JP2013111972A - ペットボトルリサイクル食器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リサイクルPET材のみで耐熱性と曲げ強度(剛性)において充分に食器としての使用に耐え得るペットボトルリサイクル食器を製造する。
【解決手段】回収した使用済みのペットボトルを裁断してフレーク化する。その後これを更に洗浄して細かく粉砕して原材料となるリサイクルPET材とする。これを射出成形機により食器としての所定形状に成形する。その後該成形品を赤外線ヒータにより150〜200℃で2〜5分間加熱して食器としての使用に足りるまで熱結晶化させ、その後冷却する。
【選択図】なし
【解決手段】回収した使用済みのペットボトルを裁断してフレーク化する。その後これを更に洗浄して細かく粉砕して原材料となるリサイクルPET材とする。これを射出成形機により食器としての所定形状に成形する。その後該成形品を赤外線ヒータにより150〜200℃で2〜5分間加熱して食器としての使用に足りるまで熱結晶化させ、その後冷却する。
【選択図】なし
Description
本発明はペットボトルリサイクル食器の製造方法に関するものである。
省資源或いは廃棄するごみの量を減らすために、回収した使用済みのペットボトルをフレーク化して原材料とし、これを所定の形状に成形してペットボトルリサイクル食器とするペットボトルリサイクル食器の製造方法が既に提案されており、例えば特許文献1では食器の一つである箸を製造するものが示されている。
ところで、食器はある程度温度の高い食べ物、例えば鍋物や汁物といった食べ物にも熱で変形しないだけの耐熱性がなければならない。即ち、回収した使用済みのペットボトルを裁断してフレーク化したものをそのまま射出成形して食器にしたとすると、60〜70℃の温度で撓み変形し、食器としての使用に耐えない。よって少なくとも80℃以上の耐熱性がなければならない。また、箸とした場合には相当な曲げ強度(剛性)がなければ物を挟んで摘むことができないし、ナイフ、フォーク或いはスプーンにおいても同様である。
そこでこれらの点を解決するために、上記特許文献1の方法においてはリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)材にガラス繊維或いはカーボン繊維を添加混合している。
しかし、斯かる方法の場合には、材料にガラス繊維やカーボン繊維が混入しているために、使用済みの箸は産業廃棄物として処理しなければならず、分別のための手間や産業廃棄物処理業者への委託のための手間と費用がかかることになる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、回収した使用済みのペットボトルを細かく粉砕したリサイクルPET材を原材料とし、これを射出成形機により所定形状に成形し、その後赤外線ヒータにより所定の温度で所定の時間加熱して熱結晶化させることにより、リサイクルPET材のみで、即ち他の材料を一切添加混合しないでも耐熱性と曲げ強度(剛性)において充分に食器としての使用に耐え得る食器を製造することができるペットボトルリサイクル食器の製造方法を提供しようとするものである。
而して、本発明の要旨とするところは、回収した使用済みのペットボトルを裁断してフレーク化し、その後更に洗浄して細かく粉砕したリサイクルPET材を原材料とし、これを射出成形機により食器としての所定形状に成形し、その後該成形品を赤外線ヒータにより150〜200℃で2〜5分間加熱して食器としての使用に足りるまで熱結晶化させ、その後冷却することを特徴とするペットボトルリサイクル食器の製造方法にある。また、上記食器は、箸、ナイフ、フォーク又はスプーンのいずれかであり、また、上記箸の場合には、一本一本単独の箸でも、或いは割箸でもよい。
本発明は上記の如き構成であるから、リサイクルPET材のみで、即ち他の材料を一切添加混合しないでも耐熱性と曲げ強度(剛性)において充分に食器としての使用に耐え得る食器を製造することができるものである。したがって、上記特許文献1に示された方法の如く材料にガラス繊維やカーボン繊維等が混入していないから、一般ごみとして廃棄処理することができ、分別の手間や処理費用がかからないものである。また、他の材料が一切不要であるからコストを抑えることができ、加えて使用後は当該箸自体もリサイクル材料として再利用することができるものである。また、限定された特定の加熱条件、即ち所定の加熱温度と加熱時間をもって熱処理することによって処理時間を極力短縮したから、コストを極力抑えて低コストでの製造が望まれる食器を大量生産する上で、能率の向上を図ることができるものである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、食器の一つである箸を製造する場合を示すものである。図1において、1は回収した使用済みのペットボトル(図示せず。)を裁断してフレーク化する装置であり、2は該装置におけるペットボトルの洗浄装置、3はペットボトルの裁断装置である。
4は上記装置によってフレーク化したものを洗浄する洗浄装置、5は前記洗浄装置4によって洗浄したものをさらに細かく粉砕する粉砕装置である。6は前記粉砕装置5によって粉砕したものを乾燥させる乾燥装置である。以上の工程を経て原材料となるリサイクルPET材(図示せず。)が出来上がる。
7は前記リサイクルPET材を箸としての所定形状に成形する射出成形機である。尚、箸としては一本一本単独の箸でも、或いは割箸でもよい。また、該射出成形機7は、型締ユニット7Aと射出ユニット7Bとからなり、型締め、射出、保圧、冷却、型開き、製品取り出しの順で行われ、これのサイクルの繰り返しで製品を連続的に生産する公知の射出成形機である。
8は前記射出成形機7から取り出された成形品9,9,9・・・を順次後記加熱装置に搬送する搬送コンベアである。また、該搬送コンベア8は、本実施形態においては、載受面を搬送方向の先に行くにしたがって次第に傾斜させ、成形品9,9,9・・・を水平状態で受けた後、次第に立ち上がるように構成されている。
