を介して水分交換を行う。
なお、以下の記載において、「カソードオフガス排出流路」は、配管a4〜a6を含んで構成され、カソード流路11の流出口に接続されている。
循環ポンプ23は、後記するIV可変制御を行う際に駆動されるポンプであり、戻り流路に設置されている。なお、「戻り流路」は、配管b1〜b3を含んで構成され、カソード流路11から流出したカソードオフガスが、再びカソード流路11に戻るように設けられている。
そして、循環ポンプ23が駆動すると、戻り流路、配管a3、カソード流路11、及び配管a4を含む「カソード循環流路」を、カソードオフガスが循環する。
なお、循環ポンプ23の吸入口は、後記する背圧弁24よりも上流側のカソードオフガス排出流路(配管a4)に、配管b1を介して接続されている。また、循環ポンプ23の吐出口は、配管b2を介して逆止弁Cに接続されている。
逆止弁Cは、戻り流路(配管b1〜b3)において、配管b2から配管b3に向かうカソードオフガスの流れを許容し、逆向きの流れを許容しないように設置されている。なお、逆止弁Cはコンプレッサ21よりも下流側のカソードガス供給流路(配管a3)に、配管b3を介して接続されている。
背圧弁24は、その開度を調整することによって燃料電池10のカソード流路11を通流する空気の流量及び圧力(背圧)を調整するものであり、上流側は配管a5を介して加湿器22に接続され、下流側は配管a6を介して希釈器28に接続されている。
STKバイパス流路弁25(バイパス流路弁)は、例えば、電磁式の開閉弁であり、STKバイパス流路(バイパス流路)に設けられている。
ここで、「STKバイパス流路」は、配管c1,c2を含んで構成され、コンプレッサ21から送出されるカソードガスが、燃料電池10をバイパスして希釈器28に流入するように設けられている。
なお、配管c1の一端は配管a2に接続され、他端はSTKバイパス流路弁25に接続されている。また、配管c2の一端はSTKバイパス流路弁25に接続され、他端は配管a6に接続されている。
なお、STKバイパス流路弁25は、後記するIV可変制御を実行する際に開弁される。
オリフィス26は、DILアシスト流路に設けられ、コンプレッサ21から希釈器28に供給される空気の流量を制限するものである。なお、「DILアシスト流路」は、配管c3〜c6を含んで構成される。
DILアシスト流路弁27は、例えば、電磁式の開閉弁であり、オリフィス26と並列に接続されている。そして、DILアシスト流路弁27が開弁すると、配管a2から流入した空気が配管c3,c5に分流し、さらに配管c4,c6から合流して希釈器28に流入するように設けられている。
希釈器28は、配管a6を介して背圧弁24に接続され、配管d7を介してパージ弁35に接続されている。希釈器28は、パージ弁35が開いた場合に配管d7を介して流入するアノードオフガスを、配管a6などを介して流入するカソードガスで希釈し、配管d8を介して系外に排出する機能を有している。
(2.アノード系)
アノード系は、水素タンク31と、遮断弁32と、インジェクタ33と、エゼクタ34と、パージ弁35と、を備えている。
水素タンク31は、配管d1を介して遮断弁32に接続され、高純度の水素が高圧で圧縮充填されている。
遮断弁32は、配管d2を介してインジェクタ33に接続され、ECU51からの指令によって開かれると、水素タンク31からの水素がアノード供給流路を介して燃料電池10のアノード流路12に供給されるようになっている。
なお、「アノード供給流路」は、配管d1〜d4を含んで構成される。
インジェクタ33は、配管d3を介してエゼクタ34に接続され、ECU51からの指令に従って水素を噴射するものである。すなわち、インジェクタ33は、配管d2を介して供給される水素を、配管d3を介して間欠的に噴射することで、アノード流路12に水素を供給する。
エゼクタ34は、配管d4を介してアノード流路12の流入口に接続され、水素タンク31から供給される水素をノズル(図示せず)から噴射することによって、ノズルの周囲に負圧を発生させるものである。これによって、アノード流路12の流出口から排出されるアノードオフガス(未反応の水素を含む)が、配管d5を介して吸引される。
パージ弁35は、配管d5から分岐する配管d6に接続され、配管d7を介して希釈器28に接続されている。パージ弁35は、ECU51からの指令に従って開弁することにより、アノード側に蓄積した不純物(窒素、水分など)を希釈器28に排出する機能を有している。
<電力消費系>
電力消費系は、出力検出器41と、VCU42と、走行モータ43と、バッテリ44と、電圧センサ45と、を備えている。
出力検出器41は、電流センサ(図示せず)及び電圧センサ(図示せず)を備え、燃料電池10の電流値、電圧値をそれぞれ検出してECU51に出力する機能を有している。