10は熱結晶化工程を行う加熱装置である。また、該加熱装置10は、前記搬送コンベア8によって搬送されてきた成形品9,9,9・・・を赤外線ヒータにより150〜200℃で2〜5分間加熱して箸としての使用に足りるまで熱結晶化させるものである。これにより箸として使用可能な耐熱性と曲げ強度(剛性)が付与されるものである。また、図2は斯かる装置の実施形態の一例を示しており、各成形品9の上端部をチャックして垂直に吊り下げ、この状態で水平に移動する吊り具11と、成形品9を挟むようにして配置し、該成形品9の周面に赤外線を照射して加熱する左右一対の赤外線ヒータ12,13と、該赤外線ヒータ12,13の夫々の外側に配置した反射板14,15とをもって構成されている。16は前記加熱装置10によって熱結晶化された成形品9を冷却する冷却装置である。尚、該冷却は、本実施形態では冷風ファン(図示せず。)によって行っているが、自然冷却でもよい。以上の工程を経てペットボトルリサイクル箸が完成するものである。
以上の如き本発明に係る製造方法は、リサイクルPET材のみで、即ち他の材料を一切添加混合しないでも耐熱性と曲げ強度(剛性)において充分に箸としての使用に耐え得る箸を製造することができるものである。したがって、上記特許文献1に示された方法の如く材料にガラス繊維やカーボン繊維等が混入していないから、一般ごみとして廃棄処理することができ、分別の手間や処理費用がかからないものである。また、他の材料が一切不要であるからコストを抑えることができ、加えて使用後は当該箸自体もリサイクル材料として再利用することができるものである。また、限定された特定の加熱条件、即ち所定の加熱温度と加熱時間をもって熱処理することによって処理時間を極力短縮したから、コストを極力抑えて低コストでの製造が望まれる食器を大量生産する上で、能率の向上を図ることができるものである。
また、上記実施形態は、食器としての箸を製造する場合を示したが、図示はしないが、ナイフ、フォーク又はスプーンも同様の製造工程をもって製造することができ、本発明はこれらをも包摂するものである。
1 ペットボトルをフレーク化する装置
2 ペットボトルの洗浄装置
3 ペットボトルの裁断装置
4 フレーク化したものの洗浄装置
5 フレーク化したものの粉砕装置
6 乾燥装置
7 射出成形機
8 搬送コンベア
9 成形品
10 加熱装置
11 吊り具
12,13 赤外線ヒータ
14,15 反射板
16 冷却装置
2 ペットボトルの洗浄装置
3 ペットボトルの裁断装置
4 フレーク化したものの洗浄装置
5 フレーク化したものの粉砕装置
6 乾燥装置
7 射出成形機
8 搬送コンベア
9 成形品
10 加熱装置
11 吊り具
12,13 赤外線ヒータ
14,15 反射板
16 冷却装置
Claims (3)
- 回収した使用済みのペットボトルを裁断してフレーク化し、その後更に洗浄して細かく粉砕したリサイクルPET材を原材料とし、これを射出成形機により食器としての所定形状に成形し、その後該成形品を赤外線ヒータにより150〜200℃で2〜5分間加熱して食器としての使用に足りるまで熱結晶化させ、その後冷却することを特徴とするペットボトルリサイクル食器の製造方法。
- 食器が、箸、ナイフ、フォーク又はスプーンのいずれかである請求項1記載のペットボトルリサイクル食器の製造方法。
- 箸が、一本一本単独の箸又は割箸のいずれかである請求項2記載のペットボトルリサイクル食器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011271711A JP2013111972A (ja) | 2011-11-24 | 2011-11-24 | ペットボトルリサイクル食器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011271711A JP2013111972A (ja) | 2011-11-24 | 2011-11-24 | ペットボトルリサイクル食器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013111972A true JP2013111972A (ja) | 2013-06-10 |
Family
ID=48707994
Family Applications (1)
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JP2011271711A Pending JP2013111972A (ja) | 2011-11-24 | 2011-11-24 | ペットボトルリサイクル食器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013111972A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111101392A (zh) * | 2018-10-29 | 2020-05-05 | 南亚塑胶工业股份有限公司 | 具有热转印图案的餐具的制作方法 |
CN111100430A (zh) * | 2018-10-29 | 2020-05-05 | 南亚塑胶工业股份有限公司 | 聚酯树脂组成物及高密度聚酯餐具的制作方法 |
-
2011
- 2011-11-24 JP JP2011271711A patent/JP2013111972A/ja active Pending
Cited By (3)
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CN111100430A (zh) * | 2018-10-29 | 2020-05-05 | 南亚塑胶工业股份有限公司 | 聚酯树脂组成物及高密度聚酯餐具的制作方法 |
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