VCU42(Voltage Control Unit)は、ECU51からの指令に従って燃料電池10の発電電力やバッテリ44の充放電を制御するものであり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータなどの電子回路が内蔵されている。
走行モータ43は、燃料電池10及び/又はバッテリ44から供給される電力によって回転する電動モータであり、燃料電池10が搭載される移動体の動力源となる。
バッテリ44は、燃料電池10の負荷(走行モータ43など)に対して放電可能であるとともに、燃料電池10から充電可能な二次電池である。バッテリ44はVCU42に接続され、燃料電池10の余剰発電電力や走行モータ43からの回生電力を蓄えたり、充電した電力を放電して負荷への電力供給をアシストしたりする。ちなみに、バッテリ44として、例えば、複数のリチウムイオン型の二次電池を使用することができる。
電圧センサ45は、バッテリ44の充電割合(State Of Charge:SOC)を検出し、当該充電割合をECU51に出力する機能を有している。
なお、図1では、出力検出器41とVCU42との間に設置され、これらを電気的に接続するコンタクタの図示を省略している。また、図1では、VCU42と走行モータ43との間に設置され、直流電力を三相交流電力に変換するインバータの図示を省略している。
<制御系>
ECU51(Electric Control Unit)は、CPU、RAM、ROM、各種インタフェースなどの電子回路を備えて構成され、その内部に記憶したプログラムに従って各種機能を発揮する。
ECU51には、出力検出器41などを含むセンサ類からの検出信号や、ブレーキ61の踏み込みを示す信号などが入力される。そして、ECU51は、入力される各信号に応じて各弁の開閉、各ポンプの駆動、VCU42の動作などを制御する。
このECU51が、「制御手段」に相当する。
<その他>
ブレーキ61は、燃料電池10が搭載された燃料電池車(移動体)のブレーキペダルであり、運転席の足元に配置されている。ブレーキ61は、運転者による踏み込みを示す信号をECU51に出力するようになっている。
セル電圧モニタ71(セル電圧検出手段)は、燃料電池10を構成する複数の単セルごとのセル電圧を検出する機器である。セル電圧モニタ71は、所定周期でそれぞれの単セルのセル電圧を検出し、最低セル電圧、最高セル電圧、及び平均セル電圧を算出し、ECU51に出力する。
なお、「最低セル電圧」とは各セル電圧のうちの最低値であり、「最高セル電圧」とは各セル電圧のうちの最高値であり、「平均セル電圧」は各セル電圧の平均値である。ちなみに、前記算出には、複数個(例えば、2個)の単セルごとにセル電圧を検出し、最低セル電圧、最高セル電圧、及び平均セル電圧を算出する場合も含まれる。
<燃料電池システムの動作>
図2、図3は、燃料電池システムの通常制御及びIV可変制御を行う際のタイムチャートである。
「通常発電」を行う際、ECU51は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量などに応じてコンプレッサ21の回転速度r1や背圧弁24の開度R1を制御する(図2(a)、図2(b)の時刻t1〜t2を参照)。これによって、所定流量の空気が、カソード供給流路(配管a1〜a3)を介してカソード流路12に供給される。
なお、「通常発電」とは、循環ポンプ23を停止し、STKバイパス流路弁25及びDILアシスト流路弁27を閉弁した状態で(図2(c)、図2(d)、図2(e)参照)、要求負荷に応じて発電することを意味している。
また、通常発電を行う際、ECU51は、遮断弁32を開弁し(図3(a)参照)、インジェクタ33を駆動する(図3(b)参照)。これによって、水素タンク31から供給される水素が、アノード供給流路(配管d1〜d4)を介してアノード流路12に流入する。
そうすると、燃料電池10において水素と酸素とが前記(式1)、(式2)に示す電極反応を起こして電荷が生成され、コンタクタ(図示せず)を介して(図3(c)参照)、要求負荷に応じた発電電圧V及び発電電流I1が供給される(図3(d)、図3(e)参照)。
図2、図3の時刻t2において、例えばブレーキ61が踏まれて燃料電池車が停止すると、要求負荷が急激に小さくなる。このとき、ECU51は「IV可変制御」に移行する。
なお、「IV可変制御」とは、所定電圧を目標値とした定電圧制御を実行しつつ、発電電流を減少させる制御を意味している。IV可変制御は、燃料電池車が停止した場合やバッテリ44のSOC(充電割合)が所定値より大きい場合に実行される。
時刻t2においてECU51は、コンプレッサ21を所定回転速度rで回転させ(図2(a)参照)、背圧弁24を所定開度R(<R1)とする(図2(b)参照)。なお、コンプレッサ21の回転速度rは、最低流量よりも大きい所定値に設定されている。また、コンプレッサ21の回転速度rと、背圧弁24の開度Rとは、燃料電池10の発電電流を通常発電時よりも減少させる値に予め設定されている(図3(e)参照)。
また、ECU51は循環ポンプ23を駆動し(図2(c)参照)、前記したカソード循環流路内でカソードオフガスを循環させる。これによって、カソード流路11の排水性が向上し、所定の発電電圧Vを維持できる(図3(d)参照)。
なお、IV可変制御の詳細については、後記する。
また、ECU51は、STKバイパス流路弁25を開弁し(図2(d)参照)、コンプレッサ21から供給される空気を、STKバイパス流路(配管c1,c2)を介して希釈器28に流入させる。これによって、希釈器28に貯留されている水素を希釈し、配管d8を介して外部に排出できる。
なお、IV可変制御を実行している際も、ECU51は遮断弁32を開状態とし(図3(a)参照)、インジェクタ33を駆動させている(図3(b)参照)。
次に、図4、図5のフローチャートを参照し、燃料電池システム1のIV可変制御について説明する。
なお、図4の「START」において、燃料電池車(以下、「車両」と記す)のイグニッションスイッチ(図示せず)はON状態であり、車両は走行又は停止しているものとする。
ステップS101においてECU51は、車両が走行を停止しているか否かを判定する。例えば、ドライバがブレーキ61を踏み込んで車速が0になった場合や、シフトレバー(図示せず)がニュートラルに切り替えられた場合、ECU51は車両が走行を停止したと判定する。
車両が走行を停止した場合(S101→Yes)、ECU51の処理はステップS104に進む。一方、車両が走行を停止していない場合(S101→No)、ECU51の処理はステップS102に進む。
ステップS102においてECU51は、バッテリ44のSOC(充電割合)が上限値に達しているか否かを判定する。なお、当該上限値は予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。また、バッテリ44のSOCは、電圧センサ45から入力される電圧値に基づいて推定される。
バッテリ44のSOCが上限値に達している場合(S102→Yes)、ECU51の処理はステップS104に進む。つまり、ECU51は、車両が走行を停止している状態、及び、バッテリ44のSOCが所定値よりも大きい状態、のうち少なくとも一方を検知した場合、ステップS104に進んでIV可変制御(S104〜S112)を実行する。
一方、車両が走行を停止しておらず(S101→No)、かつ、バッテリ44のSOCが上限値に達していない場合(S102→No)、ECU51の処理はステップS103に進み、前記した通常発電を実行する。
ステップS104においてECU51は、カソードエア流量を流量Qに設定する。なお、流量Qは、配管a1〜a3を介してカソード流路11に所定流量の空気を供給しつつ、配管c1,c2を介して希釈器28に所定流量の空気を送出し得るように予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。
ステップS105においてECU51は、背圧弁24を開度Rに設定する。なお、開度Rは、通常発電時と比較して燃料電池10の発電電流を低下させ、かつ、所定電圧を維持できるように予め設定されている。
ちなみに、STKバイパス流路弁25を開弁した状態で背圧弁24の開度を変化させると、当該開度に応じてカソード流路11への空気供給量が変わる。例えば、背圧弁24の開度を小さくすると、カソード流路11の背圧が上昇するため、配管a2,a3を介してカソード流路11に流入する空気の流量(割合)は小さくなり、配管c1,c2を介して希釈器28に流入する空気の流量(割合)大きくなる。
ステップS106においてECU51は、STKバイパス流路弁25を開弁する。これによって、コンプレッサ21の回転速度(つまり、流量Q)と、背圧弁24の開度Rとに応じた流量の空気が、配管c1,c2を介して希釈器28に流入する。したがって、希釈器28に貯留されている水素を希釈し、さらに希釈器28から配管d8を介して排出することで、希釈器28を掃気できる。
次に、ステップS107においてECU51は、循環ポンプ23を駆動する。循環ポンプ23が駆動すると、その回転速度に応じた流量のカソードオフガスが、戻り流路(配管b1〜b3)を介してカソード流路11に還流する。
仮に、低負荷発電を行う際、循環ポンプ23を停止した状態で背圧弁24の開度を小さくすると、背圧によってカソード流路11に供給される空気の流量が非常に少なくなる。その結果、カソード流路11内で空気の流れが止まり、電極反応による生成水がカソード流路11に滞留するため、燃料電池10のセル電圧が低下して発電が不安定になってしまう。
本実施形態では、ステップS107において循環ポンプ23を駆動することで、カソード循環流路(カソード流路11、配管a4,b1〜b3,a3)内でカソードオフガスを循環させる。したがって、燃料電池10の排水性が向上し、セル電圧が回復することで安定した発電を継続できる。
次に、ステップS108においてECU51は、燃料電池10の最低セル電圧Vが所定値V1未満であるか否かを判定する。なお、最低セル電圧Vは、前記したようにセル電圧モニタ71からECU51に入力される。また、所定値V1は、単セルの劣化を抑制し得る値であり、予め記憶手段(図示せず)に格納されている。
最低セル電圧Vが所定値V1未満である場合(S108→Yes)、ECU51の処理はステップS110に進む。一方、最低セル電圧Vが所定値V1以上である場合(S108→No)、ECU51の処理はステップS109に進む。
ステップS109においてECU51は、電圧低下幅|ΔV|が所定値V2よりも大きいか否かを判定する。ここで、電圧低下幅|ΔV|とは、平均セル電圧と最低セル電圧との差の絶対値であり、その値が大きいほど燃料電池10の発電が不安定になっているといえる。
電圧低下幅|ΔV|が所定値V2よりも大きい場合(S109→Yes)、ECU51の処理はステップS110に進む。一方、電圧低下幅|ΔV|が所定値V2以下である場合(S109→No)、ECU51の処理はS111に進む。
ステップS110においてECU51は、循環ポンプ23の回転速度を所定値ΔS1だけ上昇させる。なお、所定値ΔS1(≧0)は予め設定された値であり、記憶手段(図示せず)に格納されている。
ステップS110において循環ポンプ23の回転速度を所定値ΔS1だけ上昇させた後、ECU51の処理はS108に戻る。つまり、ECU51は、燃料電池10の最低セル電圧Vが所定値V1以上であり、かつ、電圧低下幅|ΔV|が所定値V2以下となるように、循環ポンプ23の回転速度を徐々に上昇させる。
次に、ステップS111おいてECU51は、車両が走行を開始したか否かを判定する。当該判定は、例えば、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量などに基づいて行う。
車両が走行を開始した場合(S111→Yes)、ECU51の処理はステップS112に進む。一方、車両が走行を開始していない場合(S111→No)、ECU51の処理はステップS108に戻る。
ステップS112においてECU51は、バッテリ44のSOCが所定の下限値以下であるか否かを判定する。なお、当該下限値は予め設定され、記憶手段(図示せず)に格納されている。
バッテリ44のSOCが所定の下限値以下である場合(S112→Yes)、ECU51の処理は、図5のステップS113に進む。一方、バッテリ44のSOCが所定の下限値よりも高い場合(S112→No)、ECU51の処理はステップS108に戻る。
バッテリ44のSOCが所定値以下になるか、又は、車両の走行が開始された場合、通常発電を行っても燃料電池10の発電電力が消費又は充電される。したがって、このような場合、ECU51は、ステップS113〜S116の通常発電に移行する。
図5のステップS113においてECU51は、コンプレッサ21のカソードエア流量を通常の値に戻し、ステップS114においてECU51は、背圧弁24の開度を通常の値に戻す。なお、「通常の値」とは、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じて設定される値である。
ステップS115においてECU51は、STKバイパス流路弁25を閉弁する。
次に、ステップS116においてECU51は、循環ポンプ23を停止する。そうすると、STKバイパス流路弁25(及びDILアシスト流路弁27)が閉弁され、所定流量の空気がカソード流路11に供給される。したがって、燃料電池10内の生成水は、前記空気に同伴してカソード流路11から流出する。つまり、燃料電池10内で生成水が滞留することなく、安定した発電を継続できる。
<効果>
本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、燃料電池10への負荷要求が小さい状態(つまり、車両が停止した場合)や、バッテリ44のSOCが所定値よりも大きい状態を検知すると、ECU51がIV可変制御を開始する。すなわち、コンプレッサ21から所定流量の空気を吐出し、さらに、背圧弁24の開度に応じてカソード流路11とSTKバイパス流路とに前記空気を分流させる。したがって、背圧弁24の開度を適宜設定することで発電電流を減少させ、前記状態に適切に対応できる。また、車両の停止時でも、背圧弁24によって燃料電池10に所定の背圧が与えられるため、次回の走行をスムーズに開始できる。
また、バッテリ44のSOCが高い場合でも、補助負荷を設けてバッテリ44に吸収できないぶんの電力を消費する必要がない。したがって、燃料電池システム1の構成を簡素化できるとともに、製造コストを削減できる。
また、従来は、燃料電池10の劣化を防止するために低効率発電を行うことで、発電電流を抑えつつ、燃料電池10の発電電圧が高くなり過ぎないようにしていた。この場合、燃料電池10のエアストイキを低下させるためにコンプレッサ21の吐出流量を非常に小さくする(最低流量以下にする)必要があり、燃料電池10の発電が不安定になるという問題があった。
これに対して本実施形態では、コンプレッサ21を所定回転速度rで駆動することによって、吐出流量を最低流量よりも大きくする。したがって、コンプレッサ21の駆動を安定させるとともに、燃料電池10の発電も安定して継続できる。
また、従来の方法では、低効率発電を行って電流及び電圧を抑制する際、コンプレッサ21の吐出流量が非常に小さくなる。したがって、低効率発電中は燃料電池10に滞留している生成水を排出できず、フラッディングが生じやすいという問題があった。
これに対して、本実施形態では、循環ポンプ23を駆動し、カソード循環流路においてカソードオフガスを循環させ、カソード流路11の生成水をカソードオフガスの流れに同伴して排出する。したがって、燃料電池10でフラッディングが生じることを防止できる。
また、所定流量のカソードガスが供給されることでカソード流路11の上流側と下流側の酸素濃度差が小さくなり、前記したポンピング水素が生じることがなくなる。したがって、単セルの劣化を抑制できる。
また、前記したように燃料電池10の排水性が向上するため、カソード流路11に存在する酸素が、カソードに坦持された触媒に到達しやすくなる。また、前記定電圧制御の目標値は、燃料電池10の単セルに高電圧がかからない程度の所定値に設定されているため、単セルの劣化を効果的に抑制できる。
図6(a)は、燃料電池の電圧低下幅及びEGR循環量の時間的変化を示すグラフである。なお、縦軸の電圧低下幅とは、燃料電池10の平均セル電圧と最低セル電圧との差の絶対値である。また、縦軸のEGR(Exhaust Gas Recirculation)循環量とは、カソード循環流路を循環するカソードオフガスの流量を意味している。また、図6(a)の時刻tにおいて、循環ポンプ23の駆動を開始している。
図6(a)に示すように、循環ポンプ23の駆動を開始した時刻t以後において、電圧低下幅は著しく低下し、それぞれの単セルのセル電圧が安定していることが分かる。これは、前記したように、カソード流路11に存在する生成水が循環ポンプ23の駆動によって排出されたためである。
図6(b)は、燃料電池のセル電圧標準偏差及びEGR循環量の時間的変化を示すグラフである。なお、縦軸のセル電圧標準偏差とは、燃料電池10の各セル電圧の標準偏差である。また、図6(b)においても、時刻tから循環ポンプ23(図1参照)の駆動を開始している。
図6(b)に示すように、循環ポンプ23の駆動を開始した時刻t以後において燃料電池10の排水性が向上し、セル電圧標準偏差は著しく小さくなり、それぞれの単セルのセル電圧が安定していることが分かる。
また、従来は、低効率発電時にコンプレッサ21の吐出流量を非常に少なくするため、パージ弁35を開弁して希釈器28に水素を排出しつつ、前記低効率発電を継続することができなかった。
これに対して本実施形態では、コンプレッサ21の回転速度と、背圧弁24の開度とに応じた所定流量の空気がSTKバイパス流路(配管c1,c2)を介して希釈器28に送出される。したがって、IV可変制御を実行している間もパージ処理を実行できるため、燃料電池10の排水性が向上する。
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る燃料電池システム1は、第1実施形態と比較してIV可変制御の方法が異なるが、燃料電池システム1の構成などは第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、第1実施形態と重複する部分については説明を省略する。
<燃料電池システムの動作>
図7、図8のフローチャートを参照し、燃料電池システム1のIV可変制御について説明する。本実施形態では、第1実施形態で説明した図2、図3のステップS101〜S116に、さらにステップS211〜S214の処理を追加している。したがって、当該追加部分について説明し、第1実施形態と重複するS101〜S116については説明を省略する。
ステップS106でSTKバイパス流路弁25を開弁した後、ECU51はステップS211においてDILアシスト流路弁27を開弁する。
これによって、オリフィス26で流量が制限されていた空気が、配管c5、DILアシスト流路弁27、及び配管c6を介して希釈器28に流入する。
ステップS107で循環ポンプ23を駆動した後、ステップS212においてECU51は、発電電流Iが所定値I1よりも大きいか否かを判定する。なお、発電電流Iは出力検出器41で検出され、ECU51に入力される。また、所定値I1は、通常発電時(S101,S102の検知時)よりも発電電流Iが小さくなるように予め設定された値であり、記憶手段(図示せず)に格納されている。
発電電流Iが所定値I1よりも大きい場合(S212→Yes)、ECU51の処理はS213に進む。一方、発電電流Iが所定値I1以下である場合(S212→No)、ECU51の処理はS108に進む。
ステップS213においてECU51は、背圧弁24の開度をΔRだけ小さくした後、S212の処理に戻る。なお、ΔRは予め設定された値であり、記憶手段(図示せず)に格納されている。
背圧弁24の開度を小さくした場合、カソード流路11の背圧が大きくなる。したがって、コンプレッサ21から吐出された空気のうち、カソード流路11に流入するものの割合が小さくなり、それに伴って発電電流Iの値も小さくなる。このように、発電電流Iが所定値I1以下となるように背圧弁24の開度を調整する。
さらに、図8のステップS115でSTKバイパス流路弁25を閉弁した後、ステップS214においてECU51は、DILアシスト流路弁27を閉弁する。
<効果>
本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、IV可変制御を行う際、STKバイパス流路弁25に加えてDILアシスト流路弁27も開弁する。
したがって、希釈器28には、STKバイパス流路弁25によって流量が調整された空気が流入するほか、DILアシスト流路弁27を介して空気が流入する。このように、DILアシスト流路弁27を介して希釈器28に空気が流入することで、希釈器28内のガスが押し出され、配管d8を介して外部に排出される。したがって、希釈器28を効果的に掃気できる。
また、発電電流Iが所定値I1よりも大きい場合、背圧弁24の開度を小さくして背圧を高め、カソード流路11に流入する空気の流量を減らす。これによって、発電電流Iを確実に減少させ、閾値I1以下に抑えることができる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る燃料電池システム1について前記実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更などを行うことができる。
例えば、前記各実施形態では、背圧弁24の開度によって電流を制御する(減少させる)場合について説明したが、これに限らない。すなわち、背圧弁24の開度によって最高セル電圧(及び発電電流)を制御してもよい。
この場合、ECU51は、セル電圧モニタ71によって検出される最高セル電圧が所定値以下となるように背圧弁24の開度を調整する。
例えば、最高セル電圧が所定値を超えると、これに対応する単セルが過電圧によって劣化する。したがって、最高セル電圧が所定の閾値を超えた場合、ECU51は、背圧弁24の開度を所定値ΔR1だけ大きくすることでカソード流路11に流入する空気の流量を増やす。これによって燃料電池10の排水性を向上させ、単セルごとの電圧の偏りを小さくできる。
ちなみに、背圧弁24の開度を大きくすると、燃料電池10に供給される空気の流量が増えるため、発電電流も若干大きくなる。したがって、ECU51は、発電電流を所定値以下に維持し得るように前記所定値ΔR1を設定することが好ましい。
また、前記各実施形態では、加湿器22を、カソード供給流路(配管a3)と戻り流路(配管b3)との接続箇所よりも上流側に配置するとともに、カソードオフガス排出流路(配管a4)と戻り流路(配管b1)との接続箇所よりも下流側に配置する場合について説明したが、これに限らない。
すなわち、加湿器22を、カソード供給流路と戻り流路との接続箇所よりも下流側に配置するとともに、カソードオフガス排出流路と戻り流路との接続箇所よりも上流側に配置してもよい。
また、前記各実施形態では、オリフィス26とDILアシスト流路弁27とが並列に接続される場合について説明したが、これに限らない。例えば、オリフィス26及びDILアシスト流路弁27のうち、いずれかを省略してもよい。
また、前記第2実施形態のIV可変制御において、DILアシスト流路弁27の制御(図7のS211,図8のS214)と、発電電流に応じた背圧弁Iの制御(図7のS212,S213)と、のうちいずれか一方を実行することとしてもよい。
また、前記各実施形態では、IV可変制御を開始した直後に循環ポンプ23を駆動する場合(図2、図7のS107)について説明したが、これに限らない。すなわち、IV可変制御の開始時には循環ポンプ23を停止状態とし、最低セル電圧に応じて循環ポンプ23の回転速度を徐々に増加することとしてもよい。
この場合、セル電圧に関する条件(図2、図7のS108,S109)を満足しつつ、循環ポンプ23の回転速度を最小限に抑えるため、発電電力を効率的に利用できる。
1 燃料電池システム
10 燃料電池
11 カソード流路
12 アノード流路
21 コンプレッサ(カソードガス送出手段)
23 循環ポンプ
24 背圧弁
25 STKバイパス流路弁(バイパス流路弁)
28 希釈器
41 出力検出器
44 バッテリ
51 ECU(制御手段)
71 セル電圧モニタ(セル電圧検出手段)
a1,a2,a3 配管(カソードガス供給流路)
a4,a5,a6 配管(カソードオフガス排出流路)
b1,b2 配管(戻り流路)
c1,c2 STKバイパス流路(バイパス流路)

Claims (5)

  1. 移動体に搭載されるとともに、アノード流路にアノードガスが供給され、カソード流路にカソードガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記カソード流路の流入口に接続されるカソードガス供給流路と、
    前記カソード流路の流出口に接続されるカソードオフガス排出流路と、
    前記カソードガス供給流路と前記カソードオフガス排出流路とに接続され、カソードオフガスが前記カソード流路に戻るように設けられる戻り流路と、
    前記戻り流路に設けられる循環ポンプと、
    前記戻り流路との接続箇所よりも下流側の前記カソードオフガス排出流路に設けられる希釈器と、
    前記カソードガス供給流路を介し、前記カソード流路の流入口に向けてカソードガスを送出するカソードガス送出手段と、
    前記カソードガス送出手段から送出されるカソードガスが、前記燃料電池をバイパスして前記希釈器に流入するように設けられるバイパス流路と、
    前記バイパス流路に設けられるバイパス流路弁と、
    前記燃料電池の負荷に対して放電可能であると共に、前記燃料電池から充電可能なバッテリと、
    制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記バッテリの充電割合が所定値よりも大きい状態、及び、前記移動体が停止した状態、のうち少なくともいずれかを検知した場合、
    前記カソードガス送出手段を駆動しつつ前記バイパス流路弁を開弁することで、前記バイパス流路を介して前記希釈器にカソードガスを流入させ、
    前記循環ポンプを駆動することで、前記戻り流路を介して前記カソード流路にカソードオフガスを流入させつつ、前記燃料電池の発電電圧が所定値になるように制御し、
    前記カソード流路を通流するカソードガスの流量を調整することで、前記燃料電池の発電電流を前記検知時よりも減少させること
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池が備える複数の単セルの電圧をそれぞれ検出するセル電圧検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記検知後、前記セル電圧検出手段によって検出されるセル電圧の最低値が所定値以下である場合、
    前記循環ポンプの回転速度を増加させること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記カソードオフガス排出流路において、前記戻り流路との接続箇所と、前記バイパス流路との接続箇所と、の間に設けられる背圧弁を備え、
    前記制御手段は、
    前記背圧弁の開度を調整することで、前記カソード流路を通流するカソードガスの流量を調整し、前記燃料電池の発電電流を前記検知時よりも減少させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、
    前記検知後、前記セル電圧検出手段によって検出されるセル電圧の最高値が所定値以下となるように前記背圧弁の開度を調整すること
    を特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の発電電圧が所定値になるように制御するとともに、前記燃料電池の発電電流を減少させた後、
    前記バッテリの充電割合が所定値以下になるか、又は、前記移動体の走行を開始する場合、
    前記制御手段は、
    前記バイパス流路弁を閉弁するとともに、前記循環ポンプを停止させること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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